JP5180868B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳片を製造するために使用する連続鋳造用鋳型に関する。
従来、図4に示す連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)80に溶鋼を供給して鋳片を製造している。この鋳型80は、間隔を有して対向配置された銅板(又は銅合金板、以下同様)で構成される一対の短辺81、82と、この短辺81、82を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された銅板で構成される一対の長辺83、84とを備えている。
この短辺81、82は、鏡面対称で同じ構成となっており、裏面側の上下方向に多数の導水溝が設けられ、この短辺81、82の裏面側に、ボルト(図示しない)によってバックプレート(支持部材、冷却箱、又は水箱ともいう)85、86が固定されている。また、長辺83、84も、裏面側の上下方向に多数の導水溝が設けられ、この長辺83、84の裏面側に、ボルト(図示しない)によってバックプレート87、88が固定されている(例えば、特許文献1参照)。
鋳型80は、短辺81、82、長辺83、84、及びそれぞれのバックプレート85〜88で構成され、例えば、対向配置される長辺83、84に固定されたバックプレート87、88の両端部には、それぞれボルト89が取付けられ、ばね(図示しない)を介してナット90で固定されている。
この鋳型80を使用して、鋳片を製造するに際しては、溶鋼の凝固過程において、凝固収縮が発生するため、鋳片の引き抜き方向へ向けて、鋳型80内面と溶鋼の鋳型接触面側に形成される凝固シェルとの間に隙間が生じ、鋳片のコーナー部の冷却効率が他の部分よりも低下して、凝固遅れが発生していた。
そこで、鋳型の溶鋼接触面側の形状を、鋳片の凝固プロフィールに対応させた形状とした鋳型が提案されていた(例えば、特許文献2参照)。
特開2003−136204号公報 特開2008−49385号公報
しかしながら、前記従来の鋳型には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
短辺81、82をバックプレート85、86に取付けるためのボルトは、通常、短辺81、82の幅方向に、短辺81、82の幅方向の寸法の60〜80%程度のピッチで取付けられている。また、長辺83、84をバックプレート87、88に取付けるためのボルトは、通常、長辺83、84の幅方向に、短辺81、82の幅方向の寸法の60〜80%程度で、しかも略同一ピッチで取付けられている。このように、ボルトは、溶鋼からの熱影響を受け易いか否かに関係なく、短辺81、82及び長辺83、84に取付けられている。このため、溶鋼からの熱影響を受け易い部分は、他の部分に比べバックプレート85〜88による拘束力が弱くなり、その結果、大きく熱変形していた。
また、短辺81、82及び長辺83、84の鋳造方向も、溶鋼からの熱影響を受け易いか否かに関係なく、ボルトが短辺81、82の幅方向の寸法の50%超程度で、しかも略同一ピッチで取付けられているため、前記した場合と同様、熱変形していた。
ここで、短辺の熱変形のFEM解析(有限要素法を用いた解析)結果を、図5〜図7を参照しながら説明する。なお、図5は、幅方向に2分割した短辺及びバックプレートの熱変形の分布を示す説明図である。ここで、短辺の幅方向のボルトの締結ピッチは、短辺の幅方向の寸法の70%とし、短辺の鋳造方向のボルトの締結ピッチは、短辺の幅方向の寸法の50%としている。また、図6は、短辺の幅方向中央部と端部の短辺上端位置(0mm)から下端位置(上端位置から下方900mmの位置)までの熱変形量を示す説明図である。そして、図7(A)、(B)は、それぞれ溶鋼の湯面(メニスカス)位置と湯面位置より下位置における短辺の熱変形状態及び形成される凝固シェルの断面形状を示す説明図である。この図7(A)、(B)においては、説明の便宜上、短辺の熱変形の状態を誇張して示している。
図5、図6に示すように、ボルトが取付けられていない短辺の幅方向中央部と、鋳造方向の上部及び下部を除く部分が、溶鋼の熱影響を受けにくい他の部分と比較して、大きく熱変形していることが分かった。なお、図6においては、短辺上端からの距離が100mmの位置が、溶鋼の湯面位置である。
