JP2002348342A - スチレン系重合体、その製造方法及び該重合体を含む熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

スチレン系重合体、その製造方法及び該重合体を含む熱可塑性樹脂組成物

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JP2002348342A
JP2002348342A JP2001156448A JP2001156448A JP2002348342A JP 2002348342 A JP2002348342 A JP 2002348342A JP 2001156448 A JP2001156448 A JP 2001156448A JP 2001156448 A JP2001156448 A JP 2001156448A JP 2002348342 A JP2002348342 A JP 2002348342A
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group
styrene
polymer
bis
catalyst
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JP2001156448A
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English (en)
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Shuji Machida
修司 町田
Kiyohiko Yokota
清彦 横田
Kazuo Sato
和夫 佐藤
Tatsuya Takarazaki
達也 宝崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリオレフィン系複合材料分野及び複合材料
の設計を容易にする相溶化剤の製造分野において有用な
スチレン系重合体提供すること。 【解決手段】 スチレン及びその誘導体から選ばれる一
種以上の単量体から成るポリマー連鎖[I]、あるいは
スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単量体
と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環
状オレフィンから選ばれる一種以上の単量体から成るポ
リマー連鎖[I]と、エチレン、炭素数3〜20のα−
オレフィン、環状オレフィン、スチレン及びその誘導体
から選ばれる一種以上の単量体から成り、単量体種、立
体規則性及び共重合組成のうちの一つ以上がポリマー連
鎖[I]と異なるポリマー連鎖[II]とがブロック結合
され、かつマクロモノマーに基づくグラフト構造を持つ
スチレン系重合体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリオレフィン系
複合材料分野及び複合材料の設計を容易にする相溶化剤
の製造分野において有用なオレフィン系重合体、その製
造方法及び該重合体を含む熱可塑性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリオレフィンは化学的に安
定で耐候性に優れ、化学薬品に侵されにくく、機械的強
度に優れ、各種成形体例えば、シート、フィルム、射出
成形体、中空成形体、発泡成形体、真空成形体、回転成
形体などの多岐にわたる成形方法により、所望の物性、
形状を付与して、各種用途に大規模に用いられている。
また、昨今の環境保全に対する意識の高まりから、プラ
スチック全般に対して、環境負荷を軽減する動きが定着
してきた。ポリオレフィン系樹脂はリサイクル性に優
れ、成形が容易で、焼却により有害な成分を発生し難い
ことなどから、環境負荷低減に最も合致する樹脂であ
り、従って、ポリオレフィン系材料は今後更に用いられ
る機会が増え、要求特性も高度化すると推定される。し
かし、ポリオレフィン材料を一種用いることでは多岐に
わたる要求に応えることはできない。そこで、この要求
に応えるための手段として従来からいくつかのポリオレ
フィン材料を複合化することが行われてきた。しかし、
一般にポリオレフィン間では非相溶系であるため、モル
フォロジーの制御に制限があり、複合系材料に本来期待
されている各々の樹脂の特徴を複合により引出すことに
は限界があった。
【0003】従来のプロピレン重合法の一例として、
「Exxon ,Macromolecules 31 ,5343-5351(1999) 」で
は、非架橋メタロセン触媒によるプロピレン重合が報告
されている。詳しくは、非架橋型の置換インデニル錯
体、例えばビス(2−フェニルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド/MAO(メチルアルミノキサン)触媒で
プロピレンを重合すると、アイソタクチック連鎖とアタ
クチック連鎖から成るマルチブロック型のポリプロピレ
ンが生成することが報告されている。この報告では、重
合過程での触媒構造が変化し、ブロック共重合体が生成
するとしているが、ブロック連鎖長が一般のブロック共
重合体とは異なり短く、その性質はブロック連鎖長の長
い、いわゆる一般的なブロック共重合体よりはむしろラ
ンダム共重合体に近い性質を有している。したがって、
複合系ポリマーの相溶化成分として用いる場合、複合系
の物性を制御するために必要なポリマー界面の接着や、
界面活性効果による分散粒子径の制御に関する性能は低
いものである。また、特開昭60−35006号公報、
特開昭64−74202号公報及び特開平3−2039
04号公報には、複合触媒によりエチレン系重合体の分
子量分布を拡大することが提案されている。これは、メ
タロセン触媒系ポリエチレンの成形性を高める目的で分
子量分布を拡大する技術である。いわゆるメタロセン触
媒を用いて製造されたポリエチレン系樹脂は、分子量分
布が狭く、成形加工時の溶融樹脂流動性が低く、フィル
ム成形、押出し成形などにおいて、生産性が低くかつ成
形安定性、成形品の外観等に多くの問題をかかえてい
た。この問題を解決する手法として、同一重合反応場で
分子量の異なるポリエチレン系樹脂を製造し、その結
果、分子量分布を拡大させるために、触媒を二種用いる
ことが提案されている。
【0004】しかし、これらの公報においては非相溶系
のポリオレフィンの複合化に関する技術を目的としては
おらず、またその具体的開示もされていない。このこと
は、上記公報における明細書の記述から明らかである。
すなわち、上記公開公報に記載のメタロセン触媒はいず
れもオレフィン間共重合性が高い。具体的な実施形態を
みても、共重合組成は両者の触媒で類似しており、たと
え触媒活性点サイト間で交換反応が進行したとしても、
ブロック構造を認識できる共重合体は実質的に生成して
はいない。さらに、異なる立体規則性ブロックからなる
ポリプロピレンのエラストマーや組成物に関しては、
「J .Polym .Sci .,PartA 37,No14,2439-2445(19
99)」、「Soc .Plast .Eng .Annu.Tech.Conf.,1
57th ,No1 ,3978-3980(1999」、米国特許61244
00号及び米国特許5756614号に記載されてお
り、これらにおいては触媒成長サイト間の交換反応によ
りブロック共重合体が生成するされている。ここではS
PS−b−APS,IPP−b−APP,IPP−b−
SPP,IPP−b−APP,PE−b−分岐PE,組
成分布の異なるエチレン/α−オレフィンブロック共重
合体,PE−b−エチレン/α−オレフィンブロックを
含有するポリマーアロイ及びPP系のエラストマーに関
して開示されている。しかしながら、サイト交換による
ブロック体の生成割合は低いために、ポリオレフィン系
複合材料の相溶化剤として添加する場合、形態制御やポ
リマー界面の接着性を発現させるには、充分な性能を有
していない。また、グラフト構造の記載はなく、本発明
と本質的に異なるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みなされたもので、特に非相溶系の組合せにおいて、
モルホロジーや界面強度等の物性発現要因を容易に制御
できる熱可塑性樹脂組成物における複合相溶化成分とし
て好適な、スチレン系重合体を提供することを目的とす
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定の単量体か
ら成るポリマー連鎖[I]と、特定の単量体から成り、
単量体種、立体規則性及び共重合組成のうちの一つ以上
がポリマー連鎖[I]と異なるポリマー連鎖[II]とが
ブロック結合され、かつマクロモノマーに基づくグラフ
ト構造を持つスチレン系重合体により、上記目的が達成
されることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて
完成したものである。すなわち、本発明は、スチレン及
びその誘導体から選ばれる一種以上の単量体から成るポ
リマー連鎖[I]、あるいはスチレン及びその誘導体か
ら選ばれる一種以上の単量体と、エチレン、炭素数3〜
20のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれる
一種以上の単量体から成るポリマー連鎖[I]と、エチ
レン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィ
ン、スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単
量体から成り、単量体種、立体規則性及び共重合組成の
うちの一つ以上がポリマー連鎖[I]と異なるポリマー
連鎖[II]とがブロック結合され、かつマクロモノマー
に基づくグラフト構造を持つスチレン系重合体[I]を
提供するものである。また、本発明は、スチレン及びそ
の誘導体から選ばれる一種以上の単量体から成るポリマ
ー連鎖[I]、あるいはスチレン及びその誘導体から選
ばれる一種以上の単量体と、エチレン、炭素数3〜20
のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれる一種
以上の単量体から成るポリマー連鎖[I]と、エチレ
ン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフィ
ン、スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単
量体から成り、単量体種、立体規則性及び共重合組成の
うちの一つ以上がポリマー連鎖[I]と異なるポリマー
連鎖[II]を有し、固体 1H−NMR測定により求めた
長時間緩和成分の緩和速度において、ポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]からなる物理的混合物にお
ける長時間成分の緩和速度を(1/R1 0 (単位:1
/秒)とし、スチレン系重合体[II]の長時間成分の緩
和速度を(1/R1 )(単位:1/秒)としたときに、
(1/R1 0 と(1/R1 )とが下記式(1) [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.05 (1) を満足するスチレン系重合体[II]を提供するものであ
る。さらに、本発明は、周期律表第3〜10族、アクチ
ノイド及びランタノイドから選ばれる金属化合物を必須
成分として含み、使用する単量体に対する、立体規則性
及び共重合の制御性のうちの少なくとも一つが異なる二
種以上の触媒からなる複合触媒を用いて、スチレン及び
その誘導体から選ばれる一種以上、あるいはスチレン及
びその誘導体から選ばれる一種以上と、エチレン、炭素
数3〜20のα−オレフィン及び環状オレフィンから選
ばれる一種以上の単量体を重合させることを特徴とする
上記スチレン系重合体[I]又は[II]の製造方法を提
供するものである。さらにまた、本発明は、上記スチレ
ン系重合体[I]又は[II]と他の熱可塑性樹脂からな
り、該スチレン系重合体の含有量が組成物中0.01〜3
0質量%である熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のオレフィン系重合体
[I]は、スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以
上の単量体から成るポリマー連鎖[I]、あるいはスチ
レン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単量体と、
エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環状オ
レフィンから選ばれる一種以上の単量体から成るポリマ
ー連鎖[I]と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレ
フィン、環状オレフィン、スチレン及びその誘導体から
選ばれる一種以上の単量体から成り、単量体種、立体規
則性及び共重合組成のうちの一つ以上がポリマー連鎖
[I]と異なるポリマー連鎖[II]とがブロック結合さ
れ、かつマクロモノマーに基づくグラフト構造を持つも
のである。スチレン又はその誘導体としては、スチレ
ン,p−メチルスチレン,p−エチルスチレン,p−プ
ロピルスチレン,p−イソプロピルスチレン,p−ブチ
ルスチレン,p−tert−ブチルスチレン,p−フェ
ニルスチレン,o−メチルスチレン,o−エチルスチレ
ン,o−プロピルスチレン,o−イソプロピルスチレ
ン,m−メチルスチレン,m−エチルスチレン,m−イ
ソプロピルスチレン,m−ブチルスチレン,メシチルス
チレン,2,4−ジメチルスチレン,2,5−ジメチル
スチレン,3,5−ジメチルスチレン等のアルキルスチ
レン類;p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレ
ン,m−メトキシスチレン等のアルコキシスチレン類;
p−クロロスチレン,m−クロロスチレン,o−クロロ
スチレン,p−ブロモスチレン,m−ブロモスチレン,
o−ブロモスチレン,p−フルオロスチレン,m−フル
オロスチレン,o−フルオロスチレン,o−メチル−p
−フルオロスチレン等のハロゲン化スチレン;トリメチ
ルシリルスチレン,ビニル安息香酸エステル等を挙げる
ことができる。炭素数3〜20のα−オレフィンとして
は、プロピレン,1−ブテン,3−メチル−1−ブテ
ン,4−フェニル−1−ブテン,1−ペンテン,3−メ
チル−1−ペンテン,4−メチル−1−ペンテン,3,
3−ジメチル−1−ペンテン,3,4−ジメチル−1−
ペンテン,4,4−ジメチル−1−ペンテン,1−ヘキ
セン,4−メチル−1−ヘキセン,5−メチル−1−ヘ
キセン,6−フェニル−1−ヘキセン,1−オクテン,
1−デセン,1−ドデセン,1−テトラデセン,1−ヘ
キサデセン,1−オクタデセン,1−エイコセン,ビニ
ルシクロヘキサン,5−エチリデン−2−ノルボルネン
等のα−オレフィン類;ヘキサフルオロプロペン,テト
ラフルオロエチレン,2−フルオロプロペン,フルオロ
エチレン,1,1−ジフルオロエチレン,3−フルオロ
プペン,トリフルオロエチレン,3,4−ジクロロ−1
−ブテン等のハロゲン置換α−オレフィンが挙げられ
る。環状オレフィンとしては、;シクロペンテン等の単
環式環状オレフィン;ノルボルネン、5−メチルノルボ
ルネン、5−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボ
ルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、1−メチルノ
ルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,5,6−ト
リメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5
−ベンジルノルボルネン、5−エチリデンノルボルネ
ン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−
ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−ヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−エチリデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ン、2−フルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、1,5−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメ
タノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オク
タヒドロナフタレン、2−イソブチル−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペン
タジエン、5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロ
ノルボルネン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6
−トリフルオロ−6−トリアルオロメチルノルボルネ
ン、5−クロロメチルノルボルネン、5−メトキシノル
ボルネン、5,6−ジカルボキシノルボルネンアンハイ
ドレート、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シア
ノノルボルネン等の多環式環状オレフィンが挙げられ
る。
【0008】ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]
において、単量体種が異なるとは、文字通りそれらを構
成する単量体の種類が少なくとも一種異なっているか、
一方にのみ存在し他方のポリマー連鎖には存在しない単
量体があることを指す。例えばエチレン連鎖とエチレン
/スチレン共重合連鎖、スチレン連鎖とポリオレフィン
連鎖、例えばポリオレフィン連鎖としてエチレン連鎖、
プロピレン連鎖、エチレン/αオレフィン共重合連鎖な
どの関係を指す。また、ポリマー連鎖[I]とポリマー
連鎖[II]に同一の単量体が存在する場合でも、その単
量体のポリマー連鎖[I]、[II]での存在比率(モル
比)が0.03以下であれば、単量体種が実質的に異なる
とみなすことができる。ポリマー連鎖[I]とポリマー
連鎖[II]において、立体規則性が異なるとは、ポリマ
ー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]が同一の単量体種で
あって、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、
環状オレフィン、スチレン及びその誘導体から選ばれる
二種以上の単量体からなる共重合体である場合に、アイ
ソタクチック、シンジオタクチック、アタクチックの三
種の立体規則性が異なることを指す。但し、ポリマー連
鎖[I]とポリマー連鎖[II]のどちらか一方にはスチ
レンが存在することを要する。立体規則性の範囲は、ア
イソタクチックの場合、メソペンタッド分率[mmm
m]で35〜100%であり、シンジオタクチックの場
合、ラセミペンタッド分率[rrrr]で35〜100
%であり、両者以外の場合をアタクチックという。立体
規則性が異なるということの具体例としては、立体規
則性の異なるものの組合せ、すなわちアタクチック/ア
イソタクチック(ポリマー連鎖[I]/ポリマー連鎖
[II]、以下同様)、アタクチック/シンジオタクチッ
ク及びアイソタクチック/シンジオタクチックの三種の
組合せで、同一の単量体又は異種の単量体からなる組合
せ、立体規則性が同種であって、規則性が異なるもの
の組合せ、すなわちアイソタクチック/アイソタクチッ
ク、シンジオタクチック/シンジオタクチック及びアタ
クチック/アタクチックの三種の組合せで、立体規則性
の程度が異なる同種の単量体及び異種の単量体からなる
組合せを挙げることができる。本発明においては、アイ
ソタクチック/アイソタクチック又はシンジオタクチッ
ク/シンジオタクチックの組合せであって、[mmm
m]の比又は[rrrr]の比がポリマー連鎖[I]と
ポリマー連鎖[II]とで1.1〜2.85の範囲にあるもの
が好ましい。より好ましくは、ポリマー連鎖[I]及び
[II]の立体規則性をそれぞれ[mmmm]I 及び[m
mmm]IIとしたときに、[mmmm]I/[mmm
m]II 及び[mmmm]II/[mmmm]I のうちの
1を超える方の値が、1.2〜2.85、更に好ましくは1.
3〜2.85、最も好ましくは1.4〜2.85の範囲にある
ことである。ラセミペンタッド分率[rrrr]につい
ても同様である。ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖
[II]とが同種の単量体からなるスチレン系重合体の具
体例としては、アイソタクチックポリスチレン/シンジ
オタクチックポリスチレン、アタクチックポリスチレン
/アイソタクチックポリスチレン、アタクチックポリス
チレン/シンジオタクチックポリスチレン、及び低立体
規則性アイソタクチックポリスチレン/高立体規則性ア
イソタクチックポリスチレンなどが挙げられる。ポリマ
ー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]とが異種の単量体か
らなるスチレン系重合体の具体例としては、アイソタク
チックポリプロピレン/シンジオタクチックポリスチレ
ン及びシンジオタクチックポリプロピレン/シンジオタ
クチックポリスチレンなどが挙げられる。
【0009】ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]
において、共重合組成が異なるとは、ポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]とが同一の単量体種からな
り、共重合組成がポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖
[II]が等しくないことを指す。その好ましい範囲は、
共重合連鎖を構成する単量体をM1 ,M2 ,M3 ,M4
・・・Mn とし、ポリマー連鎖[I]のそれぞれの単量
体含有量をCI ( Mn ) [n=1,2,3・・・n]モ
ル%、ポリマー連鎖[II]のそれぞれの単量体含有量を
II( Mn ) [n=1,2,3・・・n]モル%とした
ときに、それぞれの単量体組成の比[CI ( Mn ) /C
II( Mn ) 及びCII( Mn ) /CI ( Mn ) のうちの1.
0を超える値]の最も大きい値が1.2以上にある組み合
わせであるものが好ましく、より好ましくは1.5以上、
更に好ましくは2.0以上、更により好ましくは2.5以
上、最も好ましくは3.0以上である。この値が1.2未満
では、生成したスチレン系重合体[I]においてポリマ
ー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]とが類似することを
意味しており、スチレン系重合体[I]を相溶化剤とし
て用いた場合、非相溶系の熱可塑性樹脂組成物の物性
(例えば機械的性質や熱的性質など)を向上することが
できないというおそれがある。なお、この値は、特にそ
の上限が限定されるものではない。何故なら、この値が
大きいほど非相溶系の複合材料の物性を制御する相溶化
成分として機能することが期待できるからである。
【0010】スチレン系重合体[I]はブロック構造の
他にグラフト構造を同時に有するスチレン系重合体であ
り、ポリマー連鎖[I]及びポリマー連鎖[II]の両方
又は一方に長鎖分岐の存在する構造である。この長鎖分
岐は、ポリマー連鎖[I]、ポリマー連鎖[II]、ポリ
マー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]のブロック重合連
鎖のいずれか、または、他のオレフィン系マクロモノマ
ーから形成される連鎖である。長鎖分岐の構造として
は、分岐がオレフィン系マクロモノマーとの反応により
されるものが挙げられる。具体例としては、エチレンか
ら誘導されるエチレン系マクロモノマー(マクロモノマ
ー自体が分岐を含むマクロモノマーも包含)、プロピレ
ンから誘導されるプロピレン系マクロモノマー(マクロ
モノマー自体が分岐を含むマクロモノマーも包含し、立
体規則性はアタクチック、アイソタクチック、シンジオ
タクチック構造)、エチレンと、α−オレフィン、環状
オレフィン、スチレン及びその誘導体から選ばれる単量
体をコモノマー成分としたエチレン系共重合マクロモノ
マー、プロピレンと、エチレン、α−オレフィン、環状
オレフィン、スチレン及びその誘導体から選ばれる単量
体をコモノマー成分としたプロピレン系共重合マクロモ
ノマー(立体規則性はアタクチック、アイソタクチッ
ク、シンジオタクチック構造)が挙げられる。長鎖分岐
の構造は、分岐長が炭素数10から主鎖と同程度の分子
量までであり、分岐数が1000炭素当たり0.0001
〜10のものである。
【0011】ブロックグラフト構造の検出方法として
は、以下の(a)〜(d)の方法がある。 (a)分光学的方法 化学結合点そのものを検出する方法で、通常の核磁気共
鳴スペクトル法により検出される。グラフト結合点に
は、通常3級炭素が存在し、一方、ブロック結合点には
通常2級炭素が存在するする。この方法は、これらの特
有な結合を検出定量する方法である。 (b)ポリマー連鎖の溶解性の差に基づき評価する方法
(溶媒分別方法) ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]に対する溶解
性の差を利用して構造解析行なう方法である。どちらか
一方のポリマー連鎖に対する溶解性が高い溶媒、または
複数種の溶媒を混合して溶解性を制御した混合溶媒を用
いて、溶解操作を実施した後の溶媒不溶成分に可溶成分
が存在することを上記(a)の方法で評価する。また
は、溶媒可溶成分を上記(a)により分析することによ
り、可溶成分中に溶媒不溶成分が存在することを確認
し、定量することにより評価する方法である。 (c)溶融粘度のせん断速度依存性による評価方法 長いグラフト鎖を微量でも有するポリオレフィンは、溶
融粘度のせん断速度依存性が分岐を含まないポリオレフ
ィンとは異なることを利用してグラフト構造を検出する
方法である。すなわち、グラフト鎖が存在すると、溶融
粘度のせん断速度依存性はグラフト鎖の存在しない系と
比較して大きい。従って、グラフト鎖の存在しない直鎖
状重合体とグラフト重合体とを比較することで、グラフ
ト鎖の存在を検出することができる。また、この方法は
分子量分布の影響を受けることが知られているが、この
場合は、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラ
フ)から求めた分子量分布がほぼ同じで、グラフト鎖の
存在しない同種、すなわち、単量体種が同一でその構成
比率がほぼ同一のポリオレフィンの直鎖状重合体と比較
する。また他の方法として、明らかに分岐を含まず単量
体種が同一でその構成比率がほぼ同一のスチレン系重合
体を用い、分子量分布に対する溶融粘度のせん断速度依
存性を予め明らかにし、スチレン系重合体[I]と同一
の分子量分布域で比較することでグラフト鎖の存在を検
出することができる。この一例として挙げられる具体的
な測定方法は、以下のとおりである。
【0012】測定方法 装置: 溶融粘度測定装置 RMS800(レオメトリ
ックス社製) <測定条件> 温度:オレフィン系重合体[I]の最高融点又は最高ガ
ラス転移温度以上通常オレフィン系重合体[I]の最高
融点より10〜60℃高い温度 通常オレフィン系重合体[I]の最高ガラス転移温度よ
り10〜200℃高い温度 歪み:15% 角速度:0.01〜300rad/s 試料形状:コーンプレート 上記装置及び条件でせん断速度(すなわち角速度ω)に
対する溶融粘度を測定する。 <データ処理>溶融粘度が10Pasとなる角速度をω
1 、溶融粘度が103 Pasとなる角速度をω2 とし
ω2 /10ω1 の値を算出する。 <比較試料>明らかに分岐を含まず、単量体種が同一で
とその構成比率がスチレン系重合体[I]とほぼ同一の
ポリスチレンを使用する。 グラフト鎖の検出 ケース1:スチレン系重合体[I]の分子量分布[重量
平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]と比較試
料の分子量分布の比が0.8〜1.8倍の範囲にある場合 スチレン系重合体[I]のω2 /10ω1 の値をN1
し、比較試料のω2 /10ω1 の値をN0 としたとき、
下記式(5) 1.05≦N1 /N0 ≦80 (5) 満たす場合をグラフト構造として評価する。 ケース2:スチレン系重合体[I]の分子量分布と比較
試料の分子量分布の比が上記ケース1の範囲を外れる場
予め、分子量分布に対するN0 の値を、分子量分布の異
なる複数の比較試料を用いて決定する。すなわち、比較
試料のGPCから求めた分子量分布(Mw/Mn)に対
するN0 (比較試料のω2 /10ω1 の値)をプロット
し、この関係から単調増加の関数N0 =f(Mw/M
n)を最小二乗法により決定する。この関係にスチレン
系重合体[I]の分子量分布(Mw/Mn)の値から得
られるN1 が上記式(5)を満たす場合をグラフト構造
として評価する。
【0013】上記式(5)においては、 1.10≦N1 /N0 ≦80が好ましく、 1.30≦N1 /N0 ≦70がより好ましく、 1.50≦N1 /N0 ≦65が更に好ましく、 1.70≦N1 /N0 ≦60がより一層好ましく、 2.00≦N1 /N0 ≦55が最も好ましい。 N1 /N0 が1.05未満では、スチレン系重合体[I]
の熱可塑性樹脂との相溶化能力が低く、複合材料として
の物性を充分に発現させることに支障をきたすおそれが
ある。また、80を超えると、架橋構造を含むグラフト
共重合体が副生し、ゲルが発生し、先に示したように物
性、複合材料製造時の混合性に支障をきたすおそれがあ
る。 (d)GPC−光散乱による評価方法 分岐パラメ−タ(α)の決定方法 試料のGPC/MALLS(多角度光散乱)測定を行
い、各溶出位置において、散乱光強度の傾きより<R2
1/2 (半径の2乗平均の平方根)を求め、散乱光強度
の切片より重量平均分子量Mwを求め、<R2 1/2
Mwの対数をプロットし、最小2乗法によりその傾きα
を計算した。なお、試料のGPC/MALLS測定は以
下の条件で行った。 溶媒 :1,2,4−トリクロロベンゼン 濃度 :0.3%(w/v) 溶解温度 :135℃ 測定装置 :Waters社製 150−C(GPC) Wyatt Technology社製 DAWN EOSTM (多角度光散乱) カラム :昭和電工(株) ShodexUT806MLT (7.8mmφ×50cm) 注入量 :300マイクロリットル 流速 :1.0ミリリットル/min 屈折率の濃度増分(dn/dc) :−0.095
【0014】長鎖分岐の評価 上記測定をスチレン系重合体[I]及びスチレン系重合
体[I]と単量体種が同一で、共重合組成の類似した
(±10%程度の誤差)直鎖状の重合体の双方で実施
し、α値を決定する。このα値の比[(α)L /(α)
B ]が1を超える場合に、長鎖分岐が存在すると評価す
る。ここで、(α)L は直鎖状重合体のα値を示し、
(α)B はスチレン系重合体[I]のα値を示す。
[(α)L /(α) B ]は、好ましくは1.02以上、よ
り好ましくは1.03以上、更に好ましくは1.04以上、
最も好ましくは1.05以上である。[(α)L /(α)
B ]が1の場合、スチレン系重合体[I]が長鎖分岐構
造を有さない、すなわち、グラフト構造ではないこと示
している。
【0015】スチレン系重合体[I]は、固体 1H−N
MR測定により求めた長時間緩和成分の緩和速度(1/
1 )(単位:1/秒)が0.2〜10であることが好ま
しく、0.3〜9がより好ましく、特に好ましくは0.35
〜5である。さらにスチレン系重合体[I]において
は、(1/R1 )とポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖
[II]からなる物理的混合物における長時間成分の緩和
速度を(1/R1 0 (単位:1/秒)としたときに、
(1/R1 0 と(1/R1 )とが下記式(1) [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.05 (1) を満たすと樹脂相溶性が良好となり好ましい。上記式
(1)において、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.07がより好ま
しく、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.08が特に好ま
しい。 本発明において、(1/R1 )及び(1/R1 0 は、
固体 1H−NMR測定装置(ブルカー社製,CPX−9
0)を用い、反復回復法(180°−τ−90°パルス
法)により求める。固体 1H−NMR測定において、測
定核は水素核( 1H)、測定周波数は90MHz、90
°パルス幅は2.4〜2.5マイクロ秒とする。また、測定
温度は、長時間緩和成分の緩和速度が、ポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]とで異なる温度領域で任意
に設定することができる。通常、その温度範囲は0〜1
50℃であるが、望ましくは、両者の長時間緩和成分の
緩和速度が最も大きくなる温度で測定する。
【0016】スチレン系重合体[I]において、キシレ
ン不溶部は通常0〜1.5質量%であり、好ましくは0〜
1.3質量%、より好ましくは0〜1.2質量%、更に好ま
しくは0〜1.0質量%、より一層好ましくは0〜0.5質
量%、最も好ましくは0〜0.3質量%である。キシレン
不溶部が1.5質量%を超えた場合は、樹脂組成物製造の
際に、スチレン系重合体[I]の溶融分散、溶液分散混
合が不十分で設計した通りの組成物物性を引出すことに
支障をきたし、また、不溶成分が成形体の外観を悪化さ
せ、応力集中による破壊強度の低下をもたらすおそれが
ある。キシレン不溶部の測定方法及び測定条件は、以下
のとおりである。すなわち、スチレン系重合体[I]2.
