JP5186737B2 - イオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セル - Google Patents

イオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セル Download PDF

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Description

本発明は、イオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セルに係り、更に詳細には、多孔質体から系外への液体電解質の流出に基づく散逸を抑制できるイオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セルに関する。
例えば、燃料電池システムにおいて、多孔体材料に液体電解質を含浸させた電解質膜を用いた場合には、多孔質膜からの液体電解質の流出により、各セルの電解質膜内にピンホールが生じ、これが、ガスのクロスリークに繋がり、燃料電池の性能や寿命に大きな影響が生じる。
このような燃料電池スタックにおけるガスリークの検出方法の一例として、燃料電池スタックにおける下流側のガスマニフォールドに、各セル毎にガスサンプリング口を取り付け、リークしたガスを検出する装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開平3−40378号公報
しかし、燃料電池スタックとして積層された各セルのガスリークを検出することは、一般に難しく、検出限界や検出精度に問題があるばかりでなく、たとえガスリークを起こしているセルが特定できたとしても、それを取り外したり、電気的にバイパスしたりする程度の対策しかなく、システムとしての全体的な発電性能の劣化を避けることはできない。
一方、液体電解質を多孔質膜に含浸させた電解質膜から当該液体電解質の流出を抑制する方法の一例として、電解質膜の表面に架橋可能な高分子を架橋剤とともに付着させることにより架橋体保護膜を形成させることで、液体電解質の溶出を抑制する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2001−338657号公報
しかしながら、液体電解質が含浸された多孔質膜の表面に、保護層を形成させる場合、その保護層の形成自体が困難であり、また、保護層を形成した場合でも、保護層の厚みを薄膜化することが困難である。厚みの厚い保護層を形成させた場合、保護層は、イオン伝導性が低いため、保護層を含めたイオン伝導性電解質膜の伝導度が低下するという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多孔質体から系外への液体電解質の流出に基づく散逸を抑制でき、電解質膜としての性能を長期に亘って維持することができるイオン伝導性電解質膜、これを用いたエネルギーデバイス及び燃料電池セルを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、孔内の表面に所定の親水基を有する所定の多孔質体材料を適用し、多孔質体材料の孔内に0°超90°以下の接触角をなす、所定の液体電解質材料を配設することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレン及び/又はビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びホウ素含有化合物アニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
また、本発明の他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリエチレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、アセトニトリル、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウムヨウ化物及び4−tert−ブチルピリジンを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更に、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリプロピレンであり、
上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
上記液体電解質材料が、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及び六フッ化リン酸リチウムを含む溶液であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
また、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、ポリイミドであり、
上記親水基が、水酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びイミドアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更に、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、シラノール基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更にまた、本発明の更に他のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
上記多孔質体材料が、シリカであり、
上記親水基が、スルホン酸基であり、
上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とする。
更にまた、本発明のエネルギーデバイス又は燃料電池セルは、上記イオン伝導性電解質膜を適用したことを特徴とする。
本発明によれば、孔内の表面に所定の親水基を有する所定の多孔質体材料の孔内に0°超90°以下の接触角をなす所定の液体電解質材料を配設することとしたため、多孔質体から系外への液体電解質の流出に基づく散逸を抑制することができ、電解質膜としての性能を長期に亘って維持することができる。
