JP5183920B2 - 光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸の製造方法 - Google Patents
光学活性な4−アミノ−3−置換フェニルブタン酸の製造方法 Download PDFInfo
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Description
また、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類と鉱酸との反応で発生する二酸化炭素のコントロールについて鋭意検討した結果、4−置換フェニル−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸エステル類を一旦溶媒に溶解または分散させて、これを鉱酸に加える(好ましく滴下)ことにより、二酸化炭素の発生をコントロールできることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
(2) 化合物(I)の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、一般式(Va):
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
を包含することを特徴とする、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の製造方法。
(4) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(6) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(12) 化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I')と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を得る工程;および
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
を包含することを特徴とする、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を得る工程;および
化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
化合物(IIa)または化合物(IIb)を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を得る工程;および
化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)または化合物(Vb)を得る工程;
を包含する、化合物(Va)または化合物(Vb)の製造方法。
(21) 不斉触媒が、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドまたはニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドである、上記(1)〜(4)、(6)〜(10)および(12)〜(19)のいずれかに記載の製造方法。
化合物(IIa)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)を得る工程;および
化合物(IIIa)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、化合物(Va)を得る工程:
を包含する、化合物(Va)の製造方法。
(24) 化合物(I)が、一般式(Ia):
(26) 化合物(I)の結晶の溶解または分散に使用される溶媒が、芳香族炭化水素である、上記(1)、(2)、(7)、(8)、(10)、(13)、(16)、(17)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(27) 化合物(IIa)または化合物(IIb)の溶液またはスラリーに使用される溶媒が、芳香族炭化水素である、上記(3)、(4)、(7)、(9)、(10)、(12)、(14)、(16)、(18)および(19)のいずれかに記載の製造方法。
(28) 化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の溶解または分散に使用する溶媒が、芳香族ハロゲン化物である、上記(5)、(6)、(8)〜(10)、(15)、(17)〜(19)および(22)のいずれかに記載の製造方法。
(29) R1がハロゲン原子である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(30) nが1である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(31) R1がベンゼン環の4位に置換している、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
(32) nが1であり、R1がベンゼン環の4位に置換している塩素原子である、上記(1)〜(28)のいずれかに記載の製造方法。
まず、本発明の各式中の定義について説明する。
nは、好ましくは1〜3であり、特に好ましくは1である。この時、ベンゼン環上のR1の位置は4位であることが好ましい。
この工程では、化合物(I)を不斉触媒の存在下、化合物(I’)(マロン酸ジエステル)と反応させて、化合物(IIa)または化合物(IIb)を製造する(不斉マイケル付加反応)。
この工程では、化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元反応および環化反応に供して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を製造する。ここで、化合物(IIa)または化合物(IIb)を還元すると、引き続いて環化も進行して、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)が製造される。
再結晶にて精製する場合は、再結晶溶媒中に、塩基を添加しておくことにより、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)のそれぞれの立体異性体が晶析溶媒中で、晶析中に異性化しながら結晶化するため、結果的に、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の収率をアップさせることも可能である。
添加する塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機アミン、ナトリウムメチラート、カリウムメチラート、ナトリウムエチラート等の金属アルコキシド、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸セシウム、水酸化セシウム等の無機塩基等が挙げられ、中でも、トリエチルアミン、ナトリウムメチラートが好ましい。塩基の使用量は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)に対して、0.01モル%〜100モル%、好ましくは、0.1モル%〜10モル%である。
この工程では、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、化合物(IVa)または化合物(IVb)を製造する。化合物(IIIa)または化合物(IIIb)の加水分解は、通常、溶媒中、塩基で処理することにより行われる。
この工程では、化合物(IVa)または化合物(IVb)を開環して、化合物(Va)または化合物(Vb)を製造する。具体的には、化合物(IVa)または化合物(IVb)を酸で処理することにより行われる。この工程は、通常、無溶媒で行われる。
化合物(Va)または化合物(Vb)は、化合物(IIIa)または化合物(IIIb)を酸で処理することにより、直接製造することもできる。
窒素雰囲気下、4−クロロベンズアルデヒド(2.5g,18mmol)と酢酸アンモニウム(2.5g,32mmol)を酢酸(19ml)に溶解し、90℃に昇温した。ニトロメタン(5.4g,89mmol)を90℃で1時間かけて滴下し、同温度で4時間撹拌した。50℃に冷却し、同温度で水(19ml)を1時間かけて滴下し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの粗結晶を析出した。滴下終了後、室温で1時間さらに10℃に冷却し、同温度で1時間撹拌した後、結晶をろ過、水(19ml)で洗浄し4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶4.32gを得た(水分量は1.71g(含水率40%)、4−クロロ−β−ニトロスチレンの含量は2.61gであった。)。
