JP4275432B2 - 凹凸インサートシートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、家電製品、自動車部品、通信機器などの表示加飾パネルなどに用いられる凹凸インサートシートとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック成形品に対して装飾を行う方法として、透明な基体シートの片面に図柄層が設けられたインサートシートを所望のキャビティ形状を有する射出成形用金型内に配置し、型締め後、インサートシートの図柄層側よりキャビテイ内に樹脂を射出充満させ、冷却して樹脂成形品を得るのと同時にその面にインサートシートを一体化させて装飾を行う方法がある。
【0003】
ここで、インサートシートとして、基体シートの表面に艶消し模様やヘアライン模様などの微細凹凸形状が形成されたものを用いると、インサート成形品の表面に艶消し模様やヘアライン模様などを付与することができる。
【0004】
インサートシートの基体シートの表面に微細凹凸模様を設ける方法としては、ロール凹版に電離放射線硬化性樹脂をコートし、基体シートを密着させた後に電離放射線を照射する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−52239号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにして得た微細凹凸模様は、インサート成形時に成形樹脂の射出圧によってつぶれてしまい、当初期待していた微細凹凸模様を得ることができないという問題があった。
【0007】
したがって、この発明は、上記のような問題点を解消し、インサート成形時に基体シートの微細凹凸がつぶれることがない凹凸インサートシートとその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の凹凸インサートシートとその製造方法は、以上の目的を達成するために、つぎのように構成した。
【0009】
この発明は、射出成形用金型内に配置され、射出成形と同時に、その射出成形により成形される成形樹脂の表面に固着させることができる凹凸インサートシートの製造方法であって、表面に微細凹凸を有する凹版の凹部に未硬化の電離放射線硬化型樹脂を充填する工程と、充填された未硬化の電離放射線硬化型樹脂の上面に基体シートを圧着させる工程と、圧着された状態で電離放射線を照射して電離放射線硬化型樹脂を硬化させ、前記基体シートの片面に微細凹凸層を形成する工程とを備え、基体シートの片面に微細凹凸層を形成し、微細凹凸層は、厚さが2μm以上であり、日本工業規格(JIS)K5400に規定された試験方法による鉛筆硬度がHB以上であり、微細凹凸層の凹部最低面から凸部最高面までの高低差が1μm以上であり、微細凹凸層の凹部最低面から基体シートの界面までの高低差が1μm以上であるものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0017】
図1は、この発明の凹凸インサートシートの一実施例を示す断面図である。図2〜3は、この発明の凹凸インサートシートの製造方法の一工程を示す断面図である。図4〜6は、この発明の凹凸インサートシートを用いて凹凸成形品を得る方法の一工程を示す断面図である。図7は、この発明の凹凸インサートシートを用いて得ることができる凹凸成形品の一実施例を示す断面図である。図中、1は凹凸インサートシート、2は基体シート、3は微細凹凸層、4は金属薄膜層、5は図柄層、6は凹版、7は凹部、8は電離放射線硬化型樹脂、9は予備成形型、10は成形金型、11はゲート、12は成形樹脂、13は凹凸成形品である。
【0018】
この発明の凹凸インサートシート1は、基体シート2の片面に、厚さ2μm以上であり日本工業規格(JIS)K5400に規定された試験方法による鉛筆硬度がHB以上である微細凹凸層3が少なくとも積層されたものである(図1参照)。
【0019】
このような構成の凹凸インサートシート1を得るには、表面に微細凹凸を有する凹版6の凹部7に未硬化の電離放射線硬化型樹脂8を充填し、その上から基体シート2を圧着させた状態で電離放射線を照射し、電離放射線硬化型樹脂8を硬化させて微細凹凸層3を形成するとよい。
【0020】
