JP5179076B2 - 積層体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、微細な凹凸を有する樹脂層が樹脂フィルムの表面に形成されてなる積層体の製造方法に関するものである。
近年、地球温暖化防止などの環境対策や、化石燃料代替などのエネルギー対策として、太陽電池が注目されている。現在、太陽電池としては、ガラス製の基板を用いたパネルが一般的であるが、ガラスは割れる危険性があるばかりでなく、ガラス自体が重いため、例えば、太陽電池パネルを屋根に取り付ける時には特別な補強が必要になるなどコストダウンにも限界があった。
そこで、最近では、太陽電池パネルのガラス基板を、樹脂フィルムからなる基板に替える動きが活発である。樹脂フィルムに替えることにより、割れにくく安全であり、大幅に軽量薄型化を図ることもでき、大面積化も可能となる。しかも、フレキシブル性を有しており、曲面への取り付けも可能であるという効果も有する。
通常、太陽電池は、基板の上に、酸化亜鉛等の金属酸化物等よりなる透明電極、アモルファスシリコン等よりなる光電変換層、金,銀,銅等より選ばれる裏面反射電極が、この順(スーパーストレート型と呼ばれる)もしくは逆順(サブストレート型と呼ばれる)で形成された構成が一般的である。
このような太陽電池では、光電変換効率が重要であり、この効率向上のために、金属電極や透明電極に関する技術が重要となる。特に、透明電極とその表面形状は変換効率に大きく影響するものである。
上記の透明電極は、発電した電力の外部取り出し効率を上げるために低抵抗であることが必須であり、かつ太陽光線を充分に透過するだけの透明性を有することが要求される。
そこで、透明電極を低抵抗化かつ透明化するため、金属酸化物を高温で成膜して結晶成長を促すことが望ましい。
ところが、基板として、樹脂フィルムを用いた場合に、高温で成膜すると、樹脂フィルムが変色して光線透過率が低下したり、耐熱性の不足から得られる透明電極付き基板に反りやうねりが発生したり、透明電極にクラックが発生したりするなどの問題が生じやすい。
また、透明電極の表面形状も、光電変換効率の向上のために重要である。受光した光を効率的に光電変換層に送るためには、光電変換層との境界である透明電極表面の形状が、光散乱しやすい構造であることが望ましい。すなわち、透明電極の表面が適度な表面粗さ(RMS)に制御されている必要がある。表面粗さが制御されていると、太陽光が透明電極を通過する時に光散乱が生じるため、光電変換層内の光路長が長くなり、したがって、光を有効に活用でき、太陽電池の光電変換効率が優れたものになる。
表面粗さを制御する手法として、ガラス基板を用いる場合には、ガラス基板上に形成された金属酸化物よりなる透明電極の表面を微細な凹凸状に粗面化して、光散乱を大きくする手法が一般的であり、現在では、ガラス基板上に金属酸化物を高温成膜する時に、金属酸化物の結晶成長を制御することによって、凹凸形状(テクスチャ)を形成する手法が用いられている。
ところが、上記の手法では、金属酸化物の結晶成長のために300℃以上の高温成膜が必要であり、この手法は樹脂フィルムには使いにくい。そのため、樹脂フィルムを基板として用いる場合には、テクスチャ形成の代替方法として、基板そのものにテクスチャを形成してから金属酸化物を成膜する方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、上記の特許文献1〜3開示の方法では、テクスチャ形成の工程が複雑であるためコストアップの要因となっていたり、テクスチャを母型通りに転写するのが困難であるという課題があったり、また、樹脂フィルムとテクスチャ層との密着性が不充分であるため、テクスチャ層が樹脂フィルムから剥がれてしまう懸念もあった。
そこで、本出願人は、樹脂フィルムと、凹凸を有するテクスチャ層と、金属酸化物よりなる層の層構成を有し、テクスチャ層が光硬化性組成物を硬化してなる太陽電池用透明電極基板をすでに提案している(例えば、特許文献4参照)。
このものでは、テクスチャ層として、光硬化性組成物を用い、これを光硬化してなるテクスチャ層を設けているため、着色や変形が無く外観特性に優れ、しかも低抵抗であり、かつ光電変換効率に優れた太陽電池用の透明電極基板(積層体)を得ている。
特開2003−298084号公報 特開2003−298085号公報 特開2003−298086号公報 特願2006−345437号
しかしながら、上記の太陽電池用透明電極基板においては、その基板(樹脂フィルムと、凹凸を有するテクスチャ層とからなる積層体)を製造する際に、樹脂フィルムと光硬化性組成物からなる樹脂層とを簡単に効率よく積層するための製造方法が、太陽電池用透明電極基板の製造量アップの観点から要求されている。
そこで、樹脂フィルムと光硬化性組成物とからなる樹脂層とを簡単に効率よく積層することのできる製造方法の開発が求められている。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、樹脂フィルムと光硬化性組成物からなる樹脂層とを簡単に効率よく積層できることのできる積層体の製造方法の提供をその目的とする。
しかるに本発明者等は、上記事情に鑑み鋭意検討を重ねた結果、樹脂フィルムをロール・ツー・ロールで搬送させ、微細な凹凸(テクスチャ層)の形成に光硬化性組成物を用いることにより、樹脂フィルムと微細な凹凸を有する樹脂層との積層体を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の要旨は、樹脂フィルムの表面に、光硬化性組成物からなる微細な凹凸を有する樹脂層が形成された積層体を製造するにあたり、つぎの5つの工程を経由させる積層体の製造方法をその要旨とする。
1.表面に微細な凹凸を有する型の型表面に液状の光硬化性組成物を塗布する塗布工程。
2.上記塗布された光硬化性組成物の表面に、一方のロールから所定長さ送り出された樹脂フィルムの面を対面させ接触させたのち、樹脂フィルムの上面を透明材質からなる支持板の平坦な下面に圧接させる接触工程。
3.上記樹脂フィルムの上面を支持板の平坦な下面に圧接させた状態で、この支持板を介する光照射により光硬化性組成物を硬化させて、光硬化性組成物からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程。
4.上記樹脂層形成工程ののち、上記樹脂層が付着した樹脂フィルムを型の表面から剥離する剥離工程。
5.上記剥離工程ののち、樹脂フィルムの移動と、樹脂フィルムと樹脂層との積層体を他方のロールに巻き取る巻き取りとを行う巻き取り工程。
本発明の製造方法によれば、樹脂フィルムと光硬化性組成物からなる樹脂層とを簡単に効率よく積層できる。また、この製造方法により得られる積層体は、着色や変形が無く外観特性に優れ、しかも低抵抗であり、かつ太陽電池とした場合の光電変換効率に優れており、特に、太陽電池用の基板として非常に有用である。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態について説明する。ただし、本発明は、この実施の形態に限られるものではない。
