JP5175766B2 - ガスコンロ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓を設置したガスコンロにおいて、点火操作の際に調理容器が無いときの直火に起因した危険事象を回避するためのガスコンロに関する。
従来、ガスコンロに設置する器具栓が点火操作時の手動操作で開弁される手動開閉弁を備えたものにおいて、ガスバーナへの点火操作の間に調理容器無しが検知された場合はガスバーナを点火させて炎検知されると火力を弱火に制御する技術がある(特許文献1)。
手動開閉式の器具栓を設置するガスコンロでは、器具栓のメカ構造上、点火操作により器具栓が開成されてガスバーナへガス供給されてしまう。そのため、このようなガスコンロにおいて点火操作時に調理容器が無い場合には点火電極を火花放電させずガスバーナを点火させないようにすると、点火操作の間に器具栓の開成によりガスバーナから周囲に生ガスが継続して放出してしまう。
そこで、上記従来例(特許文献1)では、点火操作の際に調理容器無しの状態が検知された場合でもガスバーナからの生ガス流出を防止するためガスバーナを一旦点火させるようにしていた。そして、ガスバーナへの点火直後に火力を小火にすることで、手等が炎に接触したり着衣の袖等に火が引火する等の調理容器が無いときの直火に起因した危険事象を点火操作時においても回避させるようにしている。
特開2007−46799号公報
しかしながら、従来例(特許文献1)は、調理容器無しの場合でもガスバーナを点火させることからガスバーナ点火の瞬間に調理容器が無い状態での直火に起因した危険事象を完全に回避させることは困難である。そのため、手動開閉式の器具栓を設置するガスコンロにあっては、点火操作時に調理容器無しの直火による危険事象を起こさないようにして安全性の更なる向上が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ガスバーナの点火操作時の手動操作で開弁される手動開閉弁を備える器具栓を設置したガスコンロであっても、点火操作の際に調理容器無しの直火に起因した危険事象を確実に回避するようにしたガスコンロを提供することを課題とする。
本発明に係るガスコンロは、
ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓をガスバーナへガス供給するガス通路に設置するガスコンロにおいて、
ガスバーナ上における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
ガス通路又は器具栓に設けてガスバーナへのガス供給を遮断する閉弁手段と、
点火操作時の動作を制御する点火制御手段とを設け、
上記点火制御手段は、手動で器具栓の手動開閉弁を開弁させる点火操作が開始されると閉弁手段へ閉信号を出力し、その後に調理容器検知手段により調理容器無しが検知されている場合は閉弁手段を閉弁保持してガスバーナへのガス供給を遮断して点火させないように制御する構成としたものである。
これにより、ガスバーナの点火操作時に手動で器具栓の手動開閉弁が操作されても、ガスバーナ上に調理容器が無い状態では閉弁手段によってガスバーナへのガス供給路が遮断されるので、ガスバーナが点火されない。従って、ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓を設けたガスコンロであっても、点火操作の際に調理容器が無いときの直火に起因した危険事象を確実に回避することができる。
しかも、手動で点火操作が開始されると直ちに閉弁手段へ閉信号が出力されるので、手動で速い点火操作が行われたときでも手動開閉弁が開弁される前に閉弁手段が閉じられる。従って、調理容器が無い状態で速い点火操作が行われたときに閉弁手段の閉弁が間に合わずに手動開閉弁が開弁されて生ガスがガスバーナから放出される事態を確実に防止することができる。よって、ガス臭いといった不快感やその後の点火による爆発着火等を防止することができる。
上記点火制御手段は、調理容器検知手段により調理容器有りが検知されている場合は閉弁手段へ開信号を出力して閉弁手段を開弁させてガスバーナへのガス供給が行われるように制御する構成とする。
これにより、点火操作開始時に直ちに閉弁手段が閉弁制御されても、その後に調理容器有が検知されている場合は閉弁手段を開弁させるので、閉弁手段によってガスバーナへのガス供給が遮断されることはない。従って、ガスバーナ上に調理容器が有るときは、点火操作を行うことによりガスバーナを点火させることができる。
