JP2006225218A - 電気化学的酸素発生素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 常温溶融塩を用い、少なくとも2つ以上の電極を用いた電気化学素子を構成することにより、空気中の酸素を活性酸素に還元させ、酸化することで高濃度酸素を分離する。
【解決手段】 常温溶融塩を電解質とし、該常温溶融塩を含浸したポリオレフィン類多孔質膜からなるセパレーターと、該セパレーターに接して設けられた陰極および陽極を備えた電気化学素子であり、陰極側に酸素を含有する気体供給手段を備え、該陰極において供給気体に存在する酸素を1電子で還元し活性酸素を生成すると共に、陽極側に気体収集手段を備え、陽極側において該活性酸素を酸化し高濃度の酸素を生成することを特徴とする電気化学的酸素発生素子。
【選択図】 図2

Description

本発明は、常温溶融塩を用いた、少なくとも2つの電極を有する電気化学素子に関し、空気中の酸素を1電子還元法により活性酸素を生成させ、それを酸化することにより高濃度酸素を生成する電解化学的酸素発生素子に関するものである。
近年、イオン伝導性を持ち、300℃以上の高温でも安定である常温溶融塩を用いた電気化学素子が注目されている。特開2003−261540号公報においては常温溶融塩を用いた電気二重層キャパシタが開示されている。また、Electrochemical and Solid-State Letters, 4(11)D16-D18(2001)や、Ind. Eng. Chem. Res. 2002,41,4475-4478においては常温溶融塩中で酸素を電気化学的に還元して活性酸素を安定に発生させる技術が開示されている。しかしながら、現状、常温溶融塩は従来の有機溶媒型電解質溶液と比べてその粘度が10mPa・秒(25℃)以上と高く、リチウムイオン二次電池等で用いられているセパレーター、例えばポリエチレン多孔質膜に染み込みにくいという課題がある。
更に、電気化学的に酸素から活性酸素を発生する技術や、発生した活性酸素を再度酸素に酸化することで大気中の酸素を濃縮する技術については、特公平6−174号公報、特公平8−30276号公報、特許第3419656号公報で開示されている。
ところで、活性酸素は反応性が高いことから、特に反応性のある官能基を有する材料は不適当である。これは例え化学的安定性があるといわれているポリエチレン、ポリプロピレン材料であっても末端水素、三級炭素上の水素との反応が起こることがある。また、安定性のあるガラス繊維を用いた布などが用いられているが、常温溶融塩電解質層の厚みを100μm以下に薄くして、良好なイオン伝導度を確保するに当っては強度、表面平滑性が不適当である。
特開2003−261540号公報 特公平6−174号公報 特公平8−30276号公報 特許第3419656号公報 Electrochemical and Solid-State Letters, 4(11)D16-D18(2001) Ind. Eng. Chem. Res. 2002,41,4475-4478
本発明において解決しようとする課題は、常温溶融塩を用い、少なくとも2つ以上の電極を用いた電気化学素子を構成するに当って、電極間のイオン伝導性を良好にし、反応性の高い反応種を扱う電気化学系でも化学的に安定にすることにあり、空気中の酸素を活性酸素に還元させ、酸化することで高濃度酸素を分離することを特徴とすることを目的とするものである。
かかる課題に対して本発明者らは鋭意検討した結果、常温溶融塩を電解液とする、少なくとも2つ以上の電極で構成される電気化学素子において、2つの電極を隔離するためのセパレーターとして粘度法による数平均分子量が100万以上1000万以下、空孔率が50%以上90%以下、膜厚が5μm以上100μm以下、かつ、ガーレー値が0.1秒/100ml以上100秒/100ml以下であることを特徴とするポリエチレンあるいはハロゲン化ポリエチレンなどのポリオレフィン類多孔質膜よりなるものを用いることで、化学的に安定でかつイオン伝導性に優れた常温溶融塩支持膜を得ることができ、電気化学特性の良好な電気化学素子を提供することができることを見出した。