図1は、本発明の積層体の製造方法の一実施の形態に用いる積層装置を示している。図1において、1は送り出しロール(一方のロール)であり、帯状の樹脂フィルム2が巻回されている。3は上記送り出しロール1との間に所定の間隔をあけた状態で相対向状に配設された巻き取りロール(他方のロール)であり、上記送り出しロール1に巻回された樹脂フィルム2を巻き取る作用をする。この巻き取りロール3は、その回転を制御する制御手段(図示せず)により間欠的に回転しうる構造になっている。そして、巻き取りロール3の回転時には、これに樹脂フィルム2を巻き取ることにより、送り出しロール1に巻回された樹脂フィルム2を送り出し、送り出しロール1から引き出して巻き取りロール3側に移動させ、所定長さだけ移動させると、巻き取りロール3の回転を停止し、その状態で、後述する積層体形成手段7で積層体4(図5参照)を形成したのち、再度巻き取りロール3を回転させ、樹脂フィルム2を上記所定長さだけ移動させることを行う。
5,6は上記両ロール1,3間で積層体形成手段7を挟むようにして相対向状に(通常、同じ高さ位置に)配設された一対のニップロールであり、樹脂フィルム2が両ニップロール5,6間で水平に移動し、もしくは水平に保持されるようにしている。
7は上記両ニップロール5,6間に配設された積層体形成手段であり、樹脂フィルム2の下側に昇降自在に配設され平坦な上面に微細な凹凸が形成された凹凸面(型表面)8aを有する型8と、この型8の上面8a(すなわち、凹凸面)に液状の光硬化性組成物10(図2参照)を塗布するディスペンサー9と、上記型8を昇降自在に支持するシリンダ等の昇降手段(図示せず)と、樹脂フィルム2の上側に(上記型8の上面8aに相対向する位置に)固定された平板状の支持板11と、この支持板11の上側に配設された複数の紫外線照射ランプ12と、これら各紫外線照射ランプ12の上側に配設されたミラー13とを備えている。
上記の型8,支持板11の材質は、特に限定されず、例えば、ガラス製、金属製、セラミックス製、プラスチック製等が挙げられるが、剛性や透光性の点からガラス製であることが好ましい。なお、紫外線照射により光硬化性組成物を硬化するため、型8と支持板11の少なくとも一方は透明材質のものであることが必要であり、支持板11が透明材質でない場合には、紫外線照射ランプ12およびミラー13を型8の下側に配設して、下方より紫外線照射を行えばよい。
このような積層装置を用い、つぎのようにして積層体4を製造することができる。すなわち、まず、図2に示すように、積層体形成手段7のディスペンサー9を型8の上面8aに沿って移動させ、ディスペンサー9の先端開口から液状の光硬化性組成物10を流出させて型8の上面8aに塗布する(塗布工程)。ついで、図3に示すように、型8を昇降手段により上昇させ、光硬化性組成物10の上面を樹脂フィルム2の下面に対面させて接触させたのち、さらにその状態で型8を昇降手段により上昇させて樹脂フィルム2の上面を支持板11の平坦な下面に圧接させる(接触工程)。つぎに、図4に示すように、紫外線照射ランプ12により紫外線を支持板11を介して光硬化性組成物10に照射し、光硬化性組成物10を硬化させ、光硬化性組成物からなる樹脂層14を形成する(樹脂層形成工程)。つぎに、図5に示すように、型8を昇降手段により下降させて元の位置に戻し、樹脂層14が付着した樹脂フィルム2を樹脂層14とともに型8の上面8aから剥離する(剥離工程)。これら塗布工程から接触工程,樹脂層形成工程,剥離工程を経て、樹脂フィルム2と樹脂層14とからなる積層体4が製造される。この積層体4の樹脂層14には、その表面に、型8の上面8aの凹凸が転写されてなる微細な凹凸14aが形成されている。また、これら塗布工程〜剥離工程において、巻き取りロール3は回転していない。
つぎに、図6に示すように、巻き取りロール3を回転させて、樹脂フィルム2を巻き取りロール3側に所定長さだけ移動させ、積層体4を積層体形成手段7の外側に送り出すとともに、型8の上側に新しい樹脂フィルム2を供給する。そののち、上記と同様にして、塗布工程〜剥離工程を行い、積層体4を製造する。このように、塗布工程〜剥離工程を繰り返すことにより、連続的に積層体4を製造することを行う。また、巻き取りロール3に巻き取られた積層体4は、所定の長さに切断され、図7に示すような積層体4となる。
上記のように、この実施の形態では、積層体4を簡単に効率よく連続的に製造することができる。また、製造された積層体4は、着色や変形が無く外観特性に優れ、しかも低抵抗であり、かつ光電変換効率に優れている。
図8は、上記積層装置の参考の例を示している。この参考の例では、上記両ニップロール5,6が斜め方向にスライド自在に配設されており、これに伴い、上記両ニップロール5,6を斜め方向にスライド自在に支持するスライド手段(図示せず)が設けられている。また、紫外線照射ランプ12およびミラー13が型8の下側に配設されており、支持板11が省略されている。それ以外の部分は上記実施の形態と同様であり、同様の部分には同じ符号を付している。
このような積層装置を用い、つぎのようにして積層体4を製造することができる。すなわち、まず、図9に示すように、上記実施の形態と同様に塗布工程を行い、ついで、図10に示すように、両ニップロール5,6をスライド手段により下方に向かって中央にスライドさせることにより、光硬化性組成物10の上面に樹脂フィルム2の下面を対面させて圧接状に接触させる(接触工程)。つぎに、図11に示すように、紫外線照射ランプ12により紫外線を型8を介して光硬化性組成物10に照射し、光硬化性組成物10を硬化させ、光硬化性組成物からなる樹脂層14を形成する(樹脂層形成工程)。なお、紫外線照射にあたっては、型8が透明材質でない場合には、紫外線照射ランプ12およびミラー13を樹脂フィルム2の上側に配設して、上方より紫外線照射を行えばよい。つぎに、図12に示すように、両ニップロール5,6をスライド手段により上方に向かって両側にスライドさせることにより元の位置に戻し、樹脂層14が付着した樹脂フィルム2を樹脂層14とともに型8の上面8aから剥離する(剥離工程)。そののち、図13に示すように、上記実施の形態と同様に巻き取り工程を行う。
この参考の形態でも、上記実施の形態と同様の効果を奏する。
以下、本発明で用いられる樹脂フィルムおよび、樹脂層を構成する光硬化性組成物について説明する。
本発明で用いられる樹脂フィルムは、透明であれば、特に限定されないが、耐熱性、および、後述の(光硬化性組成物からなる微細な凹凸を有する)樹脂層との密着性に優れた樹脂フィルムであることが望ましい。透明性に優れた樹脂フィルムを用いることで、太陽光を充分に透過でき、光電変換効率の高い太陽電池等を作成することができる。また、耐熱性に優れた樹脂フィルムを用いることで、金属酸化物をスパッタする時に高温で成膜することが可能となり、シート抵抗の低い透明電極膜を形成することができる。さらに、樹脂層との密着性に優れた樹脂フィルムを用いることで、樹脂層が樹脂フィルムから剥離することを防止することができる。
