JP5053504B2 - 燃料電池用電解質および燃料電池 - Google Patents

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Description

本発明は、特定構造のアニオンを含む常温溶融塩からなる燃料電池用電解質および該燃料電池用電解質を電解質として用いる燃料電池に関する。
従来の高分子固体電解質型燃料電池の電解質膜には、一般にパーフルオロカーボンスルホン酸(PFSA)膜等が用いられているが、該PFSA膜は、膜内に含まれる水がプロトン伝導パスとなるため、乾燥状態や100℃以上または氷点下以下の作動条件では使用できない。このような乾燥状態でのプロトン伝導性を向上させるため、有機重合体にプロトン導電性付与剤を含有させて高温動作を達成する試み(特許文献1)、シリカ分散パーフルオロスルホン酸膜を使用する方法(特許文献2)、無機−有機複合膜を使用する方法(特許文献3)、リン酸ドープグラフト膜を使用する方法(特許文献4)等が行われている。
一方、常温溶融塩を電解質としてを用いる試みも様々なデバイスで行われている。常温溶融塩は、(i)蒸気圧が全くないか、もしくはきわめて小さい、(ii)不燃、または難燃性である、(iii)イオン伝導性をもつ、(iv)水より分解電圧が高い、(v)水よりも液体温度領域が広い、などの電解質として優れた特性を持っている。これらの特性は、100℃以上の高温、無加湿運転が望まれる燃料電池用途に適しており、電池や電解などの電気化学デバイスに用いることができるものとして、特定組成のプロトン伝導体が開発されている。たとえばイオン性液体およびプロトン供与体からなり、該イオン性液体が4級アンモニウムおよびアニオンから成り、該プロトン供与体がブレンステッド酸であるプロトン伝導体があり、燃料電池用電解質として使用されている(特許文献5)。
該特許文献5における好ましいイオン性液体はEMITFSIであり、その構造を下記式に示す。
また、該特許文献5で好適に使用されるプロトン供与体はHTfOであり、その構造を下記式に示す。
上記特許文献5に示すイオン性液体とブレンステッド酸とを使用した系では、HTfOがプロトン供与体として作用しプロトンを伝導し、この際のプロトン伝導度は、室温で約10−2Scm−1、とされている。
これに対し、ブレンステッド酸などのプロトン供与体を加えない常温溶融塩においても、ある種の構造式を持つものに関してはプロトン伝導性が確認されている。たとえば、下記に示すN,N−HImTFSIは、プロトン伝導性が確認されている(非特許文献1)。
更に、下記に示すN,N−HImBFにおいても、プロトン伝導性が確認されている(非特許文献1)。
上記常温溶融塩は、上記特許文献5のようにHTfOなどのプロトン供与体を含まず、かつ系内にプロトンを含まないにも関わらずプロトン伝導を起こすとされる。これらのプロトン伝導性の機構は、イミダゾリウムカチオンのNと結合しているHが自己解離能を有しプロトン伝導性を奏すると考えられ、上記中性常温溶融塩もプロトン伝導性は室温で約10−2Scm−1である。
なお、常温溶融塩である特定構造のフルオロハイドロジェネート塩が、電気二重層キャパシタ用電解質として使用されている(特許文献6)。なお、電気二重層キャパシタは、セパレータを介して対向配置した正極および負極からなる電極素子において、正極および負極の両方を活性繊維、活性炭粒子の成形体、活性炭粒子の塗布膜などを用いて構成される分極性電極とし、該電極素子に電解質を含ませたものであり、分極性電極と電解質との界面に生成する電気二重層に電荷が蓄えられる。
特開2001−35509号公報 特開平6−111827号公報 特開2000−90946号公報 特開2001−213987号公報 特開2003−123791号公報 特開2002−75797号公報 新エネルギー・産業技術総合開発機構 平成14年度産業技術研究助成事業研究成果報告書−無加湿条件下で作動する中温型燃料電池用複合電解質の開発
しかしながら、特許文献5に示すEMITFSIにHTfOを添加した系や、非特許文献1に示すN,N−HIm系常温溶融塩でのプロトン伝導度は、上記のごとく10−2Scm−1(室温)であり、更なる燃料電池性能向上のためにプロトン伝導度向上が求められる。
そこで本発明の目的は、よりプロトン伝導性に優れる常温溶融塩を用いた燃料電池用電解質を提供することにある。
本発明者らは、常温溶融塩およびそのプロトン伝導性について詳細に検討した結果、上記特許文献6に記載され、キャパシタ用電解質として使用されたフルオロハイドロジェネート塩が、水素移動特性のあることを見出し、燃料電池電解質用途の常温溶融塩として好適な性能を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明で使用する常温溶融塩は、固体電解質膜の乾燥状態に影響されず水素移動特性を発揮することができるため、高分子固体電解質型燃料電池の電解質として好適である。
特に、電解質が常温溶融塩であるため、不燃または難燃性であり、水より分解電圧が高くかつ水よりも液体温度領域が広いため、従来よりも更に作動範囲を広く確保することができる。
本発明の燃料電池を用いると、自動車用燃料電池として好適に使用することができる。
本発明の第一は、下記式(1)で示されるアニオンを含む常温溶融塩から構成される燃料電池用電解質である。
(式(1)において、Xは17族元素の何れかであり、yは正の実数を示す。)
本発明の燃料電池用電解質は、特定構造のアニオンを含む常温溶融塩から構成される。最も好適に使用できる常温溶融塩はEMI(HF)2.3Fであり、その構造式を下記に示す。
上記式に示すように、本発明で使用する常温溶融塩は、アニオンとして(HX)(式中、Xは17族元素の何れかであり、yは正の実数を示す。)を含んでいる。なお、例示したEMI(HF)2.3Fは、該アニオンが、カチオンである1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)とオニウム塩を形成している。上記したEMI(HF)2.3Fは、フッ化物イオンに対するHFの配位数2の(HF)と配位数3の(HF)とが7:3の割合で共存している。核磁気共鳴(NMR)分析の結果では、2種の平均構造しか確認されていないことから、これら2種のアニオンの間でHFの速い交換反応が起きていると推定されている(J. Electrochemical Society,149(1) D1−D6(2002))。
上記EMI(HF)2.3Fは、その構造に示すように、成分中に単独のプロトンを持っていない。また、EMIカチオンの2つのN位はともにHではなくアルキル基が結合しているため、たとえば上記非特許文献1に記載するN,N−HImTFSIやN,N−HImBFと相違して、プロトン伝導の発現は予測することができない。このため、プロトン伝導性は無いものと考えられ、単に電荷の蓄積を目的として電気二重キャパシタ用電解質に使用されるに過ぎなかった。しかしながら、驚いたことにEMI(HF)2.3Fには水素移動特性があり、燃料電池電解質用途の常温溶融塩として好適であることが判明したのである。
EMI(HF)2.3Fによる水素移動特性の原理は明確でないが、以下の機構によると推定される。すなわち、EMI(HF)2.3Fは成分中にHを含まず、イミダゾール環のNに自己解離するHが結合していないことから、両極での反応は以下のような反応式で表される。
これは、これまで報告されているカチオン(Hやイミダゾリウムカチオンなどの三級または四級アンモニウムカチオン)をプロトン伝導媒体とする機構とは異なり、アニオンであるフルオロハイドロジェネートアニオンを水素伝導媒体とする機構である。よって、プロトン伝導という形でないため、本願明細書では、以後、水素移動特性、水素移動度という用語を用いるが、これらの言葉はこれ以前のプロトン伝導性、プロトン伝導度に対応するものである。以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するアニオンは、上記式(1)で示され、Xは17族元素の何れかであり、yは正の実数である。好ましいXとしては、17族元素の中でも、F、Cl、Br、Iである。
前記式(1)のアニオンは、より好ましくは(HF)である。特に水素伝導性に優れるからである。この際、(HF)におけるyは、1.0から2.3である。