0gを150メッシュのステンレス鋼製の容器に入れ、
140℃のパラキシレン1リットルに浸漬し、5時間攪
拌しながら溶解する。溶解後、容器を回収し、100℃
で恒量になるまで減圧乾燥を実施する。容器内に残った
スチレン系重合体[I]の重量を仕込みのスチレン系重
合体[I]で割り、その百分率をもってキシレン不溶部
とする。
【0017】スチレン系重合体[I]において、135
℃デカリン溶媒中で測定した極限粘度[η]で表した分
子量は、通常0.1〜20デシリットル/gであり、好ま
しくは0.15〜15デシリットル/g、より好ましくは
0.2〜13デシリットル/g、更に好ましくは0.25〜
10デシリットル/g、最も好ましくは0.3〜8デシリ
ットル/gである。この極限粘度[η]が0.1デシリッ
トル/g未満では組成物としての力学物性が低下し、2
0デシリットル/gを超えると、組成物の成形加工性が
低下するおそれがある。スチレン系重合体[I]におい
て、分子量分布に特に制限はなく、通常の範囲であれば
よい。好ましくは、GPC法で測定した重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)との比Mw/Mnが1.
5〜60の範囲である。スチレン系重合体[I]におい
て、ポリマー連鎖[I]及びポリマー連鎖[II]は2,
1−挿入、1,3−挿入などの異種結合を含んでいても
よい。
【0018】スチレン系重合体[II]は、基本的にスチ
レン系重合体[I]と同一の構造を有している重合体で
ある。但し、以下の理由により、上述したブロック構造
検出方法の適用に制限がある場合を新たにスチレン系重
合体[II]とする。すなわち、スチレン系重合体[II]
は、(a)分光学的方法又は(b)ポリマー連鎖の溶解
性の差に基づき評価する方法(溶媒分別方法)におい
て、ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]の一方又
は両者の分子量が大きく、ブロック結合点濃度が極端に
低くなる結果、分光学的方法の適用限界がある場合、ブ
ロック結合点濃度が極端に低い場合、ポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]の溶媒溶解性が類似し、溶
媒分別方法に使用可能な溶媒に制限があるものである。
スチレン系重合体[II]の構造は、スチレン系重合体
[I]における(a)分光学的方法又は(b)ポリマー
連鎖の溶解性の差に基づき評価する方法(溶媒分別方
法)を除いた項目で規定される構造である。スチレン系
重合体[II]は、固体 1H−NMR測定により求めた長
時間緩和成分の緩和速度(1/R1 )(単位:1/秒)
が0.2〜10であることが好ましく、0.3〜9がより好
ましく、特に好ましくは0.35〜5である。スチレン系
重合体[II]においては、(1/R1 )とポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]からなる物理的混合物にお
ける長時間成分の緩和速度を(1/R1 0 (単位:1
/秒)としたときに、(1/R1 0 と(1/R1 )と
が下記式(1) [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.05 (1) を満たすことを要する。上記式(1)において、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.07がより好ま
しく、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.08が特に好ま
しい。 なお、(1/R1 )及び(1/R1 0 は、固体 1H−
NMR測定装置(ブルカー社製,CPX−90)を用
い、上述した反復回復法(180°−τ−90°パルス
法)により求める。
【0019】スチレン系重合体[I]又はスチレン系重
合体[II]におけるポリマー連鎖[I]及びポリマー連
鎖[II]の具体例を以下に示す。 エチレン、あるいはエチレンと、炭素数3〜20のα
−オレフィン、環状オレフィン、スチレン及びその誘導
体から選ばれる一種以上からなるエチレン系重合体(エ
チレン含有量が40を超え100モル%以下で、エチレ
ンが主成分) プロピレン、あるいはプロピレンと、エチレン、炭素
数4〜20のα−オレフィン、環状オレフィン、スチレ
ン及びその誘導体から選ばれる一種以上からなるプロピ
レン系重合体(プロピレン含有量が40を超え100モ
ル%以下で、プロピレンが主成分、プロピレン連鎖の立
体規則性はアタクチック、シンジオタクチック又はアイ
ソタクチックで、[mmmm]=35〜100%、[r
rrr]=35〜100%) 炭素数4〜20のα−オレフィンの単独重合体、炭素
数4〜20のα−オレフィン(a)と炭素数4〜20の
α−オレフィン(b)[(a)≠(b)]からなるα−
スチレン系重合体、炭素数4〜20のα−オレフィンの
少なくとも一種と、エチレン、プロピレン、環状オレフ
ィン、スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上か
らなるα−スチレン系重合体(炭素数4〜20α−オレ
フィン含有量が40を超え100モル%以下) スチレン又はその誘導体の単独重合体、スチレン又は
その誘導体(c)とスチレン及びその誘導体(d)
[(c)≠(d)]からなるスチレン系重合体、スチレ
ン又はその誘導体と、エチレン、プロピレン、炭素数4
〜20のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれ
る一種以上からなるスチレン系重合体(スチレン含有量
が40を超え100モル%以下で、スチレンが主成分、
スチレン連鎖の立体規則性はアタクチック、シンジオタ
クチック又はアイソタクチックで、[mmmm]=35
〜100%、[rrrr]=35〜100%)
【0020】上記のエチレン含有量が40を超え10
0モル%以下のエチレン系重合体連鎖としては、HDP
E(高密度ポリエチレン)連鎖、エチレン/プロピレン
共重合連鎖、エチレン/ブテン共重合連鎖、エチレン/
ヘキセン共重合連鎖、エチレン/オクテン共重合連鎖、
エチレン/デセン共重合連鎖、エチレン/エイコセン共
重合連鎖、エチレン/スチレン共重合連鎖、エチレン/
p−メチルスチレン共重合連鎖、エチレン/p−フェニ
ルスチレン共重合連鎖及びエチレン/ノルボルネン共重
合連鎖などが挙げられる。上記のプロピレン含有量が
40を超え100モル%以下のプロピレン系重合体連鎖
としては、アイソタクチックポリプロピレン連鎖、シン
ジオタクチックポリプロピレン連鎖、アタクチックポリ
プロピレン連鎖、低立体規則性アイソタクチックポリプ
ロピレン連鎖、プロピレン/エチレン共重合連鎖、プロ
ピレン/ブテン共重合連鎖、プロピレン/ヘキセン共重
合連鎖、プロピレン/オクテン共重合連鎖、プロピレン
/デセン共重合連鎖、プロピレン/エイコセン共重合連
鎖プロピレン/ノルボルネン共重合連鎖、プロピレン/
スチレン共重合連鎖、プロピレン/p−メチルスチレン
共重合連鎖、プロピレン/p−フェニルスチレン共重合
連鎖及び低立体規則性アイソタクチック/ポリプロピレ
ン/エチレン等α−オレフィン連鎖などが挙げられる。
上記の炭素数4〜20α−オレフィン含有量が40を
超え100モル%以下のα−スチレン系重合体連鎖とし
ては、ポリブテン連鎖、ブテン/エチレン共重合連鎖、
ブテン/プロピレン共重合連鎖、ブテン/デセン共重合
連鎖、ブテン/エイコセン共重合連鎖、ブテン/スチレ
ン共重合連鎖、ブテン/ノルボルネン共重合連鎖、ポリ
4−メチル−ペンテン−1、及びブテンを4−メチル−
ペンテン−1に変えた共重合連鎖などが挙げられる。上
記のスチレン含有量が40を超え100モル%以下の
スチレン系重合体連鎖としては、アイソタクチックポリ
スチレン連鎖、シンジオタクチックポリスチレン連鎖、
アタクチックポリスチレン連鎖、スチレン/エチレン共
重合連鎖スチレン/プロピレン共重合連鎖、スチレン/
オクテン共重合連鎖、スチレン/デセン共重合連鎖、ス
チレン/エイコセン共重合連鎖、スチレン/ノルボルネ
ン共重合連鎖及びスチレン/p−メチルスチレン共重合
連鎖などが挙げられる。ここで、ポリマー連鎖[I]お
よびポリマー連鎖[II]の少なくとも一方は上記のス
チレン系連鎖からなる。ポリマー連鎖[I]及びポリマ
ー連鎖[II]を有するスチレン系重合体[I]及びスチ
レン系重合体[II]は、上記ポリマー連鎖[I]及び
[II]から選択される連鎖構造であって、その構造が同
一でないものをすべて包含する。具体的には、定義され
た単量体の範囲において、単量体種、立体規則性、共重
合組成の点で異なる連鎖を有する全ての例示が包含され
る。具体的には第1表に示す組合せなどが挙げられる。
【0021】
【表1】
【0022】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、スチレン
系重合体[I]又はスチレン系重合体[II]と、熱可塑
性樹脂からなるものであり、この熱可塑性樹脂組成物を
複合材料という観点からみると、スチレン系重合体
[I]、スチレン系重合体[II]及びスチレン系重合体
[II]としては、以下のものが好ましい。すなわち、ス
チレン系重合体[I]としては、ポリマー連鎖[I]と
ポリマー連鎖[II]とがブロック結合し、かつマクロモ
ノマーから形成されるグラフト構造を有するブロックグ
ラフト共重合体が好ましい。スチレン系重合体[II]と
しては、スチレン系重合体[I]において、ポリマー連
鎖[I]の立体規則性が特定の範囲にあるものが好まし
い。スチレン系重合体[II]としては、固体 1H−NM
R測定で求めた緩和速度比が規定の範囲に入るように機
能するスチレン系重合体であれば何ら構造上の制限はな
い。より好ましいものとして、分子量及び熱可塑性樹脂
に以下の制限を設けた場合に、更に複合材料の物性が向
上する。スチレン系重合体[II]において、135℃デ
カリン溶媒中で測定した極限粘度[η]で表した分子量
は、通常0.1〜20デシリットル/gであり、好ましく
は0.2〜18デシリットル/g、より好ましくは0.3〜
16デシリットル/g、最も好ましくは0.4〜13デシ
リットル/gである。この極限粘度[η]が0.1デシリ
ットル/g未満では複合材料の物性を制御することがで
きず、20デシリットル/gを超えると、複合材料を製
造する際に分散性が低下するおそれがある。本発明の熱
可塑性樹脂組成物(複合材料)に配合する熱可塑性樹脂
は、この熱可塑性樹脂に含まれる単量体のシーケンス
が、スチレン系重合体[I]又はスチレン系重合体[I
I]に含まれるポリマー連鎖[I]又はポリマー連鎖[I
I]の単量体のシーケンスとが類似していることが好ま
しい。スチレン系重合体[I]又は[II]に含まれるポ
リマー連鎖[I]又はポリマー連鎖[II]の単量体のシ
ーケンスに対応する熱可塑性樹脂のシーケンスは、具体
的には、立体規則性及び共重合組成が以下の範囲である
ことが好ましい。立体規則性については、[mmmm]
g/[mmmm]po=0.5〜1.5、[rrrr]g/
[rrrr]po=0.5〜1.5であることが好ましい。
ここで、[mmmm]g及び[rrrr]gは、スチレ
ン系重合体[I]又は[II]に含まれるポリマー連鎖
[I]又はポリマー連鎖[II]の立体規則性を示し、
[mmmm]po及び[rrrr]poは、熱可塑性樹
脂において、スチレン系重合体[I]又は[II]に含ま
れるポリマー連鎖[I]又はポリマー連鎖[II]に対応
する部分の立体規則性を示す。[mmmm]g/[mm
mm]po及び[rrrr]g/[rrrr]poは、
より好ましくは0.6〜1.4、更に好ましくは0.65〜1.
35、より一層好ましくは0.60〜1.30、最も好まし
くは0.70〜1.25である。[mmmm]g/[mmm
m]po又は[rrrr]g/[rrrr]poが0.5
未満あるいは1.5を超えた場合は、スチレン系重合体
[I]又は[II]と熱可塑性樹脂との相溶性が低下し、
複合材料の物性向上に支障を生じるおそれがある。共重
合組成については、スチレン系重合体[I]又は[II]
に含まれるポリマー連鎖[I]又はポリマー連鎖[II]
の単量体組成を、ag ,bg ,cg ,・・・,ng (a
g +bg +cg +・・・+ng =100%)とし、スチ
レン系重合体[I]又は[II]に含まれるポリマー連鎖
[I]又はポリマー連鎖[II]に対応する熱可塑性樹脂
のシーケンスの単量体組成を、apo,bpo,cpo,・・
・,npo(apo+bpo+cpo+・・・+npo=100
%)とした場合に、npo/ng及びng /npoのうち
の、値が1以上のものの、最も大きい値が20以下で、
かつ最も小さい値が1.5以下であることが好ましい。最
も大きい値は、より好ましくは15以下、更に好ましく
は10以下、より一層好ましくは8以下、最も好ましく
は5以下である。また、小さい値は、より好ましくは1.
4以下、更に好ましくは1.3以下、より一層好ましくは
1.25以下、最も好ましくは1.20以下である。npo
g 又はng /npoが上記範囲を外れると、複合材料と
しての物性を充分に引出すことができないおそれがあ
る。これに対して、npo/ng 又はng/npoが上記範
囲内であれば、少量(通常3モル%以下)の第三成分単
量体が、スチレン系重合体[I]又は[II]や熱可塑性
樹脂に含まれていても問題はない。
【0023】ここで、熱可塑性樹脂組成物(複合材料)
における複合化は、一つの熱可塑性樹脂の改良すべき物
性・機能や新たに付与する性質を明らかにし、これらの
物性・機能、新たな性質を有するもう一方の熱可塑性樹
脂を抽出し、これらを複合することにより行なう。改良
物性・機能や新たに付与する性質として具体的には、透
明性、弾性率、耐熱性、降伏強度、破断強度、低温衝撃
性、ヒートシール温度及び強度、引裂き強度、破断伸
び、結晶性、融点、耐溶剤性、表面硬度、表面光沢、成
形時の収縮率、フローマーク等の外観、金型転写性など
が例示できる。ポリオレフィンの場合、立体規則性で制
御できる物性としては、耐熱性、弾性率、強度、結晶
性、融点、耐溶剤性、成形時の収縮率、耐衝撃強度など
か挙げられる。共重合組成を変更することで制御できる
物性としては、透明性、弾性率、耐熱性、引張り強度、
破断強度、低温衝撃強度、ヒートシール温度及び強度、
引裂き強度、破断伸びなどが挙げられる。ポリオレフィ
ンの場合、単量体種の変更が物性に与える影響は最も大
きく、複合化により広範な物性範囲を実現することがで
きる。単量体種を変更することで制御できる物性として
は、上記全ての例示が含まれる。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物の構成として
は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂I/スチレン系重合
体[I]又は[II]、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂I
/スチレン系重合体[I]又は[II]/熱可塑性樹脂II
I 、ポリオレフィン熱可塑性樹脂I/スチレン系重合体
[I]又は[II]/添加剤、ポリオレフィン系熱可塑性
樹脂I/スチレン系重合体[I]又は[II]/熱可塑性
樹脂III /添加剤、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂I/
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂II/スチレン系重合体
[I]又は[II]、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂I/
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂II/スチレン系重合体
[I]又は[II]/熱可塑性樹脂III 、ポリオレフィン
系熱可塑性樹脂I/ポリオレフィン系熱可塑性樹脂II/
スチレン系重合体[I]又は[II]/添加剤、ポリオレ
フィン系熱可塑性樹脂I/ポリオレフィン系熱可塑性樹
脂II/スチレン系重合体[I]又は[II]/熱可塑性樹
脂III/添加剤が挙げられる。なお、ポリオレフィン系
熱可塑性樹脂I及びポリオレフィン系熱可塑性樹脂IIと
は、種類が異なることを意味し、これらの樹脂の具体例
については後述する。また、熱可塑性樹脂III 及び添加
剤の具体例についても後述する。ポリオレフィン系熱可
塑性樹脂Iとポリオレフィン系熱可塑性樹脂IIを併用す
る場合、両者の使用割合は、ポリオレフィン系熱可塑性
樹脂I 99〜1質量%、ポリオレフィン系熱可塑性樹
脂II 1〜99質量%とすることが好ましい。スチレン
系重合体[I]又は[II]の配合量は、ポリオレフィン
系熱可塑性樹脂I、あるいはポリオレフィン系熱可塑性
樹脂Iとポリオレフィン系熱可塑性樹脂IIの合計量の0.
01〜30質量%が好ましく、より好ましくは0.05〜
28質量%、更に好ましくは0.10〜26質量%、より
一層好ましくは0.20〜24質量%、最も好ましくは0.
50〜22質量%である。熱可塑性樹脂III の配合量
は、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂I、あるいはポリオ
レフィン系熱可塑性樹脂Iとポリオレフィン系熱可塑性
樹脂IIの合計量の0.5〜60質量%が好ましく、より好
ましくは2〜40質量%である。同様に、添加剤の配合
量は、0.0001〜60質量%が好ましく、より好まし
くは0.0001〜10質量%である。
【0025】本発明の熱可塑性組成物は、固体 1H−N
MR測定により求めた長時間緩和成分の緩和速度(1/
1 )(単位:1/秒)が0.2〜10であることが好ま
しく、0.3〜9がより好ましく、特に好ましくは0.35
〜5である。さらにスチレン系重合体[I]又はスチレ
ン系重合体[II]を含有しない熱可塑性樹脂組成物又は
熱可塑性樹脂の長時間緩和成分の緩和速度を(1/
1 0 (単位:1/秒)としたときに、(1/R1
0 と(1/R1 )とが下記式(4) [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.01 (4) を満たすと樹脂相溶性が良好となり好ましい。上記式
(4)において、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.02がより好ま
しく、 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.03が特に好ま
しい。 上記(1/R1 )及び(1/R1 0 は、上述した方法
と同様に、固体 1H−NMR測定装置(ブルカー社製,
CPX−90)を用い、反復回復法(180°−τ−9
0°パルス法)により求める。固体 1H−NMR測定に
おいて、測定核は水素核( 1H)、測定周波数は90M
Hz、90°パルス幅は2.4〜2.5マイクロ秒とする。
また、測定温度は、長時間緩和成分の緩和速度が、ポリ
マー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]とで異なる温度領
域で任意に設定することができる。通常、その温度範囲
は0〜150℃であるが、望ましくは、両者の長時間緩
和成分の緩和速度が最も大きくなる温度で測定する。
【0026】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に
制限はなく、一般的な方法により製造することができ
る。具体的には、混練機や押出し機を用いた溶融混練に
よる方法、例えば、一軸押出機、二軸押出機、二軸混練
機、バンバリーミキサー、ロールなどの混練装置により
混練する方法が挙げられ、組成物は、通常ペレット状に
成形される。また、溶媒に熱可塑性樹脂組成物の構成成
分を溶解し、溶媒を除去するかまたはポリマーの貧溶媒
に投入して組成物を回収する方法などもある。本発明の
熱可塑性樹脂組成物に配合する熱可塑性樹脂としては、
ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、オレフィンとビニルモ
ノマーとの共重合体、変性オレフィン共重合体、縮合系
高分子化合物、付加重合反応によって得られる重合体な
ど、種々のものを例示することができる。ポリオレフィ
ン系熱可塑性樹脂(熱可塑性樹脂I,II)としては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブテ
ン、エチレン/α−オレフィン共重合体、ブロックポリ
プロピレン、高圧法低密度ポリエチレンなどの単独重合
体、共重合体などが挙げられる。オレフィンとビニルモ
ノマーとの共重合体、変性オレフィン共重合体、縮合系
高分子化合物、付加重合反応によって得られる重合体は
熱可塑性樹脂III の例である。オレフィンとビニルモノ
マーとの共重合体としては、エチレン/酢酸ビニル共重
合体、エチレン/アクリル酸共重合体、エチレン/アク
リル酸エチル共重合体、エチレン/メチルメタクリレー
ト共重合体、アイオノマー:エチレン/カルボン酸含有
ビニルモノマー共重合体の金属イオン置換体(例えば:
エチレン/アクリル酸共重合体のナトリウムイオン中和
物など)、エチレン/ビニルアルコール共重合体などが
挙げられる。変性オレフィン共重合体としては、無水マ
レイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ポリ
エチレンなどが挙げられる。縮合系高分子化合物として
は、ポリカーボネート、ポリアセタール、ナイロン6、
ナイロン6,6などのポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエス
テル、ポリフェニレンオキサイド、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイ
ミド、フェノール樹脂などが挙げられる。付加重合反応
によって得られる重合体(極性ビニルモノマーやジエン
系モノマーから得られた重合体)としては、ポリメチル
メタクリレート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン、ポリビニルアルコールなどの単独重合体、アクリロ
ニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体,水添重合体
であるSEBS,アクリロニトリル/スチレン共重合
体、ハイインパクトポリスチレン(ゴム変性)などが挙
げられる。その他、石油樹脂、熱可塑性エラストマーが
挙げられる。
【0027】添加剤としては、酸化防止剤、塩酸吸収
剤、光安定剤、滑剤、核剤、無機充填剤、安定剤、紫外
線吸収剤などが挙げられる。酸化防止剤としては、フェ
ノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化
防止剤などを用いることができる。これらの添加剤のう
ち、酸化防止剤、塩酸吸収剤、光安定剤、滑剤、安定
剤、紫外線吸収剤は、組成物中0.0001〜10質量%
添加することが好ましい。核剤の添加量は、組成物中0.