基体シート2としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリカーボネート−ポリブチレンテレフタレートアロイ樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂などからなる単層フィルムまたは積層フィルムを用いるとよい。
【0021】
基体シート2の厚さは、50〜250μmの範囲とするとよい。厚さが50μmに満たないと、微細凹凸層3の形成工程で成膜が安定しないおそれがある。また後工程となる印刷工程や成形工程などでのハンドリングが悪くなるおそれがある。厚さが250μmを越えると、凹凸インサートシート1をインサート成形する際、凹凸インサートシート1とゲート11との距離が近くなりすぎ、図柄層5などのインキ飛びなどが生じるおそれがある。
【0022】
また、ブロッキングの発生が懸念される場合、基体シート2の微細凹凸層3を形成しない面(背面)に全面的に凹凸が形成されたものを用いてもよい。凹凸が形成されていることによって基体シート2の背面と微細凹凸層3との接触面積をより小さくすることができ、ブロッキングの発生を防ぐことができる。
【0023】
凹版6は、微細凹凸層3の凹凸形状を形成するため、表面に微細凹凸を有する(図2参照)。凹凸形状は、艶消し模様やヘアライン模様など所望の微細凹凸模様を形成するものであればよい。また、微細凹凸は凹版6の全面に渡って形成しても部分的に形成してもよい。部分的に微細凹凸を形成する場合は、凹版6が平滑面を有するようにしたり、図柄層5などと同調するようにしてもよい。また、表面形状の異なる複数の部材から凹版6を構成し、異なる複数の表面形状を同一面に形成できるようにしてもよい。微細凹凸の形成方法としては、エッチング法、サンドブラスト法、電極放電加工法、NC加工法などがある。また、凹版6はロール形状であっても平板形状であってもよい。
【0024】
凹版6の凹凸深度は、所望のマット感に応じて適宜選択して加工するとよい。好ましくは、深度1μm以上とする。深度を1μm以上とすることにより、微細凹凸層3の凹凸高低差を1μm以上とすることができ、微細でありながら凹凸感が十分視認可能な微細凹凸層3を形成することができる。
【0025】
このような構成の凹版6に対して未硬化の電離放射線硬化型樹脂8を充填する。
【0026】
電離放射線硬化型樹脂8としては、紫外線硬化性樹脂(ウレタンアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂)などの光硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂などを用いるとよい。また、微細凹凸層3の表面強度を高めるために、これらの樹脂に、酸化アルミニウム、酸化セリウム、炭化ケイ素、酸化クロム、珪藻土などの粉末を前記樹脂に5〜25重量%加えたものを用いてもよい。電離放射線硬化型樹脂8は、電離放射線を照射して瞬時に硬化させることが可能なため、凹版6に形成した微細凹凸形状とほぼ同一の形状に微細凹凸層3を基体シート2表面に形成して所望の微細凹凸模様を得ることができる。また、電離放射線硬化型樹脂8は、後に詳述するハードコート機能などの優れた物性を得ることが容易である。
【0027】
充填方法としては、たとえば、凹版6表面を未硬化の電離放射線硬化型樹脂8に浸し、凹版6表面をドクターブレードで掻ききることで不要な電離放射線硬化型樹脂8を除去し凹版6の凹部7のみに充填させる方法がある。
【0028】
次いで、基体シート2を未硬化の電離放射線硬化型樹脂8が充填された凹版6に圧着させ、基体シート2側から電離放射線を照射して電離放射線硬化型樹脂8を硬化させる(図3参照)。電離放射線としては、紫外線など電離放射線硬化型樹脂8を硬化させることができるものを用い、400〜4000mJ/cm2↑程度の条件で照射するとよい。
【0029】
このようにして基体シート2上に微細凹凸層3を形成することができる。
【0030】
この発明において、微細凹凸層3は厚さ2μm以上に形成することが重要である。微細凹凸模様に十分な立体感を付与するには、微細凹凸形状の凹部7最低面から凸部最高頂点までの凹凸高低差が1μm以上あるようにするのが好ましく、また、微細凹凸層3が基体シート2へ確実に固着するように固着力を確保するためには、微細凹凸形状の凹部7最底面から基体シート2との界面までの厚さを1μm以上確保する必要があるからである。なお、この発明でいう微細凹凸層3の厚さは、微細凹凸層3の基体シート2界面から微細凹凸層3の凸部最高頂点までの距離をいう。
