JP5190650B2 - ベンゾトリアゾール誘導体化合物 - Google Patents

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本発明は新規なベンゾトリアゾール誘導体化合物に関し、また当該新規化合物を含有する有機色素および紫外線吸収剤に関する。
現在、CD−R/RW、DVD−R/RW,MOなどへの媒体の書き込み、読みとりには、いわゆる赤色レーザーが普及している。これに使用する媒体には、当該赤色レーザーの波長に対応した波長を吸収する色素が表面にコーティングされている。これらの機能性色素には大きく分けると有機色素と無機物の2種類があり、応答速度が速い、化合物コストが安いなどの利点から有機色素が一般によく使用されている。
一方で、近年になってさらに大きな記録容量を必要とする状況がある。 映像が現在よりもクリアーで、大容量な画像を記録するためには先に述べた媒体では対応できない。そこで更なる高密度の記録を可能にすべく、いわゆる青色レーザーを用いた機器の開発が進んでいる。青色レーザー用の媒体に用いる色素は、レーザーの波長に対応すべく、405nm付近の波長を効率的に吸収する色素でなければならない。すでに無機物による実用化はすでに開発が進んでおり、実際に商品としてコンシューマー向けにも販売されている。 しかしながら先に述べたように、コストが高い、応答速度が遅い等大きな問題があり、これらの欠点を補える有機色素の開発が望まれている。
有機色素においてこのような波長領域に吸収を持つ化合物としては、例えば、特許文献1〜4に記載されているような有機色素の基本骨格としてピラン化合物の誘導体、ポリアセンジイミド系色素の誘導体、シアニン系色素の混合物、メチン基のパラ位に特定のアミノ基を導入したベンゼン誘導体を用いる方法などが提案されている。
特開2004−322564号公報 特開2004−090372号公報 特開2003−266954号公報 特開2003−103935号公報
これらの化合物を有機色素として記録媒体に用いる場合には、スピンコート法など溶媒に溶かして有機色素の薄膜層を形成するのが一般的である。また、記録内容の長期間保持という点から、耐光性の良い材料が求められる。さらに、レーザーが当たった際に、有機色素がピットに流れ出ないようにするため、高融点であることが求められる。 さらに熱や光の影響で容易に分解しない事が必須である。
しかしながら、上記材料においては、高い溶解度、高い耐光性、高融点、物質としての安定性のいずれかの性能を満足するものであったとしても、これらすべての性能について十分といえるものではかった。 あるいは近年において、いわゆるエンジニアリングプラスティックといわれる高い機能性を持つ樹脂に好適な紫外線吸収剤の開発が求められている。例えば、先に述べたような記録媒体自身は、ポリカーボネート樹脂で作られており、あるいはこの樹脂は、自動車の軽量化を目的として従来は、ガラスや金属が使われていた多くの箇所に急速に置き換わっている。ポリカーボネート樹脂が使われる場面は、直射日光などの強い紫外線に長期に渡って曝されることが多いため、耐光性が高く、樹脂との相溶性に優れた材料が求められる。 また、これらの樹脂に練り込む場合、高温下で行われるので、物質としての安定性に優れたものや、昇華しにくい材料でなければならないが、必ずしも満足できる紫外線吸収剤が開発されていないのは、特開2006−45458などでも問題提起されている。 そこで本発明における課題は、これらの問題がなく、高い溶解性、高い耐光性、高融点、物質としての安定性のいずれの性能についても満足できる有機色素、紫外線吸収剤に好適に用いることができる化合物を提供することにある。
特開2006−45458号公報
本発明では、下記(化1)に示した一般式(A)で示されるベンゾトリアゾール誘導体の内、R〜R10 がそれぞれ下記の官能基または原子のうちいずれかであるベンゾトリアゾール誘導体を含有する新規化合物を、有機色素や、紫外線吸収剤として用いることを上記課題の主要な解決手段とする。
Figure 0005190650
、Rは、炭素数1〜20のアルキル基(任意の位置で枝分かれしているものを含む)、カルボキシル基または、炭素数1〜20のカルボン酸エステル、ヒドロキシル基、または、炭素数1〜20のアルキルエーテル、(任意の位置で枝分かれしているものを含む)
,R,R,Rは、カルボキシル基または、炭素数1〜20のカルボン酸エステル、
ヒドロキシル基、または、炭素数1〜20のアルキルエーテル
,R,R,R10 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(任意の位置で枝分かれしているものを含む)
本発明の化合物は、可視光青色領域から紫外光領域に渡って広い吸収帯域を有する化合物であり、有機色素、紫外線吸収剤として好適に用いることができるものである。また広い吸収帯を有し、耐光性にも優れた化合物である。
本発明の化合物は、ベンゾトリアゾールのメチレンビス体であるが、過去にも類似構造物として
特開2005−206720などでも紹介されている。ただし、これらの化合物における吸収波長域は、400nm付近での吸収がほとんどなく、本発明である有機色素の用途としては不適である。
また、紫外線吸収剤としても紫外線長波長域のいわゆるUV−A領域全域をカバーすることができない。近年においては、400nm付近における紫外線の影響が指摘されており、以前よりもさらに可視光域に近い紫外線吸収を求められている。本発明における化合物は、このような長波長域においても吸収を持つすぐれた材料である。 特に驚くべきことに、ベンゾトリアゾールの5位に水酸基、またはアルキルエーテル基を修飾した(f)、(g)の化合物におけるモル吸光係数は40000前後と非常に大きなものであり、大容量光記録媒体の有機色素やエンジニアリングプラスチックの材料としてきわめて有用であることを見出した。
特開2005−206720号公報
本発明の化合物は、融点が高く、長期間経過後も結晶化することなく、嵩高いアモルファス状態を維持することができる。
また、本発明の化合物は、クロロホルムなど有機溶媒に対する溶解度が大きいものである。
なかでも、下記構造式で表されるベンゾトリアゾール誘導体は、有機溶媒が揮発する際にも結晶化しにくく、かつ、トルエンやクロロホルムなど有機溶媒に対する溶解性に優れている有機化合物であり、有機色素、紫外線吸収剤にも好適に用いることができることが実験的にも明確となった。
化合物(a)
Figure 0005190650
化合物(b)
Figure 0005190650
化合物(c)
Figure 0005190650
化合物(d)
Figure 0005190650
化合物(e)
Figure 0005190650
化合物(f)
Figure 0005190650
化合物(g)