本発明で用いられる樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、非晶性ポリオレフィン、ポリイミド、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート等の樹脂や、架橋性アクリル系モノマー及び/またはオリゴマーよりなる組成物を硬化させて得られる樹脂などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の点で、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコール、非晶性ポリオレフィン、ポリイミド、ポリウレタン、架橋アクリル樹脂が好ましく、樹脂層との密着性の点で、水酸基を多量に有するポリビニルアルコール系樹脂が特に好ましい。さらに、ポリビニルアルコール系樹脂よりなるフィルムとして、一軸延伸または二軸延伸を施したフィルムでもよく、好ましくは二軸延伸を施したポリビニルアルコール系樹脂フィルムである。また、本発明で用いられる樹脂フィルムには、適宜、可塑剤などの各種添加物を20重量部以下で含有しても差し支えない。
上記樹脂フィルムは、製造時のハンドリング性および光電変換効率の点で、厚みが10〜500μmであることが好ましく、特には15〜300μm、さらには20〜200μmであることが好ましい。樹脂フィルムの厚みが薄すぎると、強度が不充分になるためにフィルムが破れやすくなり、樹脂層を形成した際にカールする傾向があり、厚すぎるとロールに巻き取ることが困難となる傾向がある。
また、上記樹脂フィルムにおいては、その熱変形温度が、150℃以上であることが好ましく、特には180℃以上、さらには200℃以上であることが好ましい。かかる熱変形温度が低すぎると、高温で金属酸化物を成膜する時に、本発明の積層体がうねる原因となり、金属酸化物にクラックが入り、シート抵抗が著しく上昇してしまう傾向がある。なお、熱変形温度の上限としては通常500℃である。
本発明の凹凸を有する樹脂層は、光電変換効率の点で、厚みが0.1〜100μmであることが好ましく、特には0.2〜50μm、さらには0.3〜30μmであることが好ましい。かかる樹脂層の厚みが薄すぎると樹脂層の凹凸が充分に転写できず、太陽電池とした場合の光電変換効率の低下を招く傾向があり、厚すぎると屈曲させた際に割れが生じる恐れがあり、光電変換に支障を来す傾向がある。なお、本発明において、凹凸を有する樹脂層の厚みとは、凹凸面側を上方に向けて置いたときに、樹脂層の最下点から凸部の最上点までの長さのことを意味するものである。
上記樹脂層は、光硬化性組成物を用いて、光硬化されることにより得られる。かかる光硬化性組成物としては、特に限定されないが、多官能(メタ)アクリル系の光硬化性組成物であることが好ましい。多官能(メタ)アクリル系光硬化性組成物を用いることで、耐熱性に優れた樹脂層を得ることができる。
上記多官能(メタ)アクリル系の光硬化性組成物は、多官能(メタ)アクリレート系化合物と光重合開始剤を含有するものであることが好ましく、かかる光硬化性組成物を光硬化することにより、光硬化性組成物からなる樹脂層が得られる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称であり、「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。
かかる多官能(メタ)アクリレート系化合物としては、2官能(メタ)アクリレート系化合物、3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物が挙げられる。
2官能(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性ジ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェートジエステル等の脂肪族系化合物、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[ 6.5.1.13.6 .02.7 .09.13] ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシ)ペンタシクロ[ 6.5.1.13.6 .02.7 .09.13] ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[ 6.5.1.13.6 .02.7 .09.13] ペンタデカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)ペンタシクロ[ 6.5.1.13.6 .02.7 .09.13] ペンタデカン=アクリレートメタクリレート、2,2−ビス[ 4−(β−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)シクロヘキシル] プロパン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)シクロヘキサン等の脂環式系化合物、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA(2,2' −ジフェニルプロパン)型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2,2' −ジフェニルプロパン)型ジ(メタ)アクリレート等の芳香族系化合物が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸エチレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の脂肪族系化合物、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシメチル)シクロヘキサン、1,3,5−トリス((メタ)アクリロイルオキシエチルオキシメチル)シクロヘキサン等の脂環式化合物が挙げられる。
さらに、本発明では、多官能(メタ)アクリレート系化合物として、上記の他にも、多官能エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、多官能ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、多官能ポリエーテル(メタ)アクリレート系化合物等も挙げられる。
