JP2010225387A - 異方性誘電体 - Google Patents

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Abstract

【課題】自立性があり、かつ誘電率に大きな異方性を有する異方性誘電体を提供する。
【解決手段】平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体であり、この平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率は、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性誘電体に関し、さらに詳しくは、高周波回路基板や高周波電子部品を小型化する材料として好適に用いられ、特に、平行な線路導体を有する高周波回路基板や高周波電子部品を小型化する材料として好適な異方性誘電体に関するものである。
近年、情報通信分野では、ユビキタス性及びモバイル性が必要になることに伴い、情報通信機器に搭載される電子部品や回路基板の小型化が強く求められている。
例えば、高周波電子回路では、高周波信号の伝送にマイクロストリップ線路のような高周波伝送線路が用いられているが、このような高周波伝送線路では、複数の線路を近接した状態で平行配置する必要が生じる場合がある。このような場合、1つの線路を伝搬している高周波信号が近接する他の線路に漏洩してクロストークが生じるという問題が発生する。そこで、このクロストークを防ぐためには、平行する伝送線路の間隔をある程度以上に確保する必要があり、したがって、高周波回路基板や電子部品が大型化してしまうという問題点があった。
そこで、例えば、マイクロストリップ線路の誘電体層に誘電率に異方性を有する液晶ポリマーを用いることにより、線路の導体層からの電界分布の横方向への拡がりを小さくし、平行に配設された線路間のクロストークを低減した高周波伝送線路が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−164714号公報
しかしながら、従来のクロストークを低減する方法では、誘電率に異方性を有する液晶ポリマーを溶剤と混合した後、アルミナ基板上に成膜することにより、薄膜状の誘電体材料として使用するので、それ自体には自立性が無く、アルミナ基板等の支持基板なしには、マイクロストリップ線路を形成するための銅等の導電層を両面に形成することができないという問題点があった。
このように、アルミナ基板等の支持基板を必要とした場合、支持基板自体の小型化が難しいために、目的に反して支持基板全体が大型化してしまうという問題点があった。
一方、自立性のある異方性誘電体としては、結晶性を有する酸化アルミニウム(Al)、酸化チタン(TiO)、二酸化ケイ素(SiO)、炭酸カルシウム(CaCO)等が挙げられるが、これらの異方性誘電体の誘電率異方性は極めて小さい。例えば、酸化アルミニウム(Al)の場合、結晶の主軸に平行な方向の誘電率が12、この主軸に垂直な方向の誘電率が9であるから、誘電率の最大値と最小値との差が小さく、したがって、電界分布の横方向への拡がりを小さくすることがほとんどできない。
このように、自立性があり、誘電率の異方性が大きい異方性誘電体が求められているが、いまだに提案されていないのが現状である。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、自立性があり、かつ誘電率に大きな異方性を有する異方性誘電体を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散させ、この平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率を、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上とすれば、自立性があり、かつ誘電率に大きな異方性を有する異方性誘電体が得られることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の異方性誘電体は、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体であって、前記平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率は、前記配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上であることを特徴とする。
この異方性誘電体では、周波数1GHzにおける誘電損失は0.3以下であることが好ましい。
前記平板状金属粒子は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、スズ(Sn)の群から選択される1種または2種以上を含有してなることが好ましい。
