JP5182877B2 - マルチブロック共重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
上記に述べたSPSの欠点を改善するためには、樹脂中に耐衝撃性を有する成分を導入することが考えられる。例えばこれまでに、オレフィン系ポリマーとのポリマーブレンドなどによる手法が開発されている。
しかし、このようなハーフチタノセン/MAO触媒系による、エチレンとスチレンの共重合反応では、後記比較例3に示すように、ホモポリエチレン、ホモポリスチレン、および規則性のないエチレン-スチレン共重合体からなる混合物が得られるに過ぎない。この理由は現時点では定かではないが、おそらく、重合反応中のチタン活性種が、価数の変化や配位子の結合の度合いにより複数種類が混在していることによると考えられる。
この報告によれば、シクロペンタジエニル系配位子を有する希土類錯体触媒を用いると、SPSブロックを含むマルチブロック共重合体が得られる。
しかし、このSPSブロックを含むマルチブロック共重合体は、他方のブロックがエチレンとスチレンのランダム共重合ブロックであるため、結晶性が無く融点が観測されない。このため得られるポリマーは全体として結晶性に乏しく、耐熱性、耐薬品性などに劣る。またSPSのブロック長が短いことによると思われるが、SPSブロックに起因して観測される共重合体の融点が250℃以下と低融点であることからも、耐熱性の点で課題がある。
すなわち、この出願によれば、以下の発明が提供される。
〈1〉エチレンモノマーと芳香族ビニルモノマーを、3価のチタン錯体とルイス酸を含有する触媒系を用いて一段階で共重合させ、一方のブロック(A)がシンジオタクチック構造を有するポリ芳香族ビニル系ブロックであり、他方のブロック(B)が結晶性を示すポリエチレン系ブロックであるマルチブロック共重合体を製造する方法であって、3価のチタン錯体が、下記一般式(1)で表されることを特徴とするマルチブロック共重合体の製造方法。
Ti(X)n(Y)3-n 一般式(1)
(式中、Xは価数が−1の二座配位子を表し、Yはハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリロキシ基のいずれかを表し、nは1から3までの整数を表す。)。
〈2〉シンジオタクチックな芳香族ビニル系ブロック(A)を形成する芳香族ビニル系モノマーがスチレンであることを特徴とする〈1〉に記載のマルチブロック共重合体の製造方法。
〈3〉ルイス酸がアルキルアルミノキサンまたはアルキルホウ素化合物であることを特徴とする〈1〉または〈2〉に記載のマルチブロック共重合体の製造方法。
また、本発明のマルチブロック共重合体の製造方法は、触媒として、3価のチタン錯体とルイス酸を含有する触媒を用いたことから、触媒活性が向上すると共にその安定性が向上し、軽量で、安価なモノマーから、一段階で効率よく上記の高い結晶性を有するマルチブロック共重合体を合成することができる。
本発明でいう、マルチブロック共重合体とは、下記一般式(2)で表される共重合体を意味する。
[(A)―(B)]m 一般式(2)
ここで、(A)はポリ芳香族ビニル系ブロックを、(B)はポリエチレン系ブロックを、またmは1以上の整数を表す。
ブロック(A)の平均ブロック鎖長は、下限が500より好ましくは1,000であり、上限が50,000より好ましくは20,000である。該ブロック鎖長が上記下限未満では優れた耐熱性および耐薬品性を付与することが困難となり、また上限を超えては優れた成形性を付与することが難しくなる。
ブロック(B)を形成するエチレン系モノマーとしては、エチレンの他、エチレン−芳香族ビニルモノマー等が挙げられる。
原料である、芳香族ビニルモノマーおよびエチレン系モノマーとしては上記したものがそのまま使用できる。
この理由は、現時点では定かではないが、以下のように推測できる。従来工業的にSPS製造に用いられているハーフチタノセン/MAO触媒系では、4価のチタン錯体を触媒前駆体とするため、重合反応系内には4価のチタン活性種、およびMAOにより還元された3価のチタン活性種が混在することになり、生成物は複数種類のポリマーの混合物となる。一方、3価チタン錯体を触媒前躯体とすれば、重合反応系内には3価のチタン活性種のみが存在するため、均質なポリマーを得ることができる。また、二座配位子を利用することで、3価チタン活性種を安定化させ、その電子的、立体的影響によって共重合反応性をコントロールすることができると考えている。
Ti(X)n(Y)3−n 一般式(1)
上記の式中、Xは価数が−1の二座配位子を表し、Yはハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリロキシ基のいずれかを表し、nは1から3までの整数を表す。
Xで示される二座配位子としては、たとえば、下記式で表される配位子などが挙げられる。