【0031】
また、この発明において、微細凹凸層3は、日本工業規格(JIS)K5400に規定された試験方法による鉛筆硬度がHB以上であることが重要である。凹凸インサートシート1を成形金型10内に配置し溶融樹脂を射出して成形品と一体化させるインサート加工において、凹凸インサートシート1の微細凹凸層3が金型のキャビティ面と向き合うよう配置し溶融樹脂が射出されると、溶融樹脂の射出圧により微細凹凸層3がキャビティ面に押し付けられる。この際、微細凹凸層3の鉛筆硬度がHBを下回ると、溶融樹脂の射出圧によって微細凹凸形状が潰されてしまい凹凸感が損なわれてしまうからである。
【0032】
このようにして、基体シート2の上に微細凹凸層3が形成された凹凸インサートシート1を得ることができる。
【0033】
なお、この発明の凹凸インサートシート1は、上記の構成に限定されるものではなく、次のように構成してもよい。
【0034】
基体シート2には必要に応じて、図柄層5を全面的または部分的に形成してもよい。
【0035】
図柄層5としては、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂などをバインダーとする熱硬化型インキ、溶剤揮発型インキ、紫外線硬化型樹脂インキなどから適宜選択して用いるとよい。
【0036】
図柄層5は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法によって厚さ1〜30μmの範囲で形成するとよい。厚さが1μmに満たないと充分な固着力が発揮できないおそれがある。厚さが30μmを超えると、残留溶剤が揮発し難いためインサート加工時にインキ流れが生じるおそれがある。
【0037】
図柄層5は、微細凹凸層3を形成する前に基体シート2上にあらかじめ形成しても、微細凹凸層3を形成した後に基体シート2上に形成してもよい。微細凹凸層3を形成する前に図柄層5を形成する場合は、基体シート2のどちらの面に図柄層5を形成してもよい。また、基体シート2は平滑であるため、図柄層5の印刷適性に優れたものとなる。微細凹凸層3を形成した後に図柄層5を形成する場合は、基体シート2の微細凹凸層3が形成されていない面に図柄層5を形成する。また、微細凹凸層3を構成する電離放射線硬化型樹脂8の硬化後であるため、電離放射線の照射に際して図柄層5が邪魔になることはない。
【0038】
また、必要に応じて、金属光沢を表現するために金属薄膜層4を全面的または部分的に形成してもよい。
【0039】
金属薄膜層4は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、鍍金法などで形成するとよい。表現したい金属光沢色に応じて、アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロム、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニウム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金または化合物を使用するとよい。金属薄膜層4の部分的な形成方法としては、基体シート2全面に形成された金属薄膜に部分的にマスク層をスクリーン印刷法などにより形成した後、酸またはアルカリ水溶液中に浸漬し、積層部以外の金属薄膜を除去するエッチング法や、全面に金属薄膜層4を形成した後、レーザー光線により金属薄膜層4を所望のパターン形状に除去するレーザーマーキング法がある。
【0040】
金属薄膜層4は、光線透過率0〜30%となるよう形成するとよい。光線透過率が30%を越えると、金属薄膜層4の厚さが薄くなりすぎて十分な金属光沢を得ることができないおそれがある。
【0041】
また、金属薄膜層4を形成する場合、金属薄膜層4の層間密着を強固にするため、アンカー層を形成してもよい。アンカー層としては、アクリルポリオール系樹脂を用いるのがよい。透明性に優れるので金属意匠の光沢感を再現でき、また耐熱性、柔軟性に優れるのでインサート成形工程における樹脂圧によりアンカー層に微細な割れを発生させずに金属光沢感を損なうことがない。
【0042】
また、必要に応じて、成形樹脂12との固着性を高めるため接着層(図示せず)を全面的に形成してもよい。