すなわち本発明は、常温溶融塩を電解質とし、該常温溶融塩を含浸したポリオレフィン類多孔質膜からなるセパレーターと、該セパレーターに接して設けられた陰極および陽極を備えた電気化学素子であり、陰極側に酸素を含有する気体供給手段を備え、該陰極において供給気体に存在する酸素を1電子で還元し活性酸素を生成すると共に、陽極側に気体収集手段を備え、陽極側において該活性酸素を酸化し高濃度の酸素を生成することを特徴とする電気化学的酸素発生素子を提供する。
また本発明は、かかるセパレーターが、粘度法による数平均分子量が100万以上1000万以下、空孔率が50%以上90%以下、膜厚が5μm以上100μm以下、かつ、ガーレー値が0.1秒/100ml以上100秒/100ml以下であることを特徴とするポリオレフィン類の多孔質膜であることを特徴とし、特に該セパレーターの空孔率が70%以上、90%以下、ガーレー値が0.1秒/100ml以上50秒/100ml以下であることを特徴とする電気化学的酸素発生素子を提供するものである。
また本発明は、かかる常温溶融塩が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートであること、該セパレーターが高分子量ポリエチレン、該陰極が炭素よりなる気体拡散電極であり、該陽極が金メッシュ電極であることを特徴とする電気化学的酸素発生素子を提供するものである。
本発明によれば、常温溶融塩を用いた、少なくとも2つ以上の電極を用いた電気化学素子を構成するに当って、電極間のイオン伝導性を良好にし、反応性の高い反応種を扱う電気化学系でも化学的に安定にすることである。
このような、化学的に安定でかつイオン伝導性に優れた常温溶融塩支持膜を用いた電気化学素子は電気化学的に一方の電極で酸素から1電子還元により活性酸素を発生させるための電気化学素子として、活性酸素が安定に存在することができるという点で好適に使用することができる。
本発明の電気化学素子である酸素発生素子の好ましい実施形態を説明する。
本発明の電気化学的酸素発生素子は、常温作動可能で長期間の安定性に優れたものとするために、電解質に常温溶融塩を使用する。常温溶融塩は常温で溶融状態のイオンのみからなる塩であり、水などの溶媒を必要としない液体の塩である。常温溶融塩は常温で高いイオン伝導性を有し、電気化学的安定性が高く、難燃性、不揮発性のため安全性に優れる。また、溶媒を使用しないこと、常温溶融塩自体の蒸気圧が殆どないことから、多孔質媒体などに含浸させて使用した場合であっても蒸発による機能低下の懸念がなく、長期間安定的に使用可能となる。
常温溶融塩としてはアルキルイミダゾリウム塩やアルキルピリジニウム塩、トリアルキルフェニルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルフォスフォニウム塩、トリアルキルスルフォニウム塩の他、2−メチル−1−ピロリン、1−メチルピラゾール、1−エチルカルバゾールなどをプロトン付加させてカチオンとして用いたものなどが知られている。塩を構成するアニオンとしてはブロマイドアニオン、クロライドアニオン、テトラフルオロブロマイドアニオン、ヘキサフルオロフォスフェートアニオン、トリフルオロメタンスルフォネートアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン、パーフルオロブタンスルフォネートアニオン等がある。
活性酸素を生成する電気化学的酸素発生素子としては、プロトンを有する常温溶融塩は好ましくない。また、吸水性を有する常温溶融塩も好ましくない。そのような観点からアルキルイミダゾリウム塩やアルキルピリジニウム塩、トリアルキルフェニルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウム塩、テトラアルキルフォスフォニウム塩、トリアルキルスルフォニウム塩の他、2−メチル−1−ピロリン、1−メチルピラゾールで、かつ、1−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレートや3−メチルピラゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートなどのイミダゾリウム系の塩を使用することが好ましく、アニオンとしてはヘキサフルオロフォスフェートアニオン、トリフルオロメタンスルフォネートアニオン、ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミドアニオン、パーフルオロブタンスルフォネートアニオンイオンから選択されることが好ましい。更に、伝導性、電気化学的安定性の観点から1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩を使用することが好ましい。
