JP2003096403A - 角度変色塗膜形成粉体塗料組成物および角度変色塗膜の形成方法 - Google Patents

角度変色塗膜形成粉体塗料組成物および角度変色塗膜の形成方法

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JP2003096403A
JP2003096403A JP2001296370A JP2001296370A JP2003096403A JP 2003096403 A JP2003096403 A JP 2003096403A JP 2001296370 A JP2001296370 A JP 2001296370A JP 2001296370 A JP2001296370 A JP 2001296370A JP 2003096403 A JP2003096403 A JP 2003096403A
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film
powder coating
coating composition
powder
coating
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Akio Kashiwabara
章雄 柏原
Toshio Takahashi
敏夫 高橋
Masami Kimizuka
雅己 君塚
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】見る角度によって異なる色調を発する高意匠性
塗膜がえられる粉体塗料および高意匠性塗膜を形成する
方法を提供すること。 【解決手段】第1の粉体塗料組成物は、顔料粒子表面の
一部又は全部が、1μm以下の高低差のある凹凸の模様
を有する光反射層で覆われ、かつその平均粒子径が10
〜200μmであるホログラム顔料粒子0.1〜10重
量%と、成膜したときの明度のL値が70以下である粉
体粒子99.9〜90重量%とをドライブレンドするこ
とにより得られる角度変色塗膜形成粉体塗料組成物およ
びこの粉体塗料組成物を塗装して塗膜を形成する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、見る角度によって
色調が変わる高意匠性を有する塗膜を形成するための粉
体塗料組成物と角度変色塗膜形成方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の意匠性粉体塗料は、アルミニウ
ム、真鍮、銅などの金属顔料およびこれらに表面処理や
被覆を施したものを着色粉体塗料やクリア粉体塗料にド
ライブレンドしたものであったり、メタリック調を有し
たり、一般にパール顔料と呼ばれる天然マイカや合成マ
イカに各種の表面処理を施した顔料などを、着色粉体塗
料やクリア粉体塗料にドライブレンドしたものであっ
た。このような従来の粉体塗料製造時には、そのような
顔料を他の材料と一緒に混合、溶融混練、粉砕するた
め、前記顔料とは表面張力が異なる材料を混合している
ため、焼付け時、樹脂が溶融した際にこれらが互いに表
面張力が異なるためにいわゆる「ハジキ」現象が起こ
り、そのことにより凹凸模様が発現するような粉体塗料
が主流であり、色そのものが意匠性を有するものではな
かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では得られないほどに見る角度によって異なる色調
を発する高意匠性塗膜がえられる粉体塗料および高意匠
性塗膜を形成する方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の粉体塗料
組成物は、顔料粒子表面の一部又は全部が、1μm以下
の高低差のある凹凸の模様を有する光反射層で覆われ、
かつその平均粒子径が10〜200μmであるホログラ
ム顔料粒子0.1〜10重量%と、成膜したときの明度
のL値が70以下である粉体粒子99.9〜90重量%
とをドライブレンドすることにより得られる角度変色塗
膜形成粉体塗料組成物である。
【0005】また、本発明の塗膜形成方法は、導電性素
材に、前記粉体塗料組成物を塗装する工程、次に焼付け
をする工程からなる角度変色塗膜形成方法である。
【0006】さらに本発明の方法は、導電性素材に、前
記粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその塗装された
粉体塗料組成物を焼付けする工程、次に前記ホログラム
