JP4144223B2 - クロモン誘導体の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クロモン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(2)
Figure 0004144223
(式中、R1は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはR’CONH−で示される基を表わす。ここで、R’は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または
Figure 0004144223
で示される基を表わす。ここで、Xは、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数2〜10のアルコキシ基を表わす。)
で示されるクロモン誘導体は、医農薬合成中間体等として有用である。
【0003】
かかる一般式(2)で示されるクロモン誘導体の製造方法としては、例えば一般式(1)
Figure 0004144223
(式中、R1は上記と同一の意味を表わし、R2は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
で示される化合物とアンモニアを、アルコール溶媒中で反応させる方法(特開平3−95144号公報)、一般式(1)で示される化合物とアンモニアを、ピリジン類および低級アルコール混合溶媒中で反応させる方法(特開平7−53491号公報)が知られている。
【0004】
しかしながら、前者のアルコール溶媒中で反応させる方法は、大量の塩化アンモニウムを使用しているという点で、また、後者のピリジン類および低級アルコール混合溶媒中で反応させる方法は、一般式(5)
Figure 0004144223
(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(5)と略記する。)の副生量が多く、該化合物(5)を一般式(2)で示されるクロモン誘導体に変換するための酸の使用量が多いという点で、いずれも必ずしも工業的に十分満足し得る製造方法とは言えず、工業的により有利な製造方法の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況のもと、本発明者らは、一般式(1)で示される化合物から、一般式(2)で示されるクロモン誘導体を工業的に有利に製造する方法について鋭意検討し、一般式(1)で示される化合物とアンモニアとの反応を、芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で実施することにより、一般式(5)で示される化合物の副生が抑制でき、該一般式(5)で示される化合物を一般式(2)で示されるクロモン誘導体に変換する際に必要な酸の使用量も削減できることを見いだし、本発明に至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で、一般式(1)
Figure 0004144223
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはR’CONH−で示される基を表わす。ここで、R’は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または
Figure 0004144223
で示される基を表わす。ここで、Xは、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基を表わす。R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
で示される化合物とアンモニアとを反応させ、残存アンモニアを除去した後、酸を作用させることを特徴とする一般式(2)
Figure 0004144223
(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるクロモン誘導体の製造方法を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
まず、一般式(1)
Figure 0004144223
(式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはR’CONH−で示される基を表わす。ここで、R’は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または
Figure 0004144223
で示される基を表わす。ここで、Xは、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基を表わす。R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)について説明する。
【0008】
化合物(1)の式中、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−オクタデシル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基およびこれらアルキル基にフェニル基が置換した、例えばベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基等が挙げられる。
【0009】
フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、イソオクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基およびこれらアルキル基にフェニル基が置換した、例えばベンジル基、2−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基等が挙げられる。
【0010】
フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、イソオクチルオキシ基、n−デシルオキシ基等の直鎖状または分枝鎖状のアルコキシ基およびこれらアルコキシ基にフェニル基が置換した、例えば2−フェニルエトキシ基、3−フェニルプロポキシ基、4−フェニルブトキシ基等が挙げられる。
【0011】
下記
Figure 0004144223
で示される基としては、例えば2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4-メトキシフェニル基、4−(4−フェニルブトキシ)フェニル基等が挙げられる。
【0012】
R’CONH−で示される基としては、例えばアセトアミノ基、ブチロイルアミノ基、4−フェニルブチロイルアミノ基、4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
【0013】