このときの短辺の熱変形状態をみると、図7(A)に示す溶鋼の湯面位置では、短辺の幅方向中央部が、幅方向両端部に比べ凝固シェル側へ僅かに突出しているが、図7(B)に示す湯面位置より下方では、短辺の幅方向中央部が大きく突出していることが分かった。このため、凝固シェル表面と鋳型コーナー部内面との間に隙間が発生し、鋳片のコーナー部の冷却効率が他の部分よりも低下して、凝固遅れが発生していた。
従って、鋳型の溶鋼接触面側の形状を、鋳片の凝固プロフィールに対応させた形状としても、その効果を十分に得ることができなかった。なお、鋳型の溶鋼接触面側の形状決定に際し、熱変形量を考慮することも考えられるが、この場合、考慮しなければならない影響因子が増え、形状決定が複雑になるという問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、溶鋼の熱影響による熱変形を抑制し、これにより鋳型コーナー部での鋳片の凝固遅れを抑制して、良好な品質の鋳片を製造可能な連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る連続鋳造用鋳型は、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺と、前記短辺及び前記長辺の裏面側に複数の締結手段によってそれぞれ固定された支持部材とを有し、前記短辺及び前記長辺で囲まれ上下方向に貫通した空間部に溶鋼を供給して冷却しながら鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、
前記一対の短辺及び前記一対の長辺のいずれか一方又は双方に、前記空間部へ供給した溶鋼の湯面位置の上方へ50mm以上を上位置とし、該湯面位置の下方へ100mm以上を下位置とする規定領域内に設けられる前記締結手段の幅方向の締結ピッチを、前記規定領域外に設けられる前記締結手段の幅方向の締結ピッチよりも狭くし、かつ、前記短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下の範囲内とし、更に、前記規定領域内に設けられる前記締結手段の鋳造方向の締結ピッチを、前記規定領域外に設けられる前記締結手段の鋳造方向の締結ピッチよりも狭くし、かつ、前記短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下の範囲内とした冷却板を使用し
しかも、前記冷却板を用いた前記一対の短辺又は前記一対の長辺の溶鋼接触面側に、前記溶鋼の湯面位置を基点位置とし、該基点位置から下方へ300mm以上を終点位置として前記空間部側へ張り出す膨出部を設け、該膨出部の縦断面を、前記基点位置から前記終点位置まで3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成し、しかも前記隣り合う直線部のなす角θを、174度以上179.97度以下の範囲内とし、前記基点位置と前記終点位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhを0.2mm以上5mm以下の範囲内とした
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記隣り合う直線部の連接箇所は、前記冷却板の上下方向に均等な間隔で設けられ、前記隣り合う直線部のなす角θは、同一角度であることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型は、一対の短辺及び一対の長辺のいずれか一方又は双方に、湯面位置の上方へ50mm以上の上位置から湯面位置の下方へ100mm以上の下位置までの規定領域内に設けられる締結手段の幅方向の締結ピッチを、短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下の範囲内とした冷却板を使用したので、溶鋼の熱影響を受け易い部分の支持部材による拘束力を、他の部分と比較して高めることができる。これにより、冷却板の熱変形を抑制できるため、凝固シェル表面と鋳型コーナー部内面との間の隙間の発生を抑制できる。従って、鋳型コーナー部での鋳片の凝固遅れを抑制して、良好な品質の鋳片を製造できる。
