JP5179289B2 - 回路基板固定装置および回路基板検査装置 - Google Patents

回路基板固定装置および回路基板検査装置 Download PDF

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Description

本発明は、回路基板を固定する回路基板固定装置、およびその回路基板固定装置を備えて回路基板に対する電気的検査を行う回路基板検査装置に関するものである。
この種の回路基板固定装置を備えた回路基板検査装置として、特許2899492号公報に開示された検査装置が知られている。この検査装置では、プリント基板固定装置(以下、「固定装置」ともいう)によって固定された回路基板(プリント基板)の測定ポイントに対して測定用プローブ(検査用プローブ)を接触させて、回路基板に対する検査が行われる。この場合、固定装置は、基台、可動基台、並びに基台および可動基台にそれぞれ配設された把持装置等を備えて構成されている。また、把持装置は、エアシリンダによって回動させられる伝達軸と、伝達軸のトルク(回動力)がリンクを介して伝達されることによって回動させられる可動爪と、可動爪と共に回路基板の端縁を把持(クランプ)する固定爪とを備えて構成されている。また、可動爪および固定爪は、回路基板の両端縁部の略全長に亘っての把持を可能とするため、長尺に形成されている。
特許2899492号公報(第2−4頁、第2−3図)
ところが、上記の検査装置には、以下の問題点がある。すなわち、この検査装置の固定装置では、長尺に形成された可動爪および固定爪によって回路基板の両端縁部をその略全長に亘って把持して回路基板を固定している。一方、多層型の回路基板の中には、各層の導体パターンの良否検査に用いられるテストクーポンが回路基板の縁部に形成されているものが存在する。この場合、この種の回路基板に対する検査を行う際には、回路基板を固定した状態で上記のテストクーポンにも検査用プローブを接触させる必要がある。しかしながら、従来の固定装置では、上記したように、可動爪および固定爪によって回路基板の両端縁部をその略全長に亘って把持しているため、テストクーポンに対する検査用プローブの接触が困難となるという問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、回路基板のテストクーポンに対する検査用プローブの接触を可能としつつ回路基板を確実に固定し得る回路基板固定装置および回路基板検査装置を提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく請求項1記載の回路基板固定装置は、基台と、当該基台に配設されて回路基板を固定する固定部とを備えた回路基板固定装置であって、前記基台は、前記固定部によって固定された前記回路基板の両面に対する検査用プローブの接触を可能とする略矩形の開口部が形成された基台本体を備えて構成され、前記固定部は、互いに対向すると共に前記開口部を臨むように前記基台に配設されて前記回路基板における第1縁部および当該第1縁部に対向する第2縁部をそれぞれ固定する第1固定機構および第2固定機構を備えて構成され、前記第1固定機構は、前記開口部における開口縁部の延在方向に平行な第1方向に沿って前記基台に並設されて前記第1縁部の各箇所をそれぞれクランプする複数のクランプ機構を備えて構成され、前記各クランプ機構は、前記第1方向に沿って移動可能に前記基台に配設された基体部と、前記開口部の中央部に向けて突出するように前記基体部に取り付けられた第1クランプ部と、前記第1クランプ部に対して接離する向きで回動可能に前記基体部に支持された本体部および当該本体部の前記第1方向における中央部位から前記開口部の中央部に向けて突出形成された突起部を有して前記第1クランプ部の先端部と当該突起部とで前記第1縁部をクランプする第2クランプ部とを備えてそれぞれ構成され、前記本体部は、前記第1方向に沿った長さが前記クランプ機構の前記第1方向に沿った最大の長さとなり、かつ隣接する他の前記クランプ機構の前記本体部と互いに離間した状態で並設可能に構成され、前記第1クランプ部は、前記第1方向に沿った長さが前記突起部の当該第1方向に沿った長さと同等に規定されている。
また、請求項2記載の回路基板固定装置は、請求項1記載の回路基板固定装置において、前記第2固定機構は、前記第1方向に沿って前記基台に並設されて前記第2縁部の各箇所をそれぞれクランプする複数の前記クランプ機構を備えて構成されている。