かかる化合物(1)としては、例えば2−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−tert−ブトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−ブロモ−2−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−ブロモ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−ニトロ−2−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、6−ニトロ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−ニトロ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−メトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン等が挙げられる。
【0014】
かかる化合物(1)は、例えば一般式(3)
Figure 0004144223
(式中、R1は、上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアセトフェノン類と一般式(4)
Figure 0004144223
(式中、R2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるシュウ酸エステル類とを、塩基の存在下に反応させ、次いで酸を作用させることにより得ることができる。
【0015】
一般式(3)で示されるアセトフェノン類としては、例えば2−ヒドロキシアセトフェノン、3−ニトロ−2−ヒドロキシアセトフェノン、5−ニトロ−2−ヒドロキシアセトフェノン、5−ブロモ−2−ヒドロキシアセトフェノン、3−アセトアミノ−2−ヒドロキシアセトフェノン、3−ブチロイルアミノ−2−ヒドロキシアセトフェノン、3−(4−フェニルブチロイル)アミノ−2−ヒドロキシアセトフェノン、3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−ヒドロキシアセトフェノン等が挙げられる。
【0016】
一般式(4)で示されるシュウ酸エステル類としては、例えばシュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ(tert−ブチル)等のシュウ酸の炭素数1〜6のアルキルエステルが挙げられる。
【0017】
塩基としては、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド等が挙げられ、その使用量は、一般式(3)で示されるアセトフェノン類に対して、通常1モル倍以上である。
【0018】
一般式(3)で示されるアセトフェノン類と一般式(4)で示されるシュウ酸エステル類との反応は、通常有機溶媒中で実施され、有機溶媒としては、例えばジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル等のエーテル系溶媒、例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等の単独または混合溶媒が挙げられる。なかでも、得られる化合物(1)の単離操作が省略可能という点で、芳香族炭化水素系溶媒または芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。
【0019】
一般式(3)で示されるアセトフェノン類と一般式(4)で示されるシュウ酸エステル類とを反応させた後、酸を作用させた後、水を加えて、抽出処理することにより、化合物(1)を含む有機層が得られ、該有機層を濃縮処理し、化合物(1)を取り出すことができる。上記反応を芳香族炭化水素系溶媒または芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で実施した場合には、前記有機層をそのまま本発明に用いてもよい。
【0020】
一般式(3)で示されるアセトフェノン類と一般式(4)で示されるシュウ酸エステル類とを反応させた後に作用させる酸としては、例えば塩酸、硫酸等の鉱酸が挙げられ、通常水溶液が用いられる。かかる酸の使用量は、一般式(3)で示されるアセトフェノン類に対して、通常0.1〜5モル倍である。なお、一般式(3)で示されるアセトフェノン類と一般式(4)で示されるシュウ酸エステル類とを塩基の存在下に反応させて得られる反応液中には、塩基が含まれているため、該塩基を中和するに足る量の酸を上記酸量に加えて用いる必要がある。
【0021】
続いて、芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で、化合物(1)とアンモニアを反応させる工程について説明する。
【0022】
化合物(1)と反応させるアンモニアとしては、アンモニアガスを用いてもよいし、液体アンモニアを用いてもよい。また、アンモニア/有機溶媒溶液を用いてもよい。アンモニア/有機溶媒溶液を用いる場合の有機溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
【0023】
アンモニアの使用量は、化合物(1)に対して、通常1モル倍以上、好ましくは3モル倍以上であり、その上限は特にないが、あまり多すぎると、反応液中に残存するアンモニアを除去に要する時間が長くなるため、実用的には、化合物(1)に対して、15モル倍以下である。
【0024】
化合物(1)とアンモニアの反応は、芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で実施される。芳香族炭化水素系溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、メシチレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等が挙げられ、アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げられる。混合溶媒としての使用量は、化合物(1)に対して、通常1重量倍以上であり、その上限は特にないが、容積効率等を考慮すると、実用的には、20重量倍以下である。混合溶媒中の芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒との比率(芳香族炭化水素系溶媒/アルコール系溶媒重量比)は、通常0.5〜5である。なお、アルコール系溶媒は、予めアンモニアと混合しておいてもよい。
【0025】
反応温度は、通常0〜100℃である。
【0026】
最後に、前記反応終了後の反応液中に残存する残存アンモニアを除去した後、酸を作用させる工程について説明する。前記反応において、一般式(5)
Figure 0004144223
(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物が副生するが、かかる一般式(5)で示される化合物に酸を作用させることにより、目的とする一般式(2)
Figure 0004144223
(式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるクロモン誘導体(以下、クロモン誘導体(2)と略記する。)に導くことができる。