上記器具栓の手動操作位置を2段階で検出する位置検出手段を設け、
上記点火制御手段は、位置検出手段が1段目の手動操作位置を検出すると閉弁手段へ閉信号を出力し、その後に調理容器検知手段の検知信号により調理容器有無を判定し、
調理容器無しの場合は、閉弁手段を閉弁保持してガスバーナへのガス供給を遮断して点火させないように制御し、
調理容器有りの場合は、位置検出手段が2段目の手動操作位置を検出するまでの間に閉弁手段へ開信号を出力して閉弁手段を開弁させるようにし、2段目の手動操作位置を検出すると火花放電させて点火する制御構成とするのが望ましい。
これにより、1段目の手動操作位置を基準として閉弁手段を早期に閉弁するように制御するので、手動で速い点火操作が行われたときでも手動開閉弁が開弁される前に閉弁手段が閉じられる。従って、速い点火操作が行われたときでも、調理容器が無い状態ではガスバーナが点火されることがなく、また、閉弁手段の閉弁が間に合わずに手動開閉弁が開弁されて生ガスがガスバーナから放出されることもない。
一方、調理容器が有る場合は、閉弁制御された閉弁手段を開弁させ、2段目の手動操作位置を基準として火花放電させて点火するように制御するので、閉弁手段と手動開閉弁とが確実に開弁された後に点火される。従って、ガスバーナ上に調理容器が有るときは、ガスバーナの内部で着火するような逆火が起こらないタイミングでガスバーナを確実に点火させることができる。
以上のように、本発明によれば、手動開閉弁を備えた器具栓を設けたガスコンロであっても、ガスバーナ上に調理容器が無い状態では点火操作を行ってもガスバーナが点火されない。しかも、速い点火操作が行われたときでも閉弁手段が閉じられてガスバーナから生ガスが放出されることもない。従って、手動式の器具栓を設けたガスコンロにおいて点火操作の際に調理容器が無いときの直火に起因した危険事象を確実に回避することができ、安全性を向上することができる。
実施形態による調理容器検知機能付きのガスコンロの外観構成を示す正面図である。 調理容器検知手段により調理容器有無を検知する際の動作を説明する模式図である。 実施形態による調理容器検知機能付きのガスコンロのガス回路構成を示す模式図である。 ガス遮断弁を構成するラッチ式電磁弁の構成を示す断面図である。 実施形態における調理容器検知機能付きのガスコンロの点火操作時の動作を説明するフローチャートである。 実施形態における調理容器検知機能付きのガスコンロのガスバーナ燃焼中の動作を説明するフローチャートである。
以下に、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ガスコンロ1は、矩形箱状のコンロ本体10を有し、コンロ本体10の上面の天板にはガスバーナ11を臨ませ且つ五徳12を配置する2口(複数)のコンロ部13が設けられている。各コンロ部13の中央には、先端の感熱部が鍋等の調理容器Aの底部に接触して調理容器底温度を検出する調理容器温度センサ14が設けられている。この調理容器温度センサ14は、昇降自在に支持されており、そして、図2に示すように、調理容器温度センサ14の基端部には、この調理容器温度センサ14の昇降状態を検知するマイクロスイッチ等の調理容器検知手段15が設けられている。調理容器検知手段15は、調理容器温度センサ14の上下動可能な軸部に設けた突起部15aと、この突起部15aが所定位置に下降したときオン動作するスイッチ部15bとを備え、ガスバーナ11上の調理容器Aの有無を検知する。つまり、調理容器検知手段15は、五徳12に調理容器Aが無いときは調理容器温度センサ14が上昇位置にあって突起部15aがスイッチ部15bに接触せずオフされ(図2(a)参照)、五徳12に調理容器Aが有るときは調理容器温度センサ14が下降位置にあって突起部15aがスイッチ部15bに接触してオンされる(図2(b)参照)。従って、この調理容器検知手段15のオンオフ信号よりガスバーナ11上の調理容器Aの有無が検知される。
コンロ本体10の正面部には、各コンロ部13のガスバーナ11を点消火させるための点消火ボタン3と、各コンロ部13のガスバーナ11の火力調節を行う火力調節レバー4とが設けられている。点消火ボタン3及び火力調節レバー4は、ガス配管とガスバーナ11との間に配設されてガス配管からガスバーナ11へのガス供給を制御する器具栓2に接続されている。
