JP2912572B2 - 光学活性アミン類の製造方法 - Google Patents

光学活性アミン類の製造方法

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JP2912572B2
JP2912572B2 JP7318304A JP31830495A JP2912572B2 JP 2912572 B2 JP2912572 B2 JP 2912572B2 JP 7318304 A JP7318304 A JP 7318304A JP 31830495 A JP31830495 A JP 31830495A JP 2912572 B2 JP2912572 B2 JP 2912572B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学活性アミン
類の製造方法に関するものである。さらに詳しくはこの
発明は、医薬品の合成中間体や、光学分割剤など各種用
途において有用な光学活性アミン類の実用性にすぐれた
新しい製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、光学活性アミンを
合成する方法としてはラセミ体化合物を一旦生成してお
いてこれを光学活性酸などを用いて光学分割する方法や
不斉合成方法が知られている。光学分割法は光学活性酸
などがアミン化合物に対して当量以上必要でありしかも
光学活性アミン化合物を得るためには晶析、分離、精製
など煩雑な操作が必要である。不斉合成方法として1)
酵素を用いる方法と、2)金属水素化物を用いる方法、
3)金属錯体触媒を用いて不斉水素化する方法などが知
られている。とくに2)の方法においては、炭素−窒素
多重結合を不斉金属水素化物を用いて不斉還元する方法
が多く報告されている。たとえば(1)Comprehensive
Organic Synthesis Eds B.M. Trost and I. Fleming Vo
l.8,25頁(1991)、(2)Organic Preparatio
n and Procedures Inc. O. Zhu, R.O. Hutchins, and
M.K. Huchins Vol.26(2),193−235頁、(199
4)、(3)特開平2−311446に記載されている
イミン化合物やオキシム化合物を光学活性配位子をもつ
金属水素化物を用いて化学量論的に還元する方法が一般
的な方法として知られている。しかしながらこの方法は
反応選択性には優れているものも多くあるが、反応基質
に対して当量以上の反応剤を用いる必要があることと、
反応後中和処理が必要でありしかも光学活性体の精製が
煩雑など光学活性アミン類の大量合成方法として実用的
でないという欠点をもっている。また、前記3)の方法
において金属錯体触媒を用いて炭素−窒素多重結合を不
斉水素化する方法は Asymmetric Catalysis In Organic
Synthesis,82−85頁(1994)Ed. R.Noyori
に詳細に記載されている光学活性金属錯体触媒による官
能基を有するイミン化合物の不斉水素化方法が知られて
いるが、反応速度および選択性の観点から実用的ではな
い。
【0003】一方、酵素を用いる方法は比較的高い光学
純度のアミンを得ることができるものの反応基質に限定
があり、しかも得られるアミンの絶対配置も特定のもの
に限られている。また、遷移金属の不斉水素化金属錯体
触媒による方法は、いまだ高い選択性で光学活性アミン
類を製造できる方法がないこと、水素ガスを水素源とす
るため耐圧反応装置が必要であり、反応操作性や安全性
の面で難点がある。
【0004】このため、従来より、光学活性アミンを製
造するための一般性の高いしかも高活性でかつ高選択的
な触媒を用いての新しい合成方法の実現が望まれてい
た。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するも
のとして、この発明は、イミン化合物を、遷移金属錯体
と光学活性含窒素化合物、並びに水素供与性の有機また
は無機化合物の共存下に水素移動型不斉還元して光学活
性アミン類を製造することを特徴とする光学活性アミン
類の製造方法を提供する。
【0006】また、この発明は、上記方法において、次
の一般式(a)
【0007】
【化3】
【0008】(R1 は置換を有してもよいし、芳香族単
環または芳香族多環式炭化水素基、無置換あるいは置換
基を有していてもよい、飽和あるいは不飽和の脂肪族炭
化水素基または環式炭化水素基、もしくは、窒素、酸
素、硫黄原子等異種原子を含む複素単環または複素多環
式基であり、R2 およびR3 は水素、もしくは置換基を
有していてもよい、飽和あるいは不飽和の鎖状または環
状炭化水素基、芳香族炭化水素基、もしくは複素環基を
示す。R3 は水酸基または酸素原子を介して結合する前
記有機基でもよく、また、R1 とR2 、R1 とR3 また
はR2 とR3 は結合して環を形成してもよい。)で表さ
れるイミン化合物を不斉還元し、一般式(b)
【0009】
【化4】
【0010】(R1 、R2 およびR3 は上記と同じ有機
