JP5180401B1 - 埋め込み式の電源コンセント - Google Patents
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Abstract
【解決手段】開口端101を有する有底の窪み部10と、壁面と平行に延びる取付枠12とを備える。窪み部10は、開口端101から底部に向かう面が曲面状に成形されている。底部には、電源コードの差込プラグ52を差し込むためのプラグ受け部11が変位自在に設けられている。取付枠12には、差込プラグ52から延設されるコード部53を収容可能な複数の溝121と、カバー13をネジ止め固定することなく係合させる係合機構122とが形成されている。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された電源コンセント(コンセントにおける電気設備の工法)では、埋め込み取付枠を差込プラグが収納できるように凹面加工することで、家具等の配置の際に無駄な隙間をつくる必要性を無くしている。また、埋め込み取付枠の外周部周辺にコード保持部やコードガイド溝などを設けた後、カバー(化粧板)をネジ止め固定することで、抜差プラグから延設された電源コードが引き抜かれてしまうことを防いでいる。
例えば、エアコンや電気掃除機などの大電力製品の電源コードのように、差込プラグの背面側に固定的に延設され、しかも太くて変形しにくい電源コードを使用すると、特許文献1に開示された電源コンセントでは、窪みに収まりきれず、突出する場合がある。この場合、電源コードを無理に挫屈させながら収容して蓋でネジ止めすると、電源コードを被覆する絶縁材に負荷がかかり、あるいは、絶縁材が変質し、漏電を引き起こすおそれがある。窪みの奥行きを大きくすれば、この問題は解消され得るが、取付面の奥行きを十分に確保できない場合には奥行きの調整で対応することができない。特許文献3に開示された電源コンセントも同様であり、使用時には、差込受け部の高さ(長さ)分の奥行きが壁面側にさらに必要となるので、特許文献1に開示された電源コンセントの場合よりも、取付面の奥行きをより大きく確保できない場合には、対応することができない。
さらに、どの電源コンセントも、窪みが角状になっているため、カビ等の汚れが発生し、それが付着した場合に、清掃しにくいという問題がある。
窪み部は、開口端から底部に向かう面のうちゴミ又は埃が蓄積する部分が凹曲面状に成形されており、前記底部には、電源コードの差込プラグを差し込むためのプラグ受け部が変位自在に設けられており、前記取付枠には、それぞれ前記差込プラグを、前記壁面への装着時に当該差込プラグから延設されるコード部を収容可能な複数の鉛直下方及びその左右斜め下方となる方向に直線的に延びる溝と、これらの溝及び前記窪み部の開口端を開閉自在に蓋するカバーをネジ止め固定することなく係合させる係合機構とが形成されていることを特徴とする。
差込口は、例えば、壁面への装着時に、鉛直下方及びその左右斜め下方を指向する。係合機構は、例えば、カバーの端部を把持しつつ当該カバーを壁面と平行に案内することで複数の溝及び開口端を開閉させるカバー把持部を備える。
また、窪み部の開口端から底部に向かう面の一部又は全部が凹曲面状に成形されているので、装飾的に優れるばかりでなく、カビ等が付着しても、それを容易に清掃することができるという効用がある。底部には、プラグ受け部が変位自在に設けられているので、差込プラグが差込時に無理のない姿態となり、コード部等にかかるストレスが軽減される。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の電源コンセントの外観斜視図である。
この電源コンセント1は、部屋の壁面の所定部位に設けられるコンセント取付孔に装着されるものである。コンセント取付孔に装着されている既存の電源コンセントと交換して装着することもできる。壁面の裏側には商用電力線が敷設されており、この電源コンセント1を通じて電化製品の電源コード50に商用電力が供給できるようになっている。
電源コード50は、1対の電気接点が突出する差込口51が形成された差込プラグ52と、この差込プラグ52の背面側(つまり差込口51の反対側)から延設されたコード部53とを有する一般的なものであるが、回転式プラグやL型プラグを有するものであっても構わない。
なお、回動ガイド1117は、自由端としても良いし、ネジ止めにより緩締固定しても良い。
カバー13は約1[mm]程度の薄板状の化粧板であり、壁面のデザインに合わせて任意に選定することができる。また、適宜、交換することができる。カバー13の形状は、取付枠12の外周とほぼ同じであるが、電源コンセント1の装着時に上部となる位置が鉤状に成形されていることが望ましい。つまり、その断面が逆L字状に成形されていることが望ましい。これは、窪み部10へのゴミや埃の侵入を抑制するためである。
コード部53は、複数の溝121のうち最短で届く溝に収容される。このとき、プラグ受け部11の回動機構が作用して、差込プラグ52又はコード部53の始端(差込プラグ52の付け根の部分)の変形が最小となるまで、プラグ受け部11が自律的に回動する。この状態で、カバー13で蓋される。
電源コード50を取り外すときは、カバー13を上方にスライドさせて開き、プラグ52をプラグ受け部11より抜く。その後、カバー13を閉じて、次回の使用に備える。
(1)取付枠12に形成される複数の溝121が、壁面への装着時に鉛直下方及びその左右斜め下方を指向するので、使用中に、ゴミや埃が溝の内壁に遮られて窪み部10に侵入しにくくなる。