顔料粒子を含まず、かつ成膜したときに光透過度が70
%以上のクリア粉体塗料組成物を塗装する工程、次にそ
の塗装されたクリア粉体塗料組成物を焼付けする工程か
らなる角度変色塗膜形成方法である。
【0007】また、本発明の塗膜形成方法は、導電性素
材に、前記粉体塗料組成物を塗装する工程、次に前記ホ
ログラム顔料粒子を含まず、かつ成膜したときに光透過
度が70%以上のクリア粉体塗料組成物を塗装する工
程、次にその塗装された前記2種類の粉体塗料組成物を
同時に焼付けする工程からなる角度変色塗膜形成方法の
発明である。
【0008】また、本発明の塗膜形成方法は、導電性素
材表面にあらかじめ焼き付けして形成された、成膜した
ときの明度のL値が70以下の着色塗膜の上に、顔料粒
子表面の一部又は全部が、1μm以下の高低差のある凹
凸の模様を有する光反射層で覆われかつその平均粒子径
が10〜200μmのホログラム顔料粒子0.1〜10
重量%と、成膜したときに光透過度が70%以上のクリ
ア粉体粒子99.9〜90重量%とをドライブレンドし
て得られた第2の粉体塗料組成物を塗装する工程、次に
その塗装された粉体塗料組成物を焼付けする工程からな
る角度変色塗膜形成方法である。
【0009】また、本発明の塗膜形成方法は、導電性素
材表面に、成膜したときの明度のL値が70以下の着色
塗膜を形成することのできる着色粉体塗料組成物を塗装
する工程、次に、顔料粒子表面の一部又は全部が、1μ
m以下の高低差のある凹凸の模様を有する光反射層で覆
われかつその平均粒子径が10〜200μmのホログラ
ム顔料粒子0.1〜10重量%と、成膜したときに光透
過度が70%以上のクリア粉体粒子99.9〜90重量
%とをドライブレンドして得られた第2の粉体塗料組成
物を塗装する工程、次にその塗装された2種類の粉体塗
料組成物を同時に焼付けする工程からなる角度変色塗膜
形成方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本発明の第1の粉体塗料組
成物について、以下に詳細に説明する。本発明の第1の
粉体塗料組成物に用いるホログラム顔料粒子は、薄い樹
脂基材に高低差が1μm以下の凹凸の模様がある表面
に、金属を被覆して、光反射層を形成してなる、平均粒
子径が10〜200μmの樹脂基材のフレークである
か、または高低差が1μm以下の凹凸の模様状にエッチ
ングされて、光反射層を形成してなる、平均粒子径が1
0〜200μmの金属箔である。このホログラム顔料粒
子は、金属加工されているかまたは金属自体であるため
に高い鮮映性がえられるとともに、入射した光がプリズ
ム効果で微妙な反射となり、独特な偏光性がえられる。
このホログラム顔料粒子の平均粒子径は10〜200μ
mが望ましい。10μmよりも小さい時には光の反射量
が不十分であり、充分な偏光性がえられない恐れがあ
る。また、平均粒子径が200μm以上では塗膜からの
突き出しが多くザラツキ感があり、また、表面近傍での
反射が異常になるためつや消し感が強くなり、塗膜の鮮
映性が劣る恐れがある。このホログラム顔料粒子は、一
般的には鱗片状の形をしており、その厚さは50μm以
下、好ましくは25μm以下、さらに好ましくは10μ
m以下である。顔料の厚さが50μmよりも厚いときに
は塗膜中での顔料の並びがまだらになったり、顔料の自
重が重くなるために塗膜の底に沈んで意匠性が損なわれ
る恐れがあり、また、粉体塗装されたあと、素材から脱
落する恐れがある。
【0011】上記1μm以下の高低差とは、凹凸模様の
凹部の底部と凸部の先端部との高さが1μm以下のこと
をいう。1μmを超えると光の反射で回折光が得られな
いからである。
【0012】上記の光反射層とは、上述のごとく、入射
した光がプリズム効果で微妙な反射となり、独特な光の
回折が得られるようにする働きを有する層である。ま
た、この光反射層は、上記光の回折が得られる限り、ホ
ログラム顔料粒子の全部を覆っていてもよく、又はその
一部を覆っていてもよい。
【0013】ホログラム顔料粒子は、マイクロエッチン
グされたり、マイクロエッチングされたマスターからプ
レス型をつくり、樹脂フィルムにプレスしたりしてつく
られる。マイクロエッチングはレーザー光を利用した直
接表面エッチングや、基材の表面をあらかじめ感光性樹
脂で被覆し、電子線、紫外線、可視光、レーザー光など
を照射して凹凸表面を画像形成する方法でエッチングさ
れるが、これらの方法に限られることはない。
【0014】樹脂基材上に、1μm以下の凹凸の模様の
表面に被覆される金属としては、アルミニウム、銀、