基を示す。)で表される光学活性アミン類を製造するこ
とを特徴とする光学活性アミン類の製造方法を提供す
る。さらにまた、この発明は、上記の遷移金属金属錯体
が第VIII 族の遷移金属、たとえば光学活性配位子をも
つ金属錯体であることや、含窒素不斉化合物としての光
学活性化合物が光学活性アミン誘導体であることなどを
その態様の一つとしている。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明は、前記のとおりの構成
からなるものであるが、以下に、その実施の形態につい
てさらに説明する。まず、この発明の原料化合物である
イミン化合物については、その種類は、特に限定される
ことはない。
【0012】たとえば、このイミン化合物は、前記の一
般式(a)で示すことができるが、必ずしもこれに限定
されるものではない。一般式(a)についてみると、R
1 は、無置換あるいは置換の芳香族単環または芳香族多
環式炭化水素基、無置換あるいは置換基を有していても
よい、飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基または環
式炭化水素基、もしくは、窒素、酸素、硫黄原子等のヘ
テロ原子を含む複素単環または多環式基であり、具体的
にはフェニル基、2−メチルフェニル、2−エチルフェ
ニル、2−イソプロピルフェニル、2−tert−ブチ
ルフェニル、2−メトキシフェニル、2−クロロフェニ
ル、2−ビニルフェニル、3−メチルフェニル、3−エ
チルフェニル、3−イソプロピルフェニル、3−メトキ
シフェニル、3−クロロフェニル、3−ビニルフェニ
ル、4−メチルフェニル、4−エチルフェニル、4−イ
ソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、
4−ビニルフェニル、クメニル、メシチル、キシリル、
1−ナフチル、2−ナフチル、アントリル、フェナント
リル、インデニル基等の芳香族単環および多環式基、チ
ェニル、フリル、ピラニル、キサンテニル、ピリジル、
ピロリル、イミダゾリニル、インドリル、カルバゾイ
ル、フェナントロニリル等のヘテロ単環、多環式基、フ
ェロセニル基等を例示できる。これらの例のように、置
換基としては各種任意のものを有していてもよく、アル
キル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル
等の炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、カルボ
キシル基、エステル基等の含酸素基、ニトロ基、シアノ
基等々であってよい。
【0013】さらにR2 およびR3 は、水素原子、飽和
あるいは不飽和炭化水素基、アリル基、ヘテロ原子を含
む官能基を示すもので例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等のアルキ
ル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、ビニル、ア
リルなどの不飽和炭化水素、そして前記R1 と同様のも
のとして例示することができる。R3 は水素、飽和ある
いは不飽和炭化水素基、アリル基、ヘテロ原子を含む官
能基を示すもので、たとえばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル等のアルキ
ル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、ベンジル、
ビニル、アリルなどの不飽和炭化水素等の基を例示する
ことができる。さらにR1 とR2 、R1 とR3 、あるい
はR2 とR3 が結合して生成する飽和あるいは不飽和環
状イミン化合物を例示することができる。
【0014】非環状イミン化合物は対応するケトンから
容易に合成することができる。この場合、シン体とアン
チ体もしくはこれらのシン体とアンチ体のいずれか一方
に富んだ混合物が用いられるが、混合物から精製して単
独で用いること、さらには別種のイミン化合物の混合物
として用いることもできる。さらに、この発明では、反
応基質として炭素−窒素二重結合を有するオキシム誘導
体を用いることができる。この場合R3 が水酸基である
化合物が例示される。
【0015】そして、この発明では、前記の遷移金属錯
体は、光学活性アミン誘導体とともに不斉還元触媒を構
成するものであるが、このうちの遷移金属錯体は、各種
の遷移金属が配位子を持つものとして使用されるが、特
に好適には、たとえば一般式(c)
【0016】
【化5】
【0017】(Mは鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウ
ム、ロジウム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、
白金などの第VIII 族の遷移金属であり、Xは水素、ハ
ロゲン原子、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基等を示し、Lは芳香族化合物やオレフィン化合物等
