図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。
ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示へ入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、始動入賞口(以下、「始動口」という)62、センター飾り64、大入賞口66、作動口68、一般入賞口72を含む。更に遊技領域52には、図示しない複数の遊技釘や風車などの機構が設置される。始動口62は、遊技球の入球を検出するための始動入賞検出装置74と、始動口の普通電動役物を拡開させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置74は、始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す始動入賞情報を生成する。一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、大入賞口66を拡開させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、大入賞口66への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す大入賞口入賞情報を生成する。
大入賞口66は、特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」または「小当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。大入賞口66はアウト口58の上方等の位置に設けられる。大入賞口66の入賞検出装置78は、遊技球の通過を検出するセンサを備える。
遊技領域52の略中央に設けられた特別図柄表示装置61および演出表示装置60は、それぞれの画面に特別図柄192と、特別図柄192に連動する演出画像190の変動を表示する(以下、そうした表示を「図柄変動」または「変動表示」等という)。特別図柄192は、始動口62への遊技球の落入を契機として行われる抽選(以下、「当否抽選」とよぶ)の結果に対応した図柄である。その変動表示が停止されたときの図柄態様が当たりと定められた図柄であった場合、その停止図柄が表示されたタイミングが当たり発生タイミングとなる。特別図柄表示装置61は、たとえば7セグメントLEDで構成される表示手段である。特別図柄表示装置61は、特別図柄192の変動表示として、0〜9の範囲で数字を循環させる。
演出表示装置60は、特別図柄192の変動表示と連動するかたちで演出画像190を変動表示する液晶ディスプレイである。演出画像190は、特別図柄192で示される当否抽選の結果表示を視覚的に演出するための演出図柄を複数含む。演出表示装置60は、複数個の演出図柄が変動する態様にて動画像を画面表示する。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は始動口62を拡開させるための抽選(以下、「普通図柄抽選」とよぶ)の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72や始動口62、大入賞口66の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が始動口62に落入すると、特別図柄表示装置61および演出表示装置60において特別図柄192および演出画像190が変動表示される。特別図柄192および演出画像190の変動表示は、表示に先立って決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の特別図柄192および演出画像190が当たりを示す図柄である場合、通常遊技から特別遊技に移行し、大入賞口66の開閉動作が開始される。
大入賞口66は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。大入賞口66が開放中に遊技球が特定領域へ少なくとも1球落入した場合、大入賞口66は再度開放される。このように、大入賞口66が1回開放される間に遊技球が少なくとも1球以上特定領域へ落入することを条件に大入賞口66の開閉が所定回数、たとえば15回を限度として繰り返される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄とよばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。普通図柄表示装置59は、2つのランプを備える。それぞれのランプが交互に点滅する動作が「普通図柄の変動表示」に相当する動作である。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が停止すると、通常、50%から80%程度の確率で始動口62が所定時間拡開する。このとき、普通図柄表示装置59の2つのランプの所定の一方が点灯表示されることになる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、特別図柄表示装置61および演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、その上部に抽選保留ランプ20が設けられ、左側部に作動保留ランプ22が設けられている。抽選保留ランプ20は、4個のランプからなり、その点灯個数によって当否抽選の保留数を表示する。当否抽選の保留数は、図柄変動中または特別遊技中に始動口62へ入賞した当否抽選の結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。作動保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。
電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、特に始動口62へ入賞したときの当否抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、始動口62、大入賞口66、一般入賞口72、作動口68、特別図柄表示装置61、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
メイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124を備える。サブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、始動入賞情報を受け取ると遊技球が始動口62に入賞したと判断し、大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が大入賞口66に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、始動口62への遊技球の入球を契機として、通常遊技から特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を当否抽選値として取得する。たとえば、当否抽選値は0〜65535の範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。当否抽選手段112は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。
当否抽選手段112は、低確率状態では低確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「非確率変動当否判定テーブル」とよぶ)を参照し、高確率状態では高確率による当否判定のための当否テーブル(以下、「確率変動当否判定テーブル」とよぶ)を参照する。非確率変動当否判定テーブルにおいては所定の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。確率変動当否判定テーブルにおいては、非確率変動当否判定テーブルにおいて当たりと判定される所定の範囲よりも広い所定の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。当否抽選手段112は、これら複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定することにより当否抽選を実行する。当否抽選手段112による判定結果は、特別図柄表示装置61において特別図柄192の変動表示により示される。また、当否抽選手段112による判定結果を演出的に示す演出画像190が演出表示装置60において変動表示される。
図柄決定手段114は、特別図柄表示装置61に表示させる特別図柄192の停止図柄と変動パターンを決定する。図柄決定手段114は、0〜255の範囲で生成されるパターン抽選値に応じて特別図柄の変動パターンを決定する。また、図柄決定手段114は0〜255の範囲で生成される図柄抽選値に応じて特別図柄の停止図柄態様を決定する。なお、当否抽選値が外れであれば、複数種類の外れ図柄のうちのいずれかが停止図柄として決定される。
図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄も普通図柄抽選により決定する。図柄決定手段114は、当否抽選の結果、変動パターンを示すデータ、停止図柄をメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
図柄決定手段114は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
図柄決定手段114は、遊技球が作動口68を通過した場合には、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得し、その抽選乱数に応じて普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が始動口62の普通電動役物を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、当否抽選手段112により取得された当否抽選値を保留球として保持する。当否抽選値は、その保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限は4である。保留制御手段116は、普通図柄抽選の結果についても4つを上限として保持する。
メイン表示制御手段118は、特別図柄を特別図柄表示装置61に変動表示させる。メイン表示制御手段118は、特別図柄の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118による特別図柄192と演出表示制御手段134による演出図柄の変動表示が同期し、連動が保たれる。メイン表示制御手段118は、普通図柄の変動を普通図柄表示装置59に表示させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選が当たりであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特定遊技実行手段122は、確率変動付き大当たりが発生した場合、特別遊技後の通常遊技を高確率状態に設定する。このときには、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否判定テーブルとして、確率変動当否判定テーブルを設定する。高確率状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。高確率状態において通常当たりが発生すると、特別遊技終了後の通常遊技は低確率状態となる。すなわち、特定遊技実行手段122は、当否抽選手段112が当否抽選のために参照すべき当否判定テーブルとして、非確率変動当否判定テーブルを設定する。
開閉制御手段124は、始動口62の普通電動役物や大入賞口66の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の図柄で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、始動口62を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80に開放指示を送り、大入賞口66を開放させる。