銅、金、真鍮、チタン等が挙げられるが、特に制限され
ることはない。被覆される金属によって色相、光沢感、
耐候性が異なることはもちろんであるが、表面処理の有
無や表面処理の方法によっても色相は異なり、得たい意
匠性により選択することができる。これらの金属を被覆
する方法は、一般的なスパッタリングによる方法や常法
による無電解メッキ法、金属蒸着などが用いられる。そ
のときの金属厚さは経済性、均一性から1μm以下であ
ることが望ましい。
【0015】また、厚さが50μm以下、好ましくは2
5μm以下、さらに好ましくは10μm以下の上記の金
属箔をエッチングしたものもホログラム顔料粒子として
使用できる。
【0016】前記粉体粒子に用いられる樹脂成分として
は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂
等、一般に熱硬化型粉体塗料に使用される主結合樹脂と
各結合樹脂に対する硬化剤、硬化樹脂が挙げられる。ま
た、ポリエチレン、ポリエチレンアクリル酸共重合体、
ポリエチレンアクリル酸エチル共重合体等からなる熱可
塑性樹脂であってもよい。前記粉体粒子は、これらの硬
化剤、硬化樹脂を含んだ結合樹脂又は硬化樹脂を含まな
い樹脂を含有するほかに、表面調整剤、レベリング剤、
抗酸化剤や紫外線吸収剤等を含有していてもよい。ま
た、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄等の着色顔
料や炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の体質顔料なども
含有していてもよい。これらは通常、ヘンシェルミキサ
ー、ナウターミキサー等により混合され、エクストルー
ダーにより溶融混練後に粉砕、必要により分級されるこ
とにより製造されるが、通常方法にこだわるものではな
く、凝集法、重合法などで製造されてもよい。上記のよ
うにして調製された粉体粒子に前述のホログラム顔料粒
子を所定量ドライブレンドして本発明の角度変色塗膜形
成粉体塗料を得ることができる。ドライブレンドの方法
はいかなるものでもよく、Vブレンダー、ドラムブレン
ダーのような混合機を使用したり、少量であれば袋内で
手動で混合してもよい。ホログラム顔料粒子を粉体塗料
組成物製造時に一緒に混合、溶融混練する方法では、溶
融混練や粉砕中にホログラム顔料粒子が変形し、きれい
な光の回折を生じなくなるので避けたほうがよい。この
ようにして調製された粉体塗料組成物の流動性を改善し
たり、電荷を調整したりするために、外添材として各種
の無機微粒子や有機樹脂粒子などを添加することもでき
る。
【0017】前記粉体粒子は、それが成膜したときに示
される明度のL値が、70以下である必要がある。L値
が70以上では、ホログラム顔料による回折光のコント
ラストが小さく、見る角度による色相変化が少ない。好
ましくは、L値が60以下である。高反射性のホログラ
ム顔料粒子と光吸収性が高い粉体粒子とのコントラスト
の強さにより、細かい凹凸面で反射された光が視覚に入
るためにユニーク性が強調された意匠性となる。
【0018】ホログラム顔料粒子は粉体粒子と0.1/
99.9〜10/90の重量比で使用される。ホログラ
ム顔料粒子が0.1重量%よりも少ないときには光輝性
がえられにくく、10重量%よりも多いときには光輝性
は強いが、経済性、塗膜物性、光沢感でマイナスが大き
い恐れがある。好適には、ホログラム顔料は粉体塗料と
0.5/99.5〜5/95の重量比で使用される。
【0019】ここで、角度変色とは、見る角度によって
色調が変わることをいう。すなわち、光の波長レベルの
高低差のある凹凸表面に、光があたり反射され、この反
射光が互いに干渉して、各々の波長に応じて光の強弱が
生じ、その結果、みる角度によって反射光の強弱が変化
し、そのため色調が変わってくることをいう。
【0020】次に本発明の塗膜形成方法について説明す
る。
【0021】第1の塗膜形成方法は、導電性素材に、前
記第1の粉体塗料組成物を塗装する工程、次に焼付けを
する工程からなる角度変色塗膜形成方法である。すなわ
ち、ワンコートによる塗装方法である。このワンコート
塗装方法で用いられる前記粉体塗料組成物の成膜時の光
沢は、60°光沢で70%以上、さらに好ましくは80
%以上が好ましい。塗膜の光沢が低い場合には塗膜の反
射光が少なく、ホログラム性が十分には機能しないの
で、角度変色が発現しにくいからである。上記導電性素
材としては、表面処理された鋼材やアルミニウム、ステ
