JP5183920B2 - 光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸の製造方法 - Google Patents

光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、医薬として有用な光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸またはその塩の製造方法、並びにその合成中間体として有用な化合物の製造方法に関する。
(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸((R)−(−)−バクロフェン)は、逆流性食道炎治療薬や鎮痙剤として有用な化合物である。当該化合物を合成する方法は幾つか知られており、例えば、非特許文献1には、以下に示す方法が開示されている。
Figure 0005183920
また、非特許文献2〜4および特許文献1には、種々の不斉触媒を使用して、4−クロロ−β−ニトロスチレン(3)に代表されるβ−ニトロスチレン類にマロン酸ジエステルを不斉マイケル付加させることにより、(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジエチル(4)に代表される光学活性な2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類を製造することが開示されている。
これらのβ−ニトロスチレン類や2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステルはニトロ基を有するため、爆発性の恐れがある危険な化合物である。特に、β−ニトロスチレン類はニトロ基と共役する二重結合を有するため、爆発性の可能性が高い化合物である。従って、単離したこれらの化合物を乾燥することは安全性の面で大きな問題があり、特に工業的規模の製造においては危険を伴うこととなる。
非特許文献5には、β−ニトロスチレン類の製造方法が開示されており、ここでは、ベンズアルデヒド類を酢酸中で酢酸アンモニウムおよびニトロメタンと反応させた後、析出した結晶をろ過、水洗、乾燥することにより、β−ニトロスチレン類を得ている。この方法は、ベンズアルデヒド類から直接β−ニトロスチレン類を得ているため、非特許文献1の方法のような、4−クロロベンズアルデヒド(1)から4−クロロ−α−ニトロメチルベンジルアルコール(2)を経て4−クロロ−β−ニトロスチレン(3)を得る方法と比べて工程が短く、また、溶媒抽出等がないため有利な方法である。しかし、当該方法では、得られたβ−ニトロスチレン類の結晶は、最終的に水洗したものであるため、得られた結晶はかなりの水分を含有しており、次の工程に供する前には当該結晶を十分に乾燥させる必要がある。しかし、その場合、上述したように、爆発の危険性が高く、特に工業的規模の製造にはその安全上の問題から適用し難い障害となりかねない。
また、非特許文献1〜4および特許文献1では、2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類を結晶として単離し乾燥しているが、上述した理由から、当該化合物の乾燥も安全上の問題が避けられない。
特許文献2には、4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エチル(5)に代表される4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類を塩酸等の鉱酸に加えて加熱還流することにより、4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸(7)に代表される4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸類を得る方法が開示されている。この方法は、非特許文献1のように、4−(4−クロロフェニル)−ピロリジン−2−オン(6)に代表される4−置換フェニルピロリジン−2−オン類を経由しないので、工程が少なくなり有利な方法である。この方法では、二酸化炭素が発生するが、特許文献2のような4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類をそのまま鉱酸に加える手法では、発生する二酸化炭素のコントロールが困難であり、場合によっては一度に発生する可能性があり、工業的規模では非常に危険である。
ジャーナル・オブ・ザ・アメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、2005年、第127巻、p119−125 ジャーナル・オブ・ザ・アメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、2005年、第127巻、p9958−9959 ジャーナル・オブ・ザ・アメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、2004年、第126巻、p11148−11149 ジャーナル・オブ・ザ・アメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、2004年、第126巻、p9906−9907 ジャーナル・オブ・ザ・アメリカンケミカルソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、2002年、第124巻、p13097−13105 欧州特許出願公開第1512678号 特公昭45−16692号公報
本発明の目的は、医薬として有用な(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸に代表される光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸類を、従来の製造方法における問題点を解決し、安全で効率的にかつ工業規模で有利な方法により製造する方法、並びに当該方法における中間体及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、含水結晶として単離されるニトロオレフィン類や結晶等として単離される2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類について、危険な乾燥操作に代わる方法を鋭意検討した。その結果、ニトロオレフィン類の含水結晶については、マロン酸ジエステルの不斉マイケル付加反応を行う前に、乾燥操作を行わず、その代替として、溶媒に溶解または分散させ、次いで分液または減圧濃縮あるいは両方の操作を行うことにより、ニトロオレフィン類に含有される水分を除去することを見出した。また、不斉マイケル付加反応によりニトロオレフィン類から導かれる2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類は、結晶等として単離せずに溶液またはスラリー状態として得、そのまま次の還元反応および環化反応に供することも合わせて見出し、本発明を完成するに至った。
また、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類と鉱酸との反応で発生する二酸化炭素のコントロールについて鋭意検討した結果、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類を一旦溶媒に溶解または分散させて、これを鉱酸に加える(好ましく滴下)ことにより、二酸化炭素の発生をコントロールできることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(1) 一般式(I):
Figure 0005183920
(式中、nは0〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基またはシクロアルキルオキシ基を示すか、あるいはnが2または3のとき、2つのRが一緒になってアルキレンジオキシ基を形成してもよい)で表される化合物(以下、化合物(I)ともいう)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物(以下、化合物(I’)ともいう)と反応させることを特徴とする、一般式(IIa):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IIa)ともいう)、または一般式(IIb):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IIb)ともいう)の製造方法。
