JP3210325B2 - スチレン系ブロック共重合体及びその製造方法 - Google Patents

スチレン系ブロック共重合体及びその製造方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はスチレン系ブロック共重合体及びその製造方
法に関し、詳しくはスチレン系モノマーとオレフィン系
モノマーとからなる特定の立体構造を有するブロック共
重合体及びその効率の良い製造方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来からラジカル重合法等により製造されるスチレン
系重合体は、その立体構造がアタクチック構造を有して
おり、種々の成形法、例えば射出成形,押出成形,中空
成形,真空成形,注入成形などの方法によって、様々な
形状のものに成形され、家庭電気器具,事務器具,家庭
用品,包装容器,玩具,家具,合成紙その他産業資材な
どとして幅広く用いられている。
しかしながら、このようなアタクチック構造のスチレ
ン系重合体は、耐熱性,耐薬品性に劣るという欠点があ
った。
ところで、本発明者らのグループは、先般、シンジオ
タクティシティーの高いスチレン系重合体を開発するこ
とに成功し、さらにこのスチレンモノマーと他の成分を
共重合したスチレン系重合体を開発した(特開昭62−10
4818号公報,同63−241009号公報)。これらのシンジオ
タクチック構造の重合体あるいは共重合体は、耐熱性,
耐薬品性及び電気的特性に優れ、多方面にわたる応用が
期待されている。
しかしながら、上記重合体、特にシンジオタクチック
ポリスチレンは、ガラス転移温度が高く、射出成形温度
を高く設定しないと、その特性を充分に発揮できないと
いう問題がある。また、高温金型で成形した成形品は、
耐衝撃性に改善の余地を残している。さらに、上記重合
体は、ポリエチレン,ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン類との相溶性に乏しいという欠点がある。
このような欠点を改善するには、ポリスチレンをオレ
フィン類との共重合体とすることが、最適であると考え
られる。本発明者らの研究グループは、このような観点
から研究を重ね、シンジオタクティシィティーの高いス
チレン−オレフィン系共重合体及びその製造法を開発し
た(特願平2−59871号明細書)。
上記共重合体は、ポリエチレン,ポリプロピレン等の
ポリオレフィン類との相溶性に優れているが、共重合体
の製造法において、その生成効率が未だ不充分であると
いう問題がある。
そこで本発明者らは、さらにポリオレフィン類との相
溶性に優れるとともに、その製造効率の良好なスチレン
−オレフィン系共重合体及びその製造方法を開発すべく
鋭意研究を重ねた。その結果、ブロック構造を有すると
同時に、スチレン系繰返し単位連鎖の立体規則性が高い
シンジオタクティシィティーを持つスチレン−オレフィ
ン系のブロック共重合体が上記目的に適うものであるこ
とを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、 一般式〔I〕 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子,ヘテロ原子を有
する炭素数20個以下の官能基あるいは炭素数20個以下の
炭化水素基を示し、nは1〜5の整数を示す。なお、n
が複数のときは、各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされるスチレン系繰返し単位及び 一般式〔II〕 〔式中、R2は水素原子あるいは炭素数20個以下の飽和炭
化水素基を示す。〕 で表わされるオレフィン系繰返し単位からなり、オレフ
ィン系繰返し単位を0.1〜99.9重量%含有するととも
に、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン中で測定した極
限粘度が0.01〜20dl/gであり、かつスチレン系繰返し単
位連鎖の立体規則性が高度なシンジオタクチック構造で
あることを特徴とするスチレン系ブロック共重合体を提
供するものである。
また、本発明は 一般式〔I′〕 〔式中、R1及びnは前記と同じ。〕 で表わされるスチレン系モノマーを、遷移金属化合物と
アルキルアルミノキサンからなる触媒の存在下で予備重
合し、次いで得られた予備重合体と一般式 〔式中、R2は前記と同じである。〕 で表わされるオレフィン系モノマーを共重合することを
特徴とする上記のスチレン系ブロック共重合体の製造方
法を提供するものである。
本発明のスチレン系共重合体は、上記の如く一般式
〔I〕で表わされる繰返し単位と一般式〔II〕で表わさ
れる繰返し単位からなるブロック共重合体であるが、こ
こで一般式〔I〕で表わされる繰返し単位は、上記の一
般式〔I′〕で表わされるスチレン系モノマーから誘導
される。式中、R1は水素原子,ハロゲン原子(例えば塩
素,臭素,フッ素,沃素),ヘテロ原子(酸素,窒素,
硫黄等),あるいは珪素を有する炭素数20個以下、好ま
しくは炭素数10〜1個の官能基あるいは炭素数20個以
下、好ましくは炭素数10〜1個の炭化水素基(例えばメ
チル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル
基,ヘキシル基などの飽和炭化水素基(特にアルキル