これら上記の多官能(メタ)アクリレート系化合物の中でも、樹脂フィルムの耐熱性および線膨張係数の点で、多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物や、ビス(ヒドロキシ)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが好ましく、さらに、樹脂層の硬化収縮が抑えられ、うねりが低減される点で、脂環式構造を有する多官能(メタ)アクリレート系化合物が好ましく、中でも特に、脂環式構造を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物やビス(ヒドロキシ)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレート、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジ(メタ)アクリレートが好ましく、これらを併用することが特に好ましい。
本発明で好適に使用される多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、ポリイソシアネート系化合物と水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物を、必要に応じてジブチルチンジラウレートなどの触媒を用いて反応させて得られるものであることが好ましい。
ポリイソシアネート系化合物の具体例としては、例えば、エチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族系ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン、ノルボルナンイソシアナトメチル、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)プロパン、水添化キシリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートの3量体化合物などの脂環構造を有するポリイソシアネート系化合物や、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどの芳香環を有するポリイソシアネート系化合物などが挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ポリイソシアネート系化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレート系化合物との反応により得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物は、2種以上混合して用いても良い。これらの反応物の中では、吸水率の点から、脂環骨格を有することが好ましく、また硬化速度の点からアクリレート系化合物がさらに好ましく、特に耐熱性と曲げ弾性率の観点から2〜9官能、特には2〜6官能が好ましい。
また、上記光硬化性組成物は、硬化性を阻害しない程度に、単官能(メタ)アクリレート系化合物を添加しても良い。かかる単官能(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)クリレート、グリシジル(メタ)クリレート等の脂肪族系化合物、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシメチル(メタ)アクリレート、トリシクロデシルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシメチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、2−エチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシ−1−アダマンチル(メタ)アクリレート等の脂環式系化合物、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族系化合物、単官能エポキシ(メタ)アクリレート系化合物、単官能ウレタン(メタ)アクリレート系化合物、単官能ポリエステル(メタ)アクリレート系化合物、単官能ポリエーテル(メタ)アクリレート系化合物等が挙げられる。
これらの単官能(メタ)アクリレート系化合物は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの単官能(メタ)アクリレート系化合物は、光硬化性組成物100重量部に対して、通常50重量部以下の割合で使用されることが好ましく、さらには30重量部以下、特には20重量部以下が好ましい。かかる使用量が多すぎると、得られる成形体の耐熱性や機械強度が低下する傾向がある。
上記光重合開始剤としては、活性エネルギー線の照射によってラジカルを発生し得るものであれば特に制限されず、各種の光重合開始剤を使用することができる。例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホシフィンオキシド等が挙げられる。これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシドなどの光重合開始剤が特に好ましい。これらの光重合開始剤は単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
これらの光重合開始剤は、(メタ)アクリレート系化合物〔単官能(メタ)アクリレート系化合物を含有させる場合は多官能(メタ)アクリレート系化合物と単官能(メタ)アクリレート系化合物の合計〕100重量部に対して、通常0.1〜10重量部の割合で使用されることが好ましく、さらには0.2〜5重量部、特には0.2〜3重量部が好ましい。かかる使用量が少なすぎると重合速度が低下し、重合が充分に進行しない傾向があり、多すぎると得られる樹脂層の光線透過率が低下(黄変)する傾向があり、また、機械強度が低下する傾向がある。
また、光重合開始剤とともに、熱重合開始剤を併用しても良い。熱重合開始剤としては、公知の化合物を用いることができ、例えば、ハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジt−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)等のパーオキシエステル、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート等のパーオキシカーボネート、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド等の過酸化物が挙げられる。
また、本発明で用いられる光硬化性組成物には、上記の(メタ)アクリレート系化合物及び光重合開始剤の他に、適宜、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、増粘剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、着色剤、及び各種フィラーなどの補助成分を含有していても良い。