(2) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IIIa)ともいう)、または一般式(IIIb):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IIIb)ともいう)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IVa)ともいう)、または一般式(IVb):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物(以下、化合物(IVb)ともいう)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、一般式(Va):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩(以下、化合物(Va)ともいう)、あるいは一般式(Vb):
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩(以下、化合物(Vb)ともいう)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(3) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;および
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
を包含することを特徴とする、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の製造方法。
(4) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(5) 化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させて、酸に加えることを特徴とする、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(6) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(7) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(8) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(9) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(10) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(11) 化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供することを特徴とする、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の製造方法。
(12) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I')と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;および
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
を包含することを特徴とする、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の製造方法。
(13) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(14) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(15) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(16) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(17) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(18) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(19) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I')と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(20) 不斉触媒が、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1R,2R)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1S,2S)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドおよびニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドから選ばれる、上記(1)〜(4)、(6)〜(10)および(12)〜(19)のいずれかに記載の製造方法。
(21) 不斉触媒が、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドまたはニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドである、上記(1)〜(4)、(6)〜(10)および(12)〜(19)のいずれかに記載の製造方法。
(22) 化合物(I)を、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドの存在下、化合物(I')と反応させて、化合物(IIa)化合物を得る工程;
化合物(IIa)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)を得る工程;および
化合物(IIIa)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)の製造方法。
(23) 鉄を含有する展開ニッケルにおける鉄含有量が0.1〜50重量%である、上記(11)〜(19)のいずれかに記載の製造方法。
(24) 化合物(I)が、一般式(Ia):
Figure 0005183920
(式中の各記号は上記(1)と同義である)で表される化合物(以下、化合物(Ia)ともいう)を、酢酸中、ニトロメタンおよび酢酸アンモニウムと反応させることにより製造される、上記(1)、(2)、(7)、(8)、(10)、(13)、(16)、(17)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(25) 化合物(I)の含水結晶が、化合物(I)1重量部に対し、0.05〜3重量部の水を含有する、上記(1)、(2)、(7)、(8)、(10)、(13)、(16)、(17)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(26) 化合物(I)の結晶の溶解または分散に使用される溶媒が、芳香族炭化水素である、上記(1)、(2)、(7)、(8)、(10)、(13)、(16)、(17)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(27) 化合物(IIa)または化合物(IIb)の溶液またはスラリーに使用される溶媒が、芳香族炭化水素である、上記(3)、(4)、(7)、(9)、(10)、(12)、(14)、(16)、(18)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(28) 化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の溶解または分散に使用する溶媒が、芳香族ハロゲン化物である、上記(5)、(6)、(8)〜(10)、(15)、(17)〜(19)および(22)のいずれかに記載の製造方法。
(29) Rがハロゲン原子である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(30) nが1である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(31) Rがベンゼン環の4位に置換している、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(32) nが1であり、Rがベンゼン環の4位に置換している塩素原子である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