基)あるいはビニル基などの不飽和炭化水素基)であ
る。
一般式〔I〕で表わされる繰返し単位の具体例をあげ
れば、スチレン単位;p−メチルスチレン単位;m−メチル
スチレン単位;o−メチルスチレン単位;2,4−ジメチルス
チレン単位;2,5−ジメチルスチレン単位;3,4−ジメチル
スチレン単位;3,5−ジメチルスチレン単位;p−エチルス
チレン単位;m−エチルスチレン単位;p−ターシャリーブ
チルスチレン単位などのアルキルスチレン単位、p−ジ
ビニルベンゼン単位;m−ジビニルベンゼン単位;トリビ
ニルベンゼン単位;p−クロロスチレン単位;m−クロロス
チレン単位;o−クロロスチレン単位;p−ブロモスチレン
単位;m−ブロモスチレン単位;o−ブロモスチレン単位;p
−フルオロスチレン単位;m−フルオロスチレン単位;o−
フルオロスチレン単位;ペンタフルオロスチレン単位;o
−メチル−p−フルオロスチレン単位などのハロゲン化
スチレン単位、4−ヒドロキシスチレン単位;4−メトキ
シスチレン単位などの酸素含有置換基を有するスチレン
単位、4−アミノスチレン単位;4−(N,N−ジメチルア
ミノ)スチレン単位などの窒素含有置換基を有するスチ
レン単位、4−トリメチルシリルスチレン単位;4−トリ
メチルシリルメチルスチレン単位などの珪素含有置換基
を有するスチレン単位等、あるいはこれら二種以上を混
合したものがあげられる。一方、一般式〔II〕で表わさ
れる繰返し単位は、上記の一般式〔II′〕で表わされる
オレフィン系モノマーから誘導される。式中R2は水素原
子あるいは炭素数20個以下、好ましくは水素原子あるい
は炭素数10〜1個のオレフィン類からなるものであり、
具体的には、エチレン;プロピレン;1−ブテン;1−ペン
テン;3−メチル−ブテン−1;1−ヘキセン;3−メチル−
ペンテン−1;4−メチル−ペンテン−1;1−オクテン;1−
デセン;ビニルシクロヘキサン;アリルベンゼン;4−フ
ェニル−1−ブテンなどのオレフィンが用いられるが、
これらのうちエチレン,プロピレン,1−ブテン,1−ヘキ
セン又はこれらの混合物が好ましい。さらに好ましくは
エチレン,プロピレン又はこれらの混合物である。本発
明の共重合体においては、繰返し単位〔I〕は二種類以
上の成分から構成されていてもよく、この点においては
繰返し単位〔II〕についても同様である。したがって、
二元,三元あるいは四元共重合体の合成が可能となる。
また、上記の繰返し単位〔II〕の含有割合は、通常、共
重合体全体の0.1〜99.9重量%、好ましくは1〜99重量
%、更に好ましくは5〜95重量%の範囲である。この繰
返し単位〔II〕の含有割合が0.1重量%未満であると、
ガラス転移温度の低下や耐衝撃性の改良などの本発明の
目的とする改善効果が充分に達成されない。また、99.9
重量%を超えると、シンジオタクチック構造のスチレン
系重合体の特徴である耐熱性が発現しない。
この共重合体の分子量は、一般に1,2,4−トリクロロ
ベンゼン溶液(温度135℃)で測定した極限粘度が0.01
〜20dl/gのものであり、好ましくは0.05〜10dl/gのもの
である。極限粘度が0.01dl/g未満では、力学的物性が低
く、実用に供しえない。また、極限粘度が20dl/gを超え
ると、通常の溶融成形に適さない。
本発明においては、得られる共重合体の性質あるいは
繰返し単位〔I〕の連鎖におけるシンジオタクチック構
造を著しく損なわない範囲で第三成分を添加することも
できる。このような化合物としては、例えばジエン類,
ビニルシロキサン類,不飽和カルボン酸エステル類,ア
クリロニトリル等があげられる。
本発明のスチレン系ブロック共重合体は、繰返し単位
〔I〕と繰返し単位〔II〕がブロック共重合したもので
あるが、特に繰返し単位〔I〕、即ちスチレン系繰返し
単位の連鎖が高度なシンジオタクチック構造を有するも
のである。
ここで、スチレン系共重合体における高度なシンジオ
タクチック構造とは、立体化学構造が高度なシンジオタ
クチック構造、即ち炭素−炭素結合から形成される主鎖
に対して側鎖であるフェニル基や置換フェニル基が交互
に反対方向に位置する立体構造を有するものであり、そ
のタクティシティーは同位体炭素による核磁気共鳴法(
13C−NMR法)により定量される。13C−NMR法により測定
されるタクティシティーは、連鎖する複数個の構成単位
の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド,3個の場合
はトリアッド,5個の場合はペンタッドによって示すこと
ができるが、本発明に言う高度なシンジオタクチック構
造を有するスチレン系共重合体とは、スチレン系繰返し
単位の連鎖において、通常はラセミダイアッドで75%以
上、好ましくは85%以上、若しくはラセミペンタッドで
30%以上、好ましくは50%以上のシンジオタクティシテ
ィーを有するものを示す。しかしながら、置換基の種類
や繰り返し単位〔II〕の含有割合によってシンジオタク
ティシティーの度合いは若干変動する。
以上の如き本発明の共重合体は、繰返し単位〔I〕,
〔II〕に相応するモノマーの共重合により、また得られ
た共重合体を原料として、分別,ブレンド若しくは有機
合成的手法を適用することにより、所望の立体規則性及
び反応性置換基を有する態様のものを製造することがで
きる。
そのうち、上述した本発明の製造方法によれば、一層
効率よくかつ高品質のスチレン系ブロック共重合体を得
