JP5319495B2 - ガスコンロ - Google Patents

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Description

本発明は、ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓を設置したガスコンロに関する。
この種のガスコンロは、器具栓のメカ構造上、手動の点火操作により器具栓の手動開閉弁が開弁されてガス通路を介してガスバーナへガスが供給される。そのため、ガスバーナ上に調理容器が無い場合でもガスバーナが点火されることからガスバーナ点火の瞬間に調理容器が無い状態での直火に起因した危険事象を完全に回避させることが困難であった。そこで、本出願人は、ガスバーナへのガス供給を遮断可能とするガス遮断弁を手動開閉弁の下流側のガス通路に設けて、調理容器無しを検知した場合にはガス遮断弁を閉弁制御してガスバーナへのガス供給を遮断して点火させないようにしたガスコンロを提案した(特許文献1)。
特願2008−317421
ところで、上記ガス遮断弁を設けたガスコンロでは、ガス遮断弁を閉弁した状態で終了した場合、手動開閉弁からガス遮断弁までのガス通路内にガスが密封状態となる。そして、複数のガスバーナを備える場合にガス遮断弁が閉弁されたガスバーナ以外の他のガスバーナが使用されてコンロ内部が高温になると、上記の手動開閉弁とガス遮断弁との間のガス通路内に密封されたガスが膨張して高圧となる。すると、この高圧のガス圧によりガス遮断弁の弁部に大きな背圧が作用して弁部が弁座のシート面に強い力で押し付けられ、ガス遮断弁が開弁し難い状態となり得る。特に、電源が電池の場合、ガス遮断弁を開弁させる電圧に余裕が無いため、ガス遮断弁が開弁動作不良を起こし易くなり、点火動作が円滑に行なえない場合が生じる。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、手動で器具栓の手動開閉弁を開弁してガスバーナに点火させるガスコンロであっても、点火操作の際に調理容器が無い場合には点火されないようにし、調理容器が有る場合には確実にガスバーナが点火されるガスコンロを提供することを課題とする。
本発明に係るガスコンロは、
ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓をガスバーナへガス供給するガス通路に設置するガスコンロにおいて、
ガスバーナ上における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
ガス通路における手動開閉弁よりも下流側に設けてガスバーナへのガス供給を遮断するガス遮断弁と、
点火操作時の動作を制御する点火制御手段とを設け、
上記点火制御手段は、手動で器具栓の手動開閉弁を開弁させる点火操作が行われるとき、調理容器無しが検知されている場合はガスバーナへのガス供給路を遮断して点火させないようにガス遮断弁を閉弁制御し、調理容器有りが検知されている場合は手動で手動開閉弁が開弁された後にガス遮断弁を開弁制御する構成としたものである。
上記構成より、手動で器具栓の手動開閉弁が操作されてガスバーナの点火操作が行われるとき、ガスバーナ上に調理容器が無い場合にはガス遮断弁が閉弁制御されるので、手動で手動開閉弁が開弁されてもガス遮断弁によってガスバーナへのガス供給が遮断されてガスバーナが点火されない。
一方、ガスバーナ上に調理容器が有る場合には手動で手動開閉弁が開弁された後にガス遮断弁を開弁制御する。これにより、手動開閉弁からガス遮断弁の間のガス通路内のガス圧力が高圧状態となっていても、ガス遮断弁を開弁制御するときには手動開閉弁が既に開かれて上記ガス通路内のガス圧力が手動開閉弁より上流のガス配管内の圧力と同等な正常圧まで低下されている。従って、ガス遮断弁を開弁制御するときに強いガス圧力がガス遮断弁の閉弁方向に作用することがなく円滑に開弁されてガスバーナの点火を確実に行うことができる。
上記器具栓の手動操作位置を検出する位置検出手段を設け、
上記位置検出手段は、手動操作されている器具栓の手動開閉弁が開弁位置となる前の手動操作位置を検出するように設定され、
上記点火制御手段は、調理容器有りが検知されている場合は位置検出手段が上記手動操作位置を検出してから所定時間経過後にガス遮断弁の開弁制御を開始する構成とするのが望ましい。