酸化防止剤は、高温工程中において、基板の色変化や機械強度の低下などの劣化を防ぐのに有用である。かかる酸化防止剤の具体例としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−s−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4' −ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3' ,5' −ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、4,4−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、4,4' −ジ−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、4,4' −トリ−チオビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2−チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N' −ヘキサメチレンビス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロキシヒドロシンナミド、N,N' −ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジン、カルシウム(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)モノエチルフォスフォネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)イソシアヌレート、トリス(3,5−ジーt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス−2[3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]エチルイソシアネート、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルフォスファイト−ジエチルエステル等の化合物が挙げられ、これらの化合物は、単独または2種以上併用してもよい。これらの中でも、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが、色相を抑制する効果が大きくなる点から特に好ましい。
また、紫外線吸収剤は、屋外での直射日光による太陽電池等の劣化を防ぐのに有用である。かかる紫外線吸収剤の具体例としては、(メタ)アクリレート系化合物に溶解するものであれば特に限定されず、各種紫外線吸収剤を使用することができる。具体的には、サリチル酸エステル系、ベンゾフェノン系、トリアゾール系、ヒドロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系などが挙げられる。これらの紫外線吸収剤は複数を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、(メタ)アクリレート系化合物との相溶性の点で、ベンゾフェノン系またはトリアゾール系、具体的には、(2−ヒドロキシ−4−オクチロキシ−フェニル)−フェニル−メタノン、2−ベンゾトリアゾール−2−イル−4−tert−オクチル−フェノール等の紫外線吸収剤が好ましい。紫外線吸収剤の含有割合は、(メタ)アクリレート系化合物〔単官能(メタ)アクリレート系化合物を含有させる場合は多官能(メタ)アクリレート系化合物と単官能(メタ)アクリレート系化合物の合計〕100重量部に対して、通常0.001〜1重量部であることが好ましく、特に好ましくは0.01〜0.1重量部である。かかる紫外線吸収剤が少なすぎると太陽電池基板等の耐光性が低下する傾向があり、多すぎると樹脂フィルムの光線透過率が低下するため光電変換効率が低くなる傾向がある。
かくして得られた上記の光硬化性組成物に、活性エネルギー線、好ましくは紫外線を照射することにより、光硬化して、樹脂層を得るのである。
本発明は、上記のような、透明な樹脂フィルムおよび光硬化性組成物を用い、この透明な樹脂フィルムの表面に、光硬化性組成物を硬化してなる硬化体からなる凹凸を有する樹脂層を積層して、樹脂フィルムと凹凸を有する樹脂層とからなる積層体を製造するものである。また、かかる積層体を製造するに当たっては、上記の5つの工程(塗布工程、接触工程、樹脂層形成工程、剥離工程、巻き取り工程)をこの順で経由させることを特徴とするものである。
ここで、樹脂フィルムとして、上述したようにポリビニルアルコール系フィルムを用いることで、樹脂フィルムと樹脂層とは良好な接着性が保たれることとなり好ましい。また、光硬化性組成物を光硬化してなることにより、溶液を用いるグラビア印刷方式のような転写後の型くずれの懸念もなく、樹脂フィルム作成後、その表面に熱や圧力によって凹凸形状を付与する方式のように低転写精度になる懸念もない。また、上記光硬化で樹脂層を形成することで、極めて高い精度で樹脂層を形成できるだけでなく、工程が単純化されるのである。
また、本発明では、塗布工程、接触工程、樹脂層形成工程、剥離工程の4つの工程で用いられる型の表面(型表面)に、微細な凹凸を有していることが必要で、かかる微細な凹凸としては、測定範囲2μm角で測定点数256点におけるAFM(原子間力顕微鏡)測定による表面粗さ(RMS)が10〜300nmであることが好ましく、特には10〜200nm、さらには15〜100nmであることが好ましい。かかる表面粗さ(RMS)が小さすぎると、太陽電池とした場合の光電変換効率が下がる傾向があり、大きすぎると透明電極にクラックが入る傾向がある。
上記の型は、特に限定されないが、強度、耐熱性などの点から、ガラス製、金属製が好ましく、透光性の点からガラス製が特に好ましい。このような型の具体例としては、例えば、市販品ではガラス上に微細な凹凸を有する金属酸化物を積層した旭硝子社製、「A180U80」、「A110U80」、「A11DU80」、「T18VU70」、「T11VU70」、日本板硝子製テクスチャガラスなどが挙げられるが、ガラスをフッ酸等で処理したり、サンドブラスト法によって粉体を吹き付けたりしてガラス表面を荒らすことで作製することもできる。これらの中でも、市販品の旭硝子社製、「A180U80」が、ロット間の表面粗さのばらつきが少ない点から好適である。
剥離工程において、上記の型を構成するガラス板、または表面に金属酸化物を積層したガラス板は、光硬化性組成物を光硬化してなる光硬化性組成物からなる硬化体(すなわち、樹脂層)の離型性が悪いために、光硬化後にガラスから樹脂層が剥がれずに割れてしまう可能性がある。そのため、樹脂層と接する型表面にあらかじめ離型剤を塗布しておくことが望ましい。離型剤を塗っておくことで、ガラスを繰り返し使用することができる。離型剤は、特に限定されないが、離型性の点からフッ素系離型剤が好ましい。より好ましい離型剤としては、繰り返し耐久性の点からフッ素化アルキル基を含有するシランカップリング剤が挙げられる。
フッ素系離型剤としては、例えば、ダイキン工業社製、「オプツールDSX」、旭硝子社製、「サイトップCTL−107M」、住友3M社製、「EGC−1720」、「EGC−1700」、GE東芝シリコーン社製「XC98−B2472」などが挙げられるが、離型性、繰り返し耐久性の点でダイキン工業社製「オプツールDSX」が好ましい。
