JP5591453B2 - 紫外線吸収剤およびそれを含む高分子組成物 - Google Patents

紫外線吸収剤およびそれを含む高分子組成物 Download PDF

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Description

本発明は、紫外線吸収剤及びそれを含む高分子組成物に関し、詳しくは、ベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤及びそれを含む高分子組成物に関する。
従来、熱可塑性高分子用の紫外線吸収剤として、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸系化合物、トリアジン系化合物などが使われてきた。これらの紫外線吸収剤には概して、紫外線カットが不十分、耐熱性が不十分、着色しやすい、堅牢性が不十分などの問題があった。
これらの問題を解決する紫外線吸収剤としてベンゾオキサジノン系化合物が提案されてきた(例えば特許文献1又は2を参照)。また、このベンゾオキサジノン系化合物の特性を生かすため、高い透明度の用途に適する低い色彩を有しかつポリマーの劣化防止の観点から、低いナトリウム含量とする製法について提案がされてきた(例えば特許文献3を参照)。さらに、ベンゾオキサジノン系化合物自体の保存性及び耐熱性を向上させ、熱可塑性候分子に添加・混練した場合の、混練工程や混練物の成形工程における作業性及び作業環境を損なわず、本来的な透明性を有する成形品を得るために、特定の範囲の酸価及び塩素イオン濃度とする製法が提案されてきた(例えば特許文献4を参照)。
特公昭62−5944号公報 特公昭62−31027号公報 特表2005−507006公報 特許第3874407号公報
本発明の目的は、熱可塑性高分子に添加・混練した場合に熱可塑性高分子の劣化を低減できる、金属イオン含有量の低いベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤及びそれを含む高分子組成物を提供することにある。
本発明の課題は、下記の手段によって解決された。
[1]下記一般式(I)で表され、かつ、0.5ppm未満のアルミニウムイオン濃度、0.5ppm未満の鉄イオン濃度および1ppm未満のカルシウムイオン濃度を有する紫外線吸収剤。
Figure 0005591453
(式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
[2]下記一般式(I)で表され、かつ、0.5ppm未満のアルミニウムイオン濃度、0.5ppm未満の鉄イオン濃度および1ppm未満のカルシウムイオン濃度を有する(ただし、ASTM E313−73による黄色インデックスYIが0未満であることはない)紫外線吸収剤。
Figure 0005591453
(式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
[3]前記R が、1,4−フェニレン基である、[1]または[2]に記載の紫外線吸収剤。
]前記一般式(I)で表される紫外線吸収剤が、pH5以下の条件で合成および晶析されてなる、[1]〜[3]のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
]前記紫外線吸収剤が、アントラニル酸化合物とカルボン酸ハロゲン化物とを塩基が共存しない条件下で反応させる工程Aを含み、かつ下記一般式(II)で表されるアミド中間体化合物を単離しないで製造されてなる、[1]〜[]のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
Figure 0005591453
(式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
]前記工程Aの反応溶媒の少なくとも1種がドナー数10以上である、[]に記載の紫外線吸収剤。
]前記工程Aにおいてプロトン性溶媒を用いない、[5]または[]に記載の紫外線吸収剤。
]前記工程Aの温度が50℃以下である、[]〜[]のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
]前記[1]〜[]のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤と高分子物質とを含む高分子組成物。
10]前記高分子組成物がフィルムである、[]に記載の高分子組成物。
11]前記高分子物質がポリエステルである、[]または[10]に記載の高分子組成物。
12]前記高分子物質がポリエチレンテレフタレートである、[]〜[11]のいずれか1項に記載の高分子組成物。
[13]前記高分子組成物が、光学レンズ用である、[9]〜[12]のいずれか1項に記載の高分子組成物。
本発明のベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤は、熱可塑性高分子に練り込んで使用することにより高分子の劣化を低減することができる。また、本発明の方法によれば、金属イオン含有量の低い高品質なベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤を製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本明細書においてまず、脂肪族基はアルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アラルキル基または置換アラルキル基を意味する。アルキル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキル基の炭素原子数は1〜20であることが好ましく、1〜18であることが更に好ましい。置換アルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アルケニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルケニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルケニル基のアルケニル部分は、上記アルケニル基と同様である。アルキニル基は分岐を有していてもよく、また環を形成していてもよい。アルキニル基の炭素原子数は2〜20であることが好ましく、2〜18であることが更に好ましい。置換アルキニル基のアルキニル部分は、上記アルキニル基と同様である。アラルキル基または置換アラルキル基のアルキル部分は、上記アルキル基と同様である。アラルキル基または置換アラルキル基のアリール部分は下記アリール基と同様である。
