JP2000256284A - イミンおよびエナミンの製造方法 - Google Patents

イミンおよびエナミンの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】1−アルキンのヒドロアミノ化反応の活性を高
め、イミンおよびエナミンを高収率で製造する方法を提
供すること。 【解決手段】ルテニウム錯体の存在下で1−アルキンと
一級アミンまたは二級アミンを反応させてイミンまたは
エナミンを製造する方法であって、反応系にHF、HB
4、HPF6、BF3・O(C252または反応系内に
おいてHF、HBF4若しくはHPF6を発生しうる塩を
添加することを特徴とする方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルテニウム錯体の
存在下で1−アルキンと一級アミンまたは二級アミンを
反応させてイミンまたはエナミンを製造する方法に関す
る。より詳細には、本発明は該反応系に添加剤を添加す
ることによって反応活性を向上させ、イミンおよびエナ
ミンの収率を上げることに関する。
【0002】
【従来の技術】一般にイミンは、ケトンまたはアルデヒ
ドとアミンとを酸触媒存在下で反応させることによって
合成されている。イミン1分子の合成に際して水1分子
が反応系内に出てくるが、この反応は平衡反応であるこ
とからイミンの収率を上げるためには反応系から水を除
く必要がある。具体的には、ディーンスタークなどを用
いて反応系内から水を除去する操作を付加的に行わなけ
ればならない。一方、この反応とは別に、1−アルキン
と1級アミンまたは2級アミンを反応させることによっ
て、1−アルキンをヒドロアミノ化してイミンまたはエ
ナミンを合成する反応が知られている。この反応は、原
子効率がよく水などの余計な副生成物が生成しないた
め、操作が簡便で理想的な合成反応である。
【0003】この反応の触媒として、これまでに水銀、
タリウム、ジルコニウム、ランタノイド、アクチノイド
などが検討されてきたが、1−アルキンのヒドロアミノ
化のような分子間反応へこれらの触媒を効果的に応用す
ることは困難であった(T.E.Muller, M.Beller, Chem.R
ev.1998,98,675-703)。このような中で、最近になって
Ru3(CO)12が1−アルキンのヒドロアミノ化に一
定の有効性を示すことが報告された。しかしながら、R
3(CO)12を触媒として用いても反応の活性は実用
性を認め得るほど高くない。このため、アミンを用いた
1−アルキンのヒドロアミノ化反応の実用性を高める技
術を開発することが求められていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、この
ような従来からの要求を考慮して、1−アルキンのヒド
ロアミノ化の活性を高め、イミンおよびエナミンを高収
率で製造する方法を提供することを解決すべき課題とし
た。より具体的には、1−アルキンのヒドロアミノ化反
応の活性を高めることができる新しい添加剤を開発し、
イミンおよびエナミンを高収率で得ることを解決すべき
課題とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、反応系にH
F、HBF4、HPF6、BF3などの特定の添加剤を添
加することによって活性を飛躍的に高め、イミンおよび
エナミンの収率を大幅に上げることができることを見出
して、本発明を提供するに至った。
【0006】すなわち本発明は、ルテニウム錯体の存在
下で1−アルキンと一級アミンまたは二級アミンを反応
させてイミンまたはエナミンを製造する方法であって、
反応系にHF、HBF4、HPF6、BF3・O(C
252または反応系内においてHF、HBF4若しくは
HPF6を発生しうる塩を添加することを特徴とする方
法を提供する。本発明の方法では、ルテニウム錯体とし
てRu3(CO)12を用いるのが好ましい。また、反応
系内においてHF、HBF4若しくはHPF6を発生しう
る塩としては、NHR3・F、NHR3・BF4またはN
HR3・PF6(ここにおいてRは水素またはアルキル基
である)を好ましい例として挙げることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の方法につ
いて詳細に説明する。本発明は、ルテニウム錯体の存在
下で1−アルキンと一級アミンまたは二級アミンを反応
させてイミンまたはエナミンを製造する際に、反応系に
