JP5689434B2 - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

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本発明は、鋳片を製造するために使用する連続鋳造用鋳型に関する。
従来、連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)に溶鋼を供給して鋳片を製造している。この鋳型は、上下方向に貫通した空間部を内側に形成し、外面側(裏面側)が冷却水により冷却される冷却部材(例えば、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、この短辺の幅方向両側で対向配置された一対の長辺)と、この冷却部材の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数の締結手段からなる締結手段群によって、冷却部材を取付けるバックプレート(支持部材)とを有している(例えば、特許文献1参照)。
このような鋳型を使用して、鋳片を製造するに際しては、例えば、鋳片を均一に冷却するため、また冷却効率を向上させるために、鋳型の構成を、図7(A)〜(F)、図8(A)〜(D)に示す構成にしていた。この図7(A)と図7(B)、図7(C)と図7(D)、図7(E)と図7(F)、図8(A)と図8(B)、及び図8(C)と図8(D)の各組は、それぞれ第1〜第5の従来例に係る鋳型51〜55を示しており、図7(A)、(C)、(E)、図8(A)、(C)は、鋳型51〜55の各側断面図(長辺側の断面図)を、図7(B)、(D)、(F)、図8(B)、(D)は、鋳型51〜55の正断面図(短辺側の断面図)を、それぞれ示している。
ここで、図7(A)〜(F)に示す鋳型51〜53は、湾曲型の連続鋳造機に使用する鋳型である。
具体的には、各鋳型51〜53は、一方側の長辺56〜58(固定側長辺ともいう)の内側表面(溶鋼冷却面)が凹状に湾曲し、他方側の長辺59〜61(自由側長辺ともいう)の内側表面(溶鋼冷却面)が凸状に湾曲している。この図7(A)の長辺56、59にはストレートの導水溝62、63が、図7(C)の長辺57、60には内面側が湾曲した導水溝64、65が、図7(E)のバックプレート66、67には導水溝68、69が、それぞれ形成されている。なお、長辺56と長辺57は、同一構成のバックプレート70に取付けられ、長辺59と長辺60は、同一構成のバックプレート71に取付けられている。
また、図8(A)〜(D)に示す鋳型54、55は、垂直曲げ型の連続鋳造機に使用する鋳型である。
具体的には、鋳型54の対となる長辺72、73、及び鋳型55の対となる長辺74、75の各内側表面が真っ直ぐであり(湾曲してない)、長辺72〜75の各厚みを鋳造方向に厚くしている。この図8(A)の長辺72、73にはストレートの導水溝76、77が、図8(C)のバックプレート78、79には導水溝80、81が、それぞれ形成されている。なお、長辺72のバックプレート70は、前記した長辺56、57のバックプレート70と同一構成であり、長辺73のバックプレート71は、前記した長辺59、60のバックプレート71と同一構成である。
そして、上記した各鋳型51〜55について、図7(B)、(D)、図8(B)の対となる短辺82、83は同一構成であり、図7(F)、図8(D)の対となる短辺84、85は同一構成である。なお、短辺82と短辺83は、また短辺84と短辺85は、それぞれ鏡面対称で同じ構成となっている。
具体的には、各短辺82〜85の内側表面が真っ直ぐであり(湾曲してない)、鋳造方向に厚みを厚くしており、図7(B)、(D)、図8(B)の短辺82、83にはストレートの導水溝86、87が、図7(F)、図8(D)のバックプレート88、89には導水溝90、91が、それぞれ形成されている。なお、各鋳型51、52、54の短辺82は、同一構成のバックプレート92に取付けられ、各鋳型51、52、54の短辺83は、同一構成のバックプレート93に取付けられている。
特開2003−136204号公報
しかしながら、前記従来の鋳型には、未だ解決すべき以下のような問題があった。
図7(A)に示すように、内側表面が湾曲した長辺56、59の外面側にストレートの導水溝62、63を形成した場合、長辺56、59の内側表面から導水溝62、63までの距離a1、a2が、鋳造方向に渡って変動する。このため、各導水溝62、63を流れる冷却水により、長辺56、59を鋳造方向に渡って均一に冷却できない。更には、長辺56、59のみならず、例えば、長辺56、59及び短辺82、83の全てを鋳造方向に渡って均一に冷却できない。なお、短辺の距離は「a3」で図示している。
この現象は、図7(E)、(F)に示す鋳型53、図8(A)、(B)に示す鋳型54、図8(C)、(D)に示す鋳型55でも同様である。