ンレス等が挙げられ、そのような導電性素材に前記粉体
塗料組成物を静電塗装により塗装する。
【0022】第2の塗膜形成方法は、前記導電性素材
に、前記第1の粉体塗料組成物を塗装する工程、次にそ
の塗装された粉体塗料組成物を焼付けする工程、次に前
記ホログラム顔料粒子を含まず、かつ光透過度が70%
以上のクリア粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその
塗装されたクリア粉体塗料組成物を焼付けする工程から
なる角度変色塗膜形成方法すなわち、下塗りとして、前
記粉体塗料組成物を、上塗りとして前記クリア粉体塗料
組成物を、2コート2ベークで塗装する方法又は、前記
2種類の粉体塗料組成物を塗装して同時に焼き付ける、
2コート1ベークで塗装する方法である。
【0023】第3の塗膜形成方法は、前記導電性素材表
面にあらかじめ焼き付けして形成された、成膜したとき
の明度のL値が70以下の着色塗膜の上に、顔料粒子表
面の一部又は全部が、1μm以下の高低差のある凹凸の
模様を有する光反射層で覆われかつその平均粒子径が1
0〜200μmのホログラム顔料粒子0.1〜10重量
%と、成膜したときに光透過度が70%以上のクリア粉
体粒子99.9〜90重量%とをドライブレンドして得
られた第2の粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその
塗装された粉体塗料組成物を焼付けする工程からなる角
度変色塗膜形成方法、すなわち、あらかじめ形成された
着色塗膜上に、第2の粉体塗料組成物を塗装して、塗膜
を形成する方法である。
【0024】第4の塗膜形成方法は、導電性素材表面
に、成膜したときの明度のL値が70以下の着色塗膜を
形成することのできる着色粉体塗料組成物を塗装する工
程、次に、前記第2の粉体塗料組成物を塗装する工程、
次にその塗装された2種類の粉体塗料組成物を同時に焼
付けする工程からなる角度変色塗膜形成方法、すなわ
ち、着色粉体塗料組成物と第2の粉体塗料組成物とを2
コート1ベークで塗装する方法である。
【0025】上記第2、第3又は第4の塗装方法では、
下地の粉体塗料は上塗りの粉体塗料と同種類の結合樹脂
を使用する必要はなく、異種の結合材料を使用してもよ
い。すなわち、耐食性を重視するならエポキシ樹脂やエ
ポキシポリエステル樹脂を主結合材とする樹脂系から選
択すればよいし、耐候性を重視するならアクリル樹脂や
ポリエステル樹脂を主結合材とする樹脂系から選択する
こともできる。特に2コート1ベークの場合、上塗り樹
脂が同種であっても異種であっても2層の境界ははっき
りとはせず、幾分混ざり合った状態となる。通常の粉体
塗装にあっては2層の融合は好ましいものではないが、
高輝度、意匠性の場合には2層の融合がある方が光の乱
反射がすすみ、おもしろい意匠表現となる場合がある。
【0026】上記塗装方法で、2コート2ベーク仕様の
場合の中に、下塗り粉体塗料が硬化はしないが溶融して
連続膜になった状態、いわゆるハーフベークの上から、
粉体塗料組成物を塗装する方法も含まれる。下塗り塗料
が溶液型塗料の場合には、溶媒が塗膜中になくなるまで
乾燥・焼付けせねばならない。上記の第3又は第4の塗
装方法では、極めて角度変色が目立った、立体感のある
高意匠性塗膜がえられる。また、ホログラム顔料粒子の
含量が少なくても高い角度変色と意匠性を発現する。
【0027】上記クリア粉体粒子及びクリア粉体塗料の
「クリア」とは、これらが単独で成膜したときの、通常
使用される膜厚40μm〜80μmでの光透過率が70
%以上であることを指し、必ずしも着色していない塗膜
を指すものではない。つまり、光透過率が70%以上で
あれば、着色顔料が塗膜中にあってもよく、いわゆるカ
ラークリアもこの範疇に入る。光透過率が70%よりも
小さい場合には、ホログラム顔料粒子表面での光の反射
が少なくなり、光回折の色相感は発現せず、本発明特有
の見る角度による色相の違い感が発現せずに、平板で意
匠性の乏しい塗膜となる。
【0028】上記塗装方法で得られた塗膜の光沢は、6
0°光沢で70%以上、好ましくは80%以上が望まし
い。これは、前述したように、それよりも光沢が低いと
光の反射が弱く、光回折が発現しにくいことによる。
【0029】上記クリア粉体粒子又はクリア粉体塗料組
成物は、ホログラム顔料粒子を含まない以外は、前記粉
体粒子で用いられる樹脂成分を含有し、かつ表面調整
剤、レべリング剤、抗酸化剤や紫外線吸収剤等を含有し
ていても良い。また、光透過率が70%以上であれば、