本発明の製造方法によれば、ニトロオレフィン類や2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類について、乾燥操作を行う必要がないので、工業的規模においても安全にこれらの化合物を取り扱うことができる。また、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類と鉱酸との反応で発生する二酸化炭素を容易にコントロールできるので、工業的規模においても4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸類を安全に製造することができる。このように、目的とする光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸類を安全で効率的にかつ工業規模で有利な方法により製造することができるのである。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明の各式中の定義について説明する。
で示される「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
で示される「アルキル基」は、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、ノニル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチルである。
で示される「アルコキシ基」は、上記定義の「アルキル基」で置換されたヒドロキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられ、好ましくは、メトキシである。
で示される「ハロアルキル基」としては、上記定義の「ハロゲン原子」で置換された上記定義の「アルキル基」であり、当該ハロゲン原子の置換数は特に限定されず、アルキル基の全ての水素原子を置換してしてもよい。「ハロアルキル基」の具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1−フルオロエチル、2−フルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1−フルオロプロピル、1−フルオロブチル、1−フルオロペンチル、1−フルオロヘキシル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、2,2−ジクロロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1−クロロプロピル、1−クロロブチル、1−クロロペンチル、1−クロロヘキシル、ブロモメチル、1−ブロモエチル、2−ブロモエチル、1−ブロモプロピル、ヨードメチル、1−ヨードエチル、2−ヨードエチル、1−ヨードプロピル等が挙げられ、好ましくは、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチルである。
で示される「シクロアルキルオキシ基」は、好ましくは炭素数3〜8、より好ましくは3〜6の環状アルキル基で置換されたヒドロキシ基であり、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられ、好ましくはシクロペンチルオキシである。
2つのRが一緒になって形成する「アルキレンジオキシ基」としては、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは1〜2のアルキレンジオキシ基であり、例えば、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、テトラメチレンジオキシ等が挙げられ、好ましくはメチレンジオキシ、エチレンジオキシである。
は、好ましくはハロゲン原子であり、特に好ましくは塩素原子である。
nは、好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1である。この時、ベンゼン環上のRの位置は4位であることが好ましい。
で示される「アルキル基」としては、直鎖状または分岐鎖状の、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等が挙げられ、好ましくは、メチル、エチル、2−(2−メチル)プロピルである。
以下、各工程について説明する。
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)
工程a
この工程では、化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)(マロン酸ジエステル)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を製造する(不斉マイケル付加反応)。
ここで、原料となる化合物(I)はどのような方法で製造したものもよいが、工業的規模での実施を考慮すると、溶媒抽出等の必要がない点から、化合物(Ia)(ベンズアルデヒド)から以下に示す非特許文献5に記載の方法またはそれと類似する方法にて製造することが好ましい。化合物(I)は、通常、結晶として単離されるが、特に、非特許文献5に記載の方法により化合物(I)を製造した場合、結晶を水洗しているため、含水結晶として単離される。そこで、本発明の好適態様としては、工程aの反応を行う前に、この化合物(I)の含水結晶に対しては、乾燥操作を行わずに、その代替として、溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行うことにより、化合物(I)に含有される水分を除去する。このような方法を採用することにより、結晶の乾燥操作を行わないので、工業的規模であっても爆発等の危険がほとんどなく、安全に化合物(I)を取り扱うことができるのである。
化合物(I)の含水結晶は、化合物(I)1重量に対して、通常0.05〜3重量部、好ましくは0.2〜0.8重量部、更に好ましくは0.3〜0.7重量部の水を含む。
Figure 0005183920
(式中の各記号は前記と同義である)
上記の溶解または分散に使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;メチルt−ブチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられ、中でも、芳香族炭化水素類が好ましく、トルエンがより好ましい。操作性を考慮すると、この溶媒は、引き続いて行うマロン酸ジエステルの不斉マイケル付加反応で使用される溶媒と同じであることが好ましい。
溶媒の使用量は、抽出効率、抽出後の溶媒留去効率等の点から、化合物(I)1kgに対して、通常1〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
化合物(I)の溶液または分散液の、(i)分液操作および(ii)減圧濃縮による溶媒との共沸操作から選ばれる少なくとも1つの操作により、化合物(I)の含水結晶中に含有される水を除去することができるが、水をより完全に除去できる点から、(i)および(ii)の両方の操作を行うことが好ましい。なお、減圧濃縮を採用する場合には、水と共沸できる溶媒を適宜選択することが必要である。
このような方法により、化合物(I)に含有される水を除去した後、化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を製造する。不斉触媒を使用することにより、化合物(I’)が、化合物(I)のα位の炭素原子に立体選択的に付加され、α位の炭素原子における立体配置がR配置である化合物(化合物(IIa))か、あるいはα位の炭素原子における立体配置がS配置である化合物(化合物(IIb))のいずれかが優先的に得られる。
この工程は、通常、溶媒中、不斉触媒の存在下で行われる。化合物(I)、化合物(I’)および不斉触媒の添加順序は特に限定されないが、操作性の点から、溶媒中、化合物(I)に化合物(I’)および不斉触媒を添加することが好ましい。
化合物(I’)の使用量は、収率及び反応後の原料除去の煩雑さ防止の点から、化合物(I)1モルに対して、通常0.8〜5モル、好ましくは1.1〜2モルである。
不斉触媒としては、不斉マイケル付加反応により得られる目的とする化合物(即ち、化合物(IIa)または化合物(IIb))が優先的に得られる触媒であれば、特に限定されない。化合物(IIa)が優先的に得られる触媒としては、具体的には、非特許文献2に記載の方法に準じて調製できるニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド、非特許文献1に記載の1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1R,2R)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア等が挙げられる。化合物(IIb)が優先的に得られる触媒としては、具体的には、非特許文献2に記載の方法に準じて調製できるニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド、非特許文献1に記載の1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1S,2S)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア等が挙げられる。本発明の最終目的化合物は、逆流性食道炎治療薬や鎮痙剤として有用である(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸((R)−(−)−バクロフェン)に代表される化合物(Va)であることが好ましく、従って、上記不斉触媒としては、化合物(IIa)が優先的に得られる触媒が好ましく、特に、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドが好ましい。
不斉触媒の使用量は、収率及び経済性の点から、化合物(I)1モルに対して、通常0.001〜0.2モル、好ましくは0.005〜0.1モルである。
この工程で使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリム等のエーテル類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられ、中でも、芳香族炭化水素類が好ましく、トルエンがより好ましい。なお、化合物(I)を溶液または分散液とし、分液操作および/または減圧濃縮の操作を行った場合には、この工程で使用される溶媒は、操作性を考慮すると、当該溶液または分散液に使用された溶媒と同じであることが好ましい。この場合、必要により同一または異なった上記の溶媒を追加してもよい。
溶媒の使用量は、撹拌効率、反応遅延防止の点から、化合物(I)1kgに対して、通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜5リットルである。
反応温度は、通常0〜110℃であり、好ましくは15〜80℃である。反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜72時間であり、好ましくは1〜24時間である。
化合物(IIa)または化合物(IIb)の単離は、反応液を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は、化合物(IIa)または化合物(IIb)を再結晶、抽出精製、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法により精製することができるが、特に精製を加えずそのまま、例えば、抽出溶液をそのまま、あるいは溶媒留去後の残渣をそのまま、次工程に付すことができる。
しかし、上述したように、化合物(IIa)および化合物(IIb)もニトロ基を有する化合物であるため、それを結晶等として単離して乾燥することは、特に工業的規模においては危険である。そこで、本発明の好適態様としては、化合物(IIa)または化合物(IIb)を結晶等として単離せずに溶液またはスラリー状態として得、そのまま次の工程b、即ち還元反応および環化反応に供する。ここで、該溶液またはスラリーにおける化合物(IIa)または化合物(IIb)の濃度を、10%以上、80重量%以下に維持することが好ましく、20%以上、70%以下に維持することがより好ましい。
ここで、化合物(IIa)または化合物(IIb)を最終的に結晶等の形態としない限り、どのような処理を行ってもよいが、反応終了後、反応液に通常の後処理(中和、分液、抽出等)を行うことが好ましい。
溶液またはスラリーに使用される溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリム等のエーテル類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類;水等が挙げられ、中でも、芳香族炭化水素類、アルコール類が好ましく、トルエン、メタノールがより好ましい。操作性を考慮すると、この溶媒は、次の工程bで使用される溶媒と同じであることが好ましい。
溶液またはスラリーに使用される溶媒の量は、抽出効率、溶媒留去効率等の点から、化合物(IIa)または化合物(IIb)1kgに対して、通常1〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
なお、化合物(IIa)または化合物(IIb)は、目的とする立体配置の化合物に加えて、当該化合物とは逆の立体配置の化合物を含んで得られる場合があり(即ち、目的とする化合物が化合物(IIa)のときは、化合物(IIb)を含んで得られる場合があり、目的とする化合物が化合物(IIb)のときは、化合物(IIa)を含んで得られる場合がある)、そのような場合は精製が必要となるが、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得た時点で精製を行ってもよいが、精製の容易さ等の点から、次の工程cで化合物(IIIa)または化合物(IIIb)に導いた後に精製を行うことが好ましい。
工程b
この工程では、化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を製造する。ここで、化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元すると、引き続いて環化も進行して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)が製造される。
還元は、通常、溶媒中、還元剤を用いて行うか、あるいは溶媒中、金属触媒存在下での接触水素還元にて行うことができる。
化合物(IIa)または化合物(IIb)の反応系への添加は、通常、工程aから引き続いて濃度10%以上、80%以下、好ましくは20%、70%以下に維持された溶液またはスラリー状態で行われ、本工程の反応においても通常、反応系における化合物(IIa)または化合物(IIb)の濃度は10%以上、80%以下、好ましくは20%以上、70%以下に維持される。
還元剤による還元の場合、溶媒中、化合物(IIa)または化合物(IIb)と還元剤を溶媒中で混合することにより行われる。
還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム等の金属水素化物;当該金属水素化物と三フッ化ホウ素等のルイス酸、硫酸等のブレンステッド酸との組み合わせ;ボラン−THF錯体;ボラン−ジメチルスルフィド錯体等が挙げられ、中でも、水素化ホウ素ナトリウムと2価のニッケル塩の組み合わせ、水素化ビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウムが好ましく、水素化ホウ素ナトリウムと2価のニッケル塩の組み合わせが特に好ましい。
還元剤の使用量は、副生物多量生成の防止、収率低下の防止等の点から、化合物(IIa)または化合物(IIb)1モルに対して、通常0.5モル〜20モル、好ましくは1モル〜12モルである。
溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリム等のエーテル類等が挙げられ、中でも、メタノール、テトラヒドロフランがより好ましい。なお、化合物(IIa)または化合物(IIb)を溶液またはスラリー状態として得た場合には、この還元で使用される溶媒は、操作性を考慮すると、当該溶液またはスラリーに使用された溶媒と同じであることが好ましい。この場合、必要により同一または異なった上記の溶媒を追加してもよい。
溶媒の使用量は、攪拌効率、反応遅延防止の点から、化合物(IIa)または化合物(IIb)1kgに対して、通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜5リットルである。
反応温度は、通常−78〜50℃であり、好ましくは−10〜30℃である。反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜24時間であり、好ましくは1〜10時間である。
接触水素還元による場合、溶媒中、化合物(IIa)または化合物(IIb)および金属触媒に水素を導入することにより行われる。
金属触媒としては、例えば、パラジウム−炭素、ロジウム−炭素、白金−炭素、展開コバルト、展開ニッケル等が挙げられ、中でも、展開コバルト、展開ニッケルが好ましく、展開ニッケルがより好ましい。なお、Rがハロゲン原子である化合物においては、還元によりハロゲン原子が脱離する場合がある。このハロゲン原子の脱離がなく当該化合物を還元するには、鉄を含有する展開ニッケルの使用が好ましい。鉄を含有する展開ニッケルにおいては、鉄の含有量は、0.1〜50重量%、特に10〜30重量%であることが好ましい。
金属触媒の使用量は、反応遅延または未完結による収率低下防止、副生物増加防止等の点から、化合物(IIa)または化合物(IIb)1kgに対して、通常0.001〜1kg、好ましくは0.01〜0.5kgである。
接触水素還元に使用される溶媒としては、テトラヒドロフラン、メチルt−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリム等のエーテル類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル類;酢酸、プロピオン酸等の有機酸;水;これらの混合溶媒が挙げられ、中でも、アルコール類が好ましく、メタノール、エタノールが特に好ましい。なお、化合物(IIa)または化合物(IIb)を溶液またはスラリー状態として得た場合には、この還元で使用される溶媒は、操作性を考慮すると、当該溶液またはスラリーに使用された溶媒と同じであることが好ましい。この場合、必要により同一または異なった上記の溶媒を追加してもよい。
接触水素還元に使用される溶媒の使用量は、攪拌効率、反応遅延防止等の点から、化合物(IIa)または化合物(IIb)1kgに対して、通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
接触水素還元における反応温度は、通常0〜110℃であり、好ましくは15〜60℃である。接触水素還元における反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
この工程における還元反応は接触水素還元反応であることが好ましく、特に、Rがハロゲン原子である化合物の場合には、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応であることが好ましい。
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の単離は、反応液を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、蒸留、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を再結晶、抽出精製、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法により精製することができるが、特に精製を加えずそのまま、例えば、抽出溶液をそのまま、あるいは溶媒留去後の残渣をそのまま、次工程に付すことができる。
再結晶にて精製する場合は、再結晶溶媒中に、塩基を添加しておくことにより、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)のそれぞれの立体異性体が晶析溶媒中で、晶析中に異性化しながら結晶化するため、結果的に、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の収率をアップさせることも可能である。
再結晶溶媒としては、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、t−ブタノール等のアルコール溶媒、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸t−ブチル等のエステル溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、フルオロベンゼン等のハロゲン化置換芳香族炭化水素溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒等や、及びそれらの混合溶媒が挙げられ、中でも、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒が好ましく、2−プロパノールが特に好ましい。
添加する塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機アミン、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコキシド、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム等の無機塩基等が挙げられ、中でも、トリエチルアミン、ナトリウムメチラートが好ましい。塩基の使用量は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)に対して、0.01モル%〜100モル%、好ましくは、0.1モル%〜10モル%である。
工程c
この工程では、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を製造する。化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解は、通常、溶媒中、塩基で処理することにより行われる。
塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、中でも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
塩基の使用量は、反応未完結による収率低下の防止、副生物増加の防止等の点から、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)1モルに対して、通常0.5〜5モル、好ましくは1〜1.5モルである。
溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、ジグリム等のエーテル類;水等が挙げられ、中でも、アルコール類が好ましく、メタノールがより好ましい。
溶媒の使用量は、攪拌効率、反応遅延の防止の点から、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)1kgに対して、通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
反応温度は、通常−30〜50℃であり、好ましくは0〜30℃である。反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常10分〜24時間であり、好ましくは1〜10時間である。
反応終了後、反応液を常法による後処理(例えば、中和、抽出等)に付すことにより行うことができる。またその精製は、再結晶、抽出精製、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法により精製することができるが、特に精製を加えずそのまま、例えば、抽出溶液をそのまま、あるいは溶媒留去後の残渣をそのまま、次工程に付すことができる。
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解した後、脱炭酸することにより、化合物(IVa)または化合物(IVb)を製造することができる。ここで、脱炭酸は、通常、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解物を加熱することにより行われ、具体的には、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解物の溶液を溶媒に添加(好ましくは滴下)し、加熱することにより行われる。
脱炭酸に使用される溶媒としては、加熱に適した溶媒であれば特に限定はなく、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類;ジクロロベンゼン、ジブロモベンゼン等の芳香族ハロゲン化物等が挙げられ、中でも、芳香族炭化水素類が好ましく、キシレンが特に好ましい。
脱炭酸に使用される溶媒の量は、攪拌効率、反応遅延の防止の点から、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)1kgに対して通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
脱炭酸における反応温度は、通常25〜200℃であり、好ましくは90〜150℃である。なお、溶媒は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解物の溶液を添加する前に、予め、反応温度に加熱しておくことが好ましい。脱炭酸における反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜24時間であり、好ましくは1〜10時間である。
