(実施例1)
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技とがあり、互いに遊技性を打ち消し合わないよう片方ずつ実行される。またこれらの遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプ、複数の大入賞口を備える。
図1は、ぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。以下、弾球遊技機として従来にいういわゆる第1種ぱちんこ遊技機を例に説明する。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、第1始動入賞口(以下、「第1始動口」という)62、第2始動入賞口(以下、「第2始動口」という)63、第3始動入賞口(以下、「第3始動口」という)67、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する始動入賞口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動入賞口として設けられる。第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。第3始動口67は、始動入賞検出装置77と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置77は、第3始動口67への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第3始動入賞情報を生成する。
第1始動口62と第3始動口67は第1の遊技に対応する点で機能が共通するが、それぞれへの入球に対する賞球数が異なる。たとえば第1始動口62の賞球数が「3」に設定されるのに対して、第3始動口67の賞球数が「7」に設定されるなど、賞球数に差を設けることにより多様な遊技性を実現する。第1始動口62は第3始動口67の入口を覆うような位置に設けられているので、第3始動口67は普通電動役物65が開放されなければ遊技球が入球しない構造となっている。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、第2大入賞口92は第2の遊技に対応する大入賞口として設けられる。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の左上方の位置に設けられる。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の態様にて停止したときに「大当たり」として開放状態となる横長方形状の入賞口である。第2大入賞口92はアウト口58の右上方の位置に設けられる。
遊技領域52の略中央に演出表示装置60が設けられ、その左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の落入を契機として実行される抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第1特別遊技としての大当たりが発生する。第1特別図柄表示装置70は、例えば7セグメントLEDで構成される表示手段であり、第1特別図柄192は例えば「0」〜「9」の10種類の数字に加え、「−」の図柄の合計11種類の図柄が表示される。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の落入を契機として実行される抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当たり態様にて停止されたときに第2特別遊技としての大当たりが発生する。第2特別図柄表示装置71は、例えば「○」と「×」のマークが交互に点灯するランプで構成される表示手段であり、第2特別図柄193は「○」と「×」の2種類のマークで表される。
演出表示装置60の画面には第1の遊技に対応する第1領域194と第2の遊技に対応する第2領域195が設定される。第1領域194には第1特別図柄192に連動する第1装飾図柄190を含む演出画像の変動が表示され、第2領域195には第2特別図柄193に連動する第2装飾図柄191を含む演出画像の変動が表示される。第1領域194と第2領域195は、それぞれの背景に対照的な色を施して視覚的に区別させてもよい。演出表示装置60は、たとえば液晶ディスプレイである。第1装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第1の遊技に対応する。第2装飾図柄191は、第2特別図柄193で示される抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、第2の遊技に対応する。演出表示装置60は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を画面の中央領域に表示する。演出表示装置60は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、ドラムなど機械式回転装置やLEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例では演出表示装置60の左下方の第1特別図柄表示装置70および右下方の第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄を演出表示装置60のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
作動口68は、遊技盤50の左側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第3始動口67の普通電動役物65を拡開させるための抽選の契機となる。
遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当たりながらその当たり方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62または第3始動口67に落入すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に落入すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、第1装飾図柄190、第2装飾図柄191の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。停止時の第1特別図柄192および第1装飾図柄190が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第1特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第1装飾図柄190は、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。停止時の第2特別図柄193および第2装飾図柄191が当たり態様であった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である第2特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。このときスロットマシンのゲームを模した第2装飾図柄191もまた、3つの図柄を一致させるような表示態様をとる。
第1大入賞口91および第2大入賞口92は、約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉が所定回数、例えば、2回、4回、6回、8回、15回など第1抽選または第2抽選の結果に応じた回数の開放が繰り返される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、特別遊技の終了後に特定遊技として確率変動遊技(以下、「確変」という)や変動時間短縮(以下、「時短」という)が開始される。確変中は、通常の確率状態より当たりの確率が高い抽選が行われ、比較的早期に新たな特別遊技が発生する。時短は、所定の終期、たとえば第1特別図柄192または第2特別図柄193が100回変動するまで継続される。時短中は、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間が概ね短縮される。
作動口68を遊技球が通過すると、所定時間、普通図柄と呼ばれる図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。普通図柄表示装置59は演出表示装置60の右方に設けられる。所定時間の経過後に普通図柄の変動表示が所定の当たり態様にて停止すると、第3始動口67の普通電動役物65が所定時間拡開する。通常状態においては、普通図柄が当たり態様で停止する確率は低確率に設定されるが、時短中にはその確率が高確率に変動する。そのため、通常状態においては第3始動口67の普通電動役物65が開放される確率も低いが、時短中にはその開放される確率が高くなる。また時短中においては、普通図柄の変動表示時間が短縮されるとともに、普通電動役物65が開放状態となる時間が相対的に長くなるよう設定される。このように、時短中以外は普通電動役物65が開放されにくいのに対し、時短中は普通電動役物65が開放されやすく、しかも開放される回数や開放時間も増加する。したがって、時短中であるか否かで第3始動口67への入球容易性が大きく異なり、その結果時短中であるか否かによって始動入賞口への入賞に対する出玉に大きな差が生じる。時短中は遊技者が出玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができるので、時短中であるか否かに応じて異なる遊技性を実現することができる。
演出表示装置60の周囲には、センター飾り64が設けられる。センター飾り64は、遊技球の流路、演出表示装置60の保護、装飾等の機能を有する。センター飾り64は、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が下部左側に設けられ、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が下部右側に設けられ、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が左側部に設けられている。第1特図保留ランプ20および第2特図保留ランプ21は、それぞれ4個のランプからなり、それぞれの点灯個数によって第1の遊技および第2の遊技のそれぞれにおける当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。普図保留ランプ22もまた4個のランプからなり、その点灯個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。また遊技効果ランプ90が遊技領域52に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40はぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、演出表示装置60における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。セット基盤39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御するメイン基板102と、図柄の演出等を制御するサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、当否抽選手段112、図柄決定手段114、テーブル保持手段115、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、作動条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断し、第3始動入賞情報を受け取ると遊技球が第3始動口67に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
