JP5177542B2 - 複合磁性体、それを用いた回路基板、及びそれを用いた電子部品 - Google Patents

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本発明は高周波回路基板及び高周波電子部品に関し、特に、高周波回路基板及び高周波電子部品の材料として好適な複合磁性体に関するものである。
情報通信機器の高速化、高密度化に伴い、電子機器に搭載される電子部品や回路基板の小型化及び低消費電力化が強く求められている。
一般に、材料内を伝播する電磁波の波長λgは、真空中を伝播する電磁波の波長λ0と材料の比誘電率εr及び比透磁率μrを用いて、以下の式(1)で表すことができる。
λg=λ0/(εr・μr)1/2…(1)
式(1)より明らかなように、比誘電率εr及び比透磁率μrが大きいほどλ0に対するλgが小さくなる(波長短縮率が大きくなる)ため、εrやμrが大きい材料を電子部品や回路基板に用いることにより、これらのデバイスの小型化が可能となる。
ところが、情報通信機器等が使用する高周波帯では磁性材料の表面に渦電流が生じ、この渦電流は印加した磁界の変化を打ち消す向きに磁界を生成するため、材料の見かけ上の透磁率の低下を招いていた。
また、渦電流の増大はジュール熱によるエネルギー損失を生じるため、εrやμrが大きい材料を回路基板や電子部品等の材料として使用する上では問題が生じていた。
渦電流を低減するためには、磁性粉末を含む材料を用い、以下の式(2)で表される材料の表皮深さdよりも磁性粉末の直径を小さくすることが効果的である。
d=1/(π・f・μ0・μr・σ)1/2…(2)
式(2)において、fは信号周波数、σは磁性粉末の導電率、μ0は真空の透磁率である。
一方、近年ではナノテクノロジーの進歩に伴い磁性粒子の微細化が進み、高周波での材料の比透磁率μrの低下を抑制した事例が幾つか報告されている。
例えば、特許文献1において、本発明者らは分散媒体を用いた自転公転式混合を行って球状磁性粉末または扁平状磁性粉末を樹脂中に好適に混合分散することにより、500MHz〜1GHzの周波数帯において、μr’が1よりも大きく、かつ損失正接tanδが0.1以下の複合磁性体を提供している(特許文献1)。
特開2008−181905号公報
特許文献1のような構造は、磁性粉末の分散を好適に実施することにより500MHz〜1GHzの周波数帯でも損失の低減を可能とした優れた構造である。
しかしながら、磁性粉末として、導電性の高い金属材料を用いた場合、分散した金属粒子と絶縁性材料の界面が静電容量をもつため、εr’の増加は、μr’の増加に比べて極端に大きくなり、通常、両者の差は10倍以上になる。
さらに、扁平化粒子の配向分散はμr’の向上に対して有効であるが、方向によって粒子と絶縁性材料の界面の数が極端に異なることになるため、εr’の異方性を生じる。粒子の配向面に対して垂直方向ではεr’があまり大きくならない場合でも平行方向では、μr’に対して10倍以上の値になる。
この極端なεr’の異方性は電子部品の設計を制限する。
また、材料の特性インピーダンスZgは、真空の特性インピーダンスZ0を用いて、以下の式(3)で表すことができる。
Zg=Z0・(μr’/εr’)1/2…(3)

アンテナ基板の場合、前述のμr’及びεr’を制御することによる小型化を試みた際に、電波が飛ぶ空間の特性インピーダンス(真空の特性インピーダンスZ0とほとんど同じ値を示す。)と基板材料の特性インピーダンスZgの値が異なると、インピーダンスマッチングのためのロス電力が発生する。そのため、μr’とεr’の値の差は小さいほうが好ましい。
しかしながら、前述ように、磁性粉末として、導電性の高い金属材料を用いた場合、μr’の増加に伴い、μr’とεr’の差は10倍以上になるため、機器を小型化すると、インピーダンスマッチングによる電力ロスが増加する。この電力ロスは、アンテナが電波を送受信する際のロスとなるため、アンテナの最も重要な性能である放射効率の低下原因ともなる。
また、ほとんどの物質において、μr’<εr’であることから、Zg<Z0となる。μr’に比べて、εr’が大きくなりすぎると、材料の特性インピーダンスZgが極めて小さな値となり、材料上の配線から高周波電流の漏れが大きくなり、電子部品や回路基板の消費電力を増大させるおそれがある。