前記体質顔料や着色顔料を含有していても良い。
【0030】上記クリア粉体粒子又はクリア粉体塗料組
成物の製造方法は、前記粉体粒子と同じである。
【0031】一方、第4の塗膜形成方法で使用する着色
粉体塗料組成物は、第3の塗膜形成方法での着色塗膜を
形成するために用いるものと同じであるが、その着色粉
体塗料組成物及びその製造方法は、上記ホログラム顔料
粒子を含まず、かつ上記着色顔料を必須成分としている
以外は、前記粉体粒子と同じである。
【0032】本発明の塗膜形成方法に用いられる、粉体
塗料組成物の塗装では、静電粉体塗装が好ましい。その
ような静電塗装では、負電荷を与えるコロナ放電式の静
電塗装方式であっても、正電荷を与える摩擦帯電式の静
電塗装方式であってもよい。また、流動浸漬法と静電塗
装法を組み合わせたような方式であってもよい。
【0033】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定される
ものではない。
【0034】製造例1 粉体粒子の製造 粉体粒子を、表1に示す配合割合(単位は重量部)で製
造した。その製造方法は、各原料をヘンシェルミキサー
で混合し、エクストルーダーにより溶融混練を行い、冷
却後粉砕し、分級した。
【0035】製造例2 クリア粉体粒子の製造 クリア粉体粒子を、表2に示す配合割合(単位は重量
部)で製造した。製造方法は、表1と同様に、各原料を
ヘンシェルミキサーで混合し、エクストルーダーにより
溶融混練を行い、冷却後粉砕し、分級した。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】*1;ポリエステル樹脂:ファインディッ
クM−8020(大日本インキ化学工業(株)製) *2;アクリル樹脂:アルマテックスPD−6600
(三井化学(株)製) *3;ポリエチレンアクリル酸共重合樹脂:プリマコー
ル1430(ダウケミカル製) *4;ブロックイソシアネート樹脂:IPDIアダクト
B―1530(ケミッシュ・ウェルケ・ヒュルス製) *5;硬化触媒:フォーメートTK−1(武田薬品工業
製) *6;表面調整剤:アクロナール4F(BASF製) *7;シリコン系添加剤:ST86PA(東レ・ダウコ
ーニング・シリコン製) *8;黒色顔料:カーボンブラックMA−100(三菱
カーボン製) *9;青色顔料:ファーストゲンブルーNK(大日本イ
ンキ化学工業製) *10;緑色顔料:リオノールグリーンYS10(東洋
インキ製造製) *11;白色顔料:チタンCR90(石原産業製) *12;L値:色差計SM−7(スガ試験機製)で測定
した値 *13;赤色顔料:コバルトブルー5000−N(東洋
顔料製) *14;青色顔料:ノヴォパームレッドF3RK70
(ヘキスト製) *15;光透過率:濁度計1001DP(日本電色工業
製)
【0039】実施例1 製造例1で作製した粉体粒子1の99重量部に対して、
ホログラム顔料粒子としてGeometric Pig
mentシルバー256(スペクトラテックテクノロジ
ー製、平均カットサイズ100μm×100μmのアル
ミニウム蒸着PETフィルム)1重量部をVブレンダー
にてドライブレンドして第1の粉体塗料組成物1を得
た。これを、表面を切削加工したアルミ建材にコロナタ
イプの静電塗装機にて塗装し、その後、熱風循環式乾燥
炉にてアルミ建材の表面温度が180℃になってから1
5分間キープされるように焼付けしたところ、膜厚約8
0μmで回折光を発する艶あり黒色の光輝度塗膜がえら
れた。
【0040】実施例2 製造例1で作製した粉体粒子2の97重量部に対して、
ホログラム顔料粒子としてGeometric Pig
mentシルバー375(スペクトラテックテクノロジ
ー製、平均カットサイズ100μm×50μmのアルミ
ニウム蒸着PETフィルム)3重量部をVブレンダーに
てドライブレンドして、第1の粉体塗料組成物2を得
た。これを、燐酸亜鉛処理鋼材にコロナタイプの静電塗
装機にて塗装し、その後、熱風循環式乾燥炉にて燐酸亜
鉛処理鋼材の表面温度が180℃になってから15分間
キープされるように焼付けしたところ、膜厚約80μm
で回折光を発する青色をベースにした光輝度塗膜がえら
れた。
【0041】実施例3 製造例1で作製した粉体粒子2の93重量部に対して、
ホログラム顔料粒子としてダイヤホログラムHG−S2
0(ダイヤ工業製、平均カットサイズ150μm×15
0μmのアルミニウム蒸着PETフィルム)7重量部を
Vブレンダーにてドライブレンドして、第1の粉体塗料