ることができる。
本発明の製造方法に用いる原料モノマーは、前記一般
式〔I′〕で表わされるスチレン系モノマー及び一般式
〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマーである。こ
のスチレン系モノマーとオレフィン系モノマーが、ブロ
ック共重合してそれぞれ繰り返し単位〔I〕,〔II〕を
構成する。したがって、このスチレン系モノマー及びオ
レフィン系モノマーの具体例としては、前述の繰り返し
単位〔I〕,〔II〕の具体例に対応したものをあげるこ
とができる。
本発明の方法では、まず、一般式〔I′〕で表わされ
るスチレン系モノマーを、遷移金属化合物とアルキルア
ルミノキサンからなる触媒の存在下で予備重合する。こ
の予備重合の程度は、特に制限はないが、一般には予備
重合時間が0.5分以上、好ましくは1分〜24時間の範囲
に選定すべきである。この予備重合によりスチレン系モ
ノマーの予備重合体(スチレン系オリゴマーないしポリ
マー)を生成した後、この重合反応系に一般式〔II′〕
で表わされるオレフィン系モノマーを加えて、共重合反
応を進行させれば、目的とするブロック共重合体が得ら
れる。
本発明の方法で用いる触媒は、上述の如く(A)遷移
金属化合物と(B)アルキルアルミノキサンを主成分と
するものである。ここで、触媒の(A)成分である遷移
金属化合物としては様々なものがあるが、好ましくは一
般式 又は 〔式中、R3〜R14は、それぞれ水素原子,ハロゲン原
子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数1〜20のアルコ
キシ基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のア
リールアルキル基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,
炭素数1〜20のアシルオキシ基,アセチルアセトニル
基,シクロペンタジエニル基,置換シクロペンタジエニ
ル基あるいはインデニル基を示す。また、a,b,cは、そ
れぞれ0≦a+b+c≦4を満たす0以上の整数を示
し、d,eはそれぞれ0≦d+e≦3を満たす0以上の整
数を示し、fは0≦f≦2を満たす整数を示し、h,kは
それぞれ0≦h+k≦3を満たす0以上の整数を示す。
更に、M1,M2はチタン,ジルコニウム,ハフニウムある
いはバナジウムを示し、M3,M4はバナシウムを示す。〕 で表わされる遷移金属化合物から選ばれた少なくとも一
種の化合物である。これらの遷移金属化合物の中でも、
前記一般式(α)中のM1が、チタンあるいはジルコニウ
ムであるものを用いるのが好ましい。
ここで、前記式中のR3〜R14で示されるもののうち、
ハロゲン原子として、具体的には塩素,臭素,沃素ある
いは弗素がある。また、置換シクロペンタジエニル基
は、例えば炭素数1〜6のアルキル基で1個以上置換さ
れたシクロペンタジエニル基、具体的には、メチルシク
ロペンタジエニル基;1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル基;1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,3,4−ト
リメチルシクロペンタジエニル基;ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル基等である。
また、前記式中のR3〜R14はそれぞれ独立に水素原
子,炭素数1〜20のアルキル基(具体的には、メチル
基,エチル基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル
基,アミル基,イソアミル基,オクチル基,2−エチルヘ
キシル基)、炭素数1〜20のアルコキシ基(具体的に
は、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ
基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2−エチルヘ
キシルオキシ基等)、炭素数6〜20のアリール基(具体
的には、フェニル基,ナフチル基等)、炭素数7〜20の
アリールアルキル基(具体的には、ベンジル基,フェネ
チル基,9−アントリルメチル基等)、炭素数1〜20のア
シルオキシ基(具体的には、アセチルオキシ基,ステア
ロイルオキシ基)であってもよい。これらR3〜R14は上
記条件を具備する限り、同一のものであっても、異なる
ものであってもよい。また、単座配位子のみならず、配
位子間で結合して二座以上の多座配位子となるものであ
ってもよい。
更に好適なものとして一般式 TiRXYZ ……(ζ) 〔式中、Rはシクロペンタジエニル基,置換シクロペン
タジエニル基又はインデニル基を示し、X,Y及びZはそ
れぞれ独立に水素原子,炭素数1〜12のアルキル基,炭
素数1〜12のアルコキシ基,炭素数6〜20のアリール
基,炭素数6〜20のアリールオキシ基,炭素数6〜20の
アリールアルキル基又はハロゲン原子を示す。〕 で表わされるチタン化合物である。この式中のRで示さ
れる置換シクロペンタジエニル基は、例えば炭素数1〜
6のアルキル基で1個以上置換されたシクロペンタジエ
ニル基、具体的にはメチルシクロペンタジエニル基;1,2
−ジメチルシクロペンタジエニル基;1,3−ジメチルシク