001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%、特
に好ましくは0.1〜3質量%である。無機充填剤の添加
量は、組成物中0.1〜60質量%、好ましくは0.3〜5
0質量%、特に好ましくは1〜40質量%である。フェ
ノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル
−p−クレゾール、ステアリル(3,3−ジメチル−4
−ヒドロキシベンジル)チオグリコレート、ステアリル
−β−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェ
ノール)プロピオネート、ジステアリル−3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、
2,4,6−トリス(3’,5’−t−ブチル−4’−
ヒドロキシベンジルチオ)−1,3,5−トリアジン、
ジステアリル(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−
ブチルベンジル)マロネート、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス[6−(1−メチルシク
ロヘキシル)p−クレゾール]、ビス[3,5−ビス
(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリッ
クアシド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデン
ビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3
−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン、ビス[2−t−ブチル−4−メチ
ル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチ
ルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−
トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−
ブチル)ベンジルイソシアヌレート、1,3,5−トリ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキス
[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン、1,3,5
−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス
[(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、2
−オクチルチオ−4,6−ジ(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチル)フェノキシ−1,3,5−トリアジ
ン、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)などのフェノール類及び4,4’ブチリデンビス
(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)の炭酸オリ
ゴエステル(例えば重合度2〜10)などの多価フェノ
ール炭酸オリゴエステル類が挙げられる。
【0028】イオウ系酸化防止剤としては、ジラウリル
チオジプロピオネート、ジミリスチルチオジプロピオネ
ート、ジステアリルチオジプロピオネートなどのジアル
キルチオジプロピオネート、ブチルチオプロピオン酸、
オクチルチオプロピオン酸、ラウリルチオプロピオン
酸、ステアリルチオプロピオン酸などのアルキルチオプ
ロピオン酸の多価アルコールのエステル(例えばペンタ
エリスリトールテトララウリルチオプロピオネート)な
どが挙げられる。多価アルコールとしては、グリセリ
ン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシ
アヌレートなどが挙げられる。リン系酸化防止剤として
は、トリオクチルホスファイト、トリラウリルホスファ
イト、トリデシルホスファイト、オクチル- ジフエニル
ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニ
ル)ホスファイト、トリフェニルホスファイト、トリス
(ブトキシエチル)ホスファイト、トリス(ノニルフェ
ニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトー
ルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−1,1,3
−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)ブタンジホスファイト、テトラ(炭素数1
2〜15の混合アルキル基)−4,4−イソプロピリデ
ンジフェニルジホスファイト、テトラ(トリデシル)−
4,4−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェノール)ジホスファイト、トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ホスファイト、ト
リス(モノ・ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、水
素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホ
スファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス[4,
4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)]・1,6−ヘキサンジオールジホスファイ
ト、フェニル・4,4’−イソプロピリデンジフェノー
ル・ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、
トリス[4,4’−イソプロピリデンビス(2−t−ブ
チルフェノール)]ホスファイト、フェニル・ジイソデ
シルホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリス
リトールジホスファイト)、トリス(1,3−ジ−ステ
アロイルオキシイソプロピル)ホスファイト、4,4’
−イソプロピリデンビス(2−t−ブチルフェノール)
・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、9,10−ジ−
ヒドロ−9−オキサ−9−オキサ−10−ホスファフェ
ナンスレン−10−オキサイド、テトラキス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジ
ホスホナイトなどが挙げられる。
【0029】塩酸吸収剤としては、ステアリン酸カルシ
ウム、Mg6 Al2 (OH)16CO 3 ・4H2 O、Mg
6 Al2 (OH)20CO3 ・5H2 O、Mg5 Al
2 (OH)14CO3 ・4H2 O、Mg10Al2 (OH)
22(C3 3 )2 ・4H2 O、Mg 6 Al2 (OH)16
PO4 ・4H2 O、Ca6 Al2 (OH)16CO3 ・4
2 O、Zn6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Z
6 Al2 (OH)16SO 4 ・4H2 O、Mg6 Al2
(OH)16SO3 ・4H2 O、Mg6 Al2 (OH)12
CO3 ・3H2 Oなどが挙げられる。光安定剤として
は、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン−
2,2’−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのヒドロ
キシベンゾフェノン類、2−(2’−ヒドロキシ−3’
−t−ブチル−5’−メチルフェニル)ー5 ークロロベ
ンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,
5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリア
ゾールなどのベンゾトリアゾール類、フェニルサリシレ
ート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、2,4−
ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3’,
5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートな
どのベンゾエート類、2,2’−チオビス(4−t−オ
クチルフェノール)Ni塩、[2,2’−チオビス(4
−t−オクチルフェノラート)−n−ブチルアミンN
i、(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)ホスホン酸モノエチルエステルNi塩などのニッケ
ル化合物類、α−シアノ−β−メチル−β−(p−メト
キシフェニル)アクリル酸メチルなどの置換アクリロニ
トリル類、N’−2−エチルフェニル−N−エトキシ−
5−t−ブチルフェニルシュウ酸ジアミド、N−2−エ
チルフェニル−N’−2−エトキシフェニルシュウ酸ジ
アミドなどのシュウ酸ジアニリド類、ビス(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジン)セバシエー
ト、ポリ[{(6−(1,1,3,3−テトラメチルブ
チル)イミノ}−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル{4−(2,2,6,6,−テトラメチルピペリジ
ル)イミノ}ヘキサメチレン]、2−(4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エ
タノールとコハク酸ジメチルとの縮合物などのヒンダー
ドアミン化合物などが挙げられる。滑剤としては、パラ
フィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレ
ンワックスなどの脂肪族炭化水素類、カプリン類、ラウ
リン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、
ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸などの高級脂
肪酸類またはこれらの金属塩類(リチウム塩、カルシウ
ム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩
等)、パルミチルアルコール、セチルアルコール、ステ
アリルアルコールなどの脂肪族アルコール類、カプロン
類アミド、カプリル酸アミド、カプリン酸アミド、ラウ
リル酸アミド、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミ
ド、ステアリン酸アミドなどの脂肪族アミド類、脂肪族
とアルコールとのエステル類、フルオロアルキルカルボ
ン酸又はその金属塩、フルオロアルキルスルホン酸金属
塩などのフッ素化合物類などが挙げられる。
【0030】核剤としては、芳香族リン酸エステル塩、
ジベンジリデンソルビトール、芳香族カルボン酸の金属
塩、脂肪族カルボン酸の金属塩を用いることができる。
本発明においては、芳香族リン酸エステル塩、ジベンジ
リデンソルビトールが好ましい。芳香族リン酸エステル
塩としては、ナトリウム−2,2’−メチレン- ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート、
ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ
−t−ブチルフェニル) フォスフェート、リチウム−
2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフ
ェニル) フォスフェート、リチウム−2,2’−エチリ
デン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォス
フェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス
(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル) フォス
フェート、リチウム−2,2’−メチレン−ビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェニル) フォスフェート、リ
チウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−
t−ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム−ビ
ス[2,2’−チオビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェニル) フォスフェート] 、カルシウム−ビス[2,
2’−チオビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、カルシウム−ビス[2,2’−
チオビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォス
フェート] 、マグネシウム- ビス[2,2’−チオビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート]
、マグネシウム−ビス[2,2’−チオビス−(4−
t−オクチルフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム
−2,2’−ブチリデン−ビス(4,6−ジ−メチルフ
ェニル) フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチ
リデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォ
スフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチ
レン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニル) フォスフェ
ート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−
ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェー
ト、カルシウム−ビス−(2,2’−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート)
、マグネシウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェー
ト]、バリウム- ビス[2,2’−メチレン−ビス
(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート]
、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス(4−メチ
ル−6−t−ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリ
ウム−2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム(4,
4−ジメチル−5,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−
ビフェニル) フォスフェート、カルシウム- ビス
[(4,4−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−
2,2’−ビフェニル) フォスフェート] 、ナトリウム
−2,2’−エチリデン- ビス(4−m−ブチル−6−
t−ブチルフェニル) フォスフェート、ナトリウム−
2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−メチルフェニ
ル) フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン
- ビス(4,6−ジ−エチルフェニル) フォスフェー
ト、カリウム−2,2’−エチリデン−ビス(4,6−
ジ−t−ブチルフェニル) フォスフェート、カルシウム
−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t
−ブチルフェニル) フォスフェート] 、マグネシウム−
ビス[2,2'−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチ
ルフェニル) フォスフェート] 、バリウム- ビス[2,
2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル) フォスフェート] 、アルミニウム−トリス[2,
2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニ
ル) フォスフェート] 、アルミニウム−トリス[2,
2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェ
ニル) フォスフェート] 及びこれらの組合せ;ナトリウ
ム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、
ナトリウム−ビス(4−メチルフェニル)フォスフェー
ト、ナトリウム- ビス(4−エチルフェニル)フォスフ
ェート、ナトリウム−ビス(4−i−プロピルフェニ
ル)フォスフェート、ナトリウム−ビス(4−t−オク
チルフェニル)フォスフェート、カリウム−ビス(4−
t−ブチルフェニル)フォスフェート、カルシウム−ビ
ス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェート、マグネ
シウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォスフェー
ト、リチウム−ビス(4−t−ブチルフェニル)フォス
フェート、アルミニウム−ビス(4−t−ブチルフェニ
ル)フォスフェート及びこれらの組合せを例示すること
ができる。これらのうちではナトリウム−2,2’−メ
チレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル) フォ
スフェート及びナトリウム−ビス(4−t−ブチルフェ
ニル) フォスフェートが好ましい。
【0031】ジベンジリデンソルビトールとしては、
1,3,2,4−ジベンジリデンソルビトール、1,3
−ベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソル
ビトール、1,3−ベンジリデン−2,4−p−エチル
ベンジリデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジ
リデン−2,4−ベンジリデンソルビトール、1,3−
p−エチルベンジリデン−2,4−ベンジリデンソルビ
トール、1,3−p−メチルベンジリデン−2,4−p
−エチルベンジリデンソルビトール、1,3−p−エチ
ルベンジリデン−2,4−p−メチルベンジリデンソル
ビトール、1,3,2,4−ジ(p−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エチルベ
ンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−
n−プロピルベンジリデン)ソルビトール、1,3,
2,4−ジ(p−i−プロピルベンジリデン)ソルビト
ール、1,3,2,4−ジ(p−n−ブチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−s−ブチ
ルベンジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ
(p−t−ブチルベンジリデン)ソルビトール、1,
3,2,4−ジ(2’,4’−ジメチルベンジリデン)
ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−メトキシベン
ジリデン)ソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−エ
トキシベンジリデン)ソルビトール、1,3−ベンジリ
デン−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、
1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−ベンジリデ
ンソルビトール、1,3−p−クロルベンジリデン−
2,4−p−メチルベンジリデンソルビトール、1,3
−p−クロルベンジリデン−2,4−p−エチルベンジ
リデンソルビトール、1,3−p−メチルベンジリデン
−2,4−p−クロルベンジリデンソルビトール、1,
3−p−エチルベンジリデン−2,4−p−クロルベン
ジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−クロ
ルベンジリデン)ソルビトール及びこれらの組合せを例
示することができる。これらのうちでは、1,3,2,
4−ジベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ
(p−メチルベンジリデン) ソルビトール、1,3,
2,4−ジ(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、
1,3−p−クロルベンジリデン−2,4−p−メチル
ベンジリデンソルビトール、1,3,2,4−ジ(p−
クロルベンジリデン)ソルビトール及びこれらの組合せ
が好ましい。芳香族カルボン酸の金属塩、脂肪族カルボ
ン酸の金属塩としては、安息香酸アルミニウム塩、p-t-
ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウ
ム、チオフェネカルボン酸ナトリウム、ピローレカルボ
ン酸ナトリウム、ポリメチルペンテン−1等のポリマー
などが挙げられる。また、タルクなどの無機化合物を核
剤として用いることもできる。
【0032】無機充填剤としては、微粉末タルク、カオ
リナイト、焼成クレー、バイロフィライト、セリサイ
ト、ウォラスナイトなどの天然珪酸又は珪酸塩、沈降性
炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ムなどの炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウムなどの水酸化物、酸化亜鉛、亜鉛華、酸化マグネシ
ウムなどの酸化物、含水珪酸カルシウム、含水珪酸アル
ミニウム、含水珪酸、無水珪酸などの合成珪酸または珪
酸塩などの粉末状充填剤、マイカなどのフレーク状充填
剤、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、チタン酸カル
シウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、セ
ピオライト、PMF(Processed MineralFiber )、ゾ
ノトライト、チタン酸カリウム、エレスタダイトなどの
繊維状充填剤、ガラスバルン、フライアッシュバルンな
どのバルン状充填剤などが挙げられる。安定剤として
は、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナート)〕メタン、メタオクタデ
シル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’
−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノ
ール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、2,2−チオビス(4−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2
−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェノー
ル)ブタン等のフェノール系安定剤、ジラウリルチオジ
プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等
のイオウ系安定剤、トリデシルホスファイト、トリノニ
ルフェニリホスファイト等のリン系安定剤が挙げられ
る。紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オク
トキシベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−2−シア
ノ−3,3−ジフェニルアクリレート、パラオクチルフ
ェニルサリチレートなどを挙げることができる。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、溶融加工
の工程を経て成形することにより、成形品とすることが
できる。成形品は、ダイスによって二次元の形状を付与
する成形方法(押出し成形、異形押出し成形、紡糸、不
織布成形、多層成形など)、金型等の型を用いて三次元
の形状を付与する成形方法(射出成形、中空成形、真空
成形など)により製造される。成形品の形態としては、
フィルム、シート、パイプ、中空成形体、繊維、射出成
形品、シートの二次加工品、不織布、多層のシート、フ
ィルム、パイプ、繊維、中空成形体などが例示される。
【0034】本発明のスチレン系重合体の製造方法にお
いて、触媒としては、周期律表第3〜10族、アクチノ
イド及びランタノイドから選ばれる金属化合物を必須成
分として含み、使用する単量体に対する、立体規則性及
び共重合の制御性のうちの少なくとも一つが異なる二種
以上の触媒からなる複合触媒を用いる。目的とするスチ
レン系重合体[I]及びスチレン系重合体[II]を製造
するための好ましい触媒は、以下の3つの基本的な場合
分けに基づいて選択される。 (1)同じモノマー種で、同じ種類の立体規則性を発現
する触媒から選択する場合 (a)共重合性の異なる触媒を用いる場合 ほぼ同一の立体規則性を有し、共重合性が異なる触媒 立体規則性の程度が異なり、かつ共重合性が異なる触
媒 (b)共重合性がほぼ同一な触媒を用いる場合 立体規則性の程度が異なり、共重合性がほぼ同一の触
媒 (2)同じモノマー種で、異種の立体規則性を発現する
触媒から選択する場合 (a)立体規則性が異種の組合せからなる複合触媒によ
る単独単量体の重合 (b)立体規則性が異種の組合せからなる複合触媒によ
る共重合系での重合 (3)特定のモノマーに対して重合活性を有する触媒か
ら選択する場合 (a)特定のホモポリマーだけ重合する触媒による共重
合系での重合 (b)特定のホモポリマーだけを重合する触媒と共重合
性を有する触媒による共重合系での重合 上記(1)、(2)及び(3)では、単量体として、エ
チレン、炭素数3〜20のα−オレフィン、環状オレフ
ィン、スチレン及びその誘導体から選ばれるものを使用
する。
【0035】周期律表第3〜10族、アクチノイド及び
ランタノイドから選ばれる金属化合物を必須成分として
含む触媒の主触媒成分としては、(1)シクロペンタジ
エニル骨格を有するメタロセン化合物、(2)キレート
化合物及び(3)下記一般式(G) MR41 a 42 b 43 c 44 d (G) (Mは周期律表第4〜8族又はランタニド系列の金属元
素を示し、R41,R42,R43,及びR44はハロゲン元
素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素及びアルコキシ基
から選ばれる基を示し、R41,R41,R43,及びR44
同一であっても異なっていてもよい。a,b,c及びd
は0〜4の整数である。)から選ばれる金属化合物を挙
げることができる。 (1)成分のシクロペンタジエニル骨格を有するメタロ
セン化合物としては、例えば(A)〜(E)成分から選
ばれた一種以上を挙げることができる。(A),(B)
及び(C)成分は、一般式(A)〜(C) CpM145 a46 b47 c ・・・(A) Cp2145 d46 e ・・・(B) (Cp−A−Cp)M145 d46 e ・・・(C) 〔式(A)〜(C)において、M1 は周期律表第4族遷
移金属を示し、Cpはシクロペンタジエニル基,置換シ
クロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル
基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラヒドロイン
デニル基,フルオレニル基,置換フルオレニル基,オク
タヒドロフルオレニル基,置換オクタヒドロフルオレニ
ル基及びアズレニル基から選ばれる基を示し、R45,R
46及びR47は、それぞれ独立に配位子を示し、Aは共有
結合による架橋を示す。a,b及びcはそれぞれ0〜3
の整数を、d及びeはそれぞれ0〜2の整数を示す。R
45,R46及びR47は、その2以上がたがいに結合して環
を形成していてもよい。式(B)式及び式(C)におい
て、2つのCpは同一のものであってもよく、たがいに
異なるものであってもよい。〕で表される遷移金属化合
物である。
【0036】一般式(A)〜(C)において、M1 で示
される周期律表第4族遷移金属としては、チタン,ジル
コニウム又はハフニウムなどが挙げられる。Cp上の置
換基としては、それぞれ独立に水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20の炭化水素基又は炭素数1〜20の
ハロゲン含有炭化水素基が挙げられ、たがいに隣接する
置換基は結合して環を形成していてもよい。ハロゲン原
子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子
が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基としては、
例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロ
ピル基,n−ブチル基,イソブチル基,tert−ブチ
ル基,n−ヘキシル基,n−デシル基などのアルキル
基、フェニル基,1−ナフチル基,2−ナフチル基など
のアリール基、ベンジル基などのアラルキル基などが挙
げられ、また炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基
としては、上記炭化水素基の水素原子の1個以上が適当
なハロゲン原子で置換された基が挙げられる。また、隣
接する基のうちの少なくとも一組はたがいに結合して環
を形成していてもよい。隣接する基が環を形成した例と
して、インデニル基の場合、例えば4,5−ベンゾイン
デニル基,α−アセトインデニル基及びその炭素数1〜
10のアルキル置換体などを挙げることができる。上記
式(A)〜(C)におけるR45,R46及びR47は、それ
ぞれ独立にσ結合性の配位子,キレート性の配位子,ル
イス塩基などの配位子を示し、σ結合性の配位子として
は、具体的には水素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭
素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキ
シ基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール
基若しくはアリールアルキル基,炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基,炭素数2〜20のアミノ基,炭素数3〜
50のアミジナート基,炭素数1〜20のアシルオキシ
基,アリル基,置換アリル基,ケイ素原子を含む置換基
などを例示でき、また、キレート性の配位子としては、
アセチルアセトナート基,置換アセチルアセトナート基
などを例示できる。R45,R46及びR47は、その2以上
がたがいに結合して環を形成してもよい。上記Cpが置
換基を有する場合には、該置換基は炭素数1〜20のア
ルキル基が好ましい。R1 〜R3 の具体例としては、例
えばハロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原
子,ヨウ素原子、炭素数1〜20のアルキル基としてメ
チル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,
n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭
素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキ
シ基,プロポキシ基,ブトキシ基、炭素数6〜20のア
リール基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキ
ル基としてフェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジ
ル基、炭素数6〜20のアリールオキシ基としてフェノ
キシ基,2,6−ジメチルフェノキシ基,2,6−ジイ
ソプロピルフェノキシ基,2,6−ジ−t−ブチルフェ
ノキシ基,2,4,6−トリメチルフェノキシ基,2,
6−ジイソプロピル−4−メチルフェノキシ基,2,6
−ジ−t−ブチル−4−フェノキシ基、炭素数2〜20
のアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ
基,ジイソプロピルアミノ基,ジ−n−ブチルアミノ
基,ジフェニルアミノ基,ビス(2,6−ジメチルフェ
ニル)アミノ基,ビス(トリメチルフェニル)アミノ
基、炭素数3〜50のアミジナート基としてN,N’−
ジメチルトリルアミジナート基,N,N’−ジフェニル
トリルアミジナート基,N,N’−ジシクロヘキシルト
リルアミジナート基,N,N’−ベンズアミジナート
基,N,N’−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジ
ナート基、炭素数1〜20のアシルオキシ基としてヘプ
タデシルカルボニルオキシ基、ケイ素原子を含む置換基
としてトリメチルシリル基、(トリメチルシリル)メチ
ル基、ルイス塩基としてジメチルエーテル,ジエチルエ
ーテル,テトラヒドロフランなどのエーテル類、テトラ
ヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、エチルベンゾ
エートなどのエステル類、アセトニトリル;ベンゾニト
リルなどのニトリル類、トリメチルアミン;トリエチル
アミン;トリブチルアミン;N,N−ジメチルアニリ
ン;ピリジン;2,2’−ビピリジン;フェナントロリ
ンなどのアミン類、トリエチルホスフィン;トリフェニ
ルホスフィンなどのホスフィン類、エチレン;ブタジエ
ン;1−ペンテン;イソプレン;ペンタジエン;1−ヘ
キセン及びこれらの誘導体などの鎖状不飽和炭化水素、
ベンゼン;トルエン;キシレン;シクロヘプタトリエ
ン;シクロオクタジエン;シクロオクタトリエン;シク
ロオクタテトラエン及びこれらの誘導体などの環状不飽
和炭化水素などが挙げられる。また、上記式(C)にお
けるAは二つの配位子を結合する二価の架橋基であっ
て、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハ
ロゲン含有炭化水素基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含
有基、スズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO
2 −、−Se−、−NR48−、−PR48−、−P(O)
48−、−BR48−又は−AlR48−を示し、R48は水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それ
らはたがいに同一でも異なっていてもよい。炭素数1〜
20の二価の炭化水素基としては、メチレン基,ジメチ
ルメチレン基,1,2−エチレン基,ジメチル−1,2
−エチレン基,1,4−テトラメチレン基,1,2−シ
クロプロピレン基などのアルキレン基、ジフェニルメチ
レン基などのアリールアルキレン基などが挙げられる。
炭素数1〜20の二価のハロゲン含有炭化水素基として
は、クロロエチレン基,クロロメチレン基などが挙げら
れる。二価のケイ素含有基としては、メチルシリレン
基,ジメチルシリレン基,ジエチルシリレン基,ジフェ
ニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基などが挙げ
られる。ゲルマニウム含有基、スズ含有基としては、上
記ケイ素含有基において、ケイ素をゲルマニウム又はス
ズにお子か基を挙げることができる。
【0037】上記一般式(A)で表される化合物として
は、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチル
ジルコニウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
トリフェニルジルコニウム,(ペンタメチルシクロペン
タジエニル)トリベンジルジルコニウム,(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム,
