JP5180646B2 - 芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム - Google Patents
芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP5180646B2 JP5180646B2 JP2008091660A JP2008091660A JP5180646B2 JP 5180646 B2 JP5180646 B2 JP 5180646B2 JP 2008091660 A JP2008091660 A JP 2008091660A JP 2008091660 A JP2008091660 A JP 2008091660A JP 5180646 B2 JP5180646 B2 JP 5180646B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polymer
- substituted
- liquid crystal
- unsubstituted
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Liquid Crystal Substances (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Description
〔1〕芳香族ヘテロ環と芳香族炭化水素環が単結合にて連結した部位の繰り返し単位を有する一般式(I)で表されるオリゴマー又はポリマーであって、繰返し単位(A−B)が2種類以上存在し、その分子鎖内に含まれる下記部分構造式(a)のうち少なくとも一つが下記部分構造(b)で表され、双極子モーメントの和が0でなく、且つ100℃以上において液晶性を発現することを特徴とする、下記一般式(I)で表されるオリゴマー又はポリマー。
〔2〕前記〔1〕項に記載のオリゴマー又はポリマーを含有することを特徴とする組成物。
〔3〕前記〔1〕項に記載のオリゴマー若しくはポリマー又は前記〔2〕項に記載の組成物から得られることを特徴とするフィルム。
ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基);シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換又は無置換のシクロアルキル基例えば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基);ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換又は無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イルなどである。);
アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換又は無置換のアルキニル基、例えば、エチニル基、プロパルギル基);
本発明の前記一般式(I)で表されるオリゴマー又はポリマーは、その分子鎖内に含まれる下記部分構造式(a)のうち、少なくとも一つが後述の部分構造(b)で表され、双極子モーメントの和が0でないことを特徴とする。
本発明の組成物は上記の液晶オリゴマー又はポリマーを含んでなる。本発明の組成物には、さらに赤リンや有機臭素化物やリン化合物などの任意の難燃剤を使用することができる。
有機臭素化物としては通常難燃剤として使用される有機臭素化合物を含み、特に臭素含量20質量%以上のものが好ましい。具体例としてはヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどの低分子量有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものエポキシ化合物)、ポリ臭素化ベンジルアクリレート、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌルおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化ポリスチレン(ポリ臭素化スチレンを含む)、架橋臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリα−メチルスチレンなどのハロゲン化されたポリマーやオリゴマーあるいは、これらの混合物が挙げられ、なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシオリゴマー又はポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが、配合した液晶ポリマーとの相溶性や、得られるフィルムの難燃性の確保の観点から好ましく、臭素化ポリスチレンが最も好ましく使用できる。
組成物中に上記難燃剤を含有させる場合には、液晶オリゴマー又はポリマー100質量部に対して、1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜10質量部であることがさらに好ましい。
本発明で用いることができるオレフィン系重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン又はプロピレンと炭素数が3以上のα−オレフィンとからなる共重合体、およびエチレン又はプロピレンと炭素数が3以上のα−オレフィンと非共役ジエンとからなる共重合体からなる群から選ばれた一種以上のものである。
非共役ジエンを含有しない場合、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合比は通常40/60〜99/1(モル比)、好ましくは70/30〜95/5(モル比)である。
非共役ジエンを含有する場合、炭素数3以上のα−オレフィンの含有量は、通常3〜80モル%、好ましくは15〜60モル%であり、非共役ジエンの含有量は、通常0.1〜15モル%、好ましくは0.5〜10モル%である。
オレフィン系重合体の分子量は特に規定はされないが、好ましくは数平均分子量(Mn)が4,000〜20,000の範囲内、さらに好ましくは5,000〜17,000の範囲内、最も好ましいのは5,000〜10,000の範囲内である。また、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比率(Mw/Mn)が好ましくは10〜40の範囲内、より好ましくは12〜37の範囲内、さらに好ましくは25〜35の範囲内である。
