JP5186737B2 - イオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セル - Google Patents
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Description
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレン及び/又はビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びホウ素含有化合物アニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
また、本発明の他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリエチレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、アセトニトリル、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウムヨウ化物及び4−tert−ブチルピリジンを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更に、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリプロピレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及び六フッ化リン酸リチウムを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
また、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリイミドであり、
上記親水基が、水酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びイミドアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更に、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、シラノール基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更にまた、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、スルホン酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
また、保護層を必要としないため、プロトン伝導度を低下させること無く、液体電解質材料を保持できる。
更に、多孔質体材料と液体電解質材料の濡れ性(低接触角)が高いため、液体電解質材料の多孔質体材料への含浸が容易となり、電解質膜の製造コストを低減できる。
多孔質体材料の孔内の表面(内壁面)を親水性の官能基で化学修飾することで、多孔質体材料の表面エネルギーが増加する。これにより、多孔質体材料と電解質材料との濡れ性が増加するため、より高い保持力が得られる。
また、多孔質体材料の孔内における液体電解質材料の保持力は、図2に示すように、以下の一般式(A)
F = 2・γILs ・ cosθ/r …(A)
(式中のFは保持力、θは接触角、rは細孔半径、γILsはILsの表面エネルギーを示す。)
より求められる。
更に、多孔質体材料と液体電解質材料の接触角0°〜90°における保持力の関係を図3のグラフに示す。
具体的には、水酸基(−OH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボニル基(>C=O)、スルホン酸基(−SO 3 H)、ニトロ基(−NO 2 )、リン酸基(−H 2 PO 3 )、カルボン酸基(−COOH)、アミノ基(−NH 2 )、エーテル基(−O−)又はエステル基(−(C=O)O−)、及びこれらの任意の組合せに係る官能基が例示できる。かかる官能基であれば、表面修飾が比較的容易であり、製造コストも低減できる。
かかる金属酸化物としては、例えば、アルミナ(Al 2 O 3 )、シリカ(SiO 2 )、チタニア(TiO 2 )又はジルコニア(ZrO 2 )、及びこれらの任意の組合わせに係るものが挙げられる。
このときは、多孔質体材料への電解質材料の充填率を高めることができ、高いイオン伝導性が得られる。
更に、上記多孔質体材料の孔径は、イオン伝導性と電解質材料の導入容易性とのバランスから、100〜1500nmに設計できる。
このような構成とすることにより、極性物質と複合イオン等を形成すること等が可能となり、プロトン伝導性をより向上させることができる。また、原子性カチオン、原子性アニオンと比べ、材料の選択性の幅が広がり、目的とするエネルギーデバイスに応じて、構成を最適化できる。
特に、カチオン成分の全部が分子性カチオンであり、且つアニオン成分の全部が分子性アニオンであることは、極性物質と複合イオン等を形成し易くなるという観点からより望ましい。
なお、「分子性カチオン」及び「分子性アニオン」とは、それぞれ多原子カチオン及び多原子アニオンを意味する。
このような常温溶融塩を含有することにより、以下に示す常温溶融塩としての性質を有することとなり、更に高イオン伝導性を有することで、プロトン伝導性を更に向上させることができる。
1.非常に低い蒸気圧
2.難燃性
3.高い熱分解温度
4.低い凝固点
ここで、「常温溶融塩」とは、常温で溶融する塩であり、高温で蒸発せず、極性、比熱の高い安定な媒体であるものをいう。
このような常温溶融塩としては、代表的にはブレンステッド酸−塩基型のものを挙げることができる。詳細については後述する。
このようなヘテロ原子を含有する分子性カチオンは、高イオン伝導性を有するものであり、プロトン伝導性をより向上させることができる。また、電解質中のキャリアーイオン(特にプロトン)伝導物質として、カチオン分子のビーグル機構を利用できる。
なお、本発明においては、以下に示すカチオン成分とアニオン成分を適宜組合わせて用いることができる。
なお、アミドアニオンやイミドアニオンについては必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、メタンアニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、ホウ素含有化合物アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、リン含有化合物アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、カルボン酸アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
なお、金属元素含有アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
これらの分子性カチオンと分子性アニオンを組合わせたものは常温溶融塩であって、良好な親水性を示すからである。
本発明のエネルギーデバイスは、上述のイオン伝導性電解質膜を適用して構成される。このときは、高いイオン伝導度を得られ、性能向上が可能となる。
また、他の制御手段と組合わせて適宜システム化することもできる。代表的には、燃料電池(セル又はスタック)、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサーなどが挙げられる。
(1)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPTFE多孔質膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで60分プラズマ照射を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
本実施例では、液体電解質として2EtIm BF4(2−エチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート)を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜浸漬し、浸漬後60分真空下で静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜中での液体電解質の保持力については、米国Porous Materials,Inc.製のPerm Porometerを使用し計測した。上記で作製した電解質膜の一次側より気体圧を加えていき、電解質膜中の電解液を押し出す圧力を測定し、多孔質膜中での液体の保持力を計測した。その結果を図4に示す。
液体電解質の表面エネルギーを適溶法により算出した(山下技研製 自由表面張力測定装置)。得られた液体電解質の表面エネルギーと前記で測定した液体電解質の多孔質体中での保持力の関係式(B)から、液体電解質と多孔質基材との接触角を算出した。その結果を図11に示す。
(式中のθは液体電解質と多孔質基材の接触角、pは液体電解質の多孔体中での保持力、rは多孔質体の孔径、γは液体電解質の表面エネルギーを示す。)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPTFE膜を使用した以外は、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図4に示す。
(1)P(VdF−HEP)(ポリ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフロオロプロピレン共重合体)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのP(VdF−HEP)膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで30分プラズマ照射を行った。
表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