Figure 0005190650
化合物(h)
Figure 0005190650
さらに、本発明の有機色素は、上記キャスティング法のような湿式塗布以外にも蒸着法スパッタリング法によっても基板上に成膜させることができる。
以下に本発明につき詳細に説明する。本発明は、有機色素として、下記一般式(A)によって示される有機化合物を用いたものである。以下に前記一般式(A)において表される化合物について説明する。
、Rは、炭素数1〜20のアルキル基(任意の位置で枝分かれしているものを含む)、カルボキシル基または、炭素数1〜20のカルボン酸エステル、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または、炭素数1〜20のアルキルエーテル(任意の位置で枝分かれしているものを含む)、R,R,R,Rは、カルボキシル基または、炭素数1〜20のカルボン酸エステル、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、または、炭素数1〜20のアルキルエーテル、R,R,R,R10 は、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(任意の位置で枝分かれしているものを含む)を表す。 該置換基はさらに置換されていても良い。該任意の置換基の例としてR,Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキル基、又は水素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、n−オクトキシ基、イソオクトキシ基、tert−オクトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルコキシ基またはヒドロキシル基;カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基,n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、tert−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクトキシカルボニル基、イソオクトキシカルボニル基、tert−オクトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の置換されても良い炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキルカルボニル基またはカルボキシル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などがあげられる。
該任意の置換基の例としてR,R,R,Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキル基又は水素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、n−オクトキシ基、イソオクトキシ基、tert−オクトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルコキシ基またはヒドロキシル基;カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基,n−ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、イソペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、イソヘプチルオキシカルボニル基、tert−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクトキシカルボニル基、イソオクトキシカルボニル基、tert−オクトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキルカルボニル基またはカルボキシル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などがあげられる。
該任意の置換基の例としてR,R,R,R10は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基,n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘプチル基、イソヘプチル基、n−ヘキシル基、イソヘプチル基、tert−ヘプチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、tert−オクチル基、2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキル基又は水素原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、イソヘプチルオキシ基、tert−ヘプチルオキシ基、n−オクトキシ基、イソオクトキシ基、tert−オクトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルコキシ基またはヒドロキシル基等の炭素数1〜20の直鎖、又は分岐のアルキルカルボニル基またはカルボキシル基;フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子などがあげられる。
一般式(A)で表される本発明化合物は、例えば下記(化10,化11)の示した反応式を経て合成することができる。
「マンニッヒ反応工程」
Figure 0005190650
「縮合工程」
Figure 0005190650
ベンゾトリアゾール誘導体に高沸点溶媒である商品名「ソルベッソ150」(エクソンモービル社製)溶媒下、パラホルムアルデヒドとジエチルアミン等の低級アミンを反応させてマンニッヒベースとし、さらにベンゾトリアゾール誘導体と縮合させることで本発明の上記ベンゾトリアゾール誘導体化合物を合成できる。反応の溶媒としては、上記「ソルベッソ150」以外に例えばキシレン等の芳香族系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、ヘプタン、オクタン等の鎖状炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の環状炭化水素を用いることができる。また、再結晶の際に用いる再結晶溶媒としては、メチルイソブチルケトン以外に例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等の低級エステル類等があげられる。
