JP2024036256A - 燃焼装置および加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラッチ式電磁弁を用いて火力調節制御運転を行ってもユーザが不快感、不安感を感じるガス放出を防止可能な燃焼装置および加熱調理器を提供する。【解決手段】燃焼装置1は、バーナ3、ガス供給路4、ガス供給路を開閉するラッチ式電磁弁5、バーナを燃焼させるための点火手段7,9、炎検知手段8、制御部6を有する。制御部は、ラッチ式電磁弁を開弁指示により開弁させてバーナを燃焼させる燃焼工程とラッチ式電磁弁を閉弁指示により閉弁させてバーナを消火させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、ラッチ式電磁弁の閉弁指示後に、第1の所定時間の周期でラッチ式電磁弁に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示を行い、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の周期で点火手段に点火指示を繰り返す連続点火指示を行うか、第2の所定時間の経過によりラッチ式電磁弁に開弁指示し点火手段に点火指示を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を実行可能とする燃焼装置および加熱調理器に関する。
例えば、特許文献1には、グリル装置において、バーナの燃焼を一時的に消火させ、燃焼工程と消火工程を繰り返すことで庫内温度を一定の範囲に保つ火力調節制御運転を行うことが開示されている。ここで、一般に、前記のような火力調節制御運転における燃焼工程と消火工程との切り替えは、電動弁のように開弁および閉弁の状態を確実に保持できる開閉弁が用いられる。
特開2020-62104号公報
ところで、バーナの火力を調節する手段として永久磁石と電磁コイルを使用したラッチ式電磁弁が知られている。ラッチ式電磁弁では、開弁指示または閉弁指示として電磁コイルへの弁駆動電圧を必要な時間印加して開弁または閉弁させ、その後は永久磁石またはバネの作用により弁状態が維持される。ラッチ式電磁弁は、弁体位置のアンサーバック信号を出力しないため、制御部は、ラッチ式電磁弁の実際の弁体位置を認識できない。このラッチ式電磁弁を用いて前記火力調節制御運転における燃焼工程と消火工程の切り替えを行う構成を慎重に検討したところ、以下の問題が懸念される。すなわち、ラッチ式電磁弁の閉弁指示後の消火工程中に、外来ノイズ等に起因してマイコン又は回路の誤動作等によりラッチ式電磁弁が開弁した場合、この開弁が制御部で認識されないために放置されるとバーナからガスが放出される状態となる。また、消火工程中にラッチ式電磁弁が誤動作で開弁し更に弁体固着や配線断線等により開弁故障した場合やラッチ式電磁弁が開弁故障した状態で消火工程に移行したタイミングでバーナの燃焼炎が吹き消えした場合、この開弁が制御部で認識されないために放置されるとバーナからガスが放出される状態となる。このようなラッチ式電磁弁の開弁誤動作や開弁故障により消火工程中にバーナからのガス放出状態が長く続くと、ガスの放出によるガス臭や再び燃焼工程を開始する際の着火時に停滞していたガスにも着火して大きな音を伴う燃焼が起こり、ユーザに対し不快感、不安感を与えるおそれがある。
本発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであり、ラッチ式電磁弁を用いて火力調節制御運転を行っても、ユーザが不快感、不安感を感じるようなガスの放出を防止することを可能とする燃焼装置および加熱調理器を提供することを目的とする。
発明1の燃焼装置は、
バーナと、
前記バーナへ燃料ガスを供給するガス供給路と、
前記ガス供給路を開閉するラッチ式電磁弁と、
前記バーナへ供給された燃料ガスを燃焼させるための点火手段と、
前記バーナの燃焼炎を検知する炎検知手段と、
前記ラッチ式電磁弁の開弁および閉弁の指示ならびに前記点火手段に燃料ガスへの点火指示を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記ラッチ式電磁弁を開弁指示により開弁させて前記バーナを燃焼させる燃焼工程と、前記ラッチ式電磁弁を閉弁指示により閉弁させて前記バーナを消火させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、前記ラッチ式電磁弁の閉弁指示後に、第1の所定時間の周期で前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示を行い、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の周期で前記点火手段に点火指示を繰り返す連続点火指示を行う制御構成を備える。
前記構成により、消火工程中にラッチ式電磁弁が誤動作で開弁した場合、連続閉弁指示による再度の閉弁指示でラッチ式電磁弁を閉弁させることができ、また、連続点火指示により点火手段でバーナから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることができる。また、消火工程中等にラッチ式電磁弁が開弁故障していた場合、連続閉弁指示ではラッチ式電磁弁が閉弁されないときでも、連続点火指示により点火手段でバーナから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることができる。従って、消火工程中においてラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に起因したバーナからのガス放出を抑えることができる。よって、ラッチ式電磁弁を用いて火力調節制御運転を行っても、ユーザが不快感、不安感を感じるようなバーナからのガス放出によるガス臭や燃焼工程を再び開始する際の着火時に大きな音を伴う燃焼が起こることを防止することができる。
前記連続閉弁指示の実施は、ラッチ式電磁弁の開弁誤動作に対してバーナからのガス放出を抑制でき、また、ラッチ式電磁弁の閉弁動作はユーザが直接的に気付きにくい。前記連続点火指示の実施は、ラッチ式電磁弁の開弁誤動作だけでなく開弁故障に対してもバーナからのガス放出を抑制できるため、ガス放出の抑制効果が高いが、点火手段の点火動作はスパーク音が生じるためにユーザが直接的に気付きやすく、頻繁な点火動作はそれ自体がユーザへ別の不安感を与える要因となり得る。一方、ラッチ式電磁弁の弁故障は、弁の誤動作に比べて相対的に起きにくいと考えられる。本発明1の前記構成によれば、連続点火指示の周期時間となる第2の所定時間は、連続閉弁指示の周期時間となる第1の所定時間よりも長い時間が設定されることにより、消火工程中において連続点火指示による頻繁な点火動作が抑えられるため、ユーザに不安感を与えないようにすることができ、且つ、ラッチ式電磁弁の開弁誤動作と開弁故障のそれぞれに対応してバーナからのガス放出を抑えることができる。
発明2の燃焼装置は、
バーナと、
前記バーナへ燃料ガスを供給するガス供給路と、
前記ガス供給路を開閉するラッチ式電磁弁と、
前記バーナへ供給された燃料ガスを燃焼させるための点火手段と、
前記バーナの燃焼炎を検知する炎検知手段と、
前記ラッチ式電磁弁の開弁および閉弁の指示ならびに前記点火手段に燃料ガスへの点火指示を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、前記ラッチ式電磁弁を開弁指示により開弁させて前記バーナを燃焼させる燃焼工程と、前記ラッチ式電磁弁を閉弁指示により閉弁させて前記バーナを消火させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、前記ラッチ式電磁弁の閉弁指示後に、第1の所定時間の周期で前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示を行い、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の経過により前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に点火指示を行う制御構成を備える。
前記構成によれば、消火工程における前記連続閉弁指示と前記点火指示とにより、前記発明1と同様に、消火工程中におけるラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に起因したバーナからのガス放出を抑えることができる。よって、ラッチ式電磁弁を用いて火力調節制御運転を行っても、ユーザが不快感、不安感を感じるようなバーナからのガス放出によるガス臭や燃焼工程を再び開始する際の着火時に大きな音を伴う燃焼が起こることを防止することができる。
ところで、点火手段の点火動作はスパーク音が生じるためにユーザが直接的に気付きやすい。消火工程中に点火手段への点火指示を周期的に繰り返すようにした場合に点火指示の直後に燃焼工程開始のために点火手段へ再点火指示が行われたり、また、点火指示の周期的な繰り返し自体は、点火動作が連続するため、ユーザへ別の不安感を与えるおそれがある。本発明2の前記構成によれば、第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の経過により、ラッチ式電磁弁に開弁指示し点火手段に点火指示を行うことでバーナを燃焼させて燃焼工程に移行させるようにするため、点火手段の連続した点火動作を防ぐことができる。従って、連続した点火動作によりユーザに不安感を与えることがなく、また、点火手段の消耗を抑えることができる。なお、この発明2における第2の所定時間は、前記発明1における第2の所定時間と同じ時間でもよいし、異なる時間であってもよい。