当否抽選手段112は、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136を含む。第1抽選手段126は、第1始動口62または第3始動口67への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第1特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第1の当否抽選値として取得する。第2抽選手段128は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として、通常遊技より遊技者に有利な状態である第2特別遊技へ移行するか否かを判定するために乱数の値を第2の当否抽選値として取得する。たとえば、第1と第2の当否抽選値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。普図抽選手段136は、作動口68を遊技球が通過したときに普図抽選値を取得する。各抽選値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない場合にだけ当否抽選値または普図抽選値が取得され、保留される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、当否判定で参照する当否テーブルを複数保持する。複数の当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、通常時には通常確率による当否判定のための当否テーブルを参照し、確変時には通常確率より当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。具体的には、非確変時の当否テーブルにおいては例えば0〜255の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。確変時の当否テーブルにおいては、例えば0〜2500の範囲の当否抽選値が当たりと判定される。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、複数の当否テーブルのうちいずれかを参照し、当否抽選値が当たりであるか否かを判定する。第1抽選手段126および第2抽選手段128は、それぞれが当否テーブルを複数ずつ保持してもよいし、あるいは、複数の当否テーブルを第1抽選手段126と第2抽選手段128とで共用してもよい。それぞれが保持する場合、第1抽選手段126が保持する複数の当否テーブルと第2抽選手段128が保持する複数の当否テーブルは内容が同じである。確変時には、第1抽選手段126と第2抽選手段128の双方とも当たりの確率が高い当否テーブルを参照する。普図抽選手段136もまた、普通図柄抽選の当否を判定するときに参照する普図当否テーブルを複数保持する。複数の普図当否テーブルには、当たりまたは外れの判定結果と普図抽選値とが対応付けられており、対応付けられた当たりの範囲設定に応じて当否確率が定まる。普図抽選手段136は、通常時には通常確率による当否判定のための普図当否テーブルを参照し、時短時には通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。
第1抽選手段126による判定結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の形で変動表示され、演出表示装置60の第1領域194において第1装飾図柄190の形で変動表示される。第2抽選手段128による判定結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の形で変動表示され、演出表示装置60の第2領域195において第2装飾図柄191の形で変動表示される。普図抽選手段136による判定結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。
図柄決定手段114は、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、演出表示装置60に表示させる停止図柄と変動パターンを、当否抽選手段112による抽選の結果に応じて決定する。また、図柄決定手段114は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を抽選により決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示すべき図柄である。図柄決定手段114は、特別図柄や普通図柄の停止図柄および変動パターンを選択するときに、テーブル保持手段115に保持された各種テーブルを参照する。テーブル保持手段115の詳細を図4に示す。テーブル保持手段115は、図柄テーブル保持手段200と変動パターン保持手段202を含む。図柄テーブル保持手段200は、特別図柄や普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄テーブルを保持する。第1特別図柄192を決定するためのテーブルとして第1図柄テーブル204が保持され、第2特別図柄193を決定するためのテーブルとして第2図柄テーブル206が保持される。また、普通図柄表示装置59に表示する普通図柄を決定するためのテーブルとして普図テーブル208が保持される。第1図柄テーブル204には、例えば「0」〜「9」の数字および「−」の図柄で表される第1特別図柄192と図柄決定抽選値との対応関係が定められている。第2図柄テーブル206には、「○」および「×」のマークで表される第2特別図柄193と当否抽選値との対応関係が定められている。また、普図テーブル208には、例えば「赤」および「緑」のLEDで構成されるマークで表される普通図柄と普通図柄決定抽選値との対応関係が定められている。テーブル保持手段115は、変動パターンを決定するために参照すべきテーブルを変動パターン保持手段202に保持する。第1特別図柄192の変動パターンを決定するためのテーブルとして、第1変動テーブル保持手段210には第1変動パターンテーブル214が保持され、第2特別図柄193の変動パターンを決定するためのテーブルとして、第2変動テーブル保持手段212には第2変動パターンテーブル216が保持される。なお、第1変動パターンテーブル214と、第2変動パターンテーブル216は、変動パターンの特徴や変動パターンと変動パターン抽選値との対応付けの特徴が異なるテーブルとすることが好ましい。例えば、本実施例のぱちんこ遊技機10においては、第1変動パターンテーブル214として、第2変動パターンテーブル216に基づいて選択される場合と比べて変動時間の長い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持している。また、第2変動パターンテーブル216として、第1変動パターンテーブル214に基づいて選択される場合と比べて変動時間の短い変動パターンの選択確率が高くなるように規定されたテーブルを保持している。ここで、「長い変動パターン」と「短い変動パターン」とは、相対的な長さの違いとすることができる。「長い変動パターン」は、例えば30秒以上のように遊技者が感覚的に長い変動であると感じる長さとすることができる。また、「短い変動パターン」は、例えば3秒以下のように遊技者が感覚的に短い変動であると感じる長さとすることができる。長い変動パターンを選択した場合、いわゆる「スーパーリーチ」や「ロングリーチ」による演出ができる。なお、「スーパーリーチ」や「ロングリーチ」で演出する場合、単位時間あたりで変動できる回数が低下する。そのため、「長い変動パターン」は、単位時間あたりの特別遊技発生の確率を実質的に低くすることができる変動パターンであるとすることができる。一方、短い変動パターンを選択した場合、当否抽選の消化効率の高い遊技を演出することできる。つまり、「短い変動パターン」は、単位時間あたりで変動できる回数が増加するため、単位時間あたりの特別遊技発生の確率を実質的に高くすることができる変動パターンであるとすることができる。なお、変形例においては、両者を実質的に同等の特徴のテーブルとしてもよい。普通図柄表示装置59に表示する普通図柄の変動パターンを決定するためのテーブルとして、普図変動テーブル保持手段218には普図変動パターンテーブル220が保持される。
図柄決定手段114は、第1図柄決定手段138、第2図柄決定手段140、普図決定手段142を含む。第1図柄決定手段138は、第1特別図柄192を決定するための図柄決定抽選値を取得し、第1図柄テーブル204を参照し、第1抽選手段126による当否判定結果と図柄決定抽選値とに応じて第1特別図柄192の停止図柄を決定する。また、第1図柄決定手段138は、第1変動パターンテーブル214を参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193を決定するために当否抽選手段112による当否判定結果に応じて、第2図柄テーブル206を参照し第2特別図柄193の停止図柄を決定する。また、第2図柄決定手段140は、第2変動パターンテーブル216を参照し、当否抽選手段112による当否判定結果に応じて複数の変動パターンからいずれかのパターンを選択する。第1図柄決定手段138および第2図柄決定手段140は、決定した停止図柄および変動パターンを示すデータをメイン表示制御手段118および演出決定手段132へ送出する。
第1変動テーブル保持手段210および第2変動テーブル保持手段212は、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動態様が定められた複数種の変動パターンを記憶する。複数種の変動パターンは、長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。
普図決定手段142は、遊技球が作動口68を通過した場合に、普通図柄を決定するための抽選乱数を取得する。そして、その抽選乱数に応じて普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を普図テーブル208から選択し決定する。また、普図変動テーブル保持手段218の普図変動パターンテーブル220を参照し、普通図柄の変動パターン、つまり、変動時間を決定する。普通図柄の停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段124が第3始動口67の普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1抽選手段126により取得された第1の当否抽選値を保留球として保持する。第2保留手段146は、第2抽選手段128により取得された第2の当否抽選値を保留球として保持する。普図保留手段147は、普図抽選手段136により取得された普図抽選値を保留球として保持する。第1と第2の当否抽選値と普図抽選値は、それぞれの保留数が所定の上限に達するまで蓄積される。保留数の上限はそれぞれ4である。第1保留手段144により保留された第1の当否抽選値の数は第1特図保留ランプ20におけるランプの点灯数で表され、第2保留手段146により保留された第2の当否抽選値の数は第2特図保留ランプ21におけるランプの点灯数で表され、普図保留手段147により保留された普図抽選値の数は普図保留ランプ22におけるランプの点灯数で表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、特図調整手段152、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による抽選の結果である第1特別図柄192を変動表示として第1特別図柄表示装置70に表示させる。このときの変動表示は、第1図柄決定手段138が第1変動パターンテーブル214を参照することにより決定した変動パターンにしたがって実行される。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による抽選の結果である第2特別図柄193を変動表示として第2特別図柄表示装置71に表示させる。このときの変動表示は、第2図柄決定手段140が第2変動パターンテーブル216を参照することにより決定した変動パターンにしたがって実行される。第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信することにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。このときの変動表示は普図決定手段142が普図変動パターンテーブル220を参照することにより決定した変動パターンにしたがって実行される。
特図調整手段152は、通常状態においては調整モードを第1調整モードに設定し、特定遊技が実行されるときは調整モードを第2調整モードに設定する。特図調整手段152は、第1調整モードと第2調整モードでその処理内容が異なる。以下、モード別に説明する。