パターン記憶手段130は、演出図柄の変動パターンを複数種類保持する。演出決定手段132は、演出図柄の停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、その変動時間に応じて決定する。
演出図柄の停止図柄は、5つまたは9つの図柄の組合せとして形成される。たとえば当否抽選手段112による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が有効ライン上に揃う組合せが選択される。当否抽選手段112による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の表示パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように有効ライン上において一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、演出図柄の停止図柄と表示パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出表示制御手段134は、選択された変動パターンデータにしたがって演出表示装置60に演出図柄を変動表示させる。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理も制御する。
図4は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。
同図に示す処理はループ処理として繰り返し実行される処理である。まず、遊技球が始動口62、一般入賞口72、大入賞口66などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の入賞処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、特別図柄抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図5は、図4におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
通常遊技制御処理において、当否抽選値の保留がなされている場合であって(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じてメイン表示制御手段118が変動表示を開始するとともに、変動開始コマンドを演出表示制御手段134へ送信し、これを受信した演出表示制御手段134が変動パターンデータにしたがって演出画像190の変動表示を開始する(S36)。
S30において当否抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、図柄変動表示がすでに開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40をスキップする。
図6は、図4のS16における特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。
まず、大入賞口66が開放済でなければ(S70のN)、演出表示制御手段134が特別遊技演出処理を開始し(S72)、開閉制御手段124が大入賞口66を開放する(S72)。大入賞口66が開放済であればS72およびS74をスキップする(S70のY)。大入賞口66が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、大入賞口66へ遊技球が9球以上入球した場合(S78のY)、開閉制御手段124が大入賞口66を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、大入賞口66への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS16のフローを終了する。
S80における大入賞口66の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が15に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。ラウンド数が15に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS112のフローを終了する(S90)。
以下、本実施例に係るぱちんこ遊技機10の、当たり態様に応じた装飾図柄の変動表示制御について説明する。
図7は、演出表示装置60の装飾図柄表示領域260を示す図である。本実施例に係るぱちんこ遊技機10では、装飾図柄表示領域260は、それぞれ横方向に細長い長方形の領域である上段図柄表示領域250A、中段図柄表示領域250B、および下段図柄表示領域250C(以下、必要に応じてこれらを「図柄表示領域250」と総称する)が、上下方向に並列するよう配置されて構成される。図柄表示領域250の各々では、複数種類の装飾図柄によって構成される所定の図柄セットが左右方向(本実施例では右方向)に周回するように繰り返し変動表示される。
装飾図柄表示領域260において、有効ライン252、右非有効ライン254R、および左非有効ライン254Lが仮想ラインとして設けられる。有効ライン252は、図柄表示領域250の各々の中央を通過するように上下方向に延在する。右非有効ライン254Rは、有効ライン252の右側に所定の間隔をもって有効ライン252と平行に上下方向に延在する。左非有効ライン254Lは、有効ライン252の左側に所定の間隔をもって有効ライン252と平行に上下方向に延在する。なお、有効ライン252と右非有効ライン254Rとの間隔は、有効ライン252と左非有効ライン254Lとの間隔と同一の長さとされている。以下、必要に応じて右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lを非有効ライン254と総称する。装飾図柄が各々の図柄表示領域250で停止表示されるときは、この有効ライン252、右非有効ライン254R、および左非有効ライン254L上で装飾図柄が停止表示される。