そのため、μr’とεr’の差をより小さくすることが可能な構造が求められている。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、金属磁性粉末を絶縁性材料中に分散して構成される場合であっても、高周波数帯域において、比透磁率の実部を向上させつつ、比誘電率の実部の増加を抑制することが可能な複合磁性体を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、磁性粒子の形状、大きさ、及び飽和磁化を好適に制御することにより、1GHzの周波数において比透磁率の実部を向上させつつ、比誘電率の実部の増加を抑制することが可能であるということを見出した。
上記した課題を解決するために、第1の発明は、金属磁性粉末を絶縁性材料中に10〜50体積%分散して構成され、比透磁率の実数部をμr’、比誘電率の実数部をεr’とした場合に、1GHzの周波数において、μr’が5以上であり、かつ、(μr’・εr’)−1/2が0.2以下であり、(μr’/εr’)1/2が0.5以上、1以下となるように構成されていることを特徴とする複合磁性体である。
第2の発明は、金属磁性粉末を絶縁性材料中に10〜50体積%分散して構成され、比透磁率の実数部をμr’、比誘電率の実数部をεr’とした場合に、1GHzの周波数において、μr’が3以上であり、かつ、(μr’・εr’)−1/2が0.2以下であり、(μr’/εr’)1/2が0.3以上、1以下となるように構成されていることを特徴とする複合磁性体である。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、1GHzにおいて比透磁率の実数部μr’と虚数部μr’’の比である損失正接(μr’’/μr’)が0.3以下であることを特徴とする複合磁性体である。
第4の発明は、第1の発明または第2の発明のいずれかに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする回路基板である。
第5の発明は、第1の発明または第2の発明のいずれかに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする電子部品である。
第6の発明は、第1の発明または第2の発明のいずれかに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする電子機器である。
本発明によれば、金属磁性粉末を絶縁性材料中に分散して構成される場合であっても、高周波数帯域において、比透磁率の実部を向上させつつ、比誘電率の実部の増加を抑制することが可能な複合磁性体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の複合磁性体は、金属磁性粉末を絶縁性材料中に分散させた構造を有しているものである。
まず、複合磁性体を構成する金属磁性粉末について説明する。
最初に金属磁性粉末の材質について説明する。
金属磁性粉末の材質としてはニッケル(Ni)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−アルミニウム(Al)系合金、鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金など、あるいはこれらに銅(Cu)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、スズ(Sn)等の金属元素を添加したものが挙げられる。
そのなかでも後述する飽和磁化が相対的に高いという点からパーマロイ、鉄―シリコン系合金、鉄―アルミニウム系合金、鉄―アルミニウムーシリコン合金が好ましい。さらには粉末状で表面積が相対的に大きいことで酸化に対する耐久性が高いという点からパーマロイが好ましい。
添加する金属元素として、μr’の向上という点から銅、亜鉛、モリブデンが好ましく、飽和磁化の向上という点からコバルトが好ましい。金属元素の添加量は0.1重量%以上かつ90重量%以下が好ましく、さらには1重量%以上かつ10重量%以下の範囲にあることがより好ましい。