の中性配位子を示す。m、nは整数を示す。)で表すこ
とができる遷移金属錯体を光学活性アミン誘導体ととも
に使用して不斉触媒を構成したものが例示される。前記
のとおり、一般式(c)で示される遷移金属錯体におけ
るM1 は鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウ
ム、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金などの
第VIII 族の遷移金属であることが好ましいが、さらに
はルテニウムが望ましいものの一つである。
【0018】中性配位子である芳香族化合物は、たとえ
ば次の一般式(d)で表すことができる単環式芳香族化
合物である。ここで、R3 〜R8 は同じかもしくは異な
る置換基からなり、水素、飽和あるいは不飽和の炭化水
素基、アリル基、異原子を含む官能基を示すことができ
る。たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチ
ル等のアルキル基、シクロプロピル、シクロブチル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基、
ベンジル、ビニル、アリルなどの不飽和炭化水素等の
基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボ
ニル基等の異原子を含む官能基を示すことができる。置
換基のその数は1〜6の任意の数であり、場所は任意の
場所を選ぶことができる。
【0019】
【化6】
【0020】この発明における前記の第VIII 族等の遷
移金属錯体の使用量は、反応容器の大きさ、その形式あ
るいは経済性によっても異なるが、反応基質であるイミ
ン化合物に対してモル比で略1/100〜1/100,
000用いることができ、好ましくは1/200〜1/
5,000の範囲とする。また、この発明では、光学活
性含窒素化合物を不斉触媒系に用いるが、このものは、
前記遷移金属錯体に対して不斉配位子として存在し、作
用するものと推察される。このような光学活性含窒素化
合物は、最もわかりやすく表現すると、「光学活性アミ
ン化合物」として例示することもできる。この光学活性
アミン化合物は、たとえば次の一般式(e)
【0021】
【化7】
【0022】(R9 、R10、R15、R16は水素あるいは
飽和あるいは不飽和炭化水素基、アリール基、ウレタン
基、スルフォニル基であり、R11、R12、R13、R14
これら置換基が結合している炭素が不斉中心となるよう
に同じかもしくは異なる基であり、水素あるいはアルキ
ル基、芳香族単環および多環式基、飽和あるいは不飽和
炭化水素基、および環式炭化水素基を示す。)で示され
る光学活性ジアミン化合物である。たとえばこのような
化合物としては、光学活性な1,2−ジフェニルエチレ
ンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2
−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジ
アミン、1−メチル2,2−ジフェニルエチレンジアミ
ン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジア
ミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレン
ジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェ
ニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ
(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソ
プロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレ
ンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシ
フェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ
ナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−
ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,
2−ジナフチルエチレンジアミン、などの光学活性ジア
ミン化合物およびR9 ないしR15の置換基のうち1つな
いし2つともスルフォニル基、アシル基あるいはウレタ
ン基である光学活性ジアミン化合物を用いることができ
る。また、好ましくはスルフォニル基を一つ有する光学
活性ジアミン化合物を用いることができる。さらに用い
ることのできる光学活性ジアミンは例示した光学活性エ
チレンジアミン誘導体に限るものでなく光学活性プロパ
ンジアミン、ブタンジアミン、フェニレンジアミン誘導
体を用いることができる。
【0023】光学活性アミン化合物としては、次の一般
式(f)で表される光学活性アミノアルコール化合物を
用いることもできる。