これにより、使用者の点火操作により位置検出手段が器具栓の上記手動操作位置を検出してから手動開閉弁が開弁されるまでに要する上記所定時間を経過した後にガス遮断弁の開弁動作が開始される。従って、ガスバーナ上に調理容器が有る場合、手動開閉弁からガス遮断弁の間のガス通路内のガス圧力が高圧状態となっていても、ガス遮断弁を開弁制御するときには上記ガス通路内のガス圧力を確実に正常圧に戻すことができる。よって、ガス遮断弁が円滑に開弁されてガスバーナの点火が確実に行われる。
上記手動開閉弁と上記ガス遮断弁との間にガス量調整弁が設けられ、
上記点火制御手段は、調理容器有りが検知されている場合はガス遮断弁を開弁制御するまでの間に上記ガス量調整弁を点火に必要な開度に開弁制御する構成とするのが望ましい。
これにより、調理容器有りの場合にガス遮断弁を開弁動作させるまでの待ち時間内に上記ガス量調整弁を点火に必要な開度まで開弁作動させることができる。従って、手動で器具栓の手動開閉弁が操作されてガスバーナの点火操作が行われてからガスバーナが点火されるまでの点火時間が必要以上に遅くなることはない。
以上のように、本発明によれば、ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓を設けたガスコンロであっても、調理容器無しの場合にはガス遮断弁が閉弁されてガスバーナが点火されないから、直火に起因した危険事象を確実に回避して安全性が確保され、更に、調理容器有りの場合にはガス遮断弁に強いガス圧力が作用することがなく円滑に開弁されるから、ガスバーナの点火が円滑且つ確実に行われる。
本実施形態による調理容器検知機能付きのガスコンロの外観構成を示す正面図である。 調理容器検知手段により調理容器有無を検知する際の動作を説明する模式図である。 本実施形態による調理容器検知機能付きのガスコンロのガス回路構成を示す模式図である。 点消火ボタンに設けたマイクロスイッチの構成を示す側面図である。 ガス遮断弁を構成するラッチ式電磁弁の構成を示す断面図である。 点消火ボタンの操作と器具栓の動作との関係を示すタイミングチャートである。 点火操作時における動作を示すフローチャートである。 ガスバーナ燃焼中における動作を示すフローチャートである。
以下に、本発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、ガスコンロ1は、矩形箱状のコンロ本体10を有し、コンロ本体10の上面の天板には、ガスバーナ11を備える2口のコンロ部13が設けられている。各コンロ部13は、ガスバーナ11の周囲に、五徳12が配置されている。各コンロ部13の中央には、先端の感熱部が鍋等の調理容器Aの底部に接触して調理容器底温度を検出する調理容器温度センサ14が設けられている。この調理容器温度センサ14は、昇降自在にコンロ本体10に支持されている。さらに、図2に示すように、調理容器温度センサ14の基端部には、この調理容器温度センサ14の昇降状態を検知するマイクロスイッチ等の調理容器検知手段15が設けられている。調理容器検知手段15は、五徳12に調理容器Aが無いときは調理容器温度センサ14が上昇位置にあるためオフ状態となっている(図2(a)参照)。また、五徳12に調理容器Aが有るときは調理容器温度センサ14が下降してオン状態となる(図2(b)参照)。従って、この調理容器検知手段15のオンオフ信号よりガスバーナ11上の調理容器Aの有無が検知される。
さらに、図1に示すように、コンロ本体10の正面部には、各コンロ部13のガスバーナ11を点消火させるための点消火ボタン3と、各コンロ部13のガスバーナ11の火力調節を行う火力調節レバー4とが各ガスバーナ11に対応して設けられている。各コンロ部13に対応した点消火ボタン3及び火力調節レバー4は、ガス配管とガスバーナ11との間のガス通路に配設されてガス配管からガスバーナ11へのガス供給を制御する各器具栓2に接続されている。
器具栓2は、点消火ボタン3による点火操作の際に手動で開成されるメカ式の器具栓である。器具栓2は、図3に示すように、弁筐20内に導入口21から導出口22に連通されたガスの内部通路23が形成されており、内部通路23には、上流側から電磁安全弁25、元ガス弁24、ガス量調節のためのニードル弁26が収納されている。元ガス弁24は、ロッド27の所定位置に固定して取り付けられ、電磁安全弁25は、このロッド27の先端部に押圧可能に配置されている。ロッド27の基端部は、点消火ボタン3のスライダー部30に対向されており、点消火ボタン3の押し込みによりスライダー部30を介してロッド27が先端側に移動される。元ガス弁24と電磁安全弁25とは、コイルバネ28,29によって閉弁側(点消火ボタン3の配置側)に付勢されている。
