JP4744091B2 - 光学活性ニトロ化合物およびシアノ化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性ニトロ化合物およびシアノ化合物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光学活性含窒素化合物を不斉配位子とする遷移金属錯体を不斉マイケル反応の触媒として用いて、ニトロ化合物およびシアノ化合物を高効率的かつ高立体選択的に製造する方法に関する。
光学活性化合物には、医薬品などの合成中間体として極めて有用な化合物が多く存在する。とりわけ光学活性ニトロ化合物又は光学活性シアノ化合物のような含窒素化合物は、医薬品ロリプラム、GABA受容体作用薬であるバクロフェンやβ−メチルカルバペネム免疫薬などのための合成中間体や、エンドセリンA拮抗薬ABT−546などのビルディングブロックとして、その応用分野が広範なためとくに興味深いものである。
光学活性ニトロ化合物の合成方法として様々な方法が開発されてきており、不斉金属触媒を用いる不斉マイケル反応には、ロジウム錯体を触媒とする反応が報告されている(非特許文献1)。また、不斉銅錯体を触媒とする反応も報告されている(非特許文献2および3)。さらに、不斉マグネシウム錯体を触媒とする反応が報告されている(特許文献1、特許文献2および非特許文献4)。
しかしながら、非特許文献1の方法は、求核剤にアルキルボロン酸が用いられるため、前もってアルキルボロン酸を調製する必要があったり、また調製したアルキルボロン酸を求電子剤より過剰量加え、さらに比較的高温で反応させなければならないなど反応の煩雑さの問題がある。また、非特許文献2および3の方法では、反応剤として空気に不安定なジアルキル亜鉛を使用し、比較的高いエナンチオ選択性を得るためには、反応温度を−30℃から−78℃にする必要がある。さらに、特許文献1、特許文献2および非特許文献4の方法では、ジカルボニル化合物とニトロアルケンの反応が検討されているが、高収率かつ高選択的にマイケル付加体を得るには、5mol%程度の比較的多量の触媒に加え、更にモレキュラーシーブスや助触媒としてアミン類の添加が必要である。このことからもマグネシウム錯体単独では、ルイス酸として作用しジカルボニル化合物を活性化はするが、ジカルボニル化合物の脱プロトン化を充分に促進する機能を有さず、必ずしも効率的な触媒系とは言えないものである。
このように、これらの光学活性ニトロ化合物を合成する方法は、不安定な反応剤を用いたり、用いる触媒量が多かったり、さらには高温、低温反応条件や長時間の反応が必要であるなど、必ずしも実用性が高いとは言えないものであった。
また光学活性シアノ化合物については、それ自体は勿論のこと、該化合物のシアノ基を還元して得られる光学活性アミン化合物も、医薬品などのビルディングブロックとして極めて重要な化合物であるにも拘わらず、その合理的な合成方法は未だ十分に開発されておらず、不斉マイケル反応による光学活性シアノ化合物の合成方法についても未だ全く知られていない。
一方、キラルなジアミンを配位子とするルテニウム触媒を用いて、マロン酸ジエステルを基質に立体選択的に付加させる反応が報告されている(非特許文献5)が、マイケルアクセプターとしての化合物は、シクロペンテノン、シクロヘキセノンおよびシクロヘプテノンなどの環状エノンが開示されるに止まり、従ってこの反応では光学活性カルボニル化合物が得られるに過ぎない。
したがって、医薬品等の製造に興味深い光学活性ニトロ化合物またはシアノ化合物の合理的な合成方法のさらなる開発がなお強く求められる。
国際公開00/15599号パンフレット 米国特許第6329536号明細書 J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 10716. Tetrahedron: Asymmetry 1998, 9, 1341 J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 3700. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 10215. J. Am. Chem. Soc. 2003, 125, 7508.