【0027】
反応液中に残存するアンモニアを除去する方法としては、例えば反応液を常圧もしくは減圧条件下に加熱する方法、反応液に酸を加え、アンモニアを中和除去する方法等が挙げられ、反応液を常圧もしくは減圧条件下で加熱する方法が好ましい。反応液中にアンモニアが残存していると、一般式(5)で示される化合物に酸を作用させてクロモン誘導体(2)に変換する際に、該アンモニアを中和するための酸が余分に必要となるため、反応液中から残存するアンモニアをできるだけ除去することが好ましい。
【0028】
アンモニアを除去する際の温度は、通常30〜100℃である。
【0029】
反応液中に含まれるアルコール系溶媒や反応で副生する一般式(6)
Figure 0004144223
(式中、R2は上記と同一の意味を表わす。)
で示されるアルコール類もかかるアンモニアの除去と平行して、もしくはアンモニアの除去が終了した後に除去することが好ましい。
【0030】
酸としては、例えば塩酸、硫酸等の無機酸、例えばメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸、例えばメタンスルホン酸ピリジニウム塩、メタンスルホン酸(2−エチル−5−メチルピリジニウム)塩等の有機酸と有機アミンとの塩等が挙げられる。なかでも反応後の後処理で副生する塩と目的とするクロモン誘導体(2)との分離が容易という点で、有機酸または有機酸と有機アミンとの塩が好ましい。有機酸と有機アミンとの塩を用いる場合は、反応液に、有機酸と有機アミンを加え、反応液中で有機酸と有機アミンの塩を形成するようにしてもよい。
【0031】
かかる酸の使用量は、化合物(1)に対して、通常0.2〜2モル倍、好ましくは0.3〜1.5モル倍である。
【0032】
反応液中で有機酸と有機アミンの塩を形成する場合の有機アミンの使用量は、有機酸に対して、通常0.5〜2モル倍である。
【0033】
酸を作用させる温度は、通常50℃〜反応液の還流温度の範囲、好ましくは80〜120℃である。
【0034】
反応終了後、必要に応じて例えばアルコール系溶媒等のクロモン誘導体を溶解しにくい溶媒を反応液に加え、冷却することにより、クロモン誘導体(2)を取り出すことができる。取り出したクロモン誘導体(2)は、例えば再結晶等通常の精製手段によりさらに精製してもよい。
【0035】
かくして得られるクロモン誘導体(2)としては、例えば2−カルバモイル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−8−ニトロ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−8−アセトアミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−6−ブロモ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−6−ニトロ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−8−ブチロイルアミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−8−(4−フェニルブチロイル)アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン、2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン等が挙げられる。
【0036】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0037】
参考例1
クロロベンゼン80gに、3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−ヒドロキシアセトフェノン20gを懸濁させた。該懸濁液に、シュウ酸ジエチル8.9gを注加し、20重量%ナトリウムエトキシド/エタノール溶液42.2gをゆっくり滴下した後、内温55℃で1時間攪拌、反応させた。その後、98重量%硫酸8.6gをゆっくり加え、内温70℃で1時間攪拌、保持した。水50gを加え、攪拌、静置後、分液処理し、8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピランを含むクロロベンゼン溶液98.3gを得た。含量:22重量%、収率90%。
【0038】
実施例1
上記参考例1と同様に実施して得た8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−2−エトキシカルボニル−4−オキソ−4H−ベンゾピラン19.6gを含むクロロベンゼン溶液88.4gに、12.6重量%アンモニア/メタノール溶液44.5gを滴下し、内温20〜25℃で2時間攪拌、保持し、反応させた。反応液を高速液体クロマトグラフィ(以下、LCと略記する)分析したところ、副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドと目的とする2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランのLC面積値の和に対する副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドのLC面積値の比は、2.9/100であった。
【0039】
常圧条件下で、内温60℃に昇温し、反応液中に含まれる残存アンモニアを除去した。さらに、操作圧30Torr(約4kPa相当)で、内温80℃まで昇温し、メタノールおよび副生エタノールを留去した。留去残に、2−エチル−5−メチルピリジン4.6gおよびメタンスルホン酸2.4gを加え、系中でメタンスルホン酸(2−エチル−5−エチルピリジン)塩を発生させ、内温100℃で2時間攪拌、保持した。その後、内温65℃まで冷却し、メタノール72gを加えた。さらに内温0℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を洗浄し、乾燥させ、2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランを得た。収率92%。
【0040】
実施例2
2−エトキシカルボニル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン21.5gを含むクロロベンゼン溶液92.4gに、12.6重量%アンモニア/メタノール溶液34.1gを滴下し、内温20〜25℃で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応液をLC分析したところ、副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドと目的とする2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランのLC面積値の和に対する副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドのLC面積値の比は、2.5/100であった。