液体電解質としてEMI BF4(エチルメチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力について、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図5に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないP(VdF−HEP)膜を使用した以外は、実施例2と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図5に示す。
(1)PE(ポリエチレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPE膜を使用した。上記多孔質体を硫酸―クロム酸混液により表面処理を行った。88.5%の水、4.4%のクロム酸カリウム(K 2 Cr 2 O 7 )及び7.1%の硫酸を混合し、硫酸―クロム酸混液を調整した。この混液に、PE多孔質膜を1000秒間浸漬し、浸漬の後多孔質膜をイオン交換水で洗浄した。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動、1200〜1400cm −1 のSO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
本実施例では、液体電解質としてアセトニトリルにヨウ素(20mM)、ヨウ化リチウム(40mM)、1,2−Dimethyl−3−hexylimidazolium iodide(1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウム ヨウ化物)(500mM)、4−tert−Butylpyridine(4−tert−ブチルピリジン)(500mM)を溶解した溶液を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜を浸漬し、30分静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
上記で得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図6に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPE膜を使用した以外は、実施例3と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図6に示す。
(1)PP(ポリプロピレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPP膜を使用した。上記多孔質体を硫酸―クロム酸混液により表面処理を行った。88.5%の水、4.4%のクロム酸カリウム(K 2 Cr 2 O 7 )及び7.1%の硫酸を混合し、硫酸―クロム酸混液を調整した。この混液に、PP多孔質膜を10秒間浸漬し、浸漬の後多孔質膜をイオン交換水で洗浄した。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動、1200〜1400cm −1 のSO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
本実施例では、液体電解質としてプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した溶媒に、LiPF 6 を1.25M溶解させた溶液を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜を浸漬し、30分静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
上記で得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図7に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPP膜を使用した以外は、実施例4と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図7に示す。
(1)PI(ポリイミド)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPI膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで30分プラズマ照射を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
本実施例では、液体電解質としてEMI TFSI(エチルメチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図8に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPI膜を使用した以外は、実施例5と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図8示す。
(1)シリカ多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚150μmのシリカ多孔質膜を使用した。上記多孔体をオートクレーブを用いて170℃で24hr水熱処理を行い、表面の親水化処理を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3700cm −1 のSiOHに帰属されるピークの増加を確認した。
本実施例では、液体電解質としてEMI Tf(エチルメチルイミダゾリウム トリフレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図9に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないシリカ膜を使用した以外は、実施例6と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図9示す。
(1)シリカ多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚150μmのシリカ多孔質膜を使用した。上記多孔体をオートクレーブを用いて170℃で24hr水熱処理を行った。
次に、シリカ多孔質へメルカプト基を導入した。γ−Mercaptopropyltrimethoxysilaneをシランカップリング剤として用いた。3.5%のシランカップリング剤水溶液を用いた。シランカップリング剤水溶液にシリカ多孔質膜を20時間浸漬させ、その後100℃で10分間真空乾燥させた。その後、10%の過酸化水素水を用いて、70℃で2hrメルカプト基を酸化させ、スルホン酸基とした。表面の官能基の生成に関しては、EDSスペクトルを測定することで確認した。
本実施例では、液体電解質として2EtIm Tf(2−エチルイミダゾリウム トリフレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図10に示す。
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないシリカ膜を使用した以外は、実施例7と同様の方法を繰り返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図10示す。
Claims (11)
- 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレン及び/又はビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びホウ素含有化合物アニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレンであり、
上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
上記液体電解質材料が、2−エチルイミダゾリウムカチオン及びテトラフルオロホウ酸アニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
上記液体電解質材料が、エチルメチルイミダゾリウムカチオン及びテトラフルオロホウ酸アニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリエチレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、アセトニトリル、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウムヨウ化物及び4−tert−ブチルピリジンを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリプロピレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及び六フッ化リン酸リチウムを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリイミドであり、
上記親水基が、水酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びイミドアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、シラノール基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、スルホン酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。 - 上記多孔質体材料の気孔率が30〜90%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜。
- 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜を適用したことを特徴とするエネルギーデバイス。
- 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜を適用したことを特徴とする燃料電池セル。
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