また、請求項3記載の回路基板固定装置は、請求項1または2記載の回路基板固定装置において、前記基台は、前記開口部を跨ぐようにして前記第1方向に沿って配設されると共に当該第1方向に直交する第2方向に沿って移動可能に構成された梁部材を備えて構成され、前記各クランプ機構は、前記梁部材に並設されている。
また、請求項4記載の回路基板検査装置は、請求項1から3のいずれかに記載の回路基板固定装置と、当該回路基板固定装置によって固定されている回路基板に対して検査用プローブを接触させるプロービング装置と、前記検査用プローブを介して入力した電気信号に基づいて前記回路基板に対する所定の電気的検査を実行する検査部とを備えている。
請求項1記載の回路基板固定装置では、第1クランプ部と、本体部および本体部に突出形成された突起部を有する第2クランプ部とを備えて第1方向に沿って移動可能に並設された複数のクランプ機構で第1固定機構が構成され、本体部は、第1方向に沿った長さがクランプ機構の第1方向に沿った最大の長さとなりかつ隣接する他の本体部と互いに離間した状態で並設可能に構成され、第1クランプ部は、第1方向に沿った長さが突起部の第1方向に沿った長さと同等に規定されている。このため、この回路基板固定装置では、回路基板の縁部に設けられているテストクーポンに接触させるためのテストクーポン用の検査用プローブと各クランプ部との接触が回避され、かつ回路基板のテストクーポンが各クランプ部によって覆われない状態、つまりテストクーポンに対するテストクーポン用の検査用プローブの接触が可能な状態で回路基板を確実に固定することができる。
また、請求項2記載の回路基板固定装置によれば、第1方向に沿って基台に並設されて第2縁部の各箇所をそれぞれクランプする複数のクランプ機構を備えて第2固定機構を構成したことにより、第1縁部および第2縁部の双方にテストクーポンが設けられている回路基板を固定する際においても、テストクーポン用の検査用プローブと各クランプ部との接触が回避され、かつ各テストクーポンに対するテストクーポン用の検査用プローブの接触が可能な状態で回路基板を確実に固定することができる。
また、請求項3記載の回路基板固定装置では、開口部を跨ぐようにして第1方向に沿って配設されると共に第2方向に沿って移動可能に構成された梁部材に各クランプ機構が並設されている。このため、この回路基板固定装置によれば、回路基板のサイズ(第2方向に沿った長さ)に合わせて梁部材を移動させることで、テストクーポン用の検査用プローブと各クランプ部との接触を回避し、かつテストクーポンを各クランプ部によって覆わない状態で、幅や長さの異なる複数種類の回路基板を確実に固定することができる。
また、請求項4記載の回路基板検査装置によれば、上記の回路基板固定装置を備えたことにより、テストクーポン用の検査用プローブと第1クランプ部および第2クランプ部との接触を回避し、かつテストクーポンを各両クランプ部によって覆わない状態で回路基板を確実に固定することができるため、回路基板本体およびテストクーポンに対して検査用プローブを確実に接触させることができる結果、検査を正確に行うことができる。
以下、本発明に係る回路基板固定装置および回路基板検査装置の最良の形態について、添付図面を参照して説明する。
最初に、図1に示す検査装置1の構成について説明する。検査装置1は、本発明に係る回路板検査装置の一例であって、同図に示すように、固定装置2、プロービング装置3a,3b(以下、区別しないときには「プロービング装置3」ともいう)、および制御部4を備えて、回路基板100に対する所定の電気的検査を実行可能に構成されている。ここで、回路基板100は、一例として、図3に示すように、縁部101a〜101d(以下、区別しないときには「縁部101」ともいう)および境界部111a〜111cを切断することによって完成品となる4つの回路基板本体112a〜112d(以下、区別しないときには「回路基板本体112」ともいう)を有する多面取りで多層型の回路基板であって、全体として略長方形に形成されている。この場合、縁部101aには、例えば、各回路基板本体112における各層の導体パターン(図示せず)の良否検査に用いられるテストクーポン113が設けられている。なお、この例では、縁部101aが本発明における第1縁部に相当し、101bが本発明における第2縁部に相当する。
固定装置2は、本発明に係る回路基板固定装置の一例であって、図2に示すように、基台本体11、梁部材12、第1固定機構13a、第2固定機構13b(以下、両固定機構13a,13bを区別しないときには、「固定機構13」ともいう)、コンプレッサ14(図1参照)および電磁弁15(同図参照)を備えて構成されている。この場合、基台本体11および梁部材12によって本発明における基台が構成される。また、第1固定機構13aおよび第2固定機構13bによって本発明における固定部が構成される。