発明3の燃焼装置は、
前記発明1または2に記載の燃焼装置において、
燃焼空間および/または加熱対象物の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段による温度情報が前記バーナの燃焼を消火する消火判定温度に達したか否かを判定する消火判定部と、
前記温度検知手段による温度情報が前記バーナを再点火させる再点火判定温度を下回ったか否かを判定する再点火判定部と、を有し、
前記再点火判定温度は、前記消火判定温度よりも低く設定されており、
前記制御部は、前記温度検知手段の温度情報が前記消火判定温度に達したときに前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行い、前記第2の所定時間が経過する前に前記温度検知手段の温度情報が前記再点火判定温度を下回ったときは前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に再点火指示を行う構成とすることができる。
前記構成により、消火判定温度でラッチ式電磁弁に閉弁指示してバーナを消火し消火工程に移行させ、再点火判定温度でラッチ式電磁弁への開弁指示および点火手段への再点火指示によりバーナを燃焼し燃焼工程に移行させる。これにより、消火判定温度と再点火判定温度を起点にして燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行うが、再点火判定温度を有することにより、第2の所定時間の経過前であっても燃焼工程に移行するため、火力調節制御運転において燃焼空間および/または加熱対象物の温度を精度よく一定に保つことができる。この場合、再点火判定温度を起点にした再点火指示は、第2の所定時間の経過前に行われるので、消火工程でのラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に対応してユーザが不快感、不安感を感じるようなバーナからのガス放出を防止することができる。また、第2の所定時間経過前に燃焼工程に移行した場合、第2の所定時間が経過した時点で点火手段に点火指示されることはないため、点火手段の連続した点火動作を防ぐことができる。
発明4の燃焼装置は、
前記発明3に記載の燃焼装置において、
前記制御部は、前記再点火指示後に前記温度検知手段の温度情報が再び前記消火判定温度に達したときは前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行う構成とすることができる。
前記構成により、再点火指示で実行される燃焼工程において温度検知手段の温度情報が再び消火判定温度に達したときはラッチ式電磁弁に閉弁指示が行われることでバーナの燃焼を消火し再び消火工程に移行する。このように消火判定温度を有することにより、燃焼工程から再び消火工程へ移行する起点となるため、火力調節制御運転において燃焼空間および/または加熱対象物の温度を精度よく一定に保つことができる。
発明5の燃焼装置は、
前記発明2~4のいずれか1つに記載の燃焼装置において、
燃焼空間および/または加熱対象物の温度を検知する温度検知手段と、
前記温度検知手段による温度情報が前記バーナの燃焼を消火する温度に達したか否かを判定する消火判定部と、
前記温度検知手段による温度情報が前記バーナを再点火させる温度を下回ったか否かを判定する再点火判定部と、を有し、
前記再点火判定部により再点火する温度と判定される再点火判定温度は、前記消火判定部により消火する温度と判定される消火判定温度よりも低く設定されており、
前記制御部は、前記第2の所定時間が経過した時点で前記温度検知手段の温度情報が前記消火判定温度以上の場合、前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に点火指示を行い、前記炎検知手段が前記バーナの燃焼を検知したことを条件に前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行う構成とすることができる。
前記構成により、消火工程中に第2の所定時間が経過した時点で温度検知手段の温度情報が消火判定温度以上の場合であってもラッチ式電磁弁に開弁指示し点火手段に点火指示を行って燃焼工程に移行させる。これにより、消火工程中におけるラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に起因したガス放出を抑えることができる。この場合、温度検知手段の温度情報が消火判定温度以上の状態で燃焼工程に移行させるが、炎検知手段がバーナの燃焼を検知したことを条件にラッチ式電磁弁に閉弁指示を行って直ぐに消火工程に移行させるため、炎検知手段がバーナ燃焼を検知した後の最小限の時間で燃焼工程を終了させる。これにより、温度検知手段の温度情報が消火判定温度以上の状態で燃焼工程に移行しても、火力調節制御運転において燃焼空間および/または加熱対象物の温度を精度よく一定に保つことができる。
発明6の燃焼装置は、
前記発明1~5のいずれか1つに記載の燃焼装置において、
前記バーナは複数備えられており、
前記ガス供給路は、それぞれの前記バーナに燃料ガスを供給するように分岐しており、
前記ラッチ式電磁弁は、分岐した前記ガス供給路のそれぞれに設けられており、
前記制御部は、前記バーナへの点火指示と、前記各バーナ個別に前記ラッチ式電磁弁の開弁指示および閉弁指示とを行うことが可能な制御構成を備えるものとすることができる。
前記構成により、複数のバーナを備えて共通の燃焼空間を形成し種々の火力調節制御運転を行う場合、消火工程中におけるラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に起因したガス放出を抑えることができ、ユーザに不快感、不安感を与えることのない火力調節制御が可能となる。
発明7の燃焼装置は、
前記発明1~6のいずれか1つに記載の燃焼装置を備える加熱調理器とすることができる。
例えば、グリル装置やガスコンロなどの加熱調理器において、ラッチ式電磁弁を用いて火力調節制御運転を行う場合、消火工程中におけるラッチ式電磁弁の開弁誤動作または開弁故障に起因したガス放出を抑えることができ、ユーザに不快感、不安感を与えることのない火力調節制御が可能となる。
実施形態1のグリル装置を示す模式図である。 ラッチ式電磁弁の開弁状態および閉弁状態を示す断面図である。 実施形態1の火力調節制御運転における燃焼工程と消火工程を実行する際にラッチ式電磁弁を用いた場合の動作を説明するためのタイムチャートである。 実施形態1のグリル装置における火力調節制御運転を実行させる制御ユニットの動作を示すフローチャートである。 実施形態2のグリル装置における火力調節制御運転を実行させる制御ユニットの動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する
(実施形態1)
本実施形態1は、本発明に係る燃焼装置を適用したグリル装置であり、実施形態1のグリル装置は、例えば、図示しないガスコンロの筐体内に組み込まれている。
図1に示すように、実施形態1のグリル装置1は、両面焼きグリル装置であり、調理物Fを収容するグリル庫2と、グリル庫2の天井部に設けられ、調理物Fを上から加熱する上火バーナ3aと、グリル庫2の左右側壁の下部に設けられ、調理物Fを下から加熱する下火バーナ3bと、上火バーナ3aへ燃料ガスを供給する上火側のガス供給路4aと、下火バーナ3bへ燃料ガスを供給する下火側のガス供給路4bと、上火側、下火側の各ガス供給路4a,4bに設けられ、ガス供給路4a,4bを開閉するラッチ式電磁弁5a,5bと、グリル装置1の動作を制御する制御ユニット6とを備えている。
グリル庫2の前面開口には、グリル扉21が設けられ、グリル庫2の後端部には、グリル庫2内の排ガス等を排出する排気口22が形成されている。調理物Fは、グリルプレートや焼網等の調理具23に配置され、調理具23は、グリル扉21に取り付けられた支持枠24に支持される。本実施形態1では、調理具23は、グリルプレートを使用した例とする。グリル庫2内の空間は、上下バーナ3a,3bにより加熱される燃焼空間となる。調理物Fや調理具23は、上下バーナ3a,3bにより加熱される加熱対象物となる。グリル庫2内には、調理具23の底面に接触して調理具23の温度を検知する温度センサ(温度検知手段)26が設けられている。この温度センサ26の検知温度(温度情報)が調理温度として加熱調理運転の制御に用いられる。なお、グリル庫2内には、グリル庫2内の温度を検知する庫内温度センサを温度検知手段として設けるようにしてもよく、また、温度センサ26と庫内温度センサのどちらか一方のみを設けるようにしてもよい。
上火バーナ3aのガス供給路4aと下火バーナ3bのガス供給路4bは、主流のガス供給路4cから分岐して配設されており、上火側、下火側の各ガス供給路4a,4bにラッチ式電磁弁5a,5bが設けられている。主流のガス供給路4cには、この主流ガス供給路4cを遮断する開閉弁となる電磁安全弁25が設けられている。上下バーナ3a,3bのそれぞれには、バーナを着火させる点火電極7a,7bと、熱電対により構成されてバーナの燃焼炎を検知する炎検知器(炎検知手段)8a,8bとが設けられている。なお、炎検知手段は、熱電対以外に、フレームロッド等を用いてもよい。上下バーナ3a,3bの各点火電極7a,7bは、イグナイタ9に接続されており、イグナイタ9を作動することにより各点火電極7a,7bで火花放電を発生させる。イグナイタ9および点火電極7a,7bは、上下バーナ3a,3bへ供給される燃料ガスを燃焼させるための点火手段を構成する。