また、図7(C)に示すように、内側表面が湾曲状態の長辺57、60の外面側に、湾曲した導水溝64、65を形成した場合、導水溝64、65の深さ方向の内幅(深さ)b1、b2が、鋳造方向に渡って変動する(従って、導水溝64、65の断面積も変動する)。
このため、冷却水の流速が鋳造方向で異なり(冷却水が均一に流れなくなり)、長辺57、60を鋳造方向に渡って均一に冷却できない。更には、長辺57、60のみならず、例えば、長辺57、60及び短辺82、83の全てを鋳造方向に渡って均一に冷却できない。なお、短辺の導水溝の内幅は「b3」で図示している。
従って、従来の鋳型では、鋳型の冷却が鋳造方向で不均一になり、例えば、長辺及び短辺の各面での鋳片の冷却が不均一(形成される凝固シェルの厚みが不均一)となり、鋳片の品質(例えば、鋳片の割れ発生の有無や欠陥の有無等)が損なわれる恐れがあった。
また、その結果、鋳片の製造時には、鋳型の変形量も不均一になる(部分的に極端な変形が発生する)ため、たとえ短辺及び長辺の形状を、鋳片の凝固プロフィールに合わせた形状にしても、その形状が崩れ、鋳片の品質が損なわれる恐れがあった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、鋳型の冷却を鋳造方向に渡って均一にすることで、鋳片の冷却を均一にし、また不均一な鋳型の変形を抑制して、鋳片の品質を向上可能にする連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る連続鋳造用鋳型は、上下方向に貫通した空間部を内側に形成し、外面側が冷却水により冷却され、鋳造方向に厚みが異なる冷却部材と、該冷却部材の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数の締結手段からなる締結手段群によって、該冷却部材を取付ける支持部材とを有し、前記冷却部材の外面側で鋳造方向に設けられた多数の導水溝に冷却水を流すことで、前記冷却部材の冷却を行うと共に、前記空間部に供給された溶鋼の冷却を行って鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、
前記各導水溝を、前記冷却部材の外面側から、該冷却部材の外面に当接する前記支持部材の内面側にかけて形成し、前記各導水溝を流れる冷却水により、前記冷却部材を鋳造方向に渡って均一に冷却する。
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記導水溝の深さ方向の内幅を、鋳造方向に渡って同一にし、前記冷却部材の内側表面から前記導水溝までの距離を、鋳造方向に渡って同一にすることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記冷却部材は、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺の幅方向両側で対向配置された一対の長辺とで構成され、一方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅とを同一にし、かつ、一方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離とを同一にすることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型において、前記冷却部材は、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺の幅方向両側で対向配置された一対の長辺とで構成され、一方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、一方側の前記短辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記短辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅とを同一にし、かつ、一方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、一方側の前記短辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記短辺の内側表面から前記導水溝までの距離とを同一にすることが好ましい。
本発明に係る連続鋳造用鋳型は、各導水溝を、冷却部材の外面側から支持部材の内面側にかけて形成するので、従来のように、冷却部材のみに、又は支持部材のみに、導水溝を形成する場合と比較して、形成する導水溝の形状の自由度を大きくできる。
従って、各導水溝を流れる冷却水により、冷却部材を鋳造方向に渡って均一に冷却するように、各導水溝を形成できるため、不均一な鋳片冷却及び不均一な鋳型の変形を抑制して、鋳片の品質を向上できる。
ここで、導水溝の深さ方向の内幅と、冷却部材の内側表面から導水溝までの距離を、それぞれ鋳造方向に渡って同一にする場合、簡単な構成で、冷却部材を鋳造方向に渡って均一に冷却できる。