そして、器具栓2は、点消火ボタン3が押込み操作(点火操作)されていない始端位置にある状態では、元ガス弁24と電磁安全弁25とは弁座に当接された閉弁状態にあり、内部通路23が閉鎖されている。そして、点消火ボタン3が押込み操作(点火操作)されると、元ガス弁24がコイルバネ28の付勢力に抗して弁座から離反されて開弁され、続いて、点消火ボタン3が所定位置まで押込まれると、電磁安全弁25がロッド27に押圧されコイルバネ29の付勢力に抗して弁座から離反されて開弁される。電磁安全弁25は、後端に吸着片25aが取り付けられており、点消火ボタン3が所定の点火位置まで押込まれると、その奥側に配設する電磁石25bに吸着片25aが吸着され開弁保持される。これにより、器具栓2が開成状態に維持され、内部通路23にガスが流れる。
なお、本実施形態では、元ガス弁24と電磁安全弁25とによりガスバーナ11の点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を構成し、これら元ガス弁24と電磁安全弁25の両方が開弁したときに手動開閉弁の開弁と定義する。
ニードル弁26は、カム板26aを介して火力調節レバー4と連結されている。従って、火力調節レバー4の操作によりカム板26aを介してニードル弁26が進退動され、内部通路23を流通するガスの流量調節がなされ、ガスバーナ11の火力が調節される。
点消火ボタン3には、ハート形のカム溝31とこれに係合する係合子32とからなるハートカム式のプッシュプッシュ機構が設けられ、点消火ボタン3を終端位置まで押込んだ後に押圧を解くと、点消火ボタン3が始端位置の手前の保持位置に係止される。点消火ボタン3の保持位置では、元ガス弁24は開弁保持され、一方、電磁安全弁25はロッド27による押圧が解かれるが、吸着片25aがコイルバネ29に抗して電磁石25bに吸着保持されて開弁保持される。
また、点消火ボタン3のスライダー部30には、図3及び図4に示すように、カム33が固定されており、このカム33の近傍には、カム33によってオンオフされるマイクロスイッチ5が配設されている。マイクロスイッチ5は、点消火ボタン3の始端位置から終端位置までの手動操作位置を2段階で検出する位置検出手段を構成する。このマイクロスイッチ5は、内部に独立した2つの接点を有する2接点式のものであり、カム33の表面に当接する可動片51を備え、点消火ボタン3が押込まれ可動片51が中間位置まで押込まれると1つ目の接点(SW1)がオンし、点消火ボタン3がさらに押込まれ可動片51がさらに押込まれると2つ目の接点(SW2)がオンする。
そして、図6に示すように、1つ目の接点(SW1)がオンする1段目の手動操作位置は、元ガス弁24が開弁した直後の位置に設定されている。1つ目の接点(SW1)がオンすると、電磁安全弁25の電磁石25bが励磁するようになっている。本実施形態では、マイクロスイッチ5が1段目の手動操作位置を検知した直後は、元ガス弁24は開弁された状態にあるが、電磁安全弁25は電磁石25bが励磁されていても弁は閉じた状態となっている。
2つ目の接点(SW2)がオンする2段目の手動操作位置は、電磁安全弁25が開弁する直前の位置に設定されている。従って、2段目の手動操作位置の検知時点では、手動開閉弁である器具栓2の元ガス弁24のみが開弁されている。そして、調理容器Aがガスバーナ11上にある場合、2つ目の接点(SW2)がオンされた後、イグナイタが駆動され、電磁安全弁25が開弁され、その後、ガス遮断弁7が開弁されるようなっている。なお、上記マイクロスイッチ5は、2接点式のものとするが、単接点の2個のマイクロスイッチを用いて点消火ボタン3の手動操作位置を2段階で検出するようにしてもよい。
また、図3を参照して、器具栓2とガスバーナ11との間における器具栓2の下流位置には、上流側からガス量調整弁6とガス遮断弁7とが直列に配設されている。ガス量調整弁6は、開閉弁61とガス通路が狭くなったオリフィス通路62とが並列に設けられている。このガス量調整弁6によって、ガスバーナ11の燃焼中に調理容器Aがガスバーナ11上から退けられたとき、開閉弁61が閉弁して火力が小火に絞られる。