置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例には、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、エイコシル、2−クロロエチル、2−シアノエチル、2−エチルヘキシル)、シクロアルキル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシクロアルキル基、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、4−n−ドデシルシクロヘキシル)、ビシクロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル)、更に環構造が多いトリシクロ構造なども包含するものである。以下に説明する置換基の中のアルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこのような概念のアルキル基を表す。]、
アルケニル基[直鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニル、アリル、プレニル、ゲラニル、オレイル)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つまり、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル)、ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もしくは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−1−イル、ビシクロ[2,2,2]オクト−2−エン−4−イル)を包含するものである。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル、プロパルギル、トリメチルシリルエチニル基)、
アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリール基、例えばフェニル、p−トリル、ナフチル、m−クロロフェニル、o−ヘキサデカノイルアミノフェニル)、ヘテロ環基(好ましくは5または6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2−フリル、2−チエニル、2−ピリミジニル、2−ベンゾチアゾリル)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、t−ブトキシ、n−オクチルオキシ、2−メトキシエトキシ)、アリールオキシ基(好ましくは、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシ基、例えば、フェノキシ、2−メチルフェノキシ、4−t−ブチルフェノキシ、3−ニトロフェノキシ、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ)、
シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20のシリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール−5−オキシ、2−テトラヒドロピラニルオキシ)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、ピバロイルオキシ、ステアロイルオキシ、ベンゾイルオキシ、p−メトキシフェニルカルボニルオキシ)、カルバモイルオキシ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモイルオキシ、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ、モルホリノカルボニルオキシ、N,N−ジ−n−オクチルアミノカルボニルオキシ、N−n−オクチルカルバモイルオキシ)、
アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、t−ブトキシカルボニルオキシ、n−オクチルカルボニルオキシ)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカルボニルオキシ、p−メトキシフェノキシカルボニルオキシ、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニルオキシ)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ基、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、アニリノ、N-メチル−アニリノ、ジフェニルアミノ)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミルアミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホルミルアミノ、アセチルアミノ、ピバロイルアミノ、ラウロイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニルアミノ)、
アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニルアミノ、例えば、カルバモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノカルボニルアミノ、N,N−ジエチルアミノカルボニルアミノ、モルホリノカルボニルアミノ)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、t−ブトキシカルボニルアミノ、n−オクタデシルオキシカルボニルアミノ、N−メチル−メトキシカルボニルアミノ)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、p−クロロフェノキシカルボニルアミノ、m−n−オクチルオキシフェノキシカルボニルアミノ)、スルファモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、スルファモイルアミノ、N,N−ジメチルアミノスルホニルアミノ、N−n−オクチルアミノスルホニルアミノ)、
アルキル又はアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルスルホニルアミノ、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールスルホニルアミノ、例えば、メチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、2,3,5−トリクロロフェニルスルホニルアミノ、p−メチルフェニルスルホニルアミノ)、メルカプト基、アルキルチオ基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルチオ基、例えばメチルチオ、エチルチオ、n−ヘキサデシルチオ)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ、例えば、フェニルチオ、p−クロロフェニルチオ、m−メトキシフェニルチオ)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ、1−フェニルテトラゾール−5−イルチオ)、
スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のスルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、N−アセチルスルファモイル、N−ベンゾイルスルファモイル、N−(N’−フェニルカルバモイル)スルファモイル)、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、p−メチルフェニルスルフィニル)、アルキル又はアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、フェニルスルホニル、p−メチルフェニルスルホニル)、
アシル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換または無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチル、ピバロイル、2−クロロアセチル、ステアロイル、ベンゾイル、p−n−オクチルオキシフェニルカルボニル、2−ピリジルカルボニル、2−フリルカルボニル)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル、o−クロロフェノキシカルボニル、m−ニトロフェノキシカルボニル、p−t−ブチルフェノキシカルボニル)、アルコキシカルボニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、n−オクタデシルオキシカルボニル)、カルバモイル基(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカルバモイル、例えば、カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル、N−(メチルスルホニル)カルバモイル)、
アリール又はヘテロ環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ、p−クロロフェニルアゾ、5−エチルチオ−1,3,4−チアジアゾール−2−イルアゾ)、イミド基(好ましくは、N−スクシンイミド、N−フタルイミド)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホスフィノ、ジフェニルホスフィノ、メチルフェノキシホスフィノ)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例えば、ホスフィニル、ジオクチルオキシホスフィニル、ジエトキシホスフィニル)、ホスフィニルオキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフィニルオキシ、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルアミノ、ジメチルアミノホスフィニルアミノ)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例えば、トリメチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、フェニルジメチルシリル)を表す。
上記の官能基の中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような官能基の例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノカルボニル基が挙げられる。その例としては、メチルスルホニルアミノカルボニル、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル、アセチルアミノスルホニル、ベンゾイルアミノスルホニル基が挙げられる。