そして、冷却部材は長辺であり、一方側の長辺の各導水溝の内幅(深さ)と、他方側の長辺の各導水溝の内幅(深さ)とを同一にし、かつ、一方側の長辺の内側表面から導水溝までの距離と、他方側の長辺の内側表面から導水溝までの距離とを同一にする場合、鋳型を構成する各長辺及び支持部材について、導水溝の内幅(深さ)と長辺の内側表面から導水溝までの距離を、鋳造方向に渡って同一にできる。これにより、各長辺を鋳造方向に渡って均一に冷却できるため、例えば、従来、鋳造方向における2つの長辺の厚みの差に起因して発生していた各長辺の内側表面の温度のバラツキを抑制、更には防止できる。
更に、冷却部材が短辺及び長辺であり、一方側の長辺の各導水溝の内幅(深さ)と、他方側の長辺の各導水溝の内幅(深さ)と、一方側の短辺の各導水溝の内幅(深さ)と、他方側の短辺の各導水溝の内幅(深さ)とを同一にし、かつ、一方側の長辺の内側表面から導水溝までの距離と、他方側の長辺の内側表面から導水溝までの距離と、一方側の短辺の内側表面から導水溝までの距離と、他方側の短辺の内側表面から導水溝までの距離とを同一にする場合、鋳型を構成する全ての短辺及び支持部材と長辺及び支持部材について、導水溝の内幅(深さ)と鋳型の内側表面から導水溝までの距離を、鋳造方向に渡って同一にできる。これにより、各短辺及び各長辺を鋳造方向に渡って均一に冷却できるため、例えば、従来、鋳造方向における2つの長辺の厚みの差と、各短辺の均一厚みとに起因して発生していた各短辺と各長辺の内側表面の温度のバラツキを抑制、更には防止できる。従って、鋳片の冷却を均一にし、また不均一な鋳型の変形を更に抑制して、鋳片の品質を更に向上できる。
(A)は本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の側断面図、(B)は(A)のa−a矢視断面図である。 (A)は同連続鋳造用鋳型の正断面図、(B)は(A)のb−b矢視断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る連続鋳造用鋳型の側断面図である。 鋳造時における冷却部材の内側表面の温度を示すグラフである。 (A)、(B)はそれぞれ鋳造時における一方側の長辺の変形量を示すグラフ、(C)、(D)はそれぞれ鋳造時における他方側の長辺の変形量を示すグラフである。 (A)は鋳造時における湯面直下での長辺の変形量を示すグラフ、(B)は鋳造時における鋳造方向中央部での長辺の変形量を示すグラフである。 (A)、(C)、(E)はそれぞれ第1〜第3の従来例に係る連続鋳造用鋳型の側断面図、(B)、(D)、(F)はそれぞれ同連続鋳造用鋳型の正断面図である。 (A)、(C)はそれぞれ第4、第5の従来例に係る連続鋳造用鋳型の側断面図、(B)、(D)はそれぞれ同連続鋳造用鋳型の正断面図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1(A)、(B)、図2(A)、(B)に示すように、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用鋳型(以下、単に鋳型ともいう)10は、上下方向に貫通した空間部10aを内側に形成し、外面側が冷却水により冷却される一対の短辺(冷却部材の一例)11、12及び一対の長辺(冷却部材の一例)13、14と、この短辺11、12及び長辺13、14の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数のボルト(締結手段の一例)からなる締結手段群(図示しない)によって、短辺11、12及び長辺13、14を取付けるバックプレート(支持部材の一例)15〜18とを有する。なお、鋳型10は、スラブ(鋳片の一例)を製造するものであり、一対の短辺11、12が間隔を有して対向配置され、一対の長辺13、14が短辺11、12の幅方向両側で対向配置されたものである。以下、詳しく説明する。
短辺11、12はそれぞれ、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、幅が50mm以上500mm以下程度、鋳造方向の長さが600mm以上1200mm以下程度である。この短辺11、12は、鏡面対称で同じ構成となっている。
また、長辺13、14はそれぞれ、例えば、厚みが5mm以上100mm以下程度、対向配置される一対の短辺11、12の間隔(鋳片と接触する幅)を600mm以上3500mm以下の範囲で変更可能とすることのできる幅を有し、鋳造方向の長さは短辺11、12と同程度である。この一方側の長辺13(固定側長辺ともいう)は、内側表面(溶鋼冷却面)が凹状に湾曲し、他方側の長辺14(自由側長辺ともいう)は、内側表面(溶鋼冷却面)が凸状に湾曲している。
上記した短辺11、12と長辺13、14は、銅又は銅合金で構成され、この短辺11、12と長辺13、14の各外面(裏面)に当接し固定されるバックプレート15〜18は、ステンレス又は鋼で構成されている。