以下、本発明のイオン伝導性電解質膜について詳細に説明する。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、濃度、含有量、充填量などについての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明のイオン伝導性電解質膜は、多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成る。また、この多孔質体材料と液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすようにする。
これにより、液体電解質材料の保持力が高く、液体電解質材料の流出が抑制されるので、燃料電池に適用したときは電池特性が長期的に安定する。
また、保護層を必要としないため、プロトン伝導度を低下させること無く、液体電解質材料を保持できる。
更に、多孔質体材料と液体電解質材料の濡れ性(低接触角)が高いため、液体電解質材料の多孔質体材料への含浸が容易となり、電解質膜の製造コストを低減できる。
ここで、上記多孔質体材料は、孔内の表面に親水基を有している。
多孔質体材料の孔内の表面(内壁面)を親水性の官能基で化学修飾することで、多孔質体材料の表面エネルギーが増加する。これにより、多孔質体材料と電解質材料との濡れ性が増加するため、より高い保持力が得られる。
例えば、図1に示すように、多孔質体材料の孔内に水酸基による親水化処理を施したときは、液体電解質材料は孔内により保持され易くなる。
また、多孔質体材料の孔内における液体電解質材料の保持力は、図2に示すように、以下の一般式(A)
F = 2・γILs ・ cosθ/r …(A)
(式中のFは保持力、θは接触角、rは細孔半径、γILsはILsの表面エネルギーを示す。)
より求められる。
更に、多孔質体材料と液体電解質材料の接触角0°〜90°における保持力の関係を図3のグラフに示す。
かかる親水基としては、分子構造に非共有電子対を有する元素を1つ以上有することが好適である。例えば、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)又はリン(P)、及びこれらの任意の組合せに係るものを含む官能基であることが良い。
具体的には、水酸基(−OH)、アルデヒド基(−CHO)、カルボニル基(>C=O)、スルホン酸基(−SO H)、ニトロ基(−NO )、リン酸基(−H PO )、カルボン酸基(−COOH)、アミノ基(−NH )、エーテル基(−O−)又はエステル基(−(C=O)O−)、及びこれらの任意の組合せに係る官能基が例示できる。かかる官能基であれば、表面修飾が比較的容易であり、製造コストも低減できる。
上記多孔質体材料としては、安定性が高く、安価に入手可能な観点から、例えば、金属酸化物を含む焼結体を使用できる。
かかる金属酸化物としては、例えば、アルミナ(Al )、シリカ(SiO )、チタニア(TiO )又はジルコニア(ZrO )、及びこれらの任意の組合わせに係るものが挙げられる。
また、上記多孔質体材料の気孔率は30〜90%であることが好適である。
このときは、多孔質体材料への電解質材料の充填率を高めることができ、高いイオン伝導性が得られる。
更に、上記多孔質体材料の孔径は、イオン伝導性と電解質材料の導入容易性とのバランスから、100〜1500nmに設計できる。
本発明のイオン伝導性電解質膜において、液体電解質材料は、カチオン成分の全部又は一部が分子性カチオンであり、且つアニオン成分の全部又は一部が分子性アニオンであることが好適である。
このような構成とすることにより、極性物質と複合イオン等を形成すること等が可能となり、プロトン伝導性をより向上させることができる。また、原子性カチオン、原子性アニオンと比べ、材料の選択性の幅が広がり、目的とするエネルギーデバイスに応じて、構成を最適化できる。
特に、カチオン成分の全部が分子性カチオンであり、且つアニオン成分の全部が分子性アニオンであることは、極性物質と複合イオン等を形成し易くなるという観点からより望ましい。
なお、「分子性カチオン」及び「分子性アニオン」とは、それぞれ多原子カチオン及び多原子アニオンを意味する。
更に、本発明においては、分子性カチオン及び分子性アニオンを含み、これらが形成する常温溶融塩を含有することが好適である。
このような常温溶融塩を含有することにより、以下に示す常温溶融塩としての性質を有することとなり、更に高イオン伝導性を有することで、プロトン伝導性を更に向上させることができる。
1.非常に低い蒸気圧
2.難燃性
3.高い熱分解温度
4.低い凝固点
一方、常温溶融塩であれば、形成するカチオン成分及びアニオン成分の双方がそれぞれ分子性カチオン及び分子性アニオンである必要はない。
ここで、「常温溶融塩」とは、常温で溶融する塩であり、高温で蒸発せず、極性、比熱の高い安定な媒体であるものをいう。
このような常温溶融塩としては、代表的にはブレンステッド酸−塩基型のものを挙げることができる。詳細については後述する。
また、上記分子性カチオンは、少なくとも1種のヘテロ原子を有することが好適である。
このようなヘテロ原子を含有する分子性カチオンは、高イオン伝導性を有するものであり、プロトン伝導性をより向上させることができる。また、電解質中のキャリアーイオン(特にプロトン)伝導物質として、カチオン分子のビーグル機構を利用できる。
なお、ヘテロ原子とは、炭素原子(C)及び水素原子(H)以外の原子であり、代表的には酸素原子(O)、窒素原子(N)、硫黄原子(S)、リン原子(P)、フッ素原子(F)、塩素原子(Cl)、臭素原子(Br)、ヨウ素原子(I)、ホウ素原子(B)、コバルト原子(Co)、アンチモン原子(Sb)、などを挙げることができる。
ここで、本発明のイオン伝導体に用いられるカチオン成分とアニオン成分について具体例を挙げて詳細に説明する。
なお、本発明においては、以下に示すカチオン成分とアニオン成分を適宜組合わせて用いることができる。
上記カチオン成分の一種である分子性カチオンとしては、例えばイミダゾリウム誘導体カチオン、より具体的には次式(1)で表される一置換イミダゾリウム誘導体カチオン(Monosubstituted Imidazolium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR11は、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、炭化水素基の具体例としては、メチル基やブチル基などを挙げることができる。