図示しないガスコンロの前面パネルには、グリル装置1における調理温度を入力する温度設定部11や調理時間を入力するタイマー設定部12等を配設する操作パネル、上下バーナ3a,3bの点火操作や消火操作を行う点消火スイッチ13等が設けられている。温度設定部11やタイマー設定部12や点消火スイッチ13等は、ユーザにより操作される。また、グリル装置1は、異常報知を行う異常報知手段14を備えている。異常報知手段14は、例えば、音声、ブザーまたは表示等で報知を行うことができる。
制御ユニット6は、マイクロコンピュータや電子回路等により構成された電子ユニットであり、図示しないが、火力制御部、消火判定部、再点火判定部、演算部、記憶部、タイマー等を備え、グリル装置1の動作を制御する。制御ユニット6は、加熱調理運転において、調理温度を一定の範囲に保つように、上下バーナ3a,3bを燃焼させる燃焼工程と上下バーナ3a,3bを消火して燃焼停止させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を実行可能とする制御構成を備える。火力制御部は、上下バーナ3a,3bの燃焼、点火、消火等を含めて上下バーナ3a,3bの火力を制御する。消火判定部は、火力調節制御運転において、温度センサ26による検知温度が上下バーナ3a,3bの燃焼を消火する消火判定温度に達したか否かを判定する。再点火判定部は、火力調節制御運転において、温度センサ26による検知温度が上下バーナ3a,3bを再点火し燃焼させる再点火判定温度を下回ったか否かを判定する。再点火判定温度は、消火判定温度よりも低く設定される。また、消火判定温度は、温度設定部11に入力された調理温度よりも高く設定され、再点火判定温度は、温度設定部11に入力された調理温度よりも低く設定される。本実施形態1のグリル装置1では、燃焼工程と消火工程の切り替えをラッチ式電磁弁5a,5bで行うようにしており、制御ユニット6は、ラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示および閉弁指示を行うことにより燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転の動作を制御する。なお、制御ユニット6における火力調節制御運転の動作を制御する機能部分が特許請求の範囲でいう制御部を構成する。
次に、ラッチ式電磁弁5について説明する。
図2に示すように、ラッチ式電磁弁5は、永久磁石51と、永久磁石51に当接するコア部材52と、弁体56を設けたプランジャ53と、プランジャ53を可動させる電磁コイル54と、プランジャ53を閉弁方向に付勢するバネ55とを備える。
ラッチ式電磁弁5を開弁させるときは、永久磁石51の磁束に対して順方向の磁束が生じるように電磁コイル54に弁駆動電圧(例えば、プラス電圧)を一定時間印加することにより、プランジャ53がバネ55の付勢力に抗して可動して(図2の(a)から(b)の状態)、弁体56が弁口57から離れて開弁状態となる。この開弁状態で電磁コイル54の通電を停止しても、プランジャ53がコア部材52を介して永久磁石51に吸着保持され、開弁状態が維持される。一方、ラッチ式電磁弁5を閉弁させるときは、永久磁石51の磁束に対して逆方向の磁束が生じるように電磁コイル54に弁駆動電圧(例えば、マイナス電圧)を一定時間印加することにより、永久磁石51の磁力が打ち消されてバネ55の付勢力にてプランジャ53が可動して(図2の(b)から(a)の状態)、弁体56が弁口57を塞いで閉弁状態となる。この閉弁状態で電磁コイル54の通電を停止しても、プランジャ53がバネ55の付勢力によりコア部材52から離脱した状態が保持され、閉弁状態が維持される。
このようにラッチ式電磁弁5は、電磁コイル54に弁駆動電圧を必要な時間印加することにより開弁または閉弁し、その後は永久磁石51またはバネ55により開弁状態または閉弁状態が維持される。ラッチ式電磁弁5は、弁体56の可動後は電磁コイル54の通電が停止されるため、開弁状態および閉弁状態の保持に高い信頼性を有するものではないが、ラッチ式でない電磁弁のように電磁コイルの通電を継続しなければ弁体位置を保持できないものと比べ、電力消費が少なく、電磁コイル54の発熱が少なく、また、比較的安価であるなどの利点がある。よって、例えば、乾電池を電源とする燃焼装置においてラッチ式電磁弁5を燃焼工程と消火工程との切り替えに問題なく使用できるようにすることが望ましい。しかし、ラッチ式電磁弁5a,5bは、弁体56位置の検知手段を有さずアンサーバック信号を出力するものではないため、制御ユニット6は、例えば、閉弁指示後に誤動作等で不測にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁したり、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障したりしてもそれを直接認識できない。
そこで、本実施形態1では、消火工程中は、第1の所定時間T1の周期でラッチ式電磁弁5a,5bに繰り返し閉弁指示する連続閉弁指示を行い、また、第2の所定時間T2の経過によりラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示するとともにイグナイタ9に点火指示を行う制御構成としている。
前記連続閉弁指示の動作は、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが誤動作で開弁した場合に対して上下バーナ3a,3bからのガス放出防止対策となり、前記点火指示の動作は、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが誤動作で開弁した場合とラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障した場合に対して上下バーナ3a,3bからのガス放出防止対策となる。ラッチ式電磁弁5a,5bの開弁故障は、誤動作で開弁する場合に比べて相対的に起きにくく、また、上火側と下火側の両方のラッチ式電磁弁5a,5bが同時に開弁故障することは稀なことであると考えられる。そのため、本実施形態1では、点火指示を行う第2の所定時間T2は、連続閉弁指示により閉弁指示を行う第1の所定時間T1よりも長い時間が設定される。ここで、第1の所定時間T1は、バーナ消火状態で2つのラッチ式電磁弁5a,5bが開弁している時間において、ユーザがガス臭を感じたり、着火時に大きな音を伴う燃焼となったりするような上下バーナ3a,3bからのガス放出量となるよりも短い時間を設定することができる。第2の所定時間T2は、バーナ消火状態で1つのラッチ式電磁弁5a(5b)が開弁している時間において、ユーザがガス臭を感じたり、着火時に大きな音を伴う燃焼となったりするような上火バーナ3aまたは下火バーナ3bからのガス放出量となるよりも短い時間を設定することができる。第1の所定時間T1および第2の所定時間T2は、グリル装置1の大きさ、構造等を考慮して実験等により任意に決定することができる。本実施形態1では、第1の所定時間T1は15秒とし、第2の所定時間T2は85秒とする。
次に、主に消火工程におけるラッチ式電磁弁5a,5bの動作を図3に基づいて説明する。なお、図3および以下の説明では、燃焼工程および消火工程は、上火バーナ3aおよび下火バーナ3bをともに燃焼、消火させるものとし、また、バーナ3、ガス供給路4、ラッチ式電磁弁5、点火電極7、炎検知器8は、上火側および下火側の両方を指すものとする。
図3(a)は、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過する前に、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b(ON温度)未満となり燃焼工程に移行した場合のタイムチャートを示す。図3(b)は、消火工程において温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満とならずに消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過して燃焼工程に移行させた場合であり、且つ、バーナ3の着火検知後の温度センサ26の検知温度が消火判定温度a(OFF温度)未満である場合のタイムチャートを示す。図3(c)は、消火工程において温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満とならずに消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過して燃焼工程に移行させた場合であり、且つ、バーナ3の着火検知後の温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上である場合のタイムチャートを示す。