オニウム塩を形成するに好適なカチオンとしては、テトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、1,1−ジメチルピロリジニウム、1−メチル−1−エチルピロリジニウム、1,1−ジメチルピペリジニウム、1−エチルピリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンズイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム(EMI)、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられるが、これに限定されるものではない。本発明では、特に1−エチル−3−メチルイミダゾリウムを好適に使用することができる。
最も好適な常温溶融塩はEMI(HF)2.3Fで示され、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムをカチオンとし、フルオロハイドロジェネート((HF)-)をアニオンとするものである。具体的には、1,3−ジメチルイミダゾリウム塩、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム塩、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩等が挙げられ、最も好適なのは常温溶融塩である1−エチル−3−メチルイミダゾリウム塩である。
本発明で使用する常温溶融塩の製造方法の一例をとして、EMI(HF)2.3Fの製造方法を示す。
まず、EMIClをパーフルオロアルコキシドポリマー(PFA)からなる反応容器に投入し、大過剰のフッ化水素(HF)と温度273〜298K(0〜25℃)で反応させる。HFは、蒸留やKNiFなどと共存させて無水化したものが好ましく、EMIClも高純度かつ脱水したものが好ましい。この操作により以下に示す複分解反応が生じて、EMI(HF)Fが生成する。
室温条件下、1.3kPaで2〜4日間、真空引きを行うか、不活性ガスのパージを行うと、EMI(HF)F中の過剰HFや副生成物であるHClが取り除かれ、液状の常温溶融塩EMI(HF)2.3Fが得られる。
このEMI(HF)2.3Fは高いイオン伝導性(0.1Scm-1、25℃)、低い粘度(4.9cP)、広い液相温度領域(−65〜120℃)を持ち、空気中でも安定な常温溶融塩である。
なお、上記した真空引きや不活性ガスによるパージの際の温度条件を変化させることで、(HF)におけるHFの配位数yを1.0から2.3の間でコントロールすることができる。
具体的には、100℃で真空引きを行った場合にはy=1.3、85℃で真空引きを行った場合にはy=1.5、70℃で真空引きを行った場合にはy=1.7とすることができる。なお、前記真空引きの時間は、生成させる常温溶融塩の量や真空引きの加熱温度に応じて適宜変更することができる。なお、本発明の燃料電池用電解質は、常温溶融塩のカチオン種、アニオン種が一種類であるとは限らず、複数のカチオン、アニオンが併用されていてもよい。
本発明の第二は、上記燃料電池用電解質を用いることを特徴とする燃料電池である。本発明で使用するEMI(HF)2.3Fは、後記する実施例に示すように、水素移動度は6.7×10−2S/cmである。これはこれまでに報告されている常温溶融塩系の室温におけるプロトン伝導度の値よりも大きいものである。このように上記常温溶融塩は、特に水素移動特性に優れるため、燃料電池用電解質として好適に使用することができる。また、常温溶融塩を何らかの方法で固定化してもよい。
たとえば、上記常温溶融塩をPFSA膜、ポリスチレンスルホン酸膜、その他多孔質部材に含浸させる方法、上記常温溶融塩、該溶融塩と相溶性の高い高分子のモノマーおよび重合開始剤とを混合して製膜する方法、その他のモノマーを用いて複合高分子電解質を生成する方法、アニオンまたはカチオンどちらか一方のイオン種のポリマー化、多孔質へ常温溶融塩複合ポリマーの充填などの様々な方法がある。高分子モノマーの例として、メタクリル酸メチルとエチレングリコールジメタクリラートとの混合物、重合開始剤としてはアズビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルジスルフィド等がある。高分子モノマーとイオン性液体のモル比は10:1〜3:7が好ましい。