ロペンタジエニル基;1,3,4−トリメチルシクロペンタジ
エニル基;ペンタメチルシクロペンタジエニル基等であ
る。また、X,Y及びZはそれぞれ独立に水素原子,炭素
数1〜12のアルキル基(具体的にはメチル基,エチル
基,プロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,アミル
基,イソアミル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基
等),炭素数1〜12のアルコキシ基(具体的にはメトキ
シ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブトキシ基,アミル
オキシ基,ヘキシルオキシ基,オクチルオキシ基,2−エ
チルヘキシルオキシ基等),炭素数6〜20のアリール基
(具体的にはフェニル基,ナフチル基等),炭素数6〜
20のアリールオキシ基(具体的にはフェノキシ基等),
炭素数6〜20のアリールアルキル基(具体的にはベンジ
ル基)又はハロゲン原子(具体的には塩素,臭素,沃素
あるいは弗素)を示す。
このような一般式(ζ)で表わされるチタン化合物の
具体例としては、シクロペンタジエニルトリメチルチタ
ン,シクロペンタジエニルトリエチルチタン,シクロペ
ンタジエニルトリプロピルチタン,シクロペンタジエニ
ルトリブチルチタン,メチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,1,2−ジメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
メチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
エチルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
ロピルチタン,ペンタメチルシクロペンタジエニルトリ
ブチルチタン,シクロペンタジエニルメチルチタンジク
ロリド,シクロペンタジエニルエチルチタンジクロリ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルメチルチタンジ
クロリド,ペンタメチルシクロペンタジエニルエチルチ
タンジクロリド,シクロペンタジエニルジメチルチタン
モノクロリド,シクロペンタジエニルジエチルチタンモ
ノクロリド,シクロペンタジエニルチタントリメトキシ
ド,シクロペンタジエニルチタントリエトキシド,シク
ロペンタジエニルチタントリプロポキシド,シクロペン
タジエニルチタントリフェノキシド,ペンタメチルシク
ロペンタジエニルチタントリメトキシド,ペンタメチル
シクロペンタジエニルチタントリエトキシド,ペンタメ
チルシクロペンタジエニルチタントリプロポキシド,ペ
ンタメチルシクロペンタジエニルチタントリブトキシ
ド,ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリフェ
ノキシド,シクロペンタジエニルチタントリクロリド,
ペンタメチルシクロペンタジエニルチタントリクロリ
ド,シクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリド,
シクロペンタジエニルジメトキシチタンクロリド,ペン
タメチルシクロペンタジエニルメトキシチタンジクロリ
ド,シクロペンタジエニルトリベンジルチタン,ペンタ
メチルシクロペンタジエニルメチルジエトキシチタン,
インデニルチタントリクロリド,インデニルチタントリ
メトキシド,インデニルチタントリエトキシド,インデ
ニルトリメチルチタン,インデニルトリベンジルチタン
等があげられる。
一方、上記(A)遷移金属化合物成分とともに、触媒
の主成分を構成する(B)成分としては、アルミノキサ
ンが用いられるが、具体的には一般式 〔式中、R15は炭素数1〜8のアルキル基を示し、rは
2〜50を示す。〕 で表わされるアルキルアルミノキサンがあげられる。こ
のアルキルアルミノキサンは種々の方法により調製する
ことができ、例えば、アルキルアルミニウムを有機溶
剤に溶解しておき、これを水と接触させる方法、重合
時に当初アルキルアルミニウムを加えておき、後に水を
添加する方法、さらには金属塩などに含有されている
結晶水、無機物や有機物への吸着水をアルキルアルミニ
ウムと反応させるなどの方法がある。なお、上記の水に
はアンモニア,エチルアミン等のアミン,硫化水素等の
硫黄化合物,亜燐酸エステル等の燐化合物などが20%程
度まで含有されていてもよい。
(B)成分として用いるアルキルアルミノキサンの好
適な例は、プロトン核磁気共鳴吸収法で観測されるアル
ミニウム−メチル基(Al−CH3)結合に基くメチルプロ
トンシグナル領域における高磁場成分が50%以下のもの
である。つまり、上記の接触生成物を、室温下、トルエ
ン溶媒中でそのプロトン核磁気共鳴(1H−NMR)スペク
トルを観測すると、Al−CH3に基くメチルプロトンシグ
ナルは、テトラメチルシラン(TMS)基準において1.0〜
−0.5ppmの範囲に見られる。TMSのプロトンシグナル(0
ppm)がAl−CH3に基くメチルプロトン観測領域にあるた
め、このAl−CH3に基くメチルプロトンシグナルを、TMS
基準におけるトルエンのメチルプロトンシグナル2.35pp
mを基準にして測定し、高磁場成分(即ち、−0.1〜−0.