なお、必要により、上記の添加は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解物の溶液中の溶媒を反応系から留去しながら行ってもよい。
化合物(IVa)または化合物(IVb)の単離は、反応液を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、蒸留、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は、化合物(IVa)または化合物(IVb)を再結晶、抽出精製、蒸留、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法により精製することができるが、特に精製を加えずそのまま、例えば、抽出溶液をそのまま、あるいは溶媒留去後の残渣をそのまま、次工程に付すことができる。
工程d
この工程では、化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を製造する。具体的には、化合物(IVa)または化合物(IVb)を酸で処理することにより行われる。この工程は、通常、無溶媒で行われる。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられ、中でも、塩酸が好ましい。
酸の使用量は、収率、後処理の効率性等の点から、化合物(IVa)または化合物(IVb)1モルに対して、通常0.5〜50モル、好ましくは2〜20モルである。
反応温度は、通常25〜180℃であり、好ましくは60〜120℃である。反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
化合物(Va)または化合物(Vb)の単離は、反応液を常法による後処理(例えば、中和、抽出、水洗、結晶化等)に付すことにより行うことができる。またその精製は、化合物(Va)または化合物(Vb)を再結晶、抽出精製、活性炭、シリカ、アルミナ等の吸着処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等のクロマトグラフィー法により精製することができる。
工程e
化合物(Va)または化合物(Vb)は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を酸で処理することにより、直接製造することもできる。
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を酸で処理すると、上述したように二酸化炭素が発生するが、特許文献2のように、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)をそのまま酸に加える手法では、発生する二酸化炭素のコントロールが困難であり、場合によっては一度に発生する可能性があり、工業的規模では非常に危険である。そこで、本発明の好適態様では、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を一旦溶媒に溶解または分散させ、これを酸に加える(好ましく滴下)ことにより、二酸化炭素の発生をコントロールする。
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶解または分散させる溶媒としては、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化物;トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類等が挙げられ、中でも、芳香族ハロゲン化物が好ましく、1,2−ジクロロベンゼンが特に好ましい。
溶媒の使用量は、溶液または分散液の安定性、反応遅延の防止等の点から、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)1kgに対して、通常0.5〜50リットル、好ましくは2〜10リットルである。
酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸;メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸等が挙げられ、中でも、塩酸が好ましい。
酸の使用量は、収率、後処理の効率性等の点から、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)1モルに対して、通常0.5〜50モル、好ましくは2〜20モルである。
反応温度は、通常25〜180℃であり、好ましくは60〜120℃である。なお、酸は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の溶液または分散液を添加する前に、予め、反応温度に加熱してもよく、あるいは、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の溶液または分散液の添加後に混合物を加熱してもよい。反応時間は、反応温度、試薬の使用量等にもよるが、通常30分〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
なお、本発明の一連の工程では、化合物(IIa)または化合物(IIb)のα位における立体配置は、化合物(Va)または化合物(Vb)までそのまま保持される。
化合物(Va)または化合物(Vb)は、塩の形態としてもよい。塩としては、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等)、有機塩基塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩等)等の塩基の塩;無機酸付加塩(例えば、塩酸付加塩、臭化水素酸付加塩、硝酸付加塩、硫酸付加塩、リン酸付加塩等)、有機酸付加塩(例えば、ギ酸付加塩、酢酸付加塩、シュウ酸付加塩、マロン酸付加塩、クエン酸付加塩、フマル酸付加塩、乳酸付加塩、リンゴ酸付加塩、コハク酸付加塩、酒石酸付加塩、トリフルオロ酢酸付加塩等)等の酸付加塩等が挙げられる。
このようにして得られた化合物(Va)または化合物(Vb)、特に化合物(Va)、中でも(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸((R)−(−)−バクロフェン)は、逆流性食道炎治療薬や鎮痙剤として有用な化合物である。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1 (R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチルの合成
窒素雰囲気下、4−クロロベンズアルデヒド(2.5g,18mmol)と酢酸アンモニウム(2.5g,32mmol)を酢酸(19ml)に溶解し、90℃に昇温した。ニトロメタン(5.4g,89mmol)を90℃で1時間かけて滴下し、同温度で4時間撹拌した。50℃に冷却し、同温度で水(19ml)を1時間かけて滴下し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの粗結晶を析出した。滴下終了後、室温で1時間さらに10℃に冷却し、同温度で1時間撹拌した後、結晶をろ過、水(19ml)で洗浄し4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶4.32gを得た(水分量は1.71g(含水率40%)、4−クロロ−β−ニトロスチレンの含量は2.61gであった。)。
この4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶をトルエン(19ml)に溶解し、水層を分液操作により分離し、有機層を減圧下で共沸脱水し、9.5mlを留去した。非特許文献2に記載の方法に準じて調製した触媒(ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド)(58mg,0.072mmol)とマロン酸ジメチル(2.3g,17mmol)を加え、50℃に昇温し、同温度で7時間撹拌した。反応終了後、0.1mol/L塩酸(5ml)および水(5ml)で各1回分液洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、トルエン/ヘプタン溶媒中で晶析し、表題化合物を(4.2g,13mmol)得た(収率75%)。スペクトルデータは非特許文献3の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、94%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALCEL OD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例2 (3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチルの合成