【0024】
【化8】
【0025】ここで、R17、R18は少なくとも1つが水
素基であり残りの1つは水素あるいは飽和あるいは不飽
和炭化水素基、アリール基、ウレタン基、スルフォニル
基であり、R19〜R22はこれら置換基が結合している炭
素が不斉中心となるように同じかもしくは異なる基であ
り、水素あるいはアルキル基、芳香族単環および多環式
基、飽和あるいは不飽和炭化水素基、および環式炭化水
素基であり、R23は水素あるいはアルキル基、芳香族単
環および多環式基、飽和あるいは不飽和炭化水素基、お
よび環式炭化水素基を示す。さらに、R19とR20のいず
れか一つの基とR21とR22のいずれか一つの基とが結合
して環を形成してもよいし、R17とR18のいずれか一つ
の基とR20とR21のいずれか一つの基とが結合して環を
形成してもよい。具体的には後述の実施例に示す光学活
性アミノアルコール類を用いることができる。また、さ
らに光学活性アミン化合物としては、次の一般式(g)
で表されるアミノホスフィン化合物を用いることができ
る。
【0026】
【化9】
【0027】ここで、R24、R25は水素あるいは飽和あ
るいは不飽和炭化水素基、アリール基、ウレタン基、ス
ルフォニル基、アシル基であり、(CR2 26 n はこれ
ら置換基が結合している炭素が不斉中心となるように同
じかもしくは異なる基であり、水素あるいはアルキル
基、芳香族単環および多環式基、飽和あるいは不飽和炭
化水素基、および環式炭化水素基であり、R27、R28
水素あるいは飽和あるいは不飽和炭化水素基、アリル基
を示す。具体的には実施例に示す光学活性アミノホスフ
ィン類を用いることができる。
【0028】たとえば以上のように例示することのでき
る光学活性アミン化合物の使用量は、遷移金属錯体に対
し、略0.5〜20当量で、好ましくは1〜2当量の範
囲である。触媒として使用する以上のとおりの遷移金属
錯体と光学活性アミン化合物との二成分は、不斉還元反
応を円滑に進行させ、高い不斉収率を達成するために必
要不可欠な成分であり、1成分たりとも不足すると充分
な反応活性で高い光学純度のアルコール体は得られな
い。
【0029】さらに、この発明における水素移動型不斉
還元による光学活性アミン類の製造法に用いる水素供与
性の有機または無機化合物は、熱的作用によって、ある
いは触媒作用によって水素を供与することのできる化合
物を意味しており、このような水素供与性の化合物につ
いては、特にその種類に限定はないが、好適なものとし
ては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2
−プロパノール、ブタノール、ベンジルアルコールなど
のアルコール化合物、ギ酸およびその塩、たとえばアミ
ンとの組合せからなるもの、テトラリンやデカリン等の
部分的に飽和炭素結合を持つ不飽和炭化水素や複素環化
合物、ヒドロキノンあるいは亜リン酸等がある。なかで
もアルコール化合物が好適であり、より好ましくは2−
プロパノールが例示される。用いる水素源となる有機化
合物の量は、反応基質の溶解度および経済性により判断
される。通常、基質濃度は、基質の種類によっては略
0.1〜30重量%で用いることができるが、好ましく
は0.1〜10重量%で用いることが望ましい。なお、
ギ酸およびギ酸とアミンの組合せからなるものを水素源
として用いる場合は、溶媒を用いなくてもよいし、用い
る場合はトルエン、キシレン等の芳香族化合物、ジクロ
ロメタン等ハロゲン化合物、DMSO、DMFあるいは
アセトニトリル等の有機化合物を用いることができる。
【0030】この発明では、水素加圧は本質的には必要
とされていないが、反応状況によっては水素加圧しても
よい。ただ、水素加圧する場合でも、触媒系が極めて高
活性であることから1気圧〜数気圧程度であってよい。
反応温度は、経済性を考慮して−20℃から100℃程
度とすることができる。より実際的には、25〜40度
の室温付近で反応を実施することができる。反応時間は
反応基質濃度、温度、圧力等の反応条件によって異なる
が、数分から100時間で反応は完結する。
【0031】この発明で用いる金属錯体は、光学活性ア
ミン化合物と反応開始前に混合して用いることができる
があらかじめ以下の方法において不斉金属錯体を合成し
てこれを使うこともできる。すなわち、たとえばルテニ
ウム−アーレン錯体と光学活性アミン化合物とトリエチ
ルアミンを2−プロパノールに懸濁させてアルゴン気流
下において加熱攪拌し、得られる反応混合物を冷却して
溶媒を除去してさらにアルコール溶媒から再結晶して不
斉錯体を得る。
【0032】以下実施例を示し、さらに詳しくこの発明
方法について説明する。代表例として用いることのでき
る反応基質と不斉金属錯体を表1および表2に示した。
機器分析は次の各機種によった。 NMR:JEOL GSX−400/Varian G
emini−200(1H−NMR標準サンプル:TM
S,31P−NMR標準サンプル:リン酸) GLC:SHIMAZU GC−17A(columu
n:chiral CP−Cyclodextrin−
b−236−M19) HPLC:JASCO GULLIVER(colum