基台本体11は、図2に示すように、一例として、略長方形の板状に形成されている。また、基台本体11の中央部には、検査時において回路基板100の両面に対するプローブユニット201のプローブピン202(図1参照)の接触を可能とする略矩形の開口部11aが形成されている。この場合、開口部11aを構成する各開口縁部21a〜21d(以下、区別しないときには「開口縁部21」ともいう)のうちの1つ(例えば、開口縁部21b)には、回路基板100における縁部101a〜101d(図3参照:以下、区別しないときには「縁部101」ともいう)の一面(同図における紙面奥側の面)を支持可能な支持板22が配設されている。
梁部材12は、図2,4に示すように、全体として長尺の板状に形成されている。また、梁部材12は、開口縁部21の1つ(この例では、開口縁部21a)の延在方向に平行な第1方向(図2に示す矢印Aの方向)に沿って配設されると共に、第1方向に直交する第2方向(同図に示す矢印Bの方向)に沿って移動可能に構成されている。具体的には、梁部材12は、同図に示すように、開口縁部21aに直交する開口縁部21c,21dに沿ってそれぞれ配設されたレール23a,23b上を移動可能なスライダー24a,24bにその両端部が固定されている。また、梁部材12には、第1固定機構13aの第1クランプ機構31a〜31c(図2参照:以下、区別しないときには「第1クランプ機構31」ともいう)の底部を嵌め込み可能な溝12a、および第2クランプ機構32を固定するための長孔12bが形成されている。
第1固定機構13aは、図2に示すように、第2固定機構13bと互いに対向すると共に基台本体11の開口部11aを臨むように配設された3つ(本発明における複数の一例)の第1クランプ機構31a〜31cを備えて構成されている。第1クランプ機構31は、本発明におけるクランプ機構の一例であって、図2,4,7,8に示すように、基体部41、エアシリンダ42、第1クランプ部43、第2クランプ部44、スプリング45a,45b(以下、区別しないときには「スプリング45」ともいう)を備えて、回路基板100の縁部101aの3箇所(本発明における各箇所)をそれぞれクランプ可能に構成されている。基体部41は、図4,7に示すように、その底部が梁部材12の溝12aに嵌め込まれることにより、梁部材12の長さ方向(図2に示す矢印Aの方向)に沿って移動可能に梁部材12に配設(並設)されている。また、基体部41は、固定ねじ41aを締め付けることにより、梁部材12における長孔12bの下部に配設されたナット41b(図7参照)に固定ねじ41aがねじ込まれて、梁部材12の長さ方向における任意の位置に固定される。
エアシリンダ42は、図4,7に示すように、基体部41に取り付けられて、エアの供給によってロッド42aを突出させる。第1クランプ部43は、図2に示すように、開口部11aの中央部Cに向けて突出するように基体部41に取り付けられている。この場合、第1クランプ部43は、図7,8に示すように、回路基板100の縁部101aの一面(両図における下側の面)をその先端部43aで支持する。また、第1クランプ部43は、図4に示すように、第1方向(同図に示す矢印Aの方向)に沿った長さL1が、後述する第2クランプ部44の突起部44bの第1方向に沿った長さL3と同等に規定されている。
第2クランプ部44は、図2,4に示すように、板状の本体部44aおよび突起部44bを有して構成されている。本体部44aは、一例として、長方形の板状に形成されて、その長さ方向が第1方向と一致するように配置されると共に、第1クランプ部43に対して接離する向きで回動可能に基体部41に支持されている。また、本体部44aは、第1クランプ部43に対して近接する向きに、その両端部がスプリング45によって付勢されている。この場合、この固定装置2では、本体部44aは、図2に示すように、第1方向に沿った長さL2が第1クランプ機構31の第1方向沿った最大の長さとなり(つまり、第1クランプ機構31を構成する他の構成要素の第1方向に沿った長さよりも長く)、かつ隣接する他の第1クランプ機構31の本体部44aと互いに離間した状態で並設可能に(つまり、各第1クランプ機構31における各本体部44aの長さL2の合計が、第1方向に沿った第1クランプ機構31の移動可能な長さよりも短くなるように)構成されている。