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解消し、簡便で実用的なマイケル反応により、高効率的かつ高立体選択的にニトロ化合物およびシアノ化合物を製造することにある。
本発明者等は上記課題を解決するため、キラルな配位子および金属錯体からなる種々の不斉触媒の不斉マイケル反応への適用を鋭意検討する中で 、光学活性含窒素化合物および周期表第VIII族金属錯体を作用させることにより得られる金属錯体を、不斉マイケル反応に用いることで、ニトロ化合物およびシアノ化合物が高効率的かつ高立体選択的に得られることを見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
一般式(A)
(式中、Rは、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していもよい複素単環または複素多環式基、あるいは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基である。式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは置換基を有していもよい複素単環または複素多環式基である。Xはニトロ基またはシアノ基である。またRとRは同一の基でなく、更にRとR、RとRまたはRとRは互いに結合して環を形成してもよい。)で表される化合物と、
一般式(B)
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは直鎖もしくは分岐のC1〜20のアルコキシ基である。また、R4とR5、R4とR6、またはR5とR6は互いに結合して環を形成してもよい。YおよびZは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはリン原子を表し、mおよびnは、それぞれ独立に1または2である。Y、Zが単結合、酸素原子または硫黄原子の場合には、m、nは1であり、Y、Zが窒素原子またはリン原子である場合には、m、nは2である。)で示される化合物に、光学活性含窒素化合物および周期表第VIII族金属錯体を作用させることにより得られる不斉金属錯体を反応させることを特徴とする、
一般式(C)
(式中、R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、mおよびnは前記と同一の意義を有する。)で示される光学活性化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、前記化合物(B)のYおよびZがともに酸素原子である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
更に、本発明は、前記化合物(B)のYが酸素原子で、およびZが単結合である、またはYが単結合で、およびZが酸素原子である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、光学活性含窒素化合物が、一般式(D)
(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基を示す。また、RとRは互いに結合して環を形成してもよい。RおよびR10はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アシル基、カルバモイル基、チオアシル基、チオカルバモイル基、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を示す。*は不斉炭素原子を表す。)で示される構造である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
更に、本発明は、一般式(D)で示される光学活性含窒素化合物において、R10
(式中、R11は、置換基を有していてもアルキル基またはアリール基を示す。)で示される構造である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、一般式(D)で示される光学活性含窒素化合物において、R7
8
10
(式中、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基を示す。p、qおよびrはそれぞれ独立して1〜5の整数を示す。)で示される構造である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
更に、本発明は、周期表第VIII族金属錯体がルテニウム化合物である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
また、本発明は、不斉金属錯体が、一般式(E)
(式中、R12、R13、R14、p、qおよびrは前記と同一の意味を有し、R15は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはtert-ブチル基、oは0〜6の整数を示す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される不斉ルテニウムアミド錯体である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
更に、本発明は、不斉金属錯体が一般式(F)
(式中、R12、R13、R14、R15、o、p、qおよびrは前記と同一の意味を有する。*は不斉炭素原子を表す。)で表される不斉ルテニウムヒドリド錯体である、前記光学活性化合物の製造方法に関する。
本発明によれば、容易な操作で光学活性ニトロ化合物やシアノ化合物などのマイケル付加体を高効率的および高立体選択的に得ることができる。したがって、医薬品、特にロリプラムなどの合成に大きく貢献するものである。
ところで、有機化学の分野では一般に、マイケルアクセプターの電子吸引基が異なれば分子全体の電子状態が全く別のものとなってしまうため、同一の不斉触媒であっても、マイケルアクセプターの電子吸引基の種類によって、その触媒の作用は全く区々となる。例えば、ニトロアルケンは、強力な電子吸引性のニトロ基を有しているため、塩基存在下で容易にアニオン重合することが知られている。したがって、キラルなジアミンを配位子とするルテニウム触媒は、塩基性触媒であることから、該触媒がニトロアルケンとマロン酸ジエステルとの不斉マイケル反応に適用できるか否かは明らかでなかった。
以上の一般的な知見にも拘わらず、本発明は、特定の光学活性含窒素化合物と周期表第VIII族金属錯体とを作用させることにより得られる不斉触媒を、ニトロアルケンまたはシアノアルケンと1,3−ジカルボニル化合物とのマイケル反応に用いることにより、種々の医薬化合物等の合成に極めて有用な光学活性ニトロ化合物およびシアノ化合物を、室温、短時間、少ない触媒量、容易な操作で効率良く、しかも高立体選択的に製造することを可能ならしめたものであって、このことは当該技術分野に大きく貢献するものである。
以下本発明を詳細に説明する。本発明の原料として用いる化合物は前記一般式(A)で表される。
(式中、Rは、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していもよい複素単環または複素多環式基、あるいは、水素原子、ハロゲン原子、カルボキシル基、エステル基、アミド基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基である。式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、置換基を有していもよい複素単環または複素多環式基である。Xはニトロ基またはシアノ基である。またRとRは同一の基でなく、RとR、RとR、またはRとRは互いに結合して環を形成してもよい。)