前記平板状金属粒子は、厚みが0.1μm以上かつ1μm以下、長さが0.2μm以上かつ2μm以下、アスペクト比(長さ/厚み)が2以上であることが好ましい。
本発明の異方性誘電体によれば、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体の、平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率を、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上としたので、自立性を保ちつつ、誘電率に大きな異方性を発現することができる。
また、この異方性誘電体を高周波回路基板や高周波電子部品に適用した場合、この異方性誘電体上に高周波伝送線路等を形成することにより、この高周波伝送線路等からの電界分布の横方向への広がりを小さくすることができ、したがって、平行な線路間におけるクロストークを低減することができ、線路の高密度化を図ることができ、回路基板の小型化を図ることができる。
本発明の実施例1のドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 本発明の実施例5のドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。 比較例1のドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。
本発明の異方性誘電体を実施するための形態について説明する。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本実施形態の異方性誘電体は、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体であって、この平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率は、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上である。
この平板状金属粒子としては、導電性を有する板状の金属粒子が好ましく、例えば、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、スズ(Sn)の群から選択される1種または2種以上を含有したことが好ましい。
この平板状金属粒子は、単一の元素からなる金属であってもよく、2種以上の元素からなる合金であってもよい。また、その一部が酸素や窒素と結合して、酸化物あるいは窒化物となっていてもよい。
これらのなかでも、比較的安定性があり、かつ平板状に加工し易いことから、 ニッケル−鉄(Ni−Fe)合金、ニッケル−鉄−亜鉛(Ni−Fe−Zn)合金が好ましい。
この平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率は、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上であることが好ましい。
ここで、配向方向と平行な方向の誘電率(εp)を、この配向方向と垂直な方向の誘電率(εv)の1.5倍以上とした理由は、誘電率(εp)が誘電率(εv)の1.5倍未満であると、電界分布の横方向への拡がりを小さくすることができず、したがって、高周波信号が隣接する線路に漏洩してしまい、線路間のクロストークを低減することができなくなるからである。
この平板状金属粒子は、厚みが0.1μm以上かつ1μm以下、長さが0.2μm以上かつ2μm以下、アスペクト比(長さ/厚み)が2以上であることが好ましい。
ここで、厚みを0.1μm以上かつ1μm以下と限定した理由は、厚みを0.1μm未満とすることは、製造上困難であり、また取扱いも困難であるからであり、一方、厚みが1μmを超えると、高周波の表皮深さよりも大きくなり、渦電流が生じて誘電損失が大きくなるからである。
また、長さを0.2μm以上かつ2μm以下と限定した理由は、長さが0.2μm未満では、後述のアスペクト比が2以上を達成することができず、平板状金属粒子の配向性が低下するからであり、一方、長さが2μmを超えると、粒子同士が接触し易くなり、その結果、全体の絶縁性を維持することができなくなるからである。
また、アスペクト比(長さ/厚み)を2以上と限定した理由は、アスペクト比が2未満では、十分な誘電率異方性が得られないからである。
ここで、アスペクト比と誘電率異方性との関係について説明する。
平板状金属粒子が絶縁材料中にて配向分散した場合、この平板状金属粒子の長軸方向の先端部分同士が、絶縁材料を介して互いに向き合うことになる。この状態で外部から電場が印加されると、平板状金属粒子と絶縁材料との界面に電荷が蓄えられて誘電率が発現する。この場合、電荷は平板状金属粒子の長軸方向の先端部分に集中するので、長軸方向の誘電率は極めて大きくなる。一方、短軸方向は平面なので電荷が集中することがなく、誘電率は小さくなる。このような理由で、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体においては、誘電率の異方性が発現するのである。
絶縁材料は、本実施形態の異方性誘電体の用途や仕様により、樹脂、セラミックス、あるいはこれらの複合材料の中から適宜選択される。
例えば、本実施形態の異方性誘電体を回路基板に適用する場合、絶縁材料としては、製造コスト及び加工性の点から、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリベンゾシクロブテン樹脂、ポリアリーレンエーテル樹脂、ポリシロキサン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、あるいはポリブタジエン、ポリブチレン、ポリウレタン等の合成樹脂、もしくは液相樹脂が好適である。
また、本実施形態の異方性誘電体をアンテナ素子等の耐久性や強度が要求される電子部品に適用する場合、酸化アルミニウム(Al)、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、ケイ酸マグネシウム(2MgO・SiO)、チタン酸マグネシウム(MgTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、ケイ酸アルミニウム(3Al・2SiO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、炭化ケイ素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス、あるいは、これらのセラミックスと樹脂等の有機物との混合物等が好適に用いられる。
これらの絶縁材料は、いずれも単独で自立性を有しているので、異方性誘電体としても自立性を維持することができる。
本実施形態の異方性誘電体では、周波数1GHzにおける誘電損失は0.3以下であることが好ましい。
ここで、周波数1GHzにおける誘電損失を0.3以下と限定した理由は、誘電損失が0.3を超えると、マイクロストリップ線路のような高周波伝送線路の伝送損失が大きくなるからである。
次に、本実施形態の異方性誘電体の製造方法について説明する。
まず、平均粒子径が0.3μm以下、好ましくは0.2μm以下の球状の金属粒子の集合体に、機械的応力を加えて塑性変形させるとともに、金属粒子同士を結合させ、厚みが0.1μm以上かつ1μm以下、長さが0.2μm以上かつ2μm以下、アスペクト比(長さ/厚み)が2以上の平板状金属粒子を作製する。
平均粒子径が0.3μm以下の球状の金属粒子を作製する方法としては、量産性及び経済性の点で優れている液相還元法が好ましい。
液相還元法以外の方法、例えば、アトマイズ法や気相還元法では、平均粒子径が0.3μm以下の球状の金属粒子を作製することが難しく、また、これらの方法にて得られた金属粒子に機械的応力を加えて塑性変形させても、もともとの金属粒子の粒子径が大きいために、厚さを薄くした分、粒子の長さが大きくなり過ぎてしまうので好ましくない。
この金属粒子に機械的応力を加える方法としては、ボールミル、アトライタ、振動ミル等の粉砕機を用いて、室温(25℃)付近で球状の金属粒子の集合体にボールまたは容器を衝突させる方法が好ましい。
この平均粒子径が0.3μm以下の球状の金属粒子の場合、粒径が極めて微細であることから、粒子表面が高活性であり、かつ粒子同士の親和性も高い。したがって、これらの金属粒子同士がボールとボールあるいはボールと容器壁との間の狭い2次元空間にて圧接とせん断運動をさせられることで反応して2次元方向へ結合することとなる。このように、金属粒子は2次元方向の結合を繰り返し、最終的には平板形状に達する。
この機械的応力を加える方法によれば、平均粒子径が0.3μm以下の球状の金属粒子を2次元方向へは成長させるが、厚み方向へは成長させないので、得られた平板状金属粒子の厚みは1μm以下に制限される。
また、ボールとボールあるいはボールと容器壁との間での衝突エネルギーもしくはせん断エネルギーが加わる範囲は、2μm以下の極めて狭い範囲である。したがって、得られた平板状金属粒子の長さも2μm以下に制限される。
次いで、このようにして得られた平板状金属粒子を溶媒中に分散し、平板状金属粒子分散液とする。
分散方法は特に定めないが、ボール等の分散媒体を使用するボールミル、サンドミル、遊星ミル等が分散効果に優れているので好ましい。また、この平板状金属粒子の分散性を高めるために界面活性剤や分散剤等を添加することも好ましい。
次いで、この平板状金属粒子分散液に絶縁材料を添加し、成形用材料とする。
なお、金属粒子に機械的応力を加えて平板状金属粒子とする工程、平板状金属粒子を溶媒中に分散する工程、及び平板状金属粒子分散液に絶縁材料を添加する工程を、同時に行ってもよい。
次いで、この成形材料中の溶媒を揮発させることにより濃縮し、この成形材料の粘度を、下記の各種成形方法に適した粘度に調整する。