炭素数1〜12のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチル−1−ブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1,2,2−トリメチルプロピル基、2−エチルヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロへプチル基、ベンジル基等が挙げられる。
炭素数1〜12のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、2−メチル−1−ブトキシ基、1,1−ジメチルプロポキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、n−ヘキシロキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、4−メチルペントキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、2−エチルヘキシロキシ基、n−ヘプチロキシ基、n−オクチロキシ基、n−ノニロキシ基、n−デシロキシ基、n−ウンデシロキシ基、n−ドデシロキシ基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペントキシ基、シクロへキシロキシ基、シクロへプチロキシ基、ベンジロキシ基等を挙げることができる。
炭素数6〜20のアリロキシ基としては、例えば、下記一般式(3)で表される化合物のほか、1−ナフトキシ基、2−ナフトキシ基等が挙げられる。
アルキルアルミノキサンとしては、例えばメチルアルミノキサン、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンが挙げられ、アルキルホウ素化合物としては、例えばトリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリフェニルメチルテトラキスペンタフルオロフェニルボレート、ジメチルフェニルアミノテトラキスペンタフルオロフェニルボレートが挙げられる。
重合温度は−100℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃である。重合圧力は、好ましくは0.1気圧〜60気圧である。
また、原料である、エチレン系モノマーおよび芳香族ビニルモノマーの使用割合は、製造しようとする共重合体の構造に依存して変化するが、好ましくは1:100〜100:1の範囲内である。
なお、液相で実施する場合は、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素中で行うことができる。
また、本発明の共重合反応は、連続式、半回分式、またはバッチ式で実施することができる。
1H−NMR:日本電子社製JNM−LA600、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、600MHz、120℃、パルス角45℃、パルス間隔7秒、積算回数64の条件で測定した。試料は、共重合体10mgを重テトラクロロエタン0.5mLに溶解して用いた。
13C−NMR:日本電子社製JNM−LA600、フーリエ変換型NMRスペクトロメーターを用い、150MHz、120℃、パルス角45℃、パルス間隔3秒、積算回数10,000の条件で測定した。試料は、共重合体50mgを重テトラクロロエタン0.5mLに溶解して用いた。
100mLのステンレススチール製オートクレーブに磁気撹拌子を入れた。系内を十分窒素置換した後、トルエン13mL、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)9.5mLおよびスチレン3.3mLを導入した。液体窒素にて冷却した後、トリスアセチルアセトナトチタンのトルエン溶液(20マイクロモル/L)7.5mL、およびガス状エチレン0.645Lを導入した。室温まで昇温して重合開始とし、そのまま室温で2時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより重合体を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、共重合体1.72gを得た。
得られた共重合体をキシレンにてソックスレー抽出したところ可溶成分は86.4wt%であった。得られた可溶成分の共重合体をGPCにより解析したところ、単峰性のクロマトグラムが観測され、均質な共重合体が得られていることがわかった。共重合体の数平均分子量(Mn)は25,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。共重合体の1H−NMR測定より算出した共重合体中のスチレンの含有量は64.5モル%であった。また、13C−NMRより共重合体の主鎖構造を解析したところ、長いシンジオタクチックなスチレン連鎖構造および長いエチレン系連鎖構造に由来するピークに加えて、これら2種類のブロックのつなぎ目構造に由来するピーク群が観測されたことから、この共重合体がSPSブロックとエチレン系ブロックからなるマルチブロック共重合体であることが確認された。DSCにより熱分析を行ったところ、ファーストヒーティングにおいて、低温側が114.9℃、融解エンタルピー(ΔH)が25.3mJ/mg、高温側が261.9℃、融解エンタルピー(ΔH)が22.9mJ/mgであった。