とRを異なる組み合わせとすることにより、X基のα位を不斉炭素とする光学活性化合物を製造することができる。
芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基として具体的には、フェニル、2-メチルフェニル、2-エチルフェニル、2-イソプロピルフェニル、2-tert-ブチルフェニル、2-メトキシフェニル、2-クロロフェニル、2-ビニルフェニル、3-メチルフェニル、3-エチルフェニル、3-イソプロピルフェニル、3-メトキシフェニル、3-クロロフェニル、3-ビニルフェニル、4-メチルフェニル、4-エチルフェニル、4-イソプロピルフェニル、4-tert-ブチルフェニル、4-ビニルフェニル、クメニル、メシチル、キシリル、1-ナフチル、2-ナフチル、アントリル、フェナントリル、インデニル基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、それぞれ芳香族炭化水素、芳香族複素環基で置換されていてもよい直鎖もしくは分岐のアルキル基、アルケニル基およびアルキニル基である。アルキル基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル基等の炭素数1〜20のアルキル基が例示される。アルケニル基としてはビニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、1−イソプロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1,3−ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル基等の炭素数2〜20のアルケニル基が例示される。アルキニル基としてはエチニル、プロピニル、フェニルエチニル基等の炭素数2〜20のアルキニル基が例示される。脂環式炭化水素基はそれぞれ芳香族炭化水素、芳香族複素環基で置換されていてもよいシクロアルキル基を表し、具体的にはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3〜8のシクロアルキル基が例示される。
複素単環または複素多環式基として具体的には、チエニル、フリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾピラゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、アントラニル、インドリル、フェナントロリニル基等が挙げられる。
これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基に結合する置換基として具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、トリフルオロメチル基等のハロゲン原子含有炭化水素基、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アルコキシカルボニル、カルボキシル基等の酸素原子含有置換基、アミノ、アルキルアミノ、ニトロ、シアノ、アジド基等の窒素原子含有置換基、トリメチルシリル、ヒドロシリル基等のケイ素含有置換基、メルカプト、アルキルチオ基等の硫黄原子含有置換基、ホスホリル、トリフェニルホスフィニル基等のリン原子含有置換基等が例示される。遷移金属元素を含有する置換基として具体的にはフェロセニル基等の鉄含有置換基が例示される。また、RとR、RとRまたはRとRは互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(A)で表される化合物の具体例としては化合物群−1に示した化合物が例示され、特に適用性が高いものとしては、トランス-β-ニトロスチレン(化合物群1−1)、4-クロロ-β-ニトロスチレン(化合物群1−4)、4-メチル-β-ニトロスチレン(化合物群1−2)、シンナモニトリル(化合物群1−26)である。なお、一般式(A)で表される化合物は、化合物群−1の化合物に限定されるものではない。
一般式(A)で表される化合物の量は、通常、周期表第VIII族金属原子をもつ不斉金属錯体に対する反応基質のモル比(S/C)で表され、S/Cは10〜100,000の間であり、好ましくは50〜2,000である。
本発明の原料のマイケル供与体である化合物は一般式(B)で表される。
一般式(B)において、Rは水素原子、ハロゲン原子、アミド基、アミノ基、アルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは置換基を有していてもよい複素単環または複素多環式基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい芳香族単環または芳香族多環式炭化水素基、置換基を有していてもよい飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基または脂環式炭化水素基、あるいは、直鎖または分岐のC1〜20のアルコキシ基である。また、RとR、RとRまたはRとRは互いに結合して環を形成していてもよい。YおよびZは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、またはリン原子を表し、mおよびnは、それぞれ独立に1または2である。Yが単結合の場合にはmは1であり、Zが単結合の場合にはnは1である。Yが酸素原子、または硫黄原子の場合にはmは1であり、窒素原子、またはリン原子である場合にはmは2であり、Zが酸素原子、または硫黄原子の場合にはnは1であり、窒素原子、またはリン原子である場合にはnは2である。
一般式(B)において、R、RおよびRは、それぞれ独立するものであるが、各基の定義規定において各用語は上記に記載の意味を有する。
ハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素原子などをいい、アルコキシ基は炭素数が1〜10のアルコキシ基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基などが挙げられる。
一般式(B)で表される化合物の具体例としては図−2に示した化合物が例示され、特に適用性が高いものとしては、マロン酸ジメチル(化合物群−2−1)、マロン酸ジエチル(化合物群−2−2)、およびアセト酢酸メチル(化合物群−2−10)である。なお、一般式(B)で表される化合物は、化合物群−2の化合物に限定されるものではなく、一般式(B)の−Y−(R)mおよび−Z−(R)nを異なる組み合わせにすることにより、新たに結合が生成する炭素を不斉炭素とすることができる(たとえば、化合物群−2の8〜23)。
一般式(B)で表される化合物の量は、通常、周期表第VIII族金属原子をもつ不斉金属錯体に対する反応基質のモル比(S/C)で表され、S/Cは10〜100,000の間であり、好ましくは50〜2,000である。
本発明に使用される触媒を構成する光学活性含窒素化合物は、一般式(D)で表されるジアミン誘導体である。