この4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶をトルエン(19ml)に溶解し、水層を分液操作により分離し、有機層を減圧下で共沸脱水し、9.5mlを留去した。非特許文献2に記載の方法に準じて調製した触媒(ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド)(58mg,0.072mmol)とマロン酸ジメチル(2.3g,17mmol)を加え、50℃に昇温し、同温度で7時間撹拌した。反応終了後、0.1mol/L塩酸(5ml)および水(5ml)で各1回分液洗浄した。有機層を減圧下で濃縮し、トルエン/ヘプタン溶媒中で晶析し、表題化合物を(4.2g,13mmol)得た(収率75%)。スペクトルデータは非特許文献3の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、94%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALCEL OD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
メタノール(210ml)に、(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(42.0g,133mmol)、展開ニッケル(21g)を加え、0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、35℃で8時間反応させた。反応終了後、ニッケル触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。酢酸エチルと水を加え分液し、有機層を減圧濃縮して、ヘプタン/酢酸エチルから晶析した。得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(28.8g,114mmol)を得た(収率85%)。mp 166℃
1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ 7.34-7.31 (2H, m) 7.22-7.18 (2H, m) 4.09 (1H, dd, J=8.0Hz, 8.4Hz) 3.84-3.81 (1H, m) 3.79 (3H, s) 3.54 (1H, d, J=10.0Hz), 3.40 (1H, dd, J=8.0Hz, 8.4Hz)
13C NMR (CDCl3, 100 MHz) δ 172.3, 169.2, 138.0, 133.4, 129.1, 128.3, 55.1, 52.9, 47.6, 43.7
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、メタノール(220ml)に(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(28.0g,110mmol)を加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(66ml)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間撹拌し、2mol/L塩酸(71ml)で中和し、減圧下でメタノールを留去した。酢酸エチルで抽出し(150ml×2)、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸を含む酢酸エチル溶液を得た。この溶液を130〜140℃に加熱したキシレン(150ml)中に酢酸エチルを留去しながら4時間かけて滴下した。反応終了後、キシレン(100ml)を加え、ろ過し、減圧下で濃縮した。キシレン/ヘプタンにより晶析し、表題化合物(19.3g,98.6mmol)を得た(収率90%)。スペクトルデータは非特許文献1の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、(R)−4−(4−クロロフェニル)ピロリジン−2−オン(5.0g,26mmol)に6mol/L塩酸(18g)を加え、100℃に昇温した。同温度で10時間撹拌した後、減圧下で濃縮すると表題化合物の結晶が析出し、2−プロパノール(15ml)を加え、再度濃縮した後、2−プロパノール(30ml)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶をろ過し、2−プロパノール(5ml)で洗浄し、表題化合物(4.9g,20mmol)を得た(収率77%)。スペクトルデータは非特許文献1の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClO4でpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、4−クロロベンズアルデヒド(20g,142mmol)と酢酸アンモニウム(19.8g,257mmol)を酢酸(150ml)に溶解し、90℃に昇温した。ニトロメタン(43.4g,711mmol)を90℃で1時間かけて滴下し、4時間撹拌した。50℃に冷却し、水(150ml)を1時間かけて滴下し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの粗結晶を析出した。滴下終了後、室温で1時間さらに10℃に冷却し、同温度で1時間撹拌した後、結晶をろ過、水(150ml)で洗浄し、4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶40.1gを得た(4−クロロ−β−ニトロスチレン含有量20.9g,含水率47.9%)。
この4−クロロ−β−ニトロスチレンの含水粗結晶をトルエン(150ml)に溶解し、水層を分液操作により分離し、有機層を減圧下で共沸脱水し、約80mlを留去した。非特許文献2に記載の方法により調製した触媒(ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミド)(460mg,0.57mmol)とマロン酸ジメチル(18.1g,137mmol)を加え、50℃に昇温し、同温度で7時間撹拌した。反応終了後、0.1mol/L塩酸(30ml)および水(30ml)で各1回分液洗浄した。得られた有機層は121.9gであった。
このうち26.0gを分取し、減圧下で溶媒の一部を留去した後(化合物IIaの含量:55重量%)、メタノール(25ml)、展開ニッケル(2.4g)を加えた。0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、35℃で6時間反応させた。反応終了後、ニッケル触媒をろ別し、ろ液を減圧濃縮した。酢酸エチルと水を加え分液し、有機層を減圧濃縮して、ヘプタン/酢酸エチルから晶析した。得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(4.60g,18.1mmol)を得た(収率60%,4−クロロベンズアルデヒドからの収率)、物性値は実施例2の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99%eeであった。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(5.00g,19.7mmol)を1,2−ジクロロベンゼン(25ml)に懸濁させ、100℃に昇温した6mol/L塩酸(20g)に約3時間かけて滴下した。10時間反応させた後、80℃まで冷却し有機層を分液操作で分離した。水層を減圧下で濃縮し、アセトニトリル(15ml)を加え、再度濃縮した後、アセトニトリル(30ml)を加え、室温で1時間撹拌した。結晶をろ過し、アセトニトリル(5ml)で洗浄し、表題化合物(4.00g,16.0mmol)を得た(収率81%)。スペクトルデータは実施例4の値と一致した。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClO4でpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(70.0g,222mmol)を用いて、実施例2と同様に反応を行い、表題化合物を得た(収率80%)。スペクトルデータは実施例2の値と一致した。得られた化合物の化学純度をHPLCにより測定したところ、94.86%であった。塩素原子が脱離した副生物は0.94%であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CAPCELL PAK C8 DD 4.6×150mm
移動相 A:0.1%リン酸水溶液,B:アセトニトリル
グラジエント:B(10%,0分)→B(60%,20分)
流量:1.0ml/min
検出器:UV210nm
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
2−プロパノール(250ml)に、(R)−2−(1−(4−クロロフェニル)−2−ニトロエチル)マロン酸ジメチル(50.0g,158mmol)、鉄含有展開ニッケル(5.0g,鉄16.6%,アルミニウム6.1%含有、川研ファインケミカル株式会社製)を加え、0.5MPa(ゲージ圧)の水素圧下、65℃で3時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン(175ml)を加え、ニッケル触媒をろ別した。ニッケル触媒をテトラヒドロフラン(75ml)で洗浄し、ろ液と洗液を合わせ、酸性活性アルミナ(5.0g)を加えて50〜60℃で保温した。活性アルミナをろ別した後、ろ液を減圧濃縮した。8℃まで冷却した後、得られた結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(31.4g,124mmol)を得た(収率78%)。スペクトルデータは実施例2の値と一致した。得られた化合物の化学純度をHPLCにより測定したところ、99.73%であった。塩素原子が脱離した副生物は0.06%であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CAPCELL PAK C8 DD 4.6×150mm
移動相 A:0.1%リン酸水溶液,B:アセトニトリル
グラジエント:B(10%、0分)→B(60%、20分)
流量:1.0ml/min
検出器:UV210nm
得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CHIRALPAK AD−H 4.6×250mm
移動相 A:ヘキサン,B:2−プロパノール,A/B=80/20
流量:0.6ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、(3S,4R)−4−(4−クロロフェニル)−2−オキソピロリジン−3−カルボン酸メチル(3.80g,15.0mmol)を1,2−ジクロロベンゼン(25ml)に懸濁させ、6mol/L塩酸(15.2g)に流入した。105℃で9時間反応させた後、80℃まで冷却し有機層を分液操作で分離した。水層を1,2−ジクロロベンゼン(11ml)で洗浄した後、20%水酸化ナトリウム水溶液で中和しpH7に調整した。15℃まで冷却し1時間保温した後、晶出した結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(2.69g,12.6mmol)を得た(収率84%)。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClO4でpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
窒素雰囲気下、(R)−4−アミノ−3−(4−クロロフェニル)ブタン酸塩酸塩(4.0g,16.0mmol)を水(12ml)に溶解した。そこに1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、pH6.5に調整した。晶出した結晶をろ取し、減圧下に乾燥することにより、表題化合物(3.13g,14.6mmol)を得た(収率91%)。得られた表題化合物の光学純度をHPLCにより測定したところ、99.9%ee以上であった(条件を以下に示す)。
HPLC分析条件;
カラム:CROWNPAK CR(+) 4.6×250mm
移動相 HClO4でpHを2に調整した水
流量:2.0ml/min
検出器:UV220nm
Claims (12)
- 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
を包含することを特徴とする、一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を加水分解反応および脱炭酸反応に供して、一般式(IVa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IVb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IVa)で表される化合物または一般式(IVb)で表される化合物を開環して、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I'):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、不斉触媒の存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物の含水結晶を溶媒に溶解または分散させ、分液または減圧濃縮あるいはその両方の操作を行った後、不斉触媒の存在下、一般式(I'):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物または一般式(IIb)で表される化合物を単離せずに溶液またはスラリー状態で、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物、または一般式(IIIb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIIa)で表される化合物または一般式(IIIb)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩、あるいは一般式(Vb)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 不斉触媒が、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1R,2R)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、1−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((1S,2S)−2−(ジメチルアミノ)シクロヘキシル)チオウレア、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドおよびニッケル(II)ビス[(R,R)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドから選ばれる、請求項2〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 一般式(I):
(式中、nは1〜3の整数を示し、n個のR1は、同一または異なってそれぞれ、ハロゲン原子を示す)で表される化合物を、ニッケル(II)ビス[(S,S)−N,N’−ジベンジルシクロヘキサン−1,2−ジアミン]ブロミドの存在下、一般式(I’):CH2(CO2R2)2(式中、R2はアルキル基を示す)で表される化合物と反応させて、一般式(IIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;
一般式(IIa)で表される化合物を、鉄を含有する展開ニッケルを用いた接触水素還元反応および環化反応に供して、一般式(IIIa):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物を得る工程;および
一般式(IIIa)で表される化合物を溶媒に溶解または分散させ、酸に加えて、一般式(Va):
(式中の各記号は前記と同義である)で表される化合物またはその塩を得る工程:
を包含する、一般式(Va)で表される化合物またはその塩の製造方法。 - 鉄を含有する展開ニッケルにおける鉄含有量が0.1〜50重量%である、請求項1〜9および11のいずれかに記載の製造方法。
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