メタノール(210ml)に、(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(42.0g,133mmol)、展開ニッケル(21g)を加え、0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、35℃で8時間反応させた。反応終了後、ニッケル触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。酢酸エチルと水を加え分液し、有機層を減圧濃縮して、ヘプタン/酢酸エチルから晶析した。得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(28.8g,114mmol)を得た(収率85%)。mp 166℃
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.34-7.31 (2H, m) 7.22-7.18 (2H, m) 4.09 (1H, dd, J=8.0Hz, 8.4Hz) 3.84-3.81 (1H, m) 3.79 (3H, s) 3.54 (1H, d, J=10.0Hz), 3.40 (1H, dd, J=8.0Hz, 8.4Hz)
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 172.3, 169.2, 138.0, 133.4, 129.1, 128.3, 55.1, 52.9, 47.6, 43.7
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例3 (R)−4−(4−クロロフェニル)ピロリジン−2−オンの合成
窒素雰囲気下、メタノール(220ml)に(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(28.0g,110mmol)を加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(66ml)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌し、2mol/L塩酸(71ml)で中和し、減圧下でメタノールを留去した。酢酸エチルで抽出し(150ml×2)、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸を含む酢酸エチル溶液を得た。この溶液を130〜140℃に加熱したキシレン(150ml)中に酢酸エチルを留去しながら4時間かけて滴下した。反応終了後、キシレン(100ml)を加え、ろ過し、減圧下で濃縮した。キシレン/ヘプタンにより晶析し、表題化合物(19.3g,98.6mmol)を得た(収率90%)。スペクトルデータは非特許文献1の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例4 (R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸塩酸塩の合成
窒素雰囲気下、(R)−4−(4−クロロフェニル)ピロリジン−2−オン(5.0g,26mmol)に6mol/L塩酸(18g)を加え、100℃に昇温した。同温度で10時間撹拌した後、減圧下で濃縮すると表題化合物の結晶が析出し、2−プロパノール(15ml)を加え、再度濃縮した後、2−プロパノール(30ml)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶をろ過し、2−プロパノール(5ml)で洗浄し、表題化合物(4.9g,20mmol)を得た(収率77%)。スペクトルデータは非特許文献1の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClOでpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
実施例5 (3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチルの合成
窒素雰囲気下、4−クロロベンズアルデヒド(20g,142mmol)と酢酸アンモニウム(19.8g,257mmol)を酢酸(150ml)に溶解し、90℃に昇温した。ニトロメタン(43.4g,711mmol)を90℃で1時間かけて滴下し、4時間撹拌した。50℃に冷却し、水(150ml)を1時間かけて滴下し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの粗結晶を析出した。滴下終了後、室温で1時間さらに10℃に冷却し、同温度で1時間撹拌した後、結晶をろ過、水(150ml)で洗浄し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶40.1gを得た(4−クロロ−β−ニトロスチレン含有量20.9g,含水率47.9%)。
この4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶をトルエン(150ml)に溶解し、水層を分液操作により分離し、有機層を減圧下で共沸脱水し、約80mlを留去した。非特許文献2に記載の方法により調製した触媒(ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド)(460mg,0.57mmol)とマロン酸ジメチル(18.1g,137mmol)を加え、50℃に昇温し、同温度で7時間撹拌した。反応終了後、0.1mol/L塩酸(30ml)および水(30ml)で各1回分液洗浄した。得られた有機層は121.9gであった。
このうち26.0gを分取し、減圧下で溶媒の一部を留去した後(化合物IIaの含量:55重量%)、メタノール(25ml)、展開ニッケル(2.4g)を加えた。0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、35℃で6時間反応させた。反応終了後、ニッケル触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。酢酸エチルと水を加え分液し、有機層を減圧濃縮して、ヘプタン/酢酸エチルから晶析した。得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(4.60g,18.1mmol)を得た(収率60%,4−クロロベンズアルデヒドからの収率)、物性値は実施例2の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例6 (R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸塩酸塩の合成
窒素雰囲気下、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(5.00g,19.7mmol)を1,2−ジクロロベンゼン(25ml)に懸濁させ、100℃に昇温した6mol/L塩酸(20g)に約3時間かけて滴下した。10時間反応させた後、80℃まで冷却し有機層を分液操作で分離した。水層を減圧下で濃縮し、アセトニトリル(15ml)を加え、再度濃縮した後、アセトニトリル(30ml)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶をろ過し、アセトニトリル(5ml)で洗浄し、表題化合物(4.00g,16.0mmol)を得た(収率81%)。スペクトルデータは実施例4の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClOでpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
実施例7 (3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチルの合成
(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(70.0g,222mmol)を用いて、実施例2と同様に反応を行い、表題化合物を得た(収率80%)。スペクトルデータは実施例2の値と一致した。得られた化合物の化学純度をHPLCにより測定したところ、94.86%であった。塩素原子が脱離した副生物は0.94%であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CAPCELL PAK C8 DD 4.6×150mm
移動相 A:0.1%リン酸水溶液,B:アセトニトリル