一般式(D)においてR、Rはアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基が例示され、アリール基、例えばフェニル、ナフチル、4−メチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、4−メトキシフェニル基等;芳香族複素環基、例えばフリル、ピリジル基等を示す。或いはRとRが一緒になってテトラエチレン基(シクロヘキサン環をなす)などとなってもよい。これらの基は更に置換されていてもよく、置換基としてはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル基等の低級アルキル基、メトキシ、エトキシ基等の低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子から選ばれる1個もしくは2個以上の基である。R、Rとしては、フェニル基、置換基を有するフェニル基等が好ましい。
およびR10は、水素原子;低級アルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル基等の炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基;アシル基、例えば、アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基等;カルバモイル基、例えば、N−メチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル基等;チオアシル基、例えば、チオアセチル、チオプロピオニル、チオベンゾイル基等;チオカルバモイル基、例えばN−メチルチオカルバモイル、N−フェニルチオカルバモイル基等;アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基、例えばメタンスルホニル、エタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル、ペンタメチルベンゼンスルホニル、4−tert−ブチルベンゼンスルホニル、4−メトキシベンゼンスルホニル、4−クロロベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニル基等の置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基を示す。R、R10としては、少なくとも一方が水素原子であるのが好ましい。更に好ましくは、R、R10として一方がアリールスルホニル基が好ましく、特に2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、ペンタメチルベンゼンスルホニル基が好ましい。
一般式(D)で示される光学活性含窒素化合物の中、好ましくは、R10
(式中、R11は、置換基を有していてもアルキル基またはアリール基を示す。)で示され、R7
8
10
(式中、R12、R13およびR14は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基を示す。p、qおよびrはそれぞれ独立して1〜5の整数を示す。)で示されるジアミン誘導体である。具体的なジアミン誘導体としては例えば、1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−N′−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(p−メトキシフェニルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(p−クロロフェニルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン等が挙げられる。
原料に対する光学活性含窒素化合物の量は、通常、原料に対する光学活性含窒素化合物のモル比(S/C)で1〜1,000,000を用い、好ましくは5〜5,000である。
これら不斉配位子と組み合わせて用いられる周期表第VIII属金属化合物の金属種としては、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、コバルト、鉄、ニッケル、パラジウム、白金、オスミウムが例示され、中でもルテニウムが好ましい。具体的な化合物としては、RuCl3-3H2O、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuCl2(benzene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuCl2(1,2,4,5-tetramethylbenzene)]2 、[RuCl2(pentamethylbenzene)]2 [RuCl2(hexamethylbenzene)]2、RuCl2(PPh3)3、[RuCl2(cod)]、[RuCl2(CO)3]2、[Rh(cod)Cl]2、[RhCl2(pentamethylcyclopentadienyl)]2、[IR(cod)Cl]2、CoCl2、NiCl2、NiBr2、NiCl2(PPh3)2、NiBr2(PPh3)2、PdCl2、Pd(PPh3)4、PdCl2(CH3CN)2、PdCl2(PhCN)2、PtCl2(cod)、Pt(PPh3)4、RuH2(PPh3)4、RuH2(dppe)2、RuH4(PPh3)3、Ru(cod)(cot)、およびRu(cod)(benzene)などが例示され、好ましくは[RuCl2(p-cymene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuCl2(1,2,4,5-tetramethylbenzene)]2、[RuCl2(pentamethylbenzene)]2、[RuCl2(hexamethylbenzene)]2、RuH2(PPh3)4、RuH2(dppe)2、RuH4(PPh3)3、Ru(cod)(cod)、およびRu(cod)(benzene)である。なお、上記化合物のPhはフェニル基を表し、codはシクロオクタジエン、cotはシクロオクタテトラエンを表す。
原料に対する周期表第VIII属金属化合物の量は、通常、原料に対する周期表第VIII属金属化合物のモル比(S/C)で10〜100,000を用い、好ましくは50〜500である。
周期表第VIII族金属化合物と光学活性含窒素化合物の混合比は、1.0:0.1から1.0:10.0のモル比で、好ましくは、等モルである。
触媒として使用される周期表第VIII族金属化合物に光学活性含窒素化合物が配位した不斉金属錯体は、周期表第VIII族金属化合物および光学活性含窒素化合物を反応して得られるが、この際に塩基を用いてもよく、用いる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの有機アミン類が例示される。
また、触媒として使用される周期表第VIII族金属化合物に光学活性含窒素化合物が配位した錯体としては、一般式(E)で表されるアミド錯体、および一般式(F)で表されるヒドリド錯体があげられる。
一般式(E)において、
12、R13、R14、o、p、qおよびrは前記と同一の意味を有し、R15は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、またはtert-ブチル基、oは、0から6の整数を示す。*は不斉炭素原子を表す。
一般式(F)において
12、R13、R14、R15、o、p、qおよびrは前記と同一の意味を有する。*は不斉炭素原子を表す。