5ppm)と他の磁場成分(即ち、1.0〜−0.1ppm)とに分
けたときに、該高磁場成分が全体の50%以下、好ましく
は45〜5%のものが本発明の方法の触媒の(B)成分と
して使用できる。
本発明の方法に用いる触媒は、前記(A),(B)成
分を主成分とするものであり、前記の他にさらに所望に
より他の触媒成分、一般式 AlR16 3 〔式中、R16は炭素数1〜8のアルキル基を示す。〕 で表わされるトリアルキルアルミニウムや他の有機金属
化合物を加えることができ、また、立体規則性を損なわ
ない範囲において 一般式 W−R17−(Q)−R18−W′ ……(θ) 〔式中、R17,R18は炭素数1〜20の炭化水素基,炭素数
7〜30の置換芳香族炭化水素基あるいは酸素,窒素,硫
黄等のヘテロ原子を含む置換基を有する炭素数6〜40の
置換芳香族炭化水素基を示し、Qは炭素数1〜20の炭化
水素基,−O−,−S−,−S−S−, (R19は炭素数1〜6の炭化水素基である。)を示し、
W,W′は水酸基,アルデヒド基,カルボキシル基を示
し、mは0〜5の整数を示す。〕 で表わされる有機化合物を加えることができる。
上記一般式(θ)で表わされる有機化合物の具体例と
しては、例えば2,2′−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−
ブチル−5,5′−ジメチルジフェニルスルフィド;2,2′
−ジヒドロキシ−3,3′−ジ−t−ブチル−5,5′−ジメ
チルジフェニルエーテル等があげられる。
この触媒を使用するにあたっては、触媒中の(A)成
分と(B)成分との割合は、各成分の種類,原料である
一般式〔I′〕で表わされるスチレン系モノマー及び一
般式〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマーの種類
やその他の条件により異なり一義的に定められないが、
通常は(B)成分中のアルミニウムと(A)成分中のチ
タンとの比、すなわちアルミニウム/チタン(モル比)
として、1〜106、好ましくは10〜104である。
本発明の方法では、上記触媒を用いて、まず一般式
〔I′〕で表わされるスチレン系モノマーを予備重合
し、次いでこの重合反応系に一般式〔II′〕で表わされ
るオレフィン系モノマーを加えて共重合する。このよう
に、本発明の方法では必ず予備重合と共重合の二段重合
を行うが、その理由は次の通りである。
即ち、本発明の方法に用いる上記触媒は、得られる共
重合体におけるスチレン系繰返し単位連鎖の立体規則性
を、高度なシンジオタクチック構造とする上で極めて有
効に作用するとともに、一般式〔I′〕で表わされるス
チレン系モノマーの重合活性が高い。しかし、この触媒
は、一般式〔II′〕で表わされるオレフィン系モノマー
の重合反応においては、重合活性が小さい。その結果、
重合速度が小さく、しかも失活しやすいという難点があ
る。そのため、この触媒の存在下で、上述のスチレン系
モノマーとオレフィン系モノマーを一段で共重合する
と、触媒の失活が早く、重合効率が充分高くならず、実
用上好ましくない。それに対して、はじめにスチレン系
モノマーの予備重合を行えば、触媒の開始効率が高まる
ため、その後に行うオレフィン系モノマーとの共重合に
おいて、オレフィン系モノマーとの反応性を高める上で
効果的である。そして、その結果として、ブロック重合
体の生成効率が著しく高まるのである。
本発明の方法では、上記二段の(共)重合の形式は、
特に制限はないが、通常は塊状重合、溶液重合あるいは
懸濁重合などであり、好ましくは溶液重合である。な
お、一段目の予備重合と二段目の共重合を異なった形式
で進行させることも可能であるが、通常は同じ形式(例
えば一,二段ともに溶液重合)で進行させることが好ま
しい。
この溶液(共)重合において使用しうる溶媒として
は、ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,デカンなどの脂肪
族炭化水素、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素ある
いはベンゼン,トルエン,キシレンなどの芳香族炭化水
素などがある。また、(共)重合温度は、特に制限はな
いが、通常0〜100℃、好ましくは10〜70℃とする。
(共)重合時間は5分〜48時間であり、好ましくは1時
間以上である。なお、予備重合と共重合の反応条件は、
同一であっても、異なってもよい。予備重合後、オレフ
ィンの活性を上げるために、反応条件を変更することも
有効であり、その場合は通常の手法に従って行えばよ
い。
さらに、得られるスチレン系ブロック共重合体の分子
量を調節するには、水素の存在下で共重合反応を行うこ
とが効果的である。
本発明の方法によって得られるスチレン系ブロック共
重合体は、スチレン系繰返し単位連鎖のシンジオタクテ
ィシティーが高いものであるが、重合後、必要に応じて
塩酸等含む洗浄液で脱灰処理し、さらに洗浄,減圧乾燥
を経てメチルエチルケトン等の溶媒で洗浄して可溶分を
除去し、極めてシンジオタクティシティーの大きな高純
度のスチレン系ブロック共重合体を入手することができ
る。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらの例によって何ら限定されるもので
はない。
実施例1 (1)アルミノキサンの調製 アルゴン置換した内容積500mlのガラス製容器に、ト
ルエン200ml,硫酸銅5水塩(CuSO4・5H2O)17.8g(71ミ
リモル)およびトリメチルアルミニウム24ml(250ミリ
モル)を入れ、40℃で8時間反応させた。その後固体成
分を除去して得られた溶液から更にトルエンを減圧留去
して接触生成物(メチルアルミノキサン)6.7gを得た。
このものの凝固点降下法により測定した分子量は610で
あった。また前述の1H−NMR測定による高磁場成分、即
ち室温下トルエン溶液中でそのプロトン核磁気共鳴スペ