特定の添加剤を添加することを特徴とする。添加剤は、
HF、HBF4、HPF6、BF3・O(C252または
反応系内においてHF、HBF4若しくはHPF6を発生
しうる塩の中から選択される。添加剤はこれらの中から
1種のみを選択して用いてもよいし、2種以上を組み合
わせて用いてもよい。
【0008】HF、HBF4若しくはHPF6を発生しう
る塩としては、NHR3・F、NHR3・BF4またはN
HR3・PF6で表される塩を例示することができる。こ
こにおいて、Rは水素、置換されていてもよいアルキル
基、または置換されていてもよいアリール基を表す。ア
ルキル基としては、炭素数1〜6のものが好ましい。ア
ルキル基は置換されていてもよく、その場合の置換基と
してはアリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基などを
例示することができる。具体的には、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基などを例示することができる。
【0009】アリール基としては、炭素数6〜15のも
のが好ましい。アリール基は置換されていてもよく、そ
の場合の置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハ
ロゲン原子などを例示することができる。具体的には、
フェニル基、トリル基、エチルフェニル基、キシリル
基、メトキシフェニル基、クロロフェニル基を例示する
ことができる。窒素原子に結合する3つのRは、すべて
同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0010】なお、4級アンモニウム塩であるNR4
F、NR4・BF4またはNR4・PF 6(Rはアルキル基
である)はそのまま添加しても反応の活性を効果的に改
善することはできないが、塩酸などの酸とともに添加す
れば活性を高めることができる。したがって、このよう
な態様で4級アンモニウム塩を添加する場合も本発明の
範囲内に包含される。
【0011】これらの添加剤は、触媒であるルテニウム
錯体のRu原子に対して通常は0.1〜20当量、好ま
しくは0.5〜12当量の範囲内で用いる。添加剤の添
加量は、選択した添加剤の活性、基質の種類、反応条
件、目的とする収率などに応じて適宜決定することがで
きる。好ましい添加剤は、HBF4、HPF6、NHR3
・BF4およびNHR3・PF6である。これらの添加剤
は活性が高いため、触媒であるルテニウム錯体のRu原
子に対して1当量用いればイミンおよびエナミンの収率
をかなり向上させることができる。BF3・O(C
252は、反応系にアルコールや少量の水が存在する
ときに分解してHFを発生し、上記のHBF4、HP
6、NHR3・BF4およびNHR3・PF6と同等の活
性を示す。また、反応系にアルコールや水が存在しない
ときであっても、触媒であるルテニウム錯体のRu原子
に対して10当量以上使用すれば同等の効果を得ること
ができる。
【0012】反応系の溶媒については、添加剤を溶解す
ることができて、本発明の所期の効果を過度に阻害しな
いものの内から選択して使用することができる。HF、
HBF4、HPF6、および一級、二級、三級のアンモニ
ウム塩は、有機溶媒への溶解性が高いため、トルエンや
テトラヒドロフランなどの一般に使用される有機溶媒を
広く使用することができる。無置換アンモニウム塩であ
るNH4F、NH4BF4およびNH4PF6は、一般に使
用されている有機溶媒に対する溶解性はやや劣るもの
の、アルコール系溶媒への溶解性は高い。このため、こ
れらの無置換アンモニウム塩はアルコール系溶媒を用い
た反応に使用するのが好ましい。ただし、例えばフェニ
ルアセチレンとアニリンの反応のように、基質の反応性
が十分に高くて少量の添加剤を添加すれば十分である場
合には、無置換アンモニウム塩は一般の有機溶媒を用い
た反応系に添加しても十分にその効果を発揮しうる。な
お、基質の反応性が十分に高い場合は、溶媒を使用せず
に反応を行うことも可能である。この場合は、いずれの
添加剤を選択しても十分に効果を発揮することができ
る。
【0013】本発明の方法で反応させる1−アルキンの
種類は特に制限されない。アルキン以外の部分について
は、本発明の反応を過度に阻害しない構造を幅広く採用
することができる。特に、従来から知られているヒドロ
アミノ化反応に適用可能であった1−アルキンは、本発
明においてもすべて適用可能である。また、本明細書で
