JP3870647B2 - 光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水素移動型不斉還元による光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学活性α−ヒドロキシケトン類は医薬や農薬の合成中間体として重要な化合物である。特に光学活性α−ヒドロキシプロピオフェノン類は医薬中間体として注目されている(EP687672号公報、Chem.Pharm.Bull.41(6)、1035(1993))。
従来から公知の光学活性α−ヒドロキシプロピオフェノンの合成法としては、光学活性アリールエポキシドの立体選択的開環反応(Tetrahedron Lett.,35(45),8299(1994))、ラセミ体のα−アセトキシプロピオフェノンの酵素加水分解(Tetrahedron Lett.,37(5),611(1996))、フェニルエチルケトンの不斉酸化(Tetrahedron Lett.,37(45),8117(1996))などが知られている。これらの方法は化学収率や不斉収率の点で改善の余地がある。またヒドロキシ基が保護された目的物を合成する方法として、光学活性乳酸誘導体をアリール金属試薬と反応させる方法が知られている(特開平10−81643)。これは光学純度の点では優れているものの、原料として工業的に高価なアリールグリニヤールまたはアリールリチウム誘導体を利用する必要がある。またトリフルオロメチル基などの電子吸引性基を有するアリール金属試薬は不安定であることが知られている。
一方、特開平9−157196号にはアセトフェノン等のモノケトンを、遷移金属錯体、塩基及び光学活性含窒素化合物から成る不斉触媒の存在下、水素供与性化合物による水素移動型不斉還元により、光学活性モノアルコールを製造する方法が提案されている。しかしてかかる不斉還元方法はジケトンを原料とするα−ヒドロキシケトンの製造に適用し得るか否かは不明であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる事情に鑑み成されたものであって、従来技術に比し、より簡便で選択性の高い光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、先にジアミン型不斉配位子を有するルテニウム触媒存在下に、水素移動型不斉還元により1,2−位に芳香族基を有するジケトンから高収率かつ高選択率で対応する光学活性1,2−ジオールが得られることを見出した(特願平10−184033、10−355564)。このような反応は従来多く検討された不斉水素化では達成されないものである。さらに詳細に検討を進めた結果、水素移動型不斉還元の条件においては、1,2−位に芳香族基と脂肪族基を置換した1,2−ジケトンを原料とした場合に、脂肪族側のカルボキシル基が選択的に還元されて光学活性α−ヒドロキシケトンが選択的に得られることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明の要旨は、下記一般式(1)
【0005】
【化6】
【0006】
(式中、R1は置換基を有していても良い芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を示す。R2は置換基を有していても良い脂肪族炭化水素基を示す。)で表されるジケトンと、周期律表第VB族元素を有する不斉配位子、周期律表第VIII族金属錯体、水素供与体および塩基を作用させることを特徴とする下記一般式(2)
【0007】
【化7】
【0008】
(式中、R1及びR2は、一般式(1)と同一の意義を有し、*は不斉炭素原子を表す。)で示される光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法に存する。ここで、周期律表とは岩波書店「岩波理化学辞典第4版(1987年)」見開き2頁に記載された長周期型周期律表を指し、以下も同様である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の原料であるジケトンは前記一般式(1)で表される。一般式(1)に於いて、R1は置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、芳香族複素環基を表し、R2は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基を示す。芳香族炭化水素基として具体的にはフェニル基、ナフチル基等が挙げられ、芳香族複素環基として具体的にはピリジル基、フリル基、チエニル基等が挙げられる。脂肪族炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基、アルキニル基を表す。アルキル基としてはメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖又は分岐鎖を有するアルキル基が例示される。アルケニル基としてはビニル基、2−メチルビニル基等の炭素数2〜20の直鎖または分岐鎖を有するアルケニル基が例示される。アルキニル基としてはアセチレニル基、メチルアセチレニル基、フェニルアセチレニル基等の炭素数2〜20の直鎖または分岐鎖アルキニル基が例示される。