図3(a)の例では、燃焼工程で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上を検知したとき、ラッチ式電磁弁5に閉弁指示となる弁駆動電圧(例えば、-3Vのマイナス電圧)を一定時間印加する。これにより、ラッチ式電磁弁5が閉弁しガス供給路4が閉じてバーナ3が消火されて、燃焼工程から消火工程に移行する。そして、消火工程が開始されると、前記消火工程移行時におけるラッチ式電磁弁5の閉弁指示後に、第1の所定時間T1周期でラッチ式電磁弁5に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示が行われる。これにより、消火工程中に誤動作でラッチ式電磁弁5が開弁しても速やかにラッチ式電磁弁5を閉弁してガス供給路4を閉じて、バーナ3からガス放出状態が続くことを防止することができる。また、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過する前に、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満となったとき、ラッチ式電磁弁5に開弁指示となる弁駆動電圧(例えば、+3Vのプラス電圧)を一定時間印加するとともにイグナイタ9を一定時間作動させる。これにより、バーナ3が着火し燃焼されるため、消火工程中に、開弁誤動作や開弁故障でラッチ式電磁弁が開弁していた場合、バーナ3から放出されるガスを着火し燃焼炎とし、バーナ3からのガス放出を抑制することができる。このときのバーナ3の燃焼により、消火工程から燃焼工程に移行する。この燃焼工程において、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上を検知したときにラッチ式電磁弁5に閉弁指示して再び消火工程に移行する。なお、制御ユニット6は、消火工程の次に燃焼工程を行うためにラッチ式電磁弁5を開弁指示した後は、前記連続閉弁指示を中断した状態とするので、燃焼工程中にラッチ式電磁弁5が閉弁されることがなく開弁状態が維持されるため、正常な燃焼工程を行うことができる(図3(b)(c)の例でも同様である。)。
図3(b)の例では、図3(a)の例と同様、燃焼工程で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上を検知して消火工程に移行すると、消火工程中は第1の所定時間T1周期で前記連続閉弁指示が行われる。これにより、消火工程中にラッチ式電磁弁5が誤動作で開弁した場合、ラッチ式電磁弁5が閉弁され、消火工程中のバーナ3からのガス放出を抑制することができる。また、この図3(b)の例は、消火工程において温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満になっていない状態でも、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過したときに、ラッチ式電磁弁5に開弁指示となる弁駆動電圧(例えば、+3Vのプラス電圧)を一定時間印加するとともにイグナイタ9を一定時間作動させる。これにより、バーナ3が着火し燃焼されるため、消火工程中に、開弁誤動作や開弁故障でラッチ式電磁弁が開弁していた場合、バーナ3から放出されるガスを着火し燃焼炎とし、バーナ3からのガス放出を抑制することができる。このときのバーナ3の燃焼により、消火工程から燃焼工程に移行する。この図3(b)の例では、燃焼工程に移行する際のバーナ3の着火検知時における温度センサ26の検知温度は、消火判定温度a未満であるため、燃焼工程が継続される。この燃焼工程において温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上となったときにラッチ式電磁弁5に閉弁指示して再び消火工程に移行する。
図3(c)の例では、図3(b)の例と同様、消火工程中は第1の所定時間T1周期で前記連続閉弁指示が行われ、消火工程において温度センサ26の検知温度が再点火判定温度a未満になっていない状態でも第2の所定時間T2が経過したときにバーナ3を着火し燃焼させて燃焼工程に移行する。これにより、図3(a)(b)の場合と同様に、消火工程中に、ラッチ式電磁弁5が開弁誤動作や開弁故障した場合、バーナ3からのガス放出を抑制することができる。そして、この図3(c)の例では、燃焼工程に移行する際のバーナ3の着火検知時における温度センサ26の検知温度は、消火判定温度a以上であるため、バーナ3の着火検知後に温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上を検知することで、ラッチ式電磁弁5に閉弁指示となる弁駆動電圧(例えば、-3Vのマイナス電圧)を一定時間印加する。これにより、ラッチ式電磁弁5が閉弁しガス供給路4が閉じられてバーナ3が消火されるので、一旦、燃焼工程に入るが、瞬時に消火工程に移行する。すなわち、炎検知器8でのバーナ3の着火検知後に温度センサ26が消火判定温度a以上を検知するまでの最小限の時間で燃焼工程が終了される。換言すれば、バーナ3が燃焼した途端にラッチ式電磁弁5が閉じられてバーナ3が即消火される。これにより、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上の状態で燃焼工程に移行しても、直ちに消火工程に移行させるため、消火工程中のバーナ3からのガス放出を抑制し、且つ、火力調節制御運転において燃焼空間および/または加熱対象物の温度を精度よく一定に保つことができる。
なお、図3(c)の例において、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過した時点でラッチ式電磁弁5に開弁指示しイグナイタ9に点火指示し、炎検知器8がバーナ3の着火検知をした後、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上を検知したときにラッチ式電磁弁5に閉弁指示するが、イグナイタ9への点火指示後に炎検知器8がバーナ3の着火検知をしたときにラッチ式電磁弁5に閉弁指示して、より早く消火工程に移行させるようにしてもよい。
次に、実施形態1のグリル装置1において、制御ユニット6による火力調節制御運転の動作を説明する。
図4のフローチャートを参照して、ユーザが点消火スイッチ13をオン操作することにより、制御ユニット6は、加熱調理運転(火力調節制御運転)を開始する。この加熱調理運転の開始により、制御ユニット6は、ステップS1で電磁安全弁25を開弁させ、ステップS2でラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示を行う。この開弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bに対し開弁動作させる弁駆動電圧(例えば、プラス電圧)が一定時間(例えば、0.5秒)印加される。これにより、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁しガス供給路4a,4bから上下バーナ3a,3bに燃料ガスが供給される。
続くステップS3で、制御ユニット6は、点火指示を行ってイグナイタ9を作動させ、点火電極7a,7bに火花放電を発生させる。続くステップS4およびステップS5で、制御ユニット6は、イグナイタ9の点火指示またはラッチ式電磁弁5a,5bの開弁指示から所定の着火検知時間(例えば、10秒)内に、炎検知器8a,8bの検知電圧(TC電圧)が着火検知電圧V以上に上がったか否か判断する。ここで、着火検知電圧Vは、例えば、バーナに燃焼炎が形成されたときの炎検知器8a,8bの熱電対電圧値とされる。上火側、下火側のどちらか一方でも炎検知器8a,8bの検知電圧が着火検知電圧V以上に上がらず着火検知時間が経過した場合(ステップS5で「YES」の場合)、イグナイタ9を作動停止し、ステップS6へ進み、着火エラーとして加熱調理運転をエラー停止する。なお、エラー停止する場合、制御ユニット6は、異常報知手段14で異常報知を行い、電磁安全弁25を閉弁させる(これ以降で記載するエラー停止の動作も、基本的に同じである。)。
一方、炎検知器8a,8bの検知電圧が着火検知時間内に着火検知電圧V以上に上がった場合(ステップS4で「YES」の場合)、ステップS7でイグナイタ9を作動停止し、上下バーナ3a,3bが燃焼されて燃焼工程が開始される。続くステップS8で、燃焼工程の開始時に、制御ユニット6にはユーザが操作パネルの温度設定部11に入力した調理温度とタイマー設定部12に入力した調理時間tが設定される。そして、燃焼工程の開始により、グリル庫2内の温度および調理物Fの温度が上昇する。
続けてステップS9で、制御ユニット6は、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上に上昇したか否か判断する。ここで、消火判定温度aは、例えば、温度設定部11で設定された調理温度よりも数度高い温度値とされるが、グリル装置1に応じて実験等で決定することができる。ステップS9で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上に上昇していないと判断した場合(ステップS9で「NO」の場合)、ステップS10に進んで、制御ユニット6は、加熱調理運転の運転時間が、タイマー設定部12で設定された調理時間tを経過したか否か判断する。運転時間が調理時間tを経過したと判断した場合(ステップS10で「YES」の場合)、終了報知を行い、電磁安全弁25を閉弁して加熱調理運転を終了し(ステップS23)、運転時間が調理時間tを経過していないと判断した場合(ステップS10で「NO」の場合)、処理をステップS9に戻す。