本発明の有機色素を製膜して用いる方法としては真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等などが一般的であるが、コスト面ではスピンコート法が望ましい。
ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等により塗布する場合の塗布溶媒としては、基板を侵さない溶媒であれば良く、特に限定されない。具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−ヘプタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール等のフルオロアルキルアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、2−ヒドロキシイソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒等が挙げられる。また、基板に関しては、ガラスや、金属製の基板などに置き換わる動きも見られることから、例えばトルエン、キシレン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアセトアミド、ジメチルスルホキシドのように樹脂製の基板を侵すような溶媒であっても、将来的には、使用できる可能性がある。
以下に本発明で実施した本発明の有機色素に用いる化合物の合成法および化合物の特性を示す。
ただし合成方法はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
〔化合物の合成〕
化合物(a)
イ)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールの合成
1000mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−(2,4,4−トリメチルペンタン−2−イルフェノール)(商品名「シーソーブ709」シプロ化成社製)96.9g(0.30モル)、ジエチルアミン65.7g(0.90モル)、92%パラホルムアルデヒド29.4g(0.90モル)、を入れ、95〜100℃にて8時間撹拌した。 次いでn−ヘキサン240mLを加えて70℃の温水100mLで3回洗浄し、冷却して析出した結晶をブフナーロートに濾過し取った。 乾燥機にて60℃で乾燥し、微黄色の結晶であるマンニッヒ塩基体98.0gを得た。 融点102.2〜103.1℃ 、収率80%であった。
<測定条件>
装置:LC−6A ((株)島津製作所製)
使用カラム:SUMIPAX ODS A−212 5μm 6mmφ×15cm
カラム温度:40℃
移動相:メタノール:水=95:5
流速:1.0mL/min
なお、下記ロ)のHPLC面百純度も上記と同様の条件で行った。
ロ)化合物(a)の合成
500mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、イ)で合成したマンニッヒ塩基化合物25.0g(0.061mol)、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシリックアシドメチルエステル23.4g(0.061mol)、キシレン30mL、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液0.19gを加え、145℃で10時間反応させた。 この際、留出したキシレン、ジエチルアミンは、留去しつつ反応させた。次に加熱、減圧下、キシレンを完全に留去してから110℃まで冷却してトルエン10mLを加え、酢酸0.1mLにて反応物を中和した。 温水10mLで2回洗浄し、減圧下でトルエンを除去、次いでメタノールを加えて結晶を析出させた後、この結晶をブフナーロートに濾過し取った。 収量13.2g、収率60.1%、HPLC純度79.1%の粗結晶を得た。この粗結晶2gを100mLの四つ口フラスコに入れ、トルエン3mLとメタノール30mLの混合溶媒で加熱して1μmのメンブランフィルターで濾過した後、再結晶させた。ブフナーロートでこの結晶を濾過し取り、さらにメタノールで洗浄してから乾燥させ、化合物(a)である微黄色の粉末結晶を得た。 収率は粗結晶体より55.7%、HPLC純度85.7%、融点133.4〜139.0℃であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMRにより、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図1〜2に示す。また、LC−MSにより、MS= 716.405に対して、pMS= 717.3、nMS= 715.5のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(a)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが354nmにあり、εは32700であった。 このスペクトルを図3に示す。また測定条件については以下の通りである。
<測定条件>
装置:UV−2450((株)島津製作所製)
測定波長:250〜500nm
また以下の実施例も本実施例と同様の測定条件で紫外〜近紫外吸収スペクトルの測定を行った。
<溶解性評価>
化合物(a)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
上記で得られた化合物(a)をクロロホルムに対して2.0wt%になるように調製した。
次にガラス板(7.5cm×2.5cm、厚さ約1mm)をポリカーボネート円盤に貼り付けて回転数500〜600rpmで回転させた。回転している円盤上に上記化合物(a)のクロロホルム溶液を滴下し、風乾させることで化合物(a)が膜化して付着しているガラス板を得た。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
また、塗膜したガラス板の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが355nmであった。
(実施例2)
〔化合物の合成〕
化合物(b)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−ターシャリブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシリックアシドメチルエステル3.25g(0.01モル)、ジエチルアミン0.8g(0.011モル)、92%パラホルムアルデヒド0.33g(0.01モル)、ソルベッソ150 30mLを入れ、95〜98℃にて13時間撹拌した。 次いで70℃の温水30mLで2回洗浄し、32%NaOH 0.25gを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら10時間反応させた。薄層クロマトにより未反応が消失していることを確認した後、酢酸0.1mLで反応物を中和した。次いでトルエン30mLを加えて、80℃まで加熱して溶解させ、温水で洗浄し、トルエンを留去してイソプロパノールにおき替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取り、1.17gの粗結晶を得た。 収率は35.2%であった。