セパレーターとしては粘度法による分子量が100万以上1000万以下、空孔率が50%以上90%以下、膜厚が5μm以上100μm以下、かつ、ガーレー値が0.1秒/100ml以上100秒/100ml以下であるポリエチレンやハロゲン化ポリエチレンの多孔質膜が好ましい。
ポリエチレンやハロゲン化ポリエチレンは特開平8−34873号公報や特表2002−518524号公報でも開示されているように、その結晶性を利用して多孔質膜を容易に作製することができる。また、ポリエチレンは反応性の低いメチレン基のみで高分子化された構造であり、化学的安定性に優れている。ハロゲン化ポリエチレンにおいても化学的安定性が良好である。ハロゲン化ポリエチレンとしてはポリテトラフルオロエチレンがより好ましい。これら以外の、例えばポリエステル、ポリアミドなどではエステル基、アミド基が分解しやすく、化学的安定性に乏しい。また、ポリプロピレンにおいても三級炭素上の水素が反応しやすく、特に活性酸素を扱う電気化学素子においては好ましくない。
分子量測定には粘度法、浸透圧法、光散乱法等があるが、ここでは粘度法で測定したときの数平均分子量値として、100万以上、1000万以下が好ましい。高分子構造は直鎖状でも分岐枝状でもかまわないが、分子量100万未満では末端部、分岐点部濃度が増加することで、化学的安定性は低下する傾向にあり、また機械的強度が低くなることから高い空孔率を得ることが難しくなる。一方1000万よりも大きなものは化学的安定性の点から好ましくなるが、成形性が低下することから、多孔質膜を形成することが難しくなる。
また空孔率が50%未満の膜の場合には、常温溶融塩のイオン伝導性が低い上に、多孔質膜内部に常温溶融塩を含浸させることが困難である。多孔質膜に染み込むかどうかについては、真空度0.1kPaの真空チャンバー内において常温溶融塩中に多孔質膜を浸し、その後真空チャンバーを常圧に戻すことで多孔質膜内の空隙から気体を排除して強制的に染み込ませる手法をとり、均一に染み込みにくい膜では含浸処理後の膜の光透過性が悪く、部分的にむらがある場合もあり、目視にて判断可能である。また、このような膜では顕著にイオン伝導度が低下する。より好ましくは空孔率が70%以上の膜である。一方、空孔率が90%よりも大きい場合、イオン伝導度が大きくなる点では好ましいが、分子量1000万であっても膜としての機械的強度が得られず、取り扱いが難しい膜となる。
イオン伝導度はインピーダンス法を用いて測定した。常温溶融塩支持膜を2つの平板電極間に約10kPaの圧力で挟み、ソーラトロン(Solartron)社製複素インピーダンス測定装置を用い、振幅±5mVで1MHzから1Hzまで周波数を掃引した結果得られる複素インピーダンス曲線の高周波数側を実数軸へ外挿することで抵抗値を求め、その逆数と常温溶融塩支持膜の膜厚及び、電極面積より計算して求めた。
膜厚については5μmよりも薄い場合、膜としての機械強度が充分でなく、例え分子量が1000万で高度に延伸された多孔質膜でも、実際の取扱いでは、穴が開きやすい、破断しやすい、電気化学素子を構成したときの両側の電極が短絡しやすいなどの問題が生じる。一方100μmよりも厚い場合、電気化学素子の両側の電極が離れすぎ、電気化学素子の内部抵抗が増大、単位面積あたりの電気化学素子の性能が低下するなどの問題が顕著となる。膜厚としてより好ましくは10μmから50μmの範囲である。尚、膜厚は公知のマイクロメーターを用いてμm単位で測定した。
ガーレー値については、JIS P8117に記載の方式に則って測定した。ガーレー値は気体透過膜の気体透過性を示す指標の1つであり、一定面積の気体透過膜の一方面から一定温度で一定容積の気体を一定圧力で透過させるためにかかった時間で示す。この値が0.1秒/100mlよりも小さい値ではガーレー値測定時の気体透過抵抗が実質的に無い多孔質膜であり、空孔の平均孔径は50μm以上あるものである。そのため、電気化学素子の両電極が短絡することが頻繁に発生する。一方、100秒/100mlよりも大きい場合には、例え空孔率が高くても、多孔質膜の一方の面から他方の面まで貫通している連続空隙の数が少ない、あるいは連続空隙の実質的な道のりが極端に長いもの、又は平均孔径が0.1μm未満のものであり、イオン伝導性が極端に低い常温溶融塩支持膜となることがある。より好ましくは50秒/100ml以下である。