グラジエント:B(10%,0分)→B(60%,20分)
流量:1.0ml/min
検出器:UV210nm
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例8 (3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチルの合成
2−プロパノール(250ml)に、(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(50.0g,158mmol)、鉄含有展開ニッケル(5.0g,鉄16.6%,アルミニウム6.1%含有、川研ファインケミカル株式会社製)を加え、0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、65℃で3時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン(175ml)を加え、ニッケル触媒をろ別した。ニッケル触媒をテトラヒドロフラン(75ml)で洗浄し、ろ液と洗液を合わせ、酸性活性アルミナ(5.0g)を加えて50〜60℃で保温した。活性アルミナをろ別した後、ろ液を減圧濃縮した。8℃まで冷却した後、得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(31.4g,124mmol)を得た(収率78%)。スペクトルデータは実施例2の値と一致した。得られた化合物の化学純度をHPLCにより測定したところ、99.73%であった。塩素原子が脱離した副生物は0.06%であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CAPCELL PAK C8 DD 4.6×150mm
移動相 A:0.1%リン酸水溶液,B:アセトニトリル
グラジエント:B(10%、0分)→B(60%、20分)
流量:1.0ml/min
検出器:UV210nm
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
実施例9 (R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸の合成
窒素雰囲気下、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(3.80g,15.0mmol)を1,2−ジクロロベンゼン(25ml)に懸濁させ、6mol/L塩酸(15.2g)に流入した。105℃で9時間反応させた後、80℃まで冷却し有機層を分液操作で分離した。水層を1,2−ジクロロベンゼン(11ml)で洗浄した後、20%水酸化ナトリウム水溶液で中和しpH7に調整した。15℃まで冷却し1時間保温した後、晶出した結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(2.69g,12.6mmol)を得た(収率84%)。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClOでpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
実施例10 (R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸の合成
窒素雰囲気下、(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸塩酸塩(4.0g,16.0mmol)を水(12ml)に溶解した。そこに1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH6.5に調整した。晶出した結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(3.13g,14.6mmol)を得た(収率91%)。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClOでpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
本発明の製造方法によれば、ニトロオレフィン類や2−(1−置換フェニル−2−ニトロエチル)マロン酸ジエステル類について、乾燥操作を行う必要がないので、工業的規模においても安全にこれらの化合物を取り扱うことができる。また、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類と鉱酸との反応で発生する二酸化炭素を容易にコントロールできるので、工業的規模においても4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸類を安全に製造することができる。

Claims (12)

  1. 一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示し、Rはアルキル基を示す)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供することを特徴とする、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物の製造方法。
  2. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    を包含することを特徴とする、一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物の製造方法。
  3. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  4. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  5. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  6. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  7. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I'):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  8. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  9. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I'):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  10. 不斉触媒が、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1R,2R)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1S,2S)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドおよびニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドから選ばれる、請求項2〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 一般式(I):
    Figure 0005183920

    (式中、nは〜3の整数を示し、n個のRは、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドの存在下、一般式(I’):CH(CO(式中、Rはアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
    一般式(IIa)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
    一般式(IIIa)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
    Figure 0005183920

    (式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
    を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩の製造方法。
  12. 鉄を含有する展開ニッケルにおける鉄含有量が0.1〜50重量%である、請求項1〜9および11のいずれかに記載の製造方法。
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