次にこの結晶1.17gを100mLの四つ口フラスコにトルエン5mLと共に入れ、加熱溶解後、メンブランフィルターで濾過してからメタノール20mLで置き換えた後に再結晶させ、この結晶をブフナーロートで濾過し取った。 収量は0.89g、収率26.8%、HPLC純度96.8%で微黄色粉末状である(b)の結晶を得た。また、融点222.4〜223.2℃であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図4〜5に示す。 またLC−MSにより、MS= 662.285に対して、pMS= 663.2、nMS= 661.4のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(b)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが360nmにあり、εは36700であった。 このスペクトルを図6に示す。
<溶解性評価>
化合物(b)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
溶媒をジクロロメタンにて実施したこと以外は、すべて実施例1と同様に行った。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
また、塗膜したガラス板の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが362nmであった。
(実施例3)
〔化合物の合成〕
化合物(c)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−ターシャリブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシリックアシドイソプロピルエステル3.53g(0.01モル)、ジエチルアミン1.46g(0.02モル)、92%パラホルムアルデヒド0.66g(0.02モル)、ソルベッソ150 30mLを入れ、85〜90℃にて10時間撹拌した。 次いで70℃の温水30mLで2回洗浄し、32%NaOH 0.25gを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら11時間反応させた。薄層クロマトにより未反応が消失していることを確認した後、酢酸0.1mLで反応物を中和した。次いでトルエン30mLを加えて、80℃まで加熱して溶解させ、温水で洗浄し、トルエンを留去してイソプロパノールに置き替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取り、1.36gの粗結晶を得た。 収率は37.8%であった。 またHPLC純度は90.4%であった。次にこの結晶1.36gを100mLの四つ口フラスコにトルエン5mLと共に入れ、加熱溶解後、メンブランフィルターで濾過してからイソプロパノール40mLで置き換えた後に再結晶させ、この結晶をブフナーロートで濾過し取った。 収量は1.04g、収率28.9%、HPLC純度99.4%で微黄色粉末状である(c)の結晶を得た。また、融点174.7〜176.0℃であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図7〜8に示す。また、LC−MSにより、MS= 718.348に対して、pMS= 719.1、nMS= 717.2のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(c)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが360nmにあり、εは36600であった。 このスペクトルを図9に示す。
<溶解性評価>
化合物(c)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。また、塗膜したガラス板の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが363nmであった。
(実施例4)
〔化合物の合成〕
化合物(d)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、実施例1−イ)で合成した2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール2.04g(0.005モル)、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシリックアシドイソプロピルエステル2.05g(0.005モル)、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液 0.19g、キシレン30mLを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら7時間反応させた。薄層クロマトにより未反応が消失していることを確認した後、トルエン10mLを加え、酢酸0.1mLで反応物を中和した。次いで温水で洗浄し、メンブランフィルターで濾過してからトルエンを減圧留去してイソプロパノールに置き替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取り、0.88gの結晶を得た。 収率は23.6%であった。 HPLC純度は82.3%であった。この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図10〜11に示す。また、LC−MSにより、MS= 744.436に対して、pMS= 745.2、nMS= 743.4のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(d)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが353nmにあり、εは30900であった。 このスペクトルを図12に示す。
<溶解性評価>
化合物(d)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。また、塗膜したガラス板の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが353nmであった。