置換アラルキル基のアリール部分の置換基の例は、下記置換アリール基の置換基の例と同様である。
本明細書において芳香族基は、アリール基または置換アリール基を意味する。またこれらの芳香族基は脂肪族環、他の芳香族環または複素環が縮合していてもよい。芳香族基の炭素原子数は6〜40が好ましく、6〜30が更に好ましく、6〜20が更に好ましい。またその中でもアリール基としてはフェニルまたはナフチルであることが好ましく、フェニルが特に好ましい。
置換アリール基のアリール部分は、上記アリール基と同様である。置換アリール基の置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様である。
本明細書において、複素環基は5員または6員の飽和または不飽和複素環を含むことが好ましい。複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。複素環のヘテロ原子の例には、ホウ素(B)、窒素(N)、酸素(O)、イオウ(S)、セレン(Se)およびテルル(Te)が含まれる。ヘテロ原子としては窒素(N)、酸素(O)又はイオウ(S)が好ましい。複素環は炭素原子が遊離の原子価(一価)を有する(複素環基は炭素原子において結合する)ことが好ましい。好ましい複素環基の炭素原子数は1〜40であり、より好ましくは1〜30であり、更に好ましくは1〜20である。飽和複素環の例には、ピロリジン環、モルホリン環、2−ボラ−1,3−ジオキソラン環および1,3−チアゾリジン環が含まれる。不飽和複素環の例には、イミダゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾセレナゾール環、ピリジン環、ピリミジン環およびキノリン環が含まれる。複素環基は置換基を有していても良い。置換基の例としては、先に置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基及び置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例としてあげたものと同様である。
次に、前記一般式(I)又は(II)で表される化合物について説明する。前記一般式(I)及び(II)中、R1は置換基を表す。置換基の例としては前述の置換アルキル基、置換アルケニル基、置換アルキニル基または置換アラルキル基のアルキル部分の置換基の例として挙げたものと同様のものが挙げられる。
1として好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、
さらに好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル又はアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基、カルバモイル基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基であり、更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル又はアリールスルフィニル基、アルキル又はアリールスルホニル基であり、
更に好ましくはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基であり、更に好ましくはハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数6〜20のアリールチオ基であり、更に好ましくは塩素原子、フッ素原子、臭素原子、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリールチオ基であり、更に好ましくは塩素原子、フッ素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。
1として好ましくは0〜3であり、更に好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0または1であり、最も好ましくは0、すなわちベンゼン環が置換基を有さないことである。
の連結基であるフェニレン基を表す。
のフェニレン基としては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンが挙げられ、好ましくは、1,3−フェニレン、1,4−フェニレンであり、最も好ましくは1,4−フェニレンである。
2である。
以下に、前記一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、化合物(I−1)〜(I−6)、(I−17)〜(I−21)、(I−23)〜(I−25)は参考例である。
Figure 0005591453
Figure 0005591453
Figure 0005591453
本発明において、アルミニウムイオンが2ppm未満及び鉄イオン2ppm未満にすることができれば特に限定されないが、例えば、合成方法として特許第3874407号公報の第7ページ、特開昭58−194854号公報の第3ページに記載の方法を用いることができ、適宜、原料の再結晶(例えば精製)や前記一般式(I)で表される化合物の再結晶や昇華精製などの操作等を行うことにより得られる。或いは、特表2005−507006号公報の記載のように、出発物質として無水イサト酸を用い、更に再結晶により精製することもできる。