分子量は、ポリエチレンが可溶な溶媒を使用してGPC−LS(ゲル浸透クロマトグラフ−光散乱)法により測定することが可能である。
本発明の液晶オリゴマー又はポリマー組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが溶融混練により製造することが好ましく、溶融混練には任意の方法を用いることができる。例えば、バンバリーミキサー、ゴムロール機、ニーダー、単軸もしくは二軸押出機などを用い、200〜400℃の温度で溶融混練して組成物とすることが推奨される。
本発明のフィルムは上記の液晶オリゴマー又はポリマーを含んでなり、上記液晶オリゴマー又はポリマー組成物で形成されたものである。
本発明のフィルムを構成する液晶オリゴマー又はポリマー組成物の組成は、その用途に応じて、本発明の範囲内で適宜変更することが可能である。例えばフィルムの所望の耐熱性および加工性を得る目的においては、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有する液晶オリゴマー又はポリマー組成物を上述した範囲から選択することが好ましいが、フィルム製造の観点からは、比較的低い融点を有するものが好ましい。したがって、より高い耐熱性や融点が必要な場合には、一旦得られたフィルムを加熱処理することによって、所望の耐熱性や融点にまで高めることが有利である。加熱処理の条件の一例を説明すれば、一旦得られたフィルムの融点が283℃の場合でも、260℃で5時間加熱すれば、融点は320℃になる。
また、フィルムの少なくとも一方の面を支持体と接触させた状態で液晶フィルムを加熱してポリマーを溶融する工程、溶融ポリマーを冷却して固化したポリマー層を形成する工程、及び該固化したポリマー層を該支持体から分離する工程を含んで成る液晶ポリマーの処理方法(例えば、特開平8−90570号公報を参照。)によっても有利に形成することができる。
[液晶ポリマー(1)の合成]
下記スキームに従い、液晶ポリマー(1)を合成した。
化合物(1−1)5g、化合物(1−2)5gのN,N−ジメチルアセトアミド100ml溶液に触媒量のP−トルエンスルホン酸を加え室温にて48時間撹拌した。反応終了後、アセトンに流し込みろ過を行うことで、液晶ポリマー(1)を得た。得られた液晶ポリマー(1)を偏光顕微鏡での液晶相観察を行ったところ、300℃において液晶状態であることが確認できた。
[液晶ポリマー(2)および液晶ポリマー(3)の合成]
実施例1の化合物(1−1)の仕込み量を7gおよび化合物(1−2)の仕込み量を3gに変更した以外は実施例1と同様な操作にて液晶ポリマー(2)を得た。
また、実施例1の化合物(1−1)の仕込み量を3gおよび化合物(1−2)の仕込み量を7gに変更した以外は、実施例1と同様な操作にて液晶ポリマー(3)を得た。
[比較ポリマー(3)、比較ポリマー(4)、比較ポリマー(5)の合成]
特許文献2の実施例1、実施例2および実施例3に記載の下記比較ポリマー(3)、(4)および(5)を、同記載に従って合成した。
[フィルム作製]
液晶ポリマー(1)1.0gをテストミニプレス機(東洋精機製作所製、商品名、MP−WNH)にてフィルムを作製した。得られたフィルムの厚さは約100μmであった。
[フィルム作製]
パラヒドロキシ安息香酸8.3g(60mmol)、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸4.2g(22mmol)、無水酢酸8.6gおよび触媒として酢酸カリウムを1.7mgを140℃に昇温し、1時間保持した。その後毎分約2℃の速度で昇温させて、副生する酢酸を留出除去しながら340℃まで昇温させ1時間その状態に保った。反応終了後、内容物を取り出し、ポリエステルを得た。当該ポリマーをヒートステージ付偏光顕微鏡で観察したところ、300℃において液晶性を示した。この液晶ポリマーを比較ポリマー(6)とする。
比較ポリマー(6)1.0gをテストミニプレス機(東洋精機製作所製、商品名、MP−WNH)にてフィルムを作製した。得られたフィルムの厚さは約100μmであった。
[加水分解試験]
実施例4で得られたフィルム0.1gと、5N重水酸化ナトリウム水溶液0.4mlおよび重ジメチルスルフォキシド16mlおよび重メタノール4mlの混合溶媒とを、密閉容器に加え、120℃まで加熱した。5時間後、自然放冷した後密閉容器を開放したところ、液晶ポリマーは溶解していないことを確認した。また、密閉容器中の溶媒を1H−NMR測定したが何も検出されなかった。
[加水分解試験]
比較例6で得られたフィルム0.1gと、5N重水酸化ナトリウム水溶液0.4mlおよび重ジメチルスルフォキシド16mlおよび重メタノール4mlの混合溶媒とを、密閉容器に加え、120℃まで加熱した。5時間後、自然放冷した後密閉容器を開放したところ、液晶ポリマーは完全に溶解していることを確認した。また、密閉容器中の溶媒を1H−NMR測定したところ、パラヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のピークが観測された。観測されたピークはパラヒドロキシ安息香酸および6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸のモル比は約73対27であり、仕込みのモル比と一致した。
Claims (3)
- 芳香族ヘテロ環と芳香族炭化水素環が単結合にて連結した部位の繰り返し単位を有する一般式(I)で表されるオリゴマー又はポリマーであって、繰返し単位(A−B)が2種類以上存在し、その分子鎖内に含まれる下記部分構造式(a)のうち少なくとも一つが下記部分構造(b)で表され、双極子モーメントの和が0でなく、且つ100℃以上において液晶性を発現することを特徴とする、下記一般式(I)で表されるオリゴマー又はポリマー。
- 請求項1に記載のオリゴマー又はポリマーを含有することを特徴とする組成物。