上記の型として、表面に金属酸化物を積層したガラス板を用いる場合には、上記フッ素系シランカップリング剤と金属酸化物との密着性を向上させるため、金属酸化物面にあらかじめ酸化珪素または窒化珪素を主成分とする薄膜を数nm〜数十nmの厚みで形成しておくことが望ましい。こうすることで、フッ素系シランカップリング剤と金属酸化物との間に化学結合が形成され、半永久的な離型膜を形成することができる。この際に、さらに密着性を上げるために、金属酸化物面にフッ素系シランカップリング剤を塗布後、数時間程度の高温高湿処理(例えば、60℃、90%の条件下等)を行ってもよい。
塗布工程において、光硬化性組成物は、型表面に塗布するに際して、23℃における粘度として、10〜5000mPa・sであることが好ましく、さらには20〜2000mPa・sであることが好ましい。かかる粘度が低すぎても高すぎても樹脂フィルムを積層する際に、厚み調整が難しくなり、厚み精度に劣る傾向がある。
樹脂層形成工程において、紫外線照射に際しては、照度10〜10000mW/cm2 、特には100〜1000mW/cm2 、光量1〜100J/cm2 、特には2〜10J/cm2 にて行うことが好ましい。照射後は、型を除去し、得られた硬化物を、揮発ガス低減のために、熱風で加熱することも可能である。
かくして、透明な樹脂フィルムの表面に、光硬化性組成物の硬化体からなる凹凸を有する樹脂層が形成された積層体が得られる。
また、凹凸を有する樹脂層の表面粗さ(RMS)が10〜300nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは10〜200nm、特に好ましくは15〜100nmである。かかる表面粗さが小さすぎると、金属酸化物成膜後、入射した太陽光を拡散しがたいために、太陽電池とした場合の光電変換効率が落ちる傾向があり、大きすぎると金属酸化物にクラックが入りやすくなる傾向がある。なお、表面の凹凸形状は不規則であることが好ましい。
このようにして得られる積層体の全光線透過率は、80%以上、特には85〜95%であることが好ましい。かかる光線透過率が低すぎると、太陽電池とした場合の光電変換効率が落ちる傾向がある。
また、上記積層体から太陽電池用透明電極基板を製造する場合には、かかる積層体を太陽電池用の電極基板の構成部材として用いるわけであるが、具体的には、上記積層体の樹脂層の上に、金属酸化物よりなる膜等が形成される。
上記金属酸化物は、特に限定されないが、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム、酸化チタンなどの単一金属酸化物、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛、酸化インジウムチタン、酸化スズカドミウムなどの多種金属酸化物、ガリウム添加酸化亜鉛、アルミニウム添加酸化亜鉛、硼素添加酸化亜鉛、チタン添加酸化亜鉛、チタン添加酸化インジウム、ジルコニウム添加酸化インジウム、フッ素添加酸化スズなどのドーピング型金属酸化物などが挙げられる。これらの中では、ガリウム添加酸化亜鉛、アルミニウム添加酸化亜鉛または硼素添加酸化亜鉛が、光線透過率と低抵抗率の観点から好ましい。
かかる金属酸化物よりなる膜を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば、150℃以上のドライプロセスにより金属酸化物よりなる膜を形成することが好ましい。かかる温度が低すぎると、ガリウム、アルミニウム、硼素などの添加物が活性化し難い上に、結晶性が悪くなり、シート抵抗が増大する傾向がある。なお、シート抵抗は、50Ω/□以下が好ましく、より好ましくは40Ω/□以下、特には30Ω/□以下が好ましい。
かかる金属酸化物よりなる膜を形成する方法としては、特に限定されないが、例えば150℃以上のドライプロセスにより金属酸化物よりなる膜を形成することが好ましい。
なお、ここで言うドライプロセスとしては、スパッタ法、CVD法、蒸着法などが挙げられる。上記金属酸化物の形成においてはスパッタ法を用いることが、樹脂層との密着性の点で好ましい。
かかる金属酸化物よりなる膜の厚さは、通常100〜1000nmであり、好ましくは130〜700nm、特に好ましくは150〜500nmである。かかる厚さが薄すぎるとシート抵抗が高くなってしまう傾向があり、厚すぎると成膜に時間がかかる上に、光線透過率が下がることとなり、太陽電池とした場合の光電変換効率が落ちる傾向がある。
また、上記積層体にさらにガスバリア膜を形成することができる。ここでいうガスバリア膜とは、酸素や水分を遮断する膜のことである。かかるガスバリア膜は、積層体の少なくとも片面に形成されればよい。ガスバリア膜としては、酸化珪素、または窒化珪素を主成分とするガスバリア膜が好ましい。成膜の手法は特に限定されないが、蒸着やスパッタなどの手法が好ましい。
ガスバリア膜の膜厚は5〜500nmが好ましく、より好ましくは10〜100nm、更に好ましくは15〜50nmである。膜厚が薄すぎるとガスバリア性が充分でなく、逆に、厚すぎると透明電極基板を曲げた際にクラックが入りやすくなる傾向にある。
ガスバリア性の能力としては、好ましくは、水蒸気透過率が1g/day・atm・m2 以下、より好ましくは0.5g/day・atm・m2 以下、更に好ましくは0.3g/day・atm・m2 以下である。水蒸気透過率が大きすぎると太陽電池の信頼性が低下する傾向にある。なお、水蒸気透過率の下限値としては通常0.001g/day・atm・m2 である。
上記の樹脂フィルム、凹凸を有する樹脂層、金属酸化物よりなる層の層構成を有する透明電極基板には、さらに、樹脂フィルムに対して金属酸化物よりなる膜とは反対面の樹脂フィルム側に反射防止膜や防汚膜を形成することができる。
反射防止膜は、樹脂フィルムと大気との界面に形成されることが好ましい。反射防止膜としては、低屈折率なフッ素系樹脂膜や、酸化珪素膜と酸化チタン膜を積層した誘電体多層膜などが挙げられる。これらの中では、安価であり、かつ防汚機能を有するフッ素系樹脂膜が好ましい。成膜の手法は特に限定されないが、スピンコートやダイコートなどのウェットプロセスが好ましい。
また、本発明における太陽電池用透明電極基板について、全光線透過率が80%以上、特には82%以上、更には84%以上であることが好ましい。かかる光線透過率が低すぎると、太陽電池としての光電変換効率が落ちる傾向がある。
本発明で得られる太陽電池用透明電極基板は、着色や変形が無く外観特性に優れ、更に低抵抗であり、かつ光電変換効率に優れた効果を有するものであり、本発明の積層体は、太陽電池の電極基板の構成部材として有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
各物性の測定方法は以下の通りである。
(1)表面粗さ(RMS)(nm)