ステップS9で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上に上昇したと判断した場合(ステップS9で「YES」の場合)、消火工程を開始するため、ステップS11に進んで、制御ユニット6は、ラッチ式電磁弁5a,5bに閉弁指示を行う。この閉弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bに対し閉弁動作させる弁駆動電圧(例えば、マイナス電圧)が一定時間(例えば、0.5秒)印加される。これにより、ラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁し上下バーナ3a,3bが消火される。続くステップS12およびステップS13で、制御ユニット6は、ラッチ式電磁弁5a,5bの閉弁指示後、所定の第1弁故障検知時間(例えば、10秒)内に、炎検知器8a,8bの検知電圧が第1弁故障検知電圧V1未満に下がったか否か判断する。ここで、第1弁故障検知電圧V1は、例えば、バーナに燃焼炎が無いときの炎検知器8a,8bの熱電対電圧値とされる。上火側、下火側のどちらか一方でも炎検知器8a,8bの検知電圧が第1弁故障検知電圧V1未満に下がらず第1弁故障検知時間が経過した場合(ステップS13で「YES」の場合)、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障していると判断して、ステップS14へ進み、弁故障エラーとして加熱調理運転をエラー停止する。一方、第1弁故障検知時間内に、炎検知器8a,8bの検知電圧が第1弁故障検知電圧V1未満に下がった場合(ステップS12で「YES」の場合)、上下バーナ3a,3bが消火され、消火工程を開始したと判断でき、ステップS15に進む。
消火工程に移行すると、グリル庫2内の温度および調理物Fの温度が低下する。ステップS15では、制御ユニット6は、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下したか否か判断する。ここで、再点火判定温度bは、消火判定温度aよりも低い温度が設定され、例えば、温度設定部11で設定された調理温度よりも数度低い温度値とされるが、グリル装置1に応じて実験等で決定することができる。ステップS15で温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下していないと判断している間は(ステップS15で「NO」の場合)、消火工程を継続し、この消火工程中は、ガス放出防止対策の動作(ステップA、ステップB)を行う。なお、このガス放出防止対策動作は、後述する。
一方、ステップS15で温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下したと判断した場合(ステップS15で「YES」の場合)、ステップS16~ステップS21にて、制御ユニット6は、上下バーナ3a,3bを再点火し燃焼工程を再度開始する動作を行う。このステップS16~ステップS21の燃焼工程に移行する動作は、上述したステップS2~ステップS7の燃焼工程を開始する動作と同じであるため、ここでは説明を省略する。
上下バーナ3a,3bの燃焼によりイグナイタ9を作動停止した後(ステップS21)、ステップS22に進み、制御ユニット6は、加熱調理の運転時間が、タイマー設定部12で設定された調理時間tを経過したか否か判断し、運転時間が調理時間tを経過したと判断した場合(ステップS22で「YES」の場合)、ステップS23に進んで加熱調理運転を終了し、運転時間が調理時間tを経過していないと判断した場合(ステップS22で「NO」の場合)、処理をステップS9へ戻す。従って、加熱調理の運転時間が調理時間tを経過するまでの間はステップS9からステップS22の処理が繰り返し行われる。すなわち、本加熱調理の火力調節制御運転として、消火判定温度aと再点火判定温度bを起点にして燃焼工程と消火工程とが交互に繰り返し実行され、調理物Fを精度よく一定温度に保つ加熱調理が行われる。
次に、ガス放出防止対策の動作を説明する。
ステップS15の判断で温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下していない場合(ステップS15の「NO」の場合)、ステップAに進み、ラッチ式電磁弁5a,5bへの連続閉弁指示の動作が行われる。このステップAでの動作は、ステップA1で、制御ユニット6は、消火工程の開始により消火工程時間の周期が第1の所定時間T1を経過したか否か判断する。ここで、第1の所定時間T1は、バーナ消火状態でのラッチ式電磁弁5a,5bの開弁状態において、ユーザがガス臭を感じたり、着火時に大きな音を伴う燃焼となったりするような上下バーナ3a,3bからのガス放出量となるよりも短い時間(例えば、15秒)が設定される。
前記消火工程時間の周期が第1の所定時間T1を経過したと判断した場合(ステップA1で「YES」の場合)、続くステップA2で、制御ユニット6は、ラッチ式電磁弁5a,5bに対して閉弁指示を行う。この閉弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bに対し閉弁動作させる弁駆動電圧(例えば、マイナス電圧)が一定時間印加される。これにより、ラッチ式電磁弁5a,5bが正常に閉弁していた場合はその閉弁状態が保持され、ラッチ式電磁弁5a,5bが異常(誤動作)により開弁していた場合は閉弁される。
一方、前記消火工程時間の周期が第1の所定時間T1を経過していない場合(ステップA1で「NO」の場合)やステップA2での閉弁指示後は、ステップS24に進む。ステップS24で、制御ユニット6は、加熱調理運転の運転時間が、タイマー設定部12で設定された調理時間tを経過したか否か判断する。運転時間が調理時間tを経過したと判断した場合(ステップS24で「YES」の場合)、ステップS23に進んで加熱調理運転を終了し、運転時間が調理時間tを経過していないと判断した場合(ステップS24で「NO」の場合)、処理をステップBへ進める。
ステップBでは、上下バーナ3a,3bを燃焼させるための点火指示動作が行われる。このステップBでの動作は、ステップB1で、制御ユニット6は、消火工程の開始により消火工程時間が第2の所定時間T2を経過したか否か判断する。ここで、第2の所定時間T2は、バーナ消火状態で一方のラッチ式電磁弁(5aまたは5b)の開弁状態において、ユーザがガス臭を感じたり、着火時に大きな音を伴う燃焼となったりするような上火バーナ3aまたは下火バーナ3bからのガス放出量となるよりも短い時間(例えば、85秒)が設定される。消火工程時間が第2の所定時間T2を経過していない場合(ステップB1で「NO」の場合)、ステップS25に進み、制御ユニット6は、加熱調理の運転時間が、タイマー設定部12で設定された調理時間tを経過したか否か判断する。運転時間が調理時間tを経過したと判断した場合(ステップS25で「YES」の場合)、ステップS23に進んで加熱調理運転を終了し、運転時間が調理時間tを経過していないと判断した場合(ステップS25で「NO」の場合)、処理をステップS15へ戻す。従って、消火工程中は、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b以上の状態で、第2の所定時間T2が経過するまでの間、ステップAにて第1の所定時間T1の周期でラッチ式電磁弁5a,5bに閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示が行われる。
消火工程時間が第2の所定時間T2を経過したと判断した場合(ステップB1で「YES」の場合)、ステップB2で、制御ユニット6は、ラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示を行う。開弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bに対し開弁動作させる弁駆動電圧(例えば、プラス電圧)が一定時間(例えば、0.5秒)印加される。この開弁指示(ステップB2)でラッチ式電磁弁5a,5bが開弁されるが、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁誤動作や開弁故障等で開弁していた場合やステップAでの連続閉弁指示によってもラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁されず開弁故障していた場合、その開弁状態が保持される。
続くステップB3で、制御ユニット6は、点火指示によりイグナイタ9を作動させ、点火電極7a,7bに火花放電を発生させる。これにより、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁して上下バーナ3a,3bにガスが供給されていた場合、上下バーナ3a,3bからの放出ガスに着火し燃焼する。続くステップB4およびステップB5で、制御ユニット6は、イグナイタ9の点火指示またはラッチ式電磁弁5a,5bの開弁指示から所定の着火検知時間(例えば、10秒)内に、炎検知器8a,8bの検知電圧(TC電圧)が着火検知電圧V以上に上がったか否か判断する。ここで、着火検知電圧Vは、例えば、バーナに燃焼炎が形成されたときの炎検知器8a,8bの熱電対電圧値とされる。上火側、下火側のどちらか一方でも炎検知器8a,8bの検知電圧が着火検知電圧V以上に上がらず着火検知時間が経過した場合(ステップB5で「YES」の場合)、イグナイタ9を作動停止し、ラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁故障していると判断して、ステップB6へ進み、着火エラーとして加熱調理運転をエラー停止する。なお、ステップB2での開弁指示は、1回行うだけでなく何回かリトライすることも可能であり、リトライにより一時的な異常で閉弁していたラッチ式電磁弁5a,5bを正常な開弁状態へと復帰させ易くすることができる。