un:CHIRALCEL OJ,OB−H,OB,O
D) 得られた光学活性アミン化合物の絶対配置は旋光度、H
PLC、およびX線構造解析により決定した。ブランク
は不明である。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1 6,7−ジメトキシ−1−メチル−3,4−ジヒドロイ
ソキノリン(表1−2a)(1.03g,5mmol)
とルテニウム触媒(表2)(R,R)−1a(16m
g,0.025mmol)をアセトニトリル(10m
L)に溶解した後、ギ酸−トリエチルアミンの混合物
(5:2)をくわえて28℃で3時間攪拌した。反応混
合物に炭酸ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで生
成物を抽出した。溶媒を留去したものについて1H−N
MR(CDCl3 )を測定し、変換率を算出した。次に
これをシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、得ら
れた光学活性アミンをHPLCもしくはGLCによって
光学純度および絶対配置を決定した。表3にまとめたよ
うに、(S)−6,7−ジメトキシ−1−メチル−1,
2,34−テトラヒドロイソキノリン(1.02g,9
9%収率、96%ee)を得た。実施例2〜28 実施例1と同じ反応装置、同じ実験操作を用いて反応基
質、触媒、反応溶媒および反応基質/触媒比を変えて行
い、得られた結果をまとめて表3に示した。実施例29 実施例1と同じ反応装置、同じ実験操作を用いてエナミ
ン化合物を用いた場合、反応は円滑に進行し対応する光
学活性アミン化合物を得た。得られた結果をまとめて表
3に示した。比較例1 実施例1と同じ条件下において光学活性アミン配位子の
ないルテニウム−アレーン錯体を触媒とした場合、反応
は進行し、定量的にラセミ体のアミン化合物が得られ
た。比較例2 実施例10と同じ条件下において光学活性アミン配位子
のないルテニウム−アレーン錯体を触媒として用いた場
合、反応は全く進行しなかった。
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、この発明に
より、高い収率で、優れた光学純度の高い光学特性アミ
ン類を得る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07D 209/08 C07D 209/08 211/86 211/86 217/02 217/02 495/04 111 495/04 111 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 碇屋 隆雄 愛知県名古屋市千種区汁谷町8−1 茶 屋が坂コータース907 (72)発明者 植松 信之 愛知県瀬戸市柳ケ坪町101 アルカンシ ェルB205 (72)発明者 橋口 昌平 愛知県名古屋市名東区上社4−302 (72)発明者 藤井 章雄 愛知県愛知郡長久手町戸田谷1505 ハビ テーション3−B (72)発明者 野依 良治 愛知県日進市梅森町新田135−417 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 209/52 C07D 209/08 C07C 211/27 - 211/86 C07D 217/02 C07B 61/00 300 CA(STN) WPI/L(QUESTEL)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(a) 【化1】 (R 1 は、置換を有してもよい、芳香族単環または芳香
    族多環式炭化水素基、無置換あるいは置換基を有してい
    てもよい、飽和あるいは不飽和の脂肪族炭化水素基また
    は環式炭化水素基、もしくは、窒素、酸素、硫黄原子等
    異種原子を含む複素単環または複素多環式基であり、R
    2 およびR 3 は、水素原子、もしくは置換基を有してい
    てもよい、飽和あるいは不飽和の鎖状または環状炭化水
    素基、芳香族炭化水素基、または複素環基を示す。R 3
    は水酸基または酸素原子を介して結合する前記有機基で
    もよく、また、R 1 とR 2 、R 1 とR 3 またはR 2 とR
    3 は結合して環を形成してもよい。)で表されるイミン
    化合物を、第VIII族金属の金属錯体と光学活性アミン誘
    導体、並びに水素供与性の有機または無機化合物の共存
    下に水素移動型不斉還元し、一般式(b) 【化2】 (R 1 、R 2 およびR 3 は上記と同じ有機基を示す。)
    で表される光学活性アミン類を製造することを特徴とす
    る光学活性アミン類の製造方法。
  2. 【請求項2】 水素供与性の有機または無機化合物がア
    ルコール化合物、ギ酸、ギ酸塩、炭化水素化合物、複素
    環化合物、ヒドロキノンあるいは亜リン酸である請求項
    の方法。
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