より具体的には、2−ハイドロキシエチルメタクレートをEMI(HF)2.3F中でラジカル重合させることにより、ポリ−2−ハイドロキシエチルメタクレートとEMI(HF)2.3Fの複合高分子電解質を合成し(Solid State Ionics, 149, 295−298(2002))、これを燃料電池用電解質として用いることも可能である。
本発明の燃料電池は、従来の固定高分子膜の代わりに上記の固定化電解質を使用して調製することができ、電極(アノードとカソード)触媒の種類やガス拡散層、その他は従前の燃料電池の構成部材を採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は何ら本発明を制限するものではない。
(実施例1)
温度60℃、130kPaの真空下で1−エチル3−メチルイミダゾリウムクロライド(EMICl)(純度98.5%、水含有率1.4%)を乾燥させた。次いで、グローブボックスを使用して乾燥雰囲気下(HO濃度<10ppm)において、乾燥させたEMIClをアセトニトリルに溶解させた。完全に溶解したのを確認し、この溶液に酢酸エチルを加えるとEMIClが再結晶化した。アセトニトリルと酢酸エチルとを除去し、再度これを60℃、130kPaの真空下で2〜4時間乾燥させた。得られたEMIClを再度アセトニトリルに溶解させ、再結晶化した。この操作を4回繰り返してEMICl中の水分と不純物を除去した。このようにして得たEMIClをパーフルオロアルコキシドポリマー(PFA)からなる反応容器に投入し、大過剰のフッ化水素(HF)と0〜25℃で反応させた。なお、HFは、蒸留により無水化したものを用いた。これによりEMI(HF)2.3Fが生成した。
(実施例2)
実施例1で得たEMI(HF)2.3Fを用いて水素移動特性を評価した。
図1に示す電気化学セルを用いた。該電気化学セルは、常温溶融塩を保持するためのPFAチューブからなるU字管、白金黒電極の常温溶融塩中に浸漬した部位に水素をバブリングすることで水素の酸化反応を生じる水素極、同じく白金黒電極の常温溶融塩中に浸漬した部位に酸素をバブリングすることで酸素の還元反応を生じる酸素極、両極の電位、電圧を任意にコントロールすることができるポテンショガルバノスタットからなっている。ポテンショガルバノスタットには、作用極1、作用極2、対極、参照極の4つの端子が付属しており、本測定に置いては水素極を参照電極の代用とするため、対極および参照極を水素極に、作用極1、2を酸素極に接続した。この実験装置を用いて得た実験結果を以下に示す。図2、3、4はそれぞれ0.05mA、0.1mA、0.5mAの電流値をセルに通電させ、両極間の電圧を温度25℃のもとで計測した結果である。図2、3、4をみると、どの電流値においても約5分程度で、ある一定の電圧値に収束した。EMI(HF)2.3Fを電解質として用いると、安定した発電が可能であった。
(実施例3)
両極における分極を詳細に調べるために、図5、図6に示す電気化学セルを用いて、3電極方式として実験を行った。
図5の電気化学セルは、常温溶融塩を保持するためのPFAチューブからなるU字管、白金黒電極の常温溶融塩中に浸漬した部位に水素をバブリングし分極することで水素の酸化反応を生じる水素極、同じく白金黒電極を常温溶融塩中に浸漬した部位に酸素をバブリングし分極することで酸素の還元反応を生じる酸素極、作用極の電位をコントロールするための基準電位を設定する参照電極、参照電極と作用電極の間の電位を任意にコントロールすることができるポテンショスタットからなる。ポテンショスタットには、作用極1、作用極2、対極、参照極の4つの端子が付属している。本測定においては水素極の分極曲線を得る際には、作用極を水素極、対極を酸素極とした。また、図6に示すように、酸素極の分極曲線を得る際には、作用極を酸素極、対極を水素極とした。溶液抵抗に起因する誤差を小さくするため、両測定どちらにおいても参照極を作用極に隣接して設けた。
図7に結果を示す。酸素分極曲線を黒丸(線1)で、水素分極曲線を黒四角(線2)で示す。なお、図7には、図2、3、4から求められたそれぞれの電流値での2電極方式における定常電圧(線3)も×でプロットして示した。