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメトキシジ
ルコニウム,(シクロペンタジエニル)トリメチルジル
コニウム,(シクロペンタジエニル)トリフェニルジル
コニウム,(シクロペンタジエニル)トリベンジルジル
コニウム,(シクロペンタジエニル)トリクロロジルコ
ニウム,(シクロペンタジエニル)トリメトキシジルコ
ニウム,(シクロペンタジエニル)ジメチル(メトキ
シ)ジルコニウム,(メチルシクロペンタジエニル)ト
リメチルジルコニウム,(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリフェニルジルコニウム,(メチルシクロペンタ
ジエニル)トリベンジルジルコニウム,(メチルシクロ
ペンタジエニル)トリクロロジルコニウム,(メチルシ
クロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウ
ム,(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジル
コニウム,(トリメチルシクロペンタジエニル)トリク
ロロジルコニウム,(トリメチルシリルシクロペンタジ
エニル)トリメチルジルコニウム,(テトラメチルシク
ロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム,(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)(2,6−イソプロピル
フェノキシ)ジクロロチタン,(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)(N,N’−ジフェニルトリルアミジナ
ート)ジクロロチタン,(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリス(ジメチルアミノ)チタン,(オクタヒ
ドロフルオレニル)トリメトキシチタン,(1,2−ジ
メチルテトラヒドロインデニル)トリメトキシチタン,
(2−メチルテトラヒドロインデニル)トリメトキシチ
タン,(1,3−ジメチルテトラヒドロアズレニル)ト
リメトキシチタンなどが挙げられる。上記一般式(A)
で表される化合物の好ましいものとして、シクロペンタ
ジエニル環が置換基を有し、置換基がアルキル基であ
り、置換基数が1〜5の化合物(これらを主触媒成分と
する触媒を「触媒[1]」とする)が挙げられる。特に
好ましいのは置換基数4又は5の化合物であり、特に好
ましいものの例示として、(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)トリメチルジルコニウム,(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウム,(ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコ
ニウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリク
ロロジルコニウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)トリメトキシジルコニウム,及びこれらの化合物に
おいてジルコニウムをチタン又はハフニウムに変えたも
のが挙げられる。また、上記一般式(A)で表される化
合物の好ましいものとして、チタン錯体(これを主触媒
成分とする触媒を「触媒[2]」とする)が挙げられ
る。更に好ましくは一般式(A)において、シクロペン
タジエニル環が置換基を有し、置換基がアルキル基であ
り、置換基数が1〜5のチタン化合物が好ましい。特に
好ましいのは置換基数4又は5のチタン化合物であり、
更に置換基が互いに環を形成したチタン化合物が好まし
い。特に好ましいものの例示として、(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリメチルチタン,(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)トリフェニルチタン,(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)トリベンジルチタン,
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリクロルチタ
ン,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメトキ
シチタン,(シクロペンタジエニル)トリメトキシチタ
ン,(テトラヒドロインデニル)トリメトキシチタン,
(オクタヒドロフルオレニル)トリメトキシチタン,
(2−メチルテトラヒドロインデニル)トリメトキシチ
タン,(1,2−ジメチルテトラヒドロインデニル)ト
リメトキシチタン,(2−(トリメチルシリルメチル)
テトラヒドロインデニル)トリメトキシチタンなどが挙
げられる。
【0038】上記一般式(B)で表される化合物として
は、ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム,ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニ
ウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニ
ウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコ
ニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジル
コニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジル
コニウム,ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジ
ルコニウム,ビス(シクロペンタジエニル)モノクロロ
モノヒドリドジルコニウム,ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,ビス(メチル
シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジベンジルジルコニウム,ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム,
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメ
チルジルコニウム,(シクロペンタジエニル)(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,
[(CH3 5 5 2 Hf(CH2 Ph) 2 ,[(C
3 5 5 2 Hf(C6 4 −p−CH3 2
[(CH3 55 2 Zr(C6 4 −p−CH3
2 ,[(CH3 5 5 2 Hf(CH 3 2 ,[(C
2 5 5 5 2 Hf(CH3 2 ,[(nC
3 7 5 52 Hf(CH3 2 ,[(nC
3 7 5 5 2 Zr(CH3 2 ,[(CH3 5
5 2 HfH(CH3 ),[(C2 5 5 5 2
HfH(CH3),[(C2 5 5 5 2 ZrH
(CH3 ),[(C3 7 5 5 2 HfH(C
3 ),[(C3 7 5 5 2 ZrH(CH3 ),
[(CH3 55 2 Hf(H)2 ,[(CH3 5
5 2 Zr(H)2 ,[(C2 5 )(CH3 4
5 2 Hf(CH3 2 ,[(C2 5 )(CH3 4
5 2Zr(CH3 2 ,[(nC3 7 )(C
3 4 5 2 Hf(CH3 2 ,[(nC3 7
(CH3 4 5 2 Zr(CH3 2 ,[(nC4
9 )(CH3 4 5 2 Hf(CH3 2 ,[(nC
4 9 )(CH3 4 5 2Zr(CH3 2
[(CH3 5 5 2 HfCl2 ,[(CH3 5
5 2 HfH(Cl),[(CH3 5 5 2 ZrH
(Cl)などが挙げられる。
【0039】上記一般式(B)で表される化合物の好ま
しいものとして、シクロペンタジエニル骨格、インデニ
ル骨格、フルオレニル骨格を有する、無置換及び置換体
(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒[3]」とす
る)が挙げられる。更に、置換基数1〜5のアルキル置
換シクロペンタジエニルが好ましく、アルキル置換イン
デニルとしては、2位、2,4位、2,4,7位、3,
4,7位、2,4,6位、2,5,6位、4,7位アル
キル基を有するものが好ましい。好ましいものの例示と
して、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド,ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド,ビス(エチル- シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビス(プロピ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,ビ
ス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド,ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,ビ
ス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,及び
ジルコニウムをチタン又はハフニウムに変えたものが挙
げられる。また、上記一般式(B)で表される化合物の
好ましいものとして、チタン化合物(これを主触媒成分
とする触媒を「触媒[4]」とする)が挙げられる。
【0040】上記一般式(C)で表される化合物として
は、例えば、メチレンビス(インデニル)ジクロロジル
コニウム,エチレンビス(インデニル)ジクロロジルコ
ニウム,エチレンビス(インデニル)モノクロロモノヒ
ドリドジルコニウム,エチレンビス(インデニル)クロ
ロメチルジルコニウム,エチレンビス(インデニル)ク
ロロメトキシジルコニウム,エチレンビス(インデニ
ル)ジエトキシジルコニウム,エチレンビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム,エチレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウ
ム,エチレンビス(2−メチルインデニル)ジクロロジ
ルコニウム,エチレンビス(2−エチルインデニル)ジ
クロロジルコニウム,エチレン(2,4−ジメチルシク
ロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジクロロジルコニウム,エチレン(2−メ
チル−4−tert−ブチルシクロペンタジエニル)
(3’−tert−ブチル−5’−メチルシクロペンタ
ジエニル)ジクロロジルコニウム,エチレン(2,3,
5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,
5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジル
コニウム,イソプロピリデンビス(インデニル)ジクロ
ロジルコニウム,イソプロピリデンビス(2,4−ジメ
チルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,イソプロ
ピリデンビス(2−メチル−4−tert−ブチルシク
ロペンタジエニル)(3’−tert−ブチル−5’−
メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレ
ニル)ジクロロジルコニウム,シクロヘキシリデン
(2,5−ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロロジ
ルコニウム,ジメチルシリレンビス(インデニル)ジク
ロロジルコニウム,ジメチルシリレンビス(4,5,
6,7−テトラヒドロインデニル)ジクロロジルコニウ
ム,ジメチルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジ
クロロジルコニウム,ジメチルシリレンビス(2−メチ
ル−4,5,6,7−テトラヒドロインデニル)ジクロ
ロジルコニウム,ジメチルシリレン(2,4−ジメチル
シクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウム,フェニルメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,
フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−テトラ
ヒドロインデニル)ジクロロジルコニウム,フェニルメ
チルシリレン(2,4−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム,フェニルメチルシリレン(2,
3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,
4’,5’−トリメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム,ジフェニレンシリレンビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム,テトラメチルジシリレンビ
ス(インデニル)ジクロロジルコニウム,テトラメチル
ジシリレンビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム,ジシクロヘキシルシリレンビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム,ジシクロヘキシ
ルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジクロロジル
コニウム,ジシクロヘキシルシリレンビス(2,4,7
−トリメチルインデニル)ジクロロジルコニウム,ジメ
チルゲルマニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニ
ウム,ジメチルゲルマニウム(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジクロロジルコニウム,メチルアルミ
ニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,フェ
ニルアルミニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニ
ウム,フェニルホスフィノビス(インデニル)ジクロロ
ジルコニウム,)エチレンボラノビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム,フェニルアミノビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム,フェニルアミノ(シクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウ
ム,イソプロピリデン(3−メチル−シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウム,イソプ
ロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジ
クロロジルコニウム,イソプロピリデン(シクロペンタ
ジエニル)(フェナントレル)ジクロロジルコニウムな
どを挙げることができる。
【0041】また、上記一般式(C)で表される化合物
としては、特開平6−184179号公報,特開平6−
345809号公報などに記載されている化合物を挙げ
ることができる。具体例としては、rac−ジメチルシ
ランジイル−ビス−1−(2−メチル−4,5−ベンゾ
インデニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−フェ
ニルメチルシランジイル−ビス−1−(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)−ジルコニウムジクロリ
ド,rac−エタンジイル−ビス−1−(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)−ジルコニウムジクロリ
ド,rac−ブタンジイル−ビス−1−(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル)−ジルコニウムジクロリ
ド,rac−ジメチルシランジイル−ビス−1−(4,
5−ベンゾインデニル)−ジルコニウムジクロリド,r
ac−ジメチルシランジイル−ビス−1−(2−メチル
−α−メチル−α−アセナフトインデニル)−ジルコニ
ウムジクロリド,rac−フェニルメチルシランジイル
−ビス−1−(2−メチル−α−アセナフトインデニ
ル)−ジルコニウムジクロリドなどのベンゾインデニル
型又はアセナフトインデニル型化合物、及びこれらの化
合物におけるジルコニウムをチタン又はハフニウムに置
換したものなどを挙げることができる。
【0042】更に、上記一般式(C)で表される化合物
としては、特開平4−268308号公報,同5−30
6304号公報,同6−100579号公報,同6−1
57661号公報,同7−149815号公報,同7−
188318号公報,同7−258321号公報などに
記載されている化合物を挙げることができる。上記一般
式(C)で表される化合物としては、M1 がハフニウム
であるか又は2位置換インデニル錯体,4位置換インデ
ニル錯体,2,4位置換インデニル錯体、あるいはM1
がハフニウムであって、かつ2位置換インデニル錯体,
4位置換インデニル錯体又は2,4位置換インデニル錯
体であるものが好ましい。一般式(C)で表される化合
物の具体例としては、ジメチルシランジイル−ビス−1
−(2−メチル−4−フェニルインデニル)−ジルコニ
ウムジクロリド,ジメチルシランジイル−ビス−1−
〔2−メチル−4−(1−ナフチル)インデニル〕−ジ
ルコニウムジクロリド,ジメチルシランジイル−ビス−
1−(2−エチル−4−フェニルインデニル)−ジルコ
ニウムジクロリド,ジメチルシランジイル−ビス−1−
〔2−エチル−4−(1−ナフチル)インデニル〕ジル
コニウムジクロリド,フェニルメチルシランジイル−ビ
ス−1−(2−メチル−4−フェニルインデニル)−ジ
ルコニウムジクロリド,フェニルメチルシランジイル−
ビス−1−〔2−メチル−4−(1−ナフチル)インデ
ニル〕−ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシラ
ンジイル−ビス−1−(2−エチル−4−フェニルイン
デニル)−ジルコニウムジクロリド,フェニルメチルシ
ランジイル−ビス−1−〔2−エチル−4−(1−ナフ
チル)インデニル〕−ジルコニウムジクロリドなどのア
リール置換体、rac−ジメチルシリレン−ビス−1−
(2−メチル−4−エチルインデニル)−ジルコニウム
ジクロリド,rac−ジメチルシリレン−ビス−1−
(2−メチル−4−イソプロピルインデニル)−ジルコ
ニウムジクロリド,rac−ジメチルシリレン−ビス−
1−(2−メチル−4−第三ブチルインデニル)−ジル
コニウムジクロリド,rac−フェニルメチルシリレン
−ビス−1−(2−メチル−4−イソプロピルインデニ
ル)−ジルコニウムジクロリド,rac−ジメチルシリ
レン−ビス−1−(2−エチル−4−メチルインデニ
ル)−ジルコニウムジクロリド,rac−ジメチルシリ
レン−ビス−1−(2,4−ジメチルインデニル)−ジ
ルコニウムジクロリド,rac−ジメチルシリレン−ビ
ス−1−(2−メチル−4−エチルインデニル)−ジル
コニウムジメチルなどの2,4−位置換体、rac−ジ
メチルシリレン−ビス−1−(4,7−ジメチルインデ
ニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−1,2−エ
タンジイル−ビス−1−(2−メチル−4,7−ジメチ
ルインデニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−ジ
メチルシリレン−ビス−1−(3,4,7−トリメチル
インデニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−1,
2−エタンジイル−ビス−1−(4,7−ジメチルイン
デニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−1,2−
ブタンジイル−ビス−1−(4,7−ジメチルインデニ
ル)−ジルコニウムジクロリドなどの4,7−位,2,
4,7−位又は3,4,7−位置換体,ジメチルシラン
ジイル−ビス−1−(2−メチル−4,6−ジイソプロ
ピルインデニル)−ジルコニウムジクロリド,フェニル
メチルシランジイル−ビス−1−(2−メチル−4,6
−ジイソプロピルインデニル)−ジルコニウムジクロリ
ド,rac−ジメチルシランジイル−ビス−1−(2−
メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)−ジルコ
ニウムジクロリド,rac−1,2−エタンジイル−ビ
ス−1−(2−メチル−4,6−ジイソプロピルインデ
ニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−ジフェニル
シランジイル−ビス−1−(2−メチル−4,6−ジイ
ソプロピルインデニル)−ジルコニウムジクロリド,r
ac−フェニルメチルシランジイル−ビス−1−(2−
メチル−4,6−ジイソプロピルインデニル)−ジルコ
ニウムジクロリド,rac−ジメチルシランジイル−ビ
ス−1−(2,4,6−トリメチルインデニル)−ジル
コニウムジクロリドなどの2,4,6−位置換体,ra
c−ジメチルシランジイル−ビス−1−(2,5,6−
トリメチルインデニル)−ジルコニウムジクロリドなど
の2,5,6−位置換体、rac−ジメチルシリレン−
ビス−(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロー
1−インデニル)−ジルコニウムジクロリド,rac−
エチレン−ビス−(2−メチル−4,5,6,7−テト
ラヒドロ−1−インデニル)−ジルコニウムジクロリ
ド,rac−ジメチルシリレン−ビス−(2−メチル−
4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)−ジ
ルコニウムジメチル,rac−エチレン−ビス(2−メ
チル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニ
ル)−ジルコニウムジメチル,rac−エチレン−ビス
−(4,7−ジメチル−4,5,6,7−テトラヒドロ
−1−インデニル)−ジルコニウムジクロリドなどの
4,5,6,7−テトラヒドロインデニル化合物など、
及びこれらの化合物におけるジルコニウムをチタン又は
ハフニウムに置換したものなどを挙げることができる。
【0043】一般式(C)で表される遷移金属化合物の
好ましいものとして、C2 対称構造のもの(これを主触
媒成分とする触媒を「触媒[5]」とする)が挙げら
れ、ラセミ型架橋インデニル錯体及びラセミ型架橋置換
インデニル錯体、ラセミ型架橋シクロペンタジエニル錯
体及びラセミ型架橋置換シクロペンタジエニル錯体が好
ましい。置換インデニル錯体としては、2位、2,4
位、2,4,7位、3,4,7位、2,4,6位、2,
5,6位、4,7位に置換基を有するものが好ましく、
置換シクロペンタジエニル錯体としては、2,4位、
2,3,5位に置換基を有するものが好ましい。特に好
ましい例示としては、ラセミ−エチレンビスインデニル
ジルコニウムジクロリド,ラセミ−エチレンビスインデ
ニルジルコニウムジメチル,ラセミ−エチレンビス(4
,5 ,6 ,7−テトラヒドロインデニル)ジルコニウ
ムジメチル,ラセミ−ジメチルシランジイルビス−1−
(2−メチルインデニル) ジルコニウムジクロリド,ラ
セミ−ジメチルシランジイルビス−1−(2−メチル−
4,5−ベンゾインデニル) ジルコニウムジクロリド,
ラセミ−ジメチルシランジイルビス−1−(2−メチル
−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド,
ラセミ−ジメチルシランジイルビス−1−(2−メチル
−4−(1−ナフチル) インデニル) ジルコニウムジク
ロリド,ラセミ−ジメチルシランジイルビス−1−(2
−メチル−4−フェニル−1,4−ジヒドロアズレン)
ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。一般式
(C)で表される化合物の好ましいものとして、高い立
体規則性[mmmm]を発現させるC2 対称構造のラセ
ミ体(これを主触媒成分とする触媒を「触媒[6]」と
する)が挙げられる。このラセミ体のうち、置換インデ
ニル錯体としては、2位、2,4位、2,4,7位、
3,4,7位、2,4,6位、2,5,6位、4,7位
に置換基を有するものが好ましく、置換シクロペンタジ
エニル錯体としては、2,4位、2,3,5位に置換基
を有するものが好ましい。特に好ましい例示としては、
ラセミ−ジメチルシランジイル(2−メチル−4,5−
ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド,ラセミ−
ジメチルシランジイルビス(2−メチル−4−フェニル
インデニル)ジクロロジルコニウム,ラセミ−ジメチル
シランジイルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニ
ル)ジクロロジルコニウム,ラセミ−ジメチルシランジ
イルビス(2,4−ジメチル−シクロペンタジエニル)
ジクロロジルコニウム,ラセミ−ジメチルシランジイル
ビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)
ジクロロジルコニウムなどが挙げられる一般式(C)で
表される化合物の好ましいものとして、低い立体規則性
[mmmm]を発現させるもの(これを主触媒成分とす
る触媒を「触媒[7]」とする)が挙げられ、無置換イ
ンデニル錯体及び置換シクロペンタジエニル錯体(3
位、3,4位)が好ましい。無置換インデニル錯体とし
ては、ラセミ−エチレンビスインデニルジルコニウムジ
クロリド,ラセミ−エチレンビスインデニルジルコニウ
ムジメチルが挙げられ、置換シクロペンタジエニル錯体
としては、−セミ−ジメチルシランジイルビス(3−t
−ブチル−シクロペンタジエニル)(シクロペンタジエ
ニル)ジクロロジルコニウムなどが挙げられる
【0044】一般式(C)で表される化合物の好ましい
ものとして、Cs対称構造を有するもの(これを主触媒
成分とする触媒を「触媒[8]」とする)が挙げられ
る。好ましい例示としては、イソプロピリデン(シクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウ
ム,ジメチルゲルマニウム(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジクロロジルコニウム,フェニルアミ
ノ(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロ
ジルコニウム,イソプロピリデン(3−メチルシクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウ
ム,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−
シクロペンタ[1]フェナンスレル)ジクロロジルコニ
ウムなどが挙げられる。一般式(C)で表される化合物
の好ましいものとして、メソ体(これを主触媒成分とす
る触媒を「触媒[9]」とする)が挙げられる。好まし
い例示としては、メソ−メチレンビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム, メソ−エチレンビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム, メソ−エチレンビス(イン
デニル)モノクロロモノヒドリドジルコニウム, メソ−
エチレンビス(インデニル)クロロメチルジルコニウ
ム, メソ−エチレンビス(インデニル)クロロメトキシ
ジルコニウム, メソ−エチレンビス(インデニル)ジエ
トキシジルコニウム, メソ−エチレンビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム, メソ−エチレンビス(4 ,
5,6 ,7−インデニル)ジクロロジルコニウム, メソ
−エチレンビス(2−メチルインデニル)ジメチルジル
コニウム, メソ−エチレンビス(2- エチルインデニ
ル)ジメチルジルコニウム, メソ−ジメチルシリレンビ
ス(インデニル)ジクロロジルコニウム, メソ−ジメチ
ルシリレンビス(4 ,5 ,6 ,7−インデニル)ジクロ
ロジルコニウム, メソ−ジメチルシリレンビス(2−メ
チルインデニル)ジクロロジルコニウム, メソ−ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−,4 ,5,6 ,7−イン
デニル)ジクロロジルコニウム, メソ−フェニルメチル
シリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム, メ
ソ−フェニルメチルシリレンビス(4 ,5 ,6 ,7−イ
ンデニル)ジクロロジルコニウム, メソ−ジフェニレン
シリレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム, メ
ソ−テトラフェニルジシリレンビス(インデニル)ジク
ロロジルコニウム, メソ−ジシクロヘキシルシリレンビ
ス(インデニル)ジクロロジルコニウム, メソ−ジシク
ロヘキシルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジク
ロロジルコニウム, メソ−ジシクロヘキシルシリレンビ
ス(2,4,7−トリメチルインデニル)ジクロロジル
コニウム, メソ−ジメチルゲルマニウムビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム, メソ−メチルアルミニウム
ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム, メソ−フェ
ニルアルミニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニ
ウム, メソ−フェニルホスフィノビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム, メソ−エチレンボラノビス(イン
デニル)ジクロロジルコニウム, メソ−フェニルアミノ
ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメ
チルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチルシラ
ンジイルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)
ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチルシランジイルビ
ス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジクロロジ
ルコニウムなどか挙げられる。
【0045】一般式(C)で表される化合物の好ましい
ものとして、シクロペンタジエニル骨格又はインデニル
骨格、フルオレニル骨格、シクロペンタフェナントレル
骨格の一種又は二種から構成される化合物である以下の
化合物(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒[1
0]」とする)が挙げられる。すなわち、ビス(シクロ
ペンタジエニル)又はビス(置換シクロペンタジエニ
ル)で置換基がアルキル基である化合物、ビス(インデ
ニル)又はビス(置換インデニル)で置換基がアルキル
基である化合物、(シクロペンタジエニル)(インデニ
ル)又は(置換シクロペンタジエニル)(インデニル)
若しくは(シクロペンタジエニル)(置換インデニル)
で置換基がアルキル基である化合物、(シクロペンタジ
エニル)(フルオレニル)又は(置換シクロペンタジエ
ニル)(フルオレニル)若しくは(シクロペンタジエニ
ル)(置換フルオレニル)で置換基がアルキル基である
化合物が好ましい。好ましいものの例示として、エチレ
ンビス(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
(3' ,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム,エチレンビス(インデニル)ジクロロ
ジルコニウム,ジメチルシランジイル−ビス(2−メチ
ル−4,5−ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド,ジメチルシランジイル−ビス(2−メチル−インデ
ニル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルシランジイル
−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコ
ニウムジクロリド,ジメチルシランジイル−ビス(2−
メチル−4−ナフチルインデニル)ジルコニウムジクロ
リド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フ
ルオレニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデ
ン(3−メチルシクロペンタジエニル)(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン(シク
ロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロ
リド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2
−シクロペンタ[1]フェナントレル)ジルコニウムジ
クロリドなどが挙げられる。一般式(C)で表される化
合物の好ましいものとして、チタン化合物(これを主触
媒成分とする触媒を「触媒[11]」とする)が挙げら
れる。一般式(C)で表される化合物の好ましいものと
して、(a)Cs対称の化合物又は(b)メソ体(これ
らを主触媒成分とする触媒を「触媒[12]」とする)
が挙げられる。更に好ましくはCs対称構造の化合物で
ある。好ましいものの例示として、イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウ
ムジクロリド,イソプロピリデン(3−メチルシクロペ
ンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド,イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド,イソプロピリデン
(シクロペンタジエニル)(フェナントリル)ジルコニ
ウムジクロリド,メソ−メチレンビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム,メソ−エチレンビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム,メソ−エチレンビス(イン
デニル)モノクロロモノヒドリドジルコニウム,メソ−
エチレンビス(インデニル)クロロメチルジルコニウ
ム,メソ−エチレンビス(インデニル)クロロメトキシ
ジルコニウム,メソ−エチレンビス(インデニル)ジエ
トキシジルコニウム,メソ−エチレンビス(インデニ
ル)ジメチルジルコニウム,メソ−エチレンビス(4 ,
5 ,6 ,7−インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ
−エチレンビス(2−メチルインデニル)ジメチルジル
コニウム,メソ−エチレンビス(2−エチルインデニ
ル)ジメチルジルコニウム,メソ−ジメチルシリレンビ
ス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチ
ルシリレンビス(4 ,5 ,6 ,7−インデニル)ジクロ
ロジルコニウム,メソ−ジメチルシリレンビス(2−メ
チルインデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチ
ルシリレンビス(2−メチル−4,5,6,7−インデ
ニル)ジクロロジルコニウム,メソ−フェニルメチルシ
リレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ
−フェニルメチルシリレンビス(4,5,6,7−イン
デニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジフェニレンシ
リレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ
−テトラフェニルジシリレンビス(インデニル)ジクロ
ロジルコニウム,メソ−ジシクロヘキシルシリレンビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジシクロ
ヘキシルシリレンビス(2−メチルインデニル)ジクロ
ロジルコニウム,メソ−ジシクロヘキシルシリレンビス
(2,4,7−トリメチルインデニル)ジクロロジルコ
ニウム,メソ−ジメチルゲルマニウムビス(インデニ