本発明の好ましい態様としては、次のような製造法で得られる紫外線吸収剤である。本発明の前記一般式(I)で表される化合物の製造方法は、アントラニル酸化合物とカルボン酸ハロゲン化物とを塩基が共存しない条件下で反応させる工程Aを含む。該工程Aでは、前記一般式(II)で表されるアミド中間体が合成される。また、本発明では、工程Aで生成した前記一般式(II)で表されるアミド中間体を脱水縮合する工程Bによりベンゾオキサジノン骨格を形成し、前記一般式(I)で表される化合物を製造する。
原料のアントラニル酸化合物としては、置換又は無置換のアントラニル酸を用いることができる。置換アントラニル酸としては、アントラニル酸のベンゼン環上の水素原子がn1個の置換基R1によって置換された化合物が挙げられる。ここで、R1は置換基を表し、n1は0〜4の整数を表す。R1及びn1は、それぞれ前記一般式(I)におけるR1及びn1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
また、原料のカルボン酸ハロゲン化物は、R(−COOX)n2で表される。ここで、Rの連結基であるフェニレン基を表し、nを表す。Xはハロゲン原子を表す。R及びnは、それぞれ前記一般式(I)におけるR及びnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
本反応に用いられる原料の比率は、1モルのアントラニル酸化合物に対して、n2価のカルボン酸ハロゲン化物を0.3/n2〜2.0/n2モル用いることが好ましく、0.6/n2〜1.5/n2モル用いることがより好ましく、0.8/n2〜1.2/n2モル用いることが更に好ましい。
反応は無溶媒、溶媒共存下どちらで行うこともでき、好ましくは溶媒共存下である。溶媒共存下の場合に用いる溶媒としては、例えばアミド系溶媒(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン)、スルホン系溶媒(例えばスルホラン)、ウレイド系溶媒(例えばテトラメチルウレア)、エーテル系溶媒(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶媒(例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン)、炭化水素系溶媒(例えばトルエン、キシレン、n−デカン)、ハロゲン系溶媒(例えばテトラクロロエタン、クロロベンゼン)、アルコール系溶媒(例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、シクロヘキサノール、フェノール)、エステル系溶媒(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、ニトリル系溶媒(例えばアセトニトリル)、水などが挙げられ、これらの溶媒を単独或いは混合して用いる。また、工程Aを終えたところで、工程Bで、同じ溶媒または別の溶媒を追加して添加することも好ましい。また、工程Aでは非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。
更に、工程A及びBを通して、溶媒としてはドナー数が10以上のものが好ましく用いられる。溶媒のドナー数については、例えばV.グートマン著,大瀧仁志・岡田勲訳「ドナーとアクセプター 溶液反応の分子間相互作用」1983年(学会出版センター)p21〜p29に詳しい。本発明では、溶媒のドナー数としてこれらの成書に記載の文献既知の値がある場合のみに限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であっても文献記載の測定法に基づいて測定した場合にその範囲に含まれる限り、包含されることは勿論である。
溶媒のドナー数として更に好ましくは15以上であり、更に好ましくは20以上であり、更に好ましくは25以上である。ドナー数25以上で本発明に好ましく用いられる溶媒としてN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等があり、更に好ましくはN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノンである。
工程Aの反応温度は、通常−50〜100℃であり、好ましくは−40〜70℃、更に好ましくは−30〜50℃、更に好ましくは−20〜30℃、更に好ましくは−15〜20℃、更に好ましくは−10〜10℃、特に好ましくは0〜10℃である。
また、工程Bの反応温度は、通常0〜200℃であり、更に好ましくは30〜180℃であり、更に好ましくは50〜150℃であり、特に好ましくは80〜130℃である。
工程Bでは、少なくとも1種の脱水縮合剤が共存することが好ましい。好ましい脱水縮合剤としては無機(例えば無水硫酸、5酸化2リン酸等の酸無水物、塩化チオニル、オキシ塩化リン等の酸塩化物等)、有機(例えば無水酢酸、無水プロピオン酸等の酸無水物、塩化アセチル等の酸ハライド、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド等)の脱水縮合剤またはモレキュラーシーブズ等の吸収剤や無水硫酸ナトリウムなどの結晶溶媒として水を取り込む無機化合物が挙げられる。この中で特に好ましくは無機または有機の脱水縮合剤であり、更に好ましくは無機または有機の酸無水物であり、更に好ましくは有機の酸無水物であり、最も好ましくは無水酢酸である。
本発明の紫外線吸収剤の極大吸収波長は、特に限定されないが、好ましくは300〜390nmであり、より好ましくは335〜355nmである。
本発明の紫外線吸収剤は金属イオン含有量が低い。このため、熱可塑性高分子に添加・混練した場合に熱可塑性高分子の劣化を低減することができる。光学レンズ及びその他の高度の透明度について益々要求レベルが高くなっており、そのため更なる改善が必要となっており、その要求レベルに答えることができる。具体的には、本発明の紫外線吸収剤は、0.5ppm未満のアルミニウムイオン濃度および0.5ppm未満の鉄イオン濃度を有する。また、カルシウムイオン濃度は1ppm未満である。カルシウムイオン濃度については、ポリマー分解による固有濃度変化を低くすることのみに寄与していると考えられる。