この長辺13とバックプレート17には、長辺13の外面側(裏面側)からバックプレート17の内面側(表面側)にかけて、多数の導水溝19が鋳造方向に設けられている。また、長辺14とバックプレート18にも、長辺14の外面側からバックプレート18の内面側にかけて多数の導水溝20が、短辺11、12とバックプレート15、16にも、短辺11、12の外面側からバックプレート15、16の内面側にかけて多数の導水溝21、22が、それぞれ鋳造方向に設けられている。なお、対となる短辺のいずれか一方又は双方のみ、又は対となる長辺のいずれか一方又は双方のみについて、短辺又は長辺の外面側からバックプレートの内面側にかけて、多数の導水溝を、鋳造方向に設けてもよい。
具体的には、各導水溝19は、それぞれ長辺13の外面側に形成された長辺側溝部23と、長辺13の外面に当接するバックプレート17の内面側に形成され、長辺側溝部23に鋳造方向に渡って連通するバックプレート側溝部24とで構成されている。また、各導水溝20も、長辺14と、長辺14の外面に当接するバックプレート18にそれぞれ形成された長辺側溝部25とバックプレート側溝部26とで構成されている。更に、短辺11、12、及びこれらの外面に当接するバックプレート15、16に形成した導水溝21、22も同様である(短辺側溝部とバックプレート側溝部とで構成される)。
この多数の導水溝19(導水溝20〜22も同様)は、例えば、5mm以上200mm以下程度の範囲内の所定ピッチPで、長辺13の幅方向に形成されている。
各導水溝19(各導水溝20〜22も同様)は、長辺13の内側表面から導水溝19の内面側底位置までの水平距離(厚み)T1が、例えば、3mm以上30mm以下程度となるように形成されている。また、各導水溝19(各導水溝20〜22も同様)の深さ方向の内幅D1(長辺側溝部23の底位置からバックプレート側溝部24の底位置までの深さ)は、例えば、3mm以上30mm以下程度であり、幅方向の内幅Wは、例えば、3mm以上200mm以下程度である。
これにより、従来のように、短辺や長辺のみに、又はバックプレートのみに、導水溝を形成する場合と比較して、形成する導水溝の形状の自由度を大きくできる(図7(A)〜(F)、図8(A)〜(D)参照)。
上記した各導水溝19〜22には、バックプレート15〜18に設けられた給水部及び排水部(図示しない)を介して冷却水が流れ、各長辺13、14及び各短辺11、12を、それぞれ鋳造方向に渡って均一に冷却できる(各長辺13、14及び各短辺11、12の内側表面の温度を、鋳造方向に渡って均一にできる)。
具体的には、各導水溝19の深さ方向の内幅D1(各導水溝19の断面積)を、鋳造方向(引抜き方向)に渡って同一(冷却水の流速を鋳造方向に渡って略同一)にし、長辺13の内側表面から各導水溝19までの距離T1を、鋳造方向に渡って同一にしている。なお、上記した内幅は、各導水溝20〜22の内幅D2〜D4(各導水溝の断面積)についても同様であり、また、距離は、長辺14の内側表面から各導水溝20までの距離T2と、短辺11、12の内側表面から各導水溝21、22までの距離T3、T4についても同様である。
ここで、内幅D1(内幅D2〜D4も同様)を鋳造方向に渡って同一にするとは、例えば、形成する導水溝の大きさや加工精度等により、±10%(好ましくは、±5%)の範囲内で変動する内幅も含まれる。なお、距離T1(距離T2〜T4も同様)についても、±10%(好ましくは、±5%)の範囲内で変動する距離も含まれる。
上記した各導水溝19の形状は、各導水溝19の幅方向の内幅Wが同一の場合に適用することが好ましいが、例えば、各導水溝の内幅Wが異なる場合は、各導水溝の断面積を、鋳造方向に渡って同一にできる範囲内で、内幅D1(内幅D2〜D4)を変動させることもできる。
更に、ここでは、全ての長辺13、14と短辺11、12について、長辺13の各導水溝19の深さ方向の内幅と、長辺14の各導水溝20の深さ方向の内幅と、短辺11の各導水溝21の深さ方向の内幅と、短辺12の各導水溝22の深さ方向の内幅とを同一(D1=D2=D3=D4)にし、かつ、長辺13の内側表面から導水溝19までの距離と、長辺14の内側表面から導水溝20までの距離と、短辺11の内側表面から導水溝21までの距離と、短辺12の内側表面から導水溝22までの距離とを同一(T1=T2=T3=T4)にしている。
これにより、全ての長辺13、14と短辺11、12を鋳造方向に渡って均一に冷却できる。
しかし、2つの長辺のみ、即ち一方側の長辺の各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の長辺の各導水溝の深さ方向の内幅とを同一にし、一方側の長辺の内側表面から各導水溝までの距離と、他方側の長辺の内側表面から各導水溝までの距離とを同一にすることもできる。
これにより、2つの長辺を鋳造方向に渡って均一に冷却できる。
なお、2つの長辺のいずれか一方、又は2つの短辺のいずれか一方について、各導水溝の深さ方向の内幅を同一にし、各長辺の内側表面から各導水溝までの距離を同一にすることもできる。
以上に示した鋳型10の使用にあっては、各導水溝19〜22に、鋳型10の下部から上部へ向けて冷却水を流すことにより、短辺11、12、及び長辺13、14の冷却を行うと共に、鋳型10内の空間部10aに供給された溶鋼の冷却を行う。
これにより、例えば、幅が600mm以上3500mm以下程度、厚みが50mm以上500mm以下程度のスラブを製造できる。
なお、以上に示した鋳型10は、固定側長辺13の内側表面が凹状に湾曲し、自由側長辺14の内側表面が凸状に湾曲した湾曲型の連続鋳造機に使用する鋳型であるが、上記した各導水溝の構成は、図3に示す垂直曲げ型の連続鋳造機に使用する連続鋳造用鋳型30(以下、単に鋳型30ともいう)にも、勿論適用できる。以下、簡単に説明する。
鋳型30は、図3に示すように、間隔を有して対向配置された一対の短辺(冷却部材の一例)31、32と、短辺31、32の幅方向両側で対向配置された一対の長辺(冷却部材の一例)33、34と、短辺31、32及び長辺33、34の外面側にそれぞれ固定されたバックプレート(支持部材の一例)35、36とを有する。
一対の長辺33、34は、鏡面対称で同じ構成となっており、長辺33、34の各内側表面が真っ直ぐであり(湾曲してない)、長辺33、34の各厚みを鋳造方向に厚くしている。なお、一対の短辺31、32も、鏡面対称で同じ構成となっている。
この一方の長辺33とバックプレート35には、長辺33の外面側からバックプレート35の内面側にかけて、多数の導水溝37が鋳造方向に設けられている。また、他方の長辺34とバックプレート36にも、長辺34の外面側からバックプレート36の内面側にかけて、多数の導水溝38が鋳造方向に設けられている。
ここで、各導水溝37(各導水溝38も同様)の深さ方向の内幅D5(各導水溝37の断面積)は、上記した内幅D1と同一の構成にでき、また長辺33の内側表面から各導水溝37までの距離T5(長辺34の内側表面から各導水溝38の距離も同様)も、上記した距離T1と同一の構成にできる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
まず、導水溝の構造が、短辺及び長辺(冷却部材)の内側表面の温度に及ぼす影響について、図4を参照しながら説明する。
図4は、FEM解析(有限要素法を用いた解析、以下同様)により得られたシミュレーション結果である。ここで、シミュレーションを行うに際しては、実施例として、図1、図2に示す鋳型の構成を用い、従来例として、図1、図2に示す鋳型のうち、バックプレートのみに導水溝が形成された(長辺及び短辺に導水溝が形成されていない)鋳型の構成を用いた。
具体的には、実施例の鋳型の構成は、全ての長辺と短辺について、各導水溝の深さ方向の内幅を鋳造方向に渡って同一(D1=D2=D3=D4)にし、かつ各短辺及び各長辺の内側表面から各導水溝までの距離を鋳造方向に渡って同一(T1=T2=T3=T4)にしている。
一方、従来例の鋳型の構成は、内側表面が湾曲した長辺のバックプレートに、ストレートの導水溝が形成されているため(図7(E)参照)、長辺の内側表面から導水溝までの距離が、鋳造方向に渡って変動している。従って、全ての長辺と短辺について、各導水溝の深さ方向の内幅が鋳造方向で異なり、かつ各短辺及び各長辺の内側表面から各導水溝までの距離が鋳造方向で異なっている。
図4に示すように、従来例の鋳型は、上記した構成であるため、鋳造方向の各位置において、固定側長辺、自由側長辺、及び短辺の各内側表面の温度にバラツキが発生している。
一方、実施例の鋳型は、上記した構成であるため、鋳造方向の各位置において、全ての長辺と短辺の内側表面の温度を同等にでき、全ての長辺と短辺から鋳片を均一に冷却することが可能になることが分かった。
なお、2つ(又は1つ)の長辺のみ、又は2つ(1つ)の短辺のみ、各導水溝の深さ方向の内幅を鋳造方向に渡って同一にし、かつ各長辺又は短辺の内側表面から各導水溝までの距離を鋳造方向に渡って同一にする場合も、従来例より鋳片を均一に冷却できることが分かった。
次に、導水溝の構造が、上記した実施例及び従来例の鋳型の長辺の変形量に及ぼす影響について、図5(A)〜(D)を参照しながら説明する。
図5(A)〜(D)は、FEM解析により得られたシミュレーション結果である。ここで、図5(A)、(B)は固定側長辺の変形量を、(C)、(D)は自由側長辺の変形量を、それぞれ示している。また、図5(A)、(C)は、長辺にバックプレートを固定するためのボルト部分での変形量を、図5(B)、(D)は、長辺の幅方向に隣り合うボルト間部分での変形量を、それぞれ示している。
図5(A)〜(D)に示すように、実施例の変形量は従来例と比較して、いずれも小さくなることが分かった。これは、図4に示すように、実施例では、冷却水による長辺の冷却が均一に行われたことによる。
なお、2つ(又は1つ)の長辺のみ、又は2つ(1つ)の短辺のみ、各導水溝の深さ方向の内幅を鋳造方向に渡って同一にし、かつ各長辺又は短辺の内側表面から各導水溝までの距離を鋳造方向に渡って同一にする場合も、従来例より変形量を小さくできることが分かった。
また、図5(A)、(C)について、湯面直下(メニスカス位置から下方へ50mm位置)での固定側長辺と自由側長辺の変形量を図6(A)に、鋳造方向中央部での固定側長辺と自由側長辺の変形量を図6(B)に、それぞれ示す。
図6(A)、(B)から、実施例の変形量は従来例と比較して、いずれも小さくなることが明らかである。
従って、本発明の連続鋳造用鋳型を使用することで、鋳型の変形の程度を、従来の鋳型よりも抑制することができ、例えば、鋳造中の鋳型のテーパ崩れの抑制、更には防止が、可能になることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の連続鋳造用鋳型を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、連続鋳造用鋳型は、冷却部材の外側にバックプレートが配置された構造であれば、前記実施の形態に示した構造に限定されるものではなく、例えば、ブルーム(例えば、幅及び厚みが200〜700mm程度)を製造するものでもよい。
10:連続鋳造用鋳型、10a:空間部、11、12:短辺(冷却部材)、13、14:長辺(冷却部材)、15〜18:バックプレート(支持部材)、19〜22:導水溝、23:長辺側溝部、24:バックプレート側溝部、25:長辺側溝部、26:バックプレート側溝部、30:連続鋳造用鋳型、31、32:短辺(冷却部材)、33、34:長辺(冷却部材)、35、36:バックプレート(支持部材)、37、38:導水溝

Claims (4)

  1. 上下方向に貫通した空間部を内側に形成し、外面側が冷却水により冷却され、鋳造方向に厚みが異なる冷却部材と、該冷却部材の外面側にそれぞれ上下方向に並べて配置された複数の締結手段からなる締結手段群によって、該冷却部材を取付ける支持部材とを有し、前記冷却部材の外面側で鋳造方向に設けられた多数の導水溝に冷却水を流すことで、前記冷却部材の冷却を行うと共に、前記空間部に供給された溶鋼の冷却を行って鋳片を製造する連続鋳造用鋳型において、
    前記各導水溝を、前記冷却部材の外面側から、該冷却部材の外面に当接する前記支持部材の内面側にかけて形成し、前記各導水溝を流れる冷却水により、前記冷却部材を鋳造方向に渡って均一に冷却することを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 請求項1記載の連続鋳造用鋳型において、前記導水溝の深さ方向の内幅を、鋳造方向に渡って同一にし、前記冷却部材の内側表面から前記導水溝までの距離を、鋳造方向に渡って同一にしたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  3. 請求項2記載の連続鋳造用鋳型において、前記冷却部材は、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺の幅方向両側で対向配置された一対の長辺とで構成され、一方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅とを同一にし、かつ、一方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離とを同一にしたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  4. 請求項2記載の連続鋳造用鋳型において、前記冷却部材は、間隔を有して対向配置された一対の短辺と、該短辺の幅方向両側で対向配置された一対の長辺とで構成され、一方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記長辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、一方側の前記短辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅と、他方側の前記短辺の前記各導水溝の深さ方向の内幅とを同一にし、かつ、一方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記長辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、一方側の前記短辺の内側表面から前記導水溝までの距離と、他方側の前記短辺の内側表面から前記導水溝までの距離とを同一にしたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
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