器具栓2は、点消火ボタン3による点火操作の際に手動で開成されるメカ式の器具栓2である。図3に示すように、器具栓2は、弁筐20内に導入口21から導出口22に連通されたガスの内部通路23が形成されており、内部通路23には、上流側から電磁安全弁25、元ガス弁24、ガス量調節のためのニードル弁26が収納されている。
元ガス弁24は、ロッド27の所定位置に固定して取り付けられ、電磁安全弁25は、このロッド27の先端部に押圧可能に配置されている。ロッド27の基端部は、点消火ボタン3のスライダー部30に対向されており、点消火ボタン3の押し込みによりスライダー部30を介してロッド27が先端側に移動される。元ガス弁24と電磁安全弁25とは、コイルバネ28,29によって閉弁側(点消火ボタン3の配置側)に付勢されている。
従って、点消火ボタン3が押込み操作(点火操作)されていない始端位置にある状態では、元ガス弁24と電磁安全弁25とは弁座に当接された閉弁状態にあり、内部通路23が閉鎖されている。そして、点消火ボタン3が押込み操作(点火操作)されると、元ガス弁24がコイルバネ28の付勢力に抗して弁座から離反されて開弁され、続いて、点消火ボタン3が所定位置まで押込まれると、電磁安全弁25がロッド27に押圧されコイルバネ29の付勢力に抗して弁座から離反されて開弁される。電磁安全弁25は、後端に吸着片25aが取り付けられており、点消火ボタン3が所定の点火位置まで押込まれると、その奥側に配設する電磁石25bに吸着片25aが吸着され開弁保持される。これにより、器具栓2が開成状態に維持され、内部通路23にガスが流れる。
なお、本実施形態では、元ガス弁24と電磁安全弁25とによりガスバーナ11の点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を構成し、これら元ガス弁24と電磁安全弁25の両方が開弁したときに手動開閉弁の開弁と定義する。
ニードル弁26は、カム板26aを介して火力調節レバー4と連結されている。従って、火力調節レバー4の操作によりカム板26aを介してニードル弁26が進退動され、内部通路23を流通するガスの流量調節がなされ、ガスバーナ11の火力が調節される。
点消火ボタン3には、ハート形のカム溝31とこれに係合する係合子32とからなるハートカム式のプッシュプッシュ機構が設けられ、点消火ボタン3を終端位置まで押込んだ後に押圧を解くと、点消火ボタン3が始端位置の手前の保持位置に係止される。点消火ボタン3の保持位置では、元ガス弁24は開弁保持され、一方、電磁安全弁25はロッド27による押圧が解かれるが、吸着片25aがコイルバネ29に抗して電磁石25bに吸着保持されて開弁保持される。
また、点消火ボタン3には、カム33が固定されており、このカム33の近傍には、カム33によってオンオフされるマイクロスイッチ5が配設されている。マイクロスイッチ5は、点消火ボタン3の始端位置から終端位置までの手動操作位置を2段階で検出する位置検出手段を構成する。このマイクロスイッチ5は、内部に独立した2つの接点を有する2接点式のものであり、カム33の表面に当接する可動片51を備え、点消火ボタン3が押込まれ可動片51が中間位置まで押込まれると1つ目の接点がオンし、点消火ボタン3がさらに押込まれ可動片51がさらに押込まれると2つ目の接点がオンする。そして、1つ目の接点がオンする1段目の手動操作位置は、元ガス弁24の開弁直後の位置に設定され、2つ目の接点がオンする2段目の手動操作位置は、電磁安全弁25の開弁直後の位置に設定されている。従って、2段目の手動操作位置の検知時点では、元ガス弁24と電磁安全弁25からなる手動開閉弁、すなわち器具栓2が開成される。なお、上記マイクロスイッチ5は、2接点式のものとするが、単接点の2個のマイクロスイッチを用いて点消火ボタン3の手動操作位置を2段階で検出するようにしてもよい。
また、器具栓2とガスバーナ11との間における器具栓2の下流位置には、ガス量調整弁6とガス遮断弁7とが直列に配設されている。ガス量調整弁6は、開閉弁61とガス通路が狭くなったオリフィス通路62とが並列に設けられている。このガス量調整弁6は、主にガスバーナ11の燃焼中に調理容器Aがガスバーナ11上から退けられたとき火力を小火に絞るために設けられたものである。ガス遮断弁7は、点火操作時に調理容器無しの場合にガス通路を遮断する閉弁手段を構成する。