まず、第1調整モードにおける特図調整手段152の処理内容を説明する。第1調整モードにおける特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。特図調整手段152は、第1始動口62または第3始動口67、および、第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させる。たとえば、第1始動口62、第1始動口62、第2始動口63の順序で入球したときは、第1特別図柄192、第1特別図柄192、第2特別図柄193の順序で変動表示される。特図調整手段152は保留制御手段116を監視して当否抽選値の保留順序を記憶する。どちらの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順、すなわち保留制御手段116における当否抽選値の保留順序にしたがって決定されるので、遊技者は変動の順序を視覚的に把握しやすい。これにより、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
なお、変形例においては、第1調整モードにおける特図調整手段152が第1特別図柄の変動表示と第2特別図柄の変動表示とを交互に優先してもよい。たとえば第1保留手段144および第2保留手段146のうちいずれかにだけ当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄および第2特別図柄のうち一方のみが連続して変動表示され得る。しかし、第1保留手段144と第2保留手段146の双方に当否抽選値が保留されているときは、第1特別図柄と第2特別図柄とが交互に変動表示される。このように、変形例においては第1特別図柄192と第2特別図柄193は同時には変動表示されないので、遊技者は複数の遊技性のそれぞれを個別に把握しやすい。また、いずれの特別図柄を変動させるべきかが遊技球の入球順に関係なく単純に交互に入れ替わるので、遊技者は変動の順序を感覚的に把握しやすい。
第1調整モードにおける特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたときは他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
次に、第2調整モードにおける特図調整手段152の処理内容を説明する。第2調整モードにおける特図調整手段152は、通常遊技においては第1特別図柄192および第2特別図柄193を同時並行的に変動表示させる。すなわち、通常遊技においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方が変動表示中であっても他方の変動表示開始を妨げない。
第2調整モードにおける特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当たり態様で停止されたとき、他方の変動表示がなされていない場合はその変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示はあらたに開始されず、また、特別遊技が同時にもう一つ発生することもないので、遊技者は一つの特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの特別遊技の遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
第2調整モードにおける特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合は、一方の図柄を強制的に外れの態様で停止させる。たとえば第1特別図柄192の変動表示中に第2特別図柄193が当たり態様で変動停止された場合は、第1特別図柄192の変動表示は強制的に外れの態様で停止させる。同様に、第2特別図柄193の変動表示中に第1特別図柄192が当たり態様で変動停止された場合は、第2特別図柄193の変動表示を強制的に外れの態様で停止させる。外れの態様で停止させる制御方法としては、たとえば一方の特別図柄が当たり態様にて停止するタイミングで他方の特別図柄の変動を同時に停止させる方法を用いてもよい。このとき、強制停止する特別図柄の変動パターン、つまり選択された変動時間は破棄されることになる。ただし、同時に停止させてしまうと他方の特別図柄も当たり態様になってしまう場合には、外れ態様が停止図柄として表示されるまで変動を延長する、いわゆる「すべり」の手法を用いてもよい。また、外れの態様で停止させる別の方法としては、たとえば強制停止の対象となる特別図柄がもともと外れ態様の停止図柄にて停止される予定であった場合、変動表示中の特別図柄をただちにその停止図柄で置き換えて停止させる方法を用いてもよい。このときも、強制停止する特別図柄の変動パターン、つまり選択された変動時間は破棄されることになる。このとき、もし停止予定の停止図柄が当たり態様であった場合は、その停止図柄を外れ態様の停止図柄に変更した上で、変動表示中の特別図柄をただちに変更後の停止図柄で置き換えて停止させてもよい。変更の結果、特別遊技へ移行すべきことを示すフラグはオンされない。この場合、各特別図柄で別々の変動パターンテーブルを利用しているので、一方の変動パターンを破棄したり変更しても変動パターン同士が干渉することなく、スムーズに外れ態様の停止処理が行える。
なお、変形例においては、特図調整手段152は以下のとおり処理してもよい。すなわち、第2調整モードにおける特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合、変動中の特別図柄に関しては当たりによって発生した特別遊技が終了するまで変動表示をそのまま継続させる。この場合、第1特別図柄192または第2特別図柄193の変動時間を計測するタイマの進行を一時停止することによって変動状態を継続させる。たとえば、第1特別図柄192の変動表示中に第2特別図柄193が当たり態様で変動停止された場合、第1特別図柄192の変動表示を第2特別遊技が終了するまで継続させる。同様に、第2特別図柄193の変動表示中に第1特別図柄192が当たり態様で変動停止された場合は、第2特別図柄193の変動表示を第1特別遊技が終了するまで継続させる。この場合、各特別図柄で別々の変動パターンテーブルを利用しているので、一方の変動パターンを変更しても変動パターン同士が干渉することなく、スムーズに変動継続の処理ができる。
このように、第1調整モードでは第1特別図柄192と第2特別図柄193が片方ずつ変動表示されるのに対し、第2調整モードでは第1特別図柄192と第2特別図柄193が同時並列的に変動表示される。したがって、調整モードの切替によって、第1特別図柄192と第2特別図柄193を合わせた全体的な図柄変動の回数、すなわち抽選の回数を一時的に増加させるといった制御が可能となる。これにより特定遊技状態であるか否かに応じて遊技性を変化させることができる。
作動条件保持手段176は、第1作動条件保持手段178および第2作動条件保持手段180を含む。第1作動条件保持手段178は、第1特別遊技へ移行するための条件である第1作動条件を保持する。第2作動条件保持手段180は、第2特別遊技へ移行するための条件である第2作動条件を保持する。第1作動条件および第2作動条件は、特別遊技制御手段120によって参照され、いずれかの作動条件が成立したときに特別遊技が実行される。
特別遊技制御手段120は、第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156を含む。第1特別遊技制御手段154は、第1抽選手段126による当否抽選結果が当たりである場合、第1特別図柄192が所定の当たり態様で停止されたときに第1作動条件が成立したと判定し、第1大入賞口91を開放させることにより第1特別遊技を実行する。第2特別遊技制御手段156は、第2抽選手段128による当否抽選結果が当たりである場合、第2特別図柄193が所定の当たり態様で停止されたときに第2作動条件が成立したと判定し、第2大入賞口92を開放させることにより第2特別遊技を実行する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、1回の開閉を単位とした1回または複数回の単位遊技で構成される。単位遊技は例えば15回を上限として繰り返され、1回の単位遊技において第1大入賞口91または第2大入賞口92を約30秒間開放させる。なお、以下の説明では、単位遊技の継続回数を「継続ラウンド数」といい、現在実行されている単位遊技が何ラウンド目であるかを示す場合は、単に「ラウンド数」という。特別遊技制御手段120は、第1特別遊技の単位遊技の継続ラウンド数や開放時間を、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192に応じて決定してもよい。特別遊技制御手段120は、第2特別遊技の単位遊技の回数や開放時間を、所定の抽選値に応じて決定してもよい。第1特別遊技制御手段154および第2特別遊技制御手段156は、単位遊技の継続回数を消化したときに特別遊技を終了させる。
特定遊技実行手段122は、確変および時短の状態における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、第1図柄決定手段138により決定された第1特別図柄192が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを第1特別図柄192の種類に応じて決定する。すなわち、第1特別図柄192が所定の図柄、たとえば「奇数の数字」であった場合に特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させることを決定する。また、特定遊技実行手段122は、第2図柄決定手段140により決定された第2特別図柄193が当たり態様であった場合に、特別遊技後の遊技状態を確変状態へ移行させるか否かを所定の抽選により決定する。すなわち、第2特別図柄193が「○」であった場合に所定の抽選を実行し、その抽選値に応じて確変への移行を決定する。この抽選値に応じた決定の結果は、たとえば演出表示装置60の画面に表示させてもよいし、表示させなくてもよい。確変状態は原則として次の大当たりが発生するまで続行され、その間は当否抽選手段112による当たり判定の確率が高い値のまま維持される。また、特定遊技実行手段122は、第1特別遊技および第2特別遊技のうちいずれかが終了した後、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示回数が所定回数、たとえば100回に達するまで、遊技状態を時短状態へ移行させる。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、図柄決定手段114が変動時間の短い変動パターンを選択する。普図抽選手段136は、時短中においては通常確率より当たりの確率が高い普図当否テーブルを参照する。これにより、時短中には第3始動口67の普通電動役物65が高い確率で開放される。
開閉制御手段124は、第3始動口67の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第3始動口67を開放させる。また、開閉制御手段124は、特別遊技中、大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160を含む。第1パターン記憶手段158および第2パターン記憶手段160は、装飾図柄を含む演出画像の変動パターンとして複数の変動パターンデータを保持する。
演出決定手段132は、第1演出決定手段162および第2演出決定手段164を含む。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄と変動パターンを、第1抽選手段126による抽選の結果、第1特別図柄192の停止図柄、第1特別図柄192の変動パターンに応じて決定する。第1演出決定手段162は、第1装飾図柄190の停止図柄を決定するために参照すべき図柄テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄と変動パターンを、第2抽選手段128による抽選の結果、第2特別図柄193の停止図柄、第2特別図柄193の変動パターンに応じて決定する。第2演出決定手段164は、第2装飾図柄191の停止図柄を決定するために参照すべき図柄テーブルや、変動パターンを決定するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、たとえば第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技への移行を示す場合は「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。例えば、第1装飾図柄190のように特別図柄が数字で表現される場合、第1特別図柄192と同じ数字が選ばれるのが好ましい。たとえば、第1特別図柄192が「3」の場合は第1装飾図柄190が「333」となる。また、第2特別図柄のように特別図柄が「○」と「×」で表現される場合、特別図柄として「○」が決定されるときに行われる抽選の結果に応じて「555」や「888」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。第1抽選手段126または第2抽選手段128による判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せが選択される。ただし、当否判定結果が特別遊技へ移行しない旨を示す場合であって、リーチ付きの外れを示す特別図柄の変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。第1演出決定手段162および第2演出決定手段164は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191の停止図柄と演出画像の変動パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。