以上のステップBでの点火動作により、上下バーナ3a,3bを燃焼させて燃焼工程に移行させるが、ここでの燃焼工程は、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度bを下回ることで行われる本来の燃焼工程とは異なり、第2の所定時間T2の経過により行われる。すなわち、このステップBによるバーナ燃焼の意義は、消火工程中におけるガス放出防止対策を実現することにある。
ステップB7の実行後は、処理をステップS9へ戻す。従って、加熱調理運転の運転時間が調理時間tを経過しておらず(ステップS10で「NO」の場合)、且つ、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上となっていない状態(ステップS9で「NO」の場合)では、上下バーナ3a,3bを燃焼させた燃焼工程が行われる。そして、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上になると(ステップS9で「YES」の場合)、ラッチ式電磁弁5a,5bに閉弁指示(ステップS11)してラッチ式電磁弁5a,5bを閉弁させる。この場合、先の消火工程においてラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障していた場合、ステップS12~ステップS14での処理にて、弁故障エラーとして加熱調理運転がエラー停止される。ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障しておらず正常に閉弁され(ステップS12で「YES」の場合)、且つ、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下していない状態(ステップS15で「NO」の場合)の間は、消火工程が継続され、この消火工程中、制御ユニット6は、ステップAの連続閉弁指示動作と、ステップBの点火指示動作とによるガス放出防止対策が実行される。
以上より、本実施形態1によれば、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが異常により開弁した場合、ステップAの連続閉弁指示動作とステップBの点火指示動作とにより、上下バーナ3a,3bからのガス放出を抑えることができる。すなわち、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bがマイコンの誤動作等に起因して開弁した場合、連続閉弁指示(ステップA)による再度の閉弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bを閉弁させて上下バーナ3a,3bからのガス放出に伴いユーザが不快感、不安感を感じることを防ぐことができる。また、消火工程中に弁体56の固着や配線の断線等によりラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障した場合、前記連続閉弁指示でラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁されないときでも、イグナイタ9への点火指示(ステップB)により上下バーナ3a,3bから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることで上下バーナ3a,3bからのガス放出を抑えることができる。従って、火力調節制御運転においてラッチ式電磁弁5a,5bを使用する場合でも、消火工程中に、ユーザが不快感、不安感を感じるような上下バーナ3a,3bからのガス放出によるガス臭や燃焼工程を再び開始する際の着火時に大きな音を伴う燃焼が起こることを防止することができる。
ところで、消火工程中におけるイグナイタ9への点火指示を周期的に繰り返したり、点火指示後も消火工程を継続するようにした場合等では、この消火工程中の点火指示の直後に燃焼工程を開始するためにイグナイタ9に再点火指示されることもあり、点火動作が連続することとなる。イグナイタ9への点火動作は点火電極7a,7bでのスパーク音が生じるためにユーザが直接的に気付きやすく、頻繁な点火動作は、ユーザに別の不安感を与えるおそれがある。本実施形態1によれば、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過した場合にイグナイタ9に点火指示を行う。この第2の所定時間T2は、連続閉弁指示を行う第1の所定時間T1よりも長い時間が設定され、第2の所定時間T2の経過により、ラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示しイグナイタ9に点火指示を行うと、この点火指示により上下バーナ3a,3bを燃焼させて燃焼工程に移行させるようにするため、イグナイタ9および点火電極7a,7bの連続した点火動作を防ぐことができる。従って、消火工程中に連続した点火動作によりユーザに不安感を与えることがなく、また、イグナイタ9および点火電極7a,7bの消耗を抑えることができる。
また、消火工程開始時点において、ラッチ式電磁弁5a,5bの閉弁指示後に炎検知器8a,8bで弁故障検知動作(ステップS12、ステップS13)を行ってラッチ式電磁弁5a,5bの健全性(正常動作)を把握するようにしている。これにより、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁誤動作で開弁した場合、連続閉弁指示によるラッチ式電磁弁5a,5bの閉弁を確実に行うことができ、ユーザが不快感、不安感を感じるようなガス放出を防止することができる。また、消火工程中にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁誤動作で開弁して更に開弁故障した場合、イグナイタ9への点火指示により上下バーナ3a,3bから放出されるガスを燃焼炎とし、ユーザが不快感、不安感を感じるようなガス放出を防止することができる。このラッチ式電磁弁5a,5bの開弁故障は、ステップBからステップS9へ進んだ後の弁故障検知動作(ステップS11~ステップS14)で発見することができる。この弁故障検知動作においてラッチ式電磁弁5a,5bの開弁故障が検知されるとステップS14の弁故障エラーの動作にて、異常報知手段14による異常報知によりグリル装置1が正常に動作しないことを速やかにユーザに知らせ、且つ、電磁安全弁25を閉弁させガス供給路4cを遮断し上下バーナ3a,3bを消火してグリル装置1を安全に停止させることができる。
また、ステップBでの点火指示により燃焼工程に移行させることで、この燃焼工程では温度センサ26の検知温度にかかわらず点火指示を中断させるので、この燃焼工程中にイグナイタ9および点火電極7a,7bで不要な点火動作が行われることがなく、イグナイタ9および点火電極7a,7bの消耗を抑えることが可能となる。また、グリル装置1の電源に電池を使用する場合は、電池の消耗を抑えることができる。
消火工程中に第2の所定時間T2が経過する前に、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度bを下回った場合(ステップB1で「NO」⇒ステップS25で「NO」⇒ステップS15で「YES」)、ラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示(ステップS16)し、イグナイタ9に再点火指示(ステップS17~ステップS21)が行われることで上下バーナ3a,3bを燃焼する燃焼工程に移行する。このように再点火判定温度bの設定により、第2の所定時間T2の経過前であっても燃焼行程に移行するため、消火工程中における開弁誤動作または開弁故障に起因したラッチ式電磁弁5a,5bの開弁による上下バーナ3a,3bからのガス放出を抑えることができ、更に、火力調節制御運転でのグリル庫2内および/または加熱対象物(調理物F、調理具23)の温度を精度よく一定に保つことができる。また、第2の所定時間T2経過前に燃焼工程に移行した場合、第2の所定時間T2が経過してもイグナイタ9に点火指示されることはないため、イグナイタ9および点火電極7a,7bの連続した点火動作を防ぐことができる。
そして、再点火指示動作(ステップS16~S21)で実行される燃焼工程において温度センサ26の検知温度が再び消火判定温度aに達した場合(ステップS9で「YES」の場合)、ラッチ式電磁弁5a,5bに閉弁指示が行われることで上下バーナ3a,3bの燃焼を消火し再び消火工程に移行する。このように消火判定温度aの設定により、燃焼工程から再び消火工程へ移行する起点となるため、火力調節制御運転によるグリル庫2内および/または加熱対象物(調理物F、調理具23)の温度を精度よく一定に保つことができる。