金属イオン含有量を低く抑えるためには、反応時及び晶析時の系のpHが小さいことが好ましい。pHが5以下であることが好ましく、pHが3以下であることが更に好ましく、pHが1以下であることが最も好ましい。
次に、高分子組成物について説明する。本発明の高分子組成物は、本発明の紫外線吸収剤と高分子物質(好ましくは熱可塑性高分子)とを含む。本発明の紫外線吸収剤は、熱可塑性高分子に練り込んで使用することにより高分子の劣化を低減することができる。
本発明に用いられる熱可塑性高分子は特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ハイインパクトポリスチレン等のスチレン重合体、アクリル重合体、アミド重合体、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィン、ポリオキシメチレン、ポリフェニレンスルフィド、乳酸重合体、及びこれらの熱可塑性高分子の任意の混合物等が挙げられる。このうち、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル重合体で効果が大きく、更にポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネートで最も効果が大きい。
本発明の紫外線吸収剤を含む高分子組成物の形状としては、フィルム状(平膜状)、粉状、球状粒子、破砕粒子、塊状連続体、繊維状、管状、中空糸状、粒状、板状、多孔質状などのいずれの形状であってもよい。
本発明の紫外線吸収剤は、所望の性能を付与するために必要な任意の量を高分子組成物に含有させることができる。含有量が少なければ十分な紫外線遮蔽効果が得られず、含有量が多いとブリードアウトの問題が発生してしまい、これらは用いる化合物や高分子物質に依って異なるが、当業者は実験によって適切な含有量を決定することができる。含有量としては高分子組成物中0質量%より大きく20質量%以下であることが好ましく、0質量%より大きく10質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上5%質量以下であることがさらに好ましい。
本発明の紫外線吸収剤を含む高分子組成物は、上記の高分子物質および紫外線吸収剤に加えて、必要に応じて酸化防止剤、光安定剤、加工安定剤、老化防止剤、相溶化剤等の任意の添加剤を適宜含有してもよい。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(例示化合物(I−7)の調製)
3ツ口フラスコにアントラニル酸120.7gとN−メチルピロリジノン1000mlを入れて撹拌しながら溶解した。このものを氷冷下にて撹拌を続けながら、ここへテレフタル酸ジクロリド89.3gを添加して、そのまま2時間撹拌した。このとき内温は3〜8℃であった。その後、ここへ無水酢酸225gとN−メチルピロリジノン500mlを添加して昇温し、内温108〜116℃の間で2時間加熱撹拌したのち、30℃以下に冷却して得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(I−7)155.6gを得た(収率96%)。
本実施例で得られた例示化合物(I−7)の融点について下記表1に示す。
また、本実施例で得られた例示化合物(I−7)10gをるつぼに精秤し、700℃で6時間加熱し、灰化した。灰化後の試料に硝酸1ml加えて溶解後、超純水で希釈して全量を100mlとした。この溶液について島津製ICP発光分析装置ICPS−7000(商品名)を使用して金属イオン含有量を測定した。結果を下記表1に示す。
また、本実施例で得られた例示化合物(I−7)のトルエン溶液(2.3×10-5mol/l)中での最大吸収波長(λmax)を、日立製U−4100型分光光度計(商品名)を用いて測定した。結果を下記表1に示す。
実施例2
(例示化合物(I−7)の調製)
3ツ口フラスコにアントラニル酸120.7gとN,N−ジメチルアセトアミド1000mlを入れて撹拌しながら溶解した。このものを氷−メタノール浴冷却下にて撹拌を続けながら、ここへテレフタル酸ジクロリド89.3gを添加して、そのまま1時間撹拌した。この間内温は0〜5℃であった。その後、ここへ無水酢酸225gとトルエン500mlを添加して昇温し、溶媒還流下にて1.5時間加熱撹拌したのち、30℃以下に冷却して得られた結晶を濾過、乾燥して目的の例示化合物(I−7)160.5gを得た(収率99%)。
本実施例で得られた例示化合物(I−7)の融点、金属イオン含有量、及びトルエン溶液中での最大吸収波長(λmax)について、実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。
比較例1
(例示化合物(I−7)の調製)
3つ口フラスコにアントラニル酸120.7gと無水炭酸ナトリウム45.7g及び水880mlを入れ、撹拌しながら溶解した。ここへテレフタル酸ジクロリド89.8gをアセトン2700mlに溶解した液を、滴下ロートを用いて、室温で滴下した後、還流下で1時間アミド化反応させてN,N’−ビス(o−カルボキシフェニルテレフタルアミド)を含む固形分のスラリーを得た。このスラリーから固形分を濾別し、水2700mlで水洗した後、乾燥して、固形分175.6gを得た。
次に、乾燥した固形分175.6g、無水酢酸899g及びトルエン880mlを四つ口フラスコに入れ、還流下に6時間イミノエステル化反応させ、室温まで冷却した後、固形分を濾別した。濾別した固形分をアセトン880mlで洗浄した後、乾燥して、例示化合物(I−7)を含む固形分155.3gを得た。
最後に、この固形分155g及び水600gをフラスコに入れ、撹拌下に、1%水酸化ナトリウム水溶液24.6gを加え、25℃で30分間撹拌してアルカリ処理をした。アルカリ処理した固形分を濾別し、60℃の温水1400gで水洗処理した。水洗処理した固形分を脱水した後、100℃の熱風乾燥機で2時間乾燥して、目的の例示化合物(I−7)146.4gを得た(収率90%)。