クトルを観測すると、Al−CH3結合に基くメチルプロト
ンシグナルはテトラメチルシラン基準において1.0〜−
0.5ppmの範囲に見られる。テトラメチルシランのプロト
ンシグナル(0ppm)がAl−CH3結合に基くメチルプロト
ンに基く観測領域にあるため、このAl−CH3結合に基く
メチルプロトンシグナルをテトラメチルシラン基準にお
けるトルエンのメチルプロトンシグナル2.35ppmを基準
にして測定し、高磁場成分(即ち−0.1〜−0.5ppm)と
他の磁場成分(即ち1.0〜−0.1ppm)とに分けた時に、
該高磁場成分が全体の43%であった。
(2)スチレン−エチレンブロック共重合体の製造アル
ゴン置換した内容積1.0の攪拌機付き反応容器に、ト
ルエン180ml,スチレンモノマー20ml及び上記(1)で得
られたメチルアルミノキサンをアルミニウム原子として
10.0ミリモルを加え60℃に保ち30分間攪拌した。
次いで、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタント
リメトキシドをチタン原子として50μモルを加えた。2
分間攪拌し、スチレン重合体の生成を確認した後に、こ
の反応系にエチレンモノマーを専用ラインより反応容器
内に導入し、充分容器内をエチレンモノマーで置換した
後、反応容器内の圧力を8kg/cm2・Gまで上昇させ、重
合温度60℃で1時間攪拌し、共重合を行った。
共重合終了後、未反応ガスを脱圧し、メタノールと塩
酸の混合液を加えて触媒成分を分解した。ここで得られ
たポリマーの収量は1.9gであった。
得られたポリマーをソックスレー抽出装置を用い、メ
チルエチルケトンを溶媒として、8時間洗浄を行った。
次いでクロロホルムを溶媒として、8時間抽出を行っ
た。抽出留分について溶媒留去,減圧乾燥の操作を行い
ポリマーを得た。収量は0.67gであった。
得られたポリマーのKBr錠剤法による赤外吸収スペク
トルの結果(第1図)より、3000〜3100cm-1付近にフェ
ニル基のC−H伸縮振動ピーク、2000〜1600cm-1付近に
フェニル基のC−H面外変角振動の倍音ピーク、1600cm
-1,1495cm-1付近にフェニル基のC=Cの伸縮振動ピー
ク、720cm-1にCH2の横ゆれ振動ピークがそれぞれ認めら
れた。
400MHz,重クロロホルム溶媒下、50℃でのプロトン核
磁気共鳴(1H−NMR)スペクトルの結果より算出したポ
リマーの組成は、スチレン単位78.7モル%,エチレン単
位21.3モル%であった。
また、100MHz,重クロロホルム溶媒下、50℃での同位
体炭素による核磁気共鳴(13C−NMR)スペクトルの結果
(第2図(高磁場側)及び第3図(低磁場側))より、
下記に示す構造であるピークが認められた。
a:44.1ppm,b:40.8ppm,c:44.8ppm,d:41.0ppm,e:43.6ppm,
f:43.3ppm,g:37.5ppm,h:27.1ppm,i:29.4ppm,k:29.5ppm,
m:145.3ppm(フェニルC1)また、13C−NMRより、シンジ
オタクティシティーはラセミペンタットで80%以上であ
った。
さらに、1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中、135℃で
測定した上記ポリマーの極限粘度は0.18dl/gであった。
さらにセイコー電子(株)製示差走査熱量計(DSC−20
0)を用い、上記ポリマーのサンプル5.7mgを50℃から31
0℃に20℃/分の速度で昇温した後、310℃から30℃に20
℃/分で降温した。このサンプルを再度30℃から315℃
に20℃/分の速度で昇温した際の吸熱パターンを観察し
た。
その結果、このポリマーは104.2℃と247.6℃付近に融
解温度を持っていた。
以上の結果より、得られたポリマーはスチレン連鎖部
が高度のシンジオタクチック構造を有する結晶性スチレ
ン−エチレンブロック共重合体であることがわかった。
実施例2 アルゴン置換した内容積1.0の攪拌機付き反応容器
に、トルエン180ml,パラメチルスチレンモノマー20mlと
上記実施例1(1)で得られたメチルアルミノキサンを
アルミニウム原子として10.0ミリモルを加え、重合温度
60℃で30分間攪拌した。
次いで、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタント
リメトキシドを、チタン原子として50μモルを加えた。
2分間攪拌した後、プロピレンモノマーを専用ラインよ
り反応容器内に導入し、十分容器内をプロピレンモノマ
ーで置換した後、反応容器内の圧力を8.4kg/cm2・Gま
で上昇させた。その後、攪拌下に60℃で1時間共重合を
行った。
他の操作は実施例1と同様にし、パラメチルスチレン
系共重合体を得た。得られたパラメチルスチレン系共重
合体の収量は18.4gであった。このパラメチルスチレン
系共重合体の67MHz,1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベ
ンゼン溶媒中、130℃での13C−NMRの結果(第4図及び
第5図)は、パラメチルスチレン連鎖がシンジオタクチ
ック構造をもつことを示し、かつ、共重合構造の存在を
示した。また、13C−NMRより、シンジオタクティシティ
ーはラセミペンタットで80%以上であった。
さらに、洗浄溶媒としてメチルエチルケトン及びn−
ヘプタンを用い、この順にソックスレー抽出器により各
8時間洗浄した。次にクロロホルムを溶媒として8時間
抽出を行った。得られたクロロホルムに可溶な成分(パ
ラメチルスチレン系共重合体)の収量は0.62gであっ
た。
このクロロホルムに可溶なパラメチルスチレン系共重
合体の1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中135℃で測定し
た極限粘度は1.10dl/gであった。また、1H−NMRスペク