また、次式(2)で表される二置換イミダゾリウム誘導体カチオン(Disubstituted Imidazolium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR21及びR22は同一でも異なっていてもよく、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R21及びR22としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他にエチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、γ−フェニルプロピル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R21がメチル基であり、R22がメチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベンジル基、γ−フェニルプロピル基であるものや、R21がエチル基であり、R22がブチル基であるものなどを挙げることができる。
更に、次式(3)で表される三置換イミダゾリウム誘導体カチオン(Trisubstituted Imidazolium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR31〜R33は同一でも異なっていてもよく、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R31〜R33としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他にエチル基、プロピル基、ヘキシル基、ヘキサデシル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R31がエチル基であり、R32及びR33がメチル基であるもの、R31がプロピル基であり、R32及びR33がメチル基であるもの、R31がブチル基であり、R32及びR33がメチル基であるもの、R31がヘキシル基であり、R32及びR33がメチル基であるもの、R31がヘキサデシル基であり、R32及びR33がメチル基であるものなどを挙げることができる。
また、次式(4)で表されるピリジニウム誘導体カチオン(Pyridinium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR41〜R44は同一でも異なっていてもよく、水素又は1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R41〜R44としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他に水素、エチル基、ヘキシル基、オクチル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R41がエチル基であり、R42〜R44が水素であるもの、R41がブチル基であり、R42〜R44が水素であるものやR42及びR43が水素でありR44がメチル基であるもの、R42及びR44が水素でありR43がメチル基であるもの、R42及びR43がメチル基でありR44が水素であるもの、R42及びR44がメチル基でありR43が水素であるもの、R42及びR43が水素でありR44がエチル基であるもの、R41がヘキシル基であり、R42〜R44が水素であるものやR42及びR43が水素でありR44がメチル基であるもの、R42及びR44が水素でありR43がメチル基であるもの、R41がオクチル基であり、R42〜R44が水素であるものやR42及びR43が水素でありR44がメチル基であるもの、R42およびR44が水素でありR43がメチル基であるものなどを挙げることができる。
更に、次式(5)で表されるピロリジニウム誘導体カチオン(Pyrrolidinium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR51及びR52は同一でも異なっていてもよく、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R51及びR52としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他にエチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R51がメチル基であり、R52がメチル基であるものやエチル基であるもの、ブチル基であるもの、ヘキシル基であるもの、オクチル基であるもの、R51がエチル基であり、R52がブチル基であるもの、R51及びR52がプロピル基、ブチル基、ヘキシル基であるものなどを挙げることができる。
また、次式(6)で表されるアンモニウム誘導体カチオン(Ammonium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR61〜R64は同一でも異なっていてもよく、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R61〜R64としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他にエチル基、オクチル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R61〜R64がメチル基であるものやエチル基であるもの、ブチル基であるもの、R61がメチル基であり、R62〜R64がオクチル基であるものなどを挙げることができる。
更に、次式(7)で表されるホスフォニウム誘導体カチオン(Phosphonium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR71〜R74は同一でも異なっていてもよく、1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R71〜R74としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他にエチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、フェニル基、ベンジル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R71がメチル基であり、R72〜R74がブチル基であるものやイソブチル基であるもの、R71がエチル基であり、R72〜R74がブチル基であるもの、R71〜R74がブチル基であるものやオクチル基であるもの、R71がテトラデシル基であり、R72〜R74がブチル基であるものやヘキシル基であるもの、R71がヘキサデシル基であり、R72〜R74がブチル基であるもの、R71がベンジル基であり、R72〜R74がフェニル基であるものなどを挙げることができる。