(実施例5)
〔化合物の合成〕
化合物(e)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、実施例1−イ)で合成した2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−(5−ターシャリブチル)−フェノール1.76g(0.005モル)、2−[2−ヒドロキシ−5−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール−5−カルボキシリックアシドメチルエステル1.91g(0.005モル)、28%ナトリウムメチラートメタノール溶液 0.19g、キシレン30mLを加え、実施例4と同様に行った。収量1.4g、収率は42.3%であった。 HPLC純度は74.0%、融点は149.2〜155.1℃であった。この化合物は、H−NMR、13C−NMR、LC−MS解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図13〜14に示す。 また、LC−MSにより、MS= 660.342に対して、pMS = 661.2、nMS = 659.3のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(e)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが351nmにあり、εは31300であった。 このスペクトル図を図15に示す。
<溶解性評価>
化合物(e)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
また、塗膜したガラス板の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが353nmであった。
(実施例6)
〔化合物の合成〕
化合物(f)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(5−メトキシベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール5.11g(0.02モル)、ジエチルアミン2.92g(0.04モル)、92%パラホルムアルデヒド1.31g(0.04モル)を入れ、105℃にて10時間撹拌した。 次いでキシレン50mLを加えて抽出し、70℃の温水50mLで2回洗浄し、この中に32%NaOH0.5gを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら5時間反応させた。HPLCにより未反応が消失していることを確認した後、酢酸0.2mLで反応物を中和した。次いでトルエン50mLを加えて、80℃まで加熱して溶解させ、温水で洗浄し、トルエンを留去してイソプロパノールに置き替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取った。次にこの粗結晶8.0gを200mLの四つ口フラスコにトルエン100mLと共に入れ、加熱後、冷却してこの結晶をブフナーロートに濾過し取った。 収量は7.7g、収率73.7%、HPLC純度97.3%で淡褐色粉末状である(f)の結晶を得た。融点は300℃以上であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図16〜17に示す。 また、LC−MSにより、MS = 522.202に対して、pMS = 523.0、nMS = 521.2のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(f)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが352nmにあり、εは43300であった。 このスペクトル図を図18に示す。
<溶解性評価>
化合物(f)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
(実施例7)
〔化合物の合成〕
化合物(g)
イ)2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−ターシャリブチル−フェノールの合成
1000mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−ターシャリブチル−2−イルフェノール(商品名「シーソーブ708」シプロ化成社製)80.1g(0.30モル)、ジエチルアミン65.7g(0.90モル)、92%パラホルムアルデヒド29.4g(0.90モル)、を入れ、80〜90℃にて8時間撹拌した。 次いでn−ヘキサン200mLを加えて70℃の温水100mLで3回洗浄し、冷却して析出した結晶をブフナーロートに濾過し取った。 乾燥機にて60℃で乾燥し、微黄色の結晶であるマンニッヒ塩基体82.9gを得た。 収率78.4%であった。
ロ)化合物(g)の合成
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−オール4.44g(0.0184モル)、実施例1−イ)で合成した2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−ターシャリブチル−フェノール6.48g(0.0184モル)、 キシレン100mL、32%NaOH1.0gを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら8時間反応させた。HPLCにより未反応が消失していることを確認した後、酢酸0.5mLで反応物を中和した。次いでトルエン100mLを加えて、80℃まで加熱して溶解させ、温水で洗浄し、トルエンを留去してイソプロパノールにおき替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取った。次にこの粗結晶を100mLの四つ口フラスコにイソプロパノール50mLと共に入れ、加熱後、冷却してこの結晶をブフナーロートに濾過し取った。 粗結晶としての収量は7.7g。 次にこの粗結晶を100mLの四つ口フラスコにイソプロパノール50mLと共に入れ、加熱後、冷却してこの結晶をブフナーロートに濾過し取った。 収量は5.7g、収率59.6%、HPLC純度97.0%で灰白色粉末状である(g)の結晶を得た。 融点は224.2〜227.8℃であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図22〜23に示す。また、LC−MSにより、MS= 576.285に対して、pMS= 577.2、nMS =575.3のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(g)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが342nmにあり、εは39000であった。 このスペクトル図を図24に示す。