トルから算出した組成は、パラメチルスチレン単位88.3
モル%,プロピレン単位11.7モル%であった。
実施例3 アルゴン置換した内容積1.0の攪拌付き反応容器
に、トルエン180ml,パラメチルスチレンモノマー20ml及
び上記実施例1(1)で得られたメチルアルミノキサン
をアルミニウム原子として10ミリモルを加え、重合温度
60℃で30分間攪拌した。次いで、ペンタメチルシクロペ
ンタジエニルチタントリメトキシドをチタン原子として
50.0μモル添加した。5分間攪拌した後、エチレンモノ
マーを専用ラインより反応容器内に導入し、充分容器内
をエチレンモノマーで置換した後、反応容器内の圧力を
8kg/cm2・Gまで上昇させた。その後、攪拌下に60℃で
1時間共重合を行った。
さらに実施例1(2)と同様の後処理を行い、パラメ
チルスチレン系共重合体を得た。得られたパラメチルス
チレン系共重合体の収量は11.3gであった。以下実施例
1(2)と同様の洗浄,抽出操作を行い3.78gのクロロ
ホルムに可溶なパラメチルスチレン系共重合体を得た。
このクロロホルムに可溶なパラメチルスチレン系共重
合体の1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中135℃で測定し
た極限粘度は、3.83dl/gであった。また、1H−NMRスペ
クトルから算出した組成は、パラメチルスチレン単位8
3.2モル%,エチレン単位16.8モル%であった。さらに1
00MHz,重クロロホルム溶液中、50℃での13C−NMRスペク
トルは、実施例1のブロック構造と同様のピークを有し
ていた。また、13C−NMRより、シンジオタクティシティ
ーはラセミペンタットで75%以上であった。
実施例4 アルゴン置換した内容積1.0の攪拌付き反応容器
に、トルエン180ml,パラメチルスチレンモノマー20mlと
上記実施例1(1)で得られたメチルアルミノキサンを
アルミニウム原子として10.0ミリモルを加え、重合温度
60℃で30分間攪拌した。
次いで、上記反応系に、ペンタメチルシクロペンタジ
エニルチタントリメトキシドをチタン原子として50.0μ
モル添加した。10分間攪拌したのち、プロピレンモノマ
ーを専用ラインより反応容器内に導入し、充分容器内を
プロピレンモノマーで置換した後、反応容器内の圧力を
4.4kg/cm2・Gまで上昇させた。次いで、プロピレンモ
ノマー専用ラインを遮断した後、エチレンモノマーを専
用ラインより反応容器内に導入し、反応容器内の圧力を
9.0kg/cm2・Gまで上昇させた。その後、攪拌下に60℃
で1時間重合を行った。
さらに実施例1(2)と同様の後処理を行い、パラメ
チルスチレン系共重合体を得た。得られたパラメチルス
チレン系共重合体の収量は21.7gであり、これをメチル
エチルケトン及びn−ヘプタンで洗浄し、クロロホルム
で抽出したところ、クロロホルムに可溶な成分(パラメ
チルスチレン系共重合体)の収量は10.73gであった。
このクロロホルムに可溶なパラメチルスチレン系共重
合体の1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中135℃で測定し
た極限粘度は4.01dl/gであった。また、1H−NMRスペク
トルから算出した組成は、パラメチルスチレン単位64.9
モル%,エチレン単位16.2モル%,プロピレン単位18.9
モル%であった。さらに100MHz,重クロロホルム溶液
中、50℃での13C−NMRスペクトルは、実施例1のブロッ
ク構造と同様のピークを有していた。また、13C−NMRよ
り、シンジオタクティシティーはラセミペンタットで85
%以上であった。
実施例5 アルゴン置換した内容積1.0の攪拌付き反応容器
に、トルエン400ml,スチレンモノマー100ml,トリイソブ
チルアルミニウム5.0ミリモル及び上記実施例1(1)
で得られたメチルアルミノキサンをアルミニウム原子と
して5.0ミリモルを加え、重合温度50℃で30分間攪拌し
た。
次いで、上記反応系に、ペンタメチルシクロペンタジ
エニルチタントリメトキシドをチタン原子として50.0μ
モル添加した。3分間攪拌したのち、プロピレンモノマ
ーを専用ラインより反応容器内に導入し、充分容器内を
プロピレンモノマーで置換した後、反応容器内の圧力を
4.5kg/cm2・Gまで上昇させた。次いで、プロピレンモ
ノマー専用ラインを遮断した後、エチレンモノマーを専
用ラインより反応容器内に導入し、反応容器内の圧力を
9.0kg/cm2・Gまで上昇させた。その後、攪拌下に50℃
で4時間重合を行った。
さらに実施例1(2)と同様の後処理を行い、スチレ
ン系共重合体を得た。得られたスチレン系共重合体の収
量は5.63gであり、これをメチルエチルケトン及びn−
ヘプタンで洗浄し、クロロホルムで抽出したところ、ク
ロロホルムに可溶な成分の収量は2.10gであった。
このクロロホルムに可溶なスチレン系共重合体の1,2,
4−トリクロロベンゼン溶液中135℃で測定した極限粘度
は0.53dl/gであった。また、DSCによる測定から融点
は、111.5℃及び268.9℃であり、1H−NMRスペクトルか
ら算出した組成は、スチレン単位55.2モル%,エチレン
単位38.8モル%,プロピレン単位6.0モル%であった。
さらに100MHz,重クロロホルム溶液中、50℃での13C−NM
Rスペクトルは、実施例1のブロック構造と同様のピー
クを有していた。また、13C−NMRより、シンジオタクテ
ィシティーはラセミペンタットで85%以上であった。
参考例(パラメチルスチレン−エチレンランダム共重合
体の製造) アルゴン置換した内容積1.0の攪拌付き反応容器
に、トルエン150ml,パラメチルスチレンモノマー100ml
及び上記実施例1(1)で得られたメチルアルミノキサ
ンをアルミニウム原子として10.0ミリモルを加え、重合
温度60℃で30分間攪拌した。次いで、エチレンモノマー