(2)窪み部10の開口端101から底部102に向かう面が曲面なので、仮に、ゴミ、埃等が侵入し、あるいはカビが付着した場合においても、掃除しやすくなる。これにより、漏電等の発生を確実に防止することができる。
(3)電源コード50、特に差込プラグ52のサイズ、材質、構造に応じて最短となる溝121にコード部53を案内し、コード部53を窪み部10の曲面に沿って収容することができ、さらに、プラグ受け部11が、電源コード50の変形が最小になるまで自律的に回動するので、電源コード50の姿態が自らの変形を抑制するように変位し、該変形に伴う事故の発生が抑制される。
(4)使用時には、差込プラグ52を窪み部50のプラグ受け部11に差し込み、コード部53を溝121に収容した状態で、カバー13を係合機構122に係合(スライド)させ蓋するだけなので、電源コンセント1の前方に必ずしも十分なスペースがなくとも、差込プラグ52の抜き差しが容易であり、作業性(使用感)が従来の電源コンセントよりも格段に向上する。
(5)カバー13が取付枠12から離脱自在となっているので、壁面が白であれば、その色に合わせたものを付け替えることで、インテリアデザインの改善にも貢献する。
図6は、本発明の第2実施形態に係る電源コンセントの外観斜視図である。この電源コンセント2は、プラグ受け部21の構成が第1実施形態の電源コンセント1のものと異なる。そのため、図1〜図5に示した第1実施形態の電源コンセント1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。カバー13についても図示及びその説明を省略する。
電源コンセント2のプラグ受け部21は、電気接点が差し込まれるプラグ受け面211を有するソケット212と、このソケット212を、壁面と平行、すなわち取付枠12と平行に設けられた軸を中心として回動させる回動機構213とを含んで構成される。
図9は、本発明の第3実施形態に係る電源コンセントの外観斜視図である。また、図10は、この電源コンセントの使用状態を示す断面図である。
この電源コンセント3は、窪み部30の形状及びプラグ受け部31の構成が第1実施形態の電源コンセント1のものと異なる。そのため、図1〜図5に示した第1実施形態の電源コンセント1と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。カバー13についても省略する。
回動機構313は、窪み部30の底面に孔を設けるとともに、ソケット312の背面側にネジを突出させ、このネジを窪み部30の孔を貫通させて、その背面側でボルトで緩締固定すれば良い。
但し、必ずしもそのようにしなければならないものではなく、図1及び図5に示した電源コンセント1,2と同様、開口端から底部に向かうすべての面を曲面にしても良い。
本発明の電源コンセントは、第1ないし第3実施形態のほかに、種々の態様の変形例が可能である。例えば、第1ないし第3実施形態では、カバー13を壁面に対して平行にスライドさせる例を説明したが、図11に示すように、取付枠12に設けられた係合機構128に適合する孔を設け、この係合機構128に係止させる構造にしても良い。
また、第1ないし第3実施形態では、取付枠12が矩形状である場合の例を説明したが、部屋の壁面の所定部位に設けられるコンセント取付孔に装着可能な形状であれば、どのような形状のものであっても良い。例えば、楕円形、円形、矩形以外の多角形であっても良い。この場合のカバーは、窪み部の形状に適合する形状のものとする。
また、例えば図1の窪み部10は、未使用時、例えば製品として流通させるときは、折り畳まれた形状、例えば蛇腹状とし、壁面のコンセント取付孔へ押し込んだときに、曲面状になるようにしても良い。このような構造の電源コンセントは、未使用時の窪み部が薄くなるので、流通時の嵩張りを抑制することができる。
Claims (4)
- 壁面に装着される埋め込み式の電源コンセントであって、
開口端を有する有底の窪み部と、
この窪み部の開口端から外方へ前記壁面と平行に延びる取付枠とを備え、
前記窪み部は、開口端から底部に向かう面のうちゴミ又は埃が蓄積する部分が凹曲面状に成形されており、
前記底部には、電源コードの差込プラグを差し込むためのプラグ受け部が変位自在に設けられており、
前記取付枠には、それぞれ前記差込プラグを、前記壁面への装着時に当該差込プラグから延設されるコード部を収容可能な複数の鉛直下方及びその左右斜め下方となる方向に直線的に延びる溝と、これらの溝及び前記窪み部の開口端を開閉自在に蓋するカバーをネジ止め固定することなく係合させる係合機構とが形成されている、
埋め込み式の電源コンセント。 - 前記プラグ受け部は、前記窪み部の底部又はその背面側の所定部位に設けられた軸を中心に、前記差込プラグが差し込まれるプラグ差込口を回動させる回動機構を備えており、前記プラグ差込口へ前記差込プラグが差し込まれたときに前記回動機構により当該差込プラグ又は前記コード部の変形が最小となる位置まで自律的に回動する、
請求項1記載の電源コンセント。 - 前記差込口が、前記壁面への装着時に、鉛直下方及びその左右斜め下方を指向する、
請求項2記載の電源コンセント。 - 前記係合機構は、前記カバーの端部を把持しつつ当該カバーを前記壁面と平行に案内することで前記複数の溝及び開口端を開閉させるカバー把持部を備える、
請求項1、2又は3記載の電源コンセント。
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