図7から、常温溶融塩の水素移動度を算出した。なお、以下の電位は全て水素の酸化還元電位を基準とする。
それぞれの電流値における酸素の還元電位をEO、水素の酸化電位をEHとする。これらは、酸素分極曲線(線1)、水素分極曲線(線2)に対応する。また、2電極法によって求めたそれぞれの電流値において得られる水素極と酸素極の電位差をERとする。これは×プロット(線3)に対応する。これらの値には以下の式が成立する。
EDは、2電極法によって得られる水素−酸素電極間電位と3電極法によって求められる水素‐酸素電極間電位の差であり、溶液抵抗に起因するロス分である。図7に示す線4は、ED(V)を(1)式から求めて直線近似した結果である。ここで、電流値Iと水素移動抵抗R(Ω)の間には以下の関係が成り立つ。
この式から、直線4の傾きがRに相当することがわかる。実際にRを導出したところ1110.4Ωとなった。ここで、Rと水素移動度σの関係は以下のように表される。
(a:電気化学セルのセル定数)
次に、電気化学セルのセル定数の導出方法について以下に述べる。本実施例で用いた電気化学セルにおいて、EMI(HF)2.3Fのイオン伝導度を、交流インピーダンス法を用いて計測したところ748Ωとなった。常温におけるEMI(HF)2.3Fのイオン伝導度は0.1Scm−1とわかっているので、このセルのセル定数は74.8cm−1と求められる。この値を式(3)に代入したところ、この燃料電池セル実験から直接的に求められる水素移動度は6.7×10−2Scm−1と求められた。これはこれまでに報告されている常温溶融塩系の室温におけるプロトン伝導度の値よりも大きいものである。
本発明の常温溶融塩は水素移動能に優れ、特に燃料電池用電解質として有用である。
実施例2で使用した電気化学セルを示す図である。 実施例2において、0.05mAの電流値をセルに通電させ、両極間の電圧を温度25℃のもとで計測した結果である。 実施例2において、0.1mAの電流値をセルに通電させ、両極間の電圧を温度25℃のもとで計測した結果である。 実施例2において、0.5mAの電流値をセルに通電させ、両極間の電圧を温度25℃のもとで計測した結果である。 実施例3で使用した電気化学セルを示す図である。 実施例3で使用した電気化学セルを示す図である。 実施例3における、酸素分極曲線、水素分極曲線、定常電圧および水素移動度の結果を示す図である。
符号の説明
1、2・・・作用極端子

Claims (6)

  1. 下記式(1)で示されるアニオンと、カチオンがテトラメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、トリメチルエチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、1,1−ジメチルピロリジニウム、1−メチル−1−エチルピロリジニウム、1,1−ジメチルピペリジニウム、1−エチルピリジニウム、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジメチルベンズイミダゾリウム、1,3−ジメチルイミダゾリニウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウムである常温溶融塩から構成される燃料電池用電解質。
    (式(1)において、Xは17族元素の何れかであり、yは正の実数を示す。)
  2. 前記アニオンが(HF)(式中、yは正の実数を示す。)である、請求項1に記載の燃料電池用電解質。
  3. 前記(HF)におけるyが1.0から2.3である、請求項2に記載の燃料電池用電解質。
  4. 前記(HF) におけるyが2.3である、請求項3に記載の燃料電池用電解質。
  5. 前記(HF) におけるyが2.3であり、カチオンが1−エチル−3−メチルイミダゾリウムである、請求項4に記載の燃料電池用電解質。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用電解質を用いることを特徴とする燃料電池。
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