その理由は、前記金属元素の添加量が0.1重量%未満では、前記金属磁性粉末に比透磁率や飽和磁化などの磁気特性の向上効果が得られず、一方、前記金属元素自体の磁気モーメントが小さいため添加量が90重量%を超えると前記金属磁性粉末の飽和磁化が小さくなるためである。
上述のように、本実施形態では、金属磁性粉末が用いられる。その理由としては、酸化物磁性粉末に比べて、比透磁率や飽和磁化などの磁気特性に優れているため、少量の添加で大きな比透磁率を示すことと、酸化物磁性粉末の場合には1GHzの周波数付近では共鳴のため比透磁率の実数部が小さくなるためである。
次に、金属磁性粉末の含有量について説明する。
前記金属磁性粉末の絶縁性材料中への含有量として、10体積%以上かつ50体積%以下が好ましく、さらには20体積%以上40体積%以下が好ましい。
その理由は、10体積%未満では、金属磁性粉末の含有量が少なすぎて、高い比透磁率の実数部が得られないからであり、一方、金属磁性粉末の含有量が多くなるに従って、絶縁性材料による粒子どうしの絶縁がとれにくくなり、50体積%を超えると、粒子同士の接触により部分的に前述の表皮深さを超える凝集粒子が生成し、渦電流の発生による損失正接tanδの増加が生じるためである。
次に、前記金属磁性粉末の好適な形状について説明する。
金属のように導電性の高い金属磁性粉末を用いる場合は、比誘電率の増加の原因となる電場による電荷集中は、絶縁性材料と金属磁性粉末の界面で発生する。
ここで、金属磁性粉末の粒子は、アスペクト比(長径/短径)が大きくなる(扁平粒子になる)につれて、長軸方向の先端に特に電荷が集中しやすくなる。
また、金属磁性粉末の粒子は、アスペクト比が大きくなる(扁平粒子になる)につれて、自分自身の磁力により、複合磁性体中で配向する傾向にある。
仮に、扁平粒子が配向した場合、長軸方向の先端部分同士が、絶縁性材料を介して向き合うことになる。この配向面に対して平行方向は電荷集中が著しくなるため、比誘電率が極めて大きくなる。一方、配向面に垂直方向では、見かけ上、比誘電率はそれほど大きくならないが、方向により比誘電率に大きな違いがあるため電子部品の設計には支障がある。
従って、異方性をもつことなく、比誘電率を抑制するためには粒子のアスペクト比を小さくして、電荷集中を避けて、配向し難くすることが好ましい。アスペクト比は2以下で、さらにはアスペクト比が1の球形であることがより好ましい。
さらにこの前記金属磁性粉末の形状が、絶縁材料中に分散された後もその製造プロセスで変形することなく維持されていることが好ましい。変形が生じる際にもアスペクト比が2以内の変形に収まることが好ましい。
金属磁性粉末の粒径は、最も長い部分の径が0.1μm以上かつ1μm以下が好ましく、さらには0.15μm以上かつ0.3μm以下がより好ましい。その理由としては、表面の影響が大きい0.1μm未満の粒子は飽和磁化が小さくなるためである。前記金属磁性粉末の粒径と飽和磁化は密接に関係しており、粒径が小さくなると粒子の比表面積が大きくなり、表面が粒子の特性に及ぼす影響が顕著になる。
一般に、表面層は内部と異なる組成・構造を持っているといわれているが、前記金属磁性粉末の粒子においても、粒子表面から5〜10nmくらいまでは内部とは異なり、結晶欠陥を多く含む層を形成している。この表面層の部分は、磁性に対する寄与が少ないので、表面の影響が大きい0.1μm未満の粒子は飽和磁化が小さくなるのである。一方、最も長い部分の径が1μmを超えると、渦電流の発生による損失正接tanδの増加が生じてしまうため、好ましくない。
前記金属磁性粉末の飽和磁化は、60A・m/kg(emu/g)以上であることが好ましく、さらには80A・m/kg(emu/g)以上であることがより好ましい。その理由としては、εr’の増加を抑制するために粒子のアスペクト比を小さくしたことにより、反磁界係数が大きくなり個々の粒子の有効な磁化が小さくなるため、複合磁性体のμr’が低下する。その低下を補うために個々の粒子のもつ飽和磁化を絶対的に大きくすることで相対的に有効な磁化を大きくして、μr’を増加させる必要があるためである。この飽和磁化は、直流で計測される値で良い。