有効ライン252は、前記当否抽選の結果が当たりか否かを示すための複数の装飾図柄の組合せが停止表示されるラインとして利用される。図柄表示領域250の各々において変動表示される図柄セットは1から9までの数字によって構成される当たり表示用図柄を含み、同じ数字の装飾図柄の組合せで有効ライン252上に揃ったとき、当否抽選の結果が当たりであることを示す。なお、いずれかの非有効ライン254上に同じ数字の装飾図柄の組合せで揃った場合でも当否抽選の結果が当たりであることを示さない。
本実施例で使用される図柄セットを図8(a)乃至図8(c)に示す。図8(a)は、第1図柄セット240を示す図であり、図8(b)は、第2図柄セット242を示す図であり、図8(c)は、第3図柄セット244を示す図である。
第1図柄セット240は、9個の当たり表示用図柄と9個の第1ブランク図柄を有する。ブランク図柄を装飾図柄と区別する考えもあるが、本実施例ではブランク図柄は装飾図柄に含まれる。したがって、本実施例では、当たり表示用図柄および第1ブランク図柄は装飾図柄として利用される。9個の当たり表示用図柄の各々は1から9までの数字の形状の図柄とされている。第1ブランク図柄はそれぞれ小さな白い星の形状の図柄とされている。図柄表示領域250に第1図柄セット240が変動表示される場合は、図8(a)に示されるように、その形状が示す数字が小さい順に当たり表示用図柄が右から左に配列され、各々の当たり表示用図柄の間に一つずつ第1ブランク図柄が配置されるリールを、前面が右から左に流れるように回転させたような態様で変動表示される。
第2図柄セット242は、9個の当たり表示用図柄と9個の第2ブランク図柄を有する。本実施例では第2ブランク図柄も装飾図柄として利用される。第2図柄セット242が有する当たり表示用図柄は第1図柄セット240の当たり表示用図柄と同一である。第2ブランク図柄はそれぞれ中程度の大きさの白い星の形状の図柄とされている。図柄表示領域250に第2図柄セット242が変動表示される場合は、図8(b)に示されるように、その形状が示す数字が小さい順に当たり表示用図柄が右から左に配列され、各々の当たり表示用図柄の間に一つずつ第2ブランク図柄が配置されるリールを、前面が右から左に流れるように回転させたような態様で変動表示される。
第3図柄セット244は、9個の当たり表示用図柄と9個の第3ブランク図柄を有する。本実施例では第3ブランク図柄も装飾図柄として利用される。第3図柄セット244が有する当たり表示用図柄は第1図柄セット240の当たり表示用図柄と同一である。第3ブランク図柄はそれぞれ赤などの色で着色された大きい星の形状の図柄とされている。図柄表示領域250に第3図柄セット244が変動表示される場合は、図8(c)に示されるように、その形状が示す数字が小さい順に当たり表示用図柄が右から左に配列され、各々の当たり表示用図柄の間に一つずつ第3ブランク図柄が配置されるリールを、前面が右から左に流れるように回転させたような態様で変動表示される。
本実施例では、第1図柄セット240が所定の周回数変動表示した場合には、変動表示させる図柄セットを第2図柄セット242に差し替え、第2図柄セット242が所定の周回数変動表示した場合には、変動表示させる図柄セットを第3図柄セット244に差し替え、第3図柄セット244が所定の周回数変動表示した場合には、変動表示させる図柄セットを再び第1図柄セット240に差し替える変動パターンがパターン記憶手段130に格納されている。この結果、第1ブランク図柄から第2ブランク図柄へ、第2ブランク図柄から第3ブランク図柄へ、第3ブランク図柄から第1ブランク図柄へ、それぞれ差し替えられるように装飾図柄が変動表示される。
なお、本実施例において「差し替え」と表現しているが、第1図柄セット240、第2図柄セット242、および第3図柄セット244がその順に結合された一つの図柄セットとして設けられ、この一つの図柄セットを繰り返し変動表示させる変動パターンがパターン記憶手段130に格納されていてもよい。これによっても、第1ブランク図柄から第2ブランク図柄へ、第2ブランク図柄から第3ブランク図柄へ、第3ブランク図柄から第1ブランク図柄へ、それぞれ差し替えられるように装飾図柄が変動表示される。このように、本実施例において「差し替えと」は、実質的に差し替えるのと同様の作用効果を実現する態様も含む趣旨である。
図9は、図柄表示領域250の各々で装飾図柄を変動表示させた一例を示す図である。図9において、左側に装飾図柄の変動開始直後の図柄表示領域250の状態を示し、中央に上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cが停止表示され中段図柄表示領域250Bが変動表示中の状態を示し、右側に全ての図柄表示領域250において装飾図柄が停止表示された状態を示す。
このように、本実施例では、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cのうち一方がまず停止表示され、次に他方が停止表示される。最後に中段図柄表示領域250Bが停止表示される。たとえば、全ての図柄表示領域250において装飾図柄が停止表示された状態を示す右側の図を見ると、上段図柄表示領域250Aでは第1ブランク図柄が右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254L上に停止表示されている。また、中段図柄表示領域250Bでは第3ブランク図柄が右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254L上に停止表示されている。また、下段図柄表示領域250Cでは第2ブランク図柄が右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254L上に停止表示されている。このように、第1図柄セット240乃至第3図柄セット244のどの図柄セットが変動表示されているときに停止表示されるかによって、図柄表示領域250に停止表示されるブランク図柄が異なるものとなる。