これらの芳香族炭化水素基、芳香族複素環基または脂肪族炭化水素基に結合してもよい置換基としては、上記の芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、脂肪族炭化水素基ならびに典型元素および遷移金属元素を含有する置換基が挙げられる。典型元素を含有する置換基として具体的にはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子及びハロゲン原子含有置換基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基等の酸素原子含有置換基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基等の窒素原子含有置換基、トリメチルシリル基、ヒドロシリル基等のケイ素原子含有置換基、メルカプト基、アルキルチオ基、2,6−ジチアシクロヘキシル基等の硫黄原子含有置換基、ホスホリル基、トリフェニルホスフィニル基等のリン原子含有置換基等が例示される。遷移金属元素を含有する置換基として具体的にはフェロセニル基等の鉄元素含有置換基が例示される。
【0010】
一般式(1)のジケトンの具体例としては1−フェニル−1,2−プロパンジオン、1−(2−フルオロフェニル)−1,2−プロパンジオン、1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,2−プロパンジオンが例示される。 このようなジケトンは種々の公知の方法で合成可能であるが、例えばフェニルエチルケトンの酸化(Tetrahedron Lett.,(1977)p695)、ベンジルメチルケトンの酸化(Synthetic Communication 1988,18(13),p1573)、ベンズアルデヒドと無水酢酸の縮合反応(J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,(1987)p692)などに準じた方法で合成することが出来る。
【0011】
本発明に使用される触媒を構成する不斉配位子は、周期律表第VB族元素を有する不斉配位子である。第VB族元素としては例えば窒素およびリンが挙げられ、不斉水素移動反応において触媒構成成分として機能する不斉配位子が用いられる。代表的な不斉水素移動触媒は、Chem.Rev.1992、92、1051頁;J.Am.Chem.Soc.,1995,117,7562頁;J.Am.Chem.Soc.,1996,118,2521頁;Chem.Commun.,1996,233頁;Tetrahedron Lett.,34,43,6897頁(1993);特開平9−249677;Chem.Lett.,957頁(1997);J.Org.Chem.,1997,62,6104頁;Chem.Lett.,491頁(1998);J.Org.Chem.,1998,63,2749頁;J.Am.Chem.Soc.,1998,120,3817頁;Tetrahedron Asym.,9(1998)1143頁;Chem.Lett.,1199頁(1998);WO98/42643に開示されている。
これらの不斉配位子において、好ましくは下記一般式(3)で表されるジアミン誘導体が用いられる。
【0012】
【化8】
【0013】
(式中、R3およびR4はそれぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、アリール基又は芳香族複素環基を示す。また、R3とR4は互いに結合し又は縮合して環を形成しても良い。R5及びR6はそれぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、アシル基、カルバモイル基、チオアシル基、チオカルバモイル基又はアルキルもしくはアリールスルホニル基を示す。)
一般式(3)においてR3、R4としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等の炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基、或いはR3とR4と一緒になったテトラエチレン基(シクロヘキサン環をなす)などが挙げられる。R3、R4がアリール基を示す場合としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R3、R4で示される芳香族複素環基としてはフリル基、ピリジル基等が挙げられる。これらの基は置換されていても良く、置換基としては、メチル基、エチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基等の低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等のハロゲン原子等から選ばれる1個もしくは2個以上の基である。R3、R4としてはフェニル基、置換フェニル基が好ましい。
【0014】
R5、R6が低級アルキル基を示す場合、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐鎖アルキル基を示す。なお、本明細書に於いて、低級とは炭素数1〜4を意味する。R5、R6がアシル基を示す場合、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が例示され、カルバモイル基を示す場合はN−メチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基等が例示される。