組成物3を得た。これを表面を切削加工したアルミ建材
にコロナタイプの静電塗装機にて塗装し、その上から、
製造例2で作製したクリア粉体粒子5を、そのままクリ
ア粉体塗料組成物として(光透過度92%)、コロナタ
イプの静電塗装機にて塗装して、その後、熱風循環式乾
燥炉にてアルミ建材の表面温度が160℃になってから
20分間キープされるように焼付けしたところ、トータ
ル膜厚約120μmで回折光を発する艶あり青色の光輝
度塗膜がえられた。
【0042】実施例4 製造例2で作製したクリア粉体粒子(光透過度75%)
4の94重量部に対して、ホログラム顔料粒子としてG
eometric Pigmentゴールド375(ス
ペクトラテックテクノロジー製、平均カットサイズ10
0μm×50μmのアルミニウム蒸着PETフィルム)
6重量部をVブレンダーにてドライブレンドして第2の
粉体塗料組成物1を得た。ビリューシアPL1000グ
レー50(日本ペイント(株)製、L値約50の灰色ポ
リエステル粉体塗料)をあらかじめ塗装し、110℃で
10分間焼付けして約40μmの未硬化灰色下地連続膜
が形成されたリン酸亜鉛処理鋼材に、上記の調製された
第2の粉体塗料1をコロナタイプの静電塗装機にて塗装
し、その後、熱風循環式乾燥炉にてリン酸亜鉛処理鋼材
の表面温度が180℃になってから15分間キープされ
るように焼付けしたところ、トータル膜厚約100μm
で回折光を発する光輝度塗膜がえられた。下地のグレー
色とあいまって塗膜全体はやや青色に見えるが、見る角
度によって色感や光輝感が異なる意匠性を示した。
【0043】実施例5 リン酸亜鉛処理した鋼材にパワートップU―60ブラッ
ク(日本ペイント(株)製、カチオン電着塗料)(L値
23)を膜厚約20μmになるように電着塗装し、17
0℃で20分間焼き付けた素材の上から、製造例2で作
製したクリア粒子5の99.3重量部に対して、ホログ
ラム顔料としてGeometric Pigmentシ
ルバー256(スペクトラテックテクノロジー製、平均
カットサイズ100μm×100μmのアルミニウム蒸
着PETフィルム)0.7重量部をVブレンダーにてド
ライブレンドして第2の粉体塗料組成物2を得た。これ
をトリボタイプの塗装機で塗装した。その後、熱風循環
式乾燥炉にてリン酸亜鉛処理した鋼材の表面温度が16
0℃になってから20分間キープされるように焼付けし
たところ、トータル厚さが約100μmの回折光を発す
る黒い複合高輝度塗膜がえられた。
【0044】実施例6 リン酸亜鉛処理した鋼材に製造例1で作製した粉体粒子
3を、そのまま粉体塗料として(L値35)コロナタイ
プの塗装機にて、膜厚約40μmになるように静電塗装
した。その上から製造例2で作製したクリア粉体粒子6
の92重量部に対してホログラム顔料としてダイヤホロ
グラムHG−S5EP(ダイヤ工業製、平均カットサイ
ズ75μm×75μmのアルミニウム蒸着PETフィル
ム)8重量部をVブレンダーにてドライブレンドして第
2の粉体塗料組成物3を得た。これをトリボタイプの塗
装機で連続して塗装し、熱風循環式乾燥炉で鋼材表面温
度が170℃以上である時間が15分であるように焼付
けしたところ、トータル厚さが約120μmの回折光を
発するグレー調の深緑色塗膜がえられた。この塗膜は太
陽光や照明灯の下では輝度感が増し、見る角度によって
色調、模様感の違った高意匠性を示した。
【0045】
【発明の効果】粉体塗料に、ホログラム顔料粒子をドラ
イブレンド法により含有させることによって、得られた
粉体塗料を塗装して、塗膜を形成すると、見る角度によ
って色調、模様そして光輝感の異なった高意匠性の塗膜
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/29 C09D 5/29 7/12 7/12 G02B 5/32 G02B 5/32 Fターム(参考) 2H049 CA05 CA22 CA30 4D075 AE12 AE13 AE17 BB26Y BB26Z BB27Y CA32 CA33 CB01 CB04 CB06 CB08 DA06 DB02 DB04 DB05 DB07 EA02 EA43 EB13 EB19 EB20 EB22 EB33 EB35 EB38 EB45 EB56 EC11 EC53 EC54 4J037 AA30 CA03 EE08 EE18 EE23 EE28 FF02 4J038 CB021 CG001 DB001 DD001 DD002 HA066 KA08 KA12 KA15 KA20 LA06 MA02 NA01 NA17 NA19 PA02 PA07 PA19 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顔料粒子表面の一部又は全部が、1μm以