図10は、図5のS34における当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。
本実施例に係るぱちんこ遊技機10では、第1当たり、第2当たり、および第3当たりの3つの当たり態様が存在する。どの当たり態様での当たりであったかは、当否抽選手段112により取得された当否抽選値に基づいて判定される。
第1当たりであった場合、まず大当たりによる特別遊技が実行され、大当たりによる特別遊技の実行終了後、特定遊技としての確率変動遊技が開始される。大当たりによる特別遊技の実行とは、たとえば大入賞口66を開放させ、大入賞口66が30秒経過するか、あるいは大入賞口66が開放している間に9球以上大入賞口66に入球するかした場合に大入賞口66を閉鎖させる単位遊技を、15回継続することをいう。
確率変動遊技の開始とは、当否判定のために参照する当否テーブルを確率変動当否判定テーブルに設定することをいう。これによって通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。このように第1当たりは、「確率変動付き大当たり」とも呼ばれる。
第2当たりであった場合、大当たりによる特別遊技が実行され、大当たりによる特別遊技の実行終了後は確率変動遊技は開始されない。このため第2当たりは「確率変動なし大当たり」とも呼ばれる。
第3当たりは「小当たり」とも呼ばれる。第3当たりであった場合、小当たりによる特別遊技が実行され、小当たりによる特別遊技の実行終了後は確率変動遊技は開始されない。小当たりによる特別遊技の実行とは、たとえば上述の単位遊技を1回実行することをいう。
演出決定手段132は、当否抽選手段112によって取得された抽選値に基づいて第1当たりか否かを判定する(S100)。第1当たりと判定された場合(S100のY)、演出決定手段132は、第1停止態様となるよう有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する(S102)。なお、本実施例における停止態様とは、当たり表示用図柄の所定の組合せ、当たり表示用図柄と第3ブランク図柄の所定の組合せ、第3ブランク図柄の所定の組合せのいずれかの装飾図柄表示領域260における配置をいう。
ここで、第1停止態様の一例を図11(a)に示す。図11(a)に示される例では、有効ライン252上に「777」の数字の組合せで当たり表示用図柄が停止表示され、且つ全ての図柄表示領域250において右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lに第3ブランク図柄が停止表示されている。このように本実施例における第1停止態様とは、有効ライン252上に同一の数字の組合せが揃うように図柄表示領域250の各々において当たり表示用図柄が停止表示され、且つ全ての図柄表示領域250において右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lに第3ブランク図柄が停止表示される場合をいう。なお、第1停止態様がこのような停止態様に限られないことは勿論である。
このように、本実施例では、演出決定手段132は、当否抽選の結果が第1当たりであった場合、第3ブランク図柄が有効ライン252外である非有効ライン254に停止表示されるよう、有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する。このため、非有効ライン254においても当たりの組合せが配置されること遊技者に期待させることができる。
図10に戻って、第1当たりでないと判定された場合(S100のN)、演出決定手段132は、当否抽選手段112によって取得された抽選値に基づいて第2当たりか否かを判定する(S106)。第2当たりと判定された場合(S106のY)、演出決定手段132は、第2停止態様または第3停止態様となるよう有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する(S108)。第2停止態様とするか第3停止態様とするかは、当否抽選手段112によって取得された当否抽選値に基づいて判定する。
ここで、第2停止態様の一例を図11(b)に、第3停止態様の一例を図11(c)にそれぞれ示す。図11(b)に示される例では、有効ライン252上に「777」の数字の組合せで当たり表示用図柄が停止表示され、上段図柄表示領域250Aおよび中段図柄表示領域250Bでは右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lに第2ブランク図柄が停止表示され、下段図柄表示領域250Cでは右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lに第3ブランク図柄が停止表示されている。このように本実施例における第2停止態様とは、有効ライン252上に同一の数字の組合せが揃うように図柄表示領域250の各々において当たり表示用図柄が停止表示され、且ついずれかの図柄表示領域250において右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lのいずれかに第3ブランク図柄が停止表示されていない場合をいう。
このように、たとえば有効ライン252上に同じ「777」の数字の組合せが揃っても、非有効ライン254にブランク図柄がどのように停止表示されるかによって第1当たりか第2当たりかが異なることとなる。このように本実施例のぱちんこ遊技機10では、有効ライン252上に当たり図柄の組合せで装飾図柄を停止表示させたとき、非有効ライン254に停止表示されるブランク図柄の配置によって異なる当たり態様を表示することができる。なお、第2停止態様がこのような停止態様に限られないことは勿論である。