本電気化学素子は化学的に安定なセパレーターと常温溶融塩を用いることで、電気化学的に一方の電極で酸素から1電子還元により活性酸素を発生させる電気化学的酸素発生素子に特に有効である。
活性酸素にはスーパーオキサイド、1重項酸素、ヒドロキシラジカルなどが含まれるが、ここで言う1電子還元により生成する活性酸素はスーパーオキサイドのことである。
スーパーオキサイドは各種酸化反応に用いられる他、不均化反応による過酸化水素の生成、再酸化による酸素生成に使用されている。このような電気化学反応は以下の式で表される酸素の1電子酸化還元反応プロセスを利用したものである。
+e → O
ここで発生した活性酸素は反応性が高く、日本化学会編「活性酸素種の化学」(季刊 化学総説 NO.7)によるとpH7の水中では平均寿命は5秒程度である。そのため安定に存在させるには、非プロトン性の電解液溶媒が必須である。
酸素を還元する電極は、酸素分子を、効率良く1電子で還元するのに適した、炭素、あるいは金を担持した炭素粒子、あるいは白金を担持した炭素粒子からなるガス透過性電極、または多孔質あるいはメッシュ状の炭素や各種貴金属電極を用いる。ガス透過性電極は、燃料電池用のガス拡散電極と同様、高表面積とするため炭素粉末あるいは金を担持した炭素粒子を、フッ素樹脂などの疎水性樹脂をバインダーとして用い、カーボンクロスの多孔性電極基体に固定して作製する。その他、親水性の反応層と疎水性のガス拡散層を両面に有する半疎水性ガス拡散電極を使用しても良い。
以下に添付図面を参照して本発明を更に詳細に説明する。
図1に2電極構成の電気化学素子として電気二重層キャパシタの構成例を示す。多孔質膜11をセパレーターとして、その空孔内に常温溶融塩が含浸されている。このセパレーターの両面には分極性電極121、122が密着される。なお、電気二重層容量が電極表面で形成されるという特性上、電極/電解液界面の表面積をできるだけ大きくする目的から、電極としては活性炭などの表面積が非常に大きい粒子状電極の集合体が利用され、これら集合体の空隙には電解液が含浸される。そのため、分極性電極121,122の空隙にも常温溶融塩が含浸される。さらにこの分極性電極121、122の外側には、分極性電極121、122から、あるいは分極性電極122、122への電子移動を促進するための集電体131、132が形成される。このような集電体にはアルミニウム箔などの導電性の高い金属が用いられる。そしてこれら集電体131、132に、端子141、142が接続される。
図2に2電極構成の電気化学素子として、酸素発生素子の構成例を示す。多孔質膜21をセパレーターとして、その空孔内に常温溶融塩が含浸されている。このセパレーターの片面には炭素よりなる気体拡散電極221が密着される。また、もう一方面には金メッシュ等の化学的安定性が高く気体が透過しやすい金属メッシュ電極222が密着される。さらにこの気体拡散電極221の外側には、気体拡散電極221から、あるいは気体拡散電極221への電子移動を促進するための支持集電体23が形成される。このような支持集電体にはアルミニウムメッシュやチタンメッシュなどの導電性の高く、ガス拡散電極を支持できる強度を有する金属メッシュが用いられる。そして金属メッシュ電極222、支持集電体23に、端子241、242が接続される。
このような構成の電気化学素子の気体拡散電極221側へ、送風ファン25を用いて空気を送る。次いで端子241と242間に、端子241がマイナスとなるように、かつ酸素の1電子還元により活性酸素が生成する電位差を印加する。空気中の酸素は気体拡散電極221において1電子還元され、多孔質膜21中の常温溶融塩中に活性酸素を生成させる。この活性酸素はもう一方の金属メッシュ電極222まで拡散し、そこで酸素に酸化される。これにより集気容器26中に酸素が溜まる。この酸素は酸素取り出し口27より、高濃度酸素28として取り出すことができる。
[実施例1]