濃縮には、通常の加熱乾燥、真空乾燥、真空加熱乾燥等が用いられるが、ロータリーエバポレーターによる濃縮が最も好ましい。さらに、濃縮して粘度が高くなった場合には、ロールミル等を用いて、さらに分散性を向上させることが好ましい。
次いで、この成形材料を目的の形状に成形する。
成形方法としては、例えば、プレス法、ドクターブレード法、射出成形法等が挙げられる。これらの成形方法により、上記の成形材料を任意のシート状またはフィルム状に成形することができる。例えば、上記の成形材料中の平板状金属粒子を配向させるためには、ドクターブレード法によりシート状に成形することが好ましい。
この成形の際に、平板状金属粒子は2次元方向、すなわち平面内に配向する。この平板状金属粒子が磁性を有する場合には、さらに配向を促すために、成形時に平面方向に磁場を印加することも好ましい。
このようにして成形されたドライシートまたはドライフィルムを、還元性雰囲気中あるいは真空中で、必要な枚数を重ね合わせて熱処理及びプレス成形することにより、所定の形状の異方性誘電体を得る。
本実施形態の最大の特徴は、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散させることにより、誘電率に異方性を有する誘電体を得ることが可能であることである。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
「実施例1」
平均粒子径が0.25μmのニッケル−鉄合金粒子を、キシレンおよびシクロペンタノンの容積比が4:1の混合液に絶縁材料としてポリオレフィン樹脂を溶解した分散液に投入して混合し、さらに分散媒体として平均粒子径が200μmのジルコニアビーズを投入し、この状態にて遊星攪拌を30分間施してニッケル−鉄合金粒子を平板化し、この平板状ニッケル−鉄合金粒子と絶縁材料であるポリオレフィン樹脂との混合スラリーを得た。
次いで、この混合スラリーをロータリーエバポレーターに導入し、50℃、2.7kPaの減圧下にてキシレンおよびシクロペンタノンを蒸発させ、ペーストを得た。
次いで、このペーストを、ドクターブレードを用いて基材上に塗布し、さらに常温(25℃)にて乾燥させ、厚み50μmのドライフィルムを作製した。なお、このドクターブレードにおけるブレードの間隙は800μm、ブレードの長さは150mm、ブレードの移動速度は0.5m/分であった。
次いで、このドライフィルムの研磨処理した切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察し、平板状ニッケル−鉄合金粒子の形状を調べた。その結果、長さは0.40μm、厚みは0.20μm、アスペクト比は2であった。
図1は、このドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。この図1によれば、平板状ニッケル−鉄合金粒子が配向していることが分かる。
次いで、このようにして得られたドライフィルムを2000枚積層し、減圧プレス装置によりプレス焼成を行った。プレス条件は常圧のまま130℃まで20分で昇温させ、その後2MPaの圧力をかけて5分間保持し、その後160℃まで昇温させて40分間保持して樹脂を硬化させ、表面積が50mm角、厚みが100mmの複合材料を作製した。この複合材料は自立性を有していた。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、平行平板法にて測定した。ここでは、平板状ニッケル−鉄合金粒子の配向面(ドライフィルムの面)に対して平行方向と垂直方向の2方向の高周波誘電率及び誘電損失を測定した。その結果、平行方向の誘電率は25、その誘電損失は0.03であり、また、垂直方向の誘電率は15、その誘電損失は0.02であった。
「実施例2」
平均粒子径が0.25μmの亜鉛−鉄−ニッケル合金粒子を用いた以外は、実施例1に準じて実施例2のドライフィルム及び複合材料を作製した。
次いで、このドライフィルムにおける平板状亜鉛−鉄−ニッケル合金粒子の形状を実施例1に準じて調べた。その結果、長さは0.82μm、厚みは0.20μm、アスペクト比は4.1であった。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は30、その誘電損失は0.03であり、また、垂直方向の誘電率は15、その誘電損失は0.03であった。
「実施例3」
遊星攪拌を60分間施した以外は、実施例1に準じて実施例3のドライフィルム及び複合材料を作製した。
次いで、このドライフィルムにおける平板状ニッケル−鉄合金粒子の形状を実施例1に準じて調べた。その結果、長さは1.06μm、厚みは0.18μm、アスペクト比は6であった。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は37、その誘電損失は0.03であり、また、垂直方向の誘電率は15、その誘電損失は0.03であった。