図11(c)に示される例では、上段図柄表示領域250Aに「7」の当たり表示用図柄が、中段図柄表示領域250Bに第3ブランク図柄が、下段図柄表示領域250Cに「7」の当たり表示用図柄が有効ライン252上に停止表示されている。このように本実施例における第3停止態様とは、有効ライン252上に同一の数字の組合せが揃うように上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて当たり表示用図柄が停止表示され、且つ最後に停止表示される中段図柄表示領域250Bにおいて有効ライン252上に第3ブランク図柄が停止表示される場合をいう。すなわち、本実施例において演出決定手段132は、当否抽選の結果が所定の第2当たりであった場合、有効ライン252上に揃う装飾図柄が第3ブランク図柄を含む所定の組合せとなるよう、有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する。
これによって、中段図柄表示領域250Bにおいて装飾図柄の変動表示中に、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて、有効ライン252上に同一の数字の当たり表示用図柄が停止するよう装飾図柄が停止表示され、有効ライン252上に同一の数字の当たり表示用図柄があと一つが揃えば当たりとなる状態であるリーチ状態において、中段図柄表示領域250Bにおいて変動表示の速度が遅くなり、間もなく停止表示される状態で第3ブランク図柄が変動表示されていれば、第2当たりとなる可能性は非常に高くなる。本実施例では、このようにどのブランク図柄で変動表示しているかに注目して遊技を楽しむことができる。なお、第3停止態様がこのような停止態様に限られないことは勿論である。
図10に戻って、第2当たりでないと判定された場合(S106のN)、演出決定手段132は、当否抽選手段112によって取得された抽選値に基づいて第3当たりか否かを判定する(S110)。第3当たりと判定された場合(S110のY)、演出決定手段132は、第4停止態様となるよう有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する(S112)。
ここで、第4停止態様の一例を図11(d)に示す。図11(d)に示される例のように、本実施例における第4停止態様とは、全ての図柄表示領域250に表示されるブランク図柄は第3ブランク図柄となる場合をいう。図11(d)に示される例のように、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて装飾図柄が停止表示されたときに既にリーチ状態ではなく、その後、中段図柄表示領域250Bにおいて装飾図柄が停止表示されても大当たりとはならない。しかし、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて装飾図柄が停止表示された時点で上段図柄表示領域250Aと下段図柄表示領域250Cに停止表示されているブランク図柄がすべて第3ブランク図柄であれば、小当たりとなる可能性があることになる。このように遊技者は、リーチ状態とならなくても装飾図柄が停止表示されるまで中段図柄表示領域250Bを注目して遊技を楽しむことができる。なお、第4停止態様がこのような停止態様に限られないことは勿論である。
図10に戻って、第3当たりでないと判定された場合、すなわち当否判定の結果外れと判定された場合(S110のN)、演出決定手段132は、第5停止態様となるよう有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定する(S114)。
ここで、第5停止態様の一例を図11(e)に示す。図11(e)に示される例では、有効ライン252上に「767」の数字の組合せで当たり表示用図柄が停止表示され、上段図柄表示領域250Aおよび中段図柄表示領域250Bにおいて右非有効ライン254Rおよび左非有効ライン254Lに第2ブランク図柄が停止表示され、下段図柄表示領域250Cにおいて第3ブランク図柄が停止表示されている。このように本実施例における第5停止態様とは、上述した第1停止態様乃至第2停止態様のいずれにも該当しない場合をいう。
このように、本実施例において演出決定手段132は、当否抽選の結果が所定の抽選結果による当たりであった場合、当たりを示す組み合わせの少なくとも一部として用いられる第3ブランク図柄が、装飾図柄表示領域260の中で当たりを示す所定の位置に停止表示されるよう、図柄表示領域250の各々において有効ライン上に停止表示させる停止図柄を決定する。これによって、当たりを示さない図柄として用いられてきたブランク図柄を使って当たりであることを遊技者に示すことができ、遊技者に意外な態様で当たりであることを表示することができる。
有効ライン252上に停止表示させる停止図柄が決定されると、演出決定手段132は、第3ブランク図柄を装飾図柄表示領域260における所定の位置に停止表示させるための変動パターン決定処理を実施する(S104)。変動パターン決定処理については、図12に関連して詳述する。
図12は、図10のS104における変動パターン決定処理を詳細に示すフローチャートである。
図柄決定手段114によって特別図柄192の変動パターンが決定されることにより変動時間も同時に決定される。これによって演出表示装置60に演出を表示すべき演出時間も決定される。演出決定手段132は、決定された第1特別図柄192の変動パターンを参照し、演出時間が第1演出時間か否かを判定する(S120)。第1演出時間と判定された場合(S120のY)、演出決定手段132は、演出表示装置60に表示する変動パターンを、疑似連演出の変動パターンである疑似連変動パターンに決定し、パターン記憶手段130に格納された疑似連変動パターンのうちいずれかの疑似連変動パターンを選択する(S122)。
ここで、図13に疑似連演出の一例を示す。本実施例において疑似連演出とは、1回の装飾図柄の変動中に、あたかも複数回の装飾図柄の変動が表示されたように見せる演出をいう。具体的には、疑似連演出では決定された停止図柄で装飾図柄の変動表示が停止する前に、装飾図柄の変動表示が停止したような半停止態様を変動表示中に表示させ、その後次の変動表示が開始されたように全ての図柄表示領域250において装飾図柄を変動表示させる。