一般式(E)で表されるルテニウムアミド錯体の具体的な例としては、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3、4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、
[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、
[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 [(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、
[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 [(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、 [(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウムなどがあげられる。
一般式(F)で表されるルテニウムヒドリド錯体の例としては、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、
ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、
ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、
ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド [(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド [(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド [(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、 ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、 ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、 ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(2−ナフチルスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン]ベンゼンルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (p−シメン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (メシチレン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4−トリメチルベンゼン)ルテニウム、
ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,4,5−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (1,2,3,4−テトラメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ペンタメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、ヒドリド[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン] (ヘキサメチルベンゼン)ルテニウムなどがあげられる。
これらの中でも、より高収率、高光学純度で光学活性ニトロ化合物またはシアノ化合物を得るためには、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−ペンタメチルベンゼンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−(2,4,6−トリメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−(3,5−ジメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(R、R)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S、S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウム、[(R、R)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウムを用いることが好ましい。
本発明の実施形態は、光学活性含窒素化合物、周期表第VIII族金属化合物ならびに化合物(A)および(B)を混合して反応してもよい。より好ましくは、光学活性含窒素化合物、周期表第VIII族金属化合物から前もって不斉金属錯体を調製し、この不斉金属錯体存在下、化合物(A)および(B)を混合して反応する。この不斉金属錯体の調製を水素供与性化合物存在下実施すれば不斉金属ヒドリド錯体が、また、水素供与性化合物が存在しない条件で実施すれば不斉金属アミド錯体が得られる。不斉反応の触媒として、不斉金属アミド錯体、および不斉金属ヒドリド錯体のいずれも使用できる。不斉金属錯体の調整方法は、Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 1997,36,285-288.やJ. Org. Chem. 1999, 64, 2186-2187. に記載されている。さらには、光学活性含窒素化合物および周期表第VIII族金属化合物から調製された不斉金属ヒドリド錯体あるいは不斉金属アミド錯体と、化合物(B)を反応させて不斉金属錯体を調製し、これを触媒として化合物(A)と(B)を混合して反応させてもよい。
反応は種々の溶媒中で実施可能である。例えば、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジクロロメタン等のハロゲン化合物、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、2−メチル−2−ブタノールなどのアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、酢酸エチル等の有機化合物を単独で、あるいは併用して用いることができる。
反応温度は、経済性を考慮して、−50℃〜100℃程度とすることができる。より実際的には−30℃〜40℃で反応を実施することができる。反応時間は反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なるが、数分から100時間で反応は完結する。生成物の精製は、カラムクロマトグラフィー、蒸留、再結晶等の公知の方法により行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、以下の実施例に制約されるものではない。なお、実施例中の%eeはエナンチオマー過剰率を示し、S/Cは触媒に対する基質のモル比(ルテニウムに対する基質のモル比)を示す。