消火工程において温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満とならずに(ステップS15で「NO」の場合)、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過した場合、ラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示するとともにイグナイタ9に点火指示を行い(ステップB1~ステップB7)、上下バーナ3a,3bを燃焼させる。これにより、消火工程の開始時点または開始直後にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障して、前記連続閉弁指示(ステップA)によってラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁されない場合であっても、消火工程中に上下バーナ3a,3bから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることで、第2の所定時間T2を超えて上下バーナ3a,3bからガス放出状態が続くことを防止することができる。
この場合、前記第2の所定時間T2が経過した時点で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a未満であった場合(ステップB7から続くステップS9で「NO」の場合)、消火判定温度a以上に上昇するまで上下バーナ3a,3bの燃焼を継続し燃焼工程が行われる。これにより、消火工程中におけるラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作または開弁故障に起因したガス放出を防止し、且つ、火力調節制御運転においてグリル庫2内および/または加熱対象物(調理物F、調理具23)の温度を精度よく一定に保つことができる。一方、前記第2の所定時間T2が経過した時点で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上であった場合(ステップB7から続くステップS9で「YES」の場合)、上下バーナ3a,3bの着火検知後(ステップB4で「YES」の場合)、直ちにラッチ式電磁弁5に閉弁指示(ステップS11)して上下バーナ3a,3bを消火し消火工程に移行させる。すなわち、一旦、上下バーナ3a,3bを燃焼させるが、即消火するため、炎検知器8a,8bでの上下バーナ3a,3bの着火検知後(ステップB4で「YES」の場合)に温度センサ26が消火判定温度a以上を検知(ステップS9で「YES」の場合)するまでの最小限の時間で燃焼工程を終了する。これにより、温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上の状態で燃焼工程に移行しても、直ちに消火工程に移行させるため、消火工程中におけるラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作または開弁故障に起因したガス放出を防止し、且つ、火力調節制御運転においてグリル庫2内および/または加熱対象物(調理物F、調理具23)の温度を精度よく一定に保つことができる。
なお、本実施形態1の変形例として、消火工程の経過時間が第2の所定時間T2を経過した時点で温度センサ26の検知温度が消火判定温度a以上の場合にラッチ式電磁弁5a,5bに開弁指示しイグナイタ9に点火指示して上下バーナ3a,3bを燃焼させる場合、炎検知器8a,8bが上下バーナ3a,3bの燃焼を検知したときに(ステップB4に続くステップB7)、直ちにラッチ式電磁弁5a,5bに閉弁指示(ステップS11)するようにしてもよい。
(実施形態2)
実施形態2は、実施形態1と異なる内容として、消火工程中に、第2の所定時間T02でイグナイタ9に繰り返し点火指示する連続点火指示を行うようにしたことである。ここで、第2の所定時間T02は、実施形態1での第2の所定時間T2と同じ意義を有し(段落0033を参照)、連続閉弁指示を行う第1の所定時間T1よりも長い時間が設定されるが、実施形態1における第2の所定時間T2と同じ時間が設定されてもよいし、実施形態1における第2の所定時間T2とは異なる時間が設定されてもよい。なお、この実施形態2では、第2の所定時間T02は、実施形態1における第2の所定時間T2と同じ時間(例えば、85秒)が設定される。
以下に、図5のフローチャートに従って、実施形態2における制御ユニット6の動作を説明する。なお、図5において図4のフローチャートと同じ番号を付したステップは、実施形態1での動作に従うものとして必要に応じて説明を省略する。また、図5のステップS12の第1弁故障検知電圧V1、ステップS13の第1弁故障検知時間は、それぞれ図4のステップS12の第1弁故障検知電圧V1、ステップS13の第1弁故障検知時間と同じ内容である。
図5のフローチャートを参照して、ステップB(2)に進むと、ステップB10で、制御ユニット6は、消火工程の開始により消火工程時間が第2の所定時間T02を経過したか否か判断する。消火工程時間が第2の所定時間T02を経過したと判断した場合(ステップB10で「YES」の場合)、ステップB11で、制御ユニット6は、イグナイタ9に点火指示を行う。この点火指示により点火電極7a,7bに火花放電が発生する。これにより、ラッチ式電磁弁5a,5bが正常に閉弁していた場合は上下バーナ3a,3bの状態に変化は無いが、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障により開弁していた場合は上下バーナ3a,3bから放出されるガスが着火し燃焼する。
続くステップB12、ステップB13で、制御ユニット6は、点火指示から第2弁故障検知時間(例えば、10秒)内に、炎検知器8a,8bの検知電圧が第2弁故障検知電圧V2以上に上がったか否か判断する。ここで、第2弁故障検知電圧V2は、例えば、バーナに燃焼炎が形成されたときの炎検知器8a,8bの熱電対電圧値とされる。上火側、下火側のどちらか一方でも炎検知器8a,8bの検知電圧が第2弁故障検知電圧V2以上に上がった場合(ステップB12で「YES」の場合)、上下バーナ3a,3bの燃焼が確認されたこととなり、ラッチ式電磁弁5a,5bが消火工程中に開弁故障していたと判断することができる。ラッチ式電磁弁5a,5bの開弁故障が判断されると、ステップB14で、制御ユニット6は、弁故障エラーとして異常報知手段14による異常報知によりグリル装置1が正常に動作しないことを速やかにユーザに知らせ、且つ、電磁安全弁25を閉弁させガス供給路4cを遮断し上下バーナ3a,3bを消火してグリル装置1を安全に停止させる。
一方、炎検知器8a,8bの検知電圧が第2弁故障検知電圧V2以上に上がらず第2弁故障検知時間が経過した場合(ステップB13で「YES」の場合)、上下バーナ3a,3bの燃焼が確認されず、ラッチ式電磁弁5a,5bは閉弁状態が維持されており、正常に消火工程が実行されていると判断でき、制御ユニット6は、ステップB15でイグナイタ9を作動停止し、処理をステップS25に進める。ステップS25で、制御ユニット6は、加熱調理の運転時間が調理時間tを経過したと判断した場合(ステップS25で「YES」の場合)、ステップS23に進んで加熱調理運転を終了し、運転時間が調理時間tを経過していないと判断した場合(ステップS25で「NO」の場合)、処理をステップS15へ戻す。従って、加熱調理の運転時間が調理時間tを経過しておらず(ステップS25で「NO」の場合)、且つ、温度センサ26の検知温度が再点火判定温度b未満に低下していない間は(ステップS15で「NO」の場合)、消火工程が継続され、この消火工程中は、ステップAでの第1の所定時間T1の周期で連続閉弁指示の動作を行い、ステップB(2)での第2の所定時間T02の周期で連続点火指示の動作を行う。
以上より、本実施形態2によれば、消火工程中に、ラッチ式電磁弁5a,5bが開弁誤動作で開弁した場合、連続閉弁指示による再度の閉弁指示でラッチ式電磁弁5a,5bを閉弁させることができ、また、連続点火指示によりイグナイタ9に点火指示して上下バーナ3a,3bから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることができる。また、消火工程中等にラッチ式電磁弁5a,5bが開弁故障していた場合、連続閉弁指示によりラッチ式電磁弁5a,5bが閉弁されないときでも、連続点火指示によりイグナイタ9への点火指示によって上下バーナ3a,3bから放出されるガスを着火し燃焼炎とすることができる。従って、消火工程中においてラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作または開弁故障に起因したバーナからのガス放出を抑えることができる。よって、ユーザが不快感、不安感を感じるような上下バーナ3a,3bからのガス放出によるガス臭や燃焼工程を再び開始する際の着火時に大きな音を伴う燃焼が起こることを防止することができる。
ところで、連続閉弁指示の実施は、ラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作に対してバーナからのガス放出を抑制でき、また、ラッチ式電磁弁5a,5bの閉弁動作はユーザが直接的に気付きにくい。連続点火指示の実施は、ラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作だけでなく開弁故障に対してもバーナからのガス放出を抑制できるため、ガス放出の抑制効果が高いが、イグナイタ9への点火動作は点火電極7a,7bでのスパーク音が生じるためにユーザが直接的に気付きやすく、頻繁な点火動作はそれ自体がユーザへ別の不安感を与える要因となり得る。一方、ラッチ式電磁弁5a,5bの弁故障は、弁の誤動作に比べて相対的に起きにくいと考えられる。本実施形態2では、連続点火指示の周期時間となる第2の所定時間T02は、連続閉弁指示の周期時間となる第1の所定時間T1よりも長い時間が設定されている。従って、消火工程中において連続点火指示による頻繁な点火動作が抑えられるため、ユーザに不安感を与えないようにすることができ、且つ、ラッチ式電磁弁5a,5bの開弁誤動作と開弁故障のそれぞれに対してバーナからのガス放出を抑えることができる。
なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で様々な変更を行うことができる。
例えば、実施形態1,2では、ラッチ式電磁弁5a,5bは、上火側、下火側のそれぞれのガス供給路4a,4bに設けるが、上流側の主流のガス供給路4cにラッチ式電磁弁5を1つ設け、制御ユニット6は、主流のガス供給路4cのラッチ式電磁弁5に対して開弁および閉弁の指示を行う構成としてもよい。すなわち、本発明の燃焼装置は、複数のバーナを備え、ガス供給路はそれぞれのバーナに燃料ガスを供給するように分岐されており、この分岐部よりも上流位置のガス供給路にラッチ式電磁弁を持つものにおいて、火力調節制御運転を行う場合、このラッチ式電磁弁に対して前記連続閉弁指示を行う構成としてもよい。
実施形態1,2では、燃焼工程は、上火バーナ3aおよび下火バーナ3bともに燃焼させるが、燃焼工程の全部または一部(一の燃焼工程の全部または一部の期間も含む。)で上火バーナ3aまたは下火バーナ3bのどちらかのみ燃焼させる構成であってもよい。
実施形態1,2では、1つのイグナイタ9への点火指示により上火側と下火側の点火電極7a,7bを同時に火花放電させるが、各点火電極7a,7bにそれぞれイグナイタ9を備え、制御ユニット6は、各イグナイタ9個別に、第2の所定時間経過による点火指示、または、第2の所定時間周期で点火指示する連続点火指示を行う構成であってもよい。
本発明は、上火バーナまたは下火バーナのどちらかのみ備える片面焼きグリル装置に適用してもよい。
また、本発明は、ガスコンロに適用してもよい。ガスコンロは、コンロバーナが複数備えられており、ガス供給路はそれぞれのコンロバーナに燃料ガスを供給するように分岐されており、分岐したガス供給路にはそれぞれのコンロバーナに対応するラッチ式電磁弁を有し、それぞれのコンロバーナは点火電極と炎検知器を備え、制御部は、コンロバーナを燃焼させる際のイグナイタへの点火指示と、各コンロバーナ個別にラッチ式電磁弁の開弁指示および閉弁指示とが可能な構成とすることができる。すなわち、複数のコンロバーナの全部または一部で所定の燃焼空間を形成し、制御部は、燃焼空間において燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を実行する場合、この火力調節制御運転において消火工程中は、第1の所定時間周期でラッチ式電磁弁に閉弁指示する連続閉弁指示を行い、且つ、第2の所定時間周期でイグナイタに点火指示する連続点火指示を行うか、第2の所定時間経過でラッチ式電磁弁に開弁指示するとともにイグナイタに点火指示を行う構成とすることができる。また、本発明は、1つのコンロバーナが燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、コンロバーナが親子バーナ(炎孔を形成するバーナ部が数段に積層されたもの、炎孔を形成するバーナ部が環状に内外に配置されたもの等)を形成し、この親子バーナの各バーナ部で燃焼工程と消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合などにも適用することができる。
1 グリル装置(燃焼装置)
2 グリル庫
3a 上火バーナ
3b 下火バーナ
4a,4b,4c ガス供給路
5a,5b ラッチ式電磁弁
6 制御ユニット(制御部)
7a,7b 点火電極(点火手段)
8a,8b 炎検知器(炎検知手段)
9 イグナイタ(点火手段)
11 温度設定部
12 タイマー設定部
13 点消火スイッチ
14 異常報知手段
21 グリル扉
22 排気口
23 調理具
24 支持枠
25 電磁安全弁
26 温度センサ(温度検知手段)
51 永久磁石
52 コア部材
53 プランジャ
54 電磁コイル
55 バネ
56 弁体
57 弁口
F 調理物

Claims (7)

  1. バーナと、
    前記バーナへ燃料ガスを供給するガス供給路と、
    前記ガス供給路を開閉するラッチ式電磁弁と、
    前記バーナへ供給された燃料ガスを燃焼させるための点火手段と、
    前記バーナの燃焼炎を検知する炎検知手段と、
    前記ラッチ式電磁弁の開弁および閉弁の指示ならびに前記点火手段に燃料ガスへの点火指示を行う制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記ラッチ式電磁弁を開弁指示により開弁させて前記バーナを燃焼させる燃焼工程と、前記ラッチ式電磁弁を閉弁指示により閉弁させて前記バーナを消火させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、前記ラッチ式電磁弁の閉弁指示後に、第1の所定時間の周期で前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示を行い、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の周期で前記点火手段に点火指示を繰り返す連続点火指示を行う制御構成を備える燃焼装置。
  2. バーナと、
    前記バーナへ燃料ガスを供給するガス供給路と、
    前記ガス供給路を開閉するラッチ式電磁弁と、
    前記バーナへ供給された燃料ガスを燃焼させるための点火手段と、
    前記バーナの燃焼炎を検知する炎検知手段と、
    前記ラッチ式電磁弁の開弁および閉弁の指示ならびに前記点火手段に燃料ガスへの点火指示を行う制御部と、を有し、
    前記制御部は、前記ラッチ式電磁弁を開弁指示により開弁させて前記バーナを燃焼させる燃焼工程と、前記ラッチ式電磁弁を閉弁指示により閉弁させて前記バーナを消火させる消火工程とを交互に繰り返す火力調節制御運転を行う場合、前記ラッチ式電磁弁の閉弁指示後に、第1の所定時間の周期で前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示を繰り返す連続閉弁指示を行い、前記第1の所定時間よりも長い第2の所定時間の経過により前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に点火指示を行う制御構成を備える燃焼装置。
  3. 請求項1または2に記載の燃焼装置において、
    燃焼空間および/または加熱対象物の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段による温度情報が前記バーナの燃焼を消火する消火判定温度に達したか否かを判定する消火判定部と、
    前記温度検知手段による温度情報が前記バーナを再点火させる再点火判定温度を下回ったか否かを判定する再点火判定部と、を有し、
    前記再点火判定温度は、前記消火判定温度よりも低く設定されており、
    前記制御部は、前記温度検知手段の温度情報が前記消火判定温度に達したときに前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行い、前記第2の所定時間が経過する前に前記温度検知手段の温度情報が前記再点火判定温度を下回ったときは前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に再点火指示を行う、燃焼装置。
  4. 請求項3に記載の燃焼装置において、
    前記制御部は、前記再点火指示後に前記温度検知手段の温度情報が再び前記消火判定温度に達したときは前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行う、燃焼装置。
  5. 請求項2に記載の燃焼装置において、
    燃焼空間および/または加熱対象物の温度を検知する温度検知手段と、
    前記温度検知手段による温度情報が前記バーナの燃焼を消火する温度に達したか否かを判定する消火判定部と、
    前記温度検知手段による温度情報が前記バーナを再点火させる温度を下回ったか否かを判定する再点火判定部と、を有し、
    前記再点火判定部により再点火する温度と判定される再点火判定温度は、前記消火判定部により消火する温度と判定される消火判定温度よりも低く設定されており、
    前記制御部は、前記第2の所定時間が経過した時点で前記温度検知手段の温度情報が前記消火判定温度以上の場合、前記ラッチ式電磁弁に開弁指示し前記点火手段に点火指示を行い、前記炎検知手段が前記バーナの燃焼を検知したことを条件に前記ラッチ式電磁弁に閉弁指示し、この閉弁指示後に前記連続閉弁指示を行う、燃焼装置。
  6. 請求項1または2に記載の燃焼装置において、
    前記バーナは複数備えられており、
    前記ガス供給路は、それぞれの前記バーナに燃料ガスを供給するように分岐しており、
    前記ラッチ式電磁弁は、分岐した前記ガス供給路のそれぞれに設けられており、
    前記制御部は、前記バーナへの点火指示と、前記各バーナ個別に前記ラッチ式電磁弁の開弁指示および閉弁指示とを行うことが可能な制御構成を備える、燃焼装置。
  7. 請求項1または2に記載の燃焼装置を備える加熱調理器。

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