R5、R6がチオアシル基を示す場合は、例えばチオアセチル基、チオプロピオニル基、チオベンゾイル基等が例示され、チオカルバモイル基を示す場合はN−メチルチオカルバモイル基、N−フェニルチオカルバモイル基等が例示される。
【0015】
R5、R6がアルキル又はアリールスルホニル基を示す場合は、炭素数1〜20のアルキル又はアリールスルホニル基が例示され、例えばメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエンスルホニル基、2,4,6−メシチルスルホニル基、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホニル基、4−メトキシベンゼンスルホニル基、4−クロロベンゼンスルホニル基等が挙げられる。R5、R6としてはアリールスルホニル基が好ましく、特にトルエンスルホニル基が好ましい。
一般式(3)で示される不斉配位子の中、好ましくは、下記一般式(4)
【0016】
【化9】
【0017】
(式中、R7は置換基を有していても良いアルキル基又はアリール基を示し、R8は水素原子又は低級アルキル基を示す。R9及びR10は、それぞれ独立して、置換基を有していても良いアルキル基、フェニル基又は芳香族複素環基を示す。)で表されるジアミン誘導体である。
更に好ましい不斉配位子は下記一般式(5)
【0018】
【化10】
【0019】
(式中、R12は水素原子又は低級アルキル基を示し、R11、R13及びR14は、それぞれ独立して、水素原子、低級アルキル基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基を示す。l、m、nはそれぞれ独立して1〜5の整数を示す。)で示されるジアミン誘導体である。なお、一般式(3)〜(5)において*は不斉炭素を表す。一般式(4)、(5)のアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基としては前記と同様のものが挙げられる。具体的な配位子としては1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−メチル−N’−トシル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−メトキシフェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−クロロフェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−p−メシチルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N−(2,4,6−トリ−i−プロピル)フェニルスルホニル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン等が挙げられる。
【0020】
これらの不斉配位子と組み合わせて用いられる周期律表第VIII族金属化合物の金属種としては、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、コバルトが例示される。化合物としてはRuCl3-3H2O、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuCl2(benzene)]2、 [RuCl2(mesytilene)]2、[RuCl2(hexamethylbenzene)]2、RuCl2(PPh3)3、[RuCl2(cod)]n、[RuCl2(CO)3]2、[Rh(cod)Cl]2,[RhCl2(pentamethylcyclopentadienyl)]2、[Ir(cod)Cl]2、CoCl2などが例示され、好ましくは[RuCl2(p-cymene)]2である。
なお、上記化合物のPhはフェニル基、codはシクロオクタジエンを表す。不斉配位子と金属化合物からの触媒生成はJ.Am.Chem.Soc. 1995, 117, p7562などにおいて開示されている公知の方法が使用できる。例えばイソプロパノールなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの塩基の存在下、不斉配位子と第VIII族金属化合物を還流加熱することにより金属原子に不斉配位子が配位した錯体が得られる。これをそのまま用いてもよく、あるいはAngew.Chem.Int.Ed.Engl. 1997, 36, p285に記載のように錯体を結晶として単離して用いてもよい。
【0021】
本発明の不斉還元反応は、触媒存在下に原料ジケトンを水素供与体と接触させることにより行われる。水素供与体としてはアルコールおよびギ酸が例示される。アルコールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の水素原子をα−位に有する低級アルコールが用いられ、好適なアルコールはイソプロパノールである。
【0022】