また、規定領域内に設けられる締結手段の鋳造方向の締結ピッチを、短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下とするので、溶鋼の熱影響を受け易い部分の支持部材による拘束力を更に高めることができ、冷却板の熱変形を更に抑制できる。
そして、冷却板を用いた一対の短辺又は一対の長辺の溶鋼接触面側に、溶鋼の湯面位置を基点位置とし、湯面位置から下方へ300mm以上を終点位置として空間部側へ張り出す膨出部を設け、この膨出部の縦断面を、基点位置から終点位置まで3つ以上8つ以下の直線部で構成し、しかも隣り合う直線部のなす角θを、174度以上179.97度以下の範囲内とし、基点位置と終点位置を結ぶ直線を底辺とする膨出部の最大高さhを0.2mm以上5mm以下の範囲内とするので、冷却板の溶鋼接触面側の形状を、容易に鋳片の凝固プロフィールに対応させることができる。従って、溶鋼の熱影響を受け易い部分の支持部材による拘束力を、他の部分と比較して高めることで、凝固シェル表面と鋳型コーナー部内面との間での隙間の発生を抑制でき、鋳型コーナー部での鋳片の凝固遅れを抑制して、良好な品質の鋳片を製造できる。
(A)、(B)はそれぞれ本発明の第1、第2の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の短辺の説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の長辺の説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の短辺の部分縦断面図である。 従来例に係る連続鋳造用鋳型の平面図である。 同連続鋳造用鋳型の短辺及びバックプレートを幅方向に2分割した際の短辺の熱変形の分布を示す説明図である。 同連続鋳造用鋳型の短辺の幅方向中央部と端部の短辺上端位置から下端位置までの熱変形量を示す説明図である。 (A)、(B)はそれぞれ溶鋼の湯面位置と湯面位置より下位置における短辺の熱変形状態及び形成される凝固シェルの断面形状を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)は、間隔を有して対向配置された一対の短辺10と、短辺10を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺と、各短辺10及び各長辺の裏面側に複数のボルト(締結手段の一例)11によってそれぞれ固定された図示しないバックプレート(支持部材の一例)とを有している。そして、各短辺10及び各長辺の裏面側の上下方向(鋳造方向)に設けられた多数の導水溝に冷却水を流すことで、一対の短辺10及び一対の長辺で囲まれ上下方向に貫通した空間部に溶鋼を供給して冷却しながらスラブ(鋳片の一例)を製造する。特に、各短辺10には、ボルト11の取付け位置を調整して、短辺10の熱変形を抑制する冷却板を使用している。以下、詳しく説明する。
短辺10は、例えば、幅が50mm以上300mm以下程度(一対の長辺の間隔と等しい)、上下方向の長さが600mm以上1200mm以下程度である。また、長辺は、対向配置される一対の短辺の間隔を600mm以上3000mm以下の範囲で変更することのできる幅を有し、上下方向の長さは短辺と同程度である。なお、短辺10と長辺は、銅又は銅合金で構成されている。
これにより、例えば、幅が600mm以上3000mm以下程度、厚みが50mm以上300mm以下程度のスラブを製造できる。
一方の短辺10に用いられる冷却板はそれぞれ、空間部へ供給した溶鋼の湯面位置の上方へ50mm以上を上位置とし、この湯面位置の下方へ100mm以上を下位置とする規定領域R内に設けられるボルト11の幅方向の締結ピッチR1が調整されている。湯面位置は、短辺10(長辺も同様)の上端位置から下方へ50mm以上150mm以下の範囲内(ここでは、100mm程度)にある。なお、この実施の形態では、規定領域Rを最小領域である湯面位置の上方50mm位置から湯面位置の下方100mm位置までとしている(以下の実施の形態でも同じ)。