演出画像の変動パターンには、演出画像の変動表示態様、すなわち演出画像の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい演出画像の変動パターンを選択する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168、第2演出制御手段170、演出調整手段172、および領域設定手段174を含む。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第1領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の当否抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって演出画像として演出表示装置60の第2領域195に変動表示させる。
領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において第1領域194および第2領域195を設定する。第1領域194および第2領域195は、同じ画面内に並べられるように、または、重ね合わされるように設定されてもよい。本実施例においては、演出表示装置60として単一の表示装置を例示するが、変形例においては複数の表示装置で複合的に構成させてもよい。その場合、第1領域194と第2領域195はそれぞれ別個の表示装置に設定されてもよい。領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において、第1領域194を第2始動口63よりも第1始動口62および第3始動口67に近い位置へ設定し、第2領域195を第1始動口62および第3始動口67よりも第2始動口63に近い位置へ設定する。本実施例においては、第1始動口62および第3始動口67が左側に設けられ、第2始動口63が右側に設けられているのに合わせて、第1領域194が左側に設けられ、第2領域195が右側に設けられる。これにより、第1領域194と第1始動口62および第3始動口67とが対応し、第2領域195と第2始動口63とが対応する関係が遊技者にとって感覚的に把握しやすい。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
演出調整手段172は、通常状態においては調整モードを第1調整モードに設定し、特定遊技が実行されるときは調整モードを第2調整モードに設定する。演出調整手段172は、第1調整モードと第2調整モードでその処理内容が異なる。以下、モード別に説明する。
第1調整モードにおける演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の進行を規制する。演出調整手段172は、たとえば第1装飾図柄190の変動表示が開始された場合、第1装飾図柄190の変動が停止されるまで第2装飾図柄191の変動表示開始を待機させてもよいし、第2装飾図柄191を変動表示させたまま第1装飾図柄190の変動が停止されるまでその状態を継続させてもよい。第2装飾図柄191を変動表示させたままの状態を継続する場合、たとえば第2装飾図柄191の変動時間を計測するタイマの進行を一時停止することによって変動状態を維持してもよい。
次に、第2調整モードにおける演出調整手段172の処理内容を説明する。第2調整モードにおける演出調整手段172は、通常遊技においては第1装飾図柄190および第2装飾図柄191を同時並行的に変動表示させる。すなわち、通常遊技においては、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方が変動表示中であっても他方の変動表示開始を妨げない。演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち、一方が当たり態様で停止されたとき、他方の変動表示がなされていない場合はその変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は装飾図柄の変動表示はあらたに開始されず、また、特別遊技が同時にもう一つ発生することもないので、遊技者は一つの特別遊技に集中することができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの特別遊技の遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合は、一方の図柄を強制的に外れの態様で停止させる。たとえば第1装飾図柄190の変動表示中に第2装飾図柄191が当たり態様で変動停止された場合は、第1装飾図柄190の変動表示は強制的に外れの態様で停止させる。同様に、第2装飾図柄191の変動表示中に第1装飾図柄190が当たり態様で変動停止された場合は、第2装飾図柄191の変動表示を強制的に外れの態様で停止させる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御し、とくに複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
なお、変形例においては、特図調整手段152は以下のとおり処理してもよい。すなわち演出調整手段172は、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方の図柄が変動表示されている間に他方の図柄が当たり態様にて変動停止された場合、変動中の装飾図柄に関しては当たりによって発生した特別遊技が終了するまで変動表示をそのまま継続させる。この場合、第1装飾図柄190または第2装飾図柄191の変動時間を計測するタイマの進行を一時停止することによって変動状態を継続させる。たとえば、第1装飾図柄190の変動表示中に第2装飾図柄191が当たり態様で変動停止された場合、第1装飾図柄190の変動表示を第2特別遊技が終了するまで継続させる。同様に、第2装飾図柄191の変動表示中に第1装飾図柄190が当たり態様で変動停止された場合は、第2装飾図柄191の変動表示を第1特別遊技が終了するまで継続させる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御し、とくに複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避する。これにより遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
上述したように、特別図柄の変動パターンは、第1変動パターンテーブル214および第2変動パターンテーブル216を用いて選択される。そして、演出決定手段132は、選択された変動パターンの変動時間と等しい変動時間の変動パターンを有する装飾図柄の演出画像を選択する。例えば、装飾図柄を用いた演出として、通常の外れ図柄を表示するパターンや、あと一つ図柄が揃えば大当たりとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するパターンや、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンを選択する。これら全て、特別図柄の変動時間と一致する変動時間を有する装飾図柄演出パターンとなっている。つまり、装飾図柄の変動パターンは、特別図柄の変動パターンに関連して選択される。なお、上述した第2調整モードにおいて、一方の特別図柄の変動中に他方の特別図柄が当たり態様で停止した場合、変動中の特別図柄で選択されている変動パターンを破棄、変更、または変動時間の経過計測のタイマを停止するなどして、特別図柄の外れ態様の停止や変動を継続する。これに対応して装飾図柄の変動および停止も決定される。
図5には、第1図柄決定手段138が第1特別図柄192を決定するときに参照する第1図柄テーブル204の一例が示されている。第1図柄テーブル204は、テーブル保持手段115に保持され、第1特別図柄表示装置70として配置される7セグメントLED表示装置で表示する第1特別図柄192の停止図柄となる候補図柄を複数保持している。第1図柄テーブル204が保持する当たり停止図柄の数は、第1抽選手段126の第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上とすることが好ましい。例えば、第1抽選の当たりの種類が10種類ある場合、当たり停止図柄は、「0」〜「9」のように10個またはそれ以上準備される。この他、第1図柄テーブル204は第1抽選の結果が「外れ」の場合を表す「外れ図柄」を含んでいる。外れ図柄は、複数種類準備してもよいし1種類でもよい。第1図柄テーブル204は、例えば第1抽選手段126の当否抽選の結果が「外れ」であった場合に表示する特別図柄の候補図柄として、「−」を有する。また、第1抽選手段126の当否抽選の結果が「当たり」であった場合に表示する特別図柄の候補図柄として、「0」〜「9」を有する。なお、第1図柄テーブル204が保持する候補図柄の種類および数は、適宜増減してもよく、ぱちんこ遊技機10の仕様に応じて変更可能である。第1図柄決定手段138は、第1抽選手段126による抽選の結果に基づき、第1特別図柄192の停止図柄を決定するための抽選乱数として図柄抽選乱値を取得する。この図柄抽選値は、例えば「0」から「255」の値範囲から取得される。なお、このときの乱数は数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。
第1抽選手段126の抽選結果が「外れ」の場合、図柄抽選値が「0〜255」のいずれが取得された場合でも、特別図柄は、外れを示す「−」が決定される。この場合、特別遊技への移行はないので、確変および特別遊技の継続ラウンド数の設定は行われない。一方、第1抽選手段126の抽選結果が「当たり」の場合で、例えば図柄抽選値が「0〜30」の場合、特別図柄は、当たりを示す「0」が決定される。前述したように、第1図柄テーブル204が保持する当たり停止図柄の数は、第1抽選手段126の第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上であるので、第1抽選により表現され得る当たりの種類は、準備された複数の候補図柄で全て表現できることになる。したがって、特別図柄が「0」と決定された場合には、「特別遊技への移行:あり」、「確変:なし」、「特別遊技の継続ラウンド数:2ラウンド継続」という特別遊技に関する情報が特別図柄「0」のみで表現される。同様に、第1抽選手段126の抽選結果が「当たり」の場合で、図柄抽選値が「31〜55」の場合、特別図柄は、当たりを示す「1」が決定される。特別図柄が「1」の場合、「特別遊技への移行:あり」、「確変:あり」、「特別遊技の継続ラウンド数:4ラウンド継続」という特別遊技に関する情報が表現される。また、第1抽選手段126の抽選結果が「当たり」で、図柄抽選値が「56〜80」の場合、特別図柄は、「2」が決定され、「特別遊技への移行:あり」、「確変:なし」、「特別遊技の継続ラウンド数:6ラウンド継続」という情報が表現される。また、抽選結果が「当たり」で、図柄抽選値が「81〜105」の場合、特別図柄は、「2」3決定され、「特別遊技への移行:あり」、「確変:あり」、「特別遊技の継続ラウンド数:8ラウンド継続」という情報が表現される。さらに、抽選結果が「当たり」で、図柄抽選値が「106〜130」の場合、特別図柄は、「4」が決定され、「特別遊技への移行:あり」、「確変:なし」、「特別遊技の継続ラウンド数:15ラウンド継続」という情報が表現される。以下、図柄抽選値に応じて、特別図柄が確定し、その特別図柄に応じて、確変への移行の有無、特別遊技の継続する継続ラウンド数が決定される。