得られた共重合体の主鎖構造を13C−NMRにより解析したグラフを図1に示す。また、この共重合体のDSC曲線を図2に示す。
100mLのステンレススチール製オートクレーブに磁気撹拌子を入れ、系内を十分窒素置換した後、トルエン20mL、およびイソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)9.5mLを導入した。トリスアセチルアセトナトチタンのトルエン溶液(20マイクロモル/L)1mLを導入して1時間エイジングを行った後、液体窒素温度にて冷却し、スチレン3.3mLおよびガス状エチレン0.645Lを導入した。室温まで昇温して重合開始とし、そのまま室温で2時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより重合体を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、共重合体0.81gを得た。
得られた共重合体をキシレンにてソックスレー抽出したところ可溶成分は100wt%であった。得られた可溶成分の共重合体をGPCにより解析したところ、単峰性のクロマトグラムが観測され、均質な共重合体が得られていることがわかった。共重合体の数平均分子量(Mn)は21,800、分子量分布(Mw/Mn)は2.2であった。共重合体の1H−NMR測定より算出した共重合体中のスチレンの含有量は62.4モル%であった。また、13C−NMRより共重合体の主鎖構造を解析したところ、長いシンジオタクチックなスチレン連鎖構造および長いエチレン系連鎖構造に由来するピークに加えて、これら2種類のブロックのつなぎ目構造に由来するピーク群が観測されたことから、この共重合体がSPSブロックとエチレン系ブロックからなるマルチブロック共重合体であることが確認された。DSCにより解析したところ、ファーストヒーティングにおいて、低温側が123.2℃、融解エンタルピー(ΔH)が8.1mJ/mg、高温側が259.4℃、融解エンタルピー(ΔH)が26.1mJ/mgであった。
100mLのステンレススチール製オートクレーブに磁気撹拌子を入れた。系内を十分窒素置換した後、トルエン20mL、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)9.5mLおよびスチレン3.3mLを導入した後、液体窒素にて冷却しトリスアセチルアセトナトチタンのトルエン溶液(20マイクロモル/L)1mLを導入した。冷却後エチレン0.645Lを導入した。50℃まで昇温して重合開始とし、そのまま50℃で2時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより重合体を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、重合体2.80gを得た。
得られた共重合体をキシレンにてソックスレー抽出したところ可溶成分は92.1wt%であった。得られた可溶成分の共重合体をGPCにより解析したところ、単峰性のクロマトグラムが観測され、均質な共重合体が得られていることがわかった。共重合体の数平均分子量(Mn)は13,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。共重合体の1H−NMR測定より算出した共重合体中のスチレンの含有量は75.5モル%であった。また、13C−NMRより共重合体の主鎖構造を解析したところ、長いシンジオタクチックなスチレン連鎖構造および長いエチレン系連鎖構造に由来するピークに加えて、これら2種類のブロックのつなぎ目構造に由来するピーク群が観測されたことから、この共重合体がSPSブロックとエチレン系ブロックからなるマルチブロック共重合体であることが確認された。DSCにより解析したところ、ファーストヒーティングにおいて、低温側が121.8℃、融解エンタルピー(ΔH)が5.38mJ/mg、高温側が261.4℃、融解エンタルピー(ΔH)が33.8mJ/mgであった。