ここで、上記した規定領域Rを、湯面位置の上方へ50mm以上の上位置から、湯面位置の下方へ100mm以上の下位置までとしたのは、この領域に溶鋼の湯面位置があり、最も熱影響を受け易く、短辺が変形し易いためである(図5、図6参照)。従って、規定領域Rの上位置を、短辺の上端位置を超えない範囲で、湯面位置の上方へ70mm以上(上限は、短辺の上端)の位置とするのが好ましく、一方、下位置を、湯面位置の下方へ200mm以上の位置、更には500mm以上(上限は、短辺の下端)の位置とするのが好ましい。なお、規定領域Rの上位置及び下位置を、それぞれ短辺の上端位置及び下端位置までとしなくても、以下のように、締結ピッチが調整されたボルト11の締結力により、短辺の熱変形を抑制できる。
上記した規定領域R内に設けられるボルト11の幅方向の締結ピッチR1は、短辺10の幅方向の寸法Wの15%以上50%以下(0.15×W≦R1≦0.50×W)の範囲内とする。なお、規定領域R以外の領域にあるボルトの幅方向の締結ピッチは、従来のピッチ(例えば、短辺10の幅方向の寸法Wの60〜80%程度)である。
ここで、短辺の幅方向の締結ピッチR1が、短辺の幅方向の寸法Wの15%未満の場合、締結力の上昇に伴い、使用中の短辺の応力状態が悪化し、短辺に割れが発生する恐れがある。一方、上限を50%としたのは、従来のボルトの短辺の幅方向の締結ピッチが、短辺の幅方向の寸法Wの60〜80%程度であること、また前記した図5、図6の解析結果に基づく。
以上のことから、ボルト11の幅方向の締結ピッチR1を、短辺10の幅方向の寸法Wの15%以上50%以下としたが、下限を25%、更には30%、上限を45%、更には40%とすることが好ましい。
更に、規定領域R内に設けられるボルト11の鋳造方向の締結ピッチR2を、短辺10の幅方向の寸法Wの15%以上50%以下(0.15×W≦R2≦0.50×W)の範囲内とすることが好ましい。なお、規定領域R以外の領域にあるボルトの鋳造方向の締結ピッチは、従来のピッチ(例えば、短辺10の幅方向の寸法Wの50%超程度)である。
ここで、短辺の鋳造方向の締結ピッチR2が、短辺の幅方向の寸法Wの15%未満の場合、締結力の上昇に伴い、使用中の短辺の応力状態が悪化し、短辺に割れが発生する恐れがある。一方、上限を50%としたのは、従来のボルトの短辺の鋳造方向の締結ピッチが、短辺の幅方向の寸法Wの50%超であること、また前記した図5、図6の解析結果に基づく。
以上のことから、ボルト11の鋳造方向の締結ピッチR2を、短辺10の幅方向の寸法Wの15%以上50%以下としたが、下限を25%、更には30%、上限を40%、更には35%とすることが好ましい。
以上に示した規定領域R内のボルト11の締結ピッチR1、R2を満足するには、図1(A)に示すように、従来から取付けられている隣り合うボルト11の間(ここでは、中間位置)に、更に新たなボルト11を取付けるのがよい。
また、図1(B)に示す本発明の第2の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の短辺12のように、短辺12の幅方向に、新たなボルト11を取付けることなく、短辺10の幅方向両側に位置するボルト11を幅方向中央部に寄せる。なお、短辺12の鋳造方向には、新たなボルト11を取付ける。
図2に示す本発明の第3の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型は、ボルト11の取付け位置を調整して、熱変形を抑制する冷却板を、一対の長辺13に使用したものである。この長辺13についても、上記した短辺10と同様、従来から取付けられている隣り合うボルト11の間(ここでは、中間位置)に、更に新たなボルト11を取付けることで、規定領域R内のボルト11の締結ピッチR1、R2を満足できる。また、上記した短辺12のように、隣り合うボルト11の幅方向の間隔と、鋳造方向の間隔を、それぞれ狭くしてもよい。
なお、以上に示した規定領域R内のボルト11の締結ピッチR1、R2を規定した短辺10の縦断面の溶鋼接触面側は、短辺10の裏面側と平行となっているが、以下に示す形状とすることで、ボルト11の締結ピッチR1、R2を規定した効果が、更に高められる。
図3に示すように、本発明の第の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型は、前記した規定領域R内のボルト11の締結ピッチR1、R2を満足する冷却板を使用した一対の短辺14を有し、その溶鋼接触面15側に、溶鋼16を供給する空間部17側へ張り出す膨出部18が設けられている。なお、膨出部18の空間部17側への張り出し量は僅かであるが、説明の便宜上、図3においては、誇張して示している。
膨出部18は、一対の短辺14の溶鋼接触面15側に、短辺14の幅方向に渡って設けられ、しかも溶鋼16の湯面位置(メニスカス位置)を基点位置P1とし、基点位置P1から下方へ300mm以上の位置を終点位置P2としている。なお、膨出部15は、前記した規定領域R内のボルト11の締結ピッチR1、R2を満足する一対の短辺及び一対の長辺の双方に設けてもよく、また一対の長辺のみに設けてもよい。
ここで、膨出部18の基点位置P1を、湯面位置としたのは、溶鋼の冷却開始位置だからである。また、膨出部18の終点位置P2を、基点位置P1から下方へ300mm以上の位置としたのは、溶鋼の鋳型接触面側に形成される凝固シェルと鋳型内面との間に隙間が生じる範囲が、この範囲内であることによる。
以上のことから、膨出部18の形成位置を、溶鋼の湯面位置を基点位置P1とし、基点位置P1から下方へ300mm以上を終点位置P2としたが、終点位置P2を、基点位置P1から下方へ500mm以上の位置、更には短辺14の下端位置とすることが好ましい。
膨出部18の縦断面の溶鋼接触面15側の輪郭線は、基点位置P1から終点位置P2まで3つ以上8つ以下(本実施の形態では、3つ)の連続する直線部L1〜L3で構成されており、短辺14の溶鋼接触面15が、傾斜角度の異なる3段以上8段以下の傾斜面で構成されている。
ここで、膨出部を構成する直線部が3つ未満(2つ以下)の場合、直線部の数が少な過ぎて、膨出部の縦断面形状が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。一方、直線部の数が8つを超える(9つ以上)場合、直線部の数が多過ぎて、膨出部の加工が複雑となり、製造コストの増大を招く。
以上のことから、膨出部18を、3つ以上8つ以下の直線部L1〜L3で構成したが、下限を4つとすることが好ましく、また上限を6つとすることが好ましい。
なお、短辺14の溶鋼接触面15側であって、短辺14の基点位置P1より上側の縦断面は、膨出部18を構成する最上の直線部L1を延長して形成されている。
この基点位置P1より上側の溶鋼接触面側の縦断面を、膨出部を構成する最上の直線部L1を延長して形成することなく、短辺の裏面側と平行な垂直状態(傾斜角度0度)にしてもよい。
直線部L1〜L3については、最上の直線部L1と、この直線部L1に隣接する上から2番目の直線部L2のなす角θ1、この直線部L2と上から3番目の直線部L3のなす角θ2を、それぞれ174度以上179.97度以下の範囲内としている。なお、各角θ1、θ2は、同一角度であるが、異なる角度にしてもよい。
ここで、隣り合う直線部のなす角θが174度未満の場合、膨出部の縦断面が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。一方、隣り合う直線部のなす角θが179.97度を超える場合、直線部の数が多くなって膨出部の加工が複雑となり、製造コストの増大を招く。
以上のことから、隣り合う直線部L1〜L3のなす角θ1、θ2を、それぞれ174度以上179.97度以下の範囲内としたが、下限を178.0度、更には179.0度とすることが好ましく、上限を179.90度とすることが好ましい。
上記した最上の直線部L1と次の直線部L2の連接箇所X1と、直線部L2と次の直線部L3の連接箇所X2と、終点位置P2は、短辺14の上端位置から、短辺14の上下方向に異なる間隔S1〜S3で設けられている。なお、各連接箇所X1、X2、終点位置P2は、短辺の上下方向の一部又は全部について、均等な間隔で設けてもよい。ここで、均等な間隔とは、各間隔の平均値に対して、±20%(好ましくは±5%)の範囲内で、各間隔が異なる場合も含む。
基点位置P1と終点位置P2を結ぶ直線L4を底辺とする膨出部18の最大高さh(ここでは、上から1番目の直線部L1と2番目の直線部L2との連接箇所X1の高さ)を、0.2mm以上5mm以下の範囲内としている。
ここで、最大高さhが0.2mm未満の場合、膨出部の空間部側への張り出し量が小さ過ぎて、膨出部の表面形状がスラブの凝固収縮に追従できず、膨出部の表面と溶鋼の鋳型接触面側に形成される凝固シェルとの間に隙間が生じる。一方、最大高さhが5mmを超える場合、膨出部の縦断面が、部分的に突出する極端な形状となり、鋳片との接触抵抗が大きくなって、膨出部に摩耗損傷が発生し易くなる。
以上のことから、膨出部18の最大高さhを0.2mm以上5mm以下の範囲内としたが、下限を0.5mm、更には0.55mmとすることが好ましく、上限を2.5mm、更には2.2mmとすることが好ましい。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造用鋳型を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、一対の短辺又は一対の長辺に、ボルトの取付け位置を調整した冷却板を使用した場合について説明したが、一対の短辺及び一対の長辺の双方に、ボルトの取付け位置を調整した冷却板を使用してもよい。
10:短辺、11:ボルト(締結手段)、12:短辺、13:長辺、14:短辺、15:溶鋼接触面、16:溶鋼、17:空間部、18:膨出部

Claims (4)

  1. 間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺を幅方向両側から挟み込んだ状態で対向配置された一対の長辺と、前記短辺及び前記長辺の裏面側に複数の締結手段によってそれぞれ固定された支持部材とを有し、前記短辺及び前記長辺で囲まれ上下方向に貫通した空間部に溶鋼を供給して冷却しながら鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、
    前記一対の短辺及び前記一対の長辺のいずれか一方又は双方に、前記空間部へ供給した溶鋼の湯面位置の上方へ50mm以上を上位置とし、該湯面位置の下方へ100mm以上を下位置とする規定領域内に設けられる前記締結手段の幅方向の締結ピッチを、前記規定領域外に設けられる前記締結手段の幅方向の締結ピッチよりも狭くし、かつ、前記短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下の範囲内とし、更に、前記規定領域内に設けられる前記締結手段の鋳造方向の締結ピッチを、前記規定領域外に設けられる前記締結手段の鋳造方向の締結ピッチよりも狭くし、かつ、前記短辺の幅方向の寸法の15%以上50%以下の範囲内とした冷却板を使用し
    しかも、前記冷却板を用いた前記一対の短辺又は前記一対の長辺の溶鋼接触面側に、前記溶鋼の湯面位置を基点位置とし、該基点位置から下方へ300mm以上を終点位置として前記空間部側へ張り出す膨出部を設け、該膨出部の縦断面を、前記基点位置から前記終点位置まで3つ以上8つ以下の連続する直線部で構成し、しかも前記隣り合う直線部のなす角θを、174度以上179.97度以下の範囲内とし、前記基点位置と前記終点位置を結ぶ直線を底辺とする前記膨出部の最大高さhを0.2mm以上5mm以下の範囲内としたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 請求項1記載の連続鋳造用鋳型において、前記鋳片は、幅が600mm以上3000mm以下、厚みが50mm以上300mm以下のスラブであることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  3. 請求項1又は2記載の連続鋳造用鋳型において、前記一対の短辺及び前記一対の長辺は銅又は銅合金で構成されていることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の連続鋳造用鋳型において、前記隣り合う直線部の連接箇所は、前記冷却板の上下方向に均等な間隔で設けられ、前記隣り合う直線部のなす角θは、同一角度であることを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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