このように、少なくとも第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上当たり停止図柄の数を有する第1図柄テーブル204を用いて第1特別図柄192を決定することにより、遊技者は、第1特別図柄表示装置70に停止表示された特別図柄を確認することにより、今後の遊技の展開を容易に推測することができる。つまり、7セグメントLED表示装置で第1特別図柄192を表示することにより、遊技者は、特別遊技への移行の有無、確変への移行の有無、獲得した継続ラウンド数を瞬時に認識し、第1特別図柄192の変動停止時に大きな興奮感を得ることができる。なお、図5に示す第1図柄テーブル204は一例であり、第1図柄テーブル204が少なくとも第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上の当たり停止図柄の数を有ればよい。例えば、特別図柄の偶数を外れ、奇数を当たりとしてもよい。また、特別図柄の種類も適宜増減してよい。また、図5において、当たりの場合の図柄抽選値は、「0」以外均等に乱数を分けているが、乱数の分け方は任意でもよい。例えば、確変付きの特別図柄が多く当たるように乱数の振分を行ってもよいし、ラウンド数が「15」になる特別図柄が多く当たるように乱数の振分を行ってもよい。また、第1図柄テーブル204が保持する候補図柄のうち当たり停止図柄の数を、少なくとも第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上とすることにより、異なる第1特別図柄192に第1抽選により決定される同じ当たりを割り当てることができる。例えば、第1特別図柄192の「3」と「5」に遊技者に最も有利な当たり、例えば、確変付き15ラウンドの特別遊技を割り当てることができる。その結果、遊技者にとって停止してほしい第1特別図柄192を複数待つことになり、興奮度および期待度を増大させることができる。
図6には、第2図柄決定手段140が第2特別図柄193を決定するときに参照するテーブル保持手段115に保持された第2図柄テーブル206の一例が示されている。第2図柄テーブル206は、第2特別図柄193の停止図柄となる候補図柄を保持したテーブルであり、第2特別図柄表示装置71として配置される「○」と「×」の表示ランプのいずれを点灯するかを決定する。第2図柄テーブル206が保持する当たり停止図柄の数は、第2抽選手段128の第2抽選により決定されうる当たりの種類の数より少ない。例えば、第2抽選の当たりの種類が10種類あるに対し、当たり停止図柄の数は、「○」1個のみである。したがって、第2抽選手段128の当否抽選値の結果が「当たり」を示すものであった場合、特別図柄の候補図柄として準備された「○」が、表示する特別図柄として決定される。また、第2抽選手段128の当否抽選値が「外れ」を示すものであった場合、特別図柄の候補図柄として準備された「×」が、表示する特別図柄として決定される。このように、第2図柄テーブル206の候補図柄が「×」と「○」のみの場合、この第2図柄テーブル206を用いて第2特別図柄193を決定することにより、遊技者は第2特別図柄表示装置71に停止表示された特別図柄を確認するのみでは、今後の遊技の展開を推測することができない。つまり、遊技者は、特別遊技への移行が確定したことのみを認識するが、その後の展開において、確変に移行するか否か、また、特別遊技が何ラウンド継続するかを第2特別図柄193の変動停止時に認識できない。このように、第2図柄テーブル206を用いて特別図柄が決定された場合、遊技者はこれから実行される特別遊技の間、遊技の展開への期待感を持続させることができる。
なお、第2図柄決定手段140は、第2抽選手段128による抽選の結果に基づき、第2特別図柄193の停止図柄が「当たり」を示す「○」に決定された場合、さらに、確変に移行するか否かを決定するための確変抽選値を取得する。この確変抽選値は、例えば「0」から「255」の乱数値の範囲から取得される。なお、このときの乱数は数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第2図柄決定手段140が取得した確変抽選値の値が、例えば「0〜30」の場合、「56〜80」の場合、「106〜130」の場合、「156〜180」の場合、「206〜230」の場合、確変なしの特別遊技とすることができる。また、第2図柄決定手段140が取得した確変抽選値の値が、例えば「31〜55」の場合、「81〜105」の場合、「131〜155」の場合、「181〜205」の場合、「231〜255」の場合、確変ありの特別遊技とすることができる。さらに、第2図柄決定手段140は、何ラウンドの特別遊技を実行するかを決定するためのラウンド抽選値を取得する。このラウンド抽選値も、例えば「0」から「255」の乱数値の範囲から取得される。なお、このときの乱数は数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第2図柄決定手段140が取得したラウンド抽選値の値が、例えば「0〜30」の場合、「131〜155」の場合、特別遊技を2ラウンドとすることができる。また、ラウンド抽選値の値が、「31〜55」の場合、「156〜180」の場合、特別遊技を4ラウンドとすることができる。また、ラウンド抽選値の値が、「56〜80」の場合、「181第〜205」の場合、特別遊技を6ラウンドとすることができる。また、ラウンド抽選値の値が、「81〜105」の場合、「206〜230」の場合、特別遊技を8ラウンドとすることができる。さらに、ラウンド抽選値の値が、「106〜130」の場合、「231〜255」の場合、特別遊技を15ラウンドとすることができる。
つまり、「当たり」を示す第2特別図柄193として、「○」のみを表示する場合で、特別遊技中の演出により確変の有無や継続ラウンド数の表示を行わない場合、遊技者が確変付きの特別遊技であるか否かを認識するのは、特別遊技が終了した時点となる。また、特別遊技の継続ラウンド数を認識するのも、実際の特別遊技が終了した時点となる。その結果、遊技者は、特別遊技が終了するまで、現在遊技している特別遊技が確変付きの特別遊技であるか否か、また特別遊技が何ラウンド継続するかに関し期待感を持ち続けることができる。なお、「当たり」を示す第2特別図柄193として、「○」のみを表示する場合でも、特別遊技中の演出により確変の有無や継続ラウンド数の表示を行えば、特別遊技の実行中に確変の有無や継続ラウンド数を遊技者に通知できる。この場合、遊技者は、特別遊技中のいずれのタイミングで確変の確定や継続ラウンド数の確定が成されるかについての期待感を持ちながら遊技を楽しむことができる。このように、「当たり」を示す第2特別図柄193として、情報量の少ない「○」を表示する場合、第2特別図柄193が変動停止した地点では、どのような態様の「当たり」が確定したか遊技者は判断できず、大きな興趣を遊技者に提供できる。
このように、図5に示す第1図柄テーブル204を用いて特別図柄を決定した場合には、特別図柄の変動停止時に大きな興奮感を遊技者に提供することができる。一方、図6に示す第2図柄テーブル206を用いて特別図柄を決定した場合には、特別遊技の終了後まで、遊技の展開に関する期待感を遊技者に提供することができる。その結果、ぱちんこ遊技機10の遊技性の向上を図ることができる。
また、第1特別図柄表示装置70により特別図柄を表示するか、第2特別図柄表示装置71により特別図柄を表示するかは、遊技者が第1始動口62に遊技球を入球させるか、第2始動口63に遊技球を入球させるかで自由に選択できる。そのため、特別図柄変動停止時の大きな興奮感を得るか、特別遊技の実行中持続的な期待感を得るかを遊技者が選択できるという新たな遊技性も提供できる。
さらに、第1図柄テーブル204および第2図柄テーブル206を有することにより、第1抽選および第2抽選に基づく第1特別図柄192および第2特別図柄193の決定を効率的かつ迅速にできる。また、第1図柄テーブル204と第2図柄テーブル206で視覚的に異なる候補図柄を準備する場合、遊技者に第1特別図柄192と第2特別図柄193の遊技性の差異を明確に認識させることが可能となり、遊技性の向上に寄与できる。
図7(a)、(b)に示すテーブルは、図6に示す第2図柄テーブル206で決定された第2特別図柄193が「当たり」すなわち「○」であった場合に、第2特別遊技がどのような種類の特別遊技であるかを決定するためのテーブルの一例である。例えば、図7(a)に示すテーブルは、確変抽選値の割り振りとその確変抽選値に対応する確変の有無を示すものである。また、図7(b)は、ラウンド抽選値の割り振りとそのラウンド抽選値に対応する継続ラウンド数を示すものである。なお、確変抽選値の割り振りやそれに対応する確変の有無、また、ラウンド抽選値の割り振りやそれに対する継続ラウンド数は任意であり、適宜変更可能である。また、第1図柄決定手段138が図柄抽選値を取得することにより、特別遊技の内容を決定しているのに対し、第2図柄決定手段140は、確変抽選値およびラウンド抽選値を別々のテーブルを用いて取得して特別遊技の内容を決定する。その結果、確変抽選値およびラウンド抽選値の対応内容を変化させることにより容易に遊技性を変更することができる。また、確変抽選値およびラウンド抽選値を別々のテーブルを用いて取得することにより確変の有無と継続ラウンド数の組合せを任意に変更できる。その結果、遊技バリエーションを容易に向上することができる。
また、図6の例では、第2抽選手段128の抽選結果が当たりの場合に対応する特別図柄を「○」のみとする場合を説明したが、当たり停止図柄の数が、第2抽選により決定されうる当たりの種類の数より少なければよく、例えば、「○」に加え、「△」や「□」を用いてもよい、この場合も、第2特別図柄193では、第2抽選により決定されうる当たりの種類すべてを表現することができないので、遊技者は第2特別図柄193の変動停止時に第2抽選の明確な結果を知ることができず、図6で説明した場合と同様に、今後の遊技の展開に期待感を持ちつつ特別遊技を遊技できる。なお、第2特別図柄193は、上述のような図形の他にキャラクタや異なる色のランプなどで表現してもよい。
図1のぱちんこ遊技機10は、第1特別図柄表示装置70として7セグメントLED表示装置を採用し、第2特別図柄表示装置71として、「○」または「×」を表示する○×表示装置を採用した例を示した。コの7セグメントLED表示装置および○×表示装置は一例であり、異なる系統の第1特別図柄192と第2特別図柄193が表示できる表示装置であれば適宜変更可能であり、同様な効果を得ることができる。第1特別図柄表示装置70としては、少なくとも第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上の表示種類を有する表示装置であれはよい。例えば、液晶表示装置、複数のランプをドットとして用いて図柄を表現する表示装置などでもよい。言い換えれば、複数の図柄を可変表示する表示装置とすることができる。なお、第1特別図柄192は基本的には、第1装飾図柄190に比べ目立つ必要がなく小さい表示となるので、識別しやすい数字や単純な図形が好ましいが、数字や「−」のみならず、複数種類のキャラクタを用いてもよい。また、同様な図柄でも色や大きさが異なるもを用いて、異なる図柄を表現するようにしてもよい。一方、第2特別図柄表示装置71としては、第2抽選により決定されうる当たりの種類の数より少ないの表示種類を有する表示装置であればよい。第2特別図柄表示装置71の場合、例えば、表示種類が少ないので、第1特別図柄表示装置70のように所望の1つの図柄を可変的に形成し表示するのではなく、予め準備された数種類のマークを点灯または消灯させる単純な表示装置で構成できる。言い換えれば、マークなどの固定表示を選択的に認識し易くする表示装置とすることができる。このときのマークは、上述のように「○」、「×」の他に、数字やキャラクタでもよい。なお、第2特別図柄193の場合も基本的に、第2装飾図柄191に比べ目立つ必要がなく小さい表示となるので、識別しやすい単純な図形が好ましいが、キャラクタや数字を用いてもよい。また、同様な図柄でも色や点灯パターンを変えることによって、異なる図柄を表現するようにしてもよい。このように、第2特別図柄表示装置71は、表示種類が少ないので、単純な表示装置の採用が可能である。したがって、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71のように複数の特別図柄表示装置を用いてぱちんこ遊技機10の遊技性を向上させる場合でも、部品コストの抑制に寄与できる。