純度99%、導電率1.4Sm−1の1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(EMIBF/ステラケミファ社製)中に、数平均分子量:120万、空孔率:85%、厚さ:50μm、ガーレー値:30秒/100mlの超高分子量ポリエチレン多孔質膜(ソルポアTM/帝人ソルフィル製)を0.1kPaの減圧下で24時間浸し、常圧に戻すことで常温溶融塩支持膜とした。この時、常温溶融塩支持膜の導電率は25℃で0.55Sm−1であった。この常温溶融塩支持膜を用いて図3の電気化学素子を構成した。すなわち、塩化ビニル製の2電極式電気化学セル3を用い、常温溶融塩支持膜31の一方面に表面積19.6cmのE−TEC製気体拡散電極(LT1400W)321及びチタンメッシュ集電体33を積層し、他面に3mm厚のポリテトラフルオロエチレン製スペーサー36を介して金メッシュ電極322を配置し、Oリング37を用いて、ガス拡散電極321が下になるように電気化学セル3に固定した。次いで、目開き直径5mmの金メッシュ電極322が浸るように常温溶融塩35を注いだ。酸素ボンベ39から酸素をガス拡散電極321側に充填した。そして、金メッシュ電極がプラスとなるように、リード端子341、342を介して、定電圧電源38を用い、0.46Vの定電圧を印加した。このとき0.52Aの電流が流れ、金メッシュ電極322側に酸素気体が発生した。
[比較例1]
実施例1において、セパレーターとしてセルガード社製のポリプロピレン多孔質膜#2400(厚さ:25μm、空孔率:37%、ガーレー値:572秒/100ml)を用いた。その結果、常温溶融塩はセパレーターには充分に染み込まなかった。この常温溶融塩支持膜のイオン伝導度も測定したが、5.7×10−4Sm−1と非常に低い値であった。
[比較例2]
実施例1において、セパレーターとして数平均分子量65万のポリエチレン多孔質膜(厚さ:25μm、空孔率:40%、ガーレー値:647秒/100ml)を用いた。その結果、常温溶融塩はセパレーターには充分に染み込まなかった。この常温溶融塩支持膜のイオン伝導度も測定したが、6.3×10−4Sm−1と非常に低い値であった。
本発明の電気二重層キャパシタの構成例。 本発明の電解化学的酸素発生素子の構成例。 実施例1の酸素濃縮原理を実現するための電気化学素子構成図。
符号の説明
11 多孔質膜
121 分極性電極1
122 分極性電極2
131 集電体1
132 集電体2
141 端子1
142 端子2
21 多孔質膜
221 気体拡散電極1
222 金属メッシュ電極
23 支持集電体
241 端子3
242 端子4
25 送風ファン
26 集気容器
27 酸素取り出し口
28 高濃度酸素
3 2電極式電気化学セル
31 常温溶融塩支持膜
321 気体拡散電極2
322 金メッシュ電極
33 チタンメッシュ集電体
35 常温溶融塩
36 スペーサー
37 Oリング
38 定電圧電源
39 酸素ボンベ

Claims (5)

  1. 常温溶融塩を電解質とし、該常温溶融塩を含浸したポリオレフィン類多孔質膜からなるセパレーターと、該セパレーターに接して設けられた陰極および陽極を備えた電気化学素子であり、陰極側に酸素を含有する気体供給手段を備え、該陰極において供給気体に存在する酸素を1電子で還元し活性酸素を生成すると共に、陽極側に気体収集手段を備え、陽極側において該活性酸素を酸化し高濃度の酸素を生成することを特徴とする電気化学的酸素発生素子。
  2. 該セパレーターが、粘度法による数平均分子量が100万以上1000万以下、空孔率が50%以上90%以下、膜厚が5μm以上100μm以下、かつ、ガーレー値が0.1秒/100ml以上100秒/100ml以下であることを特徴とするポリオレフィン類の多孔質膜であることを特徴とする請求項1記載の電気化学的酸素発生素子。
  3. 該セパレーターの空孔率が70%以上、90%以下、ガーレー値が0.1秒/100ml以上50秒/100ml以下であることを特徴とする請求項2に記載の電気化学的酸素発生素子。
  4. 該常温溶融塩が1−エチル−3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレートであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の電気化学的酸素発生素子。
  5. 該セパレーターが高分子量ポリエチレン、該陰極が炭素よりなる気体拡散電極であり、該陽極が金メッシュ電極であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電気化学的酸素発生素子。
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