<溶解性評価>
化合物(g)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
(実施例8)
〔化合物の合成〕
化合物(h)
100mLの四つ口フラスコに玉付きコンデンサー、温度計、撹拌装置を取り付け、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール−5−オール4.83g(0.02モル)、実施例1−イ)で合成した2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ジエチルアミノメチル−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール8.17g(0.020モル)、 キシレン100mL、32%NaOH1.0gを加え、140〜150℃、減圧下で揮発分を留去しながら8時間反応させた。HPLCにより未反応が消失していることを確認した後、酢酸0.5mLで反応物を中和した。次いでトルエン100mLを加えて、80℃まで加熱して溶解させ、温水で洗浄し、トルエンを留去してイソプロパノールにおき替えて結晶を析出させた。 この結晶をブフナーロートで濾過し取った。次にこの粗結晶5.2gを100mLの四つ口フラスコにイソプロパノール50mLと共に入れ、加熱後、冷却してこの結晶をブフナーロートに濾過し取った。 収量は2.0g、収率41.7%、HPLC純度99.2%で灰白色粉末状である(h)の結晶を得た。融点は165.8〜168.2℃であった。 この化合物は、H−NMR、13C−NMR解析により、いずれも推定構造を支持するものであった。 これらのチャートを図22〜23に示す。また、LC−MSにより、MS =576.285に対して、pMS =577.2、nMS=575.3のピークが観測された。
<紫外〜近紫外吸収スペクトル>
化合物(h)の紫外〜近紫外吸収スペクトルを測定したところ、極大吸収波長λmaxが344nmにあり、εは33000であった。 このスペクトル図を図24に示す。
<溶解性評価>
化合物(h)について各種溶媒に溶解させたときの溶解度を調べた結果を表1に示す。 イソプロピルアルコール、エチルセロソルブ、トリフルオロプロパノールに対しての溶解度は低いが、クロロホルム、トルエン、キシレンへの溶解性が優れていた。
<塗布膜としたときの評価>
すべて実施例2と同様に行った。
滴下した溶液の縁に結晶化が見られたが、中心部はアモルファス状態を維持していた。
実施例1〜8の化合物(a)〜(h)の特性をまとめて表1に示す。なお、塗布膜としたときの結晶性の有無も併せて示す。評価基準は下記の通りである。
○:結晶析出が認められない。
△:塗布膜の縁にわずかに結晶析出が認められる。
×:塗布膜の縁に明確に結晶析出が認められるか、又は塗布膜の縁以外の部分に結晶析出が認められる。
Figure 0005190650
(紫外線吸収剤としての評価)
実施例3で合成した化合物(c)、実施例6で合成した化合物(f)、および実施例8で合成した化合物(h)の新規ベンゾトリアゾール化合物の1.00gを加熱ブロックにて200℃にて1時間保持した後、物性の変化について測定した。
その結果を表2に示す。
いずれも外観色として若干の着色は見られるが、加熱後の紫外線吸収データ(UVデータ)にほとんど変化が見られなかった。 またこれだけの加熱条件下でも減量はわずかであった。 これらの試験結果から非常に優れた対蒸散性、耐熱性を有する化合物であることがわかる。
Figure 0005190650
本発明の化合物は、近紫外から紫外領域に広い吸収を持ち、かつ非結晶性が高いので、有機色素として塗料や写真薬など一般の色剤、また蒸散性に優れ、既存の紫外線吸収剤よりも可視光域に近い領域の紫外線を吸収する紫外線吸収剤として好適に使用できる。なかでも有機色素としては、いわゆる青色レーザーを用いる光記録媒体用に添加する色素として、紫外線吸収剤としては、ポリカーボネート樹脂のようなエンジニアリングプラスチックに対して好適に利用できる。また、本発明の化合物は、金属錯体の配位子としても利用でき、本発明の化合物を配位子とした有機金属錯体もまた有機色素として好適に利用できる。
化合物(a)のH−NMRである。 化合物(a)の13C−NMRである。 化合物(a)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(b)のH−NMRである。 化合物(b)の13C−NMRである。 化合物(b)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(c)のH−NMRである。 化合物(c)の13C−NMRである。 化合物(c)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(d)のH−NMRである。 化合物(d)の13C−NMRである。 化合物(d)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(e)のH−NMRである。 化合物(e)の13C−NMRである。 化合物(e)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(f)のH−NMRである。 化合物(f)の13C−NMRである。 化合物(f)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(g)のH−NMRである。 化合物(g)の13C−NMRである。 化合物(g)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。 化合物(h)のH−NMRである。 化合物(h)の13C−NMRである。 化合物(h)の紫外〜近紫外吸収スペクトルである。

Claims (3)

  1. 下記(a)〜(h)記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物。
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
    Figure 0005190650
  2. 請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物を含有する有機色素
  3. 請求項1記載のベンゾトリアゾール誘導体化合物を含有する紫外線吸収剤
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