なお、遊技者が第1始動口62または第3始動口67へ遊技球を入球することにより実行される第1抽選で決定される「当たり」の種類と、第2始動口63へ遊技球を入球することにより実行される第2抽選で決定される「当たり」の種類は、図5および図7(a)、(b)に示す場合実質的に同じである。したがって、第1始動口62または第3始動口67への入球を契機に実行される第1の遊技と第2始動口63への入球を契機に実行される第2の遊技とは、実質的に同じ性能を有する遊技であり、遊技者に不利益を与えることはない。なお、上述のように図5に示す第1図柄テーブル204に基づく「当たり」の種類と、図6に示す第2図柄テーブル206および図7(a)、(b)に示すテーブルに基づく「当たり」の種類は、同じであるが、両者の当たりの種類を完全に一致させる必要はない。つまり、図5に示すテーブルと、図6,7に示すテーブルとで異なる当たりの種類が存在してもよい。例えば、図5において、図柄抽選値0〜30の場合の「当たり」の種類を、「確変なし」、「ラウンド数4」とした場合、第1特別図柄192の「当たり」の種類には、「確変なし」、「ラウンド数2」という「当たり」が存在しなくなる。一方、第2特別図柄193には、「確変なし」、「ラウンド数2」という「当たり」を存在させることができる。また逆の場合も可能である。このように、存在する当たりの種類を異ならせることにより、第1特別図柄192と、第2特別図柄193の遊技性に明確な差異を設けることができる。なお、第1特別図柄192と、第2特別図柄193とで、異なる種類の「当たり」を設ける場合でも、第1特別図柄192と第2特別図柄193において、確変の有無に関する出現可能性、継続ラウンド数の出現可能性は同じである。つまり、第1特別図柄192と、第2特別図柄193は同じ性能に基づき表示されているということができる。したがって、この場合でも第1始動口62または第3始動口67への入球を契機に実行される第1の遊技と第2始動口63への入球を契機に実行される第2の遊技とは、実質的に同じ性能を有する遊技であり、遊技者に不利益を与えることはない。
また、上述の説明では、第1特別図柄192に基づいて決定される第1装飾図柄190と、第2特別図柄193に基づいて決定される第2装飾図柄191は、同じ表示対応で表示を行っている場合を示した。つまり、第1装飾図柄190と第2装飾図柄191は、例えば、「000」、「111」、「222」、「333」などの当たり図柄と「123」、「585」などの外れ図柄で構成され、表示上全く同じものをする例を示した。別の例としては、第1特別図柄192に基づいて決定される第1装飾図柄190と、第2特別図柄193に基づいて決定される第2装飾図柄191は、別の表示対応であってもよい。例えば、第1装飾図柄190は、上述と同じ「000」、「111」、「222」、「333」などの当たり図柄と、「123」、「585」などの外れ図柄で構成する。一方、第2装飾図柄191は、格闘ゲームの勝敗などミニゲームの成功で当たり図柄を表現し、失敗で外れ図柄を表現してもよい。また、単純に当たりを「○」、外れを「×」として表現してもよい。また、第1装飾図柄190の図柄の種類の数の上限を第1特別図柄192の候補図柄の数としてもよい。同様に、第2装飾図柄191の図柄の種類の数の上限を第2特別図柄193の候補図柄の数としてもよい。例えば、第1装飾図柄190を「000」〜「999」までの当たり図柄10種類と「123」、「585」などのように3個の数字が揃わない外れ図柄の11種類とする。一方、第2装飾図柄191を当たりを示す「○」と外れを示す「×」の2種類としてもよい。このように、遊技者に視覚的に認識されやすい、第1装飾図柄190と第2装飾図柄191とを異なる系統、または第1特別図柄192と第2特別図柄193に対応した系統とすることにより、第1特別図柄192に基づく遊技と第2特別図柄193に基づき遊技の差別化を明確にできる。また、第1装飾図柄190と第2装飾図柄191を異なる系統とすることにより、あたかも第1特別図柄192による第1装飾図柄190の決定プロセス、および第2特別図柄193による、第2装飾図柄191の決定プロセスが異なるように遊技者に印象付けさせることができる。その結果、ぱちんこ遊技機10は、遊技者に異なる体系の第1の遊技と第2の遊技を提供していると認識させることが可能となり、遊技性の向上、遊技者の興趣の向上に寄与できる。
図8は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、第3始動口67、一般入賞口72、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入賞した場合や、遊技球が作動口68を通過した場合の処理を実行し(S10)、特別遊技中でなければ(S12のN)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行し(S14)、特別遊技中であれば(S12のY)、第1特別遊技または第2特別遊技の制御処理を実行し(S16)、S10からS16までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。
図9は、図8におけるS10の入賞処理を詳細に示すフローチャートである。第1始動口62または第3始動口67へ入賞した場合であって(S50のY)、第1保留手段144への保留が上限を超えない場合(S52のY)、第1調整モードの状態であれば(S53のY)、特図調整手段152が第1始動口62または第3始動口67への入賞の順序を記録する(S54)。第2調整モードの状態であれば(S53のN)、S54の処理をスキップする。第1保留手段144に第1の当否抽選値が格納される(S56)。S50において第1始動口62または第3始動口67へ入賞がない場合は(S50のN)、S52〜S56の処理をスキップする。S52において、第1始動口62または第3始動口67へ入賞したもののその保留が第1保留手段144の上限数を超えてしまう場合は(S52のN)、S54とS56の処理をスキップする。次に、第2始動口63へ入賞した場合であって(S58のY)、第2保留手段146への保留が上限を超えない場合(S59のY)、第1調整モードの状態であれば(S60のY)、特図調整手段152が第2始動口63への入賞の順序を記録する(S61)。第2調整モードの状態であれば(S60のN)、S61の処理をスキップする。第2保留手段146に第2の当否抽選値が格納される(S62)。S58において第2始動口63へ入賞がない場合は(S58のN)、S59〜S62の処理をスキップする。S59において、第2始動口63へ入賞したもののその保留が第2保留手段146の上限数を超えてしまう場合は(S59のN)、S60〜S62の処理をスキップする。次に、作動口68へ遊技球が通過した場合であって(S63のY)、普図保留手段147への保留が上限を超えない場合(S64のY)、普図保留手段147に普図抽選値が格納される(S65)。S63において作動口68への遊技球の通過がない場合は(S63のN)、S64およびS65の処理をスキップする。S64において作動口68を遊技球が通過したもののその保留が普図保留手段147の上限数を超えてしまう場合は(S64のN)、S65の処理をスキップする。
図10は、図8におけるS14の通常遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。まず、第1調整モードの状態であって(S100のY)、第1特別図柄192の変動表示タイミングである場合(S102のY)、第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を処理し(S104)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでない場合(S102のN)、第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を処理する(S106)。第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、特図調整手段152により記録された第1始動口62および第3始動口67への入賞と第2始動口63への入賞の順序に応じて決定される。このように第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち一方のみが選択的に変動表示されるとともに、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191のうち一方のみが選択的に変動表示される。
次に、第2調整モードの状態にある場合(S100のN)、第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を処理し(S108)、第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を処理する(S110)。このように第1特別図柄192および第2特別図柄193が同時並行的に変動表示可能であり、第1装飾図柄190および第2装飾図柄191もまた同時並行的に変動表示可能である。なお、S108とS110の処理順序はあくまでも説明の便宜上定義した順序にすぎず、どのような順序で処理してもよい。最後に、普通図柄の変動表示を処理する(S112)。ただし、S112の処理順序もまた説明の便宜上定義した順序にすぎず、S100の前に処理してもよい。
図11は、図10におけるS104、S106、S112の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。S104、S106、S112における各図柄変動は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。以下、S104の処理としては第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を示し、S106の処理としては第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を示し、S112の処理としては普通図柄の変動表示を示す。保留制御手段116に抽選値の保留がなされている場合(S30のY)、図柄変動が表示中でなければ(S32のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S34)。その判定結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S36)。S30において抽選値が保留されていなかった場合は(S30のN)、S32からS36までの処理がスキップされ、S32において図柄変動が表示中であった場合は(S32のY)、S34およびS36の処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S38のY)、図柄変動表示を処理し(S40)、図柄表示の停止タイミングに達したときは(S42のY)、表示中の図柄変動を停止する(S44)。S38において図柄変動表示が開始されていないときは(S38のN)、S40からS44の処理をスキップする。S42において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44の処理をスキップする。
図12は、図10におけるS108、S110の図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。S108、S110における各図柄変動は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。以下、S108の処理としては第1特別図柄192および第1装飾図柄190の変動表示を示し、S110の処理としては第2特別図柄193および第2装飾図柄191の変動表示を示す。保留制御手段116に抽選値の保留がなされている場合(S130のY)、図柄変動が表示中でなければ(S132のN)、当否抽選手段112が当否判定処理を実行する(S134)。その判定結果に応じた変動パターンにしたがって変動表示が開始される(S136)。S130において抽選値が保留されていなかった場合は(S130のN)、S132からS136までの処理がスキップされ、S132において図柄変動が表示中であった場合は(S132のY)、S134およびS136の処理がスキップされる。続いて、すでに図柄変動表示が開始されていれば(S138のY)、図柄変動表示を処理し(S140)、所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S142のY)、表示中の図柄変動を停止する(S144)。所定の変動時間経過前であって(S142のN)、他の特別図柄または装飾図柄が当たり態様で停止した場合は(S145のY)、表示中の図柄変動を所定の表示時間経過前であるにもかかわらず強制的に外れ態様で停止させる(S146)。S145において他の特別図柄または装飾図柄が当たり態様で停止していなければ(S145のN)、S146の処理をスキップする。S138において図柄変動表示が開始されていないときは(S138のN)、S140からS144の処理をスキップする。このように、各特別図柄で別々の変動パターンテーブルを利用しているので、一方の変動パターンを変更しても変動パターン同士が干渉することなく、スムーズに外れ態様の停止処理ができる。その結果、複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避できる。