(実施例1)(R)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム14.8 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、トランス−β−ニトロスチレン 149 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、30℃にて24時間攪拌した。この溶液の1H NMR定量を行なったところ、目的物の収率は94 %であった。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製し、HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により光学純度を測定した結果、87 %eeであった。
(実施例2〜7)
トランス−β−ニトロスチレン 149 mg(1.0 mmol)に対して、S/C=50で触媒を以下のように変えた以外は、実施例1と同様の条件で反応を行った。
(実施例8)(R)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム14.8 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、トランス−β−ニトロスチレン 149 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、0 ℃にて60時間攪拌した。この溶液の1HNMR定量を行なったところ、目的物の収率は99 %であった。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製し、HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により光学純度を測定した結果、91 %eeであった。
(実施例9)(R)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、トランス−β−ニトロスチレン 149 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、−20 ℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製したところ、目的物の収率は93%であった。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、94%eeであった。
(実施例10)(R)−2−エトキシカルボニル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸エチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、トランス−β−ニトロスチレン 149 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジエチル152 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、−20 ℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製したところ、目的物の収率は89%であった。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、93%eeであった。
(実施例11)3−(4−クロロフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム12.9 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、4−クロロ−β−ニトロスチレン 184 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、30℃にて24時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製し、目的物を単離収率42 %で得た。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により目的物の光学純度を測定した結果、79 %eeであった。
(実施例12)2−メトキシカルボニル−3−(4−メチルフェニル)−4−ニトロブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−(4−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム12.9 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、4−メチル−β−ニトロスチレン 184 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、30℃にて24時間攪拌した。この溶液の1H NMR定量を行なったところ、目的物の収率は51 %であった。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製し、HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により光学純度を測定した結果、82 %eeであった。
(実施例13)4−シアノ−2−メトキシカルボニル−3−フェニルブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−トリフルオロメタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム6.1 mg(0.01 mmol、S/C = 50)、シンナモニトリル 65 μl(0.5 mmol)、マロン酸ジメチル57 μl(0.5 mmol)、トルエン 0.5 mlを20mlシュレンクに入れ、30℃にて48時間攪拌した。この溶液の1H NMR定量を行なったところ、目的物の収率は45 %であった。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製し、HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AS、ヘキサン:2−プロパノール=85:15、流速1.0 ml/min、210 nmで検出)により光学純度を測定した結果、60 %eeであった。
(実施例14〜16)
シンナモニトリル 65 μl(0.5 mmol)に対して、S/C=50で触媒を、[(S,S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、[(S,S)−N−(p−トルエンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム、および[(S,S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](p−シメン)ルテニウムに変えた以外は、実施例13と同様の条件で反応を行った。その結果4−シアノ−2−メトキシカルボニル−3−フェニルブタン酸メチルを製造することができた。