いう1−アルキンの中には、末端アルキン(HC≡C
−)を1分子中に複数個有する化合物も含まれる。本発
明の方法に使用する1−アルキンは、例えばアルキル
基、アリール基、ヒドロキシ基、カルボニル基、カルボ
ニルオキシ基、エーテル基などを有していてもよい。中
でも好ましいのは、アリール基を有する1−アルキンで
ある。アリール基を有する1−アルキンを本発明にした
がって反応させると、他の基質を反応させた場合に比べ
て目的生成物の収率が有意に高まる。
【0014】本発明の方法において、1−アルキンと反
応させるアミンは、一級アミンまたは二級アミンであ
る。これらのアミンの種類も特に制限されるものではな
く、従来から知られている1−アルキンのヒドロアミノ
化反応に適用可能であったアミンは、本発明においても
すべて適用可能である。本発明の方法に使用するアミン
は、例えばアルキル基、アリール基などを有していても
よい。また、ヒドラジンも本明細書でいうアミンに含ま
れ、ヒドラジンを本発明の方法にしたがって反応させる
ことによって生成するヒドラゾンも本明細書でいうイミ
ンに含まれる。本発明で使用する一級アミンとして特に
好ましいのは、アリール基を有するアミンである。例え
ばアニリンおよびその誘導体を好ましく使用することが
できる。また、他の好ましい一級アミンとしてアルキル
アミン、ベンジルアミンを挙げることができる。二級ア
ミンとしては、アルキルアリールアミン、ジアルキルア
ミン、ジアリールアミンなどを例示することができる。
具体的には、N−メチルアニリンを挙げることができ
る。一般に、一級アミンは二級アミンよりも活性が高い
傾向がある。
【0015】反応基質である1−アルキンとアミンは任
意に組み合わせることができる。1−アルキンと一級ア
ミンを組み合わせて反応させればイミンが生成し、1−
アルキンと二級アミンを組み合わせて反応させればエナ
ミンが生成する。本発明の反応は、2種以上の1−アル
キンを混合して反応させてもよいし、2種以上のアミン
を混合して反応させてもよい。1−アルキンとアミンは
任意の割合で混合することができる。いずれかが少ない
場合は、少ない基質がすべて消費されて反応が終了す
る。混合割合は、基質の重要度、基質の純度、目的生成
物の構造などの条件を考慮して適宜決定することができ
る。
【0016】本発明の反応に触媒として添加するルテニ
ウム錯体は、1−アルキンとアミンの反応に際して触媒
として作用するものであれば特に制限なく使用すること
ができる。特に従来から1−アルキンとアミンの反応に
使用されているルテニウム錯体はすべて本発明において
も使用することができる。ルテニウム錯体の具体例とし
ては、Ru3(CO)12、Ru(CO)3(C81 2)、
Ru(CO)3(C88)、[RuCl2(CO3)]2
[Ru(C55)(CO)22、(C254N・[H
Ru3(CO)12]、HRu4(CO)12、[(C254
N]2・[Ru6C(CO)16]、[(Ph3P)2N]2
[Ru6(CO)18]、[(Ph3P)2N]2・[Ru10
(CO)24]、[RuCl2(C66)]2、RuCl3
・3H2O、[RuCl2(PPh33]、[RuCl2
(C66)(PPh3)]、[RuCl2(C66)(P
Bu3)]、[RuCl2(C66)(P(C
653)]を挙げることができる。なお、Phはフェ
ニル基、Buはブチル基を表す。特に好ましいルテニウ
ム錯体は、Ru3(CO)12である。反応系への添加量
は、通常は0.1〜10モル%である。
【0017】本発明の反応は空気中で行うことができ
る。窒素やアルゴンなどで反応容器内を置換する必要が
ないので簡便である。本発明の反応を進行させる際に、
加熱することが必要とされる。加熱温度は通常60〜1
80℃であり、好ましくは80〜130℃である。溶媒
の沸点と加熱温度によっては、還流させながら反応を行
ってもよい。また、基質の蒸発による収率低下を問題に
しない場合は、還流冷却器を使用せずに反応を行っても
よい。
【0018】反応生成物は、当業者に周知の方法のいず
れかにしたがって単離、精製することができる。例え
ば、再結晶、蒸留、濾過、カラムクロマトグラフィーな
どを用いて行うことができる。ただし、触媒の存在下で
蒸留を行うと収率が低下する場合がある。このような場
合は、触媒を除去してから蒸留を行うのが好ましい。例
えば、ヘキサンとメタノール−水酸化ナトリウム水溶液
の系を用いて、前者にイミンを抽出し、後者に触媒を抽
出してから蒸留を行えば収率を低下させずに単離するこ
とができる。しかも本発明によれば、アミンが1−アル
キンの1位に選択的に付加する。このため、異性体の分
離という煩雑な処理を行うことなく、特定の構造を有す
るイミンおよびエナミンを容易に取得することができ
る。本発明の方法の具体的条件については、後述する実
施例を参考にして適宜決定することができる。
【0019】本発明によれば、添加剤を添加するという
簡単な操作だけで、1−アルキンとアミンによるヒドロ
アミノ化反応の収率を飛躍的に向上させることができ
る。この反応は、単純な付加反応であるため、水が副生
することがなく、したがって水を除去する手段などを講
ずる必要がない。また、生成したイミンやエナミンの水
による分解反応の心配もない。このため、本発明によれ
ば極めて簡便な方法で効率良くヒドロアミノ化を行うこ
とが可能であり、産業上の利用性も高いものと期待され
る。
【0020】例えば、本発明の方法はさまざまな有用化
合物の合成に利用することができる。具体的には、一般
に広く用いられている除草剤メトラクロールは本発明の
方法を利用すれば簡単に合成することができるようにな
る。メトラクロールは、6−エチル−2−メチルアニリ
ンとメトキシアセトンを酸触媒存在下で縮合させてイミ
ンとした後に、不斉水素化して中間体とし、さらにアシ
ル化することによって合成されている(上段のスキー
ム)。本発明の方法を用いれば、6−エチル−2−メチ
ルアニリンに3−メトキシプロピンを反応させるだけで
中間体を簡単に合成することができる(下段のスキー
ム:R=Me)。また、6−エチル−2−メチルアニリ
ンにメチルプロパルギルエーテルを反応させれば、従来
とは異なる不斉水素化基質を容易に提供することができ
る(下段のスキーム:R=H)。従来型の水素化基質
(R=Me)の不斉水素化ではエナンチオ選択性が90
%eeを越えなかったが、新しい基質(R=H)では異
なる選択性を示すことが期待できる。
【0021】
【化1】
【0022】また、本発明の方法を利用すれば、中間体
として生成するイミンまたはエナミンが反応系中で連続
的に環化反応することにより、複素環式化合物の合成が
極めて容易になる場合がある。例えば、キノリン環を有
する化合物を合成するときには、従来はケトンやアルデ
ヒドをo−アシルアニリンと反応させていた。しかしな
がら、この反応の収率は十分に高いとは言えず、より反
応効率の良い合成法を提供することが求められていた。
例えば、従来法にしたがってアセトフェノンとo−アミ
ノベンゾフェノンとを反応させることによってキノリン
環を有する化合物を合成したときの収率は、酸触媒を使
用した場合は67%、塩基触媒を使用した場合は50%
にとどまっている。これに対して、キノリン環を有する
同一の化合物を、本発明の方法にしたがってフェニルア
セチレンとo−アシルアニリンを反応させることによっ
て合成すれば、ほぼ定量的に目的化合物を得ることが可
能である(実施例3)。しかも本発明の反応は、従来法
のように酸や塩基を必要とせずにほぼ中性条件で行うこ
とができるという利点もある。
【0023】キノリン環を有するもののみならず、本発
明の方法はインドール環を有する化合物などの他の複素
環式化合物の合成にも有効に利用することができる。例
えば、後述する実施例2の第1番目の反応を行えば、イ
ンドール環の前駆体であるヒドラゾンを容易に得ること
ができる。ヒドラゾンからは酸触媒によってインドール
環を容易に形成することができる(R.J.Sundberg, Comp
rehensive Heterocyclic Chemistry II, volume 2, p11
9(1996))。このように、本発明の方法によれば、複素
環式化合物を簡便な方法によって高収率で得ることがで
きるようになる。複素環式化合物の中には、生理活性を
示すものが数多く存在することから、本発明はこれらの
生理活性化合物の合成に有効に利用されるものと期待さ
れる。
【0024】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の例に示す材料、試薬、
割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜
変更することができる。したがって、本発明の範囲は以
下に示す具体例に制限されるものではない。
【0025】(実施例1)50mlスクリューキャップ
付き試験管に、フェニルアセチレン(5.186g、5
0.77mmol)、アニリン(5.200g、55.