図13は、図11におけるS34、および図12におけるS134の当否判定処理を詳細に示すフローチャートである。図11におけるS104、S106、S112に関する当否判定処理および図12におけるS108、S110に関する当否判定処理は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。S104に関する当否判定処理の場合、第1特別図柄192を変動させる場合の処理であり、S106に関する当否判定処理は、第2特別図柄193を変動させる場合の処理である。また、S112に関する当否判定処理は、普通図柄を変動させる場合の処理である。また、S108に関する当否判定処理の場合、第1特別図柄192を変動させる場合の処理であり、S110に関する当否判定処理は、第2特別図柄193を変動させる場合の処理である。
例えばS104に関して、当否判定処理が開始されると、当否抽選手段112は、保留制御手段116によって保留状態になっている当否抽選値(乱数)を読み出す(S200)。第1特別図柄192の図柄変動を行う場合、第1抽選手段126が第1保留手段144から当否抽選値を読み出してくる。そして、第1抽選手段126により当否判定が行われ、当否判定結果が取得される(S202)。続いて、第1図柄決定手段138は、当否抽選値に基づき、第1特別図柄192の停止図柄を決定する(S204)。第1特別図柄192の場合、第1図柄決定手段138は、当否抽選値に基づき、例えば、0〜255までの値範囲から取得される乱数である停止図柄抽選値を取得する。第1特別図柄192の図柄変動を行う場合、第1図柄決定手段138がテーブル保持手段115の第1図柄テーブル204を参照して、停止図柄抽選値に対応する停止図柄を決定する。さらに、第1図柄決定手段138は、当否抽選値に基づき、例えば、0〜255までの値範囲から取得される乱数である変動パターン抽選値を取得する(S206)。例えば、第1特別図柄192の図柄変動を行う場合、第1図柄決定手段138がテーブル保持手段115の第1変動テーブル保持手段210を参照する。このとき、第1変動テーブル保持手段210に保持されている変動パターンテーブルが1種類の場合はその変動パターンテーブルを選択する(S208)。また、第1変動テーブル保持手段210に特徴の異なる変動パターンテーブルが複数保持されている場合には、ぱちんこ遊技機10の動作状態などに基づき変動パターンテーブルを選択する。例えば、通常遊技の場合は、標準的な変動時間が頻繁に選択される変動パターンテーブルを選択する。また、確変中や時短中の場合には、短い変動時間が頻繁に選択される変動パターンテーブルを選択する。第1特別図柄192の図柄変動を行う場合、第1変動パターンテーブル214が選択され、変動パターン抽選値に対応する変動パターンの選択が行われる(S210)。第1特別図柄192について、当否結果と停止図柄と変動パターンとが決定されると、図11のS36に移行し変動表示を開始する。
第1特別図柄192の場合、停止図柄抽選値によって、第1特別図柄表示装置70の7セグメントLED表示装置で表示する第1特別図柄192が決定する。そして、図5で説明したように、第1抽選の結果が当たりの場合、決定した第1特別図柄192によって、確変の有無、継続ラウンド数が確定する。その結果、遊技者は、第1特別図柄表示装置70に停止表示された第1特別図柄192を確認することにより、これから開始される第1特別遊技の展開を直ちに認識でき、大きな興奮度を得ることができる。
一方、例えばS106に関して、当否判定処理が開始されると、当否抽選手段112は、保留制御手段116によって保留状態になっている当否抽選値(乱数)を読み出す(S200)。第2特別図柄193の図柄変動を行う場合、第2抽選手段128が第2保留手段146から当否抽選値を読み出してくる。そして、第2抽選手段128により当否判定が行われ、当否判定結果が取得される(S202)。続いて、第2図柄決定手段140は、当否抽選値に基づき、第2特別図柄193の停止図柄を決定する(S204)。第2特別図柄193の場合、図6で説明したように、当否抽選値に基づき、抽選の外れを示す「×」または、当選の当たりを示す「○」のいずれかが決定されるので、当否抽選値の当否に基づき直ちに停止図柄が決定される。なお、第2特別図柄193の場合、第2図柄決定手段140は、第2特別図柄193が「○」の場合、実際の第2特別遊技の内容を確定するために、当否抽選値に基づき、例えば、0〜255までの値範囲から取得される乱数である確変抽選値およびラウンド抽選値を取得する。さらに、第2図柄決定手段140は、当否抽選値に基づき、例えば、0〜255までの値範囲から取得される乱数である変動パターン抽選値を取得する(S206)。例えば、第2特別図柄193の図柄変動を行う場合、第2図柄決定手段140がテーブル保持手段115の第2変動テーブル保持手段212を参照する。このとき、第2変動テーブル保持手段212に保持されている変動パターンテーブルが1種類の場合はその変動パターンテーブルを選択する(S208)。また、第2変動テーブル保持手段212に特徴の異なる変動パターンテーブルが複数保持されている場合には、ぱちんこ遊技機10の動作状態などに基づき変動パターンテーブルを選択する。例えば、通常遊技の場合は、標準的な変動時間が頻繁に選択される変動パターンテーブルを選択する。また、確変中や時短中の場合には、短い変動時間が頻繁に選択される変動パターンテーブルを選択する。第2特別図柄193の図柄変動を行う場合、第2変動パターンテーブル216が選択され、変動パターン抽選値に対応する変動パターンの選択が行われる(S210)。第2特別図柄193について、当否結果と停止図柄と変動パターンとが決定されると、図11のS36に移行し変動表示を開始する。
第2特別図柄193の場合、当否抽選値によって、第2特別図柄表示装置71で表示する「○」または「×」で示される第2特別図柄193が決定する。その結果、遊技者は、第2特別図柄表示装置71に停止表示された第2特別図柄193を確認することで、第2特別遊技の移行の有無は認識できるが、確変の有無や継続ラウンド数を認識することができない。その結果、これから開始される第2特別遊技が終了するまで、確変の有無、継続ラウンド数を認識することができず、第2特別遊技の終了まで第2遊技に対する期待感を維持しつつ遊技を継続することができる。
なお、S108に関連する処理、S110に関連する処理、S112に関連する処理も図13のフローチャートと同様な手順で処理が行われる。
図12のS146で図柄変動が強制的に外れ態様で停止される場合、図13のフローチャートで選択された停止図柄や変動パターンは破棄され、外れ態様の図柄表示が行われる。
図14は、図8におけるS16の特別遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。実行中の特別遊技が第1特別遊技であれば(S90のY)、第1特別遊技の制御を処理し(S92)、実行中の特別遊技が第1特別遊技でなければ(S90のN)、第2特別遊技の制御を処理する(S94)。このように第1特別遊技および第2特別遊技のいずれか一方のみが選択的に実行される。
図15は、図14におけるS92の第1特別遊技とS94の第2特別遊技を詳細に示すフローチャートである。S92、S94における各特別遊技は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。まず、第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済でない場合(S70のN)、確変中であれば(S71のY)、特定遊技実行手段122が確変の実行を終了して(S72)、特図調整手段152および演出調整手段172が調整モードを第1調整モードに設定する(S73)。確変中でなければ(S71のN)、S72とS73の処理をスキップする。続いて、演出表示制御手段134が特別遊技の演出処理を開始し(S74)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放する(S75)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放済であればS71からS75をスキップする(S70のY)。第1大入賞口91または第2大入賞口92が開放されてから所定の開放時間が経過した場合(S76のY)、または、開放時間が経過していないものの(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数が9球以上に達した場合(S78のY)、開閉制御手段124が第1大入賞口91または第2大入賞口92を閉鎖させる(S80)。開放時間が経過しておらず(S76のN)、第1大入賞口91または第2大入賞口92への入球数も9球以上に達していない場合は(S78のN)、S80以降の処理をスキップしてS92またはS94のフローを終了する。
S80における第1大入賞口91または第2大入賞口92の閉鎖後、単位遊技のラウンド数が第1図柄決定手段138または第2図柄決定手段140で決定した継続ラウンド数に達していた場合(S82のY)、演出表示制御手段134は特別遊技の演出処理を終了させ(S84)、特別遊技制御手段120は特別遊技を終了させる(S86)。第1図柄決定手段138が決定した第1特別図柄192が確変付きの図柄であった場合、または第2図柄決定手段140の取得した確変抽選値が確変付きの値であった場合(S87のY)、特定遊技実行手段122が確変の実行を開始し(S88)、特図調整手段152および演出調整手段172が調整モードを第2調整モードに設定し(S89)、S92またはS94のフローを終了する。S82においてラウンド数が第1図柄決定手段138または第2図柄決定手段140で決定した継続ラウンド数に達していなければ(S82のN)、ラウンド数に1を加算してS92またはS94のフローを終了する(S90)。また、第1図柄決定手段138が決定した第1特別図柄192が確変付きの図柄でない場合、または第2図柄決定手段140の取得した確変抽選値が確変付きの値でなかった場合(S87のN)、S88、S89の処理をスキップしてS92またはS94のフローを終了する。
図16は、変形例における図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。本図は図12における処理の変形を示し、図10におけるS108、S110の図柄変動処理を詳細に示す。S108、S110における各図柄変動は、基本的に処理が共通するので、これらを一つのフローでまとめて説明する。また、本図のS130からS140までの処理は、図12のS130からS140までの処理と同じであるため、説明を省略する。S140の後、他の特別図柄または装飾図柄が当たり態様で停止した場合は(S141のY)、表示中の図柄変動の変動時間を計測するタイマを一時停止させる(S142)。S141において他の特別図柄または装飾図柄が当たり態様で停止していなければ(S141のN)、S142の処理をスキップする。変動時間のタイマが一時停止中であって(S143のY)、特別遊技が終了した後であれば(S144のY)、タイマの一時停止を解除する(S145)。所定の変動時間が経過して図柄表示の停止タイミングに達したときは(S146のY)、表示中の図柄変動を停止する(S147)。S146において図柄表示の停止タイミングに達していないときは(S146のN)、S147の処理をスキップする。S138において図柄変動表示が開始されていないときは(S138のN)、S140からS147の処理をスキップする。なお、タイマ停止時、図13のフローチャートで選択された停止図柄や変動パターン、すなわち変動時間は維持され、タイマ停止解除後に、S206で決まられた停止図柄がS212で決められた変動パターンの終了時に停止表示される。このように、各特別図柄で別々の変動パターンテーブルを利用しているので、一方の変動パターンを変更しても変動パターン同士が干渉することなく、スムーズに変動継続処理ができる。その結果、複数の特別遊技が同時実行されるような混乱を未然に回避できる。
(実施例2)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例1のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例1のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例1との相違点を中心に本実施例を説明する。