不斉還元反応は塩基存在下で実施される。塩基が存在すると触媒が安定化し、また不純物による活性低下等が防止できる。塩基としては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、リチウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミンなどの有機アミン類が例示される。塩基を使用する場合は、触媒に対して過剰量、例えばモル比で1〜1000モル倍を用いるのが好ましい。一般にアルコールを水素供与体に用いる場合は水酸化カリウムを1〜10モル倍、ギ酸を水素供与体に用いる場合はトリエチルアミンを触媒に対して大過剰、例えば1〜1000モル倍用いて行われる。
【0023】
好適な水素供与体との組み合わせとしてはイソプロパノール/水酸化カリウムおよびギ酸/トリエチルアミンが挙げられ、最も好適なものはギ酸/トリエチルアミンである。
ギ酸とアミンを組み合わせて用いる場合には、あらかじめギ酸とアミンの共沸混合物を調製して用いると、これらの原料中の不純物による影響が抑えられるので好ましい。ギ酸とトリエチルアミンの場合、共沸混合物のモル比はギ酸:トリエチルアミン=5:2なので、ギ酸ないしトリエチルアミンをさらに添加して最適なギ酸/アミン比にすることが好ましい。
通常は水素供与体自体を反応溶媒として利用するが、原料を溶解させるために、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシドなどの非水素供与性溶媒を助溶媒として使用することも可能である。
【0024】
触媒(C)の使用量は通常、触媒中のVIII族金属原子に対する基質(原料ジケトン;C)のモル比(S/C)が10から1,00,000、好ましくは100から10,000の範囲であり、特に好ましくは100から1000である。
原料に対する水素供与体量は通常1モル倍から大過剰(通常1000モル倍)の範囲までで、一般にアルコールを水素供与体に用いる場合は溶媒を兼ねて大過剰に用い、ギ酸を水素供与体に用いる場合は1モル倍から20モル倍の範囲で行われる。
【0025】
反応温度は−70℃から100℃、好ましくは0℃から70℃の範囲から選ばれる。
反応圧力は特に限定されず、通常0.5気圧〜2気圧、好ましくは1気圧のもとで行われる。
反応の進行により、水素供与体から生じた化合物、すなわちイソプロパノールなどの2級アルコールを水素供与体に用いた場合にはアセトンなどのケトンが、またギ酸を水素供与体に用いた場合には、二酸化炭素が生成する。反応の効率的な進行のためにはこれらの生成物の効率的な除去が有効である。特にイソプロパノールを水素供与体に用いた場合のアセトンの除去は反応の進行に特に有効である。
【0026】
反応時間は1時間から200時間、通常は5時間から72時間である。
反応後は、一般に知られる蒸留、抽出、クロマトグラフィー、再結晶などの操作により反応液から生成した光学活性なα−ヒドロキシケトンを分離、精製することができる。
本発明により製造される光学活性α−ヒドロキシケトンのうち、特に光学活性フッ素含有α-ヒドロキシプロピオフェノンは、例えば真菌症治療剤(抗真菌剤)として有用なトリアゾール誘導体の合成中間体として有用である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明の実施態様を更に具体的に示すが、本発明はその要旨を越えない限り実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例1
[RuCl2(p−cymene)]2 を7.66gと(S,S)−N−p−トルエンスルホニルジフェニルエチレンジアミン9.16gに2−プロパノール150mlとトリエチルアミン7mlを加え、窒素下80℃で1時間攪拌した。氷冷して析出した結晶を濾過し、2−プロパノールとヘキサンの1:1混合液で洗浄した。さらに水で洗浄し減圧乾燥してオレンジ色の結晶(「SS−TsDPEN−Ru」と称する)12.6g(収率79%)を得た。
アルゴン雰囲気下、20mlシュレンクフラスコに、SS−TsDPEN−Ru3.1mg(4.9x10-3mmol)、1-フェニルー1、2ープロパンジオン0.34ml(2.5mmol)、ギ酸0.104ml(2.8mmol)、トリエチルアミン0.22ml(1.6mmol)を仕込み、10℃で、24時間撹拌した。反応物を水にあけ、エーテル抽出した。硫酸水素ナトリウムで乾燥後、濃縮し、生成物をH−NMR,GCおよびHPLCで分析したところ、光学活性1−フェニル−2−プロパノール−1−オンが反応収率55.3%、エナンチオマー過剰率98.5%で得られた。
【0028】
【発明の効果】
実施例から明らかな様に、本発明方法によれば、簡便な方法で高いエナンチオマー過剰率の光学活性αーヒドロキシケトンを得ることが出来る。
Claims (7)
- 周期律表第VIII族金属化合物がルテニウム化合物であることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法。
- 水素供与体がギ酸であり、塩基が3級アミンであることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法。
- 一般式(1)において、R1が2−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基であり、R2がメチル基であるジケトンを用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の光学活性α−ヒドロキシケトン類の製造方法。
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