試料を1cm角の大きさに切り取ってデジタルインスツルメンツ社製「NanoScopeIII a」で測定した。試料をピエゾスキャナー上の水平な試料台にセットし、カンチレバーを試料表面にアプローチし、原子間力が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際、試料の凹凸をZ方向の変位としてレーザーでとらえる。スキャナーは、XY方向について150μm、Z方向について10μm、走査可能なものを使用した。カンチレバーは共振周波数120〜400kHz、バネ定数12〜90N/mのものを用いた。計測の際は、表面の2μm×2μmを256点測定した。スキャン速度は1Hzとした。
(2)全光線透過率(%)
3cm角の試料を用意し、分光光度計(日本分光(株)製、「V−7200」)を用いて全光線透過率(%)を測定した。
(3)熱変形温度(℃)
長さ30mm×幅3mmの試験片を用い、セイコー電子社製「TMA120」で、引っ張り法TMA(支点間距離20mm、加重100g 、昇温速度5℃/分)にて、室温から昇温し、伸び量が200%(40mm)となる点を熱変形温度とした。
(4)シート抵抗(Ω/□)
5cm×5cmの試験片を用いて、三菱化学社製の4端子法抵抗測定器(ロレスターMP)を用いて測定した。
(5)光電変換効率
0.5cm×0.5cm(0.25cm2 )の太陽電池セルにおいて、ソーラーシミュレータを用いたAM(エアマス)1.5、100mW/cm2 の光照射下で電流電圧測定を行い、短絡電流、開放端電圧、曲線因子の測定結果から光電変換効率を求めた。
(6)粘度(mPa・s)
芝浦システム社製B型粘度計、「ビスメトロンVS−A1」を用いて、23℃、回転数60rpm(No.3回転子)で測定した。
(7)樹脂フィルムと樹脂層との密着性(すなわち、積層体の密着性)
セロハンテープを樹脂層面に貼り付け、かかるセロハンテープを10cm/secの速度で180°剥離試験を行った際の密着性を評価し、樹脂フィルムと樹脂層とが剥離したものを「×」、剥離しなかったものを「○」とした。
<実施例1>
[多官能ウレタンアクリレート(A−1)の調製]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート53.34g(0.24モル)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート55.73g(0.48モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、溶剤を留去して2官能ウレタンアクリレート(A−1)を得た。
[光硬化性組成物(B−1)の調製]
上記の2官能ウレタンアクリレート(A−1)40部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02.6]デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製、「DCP」)30部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(新中村化学社製、「A−TMMT」)30部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製、「Irgacure184」)1部、酸化防止剤としてテトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(チバガイギー社製、「Irganox1010」)0.5部を、60℃にて均一になるまで撹拌し、光硬化性組成物(B−1)を得た。得られた組成物の粘度は、1500mPa・sであった。
[型(C−1)の調製]
片面に酸化錫よりなる凹凸(テクスチャ)が形成されたガラス〔旭硝子社製、「A180U80」、サイズ350mm×300mm、表面粗さ(RMS)30nm〕のテクスチャ面に、膜厚100Åの酸化珪素膜をスパッタ法で形成し、さらに、フッ素系離型剤(ダイキン工業社製、「オプツールDSX」)を均一に塗布し、風乾した。その後、60℃、90%RHの環境下で3時間放置した後、フッ素系溶剤(ダイキン工業社製「デムナムソルベント」)に浸漬して23℃で10分間超音波洗浄し、型(C−1)を得た。このテクスチャ面の表面粗さ(RMS)は30nmであった。
[積層体の作製]
図1〜図6の工程に準じて、以下の通り行った。
上記の型(C−1)のテクスチャ面を上側に向けて、上記光硬化性組成物(B−1)2gを23℃で、型(C−1)の上面の一辺の端部から2cm内側に線状に均一に滴下し、その上から、(ラミネート機の両ロールに設けた)樹脂フィルムとしてポリビニルアルコールフィルム〔日本合成化学工業(株)製「ボブロン」フィルム(サイズ350mm×300mm、25μm厚)〕を接触させた。そののち、メタルハライドランプを用いて、照度20mW/cm2 、光量5J/cm2 で紫外線を照射し、型を除去することで積層体を得た。樹脂層の厚みは10μm、凹凸の表面粗さは30nmであり、樹脂層の剥離は起こらなかった。
得られた積層体の諸物性は下記の表1の通りであった。
[透明電極基板の作製]
つぎに、積層体を5cm角にカットして、スパッタ用のサンプルホルダーに固定してスパッタ機に投入した。スパッタ機内を圧力10-5Paになるまで真空排気し、基板ホルダー温度を150℃に設定した。その後、アルゴンガスを流量100sccmでスパッタ機内に導入し、圧力0.667Paに調整した後、酸化ガリウム(Ga2 3 )を5.7wt%添加した酸化亜鉛(ZnO)ターゲットに直流電力400Wを供給した。これにより、厚み200nmのガリウム添加酸化亜鉛からなる薄膜が積層体のテクスチャ面上にスパッタ形成された透明電極基板を得た。得られた透明電極基板の諸物性は下記の表2の通りであった。
[太陽電池セルの作製]
つぎに、上記の透明電極基板試料を3層分離型シリコン成膜装置(CVD)にセットし、透明電極上に次の手順で光電変換層を形成した。
(p型層形成)
試料をp型シリコン製膜室に輸送した後、シラン(SiH4 )、水素(H2 )、ジボラン(B2 6 )、メタン(CH4 )等の高純度半導体ガスをp型シリコン製膜室へ一定流量で導入し、基板温度150℃、圧力66.7Paに保った後、放電を開始し、1分間の製膜で厚み10nmのボロンドープa−Si合金膜を得た。その後、同室で上記条件のジボラン(B2 6 )ガスの導入のみを停止して、ノンドープa−SiC合金膜を太陽電池バッファー層として厚み5nmの成膜をした。製膜が終了した後再び高真空に排気した。
(i型層形成)
つぎに試料をi型シリコン製膜室に輸送した後、SiH4 とH2 をi型シリコン製膜室へ一定流量で導入し、基板温度150℃、圧力133Paに保った後、放電を開始し、25分間の製膜で厚み0.35μmのノンドープa−Siを得た。製膜が終了した後、再び高真空に排気した。
(n型層形成)
つぎに試料をn型シリコン製膜室に輸送し、SiH4 、H2 、フォスフィン(PH3 )をn型シリコン製膜室へ一定流量で導入し、基板温度150℃、圧力26.7Paに保った。放電を開始し、6分間の製膜で厚さ30nmのリンドープa−Siを得た。製膜が終了した後再び高真空に排気した。