突起部44bは、本体部44aの長さ方向(第1方向)における中央部位から開口部11aの中央部Cに向けて突出するようにして、本体部44aに一体形成(突出形成)されている。また、突起部44bは、第1方向に沿った長さが本体部44aの長さL2よりも短い長さL3(例えば、長さL2の1/3程度の長さ)に規定されている。この場合、第1クランプ機構31は、図8に示すように、常態(クランプ時)においては、スプリング45の付勢力によって第2クランプ部44の突起部44bが回路基板100の縁部101aの他面(同図における上側の面)を押圧することにより、突起部44bと第1クランプ部43の先端部43aとで縁部101aをクランプする。また、第1クランプ機構31は、エアシリンダ42のロッド42aが突出したとき(非クランプ時)には、第2クランプ部44がスプリング45の付勢力に抗して第1クランプ部43から離反する向きに回動させられることにより、縁部101aに対する押圧(クランプ)を解除する。
第2固定機構13bは、第1固定機構13aと互いに対向すると共に基台本体11の開口部11aを臨むように配設された2つの第2クランプ機構32a,32b(以下、区別しないときには「第2クランプ機構32」ともいう)を備えて構成されている。第2クランプ機構32は、図2に示すように、基体部51、エアシリンダ52、クランプ部53、スプリング54a,54b(以下、区別しないときには「スプリング54」ともいう)を備えて、回路基板100の縁部101b(縁部101aに対向する縁部101)をクランプ可能に構成されている。基体部51は、支持板22に固定されている。エアシリンダ52は、基体部51に取り付けられて、エアの供給によってロッド52aを突出させる。
クランプ部53は、その支持板22に対して接離する向きで回動可能に基体部51に取り付けられている。また、クランプ部53は、支持板22に対して近接する向きに、その両端部がスプリング54によって付勢されている。この場合、第2クランプ機構32は、常態(クランプ時)においては、スプリング54の付勢力によってクランプ部53の先端部53aが回路基板100の縁部101bの他面を押圧することにより、先端部53aと支持板22の先端部22aとで縁部101bをクランプする。また、第2クランプ機構32は、エアシリンダ52のロッド52aが突出したとき(非クランプ時)には、クランプ部53がスプリング54の付勢力に抗して支持板22から離反する向きに回動させられることにより、縁部101bのクランプを解除する。
コンプレッサ14は、エア(圧縮空気)を供給する。電磁弁15は、制御部4の制御に従って作動して、第1クランプ機構31のエアカプラ42b(図4参照)、および第2クランプ機構32のエアカプラ52b(図2参照)に接続された図外のエアチューブを介して、コンプレッサ14からのエアを各エアシリンダ42,52に供給すると共に、その供給停止を行う。
プロービング装置3a,3bは、図1に示すように、制御部4の制御に従い、プローブユニット201を回路基板100に向けてそれぞれ移動させることにより、プローブユニット201のプローブピン202(本発明における検査用プローブ)を、回路基板100における各回路基板本体112の両面に形成されている導体パターン、および回路基板100の縁部101aに成形されているテストクーポン113に接触させる。ここで、このプローブユニット201は、回路基板100専用のプローブユニット201であって、複数のプローブピン202を備えて治具型に構成されている。この場合、このプローブユニット201は、図5に示すように、回路基板100の各回路基板本体112に形成されている各導体パターン(図示せず)だけでなく、縁部101aに設けられているテストクーポン113にもプローブピン202を接触させることを可能とするため、平面視形状が回路基板本体112よりもやや大きい略矩形の基体部201aと、基体部201aから突出する突出部201bとを有すると共に、各導体パターンに接触させられるプローブピン202が基体部201aに配設され、テストクーポン113に接触させられるプローブピン202が突出部201bに配設されて構成されている。
制御部4は、電磁弁15を制御して各エアシリンダ42,52に対するエアの供給および供給停止を行わせる。また、制御部4は、プロービング装置3によるプローブユニット201の移動を制御する。さらに、制御部4は、本発明における検査部として機能し、プローブユニット201を介して入力した電気信号に基づいて回路基板100についての所定の電気的検査を実行する。
次に、検査装置1を用いて回路基板100を検査する方法について、添付図面を参照して説明する。
検査に先立ち、検査対象の回路基板100のサイズに合わせて、固定装置2における各第1クランプ機構31の位置合わせを行う。この位置合わせでは、まず、第2方向(図2に示す矢印Bの方向)での各第1クランプ機構31の位置合わせ(第1クランプ機構31と第2クランプ機構32との間の長さ調整)を行う。具体的には、図6に示すように、支持板22の先端部22aから各第1クランプ機構31における第1クランプ部43の先端部43aまでの長さが回路基板100における縁部101a,101b間の長さよりもやや長くなるように、スライダー24a,24b(梁部材12)を例えば同図に示す矢印B1の向きに移動させる。次いで、図外の固定ねじを締め込むことによって各スライダー24a,24bを固定する。これにより、各先端部43a,先端部22aによる縁部101a,縁部101bの支持が可能な位置に各第1クランプ機構31が位置合わせされる。
続いて、第1方向(図2における矢印Aの方向)での各第1クランプ機構31の位置合わせ(各第1クランプ機構31同士の間隔の調整)を行う。具体的には、各第1クランプ機構31の固定ねじ41a(図4参照)を弛めて基体部41(第1クランプ機構31)を移動可能な状態として、次いで、各第1クランプ機構31を第1方向に移動させる。具体的には、図6に示すように、プローブユニット201の突出部201bと第1クランプ部43および第2クランプ部44(以下、第1クランプ部43および第2クランプ部44を合わせて「クランプ部43,44」ともいう)との接触(衝突)が回避され、かつ回路基板100のテストクーポン113が各クランプ部43,44によって覆われない位置(以下、この位置を「プロービング位置」ともいう)に各第1クランプ機構31を移動させる。この場合、この固定装置2では、上記したように、第2クランプ部44の本体部44aが、隣接する他の本体部44aと互いに離間した状態で並設可能に構成され、かつ第2クランプ部44に突出形成された突起部44bの長さL3および第1クランプ部43の先端部43aの長さL1が、本体部44aの長さL2の1/3程度の狭幅の長さに規定されている(図4,6参照)。このため、この固定装置2では、上記したプロービング位置に各第1クランプ機構31を位置合わせすることが可能となっている。続いて、固定ねじ41aを締め付けることにより、各第1クランプ機構31を固定する。以上により、第1クランプ機構31の位置合わせが完了する。
次に、図外の操作部を用いて検査開始の操作を行う。これに応じて、制御部4が、電磁弁15を制御して、第1クランプ機構31のエアシリンダ42および第2クランプ機構32のエアシリンダ52に対してコンプレッサ14からのエアを供給させる。この際に、各第1クランプ機構31では、図7に示すように、エアシリンダ42のロッド42aが突出して第2クランプ部44がスプリング45の付勢力に抗して回動させられ、これによって第2クランプ部44の突起部44bが第1クランプ部43の先端部から離反する。同様にして、第2クランプ機構32においても、エアシリンダ52のロッド52aの突出によってクランプ部53が回動させられてその先端部53aが支持板22の先端部22aから離反する。
次いで、図6に示すように、各第1クランプ部43の先端部43aによって回路基板100の縁部101aが支持され、支持板22の先端部22aによって回路基板100の縁部101bが支持されるように回路基板100を載置する。続いて、制御部4が、電磁弁15を制御して、エアシリンダ42,52に対するエアの供給を停止させる。この際に、各第1クランプ機構31では、図8に示すように、エアシリンダ42のロッド42aの突出が解除されて、それに伴ってスプリング45の付勢力によって第2クランプ部44が回動し、突起部44bによって回路基板100の縁部101aが押圧される。同様にして、第2クランプ機構32においても、エアシリンダ52におけるロッド52aの突出解除に伴ってクランプ部53が回動させられてその先端部53aが回路基板100の縁部101bを押圧する。これにより、回路基板100の縁部101a,101bが第1クランプ機構31および第2クランプ機構32によってそれぞれクランプされて、回路基板100が固定される。
次いで、制御部4は、プロービング装置3a,3bを制御することにより、回路基板100における1つの回路基板本体112(例えば、図6に示す回路基板本体112a)の両面に向けて各プローブユニット201をそれぞれ移動させて、回路基板本体112aの導体パターンにプローブピン202を接触(プロービング)させる。この場合、上記したプロービング位置に各第1クランプ機構31が位置合わせされているため、プローブユニット201の突出部201bと各クランプ部43,44との接触を回避しつつ、プローブユニット201の基体部201aに配設されているプローブピン202を回路基板本体112aの導体パターンに確実に接触させることが可能となっている。続いて、制御部4は、プローブユニット201を介して入力した電気信号に基づいて所定の電気的検査を実行する。