また、次式(8)で表されるグアニジウム誘導体カチオン(Guanidinium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR81〜R86は同一でも異なっていてもよく、水素又は1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R81〜R86としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他に水素、エチル基、プロピル基、イソプロピル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、R81〜R86の全てが水素であるものやメチル基であるもの、R81がエチル基、R82〜R85がメチル基、R86が水素であるもの、R81がイソプロピル基、R82〜R85がメチル基、R86が水素であるもの、R81がプロピル基、R82〜R86がメチル基であるものなどを挙げることができる。
更に、次式(9)で表されるイソウロニウム誘導体カチオン(Isouronium Derivatives Cation);
Figure 0005186737
(式中のR91〜R95は同一でも異なっていてもよく、水素又は1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示し、A9は酸素原子又は硫黄原子を示す。)を挙げることができる。
そして、R91〜R95としては、上述したR11と同様のものを任意に組合わせたものを挙げることができ、その他に水素、エチル基などを挙げることができる。
また、これらの基の代表的な組合せの具体例としては、A9が酸素原子(O)であって、R91〜R95の全てがメチル基であるものやR91がエチル基、R92〜R95がメチル基であるもの、A9が硫黄原子(S)であって、R91がエチル基、R92〜R95がメチル基であるものなどを挙げることができる。
一方、上記分子性アニオンとしては、例えば硫酸アニオン[SO 2− ]、硫酸一水素アニオン[HSO ]又は次式(10)で表される硫酸エステルアニオン(Sulfates anion);
Figure 0005186737
(式中のR101は1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基を示す。)を挙げることができる。
そして、R101としては、上述したR11と同様のものを挙げることができ、その他にエチル基、ヘキシル基、オクチル基などを挙げることができる。
また、代表的な具体例としては、R101がメチル基やエチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基であるものなどを挙げることができる。
また、次式(11)で表されるスルホン酸エステルアニオン(Sulfonates anion);
Figure 0005186737
(式中のR111は1価の有機基、好ましくは1価の炭化水素基、更に好ましくは炭素数1〜20のアルキル基又はアリールアルキル基、更にはそのフッ素置換体を示す。)を挙げることができる。
そして、代表的な具体例としては、R111がフッ素置換されたメチル基(トリフルオロメタンサルフォネートアニオンに相当)であるもの、更にはp−トリル基(p−トルエンスルホン酸アニオンに相当)であるものを挙げることができる。
更に、次式(12)〜(14)で表されるアミドアニオン(Amides Anion)又はイミドアニオン(Imides Anion);
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、アミドアニオンやイミドアニオンについては必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、次式(15)又は(16)で表されるメタンアニオン(Methanes Anion);
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、メタンアニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
また、次式(17)〜(23)で表されるホウ素含有化合物アニオン;
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、ホウ素含有化合物アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
更に、次式(24)〜(32)で表されるリン含有化合物アニオン;
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、リン含有化合物アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
更に、次式(33)又は(34)で表されるカルボン酸アニオン;
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、カルボン酸アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
更に、次式(35)又は(36)で表される金属元素含有アニオン;
Figure 0005186737
Figure 0005186737
を挙げることができる。
なお、金属元素含有アニオンについても必ずしもこれらに限定されるものではない。
他方、分子性アニオンではないが、他のアニオン成分としてハロゲン化物アニオン(Halogenides Anion)であるフッ素アニオン[F ]や塩素アニオン[Cl ]、臭素アニオン[Br ]、ヨウ素アニオン[I ]を挙げることもできる。
更に、本発明においては、イミダゾリウム誘導体カチオン、ピリジニウム誘導体カチオン、ピロリジニウム誘導体カチオン又はアンモニウム誘導体カチオン、及びこれらの任意の組合わせに係る分子性カチオンの混合物と、四フッ化ホウ素アニオン、トリフルオロメタンサルフォネートアニオン、フッ化水素アニオン[(HFn)F (nは実数で1〜3が望ましい。)]、硫酸一水素アニオン又はリン酸二水素アニオン、及びこれらの任意の組合わせに係る分子性アニオンの混合物とから成ることが望ましい。
これらの分子性カチオンと分子性アニオンを組合わせたものは常温溶融塩であって、良好な親水性を示すからである。
次に、本発明のエネルギーデバイス及び燃料電池セルについて説明する。
本発明のエネルギーデバイスは、上述のイオン伝導性電解質膜を適用して構成される。このときは、高いイオン伝導度を得られ、性能向上が可能となる。
また、他の制御手段と組合わせて適宜システム化することもできる。代表的には、燃料電池(セル又はスタック)、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサーなどが挙げられる。
特に、イオン伝導性電解質膜を、燃料電池セル及びそのシステムに使用することで、中温域(120℃程度)の運転を可能とし、ラジエーター負荷を従来のPEM型燃料電池に対して低下させ、ラジエターサイズを低減できる。その結果、システム容積の低減、システム重量の軽量化が可能となる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPTFE多孔質膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで60分プラズマ照射を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸
本実施例では、液体電解質として2EtIm BF(2−エチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート)を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜浸漬し、浸漬後60分真空下で静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価1)
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜中での液体電解質の保持力については、米国Porous Materials,Inc.製のPerm Porometerを使用し計測した。上記で作製した電解質膜の一次側より気体圧を加えていき、電解質膜中の電解液を押し出す圧力を測定し、多孔質膜中での液体の保持力を計測した。その結果を図4に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質の表面エネルギーを適溶法により算出した(山下技研製 自由表面張力測定装置)。得られた液体電解質の表面エネルギーと前記で測定した液体電解質の多孔質体中での保持力の関係式(B)から、液体電解質と多孔質基材との接触角を算出した。その結果を図11に示す。
cosθ=p×r/2/γ …(B)
(式中のθは液体電解質と多孔質基材の接触角、pは液体電解質の多孔体中での保持力、rは多孔質体の孔径、γは液体電解質の表面エネルギーを示す。)
(比較例1)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPTFE膜を使用した以外は、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図4に示す。
実施例1と比較例1の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し6倍向上した。
(実施例2)
(1)P(VdF−HEP)(ポリ(ビニリデンフルオライド−ヘキサフロオロプロピレン共重合体)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのP(VdF−HEP)膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで30分プラズマ照射を行った。
表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸
液体電解質としてEMI BF(エチルメチルイミダゾリウム テトラフルオロボレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価2)
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力について、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図5に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例2)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないP(VdF−HEP)膜を使用した以外は、実施例2と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図5に示す。
実施例2と比較例2の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し5倍向上した。
実施例3)
(1)PE(ポリエチレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPE膜を使用した。上記多孔質体を硫酸―クロム酸混液により表面処理を行った。88.5%の水、4.4%のクロム酸カリウム(K Cr )及び7.1%の硫酸を混合し、硫酸―クロム酸混液を調整した。この混液に、PE多孔質膜を1000秒間浸漬し、浸漬の後多孔質膜をイオン交換水で洗浄した。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動、1200〜1400cm −1 のSO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸
本実施例では、液体電解質としてアセトニトリルにヨウ素(20mM)、ヨウ化リチウム(40mM)、1,2−Dimethyl−3−hexylimidazolium iodide(1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウム ヨウ化物)(500mM)、4−tert−Butylpyridine(4−tert−ブチルピリジン)(500mM)を溶解した溶液を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜を浸漬し、30分静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価3)
(1)液体電解液の保持力評価
上記で得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図6に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例3)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPE膜を使用した以外は、実施例3と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図6に示す。
実施例3と比較例3の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し2倍向上した。
実施例4)
(1)PP(ポリプロピレン)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPP膜を使用した。上記多孔質体を硫酸―クロム酸混液により表面処理を行った。88.5%の水、4.4%のクロム酸カリウム(K Cr )及び7.1%の硫酸を混合し、硫酸―クロム酸混液を調整した。この混液に、PP多孔質膜を10秒間浸漬し、浸漬の後多孔質膜をイオン交換水で洗浄した。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動、1540〜1870cm −1 のCO伸縮振動、1200〜1400cm −1 のSO伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸及び液体電解液の保持力評価
本実施例では、液体電解質としてプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比1:1:1で混合した溶媒に、LiPF を1.25M溶解させた溶液を使用した。液体電解質に上記で表面親水化処理した多孔質膜を浸漬し、30分静置することで多孔質膜へ電解質を含浸させ、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価4)
(1)液体電解液の保持力評価
上記で得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図7に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例4)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPP膜を使用した以外は、実施例4と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図7に示す。
実施例4と比較例4の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し2倍向上した。
(実施例5)
(1)PI(ポリイミド)多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚100μmのPI膜を使用した。上記多孔質体をプラズマ処理により表面処理を行った。プラズマ処理装置は、ユニチカ製USX低温プラズマ処理装置を用いた。周波数13.56MHzのラジオ波を用いてグロー放電させた。
処理ガスとして酸素を用い、流入速度25ml/min、放電出力1.3kW、管内圧力133Paで30分プラズマ照射を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3550cm −1 のOH伸縮振動に帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸
本実施例では、液体電解質としてEMI TFSI(エチルメチルイミダゾリウム ビス(トリフルオロメタンルホニルイミド)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価5)
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図8に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例5)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないPI膜を使用した以外は、実施例5と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図8示す。
実施例5と比較例5の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し2倍向上した。
(実施例6)
(1)シリカ多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚150μmのシリカ多孔質膜を使用した。上記多孔体をオートクレーブを用いて170℃で24hr水熱処理を行い、表面の親水化処理を行った。表面の官能基の生成に関しては、赤外スペクトルにより、3200〜3700cm −1 のSiOHに帰属されるピークの増加を確認した。
(2)電解質材料の含浸
本実施例では、液体電解質としてEMI Tf(エチルメチルイミダゾリウム トリフレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価6)
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図9に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例6)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないシリカ膜を使用した以外は、実施例6と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図9示す。
実施例6と比較例6の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し2倍向上した。
(実施例7)
(1)シリカ多孔質膜の表面親水化処理
多孔質膜として平均細孔径0.2μm、膜厚150μmのシリカ多孔質膜を使用した。上記多孔体をオートクレーブを用いて170℃で24hr水熱処理を行った。
次に、シリカ多孔質へメルカプト基を導入した。γ−Mercaptopropyltrimethoxysilaneをシランカップリング剤として用いた。3.5%のシランカップリング剤水溶液を用いた。シランカップリング剤水溶液にシリカ多孔質膜を20時間浸漬させ、その後100℃で10分間真空乾燥させた。その後、10%の過酸化水素水を用いて、70℃で2hrメルカプト基を酸化させ、スルホン酸基とした。表面の官能基の生成に関しては、EDSスペクトルを測定することで確認した。
(2)電解質材料(イオン液体)の含浸
本実施例では、液体電解質として2EtIm Tf(2−エチルイミダゾリウム トリフレート)を使用し、実施例1と同様の方法を繰返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
(性能評価7)
(1)液体電解液の保持力評価