100mLのガラス製反応容器に磁気撹拌子を入れた後、三方コックを接続した。系内を十分窒素置換した後、トルエン28mL、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)1.2mL、およびスチレン3.3mLを導入した。トリスアセチルアセトナトチタンのトルエン溶液(0.5マイクロモル/L)0.5mLを導入して重合開始とし、そのまま室温にて12分間重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、希塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことによりを沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、重合体0.41gを得た。1Hおよび13C−NMRにより、得られた重合体はシンジオタクチックポリスチレンであることが確認された。得られた重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が1,445,000、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であった。また、DSCにより解析したところ、ファーストヒーティングにおいて、融点が271.5℃、融解エンタルピー(ΔH)が32.9mJ/mgであった。
100mLのステンレススチール製オートクレーブに磁気撹拌子を入れ、系内を十分窒素置換した後、トルエン20mL、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)9.5mL、およびトリスアセチルアセトナトチタンのトルエン溶液(10マイクロモル/L)1mLを導入した。液体窒素にて冷却し、ガス状エチレン1.292Lを導入した後、室温まで昇温して重合開始とし、そのまま室温で1時間重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより重合体を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、重合体0.81gを得た。1Hおよび13C−NMRにより、得られた重合体は直鎖状ポリエチレンであることが確認された。得られた重合体をGPCにより解析したところ、数平均分子量(Mn)が7,100、分子量分布(Mw/Mn)が2.6であった。また、DSCにより解析したところ、ファーストヒーティングにおいて、融点が126.2℃、融解エンタルピー(ΔH)が167.7mJ/mgであった。
100mLのステンレススチール製オートクレーブに磁気撹拌子を入れた。系内を十分窒素置換した後、トルエン20mL、イソブチルアルミニウム変性メチルアルミノキサンのトルエン溶液(6.6wt%)9.5mL、およびスチレン3.3mLを導入した。液体窒素にて冷却した後、シクロペンタジエニルチタニウムトリクロリドのトルエン溶液(40マイクロモル/L)0.5mL、およびガス状エチレン0.645Lを導入した。50℃まで昇温して重合開始とし、そのまま50℃で2時間共重合を行った。少量のイソプロピルアルコールを導入して重合を停止した後、塩酸/メタノール溶液に注ぎ込むことにより重合体を沈殿させた。沈殿物をろ過した後、減圧下で60℃にて7時間乾燥し、重合体2.14gを得た。得られた重合体を1Hおよび13C−NMRにより解析したところ、ポリエチレン、ポリスチレン、および規則性の無いエチレンとスチレンの共重合体の混合物であった。
実施例および比較例において得られたデータを表1に示す。なお、表1には推定できる範囲で、先の非特許文献1(Hou Z. et al. J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 13910)に記載のブロック共重合体の生成物およびその融点について記載した。
また、本発明のマルチブロック共重合体の製造方法は、触媒として、3価のチタン錯体とルイス酸を含有する触媒を用いたことから、触媒活性が向上すると共にその安定性が向上し、軽量で、安価なモノマーから、一段階で効率よく上記の高い結晶性を有するマルチブロック共重合体を合成することができる。
Claims (3)
- エチレンモノマーと芳香族ビニルモノマーを、3価のチタン錯体とルイス酸を含有する触媒系を用いて一段階で共重合させ、一方のブロック(A)がシンジオタクチック構造を有するポリ芳香族ビニル系ブロックであり、他方のブロック(B)が結晶性を示すポリエチレン系ブロックであるマルチブロック共重合体を製造する方法であって、3価のチタン錯体が、下記一般式(1)で表されることを特徴とするマルチブロック共重合体の製造方法。
Ti(X)n(Y)3-n 一般式(1)
(式中、Xは価数が−1の二座配位子を表し、Yはハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリロキシ基のいずれかを表し、nは1から3までの整数を表す。)。 - シンジオタクチックな芳香族ビニル系ブロック(A)を形成する芳香族ビニルモノマーがスチレンであることを特徴とする請求項1に記載のマルチブロック共重合体の製造方法。
- ルイス酸がアルキルアルミノキサンまたはアルキルホウ素化合物であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のマルチブロック共重合体の製造方法。
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