次いで、制御部4は、プロービング装置3a,3bを制御して、回路基板本体112aに隣接する次の回路基板本体112(この例では、図6に示す回路基板本体112b)の両面に向けて各プローブユニット201を移動させる。この場合、上記したプロービング位置に各第1クランプ機構31が位置合わせされているため、プローブユニット201の突出部201bと各クランプ部43,44との接触を回避しつつ、プローブユニット201の基体部201aに配設されているプローブピン202を回路基板本体112bの導体パターンに確実に接触させることが可能なことに加えて、プローブユニット201の突出部201bに配設されているプローブピン202をテストクーポン113に確実に接触させることが可能となっている。続いて、制御部4は、プローブユニット201を介して入力した電気信号に基づいて所定の電気的検査を実行する。
次いで、制御部4は、上記した各制御を行って回路基板本体112c,112dの各導体パターンPに対するプローブユニット201(プローブピン202)のプロービングを行うと共に、プローブユニット201を介して入力した電気信号に基づいて所定の電気的検査を実行する。続いて、各回路基板本体112a〜112dについての検査を終了したときには、制御部4は、電磁弁15を制御して、各クランプ機構31,32の各エアシリンダ42,52にエアを供給させる。この際に、エアシリンダ42のロッド42aの突出によって第2クランプ部44が回動させられて、その突起部44bが回路基板100の縁部101aから離反する。また、エアシリンダ52のロッド52aの突出によってクランプ部53が回動させられてその先端部53aが回路基板100の縁部101bから離反する。次いで、検査の終了した回路基板100を固定装置2から取り出し、続いて、他の回路基板100を載置して上記と同様にして検査を実行する。
このように、この固定装置2では、第1クランプ部43と、本体部44aおよび本体部44aに突出形成された突起部44bを有する第2クランプ部44とを備えて第1方向に沿って移動可能に並設された3つの第1クランプ機構31で第1固定機構13aが構成され、本体部44は、長さL1が第1クランプ機構31の第1方向に沿った最大の長さとなりかつ隣接する他の本体部44と互いに離間した状態で並設可能に構成され、第1クランプ部43は、長さL1が突起部44bの長さL3と同等に規定されている。このため、この固定装置2では、プローブユニット201の突出部201bと各クランプ部43,44との接触が回避され、かつ回路基板100のテストクーポン113が各クランプ部43,44によって覆われない状態、つまりテストクーポン113に対するプローブピン202の接触が可能な状態で回路基板100を確実に固定することができる。
また、この固定装置2では、開口部11aを跨ぐようにして第1方向に沿って配設されると共に第2方向に沿って移動可能に構成された梁部材12に各第1クランプ機構31が並設されている。このため、この固定装置2によれば、回路基板100のサイズ(第2方向に沿った長さ)に合わせて梁部材12を移動させることで、プローブユニット201の突出部201bと各クランプ部43,44との接触を回避し、かつテストクーポン113を各クランプ部43,44によって覆わない状態で、幅や長さの異なる複数種類の回路基板100を確実に固定することができる。
また、この検査装置1によれば、上記の固定装置2を備えたことにより、プローブユニット201におけるテストクーポン113用の突出部201bと各クランプ部43,44との接触を回避し、かつテストクーポン113を各クランプ部43,44によって覆わない状態で回路基板100を確実に固定することができるため、回路基板本体112およびテストクーポン113に対してプローブユニット201のプローブピン202を確実に接触させることができる結果、検査を正確に行うことができる。
なお、本発明は、上記の構成に限定されない。例えば、第2クランプ機構32を備えて構成した第2固定機構13bを例に挙げて説明したが、第2クランプ機構32に代えて、第1クランプ機構31と同じ構成の複数のクランプ機構を備えて第2固定機構13bを構成することもできる。この構成によれば、互いに対向する2つの縁部101(上記の例では、縁部101a,101b)にテストクーポン113が設けられている回路基板100を固定する際においても、プローブユニット201の突出部201bと各クランプ部43,44との接触が回避され、かつテストクーポン113に対するプローブピン202の接触が可能な状態で回路基板100を確実に固定することができる。