ガス遮断弁7は、ラッチ式電磁弁(自己保持型電磁弁)により構成されている。ラッチ式電磁弁は、例えば、図4に示すように、弁体73にプランジャ71が取付けられ、このプランジャ71の周囲に電磁コイル75を配置し、電磁コイル75に励磁電流を通電してプランジャ71を移動させることで弁体73を開閉動作させる。そして、弁体73の閉弁状態では、弁口72を塞ぐように弁体73をバネ76により付勢して閉弁保持し、弁体73の開弁状態では、永久磁石74によりプランジャ71を吸着して弁口72を開けるように弁体73を開弁保持させる。従って、ラッチ式電磁弁は、開弁状態及び閉弁状態の保持電力を必要としないから、電源電力の消費を抑制することができる。従って、電池電源とする場合は電池寿命等の性能の早期劣化を防止することができる。なお、ガス量調整弁6の開閉弁61も上記ラッチ式電磁弁で構成することができる。
また、このガスコンロ1は、ガスコンロ1の動作を制御するマイクロコンピュータ等で構成された制御装置8を備えている(図1参照)。制御装置8には、ガスバーナ11の点火操作時に、ガスバーナ11上に調理容器Aが有る場合はガスバーナ11を点火させるが、調理容器Aが無い場合はガスバーナ11にガスを供給せず点火させないように制御する点火制御手段81と、ガスバーナ11の燃焼中にガスバーナ11上から調理容器Aが退けられると火力を小火に絞る火力制御手段82とが設けられている。
また、このガスコンロ1には、上記点火制御手段81におけるガスバーナ11上に調理容器Aが無い場合にガスバーナ11を点火させない制御を解除するための解除信号を出力する解除キー9(図1参照)が設けられている。これにより、使用者の意思によりガスバーナ11上に調理容器Aを置かない状態でもガスバーナ11を点火させることができる。
次に、上記構成のガスコンロ1において調理容器Aの有無に基づく点火時の動作(図5)とガスバーナ11の燃焼中の動作(図6)とを説明する。
まず、ガスバーナ11の点火操作の際は、点火制御手段81により以下の動作制御を行う。図5のフローチャートを参照して、点火操作を開始するため、点消火ボタン3を押込んで行くと器具栓2の元ガス弁24が開弁される(S1)。この点消火ボタン3の押込みによりマイクロスイッチ5にて1段目の器具栓手動操作位置が検出されると(S2で「Yes」)、制御装置8の電源がオンされ、器具栓2の電磁安全弁25における電磁石25bに励磁電流が印加されるとともに、ガス遮断弁7を閉弁状態とするための閉弁信号が出力される(S3)。この閉弁信号によりガス遮断弁7を構成するラッチ式電磁弁の電磁コイル75に対してプランジャ71を弁体73の閉弁方向に動作させる励磁電流が印加される。
そして、ガス遮断弁7への閉弁信号を出力してから所定時間(例えば、100ms)が経過すると(S4)、ガス遮断弁7への閉弁信号の出力を終了する(S5)。この所定時間経過によりガス遮断弁7が閉弁状態となる。ここで、点火操作開始時にガス遮断弁7の開閉状態がわからない場合でも、以上の制御動作(S3〜S5)によりガス遮断弁7を確実に閉弁状態にすることができる。しかも、点火操作開始時点でガス遮断弁7を閉じることで手動で速い点火操作(点消火ボタン3の速い押し込み)が行われたときでも元ガス弁24に続き電磁安全弁25が開弁される前にガス遮断弁7が閉じられる。
次いで、調理容器検知手段15により調理容器Aの有無を監視し、調理容器検知手段15の検出結果に基づいてガスバーナ11上に調理容器Aが配置されているか否かを判定する(S6)。
調理容器有りが検知された場合は(S6で「Yes」)、ガス遮断弁7を開弁状態とするための開弁信号を所定時間(例えば、100ms)出力する(S7〜S9)。この開弁信号によりガス遮断弁7を構成するラッチ式電磁弁の電磁コイル75に対してプランジャ71を弁体73の開弁方向に動作させる励磁電流が印加される。これにより、ガス遮断弁7が開弁状態となる。また、マイクロスイッチ5により2段目の器具栓手動操作位置が検出されるまでの間に、点消火ボタン3のさらなる押込みにより電磁安全弁25が開弁された状態となり(S10)、器具栓2が開成されてガス遮断弁7を介してガスバーナ11へガス供給される。
次いで、マイクロスイッチ5により2段目の器具栓手動操作位置が検出されると(S11)、イグナイタへ電圧を印加して(S12)、点火電極により火花放電させる。これにより、この火花放電の時点では元ガス弁24、電磁安全弁25及びガス遮断弁7は確実に開弁されガスバーナ11にガス供給されている状態となる。従って、ガスバーナ11上に調理容器Aが有るときは、ガスバーナ11の内部で着火するような逆火が起こらないタイミングでガスバーナ11を確実に点火させることができる。