本実施例で得られた例示化合物(I−7)の融点、金属イオン含有量、及びトルエン溶液中での最大吸収波長(λmax)について、実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。
比較例2
(例示化合物(I−7)の調製)
3つ口フラスコに無水イサト酸142.5gを60℃で乾燥ピリジン1450gに溶解した。テレフタル酸ジクロライド89.8gを、温度を維持するために僅かに冷却しながら、イサト酸無水物混合物に撹拌しながら、緩徐に添加した。次にこの混合物を約4時間加熱還流した。次に反応物を室温に冷却し、スラリーを得た。このスラリーから固形物を濾別し、乾燥して、目的の例示化合物(I−7)149.7gを得た(収率92%)。
本実施例で得られた例示化合物(I−7)の融点、金属イオン含有量、及びトルエン溶液中での最大吸収波長(λmax)について、実施例1と同様にして測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 0005591453
実施例3
<マスターバッチペレットの作製>
乾燥させた実施例1の化合物12質量部と、ポリエチレンテレフタレート樹脂(三井化学社製)88質量部を混合し、混練押出機を用い、マスターバッチペレットを作製した。このときの押出し温度は285℃であり、押出し時間は8分であった。
実施例4
乾燥させた実施例2の化合物を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてマスターバッチペレットを作製した。
比較例3
乾燥させた比較例1の化合物を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてマスターバッチペレットを作製した。
比較例4
乾燥させた比較例2の化合物を用いたこと以外は、実施例3と同様にしてマスターバッチペレットを作製した。
<マスターバッチペレットの評価>
作製した各マスターバッチペレットについて以下の評価を行った。結果を表2に示す。
(A)ポリマーの固有粘度
オストワルド粘度計を用いて、o−クロロフェノールを溶媒として、25℃で測定した。
(B)イエローインデックス(YI)値の評価
得られた各マスターバッチペレットから1.5mm厚のインジェクションプレートを作製し、そのYI値の値を求めた。
(C)ポリマーの熱安定性
マスターバッチペレットを窒素雰囲気下280℃で60分加熱処理し、処理後の固有粘度を測定し、ΔIVで示した。また、当該マスターバッチペレットから1.5mm厚のインジェクションプレートを作製し、そのYI値を測定し、ΔYIを求めた。
Figure 0005591453
表2の結果から明らかなように、実施例3及び4のマスターバッチペレットは、比較例3及び4のマスターバッチペレットに比べて、加熱経時での固有粘度の低下及びYI値の増加が少なく、ポリエステルの劣化を低く抑えることができることがわかった。

Claims (13)

  1. 下記一般式(I)で表され、かつ、0.5ppm未満のアルミニウムイオン濃度、0.5ppm未満の鉄イオン濃度および1ppm未満のカルシウムイオン濃度を有する紫外線吸収剤。
    Figure 0005591453
    (式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
  2. 下記一般式(I)で表され、かつ、0.5ppm未満のアルミニウムイオン濃度、0.5ppm未満の鉄イオン濃度および1ppm未満のカルシウムイオン濃度を有する(ただし、ASTM E313−73による黄色インデックスYIが0未満であることはない)紫外線吸収剤。
    Figure 0005591453
    (式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
  3. 前記R が、1,4−フェニレン基である、請求項1または2に記載の紫外線吸収剤。
  4. 前記一般式(I)で表される紫外線吸収剤が、pH5以下の条件で合成および晶析されてなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
  5. 前記紫外線吸収剤が、アントラニル酸化合物とカルボン酸ハロゲン化物とを塩基が共存しない条件下で反応させる工程Aを含み、かつ下記一般式(II)で表されるアミド中間体化合物を単離しないで製造されてなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
    Figure 0005591453
    (式中、Rは置換基を表し、nは0〜4の整数を表す。Rフェニレン基を表し、nを表す。)
  6. 前記工程Aの反応溶媒の少なくとも1種がドナー数10以上である、請求項に記載の紫外線吸収剤。
  7. 前記工程Aにおいてプロトン性溶媒を用いない、請求項またはに記載の紫外線吸収剤。
  8. 前記工程Aの温度が50℃以下である、請求項のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤。
  9. 請求項1〜のいずれか1項に記載の紫外線吸収剤と高分子物質とを含む高分子組成物。
  10. 前記高分子組成物がフィルムである、請求項に記載の高分子組成物。
  11. 前記高分子物質がポリエステルである、請求項または10に記載の高分子組成物。
  12. 前記高分子物質がポリエチレンテレフタレートである、請求項11のいずれか1項に記載の高分子組成物。
  13. 前記高分子組成物が、光学レンズ用である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の高分子組成物。
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