この疑似連演出の例では、まず、図13の左側に示される装飾図柄表示領域260のように、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて、有効ライン252に「5」の数字の当たり表示用図柄が半停止している。このとき遊技者には、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて装飾図柄が停止表示されているように見えることから、あたかもリーチ状態となっているかのように見える。
パターン記憶手段130は、第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中の所定の位置にあるときに半停止させる疑似連変動パターンを保持している。本実施例では、演出表示制御手段134が疑似連変動パターンを演出表示装置60に表示させるとき、図13の中央に示される装飾図柄表示領域260のように、中段図柄表示領域250Bにおいて、右非有効ライン254Rに第3ブランク図柄、有効ライン252に「7」の当たり表示用図柄、左非有効ライン254L第3ブランク図柄と並ぶように半停止される。このように半停止されると、図13の右側に示される装飾図柄表示領域260のように、全ての図柄表示領域250において次の変動表示が開始されたように装飾図柄が変動表示される。
なお、このように第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中の所定の位置にあるときに半停止させる疑似連変動パターンと、第3ブランク図柄がそのような所定の位置にないときに半停止させる疑似連変動パターンがパターン記憶手段130に保持されていてもよい。この場合、第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中の所定の位置にあるときに半停止させる疑似連変動パターンは、第3ブランク図柄がそのような所定の位置にないときに半停止させる疑似連変動パターンと異なる回数(例えば多い回数)、装飾図柄の変動が表示されたように見せる演出を行うものでもよい。
パターン記憶手段130には、多数の種類の疑似連変動パターンが格納されている。疑似連演出では、たとえば半停止前ではリーチ状態とはならなかったが半停止後にリーチ状態となる、または半停止前のリーチ状態よりも半停止後のリーチ状態の方が遊技者により有利な当たりに繋がるなど、半停止前よりも半停止後の装飾図柄の変動の方が遊技者に有利と感じさせる演出を行う。このように、疑似連演出を表示させることで、遊技者にその後有利な状態になる可能性が通常より高いと感じさせることができる。
図12に戻って、第1演出時間でないと判定された場合(S120のN)、演出決定手段132は、演出時間が第2演出時間か否かを判定する(S124)。第2演出時間と判定された場合(S124のY)、演出決定手段132は、演出表示装置60に表示する変動パターンを、発展リーチ演出の変動パターンである発展リーチ変動パターンに決定し、パターン記憶手段130に格納された発展リーチ変動パターンのうちいずれかの発展リーチ変動パターンを選択する(S126)。
ここで、図14に発展リーチ演出の一例を示す。本実施例において発展リーチ演出とは、決定された停止図柄で装飾図柄の変動表示が停止する前に、装飾図柄の変動表示が一時的に停止したように表示させる半停止態様を変動表示中に表示させ、その後表示中の演出内容の発展を示すため、装飾図柄の変動表示の続きを再開させる演出をいう。
パターン記憶手段130は、第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中の所定の位置にあるときに半停止させる発展リーチ変動パターンを保持している。本実施例に係る発展リーチ演出の例では、まず、図14の左側に示される装飾図柄表示領域260のように、上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて、有効ライン252に「5」の数字の当たり表示用図柄が停止表示されている。
本実施例では、図14の中央に示される装飾図柄表示領域260のように、中段図柄表示領域250Bにおいて、右非有効ライン254Rに第3ブランク図柄、有効ライン252に「3」の当たり表示用図柄、左非有効ライン254L第3ブランク図柄と並ぶように半停止された後、再び変動表示が開始されたように中段図柄表示領域250Bにおいて装飾図柄が変動表示される。したがって、半停止の前後においてリーチ状態は維持される。
パターン記憶手段130には、多数の種類の発展リーチ変動パターンが格納されている。発展リーチ演出では、例えば背景に表示される演出のストーリーが半停止後に発展するように表示されるなどの演出を行う。なお、発展リーチ変動パターンが選択される場合のうち、当たりの態様で装飾図柄を停止表示させるためにこのような発展リーチ変動パターンが選択される割合が、通常の当否判定で当たりとなる確率よりも高いものとなっていてもよい。これによって、発展リーチ演出を表示することで、遊技者にその後有利な状態になる可能性が通常より高いと感じさせることができる。なお、このように第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中の所定の位置にあるときに半停止させる発展リーチ変動パターンと、第3ブランク図柄がそのような所定の位置にないときに半停止させる発展リーチ変動パターンがパターン記憶手段130に保持されていてもよい。
図12に戻って、第2演出時間でないと判定された場合(S124のN)、演出決定手段132は、演出表示装置60に表示する演出を通常変動演出に決定し、パターン記憶手段130に格納された通常変動演出のうち、決定された停止態様で停止表示される通常変動演出を選択する(S128)。本実施例における通常変動演出とは、まず上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cを順次停止表示させ、その後、中段図柄表示領域250Bを停止表示させる演出をいう。
演出表示装置60に表示する演出が決定されると、図5のS36の変動表示開始処理において、演出表示制御手段134は、決定された変動パターンを演出表示装置60へ表示させる。その後、演出表示制御手段134は、決定された停止態様が装飾図柄表示領域260に停止表示されるよう装飾図柄を停止表示させる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下にそのような変形例を示す。
ある変形例では、演出決定手段132は、当否抽選の結果が所定の抽選結果による当たりであったときに特別図柄表示装置61における特別図柄の変動表示回数が所定の回数に達していた場合、第1図柄セット乃至第2図柄セットを順次差し替えるように装飾図柄を変動表示させるとともに第3ブランク図柄を、たとえば当たりを示す位置や、疑似連演出であることを示す位置、または発展リーチであることを示す位置などの所定の位置に停止表示させる変動パターンを選択する。この変形例では、特別図柄の変動表示回数が所定の回数に達していない場合は、第1図柄セットのみを変動表示させ、第2図柄セット、および第3図柄セットに差し替えて装飾図柄を変動表示しない。これによって、変動表示回数を増やすことにより自己に有利な状態となる可能性を高めることができるように遊技者に感じさせることができ、変動表示回数にも注目した新たな楽しみ方を遊技者に提供することができる。
別の変形例では、第1ブランク図柄、第2ブランク図柄、第3ブランク図柄として小、中、大の星の形状ではなく、他の形状のブランク図柄が採用される。また、第1ブランク図柄、第2ブランク図柄、第3ブランク図柄の色として、青、赤、レインボーなどの色を使用してもよい。演出決定手段132は、第2ブランク図柄から、第2ブランク図柄と色または模様が異なる第3ブランク図柄に差し替えるように装飾図柄を変動表示させる変動パターンを選択してもよい。また、演出決定手段132は、第2ブランク図柄から、第2ブランク図柄と形状が異なる第3ブランク図柄に差し替えるように装飾図柄を変動表示させる変動パターンを選択してもよい。また、上述の実施例では3種類のブランク図柄が用いられる例を説明したが、3種類のブランク図柄に限られることなく、2種類または4種類以上のブランク図柄が用いられてもよい。
別の変形例では、一つの図柄セットに単一のブランク図柄が含められるのではなく、一つの図柄セットを変動表示させているときに、個々のブランク図柄を差し替えるように変動表示させる。これによって、多様なブランク図柄の変動表示を実現することが可能となる。
別の変形例では、リーチ状態となったときに上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて停止表示されているブランク図柄すべてが第3ブランク図柄である場合に当たりとなる期待度が高いものとされており、同じくリーチ状態となったときに上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて停止表示されているブランク図柄すべてが第2ブランク図柄である場合当たりとなる期待度が次に高いものとされている。
具体的には、パターン記憶手段130には、同じくリーチ状態となったときに上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて停止表示されているブランク図柄すべてが第2ブランク図柄となる変動パターンが格納されている。このような変動パターンが選択される場合のうち、当たりの態様で装飾図柄を停止表示させるためにこのような変動パターンが選択される割合は、通常の当否判定で当たりとなる確率よりも高いものとなっている。したがって、このように第2ブランク図柄が表示されてリーチ状態となったときに、遊技者は当たりとなる期待度が高いと感じることができる。
また、パターン記憶手段130には、同じくリーチ状態となったときに上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて停止表示されているブランク図柄すべてが第3ブランク図柄となる変動パターンが格納されている。このような変動パターンが選択される場合のうち、当たりの態様で装飾図柄を停止表示させるためにこのような変動パターンが選択される割合は、リーチ状態となったときに上段図柄表示領域250Aおよび下段図柄表示領域250Cにおいて停止表示されているブランク図柄すべてが第2ブランク図柄となる変動パターンが選択される上述の割合よりも高いものとされている。したがって、このように第3ブランク図柄が表示されてリーチ状態となったときに、遊技者は当たりとなる期待度がさらに高いと感じることができる。
別の変形例では、パターン記憶手段130は、決定された停止態様が装飾図柄表示領域260に停止表示されたとき、当たりを示す組合せとして用いられた第3ブランク図柄に変化を与えて、その第3ブランク図柄が当たりを示す組合せとして用いられたことを遊技者に報知する変動パターンを格納する。このとき第3ブランク図柄は、色彩、形状、大きさ、模様のいずれかが変化する。これによって、遊技者は当たりを示す組合せとして用いられた第3ブランク図柄を把握することができ、当たりを示す組合せとして用いられる第3ブランク図柄およびその停止態様を経験的に把握することができる。
別の変形例では、当否抽選の結果が所定の当たりであった場合、演出決定手段132は、第3ブランク図柄が装飾図柄表示領域260の中で当たりを示す所定の位置に停止表示されるよう、有効ライン252上に停止表示させる停止図柄を決定すると共に、特定遊技実行手段122は、その大当たりの特別遊技の実行終了後、特定遊技としての時短遊技を開始する。時短中では、メイン表示制御手段118は、所定の回数を特別図柄が変動するまで、時短でない通常の状態と比べて短い変動時間で特別図柄を変動させる。また、時短中は、開閉制御手段124は、時短でない通常の状態と比べて短い開放時間で始動口62を開放させる。このため、時短中は、時短でない通常の状態に比べて遊技球が始動口62に落入しやすくなり、同じ時間内では時短でない通常の状態よりも当否判定が当たりとなる可能性が高くなる。なお、このとき特定遊技実行手段122は、当否抽選の結果が他の所定の当たりであった場合、上記の特別図柄の変動回数と異なる(例えば少ない)所定回数を特別図柄が変動するまで時短を継続させてもよい。