- 請求項1に記載のオリゴマー若しくはポリマー又は請求項2に記載の組成物から得られることを特徴とするフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008091660A JP5180646B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008091660A JP5180646B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009242637A JP2009242637A (ja) | 2009-10-22 |
JP5180646B2 true JP5180646B2 (ja) | 2013-04-10 |
Family
ID=41304919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008091660A Expired - Fee Related JP5180646B2 (ja) | 2008-03-31 | 2008-03-31 | 芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5180646B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022181513A1 (ja) * | 2021-02-24 | 2022-09-01 | 富士フイルム株式会社 | 高分子化合物、組成物および成形品 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5321031B2 (ja) * | 1971-09-17 | 1978-06-30 | ||
JPS543240B2 (ja) * | 1973-12-06 | 1979-02-20 | ||
FR2700340B1 (fr) * | 1993-01-13 | 1995-02-24 | Atochem Elf Sa | Copolyoxadiazoles de type bloc et leur procédé de synthèse. |
DE19840195C1 (de) * | 1998-09-03 | 2000-06-15 | Fraunhofer Ges Forschung | Aromatische Poly(1,3,4-heterodiazole), Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung in optischen Vorrichtungen, insbesondere Elektrolumineszenzbauelementen |
-
2008
- 2008-03-31 JP JP2008091660A patent/JP5180646B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2009242637A (ja) | 2009-10-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5236327B2 (ja) | 液晶ポリマーおよびフィルム | |
TWI403507B (zh) | 苯并呋喃衍生物及其應用 | |
JP5591453B2 (ja) | 紫外線吸収剤およびそれを含む高分子組成物 | |
KR20170036543A (ko) | 프탈로니트릴 화합물 | |
JP5501821B2 (ja) | トリプチセン構造を有する化合物 | |
JP6824482B1 (ja) | ポリオレフィン系樹脂用結晶性抑制剤、ポリオレフィン系樹脂の結晶性抑制方法およびポリオレフィン系樹脂組成物の製造方法 | |
JP5180646B2 (ja) | 芳香環およびヘテロ環からなる液晶オリゴマー及びポリマー、またそれからなるフィルム | |
JP2013159641A (ja) | 芳香族ポリスルホンの製造方法 | |
CN111630132B (zh) | 组合物、固化性组合物及化合物 | |
JP2008260738A (ja) | トリアリールアミン誘導体 | |
JP2006022160A (ja) | 変性ポリビニルアルコール | |
CN111132959B (zh) | 化合物的制造方法及化合物 | |
JP2007070476A (ja) | 近赤外線吸収色素化合物の製造方法 | |
JP6967598B2 (ja) | 化合物の製造方法、組成物および硬化性組成物 | |
JP6915096B2 (ja) | 組成物、硬化性組成物および化合物 | |
TWI773777B (zh) | 光學材料用樹脂組成物及光學薄膜 | |
JP2007092060A (ja) | 近赤外線吸収色素化合物の製造方法 | |
WO2014092097A1 (ja) | フッ素原子含有フェノール化合物 | |
JP4184728B2 (ja) | 化合物およびそれを用いた位相差板 | |
WO2019198560A1 (ja) | 眼鏡用レンズ及び眼鏡 | |
JP2009275099A (ja) | ヘテロ環含有ポリマー | |
TWI835961B (zh) | 樹脂組成物、成形體、光學透鏡及光學透鏡單元 | |
JP4164303B2 (ja) | 化合物およびそれを用いた位相差板、ならびにハイドロキノンモノアシル誘導体 | |
JPH02212449A (ja) | 4,4”―ジヒドロキシ―3―フェニル―p―ターフェニル誘導体及びポリエステル | |
JP6225685B2 (ja) | 樹脂組成物及び光学フィルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100701 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120123 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20120228 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120423 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20121218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130111 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |