JP2003040870A - 含窒素へテロ環化合物の製造方法 - Google Patents

含窒素へテロ環化合物の製造方法

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JP2003040870A
JP2003040870A JP2001222642A JP2001222642A JP2003040870A JP 2003040870 A JP2003040870 A JP 2003040870A JP 2001222642 A JP2001222642 A JP 2001222642A JP 2001222642 A JP2001222642 A JP 2001222642A JP 2003040870 A JP2003040870 A JP 2003040870A
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Masaru Takasaki
優 高崎
Katsuyuki Watanabe
克之 渡辺
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含窒素へテロ環化合物を収率よく安全に製造
する方法を提供すること。 【解決手段】 式(II)の化合物と式(III)の化
合物を反応させて得られた式(IV)の化合物をアルカ
リ加水分解して式(V)の化合物とし、さらに酸加水分
解する工程を含む式(I)の化合物の製造方法。 【化1】 (R1〜R6は置換基、Yは連結基または単結合、Mは水
素原子、金属原子等を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含窒素へテロ環化
合物の製造方法に関するものである。より詳細には、電
子求引性の置換基を有する含窒素へテロ環化合物であっ
ても、安全に高収率で製造することができる方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】含窒素へテロ環化合物は、様々な有用な
用途を有しており、合成中間体としても価値が高い。例
えば写真分野では、含窒素へテロ環化合物は熱現像画像
記録材料等の画像形成層またはその近傍層に用いられ
て、Dmaxや感度の向上、望ましい硬調性の実現に寄
与することが知られている。また、カブリを抑制し、保
存安定性を高めるためにも有用であるとされている。こ
れらの有用な含窒素へテロ環化合物については、例えば
特開平11−133546号公報等を参照することがで
きる。特に、電子求引性の置換基を有する含窒素へテロ
環化合物は、このような望ましい効果が優れていること
が多く、極めて有用である。
【0003】含窒素へテロ環化合物の代表例であるイミ
ダゾリノン化合物の合成法に関して、これまでにいくつ
かの報告がなされている。代表的な合成法としてTetrah
edron,6375(1989)に記載の分子内Aza-Wittig反応を鍵反
応とした環化法がある。下記に、従来のイミダゾリノン
化合物の合成法であるTetrahedron,6375(1989)に記載の
合成スキームの一例を以下に示す。
【0004】
【化4】
【0005】この合成法では、猛毒性かつ爆発性のアジ
化ナトリウムの使用が必要不可欠であるという問題があ
る。また、2位(後述する本発明の目的化合物である一
般式(I)におけるR1の位置)に電子求引性の置換基
が導入されたイミダゾリノン化合物を製造しようとする
と、上記の反応中間体であるジアシルアミノ体が不安定
であるために、合成できないという問題もあった。この
ため、含窒素へテロ環化合物の合成法にはいまだ改善の
余地が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、含窒素へテロ環化合物を収
率よく安全に製造する方法を提供することを課題とし
た。特に、電子求引性の置換基を有する含窒素へテロ環
化合物を、含窒素アジ化ナトリウムなどの有害物質を使
用することなく、安全に製造することが可能な方法を提
供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討を重
ねた結果、一般式(II)で表される化合物と一般式
(III)で表される化合物とを反応させることによ
り、所望の位置に電子求引性の置換基が導入された化合
物を安全で効率よく製造できることを見出し、本発明に
到達した。
【0008】すなわち本発明は、下記一般式(I)で表
される化合物の製造方法であって;下記一般式(II)
で表わされる化合物と、下記一般式(III)で表され
る化合物とを反応させて、下記一般式(IV)で表され
る化合物を製造し;得られた一般式(IV)で表される
化合物をアルカリ加水分解することにより下記一般式
(V)で表される化合物を製造し;さらに、得られた一
般式(V)で表される化合物を酸加水分解することによ
り一般式(I)で表される化合物を製造する工程を含む
ことを特徴とする製造方法を提供する。
【化5】 (式中、R1〜R6はそれぞれ独立に置換基を表し、R1
とR2は互いに結合して環状構造を形成していてもよ
く、R5とR6は互いに結合して環状構造を形成していて
もよく、Yは連結基または単結合を表し、Mは水素原
子、金属原子、4級アンモニウム基または4級ホスホニ
ウム基を表す。)
【0009】また本発明は、下記一般式(V)で表され
る化合物の製造方法であって;下記一般式(II)で表
わされる化合物と、下記一般式(III)で表される化
合物とを反応させて、下記一般式(IV)で表される化
合物を製造し;得られた一般式(IV)で表される化合
物をアルカリ加水分解することにより下記一般式(V)
で表される化合物を製造する工程を含むことを特徴とす
る製造方法を提供する。
【化6】 (式中、R1〜R6、YおよびMは請求項1で定義したと
おりである。)
【0010】さらに本発明は、下記一般式(IV)で表
される化合物の製造方法であって;下記一般式(II)
で表わされる化合物と、下記一般式(III)で表され
る化合物とを反応させて、下記一般式(IV)で表され
る化合物を製造する工程を含むことを特徴とする製造方
法も提供する。
【化7】 (式中、R1〜R6およびYは請求項1で定義したとおり
である。)
【0011】なお、上記それぞれの製造方法において、
上記一般式(II)で表される化合物と上記一般式(I
II)で表される化合物との反応は、アセトニトリルま
たはアルコール系溶媒中で行うことが好ましい。また、
上記一般式(I)、(II)、(IV)および(V)に
おいて、Yは単結合であることが好ましく、この場合、
上記一般式(I)、(IV)および(V)は、それぞれ
イミダゾリノン化合物となる。さらに、上記一般式
(I)〜(V)において、R1は置換基を有していても
よいアルキル基、アリール基、アルコキシカルボニル
基、アシル基、アルキルチオカルボニル基、アリールチ
オカルボニル基またはカルバモイル基であり、R2は置
換基を有していてもよいアルキル基、アリール基または
ヘテロ環基であり、R3〜R6は置換基を有していてもよ
いアルキル基またはアリール基であることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の製造方法
について詳細に説明する。なお、本明細書において
「〜」はその前後に記載される数値をそれぞれ最小値お
よび最大値として含む範囲を意味する。
【0013】一般式(I)で表される化合物について詳
しく述べる。一般式(I)において、R1は置換基を表
し、置換基としては以下の基が挙げられる。例えば、ハ
ロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロ
アルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル
基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、ア
リール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、ニ
トロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキ
シ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオ
キシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基
(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボ
ニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリー
ルオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ
基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカ
プト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チ
オ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリ
ールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル
基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキ
シカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ
環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、
ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル
基が挙げられる。
【0014】更に詳しくは、ハロゲン原子(例えば、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アルキル基〔直鎖、
分岐、環状の置換もしくは無置換のアルキル基を表す。
それらは、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30のア
ルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチ
ル基、エイコシル基、2−クロロエチル基、2−シアノ
エチル基、2―エチルヘキシル基)、シクロアルキル基
(好ましくは、炭素数3〜30の置換または無置換のシ
クロアルキル基、例えば、シクロヘキシル基、シクロペ
ンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基)、ビシ
クロアルキル基(好ましくは、炭素数5〜30の置換も
しくは無置換のビシクロアルキル基、つまり、炭素数5
〜30のビシクロアルカンから水素原子を一個取り去っ
た一価の基である。例えば、ビシクロ[1,2,2]ヘ
プタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン
−3−イル基)、更に環構造が多いトリシクロ構造など
も包含するものである。以下に説明する置換基の中のア
ルキル基(例えばアルキルチオ基のアルキル基)もこの
ような概念のアルキル基を表す。]、アルケニル基[直
鎖、分岐、環状の置換もしくは無置換のアルケニル基を
表す。それらは、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜
30の置換または無置換のアルケニル基、例えば、ビニ
ル基、アリル基、プレニル基、ゲラニル基、オレイル
基)、シクロアルケニル基(好ましくは、炭素数3〜3
0の置換もしくは無置換のシクロアルケニル基、つま
り、炭素数3〜30のシクロアルケンの水素原子を一個
取り去った一価の基である。例えば、2−シクロペンテ
ン−1−イル基、2−シクロヘキセン−1−イル基)、
ビシクロアルケニル基(置換もしくは無置換のビシクロ
アルケニル基、好ましくは、炭素数5〜30の置換もし
くは無置換のビシクロアルケニル基、つまり二重結合を
一個持つビシクロアルケンの水素原子を一個取り去った
一価の基である。例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプ
ト−2−エン−1−イル基、ビシクロ[2,2,2]オ
クト−2−エン−4−イル基)を包含するものであ
る。]、アルキニル基(好ましくは、炭素数2〜30の
置換または無置換のアルキニル基、例えば、エチニル
基、プロパルギル基、トリメチルシリルエチニル基、ア
リール基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無
置換のアリール基、例えばフェニル基、p−トリル基、
ナフチル基、m−クロロフェニル基、o−ヘキサデカノ
イルアミノフェニル基)、ヘテロ環基(好ましくは5ま
たは6員の置換もしくは無置換の、芳香族もしくは非芳
香族のヘテロ環化合物から一個の水素原子を取り除いた
一価の基であり、更に好ましくは、炭素数3〜30の5
もしくは6員の芳香族のヘテロ環基である。例えば、2
−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2
−ベンゾチアゾリル基)、シアノ基、ヒドロキシル基、
ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基(好ましく
は、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルコキシ
基、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、tert−ブトキシ基、n−オクチルオキシ基、2
−メトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(好ましく
は、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアリールオ
キシ基、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ
基、4−tert−ブチルフェノキシ基、3−ニトロフ
ェノキシ基、2−テトラデカノイルアミノフェノキシ
基)、シリルオキシ基(好ましくは、炭素数3〜20の
シリルオキシ基、例えば、トリメチルシリルオキシ基、
tert−ブチルジメチルシリルオキシ基)、ヘテロ環
オキシ基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは
無置換のヘテロ環オキシ基、1−フェニルテトラゾール
ー5−オキシ基、2−テトラヒドロピラニルオキシ
基)、アシルオキシ基(好ましくはホルミルオキシ基、
炭素数2〜30の置換もしくは無置換のアルキルカルボ
ニルオキシ基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換の
アリールカルボニルオキシ基、例えば、ホルミルオキシ
基、アセチルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ステアロ
イルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、p−メトキシフェ
ニルカルボニルオキシ基)、カルバモイルオキシ基(好
ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のカル
バモイルオキシ基、例えば、N,N−ジメチルカルバモ
イルオキシ基、N,N−ジエチルカルバモイルオキシ
基、モルホリノカルボニルオキシ基、N,N−ジ−n−
オクチルアミノカルボニルオキシ基、N−n−オクチル
カルバモイルオキシ基)、アルコキシカルボニルオキシ
基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換
アルコキシカルボニルオキシ基、例えばメトキシカルボ
ニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、tert
−ブトキシカルボニルオキシ基、n−オクチルカルボニ
ルオキシ基)、アリールオキシカルボニルオキシ基(好
ましくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリ
ールオキシカルボニルオキシ基、例えば、フェノキシカ
ルボニルオキシ基、p−メトキシフェノキシカルボニル
オキシ基、p−n−ヘキサデシルオキシフェノキシカル
ボニルオキシ基)、アミノ基(好ましくは、アミノ基、
炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキルアミノ
基、炭素数6〜30の置換もしくは無置換のアニリノ
基、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミ
ノ基、アニリノ基、N−メチル−アニリノ基、ジフェニ
ルアミノ基)、アシルアミノ基(好ましくは、ホルミル
アミノ基、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアル
キルカルボニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしく
は無置換のアリールカルボニルアミノ基、例えば、ホル
ミルアミノ基、アセチルアミノ基、ピバロイルアミノ
基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、3,
4,5−トリ−n−オクチルオキシフェニルカルボニル
アミノ基)、アミノカルボニルアミノ基(好ましくは、
炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアミノカルボニ
ルアミノ基、例えば、カルバモイルアミノ基、N,N−
ジメチルアミノカルボニルアミノ基、N,N−ジエチル
アミノカルボニルアミノ基、モルホリノカルボニルアミ
ノ基)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭
素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカルボニ
ルアミノ基、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エ
トキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボ
ニルアミノ基、n−オクタデシルオキシカルボニルアミ
ノ基、N−メチルーメトキシカルボニルアミノ基)、ア
リールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは、炭素数
7〜30の置換もしくは無置換のアリールオキシカルボ
ニルアミノ基、例えば、フェノキシカルボニルアミノ、
p−クロロフェノキシカルボニルアミノ基、m−n−オ
クチルオキシフェノキシカルボニルアミノ基)、スルフ
ァモイルアミノ基(好ましくは、炭素数0〜30の置換
もしくは無置換のスルファモイルアミノ基、例えば、ス
ルファモイルアミノ基、N,N−ジメチルアミノスルホ
ニルアミノ基、N−n−オクチルアミノスルホニルアミ
ノ基)、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基(好
ましくは炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキ
ルスルホニルアミノ基、炭素数6〜30の置換もしくは
無置換のアリールスルホニルアミノ基、例えば、メチル
スルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、フェ
ニルスルホニルアミノ基、2,3,5−トリクロロフェ
ニルスルホニルアミノ基、p−メチルフェニルスルホニ
ルアミノ基)、メルカプト基、アルキルチオ基(好まし
くは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換のアルキル
チオ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ヘキ
サデシルチオ基)、アリールチオ基(好ましくは炭素数
6〜30の置換もしくは無置換のアリールチオ基、例え
ば、フェニルチオ基、p−クロロフェニルチオ基、m−
メトキシフェニルチオ基)、ヘテロ環チオ基(好ましく
は炭素数2〜30の置換または無置換のヘテロ環チオ
基、例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、1−フェニ
ルテトラゾール−5−イルチオ基)、スルファモイル基
(好ましくは炭素数0〜30の置換もしくは無置換のス
ルファモイル基、例えば、N−エチルスルファモイル
基、N−(3−ドデシルオキシプロピル)スルファモイ
ル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N−アセチ
ルスルファモイル基、N−ベンゾイルスルファモイル
基、N−(N‘−フェニルカルバモイル)スルファモイ
ル基)、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル
基(好ましくは、炭素数1〜30の置換または無置換の
アルキルスルフィニル基、6〜30の置換または無置換
のアリールスルフィニル基、例えば、メチルスルフィニ
ル基、エチルスルフィニル基、フェニルスルフィニル
基、p−メチルフェニルスルフィニル基)、アルキル及
びアリールスルホニル基(好ましくは、炭素数1〜30
の置換または無置換のアルキルスルホニル基、6〜30
の置換または無置換のアリールスルホニル基、例えば、
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、フェニルス
ルホニル基、p−メチルフェニルスルホニル基)、アシ
ル基(好ましくはホルミル基、炭素数2〜30の置換ま
たは無置換のアルキルカルボニル基、炭素数7〜30の
置換もしくは無置換のアリールカルボニル基、炭素数4
〜30の置換もしくは無置換の炭素原子でカルボニル基
と結合しているヘテロ環カルボニル基、例えば、アセチ
ル基、ピバロイル基、2−クロロアセチル基、ステアロ
イル基、ベンゾイル基、p−n−オクチルオキシフェニ
ルカルボニル基、2―ピリジルカルボニル基、2―フリ
ルカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(好ま
しくは、炭素数7〜30の置換もしくは無置換のアリー
ルオキシカルボニル基、例えば、フェノキシカルボニル
基、o−クロロフェノキシカルボニル基、m−ニトロフ
ェノキシカルボニル基、p−tert−ブチルフェノキ
シカルボニル基)、アルコキシカルボニル基(好ましく
は、炭素数2〜30の置換もしくは無置換アルコキシカ
ルボニル基、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシ
カルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−
オクタデシルオキシカルボニル基)、カルバモイル基
(好ましくは、炭素数1〜30の置換もしくは無置換の
カルバモイル基、例えば、カルバモイル基、N−メチル
カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、
N,N−ジ−n−オクチルカルバモイル基、N−(メチ
ルスルホニル)カルバモイル基)、アリール及びヘテロ
環アゾ基(好ましくは炭素数6〜30の置換もしくは無
置換のアリールアゾ基、炭素数3〜30の置換もしくは
無置換のヘテロ環アゾ基、例えば、フェニルアゾ基、p
−クロロフェニルアゾ基、5−エチルチオ−1,3,4
−チアジアゾール−2−イルアゾ基)、イミド基(好ま
しくは、N−スクシンイミド基、N−フタルイミド
基)、ホスフィノ基(好ましくは、炭素数2〜30の置
換もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、ジメチルホ
スフィノ基、ジフェニルホスフィノ基、メチルフェノキ
シホスフィノ基)、ホスフィニル基(好ましくは、炭素
数2〜30の置換もしくは無置換のホスフィニル基、例
えば、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホスフィニル
基、ジエトキシホスフィニル基)、ホスフィニルオキシ
基(好ましくは、炭素数2〜30の置換もしくは無置換
のホスフィニルオキシ基、例えば、ジフェノキシホスフ
ィニルオキシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオキシ
基)、ホスフィニルアミノ基(好ましくは、炭素数2〜
30の置換もしくは無置換のホスフィニルアミノ基、例
えば、ジメトキシホスフィニルアミノ基、ジメチルアミ
ノホスフィニルアミノ基)、シリル基(好ましくは、炭
素数3〜30の置換もしくは無置換のシリル基、例え
ば、トリメチルシリル基、tert−ブチルジメチルシ
リル基、フェニルジメチルシリル基)を表わす。
【0015】R1を表す上記基の中で、水素原子を有す
るものは、これを取り去り更に上記の基で置換されてい
てもよい。さらに置換基を有することができる基R1
例としては、アルキルカルボニルアミノスルホニル基、
アリールカルボニルアミノスルホニル基、アルキルスル
ホニルアミノカルボニル基、アリールスルホニルアミノ
カルボニル基が挙げられる。置換基を有するR1の例と
しては、メチルスルホニルアミノカルボニル基、p−メ
チルフェニルスルホニルアミノカルボニル基、アセチル
アミノスルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニル基が
挙げられる。
【0016】R1として好ましくはアルキル基、アリー
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルチ
オカルボニル基、アリールチオカルボニル基またはカル
バモイル基であり、特に好ましくはアルキル基、アリー
ル基またはカルバモイル基である。
【0017】なお、本発明の製造方法は、特にR1が電
子求引性の置換基であっても、効率よく安全に製造する
ことができる点に1つの特徴がある。本明細書において
「電子求引性の置換基」とは、ハメットのσpが正の値
をとる置換基である。具体的には、シアノ基、アルコキ
シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバ
モイル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、
アリールスルホニル基、アルキルホスホリル基、スルホ
キシド基、アシル基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ハロ
ゲン化アルキル基、ホスホリル基等が挙げられるがこれ
らに限定されるものではない。
【0018】一般式(I)において、R2は置換基を表
し、置換基としては一般式(I)のR1と同義である。
2として好ましくはアルキル基、アリール基またはヘ
テロ環基であり、特に好ましくはアルキル基またはアリ
ール基である。一般式(I)において、R1およびR
2は、拡散性を低下させるために、置換基として写真用
素材で一般的に使用されるバラスト基や銀塩への吸着基
や水溶性を付与する基を有していてもよい。R1および
2は分子間で互いに重合してポリマーを形成してもよ
いし、置換基同士が結合してビス型、トリス型、テトラ
キス型を形成してもよい。また、R1およびR2は分子内
で互いに結合して環状構造を形成していてもよい。
【0019】一般式(I)において、Yは隣接する窒素
原子およびメチレン基の炭素原子とを連結するのに必要
な原子団(連結基)または単結合を表す。Yが単結合で
ある場合は、一般式(I)で表される化合物はイミダゾ
リノン化合物となる。Yが連結基である場合は、6〜1
0員環を形成し得る非金属連結基であることが好まし
い。その環は1〜5個の金属原子以外の原子から構成さ
れ、これらの原子は単結合あるいは2重結合で結合され
ており、環を構成する各原子は水素原子あるいは任意の
置換基を有していてもよい。環がさらに置換基を有する
場合における置換基の種類は、一般式(I)のR1と同
義である。Yによって形成される5〜10員環は、飽和
または不飽和のヘテロ環であり、該ヘテロ環は単環であ
っても、縮合環であってもよい。Yは好ましくは単結合
または6員環を形成するのに必要な原子団であり、特に
好ましくは単結合により5員環を形成する場合である。
【0020】次に、一般式(I)で表される化合物の好
ましい具体例を挙げるが、本発明の方法によって製造さ
れうる化合物はこれらに限定されない。
【0021】
【化8】
【0022】次に、一般式(V)について詳しく述べ
る。一般式(V)中のR1、R2およびYの定義について
は、一般式(I)おけるものと同義である。一般式
(V)において、Mは水素原子、金属原子、4級アンモ
ニウム基または4級ホスホニウム基を表し、好ましく
は、アルカリ金属原子(例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム、セシウム等)、アルカリ土類金属原子
(例えば、マグネシウム、カルシウム等)、銀原子、亜
鉛原子、4級アンモニウム基(例えば、テトラエチルア
ンモニウム、テトラ−N−ヘプチルアンモニウム、ジメ
チルセチルベンジルアンモニウム等)または4級ホスホ
ニウム基である。より好ましくは、アルカリ金属原子ま
たはアルカリ土類金属であり、特に好ましくはアルカリ
金属である。
【0023】次に、一般式(V)で表される化合物の好
ましい具体例を挙げるが、本発明の方法によって製造さ
れうる化合物はこれらに限定されない。
【0024】
【化9】
【0025】
【化10】
【0026】
【化11】
【0027】
【化12】
【0028】一般式(II)について詳しく述べる。一
般式(II)中のR1、R2およびYの定義については、
一般式(I)と同義である。一般式(II)において、
3は置換基を表し、置換基としては一般式(I)のR1
と同義である。R3として好ましくは、アルキル基また
はアリール基であり、より好ましくはアルキル基であ
り、特に好ましくは、メチル基、エチル基またはter
t−ブチル基である。
【0029】一般式(II)で表される化合物は、置換
基の種類によっては、互変異性体として存在することが
ある。純粋な形態の任意の互変異性体、互変異性体の任
意の混合物は、いずれも一般式(II)で表される化合
物に包含される。
【0030】一般式(III)について詳しく述べる。
一般式(III)において、R4は置換基を表し、置換
基としては一般式(I)のR1と同義である。R4として
好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基
またはアリール基であり、より好ましくはアルキル基で
あり、特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ネオペン
チル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または2−トリ
メチルシリルエチル基である。
【0031】一般式(III)において、R5およびR6
はそれぞれ独立に置換基を表し、置換基としては一般式
(I)のR1と同義である。R5およびR6として好まし
くは、アルキル基またはアリール基であり、より好まし
くは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基またはフェニル基
であり、特に好ましくは、メチル基である。なお、一般
式(III)において、R5およびR6は互いに結合して
環状構造を形成していてもよい。
【0032】次に、一般式(III)で表される化合物
の好ましい具体例を挙げるが、本発明の方法において用
いることができる化合物はこれらに限定されない。
【0033】
【化13】
【0034】次に一般式(II)で表わされる化合物と
一般式(III)で表される化合物から一般式(IV)
で表される化合物を製造する方法について詳しく述べ
る。
【0035】一般式(III)で表される化合物の量は
適宜選択可能であるが、通常は一般式(II)で表わさ
れる化合物に対して0.5〜50モル程度を用いること
ができ、より好ましくは0.8〜10モル程度であり、
特に好ましくは1.0〜5.0モル程度を用いることが
できる。
【0036】一般式(IV)で表される化合物を製造す
るに当たり、反応は無溶媒でも進行するが、有機溶媒を
用いてもよい。有機溶媒の種類は反応系に応じて適宜選
択することが可能であるが、例えば、アセトニトリル、
アルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプ
ロピルアルコール等)、塩化メチレン、クロロホルム、
酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、ヘキサン、ジエチル
エーテル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAC)、又はN,N−ジメチルイミダゾリジノン
(DMI)、スルホランが挙げられる。これらの溶媒を
適宜組み合わせて混合物として用いてもよい。この反応
における有機溶媒として好ましくは、アセトニトリル、
アルコール、N,N−ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)であ
り、より好ましくはアセトニトリルまたはアルコールで
あり、特に好ましくはアルコールである。また、用いる
有機溶媒の使用量は特に限定されず、反応系の種類など
に応じて適宜選択することができるが、通常は一般式
(II)の化合物に対して有機溶媒を重量比でそれぞれ
0〜100倍程度が適当であり、0〜50倍が好まし
く、特に好ましくは0〜10倍程度である。
【0037】この反応における反応温度は特に限定され
ず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて
適宜選択できるが、通常は−20℃〜150℃程度であ
り、好ましくは、0℃〜120℃、特に好ましくは20
℃〜100℃である。反応時間も特に限定されないが、
通常は1分〜24時間、好ましくは5分〜12時間、さ
らに好ましくは10分〜3時間程度である。一般式(I
I)で表わされる化合物と一般式(III)で表される
化合物の反応系内への添加順序は任意であり、特に限定
されない。
【0038】次に一般式(IV)で表される化合物から
アルカリ加水分解により一般式(V)で表される化合物
を製造する方法について詳しく述べる。一般式(IV)
で表される化合物を反応させる際には、塩基の添加が必
須である。
【0039】塩基としては、有機塩基または無機塩基の
いずれを用いてもよいが、無機塩基が好ましい。例え
ば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リ
チウム、あるいはこれらの混合物を用いることができ
る。より好ましい塩基は、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウムまたは水酸化リチウムである。使用する塩基の量
は特に限定されないが、通常は一般式(IV)で表され
る化合物に対して0.1〜50モル程度を用いることが
でき、好ましくは0.5〜10モル程度、特に好ましく
は0.95〜3.0モル程度を用いることができる。
【0040】この反応に用いられる有機溶媒の種類は特
に限定されず、反応系に応じて適宜選択することが可能
であるが、例えば、アセトニトリル、アルコール(例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等)、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DM
AC)、又はN,N−ジメチルイミダゾリジノン(DM
I)、スルホランが挙げられる。これらの溶媒を適宜組
み合わせて混合物として用いてもよい。この反応におけ
る有機溶媒として好ましくは、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(D
MAC)であり、特に好ましくは、メタノールまたはエ
タノールである。また、用いる有機溶媒の使用量は特に
限定されず、反応系の種類により適宜選択することがで
きるが、通常は一般式(IV)の化合物に対して有機溶
媒を重量比でそれぞれ0.5〜100倍が適当であり、
1.0〜50倍が好ましく、特に好ましくは1.0〜1
0倍程度用いることができる。
【0041】この反応における反応温度は特に限定され
ず、反応系の種類や反応種の化合物の濃度などに応じて
適宜選択できるが、通常は0℃〜150℃程度であり、
好ましくは、0℃〜120℃、特に好ましくは20℃〜
80℃である。反応時間も特に限定されないが、通常は
1分〜24時間、好ましくは5分〜12時間、さらに好
ましくは10分〜1時間程度である。一般式(IV)で
表わされる化合物と塩基の反応系内への添加順序は任意
であり、特に限定されない。
【0042】次に一般式(V)で表される化合物から酸
加水分解により一般式(I)で表される化合物を製造す
る方法について詳しく述べる。一般式(V)で表される
化合物を反応させる際には、酸の添加が必須である。
【0043】酸としては、ブレンステッド酸またはルイ
ス酸のいずれを用いてもよいが、好ましくはブレンステ
ッド酸が用いられる。例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン
酸、過塩素酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、あるいはこ
れらの混合物として用いることができる。より好ましい
酸は、塩酸、トリフルオロ酢酸またはp−トルエンスル
ホン酸であり、特に好ましい酸は塩酸である。使用する
酸の量は特に限定されないが、通常は一般式(V)で表
される化合物に対して0.01〜50モル程度を用いる
ことができ、好ましくは0.05〜20モル、特に好ま
しくは0.1〜10モル程度を用いることができる。
【0044】この反応に用いられる溶媒の種類は反応系
に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、ア
セトニトリル、アルコール(例えば、メタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール等)、塩化メチレン、
クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、ベンゼン、ヘキ
サン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、N,N
−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチル
アセトアミド(DMAC)、又はN,N−ジメチルイミ
ダゾリジノン(DMI)、スルホランおよび水が挙げら
れる。これらの溶媒を適宜組み合わせて混合物として用
いてもよい。この反応における溶媒として好ましくは、
テトラヒドロフラン、アセトニトリル、アルコール、
N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジ
メチルアセトアミド(DMAC)などの有機溶媒と水の
混合物が挙げられる。より好ましくはN,N−ジメチル
ホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミ
ド(DMAC)、アルコールなどの有機溶媒と水の混合
物である。また、用いる有機溶媒および水の使用量は特
に限定されず、反応系の種類などに応じて適宜選択する
ことができるが、通常は一般式(V)の化合物に対して
有機溶媒および水を重量比でそれぞれ0.1〜100倍
程度が適当であり、0.5〜50倍が好ましく、特に好
ましくは1〜10倍程度である。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明の特徴をさらに
具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、
割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱し
ない限り適宜変更することができる。したがって、本発
明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈される
べきものではない。
【0046】一般式(I)において、R1がトリフルオ
ロメチル基であり、Yが単結合であるイミダゾリノン化
合物(例示化合物A−1)の合成スキームを以下に示
し、反応工程毎に詳細に説明する。
【0047】
【化14】
【0048】(1)化合物(F−1):一般式(II)
で表される化合物の製造中間体の合成 トリフェニルホスフィン103.5g(0.396mo
l)に四塩化炭素63.3mL(0.66mol)とト
リエチルアミン21.9mL(0.159mol)を溶
解させて氷冷で10分間攪拌した。さらにトリフルオロ
酢酸10.2mL(0.132mol)を添加して10
分間攪拌した後、p−アニシジン19.4g(0.15
9mol)を四塩化炭素63.3mL(0.66mo
l)に溶解させた混合液を反応液に滴下した。滴下終了
後、反応液を3時間加熱還流し室温まで冷却した。ヘキ
サン700mLを加え激しく攪拌した後、不溶物である
トリフェニルホスフィンオキシドとトリエチルアミン塩
酸塩をろ過により除去して、ろ液を濃縮した。この濃縮
液にヘキサン300mLを加えさらに不溶物を除去し、
再度ろ液を濃縮し化合物(F−1)を37g(オイル、
収率99%)で得た。下記に化合物(F−1)のNMR
データを示す。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ7.30
−7.37(m,2H),6.93−7.02(m,2
H),3.85(s,3H)
【0049】(2)化合物(F−2):一般式(II)
で表される化合物の合成 上記で得られた化合物(F−1)23.8g(0.1m
ol)とグリシンエチルエステル塩酸塩14.0g
(0.1mol)にアセトニトリル200mLを添加し
室温で攪拌した。この反応液にトリエチルアミン28m
L(0.2mol)を室温でゆっくり滴下した。室温で
30分間攪拌した後、酢酸エチル200mLを加え、不
溶物のトリエチルアミン塩酸塩をろ過により除去し、ろ
液を濃縮した。この濃縮液をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーによる精製を行い化合物(F−2)を26.
4g(オイル、収率87%)で得た。下記に化合物(F
−2)のNMRデータを示す。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ6.6−
6.9(m,4H),5.4−5.8(m,1H),
3.7−4.4(m,7H),1.2−1.4(m,3
H)
【0050】(3)化合物(F−3):一般式(IV)
で表される化合物の合成 上記で得られた化合物(F−2)24.4g(0.08
mol)をアセトニトリル500mLに溶解させ、N,
N−ジメチルホルムアミド−ジメチルアセタール31.
5mL(0.24mol)を添加した。反応液を30分
間加熱還流した後、反応液を濃縮し、そのままシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーによる精製、さらに酢酸エ
チルとヘキサンの1:4混合溶媒による再結晶化を行い
化合物(F−3)を16.6g(収率66%、白色結
晶)で得た。下記に化合物(F−3)のNMRデータを
示す。1 H NMR(300MHz、CDCl3):δ7.42
(s,1H),7.1−7.3(m,2H),6.9−
7.0(m,2H),3.82(s,3H),3.61
(s,3H),3.29(s,3H)
【0051】(4)例示化合物(D−1):一般式
(V)で表される化合物の合成 上記で得られた化合物(F−3)6.0g(19.2m
mol)にメタノール18mLと5mol/Lの水酸化
ナトリウム水溶液3.8mLを室温で添加した後、30
分間加熱還流した。反応液を濃縮し、水による再結晶化
を行い例示化合物(D−1)を3.2g(収率54%、
白色結晶)で得た。下記に例示化合物(D−1)の質量
分析データを示す。 MS:m/e 285(M−Na,100%)
【0052】(5)例示化合物(A−1):一般式
(I)で表される化合物の合成 上記で得られた例示化合物(D−1)3.2g(10.
4mmol)にメタノール32mLと1mol/Lの塩
酸水溶液1.6mLを添加し、40℃で3日間加熱攪拌
した。この反応液を氷水160mLに注ぎ、析出した結
晶を濾過して例示化合物(A−1)を2.3g(収率8
6%、白色結晶)で得た。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、含窒素へテロ環化合物
を収率よく安全に製造することができる。特に、写真分
野において有用な電子求引性の置換基を有する含窒素へ
テロ環化合物であっても、含窒素アジ化ナトリウムなど
の有害物質を使用することなく安全に製造することがで
きる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物の製
    造方法であって;下記一般式(II)で表わされる化合
    物と、下記一般式(III)で表される化合物とを反応
    させて、下記一般式(IV)で表される化合物を製造
    し、 得られた一般式(IV)で表される化合物をアルカリ加
    水分解することにより下記一般式(V)で表される化合
    物を製造し、さらに、 得られた一般式(V)で表される化合物を酸加水分解す
    ることにより一般式(I)で表される化合物を製造する
    工程を含むことを特徴とする製造方法。 【化1】 (式中、R1〜R6はそれぞれ独立に置換基を表し、R1
    とR2は互いに結合して環状構造を形成していてもよ
    く、R5とR6は互いに結合して環状構造を形成していて
    もよく、Yは連結基または単結合を表し、Mは水素原
    子、金属原子、4級アンモニウム基または4級ホスホニ
    ウム基を表す。)
  2. 【請求項2】 下記一般式(V)で表される化合物の製
    造方法であって;下記一般式(II)で表わされる化合
    物と、下記一般式(III)で表される化合物とを反応
    させて、下記一般式(IV)で表される化合物を製造
    し、 得られた一般式(IV)で表される化合物をアルカリ加
    水分解することにより下記一般式(V)で表される化合
    物を製造する工程を含むことを特徴とする製造方法。 【化2】 (式中、R1〜R6、YおよびMは請求項1で定義したと
    おりである。)
  3. 【請求項3】 下記一般式(IV)で表される化合物の
    製造方法であって;下記一般式(II)で表わされる化
    合物と、下記一般式(III)で表される化合物とを反
    応させて、下記一般式(IV)で表される化合物を製造
    する工程を含むことを特徴とする製造方法。 【化3】 (式中、R1〜R6およびYは請求項1で定義したとおり
    である。)
  4. 【請求項4】 一般式(II)で表される化合物と一般
    式(III)で表される化合物との反応をアセトニトリ
    ルまたはアルコール系溶媒中で行うことを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(I)、(II)、(IV)およ
    び(V)において、Yが単結合であることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 一般式(I)〜(V)において、R1
    置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、ア
    ルコキシカルボニル基、アシル基、アルキルチオカルボ
    ニル基、アリールチオカルボニル基またはカルバモイル
    基であり、R2が置換基を有していてもよいアルキル
    基、アリール基またはヘテロ環基であり、R 3〜R6がそ
    れぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基また
    はアリール基である請求項1〜5のいずれかに記載の製
    造方法。
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