ル)ジクロロジルコニウム,メソ−メチルアルミニウム
ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−フェ
ニルアルミニウムビス(インデニル)ジクロロジルコニ
ウム,メソ−フェニルホスフィノビス(インデニル)ジ
クロロジルコニウム,メソ−エチレンボラノビス(イン
デニル)ジクロロジルコニウム,メソ−フェニルアミノ
ビス(インデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメ
チルシランジイルビス(2−メチル−4,5−ベンゾイ
ンデニル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチルシラ
ンジイルビス(2−メチル−4,5−フェニルインデニ
ル)ジクロロジルコニウム,メソ−ジメチルシランジイ
ルビス(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジクロ
ロジルコニウムなどが挙げられる。これらは、環状オレ
フィン又はスチレンと、オレフィンとの共重合におい
て、共重合性が高い主触媒成分である。
【0046】一般式(C)で表される化合物の好ましい
ものとして、置換インデニル錯体(2位、2,4位、
2,4,7位、3,4,7位、2,4,6位、2,5,
6位、4,7位)及び置換シクロペンタジエニル錯体
(2,4位、2,3,5位)の置換体(これらを主触媒
成分とする触媒を「触媒[13]」とする)が挙げられ
る。好ましいものの例示として、ラセミ−ジメチルシラ
ンジイル−(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)
ジルコニウムジクロリド,ラセミ−ジメチルシランジイ
ルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジクロ
ロジルコニウム,ラセミ−ジメチルシランジイルビス
(2−メチル−4−ナフチルインデニル)ジクロロジル
コニウム,ラセミ−ジメチルシランジイルビス(2,4
−ジメチル−シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニ
ウム,ラセミ−ジメチルシランジイルビス(2,3,5
−トリメチル- シクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウムなどが挙げられる。これらは、環状オレフィン又
はスチレンと、オレフィンとの共重合において、共重合
性が低い主触媒成分である。 (D)成分は、一般式(D)
【0047】
【化1】
【0048】〔式中、M2 はチタン,ジルコニウム又は
ハフニウムを示し、E1 及びE2 はそれぞれシクロペン
タジエニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニ
ル基,置換インデニル基,ヘテロシクロペンタジエニル
基,置換ヘテロシクロペンタジエニル基,アミド基,ホ
スフィド基,炭化水素基及びケイ素含有基の中から選ば
れた配位子であって、A1 及びA2 を介して架橋構造を
形成しており、またそれらはたがいに同一でも異なって
いてもよく、X1 はσ結合性の配位子を示し、X 1 が複
数ある場合、複数のX1 は同じでも異なっていてもよ
く、他のX1 ,E1,E2 又はY1 と架橋していてもよ
い。Y1 はルイス塩基を示し、Y1 が複数ある場合、複
数のY1 は同じでも異なっていてもよく、他のY1 ,E
1 ,E2 又はX1 と架橋していてもよく、A1 及びA2
は二つの配位子を結合する二価の架橋基であって、炭素
数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含
有炭化水素基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、ス
ズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO2 −、−
Se−、−NR10−、−PR10−、−P(O)R10−、
−BR10−又は−AlR10−を示し、R10は水素原子、
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1
〜20のハロゲン含有炭化水素基を示し、それらはたが
いに同一でも異なっていてもよい。qは1〜5の整数で
〔(M2 の原子価)−2〕を示し、rは0〜3の整数を
示す。〕で表される遷移金属化合物である。
【0049】上記一般式(D)において、M2 はチタ
ン,ジルコニウム又はハフニウムを示すが、ジルコニウ
ム及びハフニウムが好適であり、ハフニウムがより好ま
しい。E1 及びE2 は上述のようにそれぞれ、置換シク
ロペンタジエニル基,インデニル基,置換インデニル
基,ヘテロシクロペンタジエニル基,置換ヘテロシクロ
ペンタジエニル基,アミド基(−N<),ホスフィド基
(−P<),炭化水素基〔>CR−,>C<〕及びケイ
素含有基〔>SiR−,>Si<〕(但し、Rは水素ま
たは炭素数1〜20の炭化水素基あるいはヘテロ原子含
有基である)の中から選ばれた配位子を示し、A1 及び
2 を介して架橋構造を形成している。また、E1 及び
2 はたがいに同一でも異なっていてもよい。このE1
及びE2 としては、置換シクロペンタジエニル基,イン
デニル基及び置換インデニル基が好ましい。また、X1
で示されるσ結合性配位子の具体例としては、ハロゲン
原子,炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数1〜20の
アルコキシ基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭
素数1〜20のアミド基,炭素数1〜20のケイ素含有
基,炭素数1〜20のホスフィド基,炭素数1〜20の
スルフィド基,炭素数1〜20のアシル基などが挙げら
れる。このX1 が複数ある場合、複数のX1 は同じでも
異なっていてもよく、他のX1 ,E1 ,E2 又はY1
架橋していてもよい。一方、Y1 で示されるルイス塩基
の具体例としては、アミン類,エーテル類,ホスフィン
類,チオエーテル類などを挙げることができる。このY
1 が複数ある場合、複数のY1 は同じでも異なっていて
もよく、他のY1 やE1 ,E2 又はX 1 と架橋していて
もよい。次に、A1 及びA2 で示される架橋基のうち、
少なくとも一つは炭素数1以上の炭化水素基からなる架
橋基であることが好ましい。このような架橋基として
は、例えば一般式
【0050】
【化2】
【0051】(R19及びR20はそれぞれ水素原子又は炭
素数1〜20の炭化水素基で、それらはたがいに同一で
も異なっていてもよく、またたがいに結合して環構造を
形成していてもよい。pは1〜4の整数を示す。)で表
されるものが挙げられ、その具体例としては、メチレン
基,エチレン基,エチリデン基,プロピリデン基,イソ
プロピリデン基,シクロヘキシリデン基,1,2−シク
ロヘキシレン基,ビニリデン基(CH2 =C=)などを
挙げることができる。これらの中で、メチレン基,エチ
レン基及びイソプロピリデン基が好適である。このA1
及びA2 は、たがいに同一でも異なっていてもよい。こ
の一般式(IV)で表される遷移金属化合物において、E
1 及びE2 が置換シクロペンタジエニル基,インデニル
基又は置換インデニル基である場合、A1 及びA2 の架
橋基の結合は、(1,1’)(2,2’)二重架橋型で
あってもよく、(1,2’)(2,1’)二重架橋型で
あってもよい。このような一般式(D)で表される遷移
金属化合物の中では、一般式(D−1)
【0052】
【化3】
【0053】で表される二重架橋型ビスシクロペンタジ
エニル誘導体を配位子とする遷移金属化合物が好まし
い。上記一般式(D−1)において、M2 ,X1
1 ,A1 ,A2 ,q及びrは上記と同じである。X1
はσ結合性の配位子を示し、X1 が複数ある場合、複数
のX1 は同じでも異なっていてもよく、他のX1 又はY
1 と架橋していてもよい。このX1 の具体例としては、
一般式(D)のX1 の説明で例示したものと同じものを
挙げることができる。Y1 はルイス塩基を示し、Y1
複数ある場合、複数のY1 は同じでも異なっていてもよ
く、他のY1 又はX1 と架橋していてもよい。このY1
の具体例としては、一般式(D)のY1 の説明で例示し
たものと同じものを挙げることができる。R21〜R26
それぞれ水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20の炭
化水素基,炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基,
ケイ素含有基又はヘテロ原子含有基を示すが、その少な
くとも一つは水素原子でないことが必要である。また、
21〜R26はたがいに同一でも異なっていてもよく、隣
接する基同士がたがいに結合して環を形成していてもよ
い。
【0054】この二重架橋型ビスシクロペンタジエニル
誘導体を配位子とする遷移金属化合物は、配位子が
(1,1’)(2,2’)二重架橋型及び(1,2’)
(2,1’)二重架橋型のいずれであってもよい。この
一般式(D−1)で表される遷移金属化合物の具体例と
しては、(1,1' −エチレン)(2,2' −エチレ
ン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −エチレン)(2,1' −エチレン)−ビス
(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −
メチレン)(2,2' −メチレン)−ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −メチレン)
(2,1'−メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド,(1,1' −イソプロピリデン)
(2,2' −イソプロピリデン)−ビス(インデニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2' −イソプロピリデ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレン)
(2,2' −エチレン)−ビス(3−メチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −エチレン)
(2,1' −エチレン)−ビス(3−メチルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレン)
(2,2' −エチレン)−ビス(4,5−ベンゾインデ
ニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −エチレ
ン)(2,1' −エチレン)−ビス(4,5−ベンゾイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチ
レン)(2,2' −エチレン)−ビス(4−イソプロピ
ルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −
エチレン)(2,1' −エチレン)−ビス(4−イソプ
ロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
1' −エチレン)(2,2' −エチレン)−ビス(5,
6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −エチレン)(2,1'−エチレン)−ビス
(5,6−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリ
ド,(1,1' −エチレン)(2,2' −エチレン)−
ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −エチレン)(2,1' −エ
チレン)−ビス(4,7−ジイソプロピルインデニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレン)
(2,2' −エチレン)−ビス(4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −エチレン)
(2,1' −エチレン)−ビス(4−フェニルインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレン)
(2,2' −エチレン)−ビス(3−メチル−4−イソ
プロピルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2' −エチレン)(2,1' −エチレン)−ビス(3−
メチル−4−イソプロピルインデニル)ジルコニウムジ
クロリド,(1,1' −エチレン)(2,2' −エチレ
ン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2' −エチレン)(2,1' −エチ
レン)−ビス(5,6−ベンゾインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,1' −エチレン)(2,2' −イ
ソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド,(1,2' −エチレン)(2,1' −イソプ
ロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロ
リド,(1,1' −イソプロピリデン)(2,2' −エ
チレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド,(1,2' −メチレン)(2,1' −エチレン)−
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
1' −メチレン)(2,2' −エチレン)−ビス(イン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレ
ン)(2,2' −メチレン)−ビス(インデニル)ジル
コニウムジクロリド,(1,1' −メチレン)(2,
2'−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド,(1,2' −メチレン)(2,1'
−イソプロピリデン)−ビス(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,1' −イソプロピリデン)(2,
2' −メチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジ
クロリド,(1,1' −メチレン)(2,2'−メチレ
ン)(3−メチルシクロペンタジエニル)(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −イ
ソプロピリデン)(2,2' −イソプロピリデン)(3
−メチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −プロピリデ
ン)(2,2' −プロピリデン)(3−メチルシクロペ
ンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,1' −エチレン)(2,2' −メチ
レン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド,(1,1' −メチレン)(2,
2' −エチレン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −イソプロ
ピリデン)(2,2' −エチレン)−ビス(3−メチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,1' −エチレン)(2,2' −イソプロピリデ
ン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド,(1,1' −メチレン)(2,2'
−メチレン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,1'−メチレン)
(2,2' −イソプロピリデン)−ビス(3−メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
1' −イソプロピリデン)(2,2' −イソプロピリデ
ン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド,(1,1' −エチレン)(2,2'
−メチレン)−ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1' −エチレ
ン)(2,2' −イソプロピリデン)−ビス(3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド,(1,1' −メチレン)(2,2' −メチレン)−
ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムジクロリド,(1,1' −メチレン)(2,2'
−イソプロピリデン)−ビス(3,4−ジメチルシクロ
ペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,1'
−イソプロピリデン)(2,2' −イソプロピリデン)
−ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロリド,(1,2' −エチレン)(2,
1'−メチレン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −エチレ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(3−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −メチレン)(2,1' −メチレン)−ビス
(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジク
ロリド,(1,2' −メチレン)(2,1' −イソプロ
ピリデン)−ビス(3−メチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2' −イソプロピリデ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(3−メチ
ルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −エチレン)(2,1' −メチレン)−ビス
(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −エチレン)(2,1' −イ
ソプロピリデン)−ビス(3,4−ジメチルシクロペン
タジエニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −メ
チレン)(2,1' −メチレン)−ビス(3,4−ジメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −メチレン)(2,1' −イソプロピリデ
ン)−ビス(3,4−ジメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2' −イソプロピリデ
ン)(2,1' −イソプロピリデン)−ビス(3,4−
ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリ
ド,(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソ
プロピリデン)ビスインデニルジルコニウムジクロリ
ド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメ
チルシリレン)(3−トリメチルシリルメチレン−イン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチ
ルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)(3−ト
リメチルシリルメチレン−インデニル)(インデニル)
ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレ
ン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビスインデニルジ
ルコニウムジクロリド,ビス(ジメチルシリレン)ビス
(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2’−エチレン)(2,1’−エチレン)ビス
(3−n−ブチル−インデニル)インデニルジルコニウ
ムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,
1’−ジメチルシリレン)ビス(テトラヒドロインデニ
ル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシ
リレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−メ
チル−インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,
2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレ
ン)ビス(3−n−ブチル−インデニル)ジルコニウム
ジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)(2,
1’−ジメチルシリレン)ビス(3−エトキシメチル−
インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’−ジ
メチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)ビス
(3−トリメチルシリルメチレン−インデニル)ジルコ
ニウムジクロリド,(1,2’−ジメチルシリレン)
(2,1’−ジメチルシリレン)ビス(3−イソプロピ
ル−インデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2’
−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)
ビス(3−トリメチルシリレン−インデニル)ジルコニ
ウムジクロリドなど、及びこれらの化合物におけるジル
コニウムをチタン又はハフニウムに置換したものを挙げ
ることができる。(A−4)成分としては、二種類以上
を組み合わせて用いてもよい。
【0055】一般式(D)で表される化合物の好ましい
ものとして、配位子が(1,2' )(2,1' )の二重
架橋型で、無置換又は置換シクロペンタジエニル、イン
デニル錯体(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒
[14]」とする)が挙げられる。好ましいものの例示
として、(1,2' −エチレン)(2,1' −エチレ
ン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチル
シリレン)−ビス(テトラヒドロインデニル)ジルコニ
ウムジクロリド,(1,2' −エチレン)(2,1' −
エチレン)−ビス(3−ノルマルブチルインデニル)ジ
ルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレ
ン)(2,1' −ジメチルシリレン)−ビス(3−メチ
ルインデニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −
ジメチルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)−
ビス(3−ノルマルブチルインデニル)ジルコニウムジ
クロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,1'
−ジメチルシリレン)−ビス(3−エトキシメチルイン
デニル)ジルコニウムジクロリド,(1,2' −ジメチ
ルシリレン)(2,1' −ジメチルシリレン)−ビス
(3−トリメチルシリルメチルインデニル)ジルコニウ
ムジクロリド,(1,2' −ジメチルシリレン)(2,
1' −ジメチルシリレン)−ビス(3−イソプロピルイ
ンデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
一般式(D)で表される化合物の好ましいものとして、
配位子が(1,1' )(2,2' )の二重架橋型錯体で
無置換又は置換のシクロペンタジエニル、インデニル錯
体(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒[15]」
とする)が挙げられ、(a)(1,1' )(2,2' )
無置換シクロペンタジエニル又はインデニル、テトラヒ
ドロインデニル二重架橋錯体、(b)置換インデニル錯
体又は置換シクロペンタジエニル錯体が好ましい。置換
基としては、アルキル基、アリール基、O,P,S,
N,Si含有置換基が挙げられる。上記(a)の好まし
いものの例示として、架橋基が(1,1’−エチレン)
(2,2’−エチレン),(1,1’−メチレン)
(2,2’−メチレン),(1,1’−イソプロピリデ
ン)(2,2’−イソプロピリデン),(1,1’−エ
チレン)(2,2’−イソプロピリデン),(1,1’
−イソプロピリデン)(2,2’−エチレン),(1,
1’−エチレン)(2,2’−メチレン),(1,1’
−メチレン)(2,2’−エチレン) ,(1,1’−
メチレン)(2,2’−イソプロピリデン),(1,
1’−イソプロピリデン)(2,2’−メチレン),
(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’−イソプロ
ピリデン)のビスインデニルジルコニウムジクロリド又
はビステトラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド
などが挙げられる。上記(b)の好ましいものの例示と
して、架橋基が上記(a)と同様のものが挙げられる。
一例として、(1,1’−ジメチルシリレン)(2,
2’−ジメチルシリレン)(インデニル)(t−ブチル
シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドが挙げ
られる。一般式(D)で表される化合物の好ましいもの
として、一般式(IV) の例示の全て(これらを主触媒成
分とする触媒を「触媒[16]」とする)が挙げられ
る。一般式(D)で表される化合物の好ましいものとし
て、(a)(1,1' )(2,2' )無置換シクロペン
タジエニル又はインデニル、テトラヒドロインデニル二
重架橋錯体、(b)(1,2' )(2,1' )無置換シ
クロペンタジエニル又はインデニル、テトラヒドロイン
デニル二重架橋錯体(これらを主触媒成分とする触媒を
「触媒[17]」とする)が挙げられる。上記(a)の
好ましいものの例示として、架橋基が(1,1’−エチ
レン)(2,2’−エチレン),(1,1’−メチレ
ン)(2,2’−メチレン),(1,1’−イソプロピ
リデン)(2,2’−イソプロピリデン),(1,1’
−エチレン)(2,2’−イソプロピリデン),(1,
1’−イソプロピリデン)(2,2’−エチレン),
(1,1’−エチレン)(2,2’−メチレン),
(1,1’−メチレン)(2,2’−エチレン) ,
(1,1’−メチレン)(2,2’−イソプロピリデ
ン),(1,1’−イソプロピリデン)(2,2’−メ
チレン),(1,1’−ジメチルシリレン)(2,2’
−イソプロピリデン)のビスインデニルジルコニウムジ
クロリド及びビステトラヒドロインデニルジルコニウム
ジクロリドなどが挙げられる。上記(b)の好ましいも
のの例示として、架橋基が(1,2’−エチレン)
(2,1’−エチレン),(1,2’−メチレン)
(2,1’−メチレン),(1,2’−イソプロピリデ
ン)(2,1’−イソプロピリデン),(1,2’−エ
チレン)(2,1’−イソプロピリデン),(1,2’
−イソプロピリデン)(2,1’−エチレン),(1,
2’−エチレン)(2,1’−メチレン),(1,2’
−メチレン)(2,1’−イソプロピリデン),(1,
2’−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレ
ン)のビスインデニルジルコニウムジクロリド、ビステ
トラヒドロインデニルジルコニウムジクロリド及びビス
(ジメチルシリレン)ビス(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。これらは、環
状オレフィン又はスチレンと、オレフィンとの共重合に
おいて、共重合性が高い主触媒成分である。
【0056】一般式(D)で表される化合物の好ましい
ものとして、置換インデニル錯体又は置換シクロペンタ
ジエニル錯体(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒
[18]」とする)が挙げられる。置換基としては、ア
ルキル基、アリール、O,P,S,N,Si含有置換基
が挙げられる。好ましいものの一例として、(1,2’
−ジメチルシリレン)(2,1’−ジメチルシリレン)
(インデニル)(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドが挙げられる。これらは、環状オ
レフィン又はスチレンと、オレフィンとの共重合におい
て、共重合性が低い主触媒成分である。 (E)成分は、一般式(E)
【0057】
【化4】
【0058】〔式中、M3 はチタン、ジルコニウム又は
ハフニウム原子を示し、Cpはシクロペンタジエニル
基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換
インデニル基、テトラヒドロインデニル基、置換テトラ
ヒドロインデニル基、フルオレニル基又は置換フルオレ
ニル基などの環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化
水素基を示す。X2 は水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基又は炭
素数1〜20のアルコキシ基を示す。ZはSiR27 2
CR27 2 ,SiR27 2 SiR27 2 ,CR27 2 CR27 2
CR27 2 CR27 2 CR27 2 ,CR27=CR27,CR27 2
SiR27 2 又はGeR27 2 を示し、Y2 は−N(R28
−,−O−,−S−又は−P(R28)−を示す。上記C
27は水素原子又は20個までの非水素原子をもつアル
キル,アリール,シリル,ハロゲン化アルキル,ハロゲ
ン化アリール基及びそれらの組合せから選ばれる基であ
り、R28は炭素数1〜10のアルキル若しくは炭素数6
〜10のアリール基であるか、又は1個若しくはそれ以
上のCR27と30個までの非水素原子の結合環系を形成
してもよい。sは1又は2を示す。〕で表される化合物
である。
【0059】上記一般式(E)で表される化合物の具体
例としては、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル
ジルコニウムジクロリド:(第3級ブチルアミド)(テ
トラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−
エタンジイルチタンジクロリド;(メチルアミド)(テ
トラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−1,2−
エタンジイルジルコ二ウムジクロリド:(メチルアミ
ド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエエル)−
1.2−エタンジイルチタンジクロリド;(エチルアミ
ド)(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)−
メチレンチタンジクロリド:(第3級ブチルアミド)ジ
メチル(テトラメチル−η5 −シクロペンタジエニル)
シランチタンジクロリド:(第3級ブチルアミド)ジメ
チル(2−インデニル)シランチタンジクロリド:(第
3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5 −シ
クロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジル;
(ベンジルアミド)ジメチル−(テトラメチル−η5
シクペンタジエニル)シランチタンジクロリド;(フェ
ニルホスフィド)ジメチル(テトラメテル−η5 −シク
ロペンタジエニル)シランジルコニウムジベンジルなど
が挙げられる。(A−5)成分としてはM3がチタンで
あるものが好ましい。(A−5)成分は、二種類以上を
組み合わせて用いてもよい。一般式(E)で表される化
合物の好ましいものとして、一般式(E)における例示
の全て(これらを主触媒成分とする触媒を「触媒[1
9]」とする)が挙げられる。特に好ましいものとし
て、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−
η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジクロリ
ド,(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5 −シ
クロペンタジエニル)−1,2−エタンジインチタンジ
クロリド,(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメ
チル−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジメ
チル,(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル
−η5 −シクロペンタジエニル)シランチタンジメトキ
シド,(第3級ブチルアミド)ジメチル(2−インデニ
ル)シランチタンジクロリドなどが挙げられる。
【0060】(2)成分のキレート化合物としては、ま
ず、(F)一般キレート型錯体を挙げることができる。
具体的には、ジブロモ(1,2−ビスジフェニルホスフ
ィノエタン)ニッケル、ジブロモ(1,3−ビスジフェ
ニルホスフィノプロパン)ニッケル、ジブロモ(1,
1′−ジフェニルビスホスフィノフェロセン)ニッケ
ル、ジメチル(1,2−ビスジフェニルホスフィノエタ
ン)ニッケル、メチル(1,2−ビスジフェニルホスフ
ィノエタン)ニッケルテトラフルオロボレート、(2−
ジフェニルホスフィノ−1−フェニルエチレンオキシ)
フェニルピリジンニッケル、ジクロロ(1,2−ビスフ
ェニルホスフィノエタン)パラジウム、ビス(2,2′
−ビピリジン)メチル鉄テトラフルオロボレートエーテ
ラート、1,4,7−トリアザシクロノナン−1,4,
7−トリイルチタニウムクロリド、7−メチル−1,
4,7−トリアザシクロノナン−1,4−ジイルチタニ
ウムジクロリド、4,7−ジメチル−1,4,7−トリ
アザシクロノナン−1−イルチタニウムトリクロリドな
どを挙げることができる。 (2)成分のキレート化合物として、下記一般式(F−
1)
【0061】
【化5】
【0062】(式中、MはFe又はCo、R1 〜R
4 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪
族炭化水素基または全炭素数7〜20の環状に炭化水素
基を有する芳香族基、X,Yは、それぞれ独立にハロゲ
ン原子、水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基、Z
は、窒素原子を含む下記の官能基、R5 〜R9 は、それ
ぞれ独立に炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基または全
炭素数7〜20の環状に炭化水素基を有する芳香族基こ
のうち、R7 、R8 、R9 は互いに結合して環を形成し
ていてもよい。nは0〜3の整数である。破線は、中心
金属との配位結合を示す。)で表されるGibson型
錯体が挙げられる。上記一般式(F−1)において、R
1 〜R4 及びR5 〜R9 のうち炭素数1〜20の脂肪族
炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖もしくは分
岐状のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアルキ
ル基など、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘ
キシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル基、ヘ
キサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル基、シ
クロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。
なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル基など
の適当な置換基が導入されていてもよい。また、全炭素
数7〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基として
は、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族環上
に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアル
キル基が1個以上導入された基などが挙げられる。この
1 及びR4としては、環上に炭化水素基を有する芳香
族基が好ましく、特に2,6−ジイソプロピルフェニル
基、2,6−ジ(t−ブチル)基、2,6−ジメチルア
ニリン、2,4,6−トリメチルアニリンが好適であ
る。R1 及びR4 は、互いに同一であってもよく、異な
っていてもよい。また、R2 及びR3 としては、例えば
水素原子、メチル基などが挙げられる。一方、X及びY
は水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を挙げる
ことができるが、後者としては上記炭素数1〜20の炭
化水素基について、説明したとおりである。このX及び
Yとしては、特にメチル基が好ましい。また、XとYは
互いに同一であってもよく異なっていてもよい。Zは窒
素原子を含む下記式又は
【0063】
【化6】
【0064】で表される官能基を示し、特にピリジン骨
格を含む上記式で表される官能基が好ましい。一般式
中のR7 、R8 、R9 の具体例は上記に記載の通りで
あるが、お互いに結合して環を形成していてもよい。例
えば、シクロヘキシル骨格、シクロペンチル骨格などを
挙げることができる。前記一般式(F−1)で表される
錯体化合物の例としては下記の式19で表される化
合物等を挙げることができる。
【0065】
【化7】
【0066】
【化8】
【0067】これらのうち10が好ましい。さら
に、(2)成分のキレート化合物としては、ジイミン化
合物を配位子とするBrookhert型錯体が好まし
く、このようなものとしては、例えば一般式(F−2)
【0068】
【化9】
【0069】(式中、R30及びR33はそれぞれ独立に炭
素数1〜20の脂肪族炭化水素基または全炭素数7〜2
0の環上に炭化水素基を有する芳香族基、R31及びR32
はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の炭化
水素基を示し、R31とR32はたがいに結合して環を形成
していてもよく、X2 及びY2 はそれぞれ独立に水素原
子または炭素数1〜20の炭化水素基、M2 は周期律表
第8ないし10族の遷移金属を示す。)で表される錯体
化合物を挙げることができる。上記一般式(F−2)に
おいて、R30及びR33のうち、炭素数1〜20の脂肪族
炭化水素基としては、炭素数1〜20の直鎖状若しくは
分岐状のアルキル基または炭素数3〜20のシクロアル
キル基など、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、テトラデシル
基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げら
れる。なお、シクロアルキル基の環上には低級アルキル
基などの適当な置換差が導入されていてもよい。また、
全炭素数7〜20の環上に炭化水素基を有する芳香族基
としては、例えばフェニル基やナフチル基などの芳香族
環上に、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基が1個以上導入された基などが挙げられる。
このR30及びR33としては、環上に炭化水素基を有する
芳香族基が好ましく、特に2,6−ジイソプロピルフェ
ニル基が好適である。R30及びR33は、たがいに同一で
あってもよく、異なっていてもよい。また、R31及びR
32のうち、炭素数1〜20の炭化水素基としては、例え
ば炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐状アルキル基、
炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20の
アリール基、炭素数7〜20のアラルキル基などが挙げ
られる。ここで、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐
状アルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基とし
ては、前記R30及びR33のうち、炭素数1〜20の脂肪
族炭化水素基の説明において例示したものと同じものを
挙げることができる。また炭素数6〜20のアリール基
としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、
ナフチル基、メチルナフチル基などが挙げられ、炭素数
7〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基や
フェネチル基などが挙げられる。このR30及びR31は、
たがいに同一であってもよく、異なっていてもよい。ま
た、たがいに結合して環を形成してもよい。一方、X2
及びY2 のうち、炭素数1〜20の炭化水素基として
は、上記R31及びR32における炭素数1〜20の炭化水
素基について、説明したとおりである。このX2 及びY
2 としては、特にメチル基が好ましい。また、X2 とY
2 は、たがいに同一であってもよく異なっていてもよ
い。M2 の周期律表第8ないし10族の遷移金属として
は、例えば、ニッケル、パラジウム、白金、鉄、コバル
ト、ロジウム、ルテニウムなとが挙げられ、ニッケル、
パラジウムが好ましい。前記一般式(F−2)で表され
る錯体化合物の例としては、下記の式[1]〜[17]
で表される化合物などを挙げることができる。
【0070】
【化10】
【0071】
【化11】
【0072】これらのうち[1]〜[8]が好ましい。 (2)成分のキレート型錯体としては、下記一般式(F
−3) Ld MXe f g ・・・(F−3) [式中、Mは周期律表第3〜10族又はランタノイド系
列若しくはアクチノイド系列の金属を示し、Lは下記一
般式
【0073】
【化12】
【0074】(式中、G1 ,G2 及びG3 は13族、1
4族、15族又は16族の元素を示し、かつG1 及びG
3 の少なくとも一方は15族の元素を示し、G1 −G2
間、G 2 −G2 間及びG2 −G3 間はそれぞれ一重結
合、二重結合又はその組合せにより連結されている。ま
た、G1 はMに結合しており、G3 は孤立電子対を持つ
場合にはMに配位しており、M,G1 ,G2 及びG3
で共鳴している場合にはその共鳴により結合している。
nは0〜10の整数を示し、各((R2 b −G2)は
同じでも異なっていてもよい。R1 ,R2 及びR3 は、
それぞれ水素原子、ハロゲン原子、有機メタロイド基、
アルコキシ基、アミノ基、炭化水素基又はヘテロ原子含
有炭化水素基を示し、それらは互いに同一でも異なって
いてもよく、R1 ,R2 及びR3 間で架橋していてもよ
く、またR1 ,R2 ,R3 とMとが架橋していてもよ
い。a,b及びcはそれぞれ0〜3の整数である。)で
表されるものである。また、dは1以上でかつMの原子
価を超えない整数を示し、各L基は互いに同一でも異な
っていてもよく、L基間で架橋していてもよい。Xは共
役π電子を有する配位子を示す。具体的には、アリル
基、シクロペンタジエニル基若しくは置換シクロペンタ
ジエニル基、又はシクロペンタジエニル環内にヘテロ原
子を含有するシクロペンタジエニル基若しくは置換シク
ロペンタジエニル基を示す。eは0又は1を示し、L基
とX基との間で架橋していてもよい。Yはσ結合性の配
位子又はキレート性の配位子を示し、fは0以上の整数
で、[Mの原子価−(d+e)]に等しく、各Yは互い
に同一でも異なっていてもよい。Zはルイス塩基を示
し、gは0〜4の整数を示し、各Zは互いに同一でも異
なっていてもよい。また、L基、XあるいはYとの間で
架橋していてもよい。このYの具体例としては、水素原
子、ハロゲン原子、有機メタロイド基、アルコキシ基、
アミノ基、炭化水素基又はヘテロ原子含有炭化水素基で
ある。]で表される化合物が挙げられる。前記一般式
(F−3)で示される遷移金属化合物のn=1,e=0
のときの具体例としては、ビス[N,N−ビス(トリメ
チルシリル)ベンズアミジナート]ジルコニウムジクロ
リド、ビス(N,N′−ジフェニルベンズアミジナー
ト)ジルコニウムジクロリド、ビス(N,N′−ジシク
ロヘキシルベンズアミジナート)ジルコニウムジクロリ
ド、ビス(N,N′−ジメチルベンズアミジナート)ジ
ルコニウムジクロリド、ビス(N,N′−ジイソプロピ
ルベンズアミジナート)ジルコニウムジクロリド、ビス
(N−シクロヘキシル−N′−メチルベンズアミジナー
ト)ジルコニウムジクロリド、ビス(N,N′−ジメチ
ルアセトアミジナート)ジルコニウムジクロリド、ビス
[(t−ブトキシジメチルシリル)−t−ブチルアミ
ノ]ジルコニウムジクロリド、ビス(t−ブトキシジメ
チルシロキシ)ジルコニウムジクロリド、ビス[N,
N′−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]
ジルコニウムジヒドリド、ビス(N,N′−ジメチルア
セトアミジナート)ジルコニウムジヒドリド、ビス
[(t−ブトキシジメチルシリル)−t−ブチルアミ
ノ]ジルコニウムジヒドリド、ビス(t−ブトキシジメ
チルシロキシ)ジルコニウムジヒドリド、ビス[N,
N′−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]
ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム、ビス(N,
N′−ジメチルアセトアミジナート)ビス(トリメチル
シリル)ジルコニウム、ビス[(t−ブトキシジメチル
シリル)−t−ブチルアミノ]ビス(トリメチルシリ
ル)ジルコニウム、ビス(t−ブトキシジメチルシロキ
シ)ビス(トリメチルシリル)ジルコニウム、ビス
[N,N′−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナ
ート]ジエトキシジルコニウム、ビス(N,N′−ジメ
チルアセトアミジナート)ジエトキシジルコニウム、ビ
ス[(t−ブトキシジメチルシリル)−t−ブチルアミ
ノ]ジエトキシジルコニウム、ビス(t−ブトキシジメ
チルシロキシ)ジエトキシジルコニウム、ビス[N,
N′−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]
ビス(ジエチルアミノ)ジルコニウム、ビス(N,N′
−ジメチルアセトアミジナート)ビス(ジエチルアミ
ノ)ジルコニウム、ビス[(t−ブトキシメチルシリ
ル)−t−ブチルアミノ]ビス(ジエチルアミノ)ジル
コニウム、ビス(t−ブトキシジメチルシロキシ)ビス
(ジエチルアミノ)ジルコニウム、ビス[N,N′−ビ
ス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]ビス(ト
リメチルシリルメチル)ジルコニウム、ビス(N,N′
−ジメチルアセトアミジナート)ビス(トリメチルシリ
ルメチル)ジルコニウム、ビス[(t−ブトキシジメチ
ルシリル)−t−ブチルアミノ]ビス(トリメチルシリ
ルメチル)ジルコニウム、ビス(t−ブトキシジメチル
シロキシ)ビス(トリメチルシリルメチル)ジルコニウ
ム、ビス[N,N′−ビス(トリメチルシリル)ベンズ
アミジナート]ジメチルジルコニウム、ビス(N,N′
−ジメチルアセトアミジナート)ジメチルジルコニウ
ム、ビス[(t−ブトキシメチルシリル)−t−ブチル
アミノ]ジメチルジルコニウム、ビス(t−ブトキシジ
メチルシロキシ)ジメチルジルコニウム、[N,N′−
ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]ジルコ
ニウムトリクロリド、(N,N′−ジメチルアセトアミ
ジナート)ジルコニウムトリクロリド、[(t−ブトキ
シジメチルシリル)−t−ブチルアミノ]ジルコニウム
トリクロリド、(t−ブトキシジメチルシロキシ)ジル
コニウムトリクロリド、ブチレンビス[N,N′−ビス
(トリメチルシリル)アミジナート]ジルコニウムジク
ロリド、[δ−(t−ブチルアミノ)バレル−N,N′
−ビス(トリメチルシリル)アミジナート]ジルコニウ
ムジクロリド、ジアミジナートチタンジクロライド、さ
らに金属をチタニウム、ハフニウムに置換したものなど
が挙げられ、好ましくはビス[N,N′−ビス(トリメ
チルシリル)ベンズアミジナート]ジルコニウムジクロ
リド、ビス(N,N′−ジフェニルベンズアミジナー
ト)ジルコニウムジクロリド、ビス(N,N′−ジシク
ロヘキシルベンズアミジナート)ジルコニウムジクロリ
ドが挙げられる。
【0075】前記一般式(F−3)で示される遷移金属
化合物のn=1、e=1のときの具体例としては、シク
ロペンタジエニル[N,N′−ビス(トリメチルシリ
ル)ベンズアミジナート]ジルコニウムジクロリド、ペ
ンタメチルシクロペンタジエニル[N,N′−ビス(ト
リメチルシリル)ベンズアミジナート]ジルコニウムジ
クロリド、シクロペンタジニエル(N,N′−ジメチル
アセトアミジナート)ジルコニウムジクロリド、シクロ
ペンタジエニル[(t−ブトキシジメチルシリル)−t
−ブチルアミノ]ジルコニウムジクロリド、シクロペン
タジエニル(t−ブトキシジメチルシロキシ)ジルコニ
ウムジクロリド、シクロペンタジエニルビス[N,N′
−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]ジル
コニウムクロリド、シクロペンタジエニルビス(N,
N′−ジメチルアセトアミジナート)ジルコニウムクロ
リド、シクロペンタジエニルビス[(t−ブトキシジメ
チルシリル)−t−ブチルアミノ]ジルコニウムクロリ
ド、シクロペンタジエニルビス(t−ブトキシジメチル
シロキシ)ジルコニウムクロリド、δ−シクロペンタジ
エニルバレル−N,N′−ビス(トリメチリシリル)ア
ミジナートジルコニウムジクロリド、さらに金属をチタ
ニウム、ハフニウムに置換したものが挙げられ、好まし
くはシクロペンタジエニル[N,N′−ビス(トリメチ
ルシリル)ベンズアミジナート]ジルコニウムジクロリ
ド、ペンタメチルシクロペンタジエニル[N,N′−ビ
ス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート]ジルコニ
ウムジクロリド、シクロペンタジエニル(N,N′−ジ
メチルアセトアミジナート)ジルコニウムジクロリドが
挙げられる。前記一般式(F−3)で示される遷移金属
化合物のn=3、e=0のときの具体例としては、下記
式[a]〜[m]の化合物が挙げられる。さらに、金属
をチタン又はハフニウムに置換したものが挙げられる。
【0076】
【化13】
【0077】
【化14】
【0078】これらのうち[a]〜[h]が好ましい。 (2)成分のキレート化合物としては、下記式
【0079】
【化15】
【0080】のように二つの錯体の配位子間が、アルキ
レン基やシリレン基を介して結合した二核錯体が挙げら
れる。 (3)成分の下記一般式(G) MR41 a 42 b 43 c 44 d (G) で表される化合物において、Mはチタン,ジルコニウ
ム,ハフニウム,バナジウム,ニオビウム,クロムなど
の遷移金属を示し、R41,R42,R43及びR44は、それ
ぞれ独立にσ結合性の配位子,キレート性の配位子,ル
イス塩基などの配位子を示し、σ結合性の配位子として
は、具体的には水素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭
素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコキ
シ基、炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール
基若しくはアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリ
ールオキシ基,炭素数2〜20のアミノ基,炭素数3〜
50のアミジナート基,炭素数1〜20のアシルオキシ
基,アリル基,置換アリル基,ケイ素原子を含む置換基
などを例示できる。また、キレート性の配位子として
は、アセチルアセトナート基,置換アセチルアセトナー
ト基などを例示できる。a,b,c及びdは、それぞれ
独立に0〜4の整数を示す。R41,R42,R43及びR33
は、その2以上が互いに結合して環を形成してもよい。
【0081】R41〜R44の具体例としては、例えばハロ
ゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ
素原子,炭素数1〜20のアルキル基としてメチル基,
エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチ
ル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基、炭素数1〜
20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキシ基,プ
ロポキシ基,ブトキシ基、炭素数6〜20のアリール
基,アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基と
してフェニル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基、
炭素数6〜20のアリールオキシ基としてフェノキシ
基,2,6−ジメチルフェノキシ基,2,6−ジイソプ
ロピルフェノキシ基,2,6−ジ−t−ブチルフェノキ
シ基,2,4,6−トリメチルフェノキシ基,2,6−
ジイソプロピル−4−メチルフェノキシ基,2,6−ジ
−t−ブチル−4−フェノキシ基、炭素数2〜20のア
ミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基,ジ
イソプロピルアミノ基,ジ−n−ブチルアミノ基,ジフ
ェニルアミノ基,ビス(2,6−ジメチルフェニル)ア
ミノ基,ビス(トリメチルフェニル)アミノ基、炭素数
3〜50のアミジナート基としてN,N’−ジメチルト
リルアミジナート基,N,N’−ジフェニルトリルアミ
ジナート基,N,N’−ジシクロヘキシルトリルアミジ
ナート基,N,N’−ベンズアミジナート基,N,N’
−ビス(トリメチルシリル)ベンズアミジナート基、炭
素数1〜20のアシルオキシ基としてヘプタデシルカル
ボニルオキシ基、ケイ素原子を含む置換基としてトリメ
チルシリル基、(トリメチルシリル)メチル基、ルイス
塩基としてジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テト
ラヒドロフランなどのエーテル類、テトラヒドロチオフ
ェンなどのチオエーテル類、エチルベンゾエートなどの
エステル類、アセトニトリル;ベンゾニトリルなどのニ
トリル類、トリメチルアミン;トリエチルアミン;トリ
ブチルアミン;N,N−ジメチルアニリン;ピリジン;
2,2’−ビピリジン;フェナントロリンなどのアミン
類、トリエチルホスフィン;トリフェニルホスフィンな
どのホスフィン類、エチレン;ブタジエン;1−ペンテ
ン;イソプレン;ペンタジエン;1−ヘキセン及びこれ
らの誘導体などの鎖状不飽和炭化水素、ベンゼン;トル
エン;キシレン;シクロヘプタトリエン;シクロオクタ
ジエン;シクロオクタトリエン;シクロオクタテトラエ
ン及びこれらの誘導体などの環状不飽和炭化水素などが
挙げられる。上記一般式で表される遷移金属化合物の具
体例としては、四塩化チタン,三塩化チタン,テトラエ
トキシチタン,テトラブトキシチタン,ジメトキシジク
ロルチタン,アセチルアセトナートチタン,ビス(N,
N’−ジシクロヘキシルトリルアミジナート)ジクロロ
チタン、上記遷移金属化合物が塩化マグネシウムに担持
したもの、更には電子供与体を含有するもので、チタン
/マグネシウム/塩素又はこれに電子供与体を含有する
ものを例示することができる。上記一般式で示した遷移
金属化合物のうち、少なくとも2個のハロゲン原子又は
アルコキシ基、あるいはそれぞれ2個のハロゲン原子と
アルコキシ基が中心金属に結合した遷移金属化合物と、
一般式(I)〜(VI)
【0082】
【化16】
【0083】で表されるジオールとの反応生成物も用い
ることができる。上記一般式(I)〜(VI) で表される
化合物において、R49及びR50は、炭素数1〜20の炭
化水素基であり、それらはたがいに同一でも異なってい
てもよく、Y3 は炭素数1〜20の炭化水素基、
【0084】
【化17】
【0085】で示される基(ここで、R55は炭素数1〜
6の炭化水素基を示す。)である。R 49,R50及びY3
で表される炭素数1〜20の炭化水素基としては、例え
ばメチレン,エチレン,トリメチレン,プロピレン,ジ
フェニルメチレン,エチリデン,n−プロピリデン,イ
ソプロピリデン,n−ブチリデン,イソブチリデン基な
どが挙げられるが、これらの中で、メチレン,エチレ
ン,エチリデン,イソプロピリデン及びイソブチリデン
基が好適である。nは0以上の整数を示すが、特に0又
は1が好ましい。
【0086】また、R51,R52,R53及びR54は、それ
ぞれ炭素数1〜20の炭化水素基,水酸基,ニトロ基,
ニトリル基,ヒドロカルビロキシ基又はハロゲン原子を
示し、これらはたがいに同一でも異なっていてもよい。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル,
エチル,n−プロピル,イソプロピル,n−ブチル,イ
ソブチル,t−ブチル,n−アミル,イソアミル,n−
ヘキシル,n−ヘプチル,n−オクチル,n−デシル,
n−ドデシル基などのアルキル基、フェニル,ナフチル
基などのアリール基、シクロヘキシル,シクロペンチル
基などのシクロアルキル基、プロペニル基などのアルケ
ニル基、ベンジル基などのアラルキル基を挙げることが
できるが、これらの中で炭素数1〜10のアルキル基が
好適である。y,y’,y'',y''' ,z,z’,z''
及びz''' は、芳香族環に結合している置換基の数を表
し、y,y’,z及びz’は、0〜4の整数、y''及び
z''は、0〜2の整数、y''' 及びz''' は、0〜3の
整数を示す。該遷移金属化合物と、前記一般式(I)〜
(VI) で表されるジオールとの反応生成物の一例として
は、一般式(VII)
【0087】
【化18】
【0088】で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(VII)において、M7 はチタン,ジルコニウ
ム,ハフニウム,バナジウム,ニオビウム,クロムなど
の遷移金属を示し、E1 及びE2 は、炭素数1〜20の
炭化水素基で、v及びxは、それぞれ0又は1を示し、
1 及びE2 は、Y4 を介して架橋構造を形成するもの
である。E3 及びE4 は、σ結合性配位子、キレート性
の配位子又はルイス塩基を示し、それらはたがいに同一
でも異なっていてもよい。v’及びx’は、それぞれ0
〜2の整数〔v’+x’(M1 の原子価−2)の整数〕
を示す。Y4 は炭素数1〜20の炭化水素基,E5 6
5 ,酸素原子又は硫黄原子を示し、mは0〜4の整数
を示す。E5 及びE6 は、炭素数1〜20の炭化水素
基、Y5 は炭素原子又はケイ素原子を示す。一般式
(G)で表される化合物の好ましいものとして、TiC
3 ,三塩化チタン、チタン/マグネシウム/塩素/電
子供与体からなるもの(これらを主触媒成分とする触媒
を「触媒[20]」とする)が挙げられる。後述する触
媒[21]を構成する主触媒成分は、一般式(G)で表
される化合物のうちのニッケルアセトナートなど、及び
上述した一般式(C)で表される化合物のうちのジメチ
ルメチレンビス(3−シクロペンタ[C]フェナンスリ
ル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルメチレン(4,
5−ベンゾ−1−インデニル)(3−シクロペンタ
[C]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド,ジメ
チルメチレン(1−インデニル)(3−シクロペンタ
[C]フェナンスリル)ジルコニウムジクロリド,ジメ
チルメチレンビス(1−シクロペンタ[1]フェナンス
リル)ジルコニウムジクロリド,ジメチルメチレンビス
(4,5−ベンゾ−1−インデニル)ジルコニウムジク
ロリドである。
【0089】本発明のスチレン系重合体の製造方法にお
いて、主触媒成分としては、(c)アイソタクティシテ
ィーが、メソペンタッド分率[mmmm]で35〜10
0%の範囲の重合体を重合可能な触媒成分、(d)シン
ジオタクティシティーが、ラセミペンタッド分率[rr
rr]で35〜100%の範囲の重合体を重合可能な触
媒成分、及び(e)(c)及び(d)のどちらにも該当
しないアタクチック重合体を重合可能な触媒成分から選
ばれる二種以上を用いることが好ましい。ポリマー連鎖
[I]/ポリマー連鎖[II]が、同一種の立体規則性で
その規則性が異なる値となる触媒の組合せは、以下のと
おりである。ポリマー連鎖[I]/ポリマー連鎖[II]
が、アイソタクチック構造/アイソタクチック構造であ
る場合、触媒としては、[mmmm]=35〜100%
の範囲に制御可能な触媒の任意な組合せであって、[m
mmm]比が1.1〜2.85の範囲([mmmm]比=
[mmmm]大/[mmmm]小)となるものを使用す
る。より好ましくは、ポリマー連鎖[I]及び[II]の
立体規則性をそれぞれ[mmmm]I 及び[mmmm]
IIとしたときに、[mmmm]I /[mmmm]II
び[mmmm] II/[mmmm]I のうちの1を超える
方の値が、1.2〜2.85、更に好ましくは1.3〜2.8
5、最も好ましくは1.4〜2.85の範囲にあることであ
る。ポリマー連鎖[I]/ポリマー連鎖[II]が、シン
ジオタクチック構造/シンジオタクチック構造である場
合、[rrrr]=35〜100%の範囲に制御可能な
触媒の任意な組合せであって、[rrrr]比が1.1〜
2.85の範囲([rrrr]比=[rrrr]大/[r
rrr]小)となるものを使用する。より好ましくは、
ポリマー連鎖[I]及び[II]の立体規則性をそれぞれ
[rrrr] I 及び[rrrr]IIとしたときに、[r
rrr]I /[rrrr]II 及び[rrrr]II
[rrrr]I のうちの1を超える方の値が、1.2〜2.
85、更に好ましくは1.3〜2.85、最も好ましくは1.
4〜2.85の範囲にあることである。ポリマー連鎖
[I]/ポリマー連鎖[II]が、アタクチック構造/ア
タクチック構造である場合、上記以外の触媒を使用す
る。ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]とが、異
なる種類の立体規則性を発現する触媒の組合せとして
は、ポリマー連鎖[I]/ポリマー連鎖[II]が、アイ
ソタクチック構造/シンジオタクチック構造、アイソタ
クチック構造/アタクチック構造、シンジオタクチック
構造/アタクチック構造のいずれの場合も、立体規則性
の範囲は上記同様の範囲であるものを使用する。
【0090】スチレン又はその誘導体を用いるスチレン
系重合体[I]又は[II]の製造において用いる触媒に
ついて、以下に説明する。アイソタクチック構造を実現
する触媒として、触媒[21]が挙げられる。シンジオ
タクチック構造を実現する触媒としては、シクロペンタ
ジエニル骨格を有するメタロセン化合物で、かつチタン
錯体である化合物を含む、触媒[2],触媒[4]及び
触媒[11]、一般式(G)で表される化合物のうち
の、チタンハロゲン化物(TiCl4 ,TiBr4 ,T
iI4 など)、チタンアルコキシ化合物(Ti(On
u)n ,Ti(OEt)4 など)、配位子架橋型チタン
化合物(2,2' −チオビス(6−t−ブチル−4−メ
チルフェノキシ)チタニウムジクロリド,2,2' −メ
チレンビス(6−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)
チタニウムジクロリドなど)を含む触媒が挙げられる。
好ましい触媒は、触媒[2]である。アタクチック構造
を実現する触媒としては、一般式(G)で表される化合
物のうちの、ZrCl4 ,VOCl3 ,Nb(OEt)
5 ,Cr(acac)3 ,Mo(acac)2 ,Fe
(acac)3 ,Co(acac)3 (acacはアセ
チルアセトナート)などが挙げられる。
【0091】触媒の組合せとしては(1)同一種の立体
規則性であって、程度の異なる規則性を発現させる触媒
の組合せと、(2)異なる種類の立体規則性を発現させ
る触媒の組合せがある。立体規則性の制御範囲が現在の
触媒技術においては、未だ不十分であるため、スチレン
又はその誘導体を用いるスチレン系重合体[I]又は
[II]の製造においては、(2)異なる立体規則性を発
現させる触媒の組合せを用いることが好ましい。異なる
種類の立体規則性を発現させる触媒の組合せの具体例と
しては、(a)シンジオタクチック構造とアタクチック
構造、(b)シンジオタクチック構造とアイソタクチッ
ク構造、(c)アイソタクチック構造とアタクチック構
造が挙げられる。 (a)シンジオタクチック構造とアタクチック構造から
なる組合せとしては、触媒[2],触媒[4]及び触媒
[11]から選ばれる一種以上と、一般式(G)におけ
る上記例示の一種以上を用いることが好ましい。更に好
ましくは、触媒[2]と一般式(G)における上記例示
の一種以上の組合せである。 (b)シンジオタクチック構造とアイソタクチック構造
からなる組合せとしては、触媒[2],触媒[4]及び
触媒[11]から選ばれる一種以上と、触媒[21]及
び一般式(G)における上記例示の一種以上を用いるこ
とが好ましい。一般式Gの例示などとの組合せが好まし
い。更に好ましくは、触媒[2]と触媒[21]の組合
せである。 (c)アイソタクチック構造とアタクチック構造からな
る組合せ触媒[21]の一種以上と一般式(G)におけ
る上記例示の一種以上を用いることが好ましい。
【0092】上記の複合触媒系で、スチレン又はその誘
導体と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及
び環状オレフィンから選ばれる一種以上からなる共重合
系でスチレン含有量が40を超え100モル%以下で、
スチレンが主成分である系の共重合を実施することがで
きる。共重合組成の異なるスチレン系重合体[I]又は
[II]の製造方法において、共重合組成を変える触媒と
して、同一の単量体種と共重合条件のもとで、共重合性
能が異なる触媒を組み合わせて用いる。具体的には以下
の及びの機能を有する触媒を組み合わせて用いる。 全ての単量体を含む共重合体を生成するが、そのポリ
マー組成が異なる触媒の組合せ 単独重合体またはそれに極めて近い組成の共重合体を
生成する触媒を含む組合せ 触媒選択の基準は、「共重合組成」が異なるポリマー連
鎖[I]及び[II]を得ることであり、ポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]において、共重合組成が異
なるとは、ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]と
が同一の単量体種からなり、共重合組成がポリマー連鎖
[I]とポリマー連鎖[II]が等しくないことを指す。
その好ましい範囲は、共重合連鎖を構成する単量体をM
1 ,M2 ,M3 ,M4 ・・・Mn とし、ポリマー連鎖
[I]のそれぞれの単量体含有量をC I ( Mn ) [n=
1,2,3・・・n]モル%、ポリマー連鎖[II]のそ
れぞれの単量体含有量をCII( Mn ) [n=1,2,3
・・・n]モル%としたときに、それぞれの単量体組成
の比[CI ( Mn ) /CII( Mn ) 及びCII( Mn ) /
I ( Mn ) のうちの1.0を超える値]の最も大きい値
が1.2以上にある組み合わせであるものが好ましく、よ
り好ましくは1.5以上、更に好ましくは2.0以上、更に
より好ましくは2.5以上、最も好ましくは3.0以上であ
る。この値が1.2未満では、生成したスチレン系重合体
[I]においてポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[I
I]とが類似することを意味しており、スチレン系重合
体[I]を相溶化剤として用いた場合、非相溶系の熱可
塑性樹脂組成物の物性(例えば機械的性質や熱的性質な
ど)を向上することができないというおそれがある。な
お、この値は、特にその上限が限定されるものではな
い。何故なら、この値が大きいほど非相溶系の複合材料
の物性を制御する相溶化成分として機能することが期待
できるからである。
【0093】このような特性を有するスチレン系重合体
[I]又は[II]を製造する条件としては、(1)共重
合性能が大きく異なる触媒で単独重合性が高い触媒を選
択すること、(2)触媒の共重合性の差異が特定の範囲
にある触媒の選択を選択すること、が挙げられる。上記
(1)については、 複合触媒を形成する触媒の一つ
が、下記の条件(a) (a)スチレン及びその誘導体から選ばれる一種と、エ
チレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環状オレ
フィンから選ばれる一種以上の単量体の共存下に重合を
行なう際に、スチレン及びその誘導体に対する重合性
能を有する触媒であって、スチレン及びその誘導体以
外の任意の単量体(Mg と記述)に対する重合性能及び
スチレン及びその誘導体(Mh と記述)に対する重合性
能が下記式(2a)及び(2b) 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.02 (2a) 0.5≦[Mh P /[Mh F ≦100 (2b) 但し、 [Mg F :単量体Mg の仕込み組成を表し、全単量体
の仕込み量(単位:モル)の総和で単量体Mg 仕込み量
(単位:モル)を割った値 [Mg P :重合体組成を表し、重合体を構成する単量
体の総和(モル数)を1としたときのMg 単量体の数 [Mh F :単量体Mh の仕込み組成を表し、全単量体
の仕込み量(単位:モル)の総和で単量体Mh 仕込み量
(単位:モル)を割った値 [Mh P :重合体組成を表し、重合体を構成する単量
体の総和(モル数)を1としたときのMh 単量体の数 を満足するものを用いる。[Mg F 及び[Mh F
おける全単量体数は2〜10が好ましい。上記式(2
a)において、 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.018が好ましく、 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.016がより好まし
く、 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.014が更に好まし
く、 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.012が最も好まし
い。また、上記式(2b)において、 0.75≦[Mh P /[Mh F ≦90が好ましく、 1.0≦[Mh P /[Mh F ≦85がより好ましく、 1.25≦[Mh P /[Mh F ≦80が更に好まし
く、 1.5≦[Mh P /[Mh F ≦75が最も好ましい。 [Mh P /[Mh F が0.02を超えたり、[Mh
P /[Mh F が0.5未満であると、単独重合体を含む
複合材料に対して相溶化効果を充分に発揮するスチレン
系重合体[I]又は[II]を製造することに限界を生じ
る。
【0094】上記(2)については、 複合触媒を形成
する触媒の一つが、下記の条件(b)(b)スチレン及
びその誘導体から選ばれる一種と、エチレン、炭素数3
〜20のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれ
る一種以上の単量体の共存下に重合を行なう際に、ス
チレン及びその誘導体に対する重合性能を有する触媒で
あって、スチレン及びその誘導体以外の単量体の共重
合性能が二種の触媒(触媒k及び触媒l)において下記
式(3a)及び(3b) 1.2≦[([Mi ]/[Mj ])k ]/[([Mi ]/[Mj ])l ]≦100 (3a) ([Mi ]/[Mj ])k ≧[([Mi ]/[Mj ])l (3b) 但し、 [([Mi ]/[Mj ])k ]:触媒kによって製造さ
れた共重合体の単量体Mi と単量体Mj の含有量の比
(単位:モル%/モル%) [([Mi ]/[Mj ])l ]:触媒lによって製造さ
れた共重合体の単量体Mi と単量体Mj の含有量の比
(単位:モル%/モル%) を満足するものを用いる。上記における単量体の数
は、2〜10が好ましい。上記式(3a)において、 1.23≦[([Mi ]/[Mj ])k ]/[([Mi
/[Mj ])l ]≦100が好ましく、 1.25≦[([Mi ]/[Mj ])k ]/[([Mi
/[Mj ])l ]≦100がより好ましく、 1.30≦[([Mi ]/[Mj ])k ]/[([Mi
/[Mj ])l ]≦100が最も好ましい。上記式(3
a)において、1.20未満では相溶化剤としての機能が
不足する。
【0095】ここで、触媒の共重合性の差異を定量する
重合条件は任意であるが、通常、モノマー仕込み組成
は、2成分系の場合はその両者の比は20/80〜80
/20(モル/モル)の範囲で実施する。また多成分系
の場合は各々のモノマー組成がほぼ等しくなる条件で共
重合を実施する。その他の条件はスチレン系重合体
[I]及び[II]の製造条件に準じ、主触媒成分を一種
ずつ用いて実施する。この条件としては、温度−20〜
200℃、反応圧力常圧〜10MPa、主触媒と助触媒
の比は遷移金属化合物/アルミノキサンの場合1/10
〜1/10000(モル/モル)で、遷移遷移金属/硼
素系助触媒の場合1/0.5〜10/1(モル/モル)の
範囲とすることが好ましい。また、モノマー/遷移金属
化合物の比の範囲は、通常1×104 〜1×108 (モ
ル/モル)とする。
【0096】本発明のスチレン系重合体は、スチレン又
はその誘導体と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレ
フィン及び環状オレフィンから選ばれる一種以上からな
る共重合系で、好ましくはスチレンの含有量が40モル
%を超え100モル%以下のものである。(a)スチレ
ン又はその誘導体と、エチレン、炭素数3〜20のα−
オレフィンとの共重合に用いる触媒の主触媒成分として
は、一般式(F)で表されるキレート錯体とシクロペ
ンタジエニル骨格を有するメタロセン化合物との組合せ
(この触媒系はコモノマーとしてエチレンを含む場合に
用いることができる)、シクロペンタジエニル骨格を
有するメタロセン化合物同士の組合せを用いることが好
ましい。上記として、好ましくは、一般式(F−
1),(F−2)及び(F−3)から選ばれる一種以上
と、一般式(A),(B),(C),(D)及び(E)
から選ばれる一種以上からなる触媒の組合せであり、よ
り好ましくは、一般式(F−1),(F−2)及び(F
−3)から選ばれる一種以上と、触媒[2],触媒
[4],触媒[11],触媒[12],触媒[13],
触媒[17]及び触媒[19]から選ばれる一種以上の
組合せである。更に好ましくは、一般式(F−1)の4
〜10、一般式(F−2)の1〜8、一般式(F−3)
のa〜hから選ばれる一種以上と、触媒[2],触媒
[4],触媒[11],触媒[12],触媒[13],
触媒[17]及び触媒[19]から選ばれる一種以上の
組合せである。上記シクロペンタジエニル骨格を有す
るメタロセン化合物同士の組合せとしては、一般式
(A),(B),(C),(D)及び(E)から選ばれ
る二種以上からなる組合せが好ましく、より好ましく
は、一般式(A),(B),(C),(D)及び(E)
から選ばれる主触媒成分中から、共重合性が上述した範
囲で異なるものを選定して使用する。一般式(A)と一
般式(B)の組合せとして、好ましくは触媒[1]と触
媒[3]の組合せ、より好ましくは触媒[1]と触媒
[4]又は触媒[2]と触媒[3]の組合せが挙げられ
る。一般式(A)と一般式(C)の組合せとして、好ま
しくは触媒[1]と触媒[10]の組合せ、より好まし
くは触媒[2]と触媒[12]又は触媒[2]と触媒
[13]の組合せが挙げられる。一般式(A)と一般式
(D)との組合せとして、好ましくは触媒[1]と触媒
[16]の組合せ、より好ましくは触媒[2]と触媒
[17]又は触媒[2]と触媒[18]の組合せが挙げ
られる。一般式(A)と一般式(E)の組合せとして、
好ましくは触媒[2]と触媒[19]が挙げられる。
【0097】本発明のスチレン系重合体[I]及び[I
I]は、そのグラフト構造が、オレフィン系マクロモノ
マーのから形成されるものである。このため、その製造
においては、末端ビニルを全不飽和基に対して20モル
%以上含む重合体を製造可能な触媒を主触媒成分として
用い、ブロックグラフト重合体[I]を製造することに
より、グラフト体の生成効率が高まり、より効果的な製
造が実施できる。末端ビニルの選択性は、好ましくは2
5モル%以上、より好ましくは30モル%以上、更に好
ましくは40モル%以上、最も好ましくは50モル%以
上である。末端ビニルの選択性が20モル%未満ではグ
ラフト効率が低下し、効果が十分でない。このような触
媒は、特に、エチレン、プロピレンを、モノマー成分と
して一部でも用いる重合において、好適に用いられる。
このような触媒の主触媒成分としては、上述した一般式
(A),(B),(C),(D),(E),(F)及び
(G)で表される金属化合物を用いることができる。助
触媒成分としては、上述した(4),(5),(6)及
び(7)成分を使用することができる。上記一般式
(A)で表される化合物の好ましいものとして、シクロ
ペンタジエニル環上の置換基が各々独立に炭素数1〜2
0の炭化水素基であり、置換基数が5の化合物が挙げら
れる。具体的には、(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム,(ペンタメチルシクロペ
ンタジエニル)トリフェニルジルコニウム,(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウ
ム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム,(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
トリメトキシジルコニウム,及びこれらの化合物におい
てジルコニウムをチタン又はハフニウムに変えたものが
挙げられる。
【0098】上記一般式(B)で表される化合物の好ま
しいものとしては、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム,ビス(メチルシクロペンタ
ジエニル)ジクロロジルコニウム,ビス(メチルシクロ
ペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,ビス(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウ
ム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジクロ
ロジルコニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジベンジルジルコニウム,ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム,ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメチル
ジルコニウム,ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ヒドリドクロロジルコニウム,ビス(ペンタメチル
シクロペンタジエニル)ジヒドリドジルコニウム,ビス
(テトラメチルモノエチルシクロペンタジエニル)ジメ
チルジルコニウム,ビス(テトラメチルモノnプロピル
シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,ビス
(テトラメチルモノnブチルシクロペンタジエニル)ジ
メチルジルコニウム,及びこれらの化合物においてジル
コニウムをチタン又はハフニウムに変えたもの、[(C
3 5 5 2 Hf(C 6 4 −p−CH3 2
[(CH3 5 5 2 Zr(C6 4 −p−CH3
2 ,[(C2 5 5 5 2 Hf(CH3 2
[(nC3 7 5 5 2 Hf(CH3 2 ,[(n
3 7 5 5 2 Zr(CH3 2 ,[(CH 3
5 5 2 HfH(CH3 ),[(CH3 5 5 2
ZrH(CH3 ),[(C2 5 5 5 2 HfH
(CH3 ),[(C2 5 5 5 2 ZrH(C
3 ),[(C3 7 5 5 2 HfH(CH3 ),
[(C3 7 5 5 2 ZrH(CH3 )などが挙げ
られる。
【0099】上記一般式(C)で表される化合物の好ま
しいものとしては、ハフニウム錯体、4位置換インデニ
ル錯体、2位置換のインデニル錯体及び2,4置換イン
デニル錯体が挙げられる。ハフニウム錯体の好ましいも
のは、架橋(インデニル)又は架橋(テトラヒドロイ
ンデニル)骨格を持つハフニウム錯体,エチレンビス
(インデニル)ジクロロハフニウム,エチレンビス(イ
ンデニル)モノクロルモノヒドリドハフニウム,ジメチ
ルシリレンビス(インデニル)ジクロロハフニウム,エ
チレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロロハフニ
ウムなど、2位アルキル置換インデニル骨格を有する
ハフニウム錯体,ジメチルシリレンビス(2−エチル−
インデニル)ジクロロハフニウム,エチレンビス(2−
メチル−インデニル)ジクロロハフニウムなど、4位
アルキル置換インデニル骨格を有するハフニウム錯体,
エチレンビス(4−フェニル−インデニル)ジクロロハ
フニウム,ジメチルシリレンビス(4−フェニル−イン
デニル)ジクロロハフニウムなど、2,4位アルキル
置換インデニル骨格を有するハフニウム錯体,ジメチル
シリレンビス(2−メチル−4−フェニル−インデニ
ル)ジクロロハフニウム,ジメチルシリレンビス(2−
メチル−4−(1−ナフチル)インデニル)ジクロロハ
フニウム,ジメチルシリレンビス(2−メチル−4−イ
ソプロピル−インデニル)ジクロロハフニウムなど、
2位アルキル置換ベンゾインデニル錯体,ジメチルシリ
レンビス(2−メチル−4,5−ベンゾインデニル)ジ
クロロハフニウム,エチレンビス(2−メチル−4,5
−ベンゾインデニル)ジクロロハフニウムなどが挙げら
れる。置換インデニル錯体としては、上記のジル
コニウム錯体が好ましい。また、一般式(C)で表され
る化合物としては、一般式(C−1)
【0100】
【化19】
【0101】〔式中、M1 はチタン,ジルコニウム又は
ハフニウムを示す。R7 〜R17,X3及びX4 は、それ
ぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素
基、珪素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有
基又はリン含有基を示し、R9 とR10及びR14とR15
たがいに結合して環を形成してもよい。X3 及びX
4 は、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜20の
炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素
基、珪素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有
基又はリン含有基を示す。Aは二つの配位子を結合する
二価の架橋基であって、炭素数1〜20の炭化水素基、
炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基、珪素含有
基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、−O−、−CO
−、−S−、−SO2 −、−NR18−、−PR 18−、−
P(O)R18−、−BR18−又は−AlR18−を示し、
18は水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化
水素基又は炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素基を
示す。〕で表される化合物が好ましい。この遷移金属化
合物は、単架橋型錯体である。前記一般式(C−1)に
おいて、R7 〜R17,X3 及びX4 のうちのハロゲン原
子としては、塩素原子,臭素原子,フッ素原子,ヨウ素
原子が挙げられる。炭素数1〜20の炭化水素基として
は、例えばメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソ
プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,tert−
ブチル基,n−ヘキシル基,n−デシル基などのアルキ
ル基、フェニル基,1−ナフチル基,2−ナフチル基な
どのアリール基、ベンジル基などのアラルキル基などが
挙げられ、また炭素数1〜20のハロゲン含有炭化水素
基としては、トリフルオロメチルなどの上記炭化水素基
の水素原子の1個以上が適当なハロゲン原子で置換され
た基が挙げられる。珪素含有基としては、トリメチルシ
リル基,ジメチル(t−ブチル)シリル基などが挙げら
れる。酸素含有基としては、メトキシ基,エトキシ基な
どが挙げられ、イオウ含有基としては、チオール基,ス
ルホン酸基などが挙げられる。窒素含有基としては、ジ
メチルアミノ基などが挙げられ、リン含有基としては、
フェニルホスフィン基などが挙げられる。また、R9
10及びR14とR15はたがいに結合してフルオレンなど
の環を形成してもよい。R10,R11,R13,R15及びR
16の好ましいものとしては水素原子が挙げられる。
7 ,R8,R9 ,R12,R14及びR17としては、炭素
数6以下のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル
基、イソプロピル基、シクロヘキシル基が更に好まし
く、イソプロピル基が特に好ましい。X3 ,X4 として
は、ハロゲン原子,メチル基,エチル基,プロピル基が
好ましい。
【0102】Aの具体例としては、メチレン、エチレ
ン、エチリデン、イソプロピリデン、シクロヘキシリデ
ン、1,2−シクロヘキシレン、ジメチルシリレン、テ
トラメチルジシリレン、ジメチルゲルミレン、メチルボ
リリデン(CH3 −B=)、メチルアルミリデン(CH
3 −Al=)、フェニルホスフィリデン(Ph−P
=)、フェニルホスホリデン(PhPO=)、1,2−
フェニレン、ビニレン(−CH=CH−)、ビニリデン
(CH2 =C=)、メチルイミド、酸素(−O−)、硫
黄(−S−)などがあり、中でも、メチレン、エチレ
ン、エチリデン、イソプロピリデンが、本発明の目的達
成の点で好ましい。M1 はチタン,ジルコニウム又はハ
フニウムを示すが、特にハフニウムが好適である。前記
一般式(C−1)で表される遷移金属化合物の具体例と
しては、1,2−エタンジイル(1−(4,7−ジイソ
プロピルインデニル))(2−(4,7−ジイソプロピ
ルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エタン
ジイル(9−フルオレニル)(2−(4,7−ジイソプ
ロピルインデニル)ハフニウムジクロリド、イソプロピ
リデン(1−(4,7−ジイソプロピルインデニル))
(2−(4,7−ジイソプロピルインデニル)ハフニウ
ムジクロリド、1,2−エタンジイル(1−(4,7−
ジメチルインデニル))(2−(4,7−ジイソプロピ
ルインデニル)ハフニウムジクロリド、1,2−エタン
ジイル(9−フルオレニル)(2−(4,7−ジメチル
インデニル))ハフニウムジクロリド、イソプロピリデ
ン(1−(4,7−ジメチルインデニル))(2−
(4,7−ジイソプロピルインデニル)ハフニウムジク
ロリドなど、及びこれらの化合物におけるハフニウムを
ジルコニウム又はチタンに置換したものなどを挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0103】上記一般式(D)で表される化合物の好ま
しいものは、上述した例示において、ハフニウム錯体で
あるものである。上記一般式(E)で表される化合物の
好ましいものは、上述した例示において、チタン錯体で
あるものである。上記一般式(F)で表される化合物の
好ましいものは、上記一般式(F−1)のうちの鉄系錯
体、上記一般式(F−2)のうちの鉄系錯体及びニッケ
ル系錯体、上記一般式(F−3)のうちのジルコニウム
系錯体及びハフニウム系錯体である。上記一般式(G)
で表される化合物の好ましいものは、チタン錯体であ
り、具体的には、テトラエトキシチタン,テトラブト
キシチタン等のアルコキシチタン、四塩化チタン等の
ハロゲン化チタン、アセチルアセトナートチタンであ
る。より好ましい主触媒成分は、(1)エチレンを用い
るスチレン系重合体[I]又は[II]の製造において、
グラフト効率を高めようとする場合、一般式(A),
(B),(C),(D),(E),(F)及び(G)に
おける限定的構造であり、(2)プロピレンを用いるス
チレン系重合体[I]又は[II]の製造において、グラ
フト効率を高めるようとする場合、一般式(A),
(B),(C),(C−1)及び(D)における限定的
構造であり、(3)エチレンとプロピレンを同時に用い
るスチレン系重合体[I]又は[II]の製造において、
グラフト効率を高めるようとする場合、上記(1)及び
(2)のうちのどちらでも用いることができる
【0104】グラフト効率を高める触媒の使用方法とし
ては、上述した、立体規則性の異なるスチレン系重合体
[I]及び[II]の製造に用いる触媒、あるいは共重合
性(共重合組成)の異なるスチレン系重合体[I]及び
[II]の製造に用いる触媒に対して、上記の限定的な
錯体構造の触媒を第三触媒として添加してスチレン系重
合体[I]又は[II]を製造する、触媒の第一成分又
は触媒の第二成分として用いてスチレン系重合体[I]
又は[II]を製造する、の二つの方法が挙げられる。す
なわち、上記の限定的な錯体構造の触媒は、グラフト効
率を高めるに有用な末端ビニルを生成する触媒であると
同時にポリエチレン、ポリプロピレンの製造触媒でもあ
る。したがって、共重合組成が異なる触媒として、ま
た、立体規則性が異なる触媒としても機能する場合は触
媒の第一成分または第二成分として用いることができ
る。上記の限定的な錯体構造の触媒の使用量は、上記
の場合、複合触媒の和(モル)に対して、通常0.2〜3
0モル%であり、好ましくは0.3〜28モル%、より好
ましくは0.4〜25モル%、更に好ましくは0.5〜22
モル%である。この触媒の使用量が0.2モル%未満では
グラフト効率の向上効果が小さく、30モル%を超える
と、ポリマーにより物性が変化し、所望の機械的強度や
樹脂相溶化剤としての性能が低下するおそれがある。上
記の場合は、先に述べたように、複合触媒に用いる主
触媒成分と同様の使用量でスチレン系重合体[I]又は
[II]を製造する。
【0105】次に、スチレン系重合体[I]又は[II]
の製造方法について説明する。スチレン系重合体[I]
又は[II]は、スラリー重合、溶液重合、気相重合、バ
ルク重合のいずれでも製造することができる。本発明の
スチレン系重合体[I]又は[II]の製造方法は、同一
の溶媒、温度、反応時間、モノマー種、モノマー仕込み
組成、モノマー濃度、助触媒種、助触媒濃度の反応場
で、主触媒条件のみが異なる条件下で重合反応を実施す
る工程を必須とするブロックグラフト共重合体の製造方
法である。触媒の複合条件は、主触媒の各々がまず独立
に異なるポリマーを製造できることが必要であり、各々
の触媒に対して必要な助触媒成分を用いる。助触媒成分
としては、(4)アルミノキサン、(5)遷移金属と反
応してイオン性化合物を生成するイオン化剤、(6)ル
イス酸及び(7)周期律表第1〜3族のアルキル金属化
合物から選ばれる一種以上を用いることが好ましい。 (4)成分のアルミノキサンとしては、一般式(VIII)
【0106】
【化20】
【0107】(式中、R57は炭素数1〜20、好ましく
は1〜12のアルキル基,アルケニル基,アリール基,
アリールアルキル基などの炭化水素基あるいはハロゲン
原子を示し、wは平均重合度を示し、通常2〜50、好
ましくは2〜40の整数である。なお、各R57は同じで
も異なっていてもよい。)で示される鎖状アルミノキサ
ン、及び一般式(IX)
【0108】
【化21】
【0109】(式中、R57及びwは上記一般式(VIII)
におけるものと同じである。)で示される環状アルミノ
キサンを挙げることができる。上記アルミノキサンの製
造法としては、アルキルアルミニウムと水などの縮合剤
とを接触させる方法が挙げられるが、その手段について
は特に限定はなく、公知の方法に準じて反応させればよ
い。例えば、有機アルミニウム化合物を有機溶剤に溶
解しておき、これを水と接触させる方法、重合時に当
初有機アルミニウム化合物を加えておき、後に水を添加
する方法、金属塩などに含有されている結晶水、無機
物や有機物への吸着水を有機アルミニウム化合物と反応
させる方法、テトラアルキルジアルミノキサンにトリ
アルキルアルミニウムを反応させ、更に水を反応させる
方法などがある。
【0110】アルミノキサンとしては、炭化水素溶媒に
不溶性のものであってもよいし、炭化水素溶媒に可溶で
あってもよい。好ましくは、炭化水素溶媒に可溶であっ
て、かつ 1H−NMRより測定した残留有機アルミニウ
ム化合物が10重量%以下の場合である。更に好ましく
は、残留有機アルミニウム化合物が3〜5重量%以下、
特に好ましくは、2〜4重量%以下である。このような
アルミノキサンを用いると、アルミノキサンが担体に担
持される割合(担持率とも言う)が増加し好ましい。更
に炭化水素溶媒に可溶であるので、担持されなかったア
ルミノキサンをリサイクルして再使用することができる
という利点もある。更に、アルミノキサンの性状が安定
しているので、使用に際して特に処理を必要としないと
いう長所もある。また、このようなアルミノキサンを用
いると重合により得られるポリオレフィンの平均粒径や
粒径分布(総称してモルフォロジーとも言われる)が向
上し、好ましい。残留有機アルミニウム化合物が10重
量%を超えると担持率が低下し、重合活性が低下するこ
とがある。
【0111】このようなアルミノキサンを得る方法とし
ては、例えば、アルミノキサンの溶液を加温減圧により
溶媒を留去し乾固させる方法(ドライアップ法とも言
う)が挙げられる。ドライアップ法では、加温減圧によ
る溶媒の留去は80℃以下が好ましく、更に好ましく
は、60℃以下である。また、アルミノキサンから炭化
水素溶媒に不溶な成分を除去する方法としては、例え
ば、炭化水素溶媒に不溶な成分を自然沈降させ、その後
デカンテーションにより分離する方法が挙げられる。或
いは、遠心分離等の操作により分離する方法でもよい。
その後、更に回収した可溶解成分をG5ガラス製フィル
ター等を用い、窒素気流下にてろ過した方が不溶な成分
が充分除去されるので好ましい。このようにして得られ
るアルミノキサンは時間の経過とともにゲル成分が増加
することがあるが、調製後48時間以内に使用すること
が好ましく、調製後直ちに使用することが特に好まし
い。アルミノキサンと炭化水素溶媒の割合は、特に制限
はないが、炭化水素溶媒1リットルに対しアルミノキサ
ン中のアルミニウム原子が0.5〜10モルとなるような
濃度で用いることが好ましい。なお、前記の炭化水素溶
媒溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメ
ン、シメン等芳香族炭化水素やペンタン、ヘキサン、ヘ
プタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘキサデカン、
オクタデカン等脂肪族炭化水素やシクロペンタン、シク
ロヘキサン、シクロオクタン、メチルシクロペンタン等
脂環式炭化水素やナフサ、ケロシン、ライトガスオイル
等石油留分等が挙げられる。
【0112】一方、(5)成分としては、上記遷移金属
と反応してイオン性化合部とを生成するイオン化剤であ
れば、いずれのものでも使用できるが、特に効率的に重
合活性点を形成できるなどの点から、次の一般式(X),
(XI) (〔L1 −R60h+a (〔Z〕- b ・・・(X) (〔L2 h+a (〔Z〕- b ・・・(XI) (ただし、L2 はM5 ,R61626,R63 3 C又はR64
6 である。)〔(X),(XI) 式中、L1 はルイス塩
基、〔Z〕- は、非配位性アニオン〔Z1- 又は〔Z
2 - 、ここで〔Z1 - は複数の基が元素に結合した
アニオン、すなわち〔M4 1 2 ・・・Gf 〕(ここ
で、M4 は周期律表第5〜15族元素、好ましくは周期
律表第13〜15族元素を示す。G1 〜Gf はそれぞれ
水素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のアルキル
基,炭素数2〜40のジアルキルアミノ基,炭素数1〜
20のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭
素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数7〜40のア
ルキルアリール基,炭素数7〜40のアリールアルキル
基,炭素数1〜20のハロゲン置換炭化水素基,炭素数
1〜20のアシルオキシ基,有機メタロイド基、又は炭
素数2〜20のヘテロ原子含有炭化水素基を示す。G1
〜Gf のうち2つ以上が環を形成していてもよい。fは
〔( 中心金属M4 の原子価) +1〕の整数を示す。) 、
〔Z2 -は、酸解離定数の逆数の対数(pKa ) が−
10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッド酸
及びルイス酸の組合わせの共役塩基、あるいは一般的に
超強酸と定義される共役塩基を示す。また、ルイス塩基
が配位していてもよい。また、R60は水素原子,炭素数
1〜20のアルキル基,炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示し、R
61及びR62はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シ
クロペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル
基、R63は炭素数1〜20のアルキル基,アリール基,
アルキルアリール基又はアリールアルキル基を示す。R
64はテトラフェニルポルフィリン,フタロシアニンなど
の大環状配位子を示す。hは〔L1 −R60〕,〔L2
のイオン価数で1〜3の整数、aは1以上の整数、b=
(h×a)である。M5 は、周期律表第1〜3、11〜
13、17族元素を含むものであり、M6 は、周期律表
第7〜12族元素を示す。〕で表されるものを好適に使
用することができる。
【0113】ここで、L1 の具体例としては、アンモニ
ア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエチ
ルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,
N,N−ジメチルアニリン,トリメチルアミン,トリエ
チルアミン,トリ−n−ブチルアミン,メチルジフェニ
ルアミン,ピリジン,p−ブロモ−N,N−ジメチルア
ニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリンなどの
アミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニルホスフ
ィン,ジフェニルホスフィンなどのホスフィン類、テト
ラヒドロチオフェンなどのチオエーテル類、安息香酸エ
チルなどのエステル類、アセトニトリル,ベンゾニトリ
ルなどのニトリル類などを挙げることができる。
【0114】R28の具体例としては水素,メチル基,エ
チル基,ベンジル基,トリチル基などを挙げることがで
き、R29,R30の具体例としては、シクロペンタジエニ
ル基,メチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペ
ンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基
などを挙げることができる。R31の具体例としては、フ
ェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル基など
を挙げることができ、R32の具体例としてはテトラフェ
ニルポルフィン,フタロシアニン,アリル,メタリルな
どを挙げることができる。また、M5 の具体例として
は、Li,Na,K,Ag,Cu,Br,I,I3 など
を挙げることができ、M6 の具体例としては、Mn,F
e,Co,Ni,Znなどを挙げることができる。ま
た、〔Z1 - 、すなわち〔M4 1 2 ・・・Gf
において、M4 の具体例としてはB,Al,Si ,P,
As,Sbなど、好ましくはB及びAlが挙げられる。
また、G1 ,G2 〜Gf の具体例としては、ジアルキル
アミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基な
ど、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基としてメト
キシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基,フェノキシ基な
ど、炭化水素基としてメチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,
n−オクチル基,n−エイコシル基,フェニル基,p−
トリル基,ベンジル基,4−t−ブチルフェニル基,
3,5−ジメチルフェニル基など、ハロゲン原子として
フッ素,塩素,臭素,ヨウ素,ヘテロ原子含有炭化水素
基としてp−フルオロフェニル基,3,5−ジフルオロ
フェニル基,ペンタクロロフェニル基,3,4,5−ト
リフルオロフェニル基,ペンタフルオロフェニル基,
3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基,ビス
(トリメチルシリル)メチル基など、有機メタロイド基
としてペンタメチルアンチモン基、トリメチルシリル
基,トリメチルゲルミル基,ジフェニルアルシン基,ジ
シクロヘキシルアンチモン基,ジフェニル硼素などが挙
げられる。
【0115】また、非配位性のアニオンすなわちpKa
が−10以下のブレンステッド酸単独又はブレンステッ
ド酸及びルイス酸の組合わせの共役塩基〔Z2 - の具
体例としてはトリフルオロメタンスルホン酸アニオン
(CF3 SO3 - ,ビス(トリフルオロメタンスルホ
ニル)メチルアニオン,ビス(トリフルオロメタンスル
ホニル)ベンジルアニオン,ビス(トリフルオロメタン
スルホニル)アミド,過塩素酸アニオン(Cl
4 - ,トリフルオロ酢酸アニオン( CF3
2)- ,ヘキサフルオロアンチモンアニオン( SbF6)
- ,フルオロスルホン酸アニオン(FSO3 - ,クロ
ロスルホン酸アニオン(ClSO3 - ,フルオロスル
ホン酸アニオン/5−フッ化アンチモン(FSO3 /S
bF5 - ,フルオロスルホン酸アニオン/5−フッ化
砒素(FSO3 /AsF5 - ,トリフルオロメタンス
ルホン酸/5−フッ化アンチモン(CF3SO3 /Sb
5)- などを挙げることができる。二核アニオンとして
は、下記式
【0116】
【化22】
【0117】で示すものが挙げられる。このような
(5)成分化合物の具体例としては、テトラフェニル硼
酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ−
n−ブチルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリメチ
ルアンモニウム,テトラフェニル硼酸テトラエチルアン
モニウム,テトラフェニル硼酸メチル(トリ−n−ブチ
ル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ベンジル(トリ
−n−ブチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸ジメ
チルジフェニルアンモニウム,テトラフェニル硼酸トリ
フェニル(メチル)アンモニウム,テトラフェニル硼酸
トリメチルアニリニウム,テトラフェニル硼酸メチルピ
リジニウム,テトラフェニル硼酸ベンジルピリジニウ
ム,テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピリジニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
エチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニルアンモニ
ウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テト
ラ−n−ブチルアンモニウム,テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸テトラエチルアンモニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベンジル(トリ−
n−ブチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル
(メチル)アンモニウム,テトラキス(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸メチルアニリニウム,テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリメチルアニ
リニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
メチルピリジニウム,テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸ベンジルピリジニウム,テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸メチル(2−シアノピリジニウ
ム),テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ベン
ジル(2−シアノピリジニウム),テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル) 硼酸メチル( 4−シアノピリジニウ
ム) ,テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ
フェニルホスホニウム,テトラキス〔ビス(3,5−ジ
トリフルオロメチル)フェニル〕硼酸ジメチルアニリニ
ウム,テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェ
ニル硼酸銀,テトラフェニル硼酸トリチル,テトラフェ
ニル硼酸テトラフェニルポルフィリンマンガン,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム,
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’
−ジメチルフェロセニウム) ,テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリチル,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸リチウム,テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸ナトリウム,テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラフェニルポル
フィリンマンガン,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフル
オロ燐酸銀,ヘキサフルオロ砒素酸銀,過塩素酸銀,ト
リフルオロ酢酸銀,トリフルオロメタンスルホン酸銀な
どを挙げることができる。(B−2)成分としては、前
記の硼素化合物が好ましい。
【0118】この(5)成分のイオン化剤一種用いても
よく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。次
に、(6)成分のルイス酸としては、特に制限はなく、
有機化合物でも固体状無機化合物でもよい。有機化合物
としては、硼素化合物やアルミニウム化合物などが、無
機化合物としてはマグネシウム化合物、アルミニウム化
合物などが効率的に活性点を形成できる点から好ましく
用いられる。該アルミニウム化合物としては例えばビス
(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)ア
ルミニウムメチル,(1,1−ビ−2−ナフトキシ)ア
ルミニウムメチルなどが、マグネシウム化合物としては
例えば塩化マグネシウム,ジエトキシマグネシウムなど
が、アルミニウム化合物としては酸化アルミニウム,塩
化アルミニウムなどが、硼素化合物としては例えばトリ
フェニル硼素,トリス(ペンタフルオロフェニル)硼
素,トリス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェ
ニル〕硼素,トリス〔(4−フルオロメチル)フェニ
ル〕硼素,トリメチル硼素、トリエチル硼素,トリ−n
−ブチル−硼素,トリス(フルオロメチル)硼素,トリ
ス(ペンタフルオロエチル)硼素,トリス(ノナフルオ
ロブチル)硼素,トリス(2,4,6−トリフルオロフ
ェニル)硼素,トリス(3,5−ジフルオロ)硼素,ト
リス〔3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル〕
硼素,ビス(ペンタフルオロフェニル)フルオロ硼素,
ジフェニルフルオロ硼素,ビス(ペンタフルオロフェニ
ル)クロロ硼素,ジメチルフルオロ硼素、ジエチルフル
オロ硼素,ジ−n−ブチルフルオロ硼素,ペンタフルオ
ロフェニルジフルオロ硼素,フェニルジフルオロ硼素,
ペンタフルオロフェニルジクロロ硼素,メチルジフルオ
ロ硼素,エチルジフルオロ硼素,n−ブチルジフルオロ
硼素などが挙げられる。これらのルイス酸は一種用いて
もよく、また二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0119】(7)成分の周期律表第1〜3族のアルキ
ル金属化合物としては、トリイソブチルアルミニウム,
トリメチルアルミニウム,ジエチルアルミニウムモノク
ロリド,ジエチル亜鉛,トリエチルボロン,ブチルエチ
ルマグネシウムなどが挙げられる。(4)成分のアルミ
ノキサン(MAO)の使用量は、主触媒成分の全量に対
してモル比で100〜10,000倍が好ましい。主触媒
成分の混合割合は、通常、単位触媒(モル基準)の仕
込み量当たりのポリマー生成量に差があること、すなわ
ち、触媒活性が触媒ごとに異なること、スチレン系重
合体[I]又は[II]の性能、それを用いた樹脂組成物
に必要とされる性能に応じてポリマー連鎖[I]とポリ
マー連鎖[II]の組成比を決定する必要があることか
ら、触媒活性と組成比を予め考慮して決定する。通常、
主触媒成分の全量に対する主触媒の一成分の割合は、0.
05〜99モル%の範囲にある。ブロック重合を促進す
る反応条件は、活性点サイト同士が常に近傍に位置し、
その衝突回数すなわち頻度因子が大きい条件となるよう
に設定することが、この反応を促進することにつなが
る。その具体的な条件として、(a)触媒濃度が高いこ
と、(b)活性点間距離が近接していること、が挙げら
れる。触媒濃度は、通常2×10-7〜2×10-3モル/
リットルの範囲であり、好ましくは5×10-7〜1.5×
10-3モル/リットルの範囲、より好ましくは1×10
-6〜1.0×10-3 モル/リットルの範囲である。触媒
濃度が2×10-7モル/リットル未満では活性点サイト
の衝突確率が低く、ブロック効率が低下する。また、触
媒濃度が2×10-3モル/リットルを超えるとポリマー
中に多量の触媒が残存し、物性上好ましくない。
【0120】活性点間距離を接近させる方法としては、
以下の〜の方法が挙げられる。及びの方法は、
担体上に2種以上の触媒を高濃度に分散担持する方
法、2種以上の触媒そのものを配位子間の化学結合に
よって同一分子に固定した多核触媒を用いる方法であ
る。上記において、配位子間の結合は特に制限はない
が、活性中心間の距離がより短縮された形態で配位子を
結合することが望ましく、具体的にはアルキレン基やシ
リレン基などで化学結合されたものである。例示として
上述した一般式(F)で表される化合物のうちの二核錯
体が挙げられる。また、〜の方法は、MAOと二
種以上の触媒との反応を、重合系外で実施し、この反応
生成物の貧溶媒中で用いる方法、MAOと二種以上の
触媒の反応を重合系外で実施した後、担体上に担持した
触媒を用いる方法、重合溶媒不溶性のMAO又は固体
状のMAOと二種以上の触媒を接触させた触媒を用いる
方法、助触媒として多核アニオン種を用いる方法であ
る。上記において、多核アニオン種は同一分子内にメ
タロセン化合物と反応し、イオン化する能力を有する部
位が二個所以上あるイオン化剤であれば何ら制限はな
く、具体的には、上述した一般式(F)で表される化合
物のうちの二核錯体が挙げられる。主触媒成分との接触
方法としては、事前に混合した主触媒を多核アニオン種
と接触反応する方法、一方の主触媒と多核アニオン種を
接触反応させた後、更に未反応のイオン化サイトと他方
の主触媒を反応する、いわゆる逐次反応方法によって活
性化された触媒を調整する方法があり、いずれもが好適
に用いられる。この場合、触媒濃度は上記2×10-7
2×10-3モル/リットルの範囲内で低い方がブロック
効率は高まる。触媒濃度は、好ましくは2×10-7〜2
×10 -4モル/リットル、更に好ましくは2×10-7
2×10-5モル/リットルの範囲である。また、上記
〜における触媒は、ブロックグラフト共重合を実施す
る以前に予備重合を行なうことも好適である。予備重合
において用いるモノマーとしては、エチレン、炭素数3
〜20のα−オレフィン、環状オレフィン、スチレン又
はその誘導体などのオレフィン類が挙げられる。この中
でエチレン、炭素数3〜20のα−オレフィンが好まし
く、より好ましくはエチレン及びプロピレンである。
【0121】予備重合量は、通常0.01〜200g/g
触媒(触媒とは主触媒成分と助触媒成分の和を指す)で
あり、好ましくは0.1〜150g/g触媒、より好まし
くは0.3〜100g/g触媒である。予備重合の条件と
しては、温度−30〜80℃、オレフィン類と触媒の量
比が、オレフィン類を1モルとしたときに、主触媒成分
が2×10-7〜2×10-3モルの範囲、重合時間が1秒
〜2時間の条件で行なうことが好ましい。
【0122】本発明において用いる触媒は、更に(8)
有機アルミニウム化合物を含有するものであってもよ
い。(8)成分の有機アルミニウム化合物としては、一
般式(XII) R65 v AlQ3-v ・・・(XII) (式中、R65は炭素数1〜10のアルキル基、Qは水素
原子、炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜20
のアリール基又はハロゲン原子を示し、vは1〜3の整
数である)で示される化合物が用いられる。上記一般式
(XII)で示される化合物の具体例としては、トリメチル
アルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリイソプロ
ピルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,ジメ
チルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロ
リド,メチルアルミニウムジクロリド,エチルアルミニ
ウムジクロリド,ジメチルアルミニウムフルオリド,ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド,ジエチルアルミニウ
ムヒドリド,エチルアルミニウムセスキクロリド等が挙
げられる。これらの有機アルミニウム化合物は一種用い
てもよく、二種以上を組合せて用いてもよい。主触媒成
分と所望により用いられる(8)有機アルミニウム化合
物との使用割合は、モル比で好ましくは1:1〜1:2
0000、より好ましくは1:5〜1:2000、更に
好ましくは1:10〜1:1000の範囲が望ましい。
有機アルミニウム化合物を用いることにより、遷移金属
化合物1g当たりの重合活性を向上させることができる
が、あまりに多い場合、特に上記範囲を逸脱する場合は
有機アルミニウム化合物が無駄になるとともに、重合体
中に多量に残存し、また少ない場合は充分な触媒活性が
得られず、好ましくない場合がある。
【0123】本発明においては、各触媒成分の少なくと
も一種を適当な担体に担持して用いることができる。担
体の種類については特に制限はなく、無機酸化物担体、
それ以外の無機担体及び有機担体のいずれも用いること
ができるが、特にモルホロジ−制御の点から無機酸化物
担体あるいはそれ以外の無機担体が好ましい。無機酸化
物担体としては、具体的には、SiO2 ,Al2 3
MgO,ZrO2 ,TiO2 ,Fe2 3 ,B2 3
CaO,ZnO,BaO,ThO2 やこれらの混合物、
例えばシリカアルミナ,ゼオライト,フェライト,グラ
スファイバーなどが挙げられる。これらの中では、特に
SiO2 またはAl2 3 が好ましい。なお、上記無機
酸化物担体は、少量の炭酸塩,硝酸塩,硫酸塩などを含
有してもよい。一方、上記以外の担体として、MgCl
2 ,Mg(OC2 5)2 などのマグネシウム化合物など
で代表される一般式MgR41 X 7 y で表されるマグネ
シウム化合物やその錯塩などを挙げることができる。こ
こで、R41は炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜
20のアルコキシ基又は炭素数6〜20のアリール基、
7 はハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基を
示し、xは0〜2、yは0〜2であり、かつx+y=2
である。各R41及び各X7 はそれぞれ同一でもよく、ま
た異なってもいてもよい。また、有機担体としては、ポ
リスチレン,スチレン−ジビニルベンゼン共重合体,ポ
リエチレン,ポリプロピレン,置換ポリスチレン,ポリ
アリレートなどの重合体やスターチ,カーボンなどを挙
げることができる。本発明において用いられる担体とし
ては、MgCl2 ,MgCl(OC2 5),Mg(O
2 5)2 ,SiO2 ,Al2 3 などが好ましい。ま
た担体の性状は、その種類及び製法により異なるが、平
均粒径は通常1〜300μm、好ましくは10〜200
μm、より好ましくは20〜100μmである。粒径が
小さいと重合体中の微粉が増大し、粒径が大きいと重合
体中の粗大粒子が増大し嵩密度の低下やホッパーの詰ま
りの原因になる。また、担体の比表面積は、通常1〜1
000m2 /g、好ましくは50〜500m2 /g、細
孔容積は通常0.1〜5cm3 /g、好ましくは0.3〜3
cm3 /gである。
【0124】比表面積又は細孔容積のいずれかが上記範
囲を逸脱すると、触媒活性が低下することがある。な
お、比表面積及び細孔容積は、例えばBET法に従って
吸着された窒素ガスの体積から求めることができる
(J.Am.Chem.Soc,第60巻,第309ペ
ージ(1983年)参照)。更に、上記担体は、通常1
00〜1000℃、好ましくは130〜800℃で焼成
して用いることが望ましい。触媒成分の少なくとも一種
を上記担体に担持させる場合、触媒成分及び助触媒成分
の少なくとも一方を、好ましくは触媒成分及び助触媒成
分の両方を担持させるのが、モルホロジー制御、気相重
合などプロセスへの適用性などの点から望ましい。
【0125】該担体に、主触媒成分及び助触媒成分の少
なくとも一方を担持させる方法については、特に制限さ
れないが、例えば主触媒成分及び助触媒成分の少なく
とも一方と担体とを混合する方法、担体を有機アルミ
ニウム化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物で処理した
のち、不活性溶媒中で主触媒成分及び助触媒成分の少な
くとも一方と混合する方法、担体と主触媒成分又は助
触媒成分あるいはその両方と有機アルミニウム化合物又
はハロゲン含有ケイ素化合物とを反応させる方法、主
触媒成分又は助触媒成分を担体に担持させたのち、助触
媒成分又は主触媒成分と混合する方法、主触媒成分と
助触媒成分との接触反応物を担体と混合する方法、主
触媒成分と助触媒成分との接触反応に際して、担体を共
存させる方法などを用いることができる。なお、上記
、及びの反応において、(C)成分の有機アルミ
ニウム化合物を添加することもできる。本発明において
は、前記(4)アルミノキサンと担体との使用割合は、
重量比で好ましくは1:0.5〜1:1000、より好ま
しくは1:1〜1:50とするのが望ましい。(5)遷
移金属と反応してイオン性化合物を生成するイオン化剤
との使用割合は、重量比で好ましくは1:5〜1:10
000、より好ましくは1:10〜1:500とするの
が望ましい。(6)ルイス酸と担体との使用割合は、重
量比で好ましくは1:5〜1:10000、より好まし
くは1:5〜1:300するのが望ましい。(7)周期
律表第1〜3族のアルキル金属化合物と担体との使用割
合は、重量比で好ましくは1:0.1〜1:100、より
好ましくは1:0.5〜1:50とするのが望ましい。助
触媒成分を二種以上を混合して用いる場合は、各助触媒
成分と担体との使用割合が重量比で上記範囲内にあるこ
とが望ましい。また、主触媒成分と担体との使用割合
は、重量比で、好ましくは1:5〜1:10000、よ
り好ましくは1:10〜1:1000とするのが望まし
い。
【0126】上記(4)〜(7)成分と担体との使用割
合、又は主触媒成分と担体との使用割合が上記範囲を逸
脱すると、活性が低下することがある。このようにして
調製された本発明で用いる重合触媒の平均粒径は、通常
2〜200μm、好ましくは10〜150μm、特に好
ましくは20〜100μmであり、比表面積は、通常2
0〜1000m2 /g、好ましくは50〜500m2
gである。平均粒径が2μm未満であると重合体中の微
粉が増大することがあり、200μmを超えると重合体
中の粗大粒子が増大することがある。比表面積が20m
2 /g未満であると活性が低下することがあり、100
0m2 /gを超えると重合体の嵩密度が低下することが
ある。また、この重合触媒において、担体100g中の
遷移金属量は、通常0.05〜10g、特に0.1〜2
gであることが好ましい。遷移金属量が上記範囲外であ
ると、活性が低くなることがある。このように担体に担
持することによって工業的に有利な高い嵩密度と優れた
粒径分布を有するオレフィン重合体を得ることができ
る。前記主触媒成分、助触媒成分及び必要に応じて用い
る(8)成分及び/又は担体の接触は、窒素等の不活性
気体中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シ
クロヘキサン等の炭化水素溶媒中で行えばよい。接触温
度は−30℃から溶媒の沸点までの温度範囲、好ましく
は−10℃〜100℃の温度範囲、接触時間は、通常3
0秒から10時間行えばよい。接触後、固体触媒成分は
洗浄してもしなくてもよい。なお、接触においては、主
触媒成分における二種のたがいに異なる遷移金属化合物
は、いずれを先に用いてもよく、前もって混合して用い
てもよい。
【0127】このようにして得られた触媒は、いったん
溶媒留去を行って固体として取り出してから重合に用い
てもよく、そのまま重合に用いてもよい。また、本発明
においては、主触媒成分及び助触媒成分の少なくとも一
方の担体への担持操作を重合系内で行うことにより触媒
を生成させることができる。例えば主触媒成分及び助触
媒成分の少なくとも一方と担体と更に必要により前記
(C)成分の有機アルミニウム化合物を加え、オレフィ
ンを予備重合させて得られた触媒であってもよい。予備
重合の際に用いられるオイフィンとしては、エチレン及
び炭素数3〜20のα―オレフィン、例えばプロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペン
テン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−
ドデセン、1―テトラデセンなどを例示できる。これら
の中では、エチレン、プロピレンあるいはエチレン−プ
ロピレン重合の際に用いられるα―オレフィンとの組み
合わせが特に好ましい。不活性炭化水素溶媒として具体
的には、上述の固体触媒成分の調製の際に使用した不活
性炭化水素溶媒と同様のものが使用できる。予備重合の
際には、遷移金属に換算して通常10-6〜2×10-2
ル/リットル(溶媒)、好ましくは5×10-5〜10-2
モル/リットル(溶媒)の量で用いられ、担体1g当た
り、遷移金属としてメチルアルミノキサン(MAOとも
いう)のような有機アルミニウム化合物中のアルミニウ
ムと遷移金属との原子比(Al/遷移金属)は、通常1
0〜5000好ましくは20〜1000である。必要に
応じて用いられる有機アルミニウム化合物のアルミニウ
ム原子とMAO中のアルミニウム原子比は、通常0.02
〜3、好ましくは0.05〜1.5の範囲である。予備重合
温度は−20〜60℃、好ましくは0〜50℃であり、
また予備重合時間は0.5〜100時間、好ましくは1
〜50時間程度である。本発明においては、オレフィン
を予備重合させて得られた触媒であることが好ましい。
【0128】次に、上記の各成分を用いて触媒を調製す
る場合には、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下に接触操
作を行うことが望ましい。そして、これら各触媒成分
は、予め、触媒調製槽において調製器内において調製し
たものを直に共重合に使用してもよい。この重合反応器
内において触媒の調製を行う場合には、芳香族ビニル化
合物などの重合温度以下で行うことが望ましく、例えば
−30〜200℃、好ましくは0〜80℃の範囲で行う
のがよい。そして、これら各成分の配合割合は、主触媒
成分の有機遷移金属化合物に対して、(4)アルミノキ
サンをモル比において1:0.1〜1:100000、好
ましくは、1:0.5〜1:10000とするのがよい。
また(5)遷移金属と反応してイオン性化合物を生成す
るイオン化剤をモル比において1:0.1〜1:100
0、好ましくは、1:1〜1:100とするのがよい。
更に、(8)有機アルミニウム化合物の配合割合は、主
触媒成分に対して、モル比において1:1〜1:100
000、好ましくは、1:10〜1:10000であ
る。本発明で使用する重合触媒は、上述した主触媒成
分、(4)成分、(5)成分及び(8)成分のうち少な
くとも1つの成分が微粒子状担体に担持されてなる固体
状触媒であってもよい。また重合用触媒は、微粒子状担
体、主触媒成分、(4)成分又は(5)成分及び予備重
合により生成する重合体または共重合体と、必要に応じ
て(8)成分とからなる予備重合触媒であってもよい。
本発明のスチレン系重合体の製造において、重合は、温
度−100〜300℃、重合圧力0.001〜10Mp
a、重合時間10秒〜8時間の条件で行なうことができ
る。
【0129】
【実施例】次に、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。なお、以下において、SPSはシンジオ
タクチックポリスチレン、IPPはアイソタクチックポ
リプロピレン、HDPEは高密度ポリエチレン、LLD
PEは直鎖状低密度ポリエチレン、SPPはシンジオタ
クチックポリプロピレンを意味する。
【0130】実施例1(SPSとIPPとのブロック共
重合体の製造) (1)重合 内容積1.6リットルのステンレス鋼製耐圧オートクレー
ブに脱水トルエン300ミリリットル、スチレン100
ミリリットル、トリイソブチルアルミニウム1.0ミリモ
ルを投入し、10分間室温で攪拌した。これにメチルア
ルミノキサン(1.47モル/リットル,アルベマール社
製,トリメチルアルミニウム14.5重量%含有)を4.0
ミリモル投入し、65℃まで昇温した。更に、プロピレ
ンを分圧で0.5MPa(ゲージ圧)導入し、飽和させ
た。これに、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−
4−ベンゾ−インデニル)ジルコニウムジクロリドを1
マイクロモル、6,5,6−トリメトキシチタンを5マ
イクロモル含むトルエン溶液2.0ミリリットルを投入し
て重合を開始した。温度を70℃に設定し、プロピレン
分圧を0.5MPa(ゲージ圧)に保持しながら2時間反
応させた。重合反応終了後、メタノールを少量投入し、
重合反応を停止した後、冷却脱圧してポリマー回収し
た。その結果、24.5gの収量であった。(株)離合社
製VMR−053型自動粘度計を用い、135℃のデカ
リン中で測定したブロック共重合体の極限粘度[η]は
2.89デシリットル/gであった。また、得られたブロ
ック共重合体のポリマー組成は、スチレン95モル%、
プロピレン5モル%であった。
【0131】実施例2(SPSとHDPEとのブロック
共重合体の製造) 実施例1において、rac−ジメチルシリレン(2−メ
チル−4−ベンゾ−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドを4マイクロモルとし、プロピレン0.5MPa(ゲー
ジ圧)の代わりにエチレン0.3MPaを用いた以外は、
実施例1と同様にしてグラフト共重合体を製造した。収
量は35.6gであった。得られたブロック共重合体のデ
カリン135℃で測定したブロック共重合体の極限粘度
[η]は2.50デシリットル/gであった。また、得ら
れたブロック共重合体のポリマー組成は、スチレン90
モル%、エチレン10モル%であった。 実施例3(SPSとLLDPEとのブロック共重合体の
製造) 実施例1において、rac−ジメチルシリレン(2−メ
チル−4−ベンゾ−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ドを4マイクロモルとし、プロピレン0.5MPa(ゲー
ジ圧)の代わりにエチレン0.3MPa及びオクテン−1
を50ミリリットル用いた以外は、実施例1と同様にし
てグラフト共重合体を製造した。収量は35.6gであっ
た。得られたブロック共重合体のデカリン135℃で測
定したブロック共重合体の極限粘度[η]は2.40デシ
リットル/gであった。また、得られたブロック共重合
体のポリマー組成は、スチレン90モル%、エチレン8
モル%、オクテン2モル%であった。 ブロック共重合していることを明らかにするために抽
出分離法により、抽出分離した。すなわち、ブロック共
重合体を、ヘプタン溶媒系でポリマー濃度2.5質量%、
温度50℃で30分間攪拌し、溶解させ、ろ過により固
液分離した後、固体部分を更に同条件下で4回抽出分離
した。最後に乾燥により分離したヘプタン不溶成分を得
た。このものは、混在する低アイソタクチックポリプロ
ピレンが完全に分離されたシンジオタクチックポリプロ
ピレンに相当する。これを評価サンプルとした。13C−
NMR解析を行なった結果、評価サンプルにおいて、シ
ンジオタクチックポリスチレン連鎖の他に、30ppm
付近にエチレン連鎖に基づくピークが確認できた。従っ
て、この共重合系はブロック共重合であると結論づけら
れる。
【0132】実施例4(SPSとSPPとのブロック共
重合体の製造) 実施例1において、rac−ジメチルシリレン(2−メ
チル−4−ベンゾ−インデニル)ジルコニウムジクロリ
ド1マイクロモルの代わりにイソプロピリデン(シクロ
ペンタジエニル)(フルオレニル)ジクロロジルコニウ
ム10マイクロモルを用いた以外は、実施例1と同様に
してグラフト共重合体を製造した。収量は41.2gであ
った。得られたブロック共重合体のデカリン135℃で
測定したブロック共重合体の極限粘度[η]は2.20デ
シリットル/gであった。また、得られたブロック共重
合体のポリマー組成は、スチレン92モル%、プロピレ
ン8モル%であった。
【0133】(パルスNMRによる緩和速度比の測定) 比較サンプルの調製 実施例1〜4において、遷移金属触媒成分二種のメタロ
セン化合物のうち、一方のみを用いて、他の条件を変更
せずにポリマーを製造した。このようにして、各々のメ
タロセン化合物から誘導される二種のポリマーを別々に
得た。これはすなわち、ポリマーの製造過程において、
二種のメタロセン化合物の接触に起因する全ての素反応
を排除した重合形態を意味している。この二種の構造の
異なるポリマーを酸化防止剤BHTを500ppmとと
もにドライブレンドし、東洋精機製ラボプラストミル
(内容積60ミリリットル、回転速度50rpm)で7
分間溶融混練して組成物を作製した。混練温度は290
℃とした。この混練物を回収し、冷却したのちに粉砕し
て組成物ペレットを得た。これを比較サンプルとした。 評価サンプルの調製 実施例1〜4で製造したブロック共重合体も、上記と同
様にして、東洋精機製ラボプラスミルで比較サンプル同
条件で混練粉砕してペレットを作製した。 評価 先に示した測定方法に従って、この評価サンプルと実施
例1の固体NMRの評価から長時間緩和速度を測定し、
比較サンプルに対する緩和速度比を測定した。緩和速度
比を第2表に示す。
【0134】
【表2】
【0135】実施例5〜9(ポリスチレン組成物の製
造)及び比較例1〜4 (1)溶液ブレンドによるポリスチレン組成物の製造 p−キシレン300ミリリットル、酸化防止剤としてB
HT500ppmを用い、第3表に示す条件で溶解混合
した。ポリマー溶解量は3〜3.3gとした。3時間後、
均一に樹脂が溶解していることを確認し、攪拌しながら
3リットルのメタノールにポリマー混合溶液を投入し、
再沈殿によりポリスチレン組成物を回収した。ろ別した
後、80℃で減圧乾燥し、恒量に成ったことを確認して
ポリスチレン組成物とした(実施例5〜9)。また、ブ
ロック共重合体を配合しない以外は、上記と同様にして
ポリプロピレン組成物を得た(比較例1〜4)。 (2)固体 1H−NMRの測定 上記(1)で製造した組成物を用いて、熱プレスにより
プレートを作製し、これを粉砕してペレット状のサンプ
ルを作製した。このサンプルを用い、先に示した方法で
測定を行なった。測定温度は90℃とした。測定結果を
第3表に示す。
【0136】
【表3】
【0137】
【表4】
【0138】(注) (A)HDPE 出光石油化学社製 高密度ポリエチレン グレード名:
440M (B)LLDPE ダウケミカル社製,エチレン/オクテン1共重合体 グ
レード名:FM1570 (C)IPP 触媒としてrac−ジメチルシリレン(2−メチル−4
−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリド/M
AO触媒を用いヘプタン溶媒中でプロピレンの単独重合
により製造したアイソタクチックポリプロピレン 極限粘度[η]=2.76デシリットル/g、[mmm
m]=96.3% (D)SPP 触媒としてイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジクロロジルコニウム/MAO触媒を
用いトルエン溶媒系でプロピレンの単独重合により製造
したシンジオタクチックポリプロピレン 極限粘度[η]=0.89デシリットル/g、[rrr
r]=86.5% (E)SPS 触媒としてCp* Ti(OMe)3 /MAO触媒系でプ
ロピレンをバルク重合して製造したシンジオタクチック
ポリスチレン 極限粘度[η]=2.51デシリットル/g、[rrr
r]=99.2%
【0139】
【発明の効果】本発明のスチレン系重合体は、特に非相
溶系の組合せにおいて、モルホロジーや界面強度等の物
性発現要因を容易に制御できる熱可塑性樹脂組成物にお
ける複合相溶化成分として好適なものである。
フロントページの続き (72)発明者 横田 清彦 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 (72)発明者 佐藤 和夫 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 (72)発明者 宝崎 達也 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 Fターム(参考) 4J002 AA011 AC031 AC061 BA011 BB031 BB051 BB061 BB071 BB081 BB121 BB171 BB211 BB221 BB231 BC031 BC061 BD041 BE021 BG061 BG101 BN151 BP011 BP012 BP022 BP032 CB001 CC041 CF061 CF071 CG001 CH071 CL011 CL031 CM041 CN021 CN031 FD010 FD030 FD040 FD070 FD170 FD200 4J026 AA11 AA13 AA14 AA16 AA17 BA01 BA02 BA05 BA06 DA05 DB05 DB17 DB25 GA01 GA02 HA02 HA04 HA05 HA06 HA27 HA39 HB02 HB04 HB05 HB06 HB27 HB39 HB44 HE01 4J028 AA01A AA02A AB00A AB01A AB02A AC00A AC01A AC10A AC20A AC28A AC31A AC39A AC41A AC45A AC46A AC47A AC48A AC49A AC50A BB00B BB01B BB02B BC12B BC14B BC15B BC16B BC17B BC18B BC25B BC27B EA01 EB03 EB04 EB05 EB06 EB07 EB08 EB09 EB10 EB21 FA02 GA12 GA13 GA14 GA16 4J128 AD00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン及びその誘導体から選ばれる一
    種以上の単量体から成るポリマー連鎖[I]、あるいは
    スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単量体
    と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環
    状オレフィンから選ばれる一種以上の単量体から成るポ
    リマー連鎖[I]と、エチレン、炭素数3〜20のα−
    オレフィン、環状オレフィン、スチレン及びその誘導体
    から選ばれる一種以上の単量体から成り、単量体種、立
    体規則性及び共重合組成のうちの一つ以上がポリマー連
    鎖[I]と異なるポリマー連鎖[II]とがブロック結合
    され、かつマクロモノマーに基づくグラフト構造を持つ
    スチレン系重合体[I]。
  2. 【請求項2】 スチレン及びその誘導体から選ばれる一
    種以上の単量体から成るポリマー連鎖[I]、あるいは
    スチレン及びその誘導体から選ばれる一種以上の単量体
    と、エチレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環
    状オレフィンから選ばれる一種以上の単量体から成るポ
    リマー連鎖[I]と、エチレン、炭素数3〜20のα−
    オレフィン、環状オレフィン、スチレン及びその誘導体
    から選ばれる一種以上の単量体から成り、単量体種、立
    体規則性及び共重合組成のうちの一つ以上がポリマー連
    鎖[I]と異なるポリマー連鎖[II]を有し、固体 1
    −NMR測定により求めた長時間緩和成分の緩和速度に
    おいて、ポリマー連鎖[I]とポリマー連鎖[II]から
    なる物理的混合物における長時間成分の緩和速度を(1
    /R1 0 (単位:1/秒)とし、スチレン系重合体
    [II]の長時間成分の緩和速度を(1/R1 )(単位:
    1/秒)としたときに、(1/R1 0 と(1/R1
    とが下記式(1) [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.05 (1) を満足するスチレン系重合体[II]。
  3. 【請求項3】 スチレン又はその誘導体の含有量が40
    を超え100モル%以下のものである請求項1又は2に
    記載のスチレン系重合体。
  4. 【請求項4】 周期律表第3〜10族、アクチノイド及
    びランタノイドから選ばれる金属化合物を必須成分とし
    て含み、使用する単量体に対する、立体規則性及び共重
    合の制御性のうちの少なくとも一つが異なる二種以上の
    触媒からなる複合触媒を用いて、スチレン及びその誘導
    体から選ばれる一種以上、あるいはスチレン及びその誘
    導体から選ばれる一種以上と、エチレン、炭素数3〜2
    0のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれる一
    種以上の単量体を重合させることを特徴とする請求項1
    〜3のいずれかに記載のスチレン系重合体の製造方法。
  5. 【請求項5】 複合触媒を形成する触媒の一つが、下記
    の条件(a) (a)スチレン及びその誘導体から選ばれる一種と、エ
    チレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環状オレ
    フィンから選ばれる一種以上の単量体の共存下に重合を
    行なう際に、スチレン及びその誘導体に対する重合性
    能を有する触媒であって、スチレン及びその誘導体以
    外の任意の単量体(Mg と記述)に対する重合性能及び
    スチレン及びその誘導体(Mh と記述)に対する重合性
    能が下記式(2a)及び(2b) 0≦[Mg P /[Mg F ≦0.02 (2a) 0.5≦[Mh P /[Mh F ≦100 (2b) 但し、 [Mg F :単量体Mg の仕込み組成を表し、全単量体
    の仕込み量(単位:モル)の総和で単量体Mg 仕込み量
    (単位:モル)を割った値 [Mg P :重合体組成を表し、重合体を構成する単量
    体の総和(モル数)を1としたときのMg 単量体の数 [Mh F :単量体Mh の仕込み組成を表し、全単量体
    の仕込み量(単位:モル)の総和で単量体Mh 仕込み量
    (単位:モル)を割った値 [Mh P :重合体組成を表し、重合体を構成する単量
    体の総和(モル数)を1としたときのMh 単量体の数 を満足するものである請求項4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 複合触媒が、下記の条件(b) (b)スチレン及びその誘導体から選ばれる一種と、エ
    チレン、炭素数3〜20のα−オレフィン及び環状オレ
    フィンから選ばれる一種以上の単量体の共存下に重合を
    行なう際に、スチレン及びその誘導体に対する重合性
    能を有する触媒であって、スチレン及びその誘導体以
    外の単量体の共重合性能が二種の触媒(触媒k及び触媒
    l)において下記式(3a)及び(3b) 1.2≦[([Mi ]/[Mj ])k ]/[([Mi ]/[Mj ])l ]≦100 (3a) ([Mi ]/[Mj ])k ≧[([Mi ]/[Mj ])l (3b) 但し、 [([Mi ]/[Mj ])k ]:触媒kによって製造さ
    れた共重合体の単量体Mi と単量体Mj の含有量の比
    (単位:モル%/モル%) [([Mi ]/[Mj ])l ]:触媒lによって製造さ
    れた共重合体の単量体Mi と単量体Mj の含有量の比
    (単位:モル%/モル%) を満足するものである請求項4に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 スチレン及びその誘導体から選ばれる一
    種以上の単量体の重合、及び、スチレン及びその誘導体
    から選ばれる一種以上の単量体と、エチレン、炭素数3
    〜20のα−オレフィン及び環状オレフィンから選ばれ
    る一種以上から選ばれる一種以上からなる共重合におい
    て、以下の(c)、(c)及び(e) (c)アイソタクティシティーが、メソペンタッド分率
    [mmmm]で35〜100%の範囲の重合体を重合可
    能な触媒 (d)シンジオタクティシティーが、ラセミペンタッド
    分率[rrrr]で35〜100%の範囲の重合体を重
    合可能な触媒 (e)(c)及び(d)のどちらにも該当しないアタク
    チック重合体を重合可能な触媒 から選ばれる二種以上の触媒を用いる請求項4に記載の
    製造方法。
  8. 【請求項8】 複合触媒を形成する触媒の一つが、オレ
    フィン系マクロモノマーを生成する触媒である請求項4
    に記載の製造方法
  9. 【請求項9】 触媒が、(1)シクロペンタジエニル骨
    格を有するメタロセン化合物、(2)キレート化合物及
    び(3)下記一般式(G) MR41 a 42 b 43 c 44 d (Mは周期律表第4〜8族又はランタニド系列の金属元
    素を示し、R41,R42,R43,及びR44はハロゲン元
    素、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素及びアルコキシ基
    から選ばれる基を示し、R41,R42,R43,及びR44
    同一であっても異なっていてもよい。a,b,c及びd
    は0〜4の整数である。)で表される化合物から選ばれ
    る金属化合物と、(4)アルミノキサン、(5)遷移金
    属と反応してイオン性化合物を生成するイオン化剤、
    (6)ルイス酸及び(7)周期律表第1〜3族のアルキ
    ル金属化合物から選ばれる一種以上の助触媒成分から構
    成されるものである請求項4〜8のいずれかに記載の製
    造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜3のいずれかに記載のオレ
    フィン系重合体と熱可塑性樹脂からなり、該オレフィン
    系重合体の含有量が組成物中0.01〜30質量%である
    熱可塑性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性樹脂が、請求項1〜3のいず
    れかに記載のオレフィン系重合体を構成する単量体連鎖
    の一種以上を含有するものである請求項110記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜5のいずれかに記載のオレ
    フィン系重合体と熱可塑性樹脂からなる組成物が、固体
    1H−NMR測定により求めた該組成物の長時間緩和成
    分の緩和速度を(1/R1 )(単位:1/秒)とし、請
    求項1〜8のいずれかに記載のオレフィン系重合体を含
    有しない熱可塑性樹脂組成物又は熱可塑性樹脂の長時間
    緩和成分の緩和速度を(1/R1 0 (単位:1/秒)
    としたときに、(1/R1 0 と(1/R1 )とが下記
    式(4)を満足する請求項16又は17に記載の熱可塑
    性樹脂組成物 [(1/R1 )/(1/R1 0 ]≧1.01 (4) を満足する請求項10又は11に記載の熱可塑性樹脂組
    成物。
  13. 【請求項13】 組成物が、添加剤を含有する請求項1
    0〜12のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13のいずれかに記載の
    熱可塑性樹脂組成物を溶融成形して得られる成形体。
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