【0041】
常圧条件下で、内温60℃に昇温し、反応液中に含まれる残存アンモニアを除去した。さらに、操作圧30Torr(約4kPa相当)で、内温80℃まで昇温し、メタノールおよび副生エタノールを留去した。留去残に、2−エチル−5−メチルピリジン2.5gおよびメタンスルホン酸2gを加え、系中でメタンスルホン酸(2−エチル−5−エチルピリジン)塩を発生させ、内温100℃で8時間攪拌、保持した。その後、内温65℃まで冷却し、メタノール120gを加えた。さらに内温0℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を洗浄し、乾燥させ、2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランを得た。収率91%。
【0042】
実施例3
2−エトキシカルボニル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン19.6gを含むクロロベンゼン溶液91.3gに、12.6重量%アンモニア/メタノール溶液34.1gを滴下し、内温20〜25℃で3時間攪拌、保持し、反応させた。反応液をLC分析したところ、副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドと目的とする2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランのLC面積値の和に対する副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドのLC面積値の比は、2.7/100であった。
【0043】
常圧条件下で、内温60℃に昇温し、反応液中に含まれる残存アンモニアを除去した。さらに、操作圧30Torr(約4kPa相当)で、内温80℃まで昇温し、メタノールおよび副生エタノールを留去した。留去残に、2−エチル−5−メチルピリジン2.5gおよびメタンスルホン酸2.4gを加え、系中でメタンスルホン酸(2−エチル−5−エチルピリジン)塩を発生させ、内温60℃で2時間、さらに100℃で2時間攪拌、保持した。その後、内温65℃まで冷却し、メタノール20gを加えた。さらに内温0℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を洗浄し、乾燥させ、2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランを得た。収率90%。
【0044】
比較例1
2−エチル−5−メチルピリジン86.2gに、2−エトキシカルボニル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピラン21.6gを懸濁させ、12.6重量%アンモニア/メタノール溶液49.1gを滴下し、内温20〜25℃で2時間攪拌、保持し、反応させた。反応液をLC分析したところ、副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドと目的とする2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランのLC面積値の和に対する副生した4−[2−ヒドロキシ−3−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイルアミノ]フェニル]−4−オキソ−2−アミノ−2−ブテン酸アミドのLC面積値の比は、5.1/100であった。
【0045】
常圧条件下で、60℃に昇温し、反応液中に含まれる残存アンモニアを除去した。さらに、操作圧30Torr(約4kPa相当)で、内温80℃まで昇温し、メタノールおよび副生エタノールを留去した。留去残渣に、メタンスルホン酸44.3gを加え、内温100℃で8時間攪拌、保持した。その後、内温65℃まで冷却し、メタノール73.5gを加えた。さらに内温0℃に冷却し、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶を洗浄し、乾燥させ、2−カルバモイル−8−[4−(4−フェニルブトキシ)ベンゾイル]アミノ−4−オキソ−4H−ベンゾピランを得た。収率92%。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、医農薬合成中間体等として有用なクロモン誘導体を、工業的により有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. 芳香族炭化水素系溶媒とアルコール系溶媒の混合溶媒中で、一般式(1)
    Figure 0004144223
    (式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはR’CONH−で示される基を表わす。ここで、R’は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または
    Figure 0004144223
    で示される基を表わす。ここで、Xは、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基を表わす。R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
    で示される化合物とアンモニアとを反応させ、残存アンモニアを除去した後、酸を作用させることを特徴とする一般式(2)
    Figure 0004144223
    (式中、R1は上記と同一の意味を表わす。)
    で示されるクロモン誘導体の製造方法。
  2. 一般式(1)で示される化合物が、一般式(3)
    Figure 0004144223
    (式中、R1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基またはR’CONH−で示される基を表わす。ここで、R’は、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基または
    Figure 0004144223
    で示される基を表わす。ここで、Xは、フェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基またはフェニル基で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルコキシ基を表わす。)
    で示されるアセトフェノン類と一般式(4)
    Figure 0004144223
    (式中、R2は、炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)
    で示されるシュウ酸エステル類とを、塩基の存在下に反応させ、次いで酸を作用させて得られる化合物である請求項1に記載のクロモン誘導体の製造方法。
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