以上が金属磁性粉末の説明である。
次に複合磁性体を構成する絶縁材料について説明する。
前記複合磁性体を回路基板の材料として用いる場合、絶縁材料としては、コスト面、加工性の面からポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリベンゾシクロブテン樹脂、ポリアリーレンエーテル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン、ポリブチレン、および、ポリウレタンなどの合成樹脂もしくは液相樹脂を含む材料が好適に選択される。
一方、複合磁性体をインダクター素子やアンテナ素子など耐久性や強度が要求される部材に用いる場合には、絶縁材料としては、Al、SiO、TiO、2MgO・SiO、MgTiO、CaTiO、SrTiO、BaTiO、3Al・2SiO、ZrO、SiC、AlNなどのセラミックスを含む材料もしくはこれらの無機物と有機物の混合物などを好適に使用できる。
以上が絶縁材料の説明である。
次に、複合磁性体の、1GHzの周波数における比透磁率の実数部μr’及び比誘電率の実数部εr’の値について説明する。
まず、前記μr’は、3以上であることが好ましく、さらには5以上であることがより好ましい。その理由としては、μr’が3未満の場合は、μr’が、εr’に比べて極端に小さな値になってしまうために、高周波に対する寄与が極めてアンバランスになってしまうためである。なお、通常の材料のεr’は、3あるいは5よりも大きな値を示す。
また、前記μr’及びεr’の関係が、(μr’・εr’)−1/2≦0.2であることが好ましい。この理由としては、以下のように説明される。
(μr’・εr’)−1/2の値は、基板上の高周波波長の真空中波長に対する短縮率である。なお、真空中波長と通常の大気中空間の波長は、ほぼ等しい値を示す。アンテナは通常は、波長の1/2あるいは1/4の長さの配線によって構成されるが、周波数の短い長波長域では、アンテナサイズは長く大きなものになってしまう。無理にアンテナサイズを小さくすると帯域が狭くなる。特にアンテナサイズを波長の1/4よりもさらに0.2倍以下に小さくすると、帯域が狭くなり過ぎるため実用上問題となる。
そこでμr’・εr’)−1/2が0.2以下の基板をアンテナに使用すれば、基板上では波長は0.2倍以下に短縮されるため、帯域を狭くすることなくアンテナサイズを0.2倍以下にすることができるのである。同様の波長短縮による基板サイズの小形化は、高周波回路基板全てにあてはまる。
さらに、(μr’/εr’)1/2が0.3以上(好ましくは0.5以上)、1以下であることが好ましい。この理由は次のように説明される。
(μr’/εr’)1/2の値は、基板上と真空中の特性インピーダンスの比であり、基板上の特性インピーダンスは真空中の特性インピーダンスの(μr’/εr’)1/2倍となる。なお、真空中の特性インピーダンスと通常の大気中空間の特性インピーダンスは、ほぼ等しい値を示す。さらに本発明の複合磁性体も含めて、通常の材料では、μr’<εr’であることから、基板上の特性インピーダンスは、空間の値よりも小さなものになる。高周波信号が、特性インピーダンスの大きなところから小さなところへ伝播する際に、反射や吸収が起こって、減衰することが知られている。特に特性インピーダンスが、30%以上も小さくなる場合には、減衰量は極めて大きくなり、実用上問題となる。そこで(μr’/εr’)1/2の値が、0.3以上あるいは0.5以上になると特性インピーダンスの変化を30%あるいは50%以内に抑えられることから、高周波信号の減衰を抑えられるのである。また、特性インピーダンスが大きくなる場合は、わずかでも大きな減衰があるので、(μr’/εr’)1/2の値は1以下にしなくてはならない。同様の特性インピーダンス変化による高周波信号減衰の低減は、高周波回路基板全てにあてはまる。
以上が、複合磁性体の、1GHzの周波数における比透磁率の実数部μr’及び比誘電率の実数部εr’の値についての説明である。
次に、複合磁性体の、1GHzの周波数における比透磁率の損失正接の値について説明する。
まず、損失正接は0.3以下であることが好ましく、さらには0.25以下、さらには0.2以下であるのが好ましい。その理由としては、0.3を越える場合には、複合磁性体上で高周波がμr’’に対応する部分だけ吸収されて熱に変わってしまうため、信号のエネルギーとしてロスする上に、S/N比の低下や発熱などの問題をおこしてしまうためである。
以上が複合磁性体の、1GHzの周波数における比透磁率の損失正接の値についての説明である。
次に、本発明に係る複合磁性体の製造工程について説明する。
本発明に係る複合磁性体は、金属磁性粉末を溶剤中に分散させて混合してスラリーを製造し、得られたスラリーを成形することにより製造される。
まず、スラリーを製造する工程について説明する。
スラリーを製造する工程は、溶剤に界面活性剤を添加した分散溶媒を製造する工程と分散溶媒中に金属磁性粉末および絶縁性材料を分散および混合する混合工程を含む。
上記分散および混合工程において、金属磁性粉末の粒子変形を生じない分散および混合方法をとることが好ましい。ボールなどの分散媒体を使用して金属磁性粉末に直接機械的な負荷をかける方法よりも超音波分散のように溶媒を通して間接的に粒子に作用する方法の方が粒子の変形が起こりにくいため望ましい。
なお、超音波分散はバッチ式でも連続式でもかまわないが、生産性の面から連続式が好ましい。
また、超音波の周波数は、通常の超音波分散機の周波数である15kHz〜100kHzでかまわないが、金属磁性粉末が1μm以下の粒子径であることから、キャビテーション効果よりも実際の分散溶媒の移動による効果が期待できる100kHzを超える高周波の超音波分散機も効果的であり、両者の連続的な併用も好ましい。
さらに、分散媒体を使用しない分散および混合方法として、自公転式の高速混合機(自転:700rpm以上、公転:1900rpm以上)やホモジナイザー、高速攪拌ミキサーなどの使用も好ましい。
一方、ボールなどの分散媒体を使用する方法は、金属磁性粉末に機械的な応力を加えて塑性変形させるため、通常は好ましくないが、分散および混合の効果は大きいので限定的に使用することは可能である。
分散媒体を使用する場合は、機械的な応力を小さくするために、低比重のものを用いることが好ましい。
低比重の分散媒体としてはアルミナ、シリカガラス、チタニアなどの無機物、ナイロン(登録商標)樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂などのような有機物があるが、比重が3未満のシリカガラスあるいは各種樹脂のような有機物製が最も好ましい。
また、このような分散媒体を使用する場合、遊星ミル、サンドミル、振動ミルなどのように比較的強い負荷を金属磁性粉末に加えるものは避けて、回転式ボールミルのように負荷の弱いものが好ましい。また、前記の超音波分散溶媒中に分散媒体を添加することも好ましい。
次に、得られたスラリーを成形する工程について述べる。
スラリーを成形する方法としては公知の成形方法を用いることができ、例えばプレス法、ドクターブレード法、射出成形法によりスラリーを任意のシート形状に成形し、ドライフィルムを作製することができる。
これらの方法の中で、複合磁性体の形成のためにはドクターブレード法によってシート状に成形することが望ましい。スラリーは上記の各種成形方法に適した粘度へ調整するために、溶剤を揮発させて濃縮後に成形を行う。濃縮は通常の加熱乾燥、真空乾燥、真空加熱乾燥などが用いられるが、ロータリーエバポレーターによる濃縮が最も好ましい。さらに濃縮して粘度が高くなった場合、ロールミルのような方法でさらに分散性を向上させることも好ましい。
このようにして成形されたドライシートを、還元性雰囲気あるいは真空中で必要な枚数を重ねて、熱処理及びプレス成形することにより、所定の厚さの複合磁性体を得る。
本発明に係る最大の特徴は、複合磁性体の構成する前記金属磁性粉末は、アスペクト比が2以下の球状あるいは擬球状であり、かつ飽和磁化が大きいことにより、比透磁率の実数部を高めつつも、比誘電率の実数部の増加を抑制することができるため、比透磁率の実数部と比誘電率の実数部の比が適切な範囲にすることが可能であることである。
以下に本発明に係る実施例について説明する。以下、実施例1及び2により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
本発明に係る複合磁性体を作製し、物性を測定した。手順は以下の通りである。
まず、金属磁性粉末として、平均粒径0.25μmで飽和磁化70A・m/kg(emu/g)の亜鉛(Zn)を3重量%添加したパーマロイの球状粉末を使用した。この金属磁性粉末2gをキシレンおよびシクロペンタノン4:1混合液10gに界面活性剤として窒素含有のグラフトポリマーを溶解した溶液に混合し、この状態で20kHz出力600Wの超音波分散機にて1時間分散した。このようにして得られたスラリーにポリシクロオレフィン樹脂を、樹脂ワニスとして、金属磁性粉末含有量が38体積%になる量を添加して、高速遊星攪拌機にて5分間混合した。遊星攪拌時の公転速度は2000rpm、自転速度は800rpmとした。
次に得られた樹脂含有スラリーをロータリーエバポレーターに導入し、50℃、2.7kPaの減圧下で溶剤を蒸発させた後に、ドクターブレード法によってシート状に成形し、常温で乾燥させた。なお、ブレードの長さは150mm、隙間は600μm、ブレードの移動速度は0.5m/minとし、シートの膜厚は50μmであった。
このようにして得られたドライシートを6枚積層して減圧プレス装置によってプレス成形を行った。プレス条件は無加圧のまま130℃まで20分で昇温して、その後2MPaの1軸圧をかけて5分間保持した後160℃まで昇温して40分間保持し、樹脂を硬化させて厚さ350μmの平板形状の複合磁性体を作製した。
この複合磁性体の複素透磁率をパラレルライン法により測定した。
結果を図1に示す。
図1に示すように、1GHzの周波数において、比透磁率の実数部μr’(図1ではμ’)=5.12、損失正接tanδ=0.25であった。この複合磁性体の構造を示す顕微鏡写真を図2に示す。磁性粒子は球状のままでほぼアスペクト比1であることが分かる。
次に複素誘電率を導波管法により、複合磁性体の平板に対して水平方向で測定したところ、1GHzの周波数において比誘電率の実数部εr’=17.6であった。これらの数値より(μr’・εr’)−1/2=0.11であり、(μr’/εr’)1/2=0.54であった。
なお、平行平板法にて複合磁性体の平板に対して垂直方向で測定した、1GHzの周波数における比誘電率の実数部も水平方向と同じ値であった。
このように、実施例ではεr’がμr’の3倍程度の値となり、εr’の異方性もなかった。
[比較例1]
比較例として、扁平状の粒子を有する複合磁性体を作製し、物性を測定した。手順は以下の通りである。
実施例1と同じ金属磁性粉末2gをキシレンおよびシクロペンタノン4:1混合液10gに界面活性剤として窒素含有のグラフトポリマーを溶解した溶液に混合し、さらに分散媒体として平均粒径が200μmのジルコニアビーズを添加し、この状態で遊星攪拌を50分間実施した。ここで金属磁性粉末は機械的な応力により塑性変形して、扁平状の粒子となった。このようにして得られたスラリーにポリシクロオレフィン樹脂を、樹脂ワニスとして、金属磁性粉末含有量が38体積%になる量を添加して、さらに遊星攪拌を5分間行った。遊星攪拌時の公転速度はいずれも2000rpm、自転速度は800rpmとした。
次にジルコニアビーズをスラリーから分離して、得られた樹脂含有スラリーから、実施例1と同様の方法にて厚さ350μmの平板形状の複合磁性体を作製した。
この複合磁性体の複素透磁率をパラレルライン法により測定した。
結果を図3に示す。
図3に示すように、1GHzの周波数において比透磁率の実数部μr’(図3ではμ’)=11、損失正接tanδ=0.18であった。この複合磁性体の構造を示す顕微鏡写真を図4に示す。磁性粒子は扁平形状を示して、アスペクト比は約6であった。
次に複素誘電率を導波管法により、複合磁性体の平板に対して水平方向で測定したところ、1GHzの周波数において比誘電率の実数部εr’=140であった。これらの数値より(μr’・εr’)−1/2=0.02であり、(μr’/εr’)1/2=0.28であった。
即ち、比較例では実施例と比べて水平方向のεr’がμr’に対して大きな値となり、εr’がμr’の10倍以上の値となってしまった。