また、3つの第1クランプ機構31を備えた例について上記したが、第1クランプ機構31の数は3つに限定されず、2つまたは4つ以上の任意の数に規定することができる。また、2つのプロービング装置3a,3bを備えて回路基板100の両面にプローブユニット201をプロービングさせる例について上記したが、プロービング装置を1つだけ備えた構成を採用することもできる。
検査装置1の構成を示す構成図である。 固定装置2の平面図である。 回路基板100の平面図である。 第1クランプ機構31aおよび梁部材12の斜視図である。 プローブユニット201の構成を説明するための説明図であって、左図はプローブユニット201単体の上面図であり、右図は回路基板上にプローブユニット201を仮想的に載置したときの上面図である。 検査装置1の使用方法を説明するための説明図である。 第1クランプ機構31aの動作を説明するための第1の説明図である。 第1クランプ機構31aの動作を説明するための第2の説明図である。
符号の説明
1 検査装置
2 固定装置
3a,3b プロービング装置
4 制御部
11 基台本体
11a 開口部
12 梁部材
13a 第1固定機構
13b 第2固定機構
21a〜21d 開口縁部
23a,23b レール
24a,24b スライダー
31 第1クランプ機構
41 基体部
43 第1クランプ部
44 第2クランプ部
44a 本体部
44b 突起部
100 回路基板
101a〜101d縁部
202 プローブピン
201 プローブユニット
C 中央部
L1〜L3 長さ

Claims (4)

  1. 基台と、当該基台に配設されて回路基板を固定する固定部とを備えた回路基板固定装置であって、
    前記基台は、前記固定部によって固定された前記回路基板の両面に対する検査用プローブの接触を可能とする略矩形の開口部が形成された基台本体を備えて構成され、
    前記固定部は、互いに対向すると共に前記開口部を臨むように前記基台に配設されて前記回路基板における第1縁部および当該第1縁部に対向する第2縁部をそれぞれ固定する第1固定機構および第2固定機構を備えて構成され、
    前記第1固定機構は、前記開口部における開口縁部の延在方向に平行な第1方向に沿って前記基台に並設されて前記第1縁部の各箇所をそれぞれクランプする複数のクランプ機構を備えて構成され、
    前記各クランプ機構は、前記第1方向に沿って移動可能に前記基台に配設された基体部と、前記開口部の中央部に向けて突出するように前記基体部に取り付けられた第1クランプ部と、前記第1クランプ部に対して接離する向きで回動可能に前記基体部に支持された本体部および当該本体部の前記第1方向における中央部位から前記開口部の中央部に向けて突出形成された突起部を有して前記第1クランプ部の先端部と当該突起部とで前記第1縁部をクランプする第2クランプ部とを備えてそれぞれ構成され、
    前記本体部は、前記第1方向に沿った長さが前記クランプ機構の前記第1方向に沿った最大の長さとなり、かつ隣接する他の前記クランプ機構の前記本体部と互いに離間した状態で並設可能に構成され、
    前記第1クランプ部は、前記第1方向に沿った長さが前記突起部の当該第1方向に沿った長さと同等に規定されている回路基板固定装置。
  2. 前記第2固定機構は、前記第1方向に沿って前記基台に並設されて前記第2縁部の各箇所をそれぞれクランプする複数の前記クランプ機構を備えて構成されている請求項1記載の回路基板固定装置
  3. 前記基台は、前記開口部を跨ぐようにして前記第1方向に沿って配設されると共に当該第1方向に直交する第2方向に沿って移動可能に構成された梁部材を備えて構成され、
    前記各クランプ機構は、前記梁部材に並設されている請求項1または2記載の回路基板固定装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の回路基板固定装置と、当該回路基板固定装置によって固定されている回路基板に対して検査用プローブを接触させるプロービング装置と、前記検査用プローブを介して入力した電気信号に基づいて前記回路基板に対する所定の電気的検査を実行する検査部とを備えている回路基板検査装置。
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