(実施例17)4−シアノ−2−エトキシカルボニル−3−フェニルブタン酸エチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N−メタンスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム5.5 mg(0.01 mmol、S/C = 50)、シンナモニトリル 65 μl(0.5 mmol)、マロン酸ジエチル76 μl(0.5 mmol)、トルエン 0.5 mlを20mlシュレンクに入れ、30℃にて48時間攪拌した。この溶液の1H NMR定量を行なったところ、目的物の収率は46 %であった。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製し、HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AS、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により光学純度を測定した結果、56 %eeであった。
(実施例18)2−メトキシカルボニル−3−(4−メチルフェニル)−ブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、4−メチル−β−ニトロスチレン 1.0 mmol、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、-20℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製したところ、目的物を単離収率71%で得た。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により目的物の光学純度を測定した結果、92%eeであった。
(実施例19)3−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
4−メチル−β−ニトロスチレンを4−フルオロ−β−ニトロスチレンに、反応温度を30℃に、反応時間を24時間にした以外は、実施例18と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率60%、光学純度86%eeで目的物が得られた。
(実施例20)2−メトキシカルボニル−3−[(3,4−メチレンジオキシ)フェニル]−4−ニトロブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、5-[(1E)-2-ニトロエテニル]-1,3-ベンゾジオキソール 193 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル137 μl(1.2 mmol)、トルエン 4 mlを20mlシュレンクに入れ、0 ℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製したところ、単離収率99%で目的物を得た。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AS-H、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速1.0 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、95%eeであった。
(実施例21)3−(2,6−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、1,3-ジメトキシ-2-[(1E)-2-ニトロエテニル]-ベンゼン 209 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル137 μl(1.2 mmol)、トルエン 2 mlを20mlシュレンクに入れ、0 ℃にて72時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製したところ、単離収率81%で目的物を得た。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、90%eeであった。
(実施例22)2−メトキシカルボニル−4−ニトロ−3−(2−チエニル)−ブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、2-[(1E)-2-ニトロエテニル]-チオフェン 155 mg(1.0 mmol)、マロン酸ジメチル137 μl(1.2 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、−20 ℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製したところ、単離収率91%で目的物を得た。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、97%eeであった。
(実施例23)3−(2−フリル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
2-[(1E)-2-ニトロエテニル]-チオフェンを2-[(1E)-2-ニトロエテニル]-フラン に替えた以外は実施例22と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率91%、光学純度98%eeで目的物を得た。なお、光学純度は、HPLC(ダイセル社製CHIRALCEL OD-H、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した。
(実施例24)3−(4−クロロフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、4−クロロ−β−ニトロスチレン 1.0 mmol、マロン酸ジメチル114 μl(1.0 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、-20℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=80/20、SiO2)によって精製したところ、目的物を単離収率24%で得た。HPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により目的物の光学純度を測定した結果、95 %eeであった。
(実施例25)3−(4−フルオロフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
4−クロロ−β−ニトロスチレンを4−フルオロ−β−ニトロスチレンに、替えた以外は、実施例24と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率83%、光学純度93 %eeで目的物が得られた。
(実施例26)3−(3−シクロペントキシ−4−メトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ニトロブタン酸メチルの製造
4−クロロ−β−ニトロスチレンを3-シクロペンチルオキシ-4-メトキシ-β-ニトロスチレンに、トルエン 1 mlを2 mlに替えた以外は、実施例24と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率95%で目的物が得られ、その光学純度をHPLC(ダイセル社製CHIRALCEL OJ-H、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速1.0ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、95 %eeであった。