    下の高低差のある凹凸の模様を有する光反射層で覆わ
    れ、かつその平均粒子径が10〜200μmであるホロ
    グラム顔料粒子0.1〜10重量%と、成膜したときの
    明度のL値が70以下である粉体粒子99.9〜90重
    量%とをドライブレンドすることにより得られる角度変
    色塗膜形成粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】導電性素材に、請求項1記載の第1の粉体
    塗料組成物を塗装する工程、次に焼付けをする工程から
    なる角度変色塗膜形成方法。
  3. 【請求項3】導電性素材に、請求項1記載の第1の粉体
    塗料組成物を塗装する工程、次にその塗装された粉体塗
    料組成物を焼付けする工程、次に前記ホログラム顔料粒
    子を含まず、かつ成膜したときに光透過度が70%以上
    のクリア粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその塗装
    されたクリア粉体塗料組成物を焼付けする工程からなる
    角度変色塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】導電性素材に、請求項1記載の第1の粉体
    塗料組成物を塗装する工程、次に前記ホログラム顔料粒
    子を含まず、かつ成膜したときに光透過度が70%以上
    のクリア粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその塗装
    された前記2種類の粉体塗料組成物を同時に焼付けする
    工程からなる角度変色塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】導電性素材表面にあらかじめ焼き付けして
    形成された、成膜したときの明度のL値が70以下の着
    色塗膜の上に、顔料粒子表面の一部又は全部が、1μm
    以下の高低差のある凹凸の模様を有する光反射層で覆わ
    れ、かつその平均粒子径が10〜200μmのホログラ
    ム顔料粒子0.1〜10重量%と、成膜したときに光透
    過度が70%以上のクリア粉体粒子99.9〜90重量
    %とをドライブレンドして得られた第2の粉体塗料組成
    物を塗装する工程、次にその塗装された粉体塗料組成物
    を焼付けする工程からなる角度変色塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】導電性素材表面に、成膜したときの明度の
    L値が70以下の着色塗膜を形成することのできる着色
    粉体塗料組成物を塗装する工程、次に、顔料粒子表面の
    一部又は全部が、1μm以下の高低差のある凹凸の模様
    を有する光反射層で覆われ、かつその平均粒子径が10
    〜200μmのホログラム顔料粒子0.1〜10重量%
    と、成膜したときに光透過度が70%以上のクリア粉体
    粒子99.9〜90重量%とをドライブレンドして得ら
    れた第2の粉体塗料組成物を塗装する工程、次にその塗
    装された2種類の粉体塗料組成物を同時に焼付けする工
    程からなる角度変色塗膜形成方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008539322A (ja) * 2005-04-26 2008-11-13 エイベリ・デニソン・コーポレイション エンボス加工された金属フレーク、方法及び製品
CN102079894A (zh) * 2009-11-24 2011-06-01 Jds尤尼弗思公司 显示相同颜色的磁性可定向色移薄片和非磁性可定向色移薄片的混合物
JP2013202608A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Twintech Kk 貝類付着抑制機能を持つ金属製品の製造方法
WO2016181563A1 (ja) * 2015-05-14 2016-11-17 Ykk株式会社 ファスニング部材及びファスナー

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