そして、熱電対(TC)が炎を検知して着火レベル以上になると(S13)、イグナイタへの電圧の印加を停止する(S14)。その後、点消火ボタン3の押込みを解除すると、点消火ボタン3が保持位置で保持され、器具栓2の元ガス弁24及び電磁安全弁25が開弁保持されるとともに、ガス遮断弁7が開弁保持され、ガスバーナ11の燃焼が継続される(S15)。
一方、ステップS6において、調理容器Aが無いと判定された場合は(S6で「No」)、電磁安全弁25における電磁石25bへの電流印加が停止され、また、調理容器無しの旨がブザーや表示器等の報知手段(図示せず)により報知される(S16)。電磁安全弁25への電流印加が停止されることで電磁安全弁25の開弁保持が阻止される。このとき、ガス遮断弁7は、閉弁状態が保持されているので、ガスバーナ11へのガス供給路が遮断されガスバーナ11が点火されない。また、このとき、点火電極を火花放電させないようにすれば、その分の電力消費が抑えられる。
また、調理容器無しの旨の報知により、点消火ボタン3を操作したにもかかわらず、ガスバーナ11が点火されないことで使用者がガスコンロ1の故障であると誤認することが防止され、また、調理容器Aをガスバーナ11上に載置させてガスバーナ11を点火操作する必要があることを使用者に促すことができる。
本実施形態では、ガスバーナ11の点火操作時に手動で器具栓2の元ガス弁24及び電磁安全弁25の双方が開弁する前であって、ガスバーナ11上での調理容器Aの有無の判定がされる前に、一旦、ガス遮断弁7を閉弁することによってガスバーナ11へのガス供給路が遮断される。従って、ガスバーナ11上で調理容器Aが有ると判定された後でなければガス遮断弁7は開弁されないので、調理容器Aが無い状態では生ガスが放出されることがなく、点火されることもない。
以上のように、本実施形態のガスコンロ1によれば、元ガス弁24及び電磁安全弁25からなる手動開閉弁を備える器具栓2を設置していても、点火操作開始直後からガス遮断弁7が閉弁されるので、ガスバーナ11上に調理容器Aが無いと判定された時点では、すでにガスバーナ11へのガス供給路が遮断されている。従って、調理容器Aが無い状態ではガス遮断弁7の閉弁よってガスバーナ11から生ガスが放出されず、且つガスバーナ11の点火が確実に阻止される。
その結果、本実施形態のガスコンロ1は、手動式の器具栓2を設けたガスコンロ1において点火操作の際に調理容器Aが無いときの直火に起因した危険事象(手等が炎に接触したり着衣の袖等に火が引火したりする等)を確実に回避することができ、安全性を向上することができる。しかも、調理容器Aが無い状態で速い点火操作が行われたときでも元ガス弁24及び電磁安全弁25の双方の開弁される前にガス遮断弁7が閉弁されているので、ガスバーナから生ガスが放出される事態を確実に防止することができ、ガス臭いといった不快感やその後の点火による爆発着火等を防止することができる。
なお、ガスバーナ11の点火操作時に解除キー9(図1参照)のオンにより調理容器検知動作が解除されている場合(解除信号が出力されている場合)は、上記動作制御は行われず、調理容器Aの有無にかかわらず点火操作によりガスバーナ11の点火が行われる。これにより、例えば、使用者が直火で海苔をあぶる等の使用目的のため、ガスバーナ11上に調理容器Aを配置しない状態でもガスバーナ11を点火させることができ、この場合の使用者の使い勝手がよくなる。
また、点消火ボタン3による点火操作が行われても、点消火ボタン3の押込みが途中で中断されマイクロスイッチ5の各接点がオンされなかった場合は、点火操作が終了される。
次に、ガスバーナ11の燃焼中は、火力制御手段82により以下の動作制御を行う。図6のフローチャートを参照して、ガスバーナ11燃焼中は、炎検知具(図示せず)で着火検知されたガスバーナ11の燃焼の間は調理容器検知手段15により調理容器Aの有無が監視される(S21)。そして、調理容器Aがガスバーナ11上から退けられて調理容器無しが検知されると(S21で「No」)、ガス量調整弁6を構成する開閉弁61が閉弁される(S22)。すると、ガス量調整弁6においてガスがオリフィス通路62のみに流通され、ガス供給量が絞られる結果、火力調節レバー4の火力設定にかかわらず、ガスバーナ11の火力が小火になる(S23)。
これにより、ガスバーナ11の燃焼中においても調理容器無しの状態での大火の直火に起因する危険事象を回避することができ、安全性を向上することができる。また、ガスバーナ燃焼中の鍋振り等で一時的に調理容器Aを持ち上げた場合に小火になるだけで消火されないため、消火により再点火させる煩わしさ等がなく調理使用時の使い勝手がよい。