85mmol)、Ru3(CO)12(32.5mg、
0.0508mmol)、NH4PF6(24.8mg、
0.152mmol)、メタノール(5ml)を入れ、
スクリューキャップを閉めた状態にして100℃で12
時間攪拌した。冷却後、蓋を開け、減圧下で溶媒を留去
して粗生成物を得た。
【0026】この粗生成物にヘキサン(50ml)、メ
タノール(50ml)、2N水酸化ナトリウム水溶液
(5ml)を加え、激しく攪拌した後に静置すると、ヘ
キサン層と水−メタノール層に分離した。このヘキサン
層を分離した後、水−メタノール層をヘキサン20ml
で5回で抽出し、ヘキサン層を合わせて減圧下で溶媒を
留去した。その後、蒸留(沸点90〜95、約1mmH
g)することによって、ほぼ純粋なN−フェニル−1−
フェニルエタンイミン(7.882g、40.37mm
ol、収率80%)を得た。
【0027】上と同様の操作を表1に記載される条件に
変えて行った。なお、基質はフェニルアセチレンとアニ
リンであり、アニリンの添加量はフェニルアセチレンの
1.1当量とした点、Ru3(CO)12を0.1mol
%添加した点、反応温度を100℃にした点などは上と
同一である。反応の転化率と収率を表1に示した。
【0028】
【表1】
【0029】(実施例2)実施例1と同様の方法によっ
て、以下の式に示す反応を行った。収率は生成物の構造
の下に示した。
【化2】
【0030】(実施例3)ディーンスターク、還流冷却
器を付けた20mlナス型フラスコに、フェニルアセチ
レン(1.02g、10.0mmol)、o−アミノベ
ンゾフェノン(986mg、5.0mmol)、Ru3
(CO)12(22.4mg、0.0350mmol)、
HBF4水溶液(7.56N(48%)水溶液14μ
l、0.105mmol)、トルエン(3ml)を入
れ、12時間加熱還流した。冷却後、溶媒を留去して粗
生成物を得た。溶媒としてヘキサン:ジクロロメタン=
3:1次いで1:1を用いてシリカゲルカラムクロマト
グラフィーによって精製し、2,4−ジフェニルキノリ
ン(1.407g、5.0mmol、収率100%)を
得た。
【0031】
【化3】
【0032】
【発明の効果】本発明の方法によれば、一級アミンまた
は二級アミンが1−アルキンの2位に選択的に付加する
ため、イミンまたはエナミンを高収率で製造することが
できる。本発明によれば、反応系にHF、HBF4、H
PF6、BF3・O(C252または反応系内において
HF、HBF4若しくはHPF6を発生しうる塩を添加す
るだけで反応活性を有意に高めることができるため、操
作が簡便で極めて有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 251/24 C07C 251/24 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC52 AC59 BA23 BA40 BE01 BE90 4H039 CA71 CF20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ルテニウム錯体の存在下で1−アルキンと
    一級アミンまたは二級アミンを反応させてイミンまたは
    エナミンを製造する方法であって、反応系にHF、HB
    4、HPF6、BF3・O(C252または反応系内に
    おいてHF、HBF4若しくはHPF6を発生しうる塩を
    添加することを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】前記ルテニウム錯体がRu3(CO)12
    ある請求項1の方法。
  3. 【請求項3】前記塩が、NHR3・F、NHR3・BF4
    またはNHR3・PF6(ここにおいてRは水素、置換さ
    れていてもよいアルキル基、または置換されていてもよ
    いアリール基である)である請求項1または2の方法。
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