図17は、実施例2におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、遊技領域52の下部に設けられる。大入賞口66は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、入口を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を含む。大入賞口66は第1の遊技および第2の遊技の双方に対応する大入賞口として共用される。入賞検出装置78は、遊技球の入球を示す入賞情報として、第1特別遊技中は第1大入賞口入賞情報を生成し、第2特別遊技中は第2大入賞口入賞情報を生成する。大入賞口66は、アウト口58の上方の位置に設けられる。以上のように、単体の大入賞口66が、実施例1における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
(実施例3)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、演出表示装置の画面における第1領域と第2領域の位置関係およびサイズが実施例1のぱちんこ遊技機と異なる。演出表示装置の画面以外は、基本的に実施例1のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例1との相違点を中心に本実施例を説明する。
図18は、実施例3におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。本実施例の領域設定手段174は、演出表示装置60の画面において、第2領域195が第1領域194より小さな領域となるよう第1領域194および第2領域195を設定する。また、第2装飾図柄191が表示される第2領域195において、いわゆるスーパーリーチのようなとくに遊技者が注目すべき演出を表示させる場合に第2領域195のサイズを拡大することにより第2装飾図柄191を拡大表示させる。このように、第1領域194および第2領域195に対して表示領域の大きさに優劣がつけられることにより、遊技者は視覚的にこれらを区別しやすい。また、小さく表示された内容に対して注目すべきタイミングでは、その内容を拡大表示させることにより容易に遊技者の注目を得ることができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
(実施例4)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例3のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例3のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例3との相違点を中心に本実施例を説明する。
図19は、実施例4におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、実施例2における大入賞口66と同様の位置に同様の形状および機能をもつ大入賞口として設けられる。このように、単体の大入賞口66が、実施例3における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
(実施例5)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、設けられた始動口が2個である点で、3個の始動口が設けられた実施例1のぱちんこ遊技機と異なる。始動口の数以外は、基本的に実施例1のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例1との相違点を中心に本実施例を説明する。
図20は、実施例5におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。遊技領域52には、第1の遊技に対応する第1始動口62と、第2の遊技に対応する第2始動口63が設けられる。本実施例の第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。第1始動口62が第2始動口63の入口を覆うような位置に設けられているので、第2始動口63は普通電動役物65が開放されなければ遊技球が入球しない。第1始動口62と第2始動口63は、それぞれへの入球に対する賞球数が異なる。たとえば第1始動口62の賞球数が「3」に設定されるのに対して、第2始動口63の賞球数が「7」に設定されるなど、賞球数に差を設けることにより多様な遊技性を実現する。これにより、時短中以外は賞球数が「3」である第1始動口62にしかほとんど入球しないのに対し、時短中は賞球数が「7」である第2始動口63にも多くの遊技球が入球可能となる。遊技者は時短中に持ち玉をほとんど減らさずに遊技を進行させることができる。
(実施例6)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例5のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例5のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例5との相違点を中心に本実施例を説明する。
図21は、実施例6におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、実施例2における大入賞口66と同様の位置に同様の形状および機能をもつ大入賞口として設けられる。このように、単体の大入賞口66が、実施例5における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
(実施例7)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、演出表示装置の画面における第1領域と第2領域の位置関係およびサイズが実施例5のぱちんこ遊技機と異なる。演出表示装置の画面以外は、基本的に実施例5のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例5との相違点を中心に本実施例を説明する。
図22は、実施例7におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。本実施例の領域設定手段174は、実施例3の領域設定手段174と同様に、演出表示装置60の画面において、第2領域195が第1領域194より小さな領域となるよう第1領域194および第2領域195を設定する。また、第2装飾図柄191が表示される第2領域195において、いわゆるスーパーリーチのようなとくに遊技者が注目すべき演出を表示させる場合に第2領域195のサイズを拡大することにより第2装飾図柄191を拡大表示させる。このように、第1領域194および第2領域195に対して表示領域の大きさに優劣がつけられることにより、遊技者は視覚的にこれらを区別しやすい。また、小さく表示された内容に対して注目すべきタイミングでは、その内容を拡大表示させることにより容易に遊技者の注目を得ることができる。このように、複数の遊技性が混在してもそれぞれの遊技性が個別に把握できるよう制御することにより、遊技の複雑化を回避しつつ斬新な遊技性を実現することができる。
(実施例8)
本実施例におけるぱちんこ遊技機は、設けられた大入賞口が1個である点で、2個の大入賞口が設けられた実施例7のぱちんこ遊技機と異なる。大入賞口の数以外は、基本的に実施例7のぱちんこ遊技機と同様の構成および機能を有する。以下、実施例7との相違点を中心に本実施例を説明する。
図23は、実施例8におけるぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。大入賞口66は、実施例2における大入賞口66と同様の位置に同様の形状および機能をもつ大入賞口として設けられる。このように、単体の大入賞口66が、実施例7における第1大入賞口91および第2大入賞口92の機能を兼ね備える構成となっている。これにより、遊技領域上のスペースを有効活用できる。また、連続的に状態変化する可変入球装置を共通とすることで、特別遊技の動作制御を単純にすることができ、また製造コストの削減にもつながる。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、変形例を挙げる。
各実施例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ異なる形態の表示装置を用いた例を説明した。すなわち、第1特別図柄表示装置70として7セグメントLED表示装置を用い、第2特別図柄表示装置71として「○」と「×」の2種類のマークを表示する装置を用いる例を説明した。変形例においては、第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71として、それぞれ同じ形態の表示装置を用いてもよい。ただし、この場合、第1特別図柄表示装置70と第2特別図柄表示装置71が参照する第1図柄テーブル204と第2図柄テーブル206は、保持する候補図柄の数が異なるものとし、第1図柄テーブル204が保持する当たり停止図柄の数は、少なくとも第1抽選により決定されうる当たりの種類の数以上あり、第2図柄テーブル206が保持する当たり停止図柄の数は、第2抽選により決定されうる当たりの種類の数より少ないものとする。これにより、第1特別図柄表示装置70と第2特別図柄表示装置71とで同一の図柄表示装置を用いても実施例1で説明した第1特別図柄192および第2特別図柄193に基づく効果を得ることが可能となり、遊技性の向上に寄与することができる。
上述した各実施例においては、第1特別図柄192を表示する場合、特別遊技への移行および特別遊技の内容を認識させやすい7セグメント表示装置を用いて説明した。また、第2特別図柄193を表示する場合、特別遊技への移行のみで特別遊技の内容を認識し難くする○×表示装置を用いた場合を説明した。このように、提供する情報量が異なる表示装置を用いることにより、特別遊技の認識性に差異を設定することができる。その結果、第1特別図柄192に基づく遊技と第2特別図柄193に基づき遊技の差異を明確にすることができる。また、第2特別図柄193を表現する○×表示装置に代えて、例えば複数のLEDを用いた表示装置を用いてもよい。例えば、4個のLEDを準備し、LEDの点灯や点滅、消灯のパターンにより第2特別図柄193に基づく当否結果を表現してもよい。この場合、予め特別遊技の移行や継続ラウンド数や確変の有無など特別遊技の内容に応じたLEDの発光パターンを設定しておく。遊技者は、LEDの発光パターンを認識し解析することにより、第2特別図柄193が表現する意味を認識できる。このように、第1特別図柄192と第2特別図柄193の認識性に差異を設定することにより、ぱちんこ遊技機10が表現している情報を認識解析するという新たな遊技性を遊技者に提供できる。また、第1特別図柄192と第2特別図柄193の表示プロセスや遊技性に差異が存在することを明確に表現し、ぱちんこ遊技機10への興趣を喚起できる。
さらに、第1特別図柄192または第2特別図柄193を遊技領域52上に存在する他の表示装置と同じ表示装置により表示することもできる。例えば、上述したように、第2特別図柄193を複数のLEDの発光パターンで表現する場合、普通図柄表示装置59と同じ表示装置を用いることができる。第2特別図柄193と普通図柄を同じ形態の表示装置で表示することにより第2特別図柄193の認識性を低下させることができる。つまり、上述したものと同様に、第2特別図柄193の示す特別遊技の当否や特別遊技の内容を理解するために、発光パターンの認識、解析するという「考える遊技」を遊技者に提供できるようになり、遊技性や興趣の向上に寄与できる。また、特別図柄の表示装置と他の表示装置、例えば普通図柄の表示装置を共通化することにより、ぱちんこ遊技機10を構成する部品の共通化が可能になり、部品コスト削減にも寄与できる。なお、上述の説明では、第1特別図柄192を7セグメント表示装置、第2特別図柄193を○×表示装置やLEDで構成する例を説明したが、第1特別図柄192を○×表示装置やLEDで構成し、第2特別図柄193を7セグメント表示装置で構成しても同様な効果が得られる。
各実施例においては、特定遊技の一つである確変状態となったときに特図調整手段152および演出調整手段172が調整モードを第2調整モードに切り替える構成を説明した。変形例においては、特定遊技の一つである時短状態となったときに特図調整手段152および演出調整手段172が調整モードを第2調整モードに切り替える構成であってもよい。または、特定遊技以外の遊技状態において調整モードを第2調整モードに設定する構成であってもよい。