そして、ガスバーナ11の火力を小火にしてから調理容器無し状態が所定時間(例えば、1分)継続されると(S24)、器具栓2の電磁安全弁25への開弁保持電流の印加を停止して(S25)電磁安全弁25を閉弁し、ガスバーナ11を消火する(S26)。
これにより、調理容器無しの状態でガスバーナ11の燃焼状態が放置されることが防止される。従って、調理容器無し時の直火に起因した危険事象を回避して安全性を向上することができ、また、燃料ガスを無駄に消費することが防止される。一方、上記所定時間内にガスバーナ11上に調理容器Aが配置され調理容器有りが検出されると(S24で「No」)、ガス量調整弁6の開閉弁61を開弁して(S27)上記火力が小火になる絞り制御(S23)を解除する。
(その他)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく本発明の範囲内で種々の変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態では、手動開閉弁として、元ガス弁24と電磁安全弁25とのセットで構成したが、電磁安全弁25を廃止して元ガス弁24のみで手動開閉弁を構成してもよい。この場合、ガスバーナ11の失火時には閉弁手段であるガス遮断弁7を閉弁させればよい。
ガス遮断弁7やガス量調整弁6の開閉弁61は、ラッチ式電磁弁に代えて、モータ駆動により開閉されるモータ弁としてもよい。このモータ弁でもラッチ式電磁弁と同様に閉弁保持又は開弁保持のための保持電力を必要としないから、電源電力の消費を抑制することができる。
ガス量調整弁6やガス遮断弁(閉弁手段)7の設置場所は、器具栓2の下流位置に設けているが、器具栓2の内部通路23内又は器具栓2の上流位置に設けるようにしてもよい。
器具栓2の手動操作位置を2段階で検出する位置検出手段(マイクロスイッチ5)を設けるが、最初の1段目の手動操作位置だけ検出するものでもよい。この場合、図5のフローチャートにおいて2段目の手動操作位置の検出動作(S11)を省略して動作させればよい。
点消火ボタン3は、押し込み式に限らず、回転式でもよい。
1 ガスコンロ
2 器具栓
3 点消火ボタン
5 マイクロスイッチ
6 ガス量調整弁
7 ガス遮断弁(閉弁手段)
8 制御装置
11 ガスバーナ
15 調理容器検知手段
24 元ガス弁
25 電磁安全弁
81 点火制御手段
A 調理容器

Claims (3)

  1. ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓をガスバーナへガス供給するガス通路に設置するガスコンロにおいて、
    ガスバーナ上における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
    ガス通路又は器具栓に設けてガスバーナへのガス供給を遮断する閉弁手段と、
    点火操作時の動作を制御する点火制御手段とを設け、
    上記点火制御手段は、手動で器具栓の手動開閉弁を開弁させる点火操作が開始されると閉弁手段へ閉信号を出力し、その後に調理容器検知手段により調理容器無しが検知されている場合は閉弁手段を閉弁保持してガスバーナへのガス供給を遮断して点火させないように制御する構成としたガスコンロ。
  2. 請求項1に記載のガスコンロにおいて、
    上記点火制御手段は、調理容器検知手段により調理容器有りが検知されている場合は閉弁手段へ開信号を出力して閉弁手段を開弁させてガスバーナへのガス供給が行われるように制御する構成としたガスコンロ。
  3. 請求項1又は2に記載のガスコンロにおいて、
    上記器具栓の手動操作位置を2段階で検出する位置検出手段を設け、
    上記点火制御手段は、位置検出手段が1段目の手動操作位置を検出すると閉弁手段へ閉信号を出力し、その後に調理容器検知手段の検知信号により調理容器有無を判定し、
    調理容器無しの場合は、閉弁手段を閉弁保持してガスバーナへのガス供給を遮断して点火させないように制御し、
    調理容器有りの場合は、位置検出手段が2段目の手動操作位置を検出するまでの間に閉弁手段へ開信号を出力して閉弁手段を開弁させるようにし、2段目の手動操作位置を検出すると火花放電させて点火する制御構成としたガスコンロ。
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