【0043】
接着層としては、成形樹脂12の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜使用する。たとえば、成形樹脂の材質がアクリル系樹脂の場合はアクリル系樹脂を用いるとよい。また、成形樹脂の材質がポリフェニレンオキシド・ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン共重合体系樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、これらの樹脂と親和性のあるアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよい。さらに、成形樹脂の材質がポリプロピレン樹脂の場合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹脂が使用可能である。接着層の形成方法としては、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法がある。
【0044】
接着層は、厚さ1〜30μmで形成するとよい。厚さが1μmに満たないと成形樹脂12との十分な密着性が得られないおそれがある。厚さが30μmを超えると印刷法による形成が困難になるおそれがある。
【0045】
また、必要に応じて、基体シート2と微細凹凸層3との密着性を高めるため、2液硬化型ウレタン系樹脂やアクリルポリオール系樹脂などからなるバインダー層(図示せず)を、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により厚さ0.1〜5μmで全面的に形成してもよい。
【0046】
また、必要に応じて、微細凹凸層3が部分的に形成され基体シート2が凹凸インサートシート1の表面に露出する場合、表面強度を高めるためウレタンアクリレート系樹脂などからなるハードコート層(図示せず)を、グラビアコート法、ロールコート法、コンマコート法などのコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法などの印刷法により厚さ3μm以上で基体シート2上に全面的に形成してもよい。
【0047】
このような構成の凹凸インサートシート1を用いて凹凸成形品13を得るには、キャビティを有する成形用金型内に凹凸インサートシート1を設置し、成形用金型内に溶融樹脂を射出し、凹凸インサートシート1と溶融樹脂とが一体化した凹凸成形品13を得るようにする。具体的には、次のようにして行うとよい。
【0048】
まず、キャビティ型とコア型とからなる成形用金型内に凹凸インサートシート1を送り込む。あらかじめ所望の形状に切断あるいは予備成形した枚葉の凹凸インサートシート1(図4〜5参照)を1枚ずつ送り込んでもよいし、長尺の凹凸インサートシート1の必要部分を間欠的に送り込んでもよい。長尺の凹凸インサートシート1を使用する場合、位置決め機構を有する送り装置を使用して、凹凸インサートシート1の図柄層5と成形用金型との見当が一致するようにするとよい。また、凹凸インサートシート1を間欠的に送り込む際に、凹凸インサートシート1の位置をセンサーで検出した後に凹凸インサートシート1をキャビティ型とコア型とで固定すれば、常に同じ位置で凹凸インサートシート1を固定することができ、図柄層5の位置ずれが生じない。ここで、凹凸インサートシート1が成形用金型に沿いやすくするために、凹凸インサートシート1を加熱してもよい。加熱をするには、赤外線ヒーターやニクロムヒーターなどを凹凸インサートシート1の近傍に配置するとよい。
【0049】
次いで、型締め後、溶融した成形樹脂12をゲート11部を通じてキャビティ内に充満させる(図6参照)。
【0050】
成形樹脂12としては、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂などを用いることができる。凹凸成形品13としてキー部材を成形する場合は、耐衝撃性や耐熱性に優れる塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などを用いるとよい。
【0051】
次いで、冷却、型開きし、必要に応じて成形品周囲の余分の凹凸インサートシート1を切断除去してて凹凸成形品13を得ることができる(図7参照)。