(裏面反射電極層形成)
以上のp−i−n3層光電変換ユニットを成膜後、試料を室温まで冷却し、大気中に取り出した後、試料を再びスパッタ真空装置に設置し、次の手順で裏面反射電極層を形成した。
室温でガリウム添加酸化亜鉛層20nm、銀層200nm、ガリウム添加酸化亜鉛層20nmを順に積層した。試料を真空装置から取り出した後、裏面電極のパターニングにより面積0.25cm2 の太陽電池を得た。その後150℃のポストアニーリングを2時間行った。
以上の工程により得られたアモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率を測定したところ、8%であった。
<実施例2>
[多官能ウレタンアクリレート(A−1)の調製]
実施例1と同様の2官能ウレタンアクリレート(A−1)を用いた。
[光硬化性組成物(B−1)の調製]
実施例1と同様の光硬化性組成物(B−1)を用いた。
[型(C−2)の調製]
片面に酸化錫よりなる凹凸(テクスチャ)が形成されたガラス〔旭硝子社製、「T18VU70」、サイズ350mm×300mm、表面粗さ(RMS)25nm〕のテクスチャ面に、膜厚100Åの酸化珪素膜をスパッタ法で形成し、さらに、フッ素系離型剤(ダイキン工業社製、「オプツールDSX」)を均一に塗布し、風乾した。その後、60℃、90%RHの環境下で3時間放置した後、フッ素系溶剤(ダイキン工業社製「デムナムソルベント」)に浸漬して23℃で10分間超音波洗浄し、型(C−2)を得た。このテクスチャ面の表面粗さ(RMS)は25nmであった。
[積層体の作製]
型として上記(C−2)を用いた以外は実施例1と同様に行い、積層体を得た。得られた積層体の諸物性は下記の表1の通りであった。
[透明電極基板の作製]
実施例1と同様にして透明電極基板を作製した。得られた透明電極基板の諸物性は下記の表2の通りであった。
[太陽電池セルの作製]
実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。得られた太陽電池の光電変換効率は下記の表2の通りであった。
<実施例3>
[多官能ウレタンアクリレート(A−2)の調製]
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート53.34g(0.24モル)、ペンタエリスリトールトリアクリレート(水酸基価125.4mgKOH/g)(大阪有機化学工業(株)社製、「ビスコート#300」)95.46g(0.48モル)、重合禁止剤としてハイドロキノンメチルエーテル0.02g、反応触媒としてジブチルスズジラウレート0.02g、メチルエチルケトン500gを仕込み、60℃で3時間反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、溶剤を留去して6官能ウレタンアクリレート(A−2)を得た。
[光硬化性組成物(B−2)の調製]
上記の6官能ウレタンアクリレート(A−2)40部、ビス(ヒドロキシメチル)トリシクロ[ 5.2.1.02,6] デカン=ジメタクリレート(新中村化学社製、「DCP」)40部、トリシクロデシルアクリレート(日立化成製「FA−513A」)20部とした以外は実施例1と同様に行い、光硬化性組成物(B−2)を得た。得られた光硬化性組成物(B−2)の粘度は、500mPa・sであった。
[型(C)の調製]
実施例1と同様の型(C−1)を用いた。
[積層体の作製]
実施例1と同様に行い、積層体を得た。得られた積層体の諸物性は下記の表1の通りであった。
[透明電極基板の作製]
実施例1と同様にして透明電極基板を作製した。得られた透明電極基板の諸物性は下記の表2の通りであった。
[太陽電池セルの作製]
実施例1と同様にして太陽電池セルを作製した。得られた太陽電池の光電変換効率は下記の表2の通りであった。
実施例の測定結果を下記の表1および2に示す。
Figure 0005179076
Figure 0005179076
本発明の積層体の製造方法に用いる積層装置を示す説明である。 本発明における積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における積層装置の作用を示す説明図である。 本発明の積層体を示す断面図である。 本発明における積層装置の参考の例を示す説明図である。 本発明における参考の例の積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における参考の例の積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における参考の例の積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における参考の例の積層装置の作用を示す説明図である。 本発明における参考の例の積層装置の作用を示す説明図である。
符号の説明
1 送り出しロール
2 樹脂フィルム
3 巻き取りロール
8 型
8a 表面

Claims (5)

  1. 樹脂フィルムの表面に、光硬化性組成物からなる微細な凹凸を有する樹脂層が形成された積層体を製造するにあたり、つぎの5つの工程を経由させることを特徴とする積層体の製造方法。
    1.表面に微細な凹凸を有する型の型表面に液状の光硬化性組成物を塗布する塗布工程。
    2.上記塗布された光硬化性組成物の表面に、一方のロールから所定長さ送り出された樹脂フィルムの面を対面させ接触させたのち、樹脂フィルムの上面を透明材質からなる支持板の平坦な下面に圧接させる接触工程。
    3.上記樹脂フィルムの上面を支持板の平坦な下面に圧接させた状態で、この支持板を介する光照射により光硬化性組成物を硬化させて、光硬化性組成物からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程。
    4.上記樹脂層形成工程ののち、上記樹脂層が付着した樹脂フィルムを型の表面から剥離する剥離工程。
    5.上記剥離工程ののち、樹脂フィルムの移動と、樹脂フィルムと樹脂層との積層体を他方のロールに巻き取る巻き取りとを行う巻き取り工程。
  2. 上記樹脂フィルムの厚さが10〜500μmの範囲内である請求項1記載の積層体の製造方法。
  3. 上記樹脂層の表面粗さ(RMS)が、10〜300nmの範囲内である請求項1または2記載の積層体の製造方法。
  4. 上記積層体の全光線透過率が80%以上である請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
  5. 上記光硬化性組成物が、多官能(メタ)アクリレートおよび光重合開始剤を含有してなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体の製造方法。
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