以上より、本発明に係る複合磁性体では、比透磁率の実数部を高めつつも、比誘電率の実数部の増加を抑制することが可能なことが分かった。
本発明は、半導体装置、回路素子、平板表示装置、その他高周波用電子部品に適用し、またこれらを搭載する高周波用回路基板に適用して、小型化、低消費電力化を可能にする。従って、本発明を適用した電子部品及び/又は回路基板を搭載した高周波電子機器すべてにおける小型化、低消費電力化を可能にするものである。さらに、本発明に係る複合磁性体は、アンテナに適用して、当該アンテナの小型化を図ることができる。
本発明の実施例1で得られた複合磁性体の磁気特性の値を周波数に対して示す図である。 本発明の実施例1で得られた複合磁性体の走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の比較例1で得られた複合磁性体の磁気特性の値を周波数に対して示す図である。 本発明の比較例1で得られた複合磁性体の走査型電子顕微鏡写真である。

Claims (9)

  1. 球状あるいはアスペクト比(長径/短径)が2以下の擬球状であり、最も長い部分の径が0.1〜1μmである金属磁性粉末を絶縁性材料中に凝集せずに10〜50体積%分散して構成され、
    比透磁率の実数部をμr’、比誘電率の実数部をεr’とした場合に、1GHzの周波数において、μr’が5以上であり、かつ、(μr’・εr’)−1/2が0.2以下であり、(μr’/εr’)1/2が0.5以上、1以下となるように、さらに損失正接が0.3以下となるように構成されていることを特徴とする複合磁性体。
  2. 前記金属磁性粉末の材質はニッケル(Ni)、パーマロイ(Fe−Ni合金)、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−アルミニウム(Al)系合金、鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)合金からなる群より選ばれる少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項に記載の複合磁性体。
  3. 前記金属磁性粉末の材質は、銅(Cu)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、スズ(Sn)のうちいずれか一種類以上の金属元素を添加した金属磁性粉末であることを特徴とする請求項に記載の複合磁性体。
  4. 前記金属磁性粉末に添加される金属元素の濃度は0.1重量%〜90重量%であることを特徴とする請求項に記載の複合磁性体。
  5. 前記金属磁性粉末は絶縁材料中に分散された後もその形状を維持しており、飽和磁化が60A・m/kg(60emu/g)以上であることを特徴とする請求項に記載の複合磁性体。
  6. 前記絶縁性材料は、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリベンゾシクロブテン樹脂、ポリアリーレンエーテル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリブタジエン、ポリブチレン、および、ポリウレタンのうち少なくとも一つを含む合成樹脂もしくは液相樹脂、または、Al、SiO、TiO、2MgO・SiO、MgTiO、CaTiO、SrTiO、BaTiO、3Al・2SiO、ZrO、SiC、AlNのセラミックスからなる群より選ばれる少なくとも一つのセラミックスの原料を含むことを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の複合磁性体。
  7. 請求項1〜のいずれか一つに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする回路基板。
  8. 請求項1〜のいずれか一つに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする電子部品。
  9. 請求項1〜のいずれか一つに記載の複合磁性体を少なくとも含むことを特徴とする電子機器。
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