(実施例27)2−メトキシカルボニル−2−メチル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸メチルの製造
アルゴン雰囲気下、[(S、S)−N―(ペンタメチルベンゼンスルホニル)−1,2−ジフェニルエチレンジアミン](ヘキサメチルベンゼン)ルテニウム13.7 mg(0.02 mmol、S/C = 50)、トランス−β−ニトロスチレン149 mg(1.0 mmol)、ジメチルメチルマロネート160 μl(1.2 mmol)、トルエン 1 mlを20mlシュレンクに入れ、-20 ℃にて48時間攪拌した。反応溶液をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/アセトン=90/10、SiO2)によって精製したところ、単離収率94%で目的物を得た。目的物の光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALPAK AD、ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速0.5 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、97%eeであった。
(実施例28)2−アセチル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸メチルの製造
ジメチルメチルマロネートをアセト酢酸メチルに替えた以外は、実施例27と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率95%で目的物が得られた。生成物を塩酸水溶液で加熱して脱炭酸反応を行い、光学純度をHPLC(ダイセル社製 CHIRALCEL OJ-H、ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速1.0 ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、光学純度58%eeで目的物が得られた。
(実施例29)4−メチル−2−(2−ニトロ−1−フェニルエチル)−3−オキソペンタン酸メチルの製造
ジメチルメチルマロネートをイソブチリル酢酸メチルに替えた以外は、実施例27と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率 97 %で目的物が得られた。生成物を塩酸水溶液で加熱攪拌し、脱炭酸反応を行い、その生成物の光学純度をHPLC(ダイセル社製CHIRALCEL OJ-H、ヘキサン:2−プロパノール=95:5、流速1.0ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、94 %eeであった。
(実施例30)2−(2−ニトロ−1−フェニルエチル)−3−オキソペンタン酸メチルの製造
ジメチルメチルマロネートをメチルプロピオニルアセテートに替えた以外は、実施例27と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率 97 %で目的物が得られた。生成物を塩酸水溶液で加熱攪拌し、脱炭酸反応を行い、その生成物の光学純度をHPLC(ダイセル社製CHIRALCEL OJ-H、ヘキサン:2−プロパノール=90:10、流速1.0ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、89 %eeであった。
(実施例31)2−ベンゾイル−4−ニトロ−3−フェニルブタン酸エチルの製造
ジメチルメチルマロネートをエチルベンゾイルアセテートに替えた以外は、実施例28と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率 96 %で目的物が得られ、その光学純度をHPLC(ダイセル社製CHIRALPAK AD、ヘキサン:エタノール=95:5、流速1.0ml/min、210 nmで検出)により測定した結果、93 %eeであった。
(実施例32)3−メチルカルボニル−1−ニトロ−2−フェニル−4−ペンタノンの製造
ジメチルメチルマロネートをアセチルアセトンに替えた以外は、実施例27と同様の条件で反応を行った。その結果、単離収率90%で目的物が得られた。
以上、全ての実施例を表−2にまとめた。
本発明の方法により得られる光学活性ニトロ化合物およびシアノ化合物は、医薬品などの合成中間体として利用される。

Claims (4)

  1. 一般式(A)
    (式中、Rは、水素原子である。式中、Rは、2−メチルフェニル、2−エチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、2−tert−ブチルフェニル、3−メチルフェニル、3−エチルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル基、置換基(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選択されるハロゲン原子、アルコキシ基)を有してもよい、フェニル、チエニル、フリル基、または、芳香環上で結合する以下の環からなる
    ある。Rは水素原子である。Xはニトロ基またはシアノ基である。またRとRは同一の基でない)で表される化合物と、
    一般式(B)
    (式中、Rは水素原子、メチル基であり、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、2,2−ジメチルペンチル基、あるいは、ベンジル基である。YおよびZは、それぞれ独立に、単結合または酸素原子を表し、m、nは1である。)で示される化合物に、
    一般式
    (式中、R11は、ハロゲン原子を有してもよいアルキル基、またはアルキル基もしくはハロゲン原子を有してもよいアリール基を示し、R12およびR13は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基を示し、R15は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、または、tert−ブチル基を示し、oは0〜6の整数を示し、qおよびrはそれぞれ独立して1〜5の整数を示す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される不斉ルテニウムアミド錯体
    または、
    一般式(F)
    (式中、R12、R13 、R 15、o、qおよびrは前記と同一の意味を有し、R 14 は、水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示し、pは、1〜5の整数を示す。*は不斉炭素原子を表す。)で表される不斉ルテニウムヒドリド錯体
    を反応させることを特徴とする
    一般式(C)
    (式中、R、R、R、R、R、R、X、Y、Z、mおよびnは前記と同一の意義を有する。)で示される光学活性化合物の製造方法。
  2. Xがシアノ基である、請求項1記載の製造方法。
  3. YおよびZがともに酸素原子である、請求項1または2に記載の光学活性化合物の製造方法。
  4. Yが酸素原子で、およびZが単結合である、またはYが単結合で、およびZが酸素原子である、請求項1または2に記載の光学活性化合物の製造方法。
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