を専用ラインより反応容器内に導入し、充分容器内をエ
チレンモノマーで置換した後、反応容器内の圧力を8.0k
g/cm2・Gまで上昇させた。その後、攪拌下に、ペンタ
メチルシクロペンタジエニルチタントリメトキシドをチ
タン原子として50.0μモル添加し、重合温度60℃で共重
合を開始した。
1時間後、共重合を停止して、以下実施例1(2)と
同様の後処理を行い、パラメチルスチレン系共重合体を
得た。このパラメチルスチレン系共重合体の収量は31.1
5gであった。
以下、実施例1(2)と同様の洗浄,抽出操作を行
い、クロロホルムに可溶な成分2.8gを得た。このクロロ
ホルムに可溶な成分(パラメチルスチレン系共重合体)
の1,2,4−トリクロロベンゼン溶液中135℃で測定した極
限粘度は1.33dl/gであった。
なお、このパラメチルスチレン系共重合体の薄膜法に
よる赤外吸収スペクトルの結果(第6図)より、3000〜
3100cm-1付近にフェニル基のC−H伸縮振動ピーク、20
00〜1600cm-1付近にフェニル基のC−H面外変角振動の
倍音ピーク、1520cm-1,1495cm-1付近にフェニル基のC
=Cの伸縮振動ピーク、720cm-1にCH2の横ゆれ振動ピー
クがそれぞれ認められた。
更に、270MHz,1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼ
ン溶媒中、130℃での1H−NMRスペクトルの結果より算出
したパラメチルスチレン系共重合体の組成は、パラメチ
ルスチレン単位67.4モル%,エチレン単位32.6モル%で
あった。
また67MHz,1,2,4−トリクロロベンゼン/重ベンゼン
溶媒中、130℃での13C−NMRスペクトルの結果(第7図
及び第8図)より、下記に示す部分構造のピークが認め
られた。
以上の結果から、得られたパラメチルスチレン系共重
合体は、部分的にパラメチルスチレン連鎖部がシンジオ
タクチック構造を有するランダム性の高いパラメチルス
チレン−エチレンランダム共重合体であることがわかっ
た。
〔発明の効果〕
本発明のスチレン−オレフィン系ブロック共重合体
は、従来のアタクチック構造を有するスチレン−オレフ
ィン系ブロック共重合体に比べて、耐熱性が向上してい
るとともに、ポリオレフィンに対する相溶性に優れてい
る。また、このブロック共重合体は、シンジオタクチッ
クポリスチレンに比べてガラス転移温度が低く、低温で
の射出成形が可能であると同時に、耐衝撃性にすぐれた
ものである。
したがって、本発明のスチレン系ブロック共重合体
は、各種の構造資材や、シンジオタクチック構造ポリス
チレンとポリオレフィンに対する相溶化剤として有用で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で得られたスチレン系ブロック共重合
体の赤外吸収スペクトルであり、第2図はこのスチレン
系ブロック共重合体の13C−NMRスペクトル(高磁場側)
であり、第3図はこのスチレン系ブロック共重合体の13
C−NMRスペクトル(低磁場側)である。 第4図及び第5図は実施例2で得られたパラメチルスチ
レン系ブロック共重合体の13C−NMRスペクトルである。 第6図は参考例で得られたパラメチルスチレン系共重合
体の赤外吸収スペクトルであり、第7図及び第8図はこ
のパラメチルスチレン系共重合体の13C−NMRスペクトル
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 297/06 C08F 4/642

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 〔式中、R1は水素原子,ハロゲン原子,ヘテロ原子を有
    する炭素数20個以下の官能基あるいは炭素数20個以下の
    炭化水素基を示し、nは1〜5の整数を示す。なお、n
    が複数のときは、各R1は同じでも異なってもよい。〕 で表わされるスチレン系繰返し単位及び 一般式 〔式中、R2は水素原子あるいは炭素数20個以下の飽和炭
    化水素基を示す。〕 で表わされるオレフィン系繰返し単位からなり、オレフ
    ィン系繰返し単位を0.1〜99.9重量%含有するととも
    に、135℃の1,2,4−トリクロロベンゼン中で測定した極
    限粘度が0.01〜20dl/gであり、かつスチレン系繰返し単
    位連鎖の立体規則性が高度なシンジオタクチック構造で
    あることを特徴とするスチレン系ブロック共重合体。
  2. 【請求項2】一般式 〔式中、R1,nは前記と同じである。〕 で表わされるスチレン系モノマーを、遷移金属化合物と
    アルキルアルミノキサンからなる触媒の存在下で予備重
    合し、次いで得られた予備重合体と一般式 〔式中、R2は前記と同じである。〕 で表わされるオレフィン系モノマーを共重合することを
    特徴とする請求項1記載のスチレン系共重合体の製造方
    法。
  3. 【請求項3】遷移金属化合物が、チタン化合物,ジルコ
    ニウム化合物,ハフニウム化合物およびバナジウム化合
    物からなる群から選ばれた少なくとも一種の遷移金属化
    合物である請求項2記載のスチレン系共重合体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】アルキルアルミノキサンが、プロトン核磁
    気共鳴吸収法で観測されるアルミニウム−メチル基(Al
    −CH3)結合に基くメチルプロトンシグナル領域におけ
    る高磁場成分(トルエン溶媒測定条件でトルエンのメチ
    ルプロトン2.35ppmを基準として−0.1〜−0.5ppm)が50
    %以下のメチルアルミノキサンである請求項2記載のス
    チレン系共重合体の製造方法。
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