「実施例4」
分散媒体として平均粒子径が50μmのジルコニアビーズを用いた以外は、実施例1に準じて実施例4のドライフィルム及び複合材料を作製した。
次いで、このドライフィルムにおける平板状ニッケル−鉄合金粒子の形状を実施例1に準じて調べた。その結果、長さは1.49μm、厚みは0.17μm、アスペクト比は8.8であった。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は53、その誘電損失は0.03であり、また、垂直方向の誘電率は15、その誘電損失は0.03であった。
「実施例5」
遊星攪拌を120分間施した以外は、実施例1に準じて実施例5のドライフィルム及び複合材料を作製した。
次いで、このドライフィルムにおける平板状ニッケル−鉄合金粒子の形状を実施例1に準じて調べた。その結果、長さは2.23μm、厚みは0.07μm、アスペクト比は32であった。
図2は、このドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。この図2によれば、平板状ニッケル−鉄合金粒子が配向していることが分かる。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は81、その誘電損失は0.07であり、また、垂直方向の誘電率は15、その誘電損失は0.04であった。
「比較例1」
平均粒子径が0.25μmのニッケル−鉄合金粒子を、キシレンおよびシクロペンタノンの容積比が4:1の混合液に絶縁材料としてポリオレフィン樹脂を溶解した分散液に投入して混合し、この状態にて遊星攪拌を30分間施し、比較例1の混合スラリーを得た。
次いで、この混合スラリーを用いて、実施例1に準じて比較例1のドライフィルム及び複合材料を作製した。
図3は、このドライフィルムの研磨処理した切断面を示す走査型電子顕微鏡(SEM)像である。この図3によれば、ニッケル−鉄合金粒子は球状のままであることが分かる。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は14、その誘電損失は0.04であり、また、垂直方向の誘電率も14、その誘電損失も0.04であった。
「比較例2」
遊星攪拌を10分間施した以外は、実施例1に準じて比較例2のドライフィルム及び複合材料を作製した。
次いで、このドライフィルムにおける平板状ニッケル−鉄合金粒子の形状を実施例1に準じて調べた。その結果、長さは0.30μm、厚みは0.23μm、アスペクト比は1.3であった。
次いで、この複合材料の1GHzにおける高周波誘電率及び誘電損失を、実施例1に準じて測定した。その結果、平行方向の誘電率は18、その誘電損失は0.04であり、また、垂直方向の誘電率は14、その誘電損失は0.04であった。
本発明の異方性誘電体は、平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体であり、この平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率を、この配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上としたものであるから、この異方性誘電体を適用した高周波用回路基板、アンテナ、半導体装置、回路素子、平板状表示装置の小型化はもちろんのこと、これらを搭載した高周波電子機器の小型化も可能であり、その有用性は非常に大きいものである。

Claims (4)

  1. 平板状金属粒子を絶縁材料中に配向分散した金属/絶縁材料複合体からなる異方性誘電体であって、
    前記平板状金属粒子の配向方向と平行な方向の誘電率は、前記配向方向と垂直な方向の誘電率の1.5倍以上であることを特徴とする異方性誘電体。
  2. 周波数1GHzにおける誘電損失は0.3以下であることを特徴とする請求項1記載の異方性誘電体。
  3. 前記平板状金属粒子は、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、亜鉛(Zn)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、ニオブ(Nb)、インジウム(In)、スズ(Sn)の群から選択される1種または2種以上を含有してなることを特徴とする請求項1または2記載の異方性誘電体。
  4. 前記平板状金属粒子は、厚みが0.1μm以上かつ1μm以下、長さが0.2μm以上かつ2μm以下、アスペクト比(長さ/厚み)が2以上であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の異方性誘電体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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