得られた電解質膜の保持力については、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を図10に示す。
(2)液体電解質と多孔質基材との接触角
液体電解質と多孔質基材との接触角は、実施例1と同様の方法で算出した。その結果を図11に示す。
(比較例7)
多孔質膜として表面親水化処理を行っていないシリカ膜を使用した以外は、実施例7と同様の方法を繰り返して、本例のイオン伝導性電解質膜を作製した。
作製した電解質膜中での液体電解質の保持力を測定した。その結果を図10示す。
実施例7と比較例7の比較から、表面親水化処理した多孔質膜中での液体電解質の保持力は、未処理の多孔質膜中での保持力に対し2倍向上した。
親水化処理の一例を示す概略図である。 多孔質体材料の孔内にある液体電解質材料の保持力を示す概略図である。 多孔質膜と液体電解質の接触角と保持力の関係を示すグラフである。 PTFE膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 P(VdF−HEP)膜中に親水化したときの保持力を示すグラフである。 PE膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 PP膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 PI膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 シリカ膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 シリカ膜中を親水化したときの保持力を示すグラフである。 実施例1〜7の電解質膜における多孔質体材料と液体電解質材料との接触角を示すグラフである。

Claims (11)

  1. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレン及び/又はビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
    上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
    上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びホウ素含有化合物アニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  2. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ポリテトラフルオロエチレンであり、
    上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
    上記液体電解質材料が、2−エチルイミダゾリウムカチオン及びテトラフルオロホウ酸アニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  3. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体であり、
    上記親水基が、水酸基及び/又はカルボニル基であり、
    上記液体電解質材料が、エチルメチルイミダゾリウムカチオン及びテトラフルオロホウ酸アニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  4. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ポリエチレンであり、
    上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    上記液体電解質材料が、アセトニトリル、ヨウ素、ヨウ化リチウム、1,2−ジメチル−3−ヘキシルイミダゾリウムヨウ化物及び4−tert−ブチルピリジンを含む溶液であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  5. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ポリプロピレンであり、
    上記親水基が、水酸基、カルボニル基及びスルホン酸基からなる群より選ばれた少なくとも1種であり、
    上記液体電解質材料が、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及び六フッ化リン酸リチウムを含む溶液であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  6. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、ポリイミドであり、
    上記親水基が、水酸基であり、
    上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びイミドアニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  7. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、シリカであり、
    上記親水基が、シラノール基であり、
    上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  8. 多孔質体材料の孔内に液体電解質材料を配設して成るイオン伝導性電解質膜であって、
    上記多孔質体材料が孔内の表面に親水基を有しており、
    上記多孔質体材料が、シリカであり、
    上記親水基が、スルホン酸基であり、
    上記液体電解質材料が、イミダゾリウム誘導体カチオン及びスルホン酸エステルアニオンを含む常温溶融塩であり、
    上記多孔質体材料と上記液体電解質材料とは0°超90°以下の接触角をなすことを特徴とするイオン伝導性電解質膜。
  9. 上記多孔質体材料の気孔率が30〜90%であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜。
  10. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜を適用したことを特徴とするエネルギーデバイス。
  11. 請求項1〜9のいずれか1つの項に記載のイオン伝導性電解質膜を適用したことを特徴とする燃料電池セル。
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