【0052】
【実施例】
凹版として、凹凸高低差1μm、凹部最深部から金属ロール平滑面までの距離が2μmとなる部分的なヘアライン模様を金属ロールに形成したものを用意した。
【0053】
未硬化の電離放射線硬化型樹脂としてウレタンアクリレート系樹脂を凹版の表面に供給し、ゴム製ドクターブレードにより不要な電離放射線硬化型樹脂を除去して凹版の凹部に充填し、次いで厚さ130μmのポリカーボネートフィルムを基体シートとし、これを凹版表面に圧着させた。
【0054】
次いで、基体シート背面から2000mJ/cm↑2の紫外線を照射して、電離放射線硬化型樹脂を硬化させ、凹部最低面から凸部最高頂点までの高低差1μm、凸部最高頂点から基体シート界面までの距離が2μmとなる微細凹凸層を形成した。また、微細凹凸層の鉛筆硬度を日本工業規格(JIS)K5400に規定された試験方法で測定したところ、HBであった。
【0055】
次いで、基体シートの微細凹凸層が形成が形成されていない面に、黒色の図柄層をウレタン2液硬化型スミインキ(株式会社セイコーアドバンス製SG410)を用いてスクリーン印刷法により部分的に形成し、次いで塩化ビニル酢酸ビニル共重合体系樹脂からなる接着層をスクリーン印刷法により全面的に形成して、凹凸インサートシートを得た。
【0056】
このようにして得た凹凸インサートシートを成形金型のキャビティ形状に合わせて切断し、成形金型内に配置し、ポリカーボネート樹脂(バイエル株式会社製マクロロン2205)を溶融させて射出し、冷却固化させて凹凸インサートシートが表面に一体化された凹凸成形品を得た。
【0057】
このようにして得た凹凸成形品の表面に一体化された凹凸インサートシートの微細凹凸層は、その形状が損なわれることがなく、立体感に優れた所望のヘアライン模様を呈するものであった。
【0058】
【発明の効果】
この発明は、前記した構成からなるので、次のような効果を有する。
【0060】
微細凹凸の模様に十分な立体感が付与され、インサート成形によって微細凹凸がつぶれることがなく、基体シートへの固着力が確保された微細凹凸層を有する凹凸インサートシートを容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の凹凸インサートシートの一実施例を示す断面図である。
【図2】この発明の凹凸インサートシートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図3】この発明の凹凸インサートシートの製造方法の一工程を示す断面図である。
【図4】この発明の凹凸インサートシートを用いて凹凸成形品を得る方法の一工程を示す断面図である。
【図5】この発明の凹凸インサートシートを用いて凹凸成形品を得る方法の一工程を示す断面図である。
【図6】この発明の凹凸インサートシートを用いて凹凸成形品を得る方法の一工程を示す断面図である。
【図7】この発明の凹凸インサートシートを用いて得ることができる凹凸成形品の一実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 凹凸インサートシート
2 基体シート
3 微細凹凸層
4 金属薄膜層
5 図柄層
6 凹版
7 凹部
8 電離放射線硬化型樹脂
9 予備成形型
10 成形金型
11 ゲート
12 成形樹脂
13 凹凸成形品
Claims (1)
- 射出成形用金型内に配置され、射出成形と同時に、その射出成形により成形される成形樹脂の表面に固着させることができる凹凸インサートシートの製造方法であって、
表面に微細凹凸を有する凹版の凹部に未硬化の電離放射線硬化型樹脂を充填する工程と、
前記充填された未硬化の電離放射線硬化型樹脂の上面に基体シートを圧着させる工程と、
前記圧着された状態で電離放射線を照射して前記電離放射線硬化型樹脂を硬化させ、前記基体シートの片面に微細凹凸層を形成する工程とを備え、
前記微細凹凸層は、厚さが2μm以上であり、日本工業規格(JIS)K5400に規定された試験方法による鉛筆硬度がHB以上であり、前記微細凹凸層の凹部最低面から凸部最高面までの高低差が1μm以上であり、前記微細凹凸層の凹部最低面から前記基体シートの界面までの高低差が1μm以上である、凹凸インサートシートの製造方法。
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