ガス遮断弁7は、ラッチ式電磁弁(自己保持型電磁弁)により構成されている。ラッチ式電磁弁は、例えば、図5に示すように、弁体73にプランジャ71が取付けられ、このプランジャ71の周囲に電磁コイル75を配置し、電磁コイル75に励磁電流を通電してプランジャ71を移動させることで弁体73を開閉動作させる。そして、弁体73の閉弁状態では、弁口72を塞ぐように弁体73をバネ76により付勢して閉弁保持し、弁体73の開弁状態では、永久磁石74によりプランジャ71を吸着して弁口72を開けるように弁体73を開弁保持させる。従って、ラッチ式電磁弁は、開弁状態及び閉弁状態の保持電力を必要としないから、電源電力の消費を抑制することができ、電池電源とする場合は電池寿命等の性能の早期劣化を防止することができる。なお、ガス量調整弁6の開閉弁61もラッチ式電磁弁で構成することができる。
また、図1に示すように、このガスコンロ1は、ガスコンロ1の動作を制御するマイクロコンピュータ等で構成された制御装置8を備えている。制御装置8には、ガスバーナ11の点火操作時に、ガスバーナ11上に調理容器Aが有る場合はガスバーナ11を点火させるが、調理容器Aが無い場合はガスバーナ11にガスを供給せず点火させないように制御する点火制御手段81と、ガスバーナ11の燃焼中にガスバーナ11上から調理容器Aが退けられると火力を小火に絞る火力制御手段82とが設けられている。
点火制御手段81は、ガスバーナ11の点火操作時に調理容器Aの有無の判定を行い、ガスバーナ11上に調理容器Aが有ると判定した場合は電磁安全弁25を開弁した後にガス遮断弁7を開弁してガスバーナ11を点火させるように制御する。また、点火制御手段81は、調理容器Aが無いと判定した場合はガスバーナ11を点火させないようにガス遮断弁7を閉弁してガスバーナ11にガスを供給しないように制御する。
なお、ガスコンロ1には、点火制御手段81において行なわれる制御のうち、ガスバーナ11上に調理容器Aが無い場合にガスバーナ11を点火させない制御を解除するための解除信号を出力する解除キー9(図1参照)が設けられている。これにより、使用者の意思によりガスバーナ11上に調理容器Aを置かない状態でもガスバーナ11を点火させることができるようになっている。
次に、上記構成のガスコンロ1における点火時の動作を図7に基づいて説明する。
ガスバーナ11の点火操作の際は、点火制御手段81により以下の動作制御を行う。図7のフローチャートを参照して、点火操作を開始するため(S1)、点消火ボタン3を押込んで行くと器具栓2の元ガス弁24が開弁される(S2)。そして、点消火ボタン3の押込みによりマイクロスイッチ5にて1段目の器具栓手動操作位置が検出されると(S3)、制御装置8の電源がオンされて、器具栓2の電磁安全弁25における電磁石25bに電流を印加して励磁する(S4)。
そして、解除キー9により調理容器無し時の動作が解除されているか否かを判定する(S5)。調理容器無し時の動作が解除されていない場合(S5で「No」)は、調理容器検知手段15により調理容器Aの有無を監視し(S6)、ガスバーナ11上に調理容器Aが配置されているか否かを判定する(S7)。
調理容器Aが無いと判定された場合は(S7で「No」)、点消火ボタン3のさらなる押込みによりマイクロスイッチ5にて2段目の器具栓手動操作位置が検出されると(S8で「Yes」)、ガス遮断弁7に閉弁信号を一定時間(例えば、0.1秒)出力する閉弁制御を行って(S9)、ガス遮断弁7を閉じた状態にする。これはガス遮断弁7がラッチ式電磁弁であるから最終的に開弁状態であるのか閉弁状態であるのか分からないため、ガス遮断弁7の開閉状態にかかわらず点火制御手段81からガス遮断弁7に対して閉弁信号を出力して確実に閉弁状態にさせるようにしている。
そして、調理容器Aの無い旨がブザーや表示器等の報知手段(図示せず)により報知され(S10)、電磁安全弁25における電磁石25bへの電流印加が停止される(S11)。このとき、ガス遮断弁7は閉弁状態となっているので、ガスバーナ11は点火されない(S12)。なお、この場合はイグナイタへの電圧印加も行わず点火電極を火花放電させないようにしてもよい。
これにより、ガスバーナ11の点火操作時に、ガスバーナ11上に調理容器Aが無い状態ではガス遮断弁7によってガスバーナ11へのガス通路が遮断される。従って、ガスバーナ11が点火されることはなく、また、生ガスが放出されることもない。よって、点火操作の際に調理容器Aが無いときの直火に起因した危険事象を確実に回避することができる。また、点火電極を火花放電させない場合はその分の電力消費が抑えられる。
また、調理容器無しの旨がブザーや表示器等の報知手段(図示せず)により報知されると(S10)、点消火ボタン3を操作したにもかかわらず、ガスバーナ11が点火されないことで使用者がガスコンロ1の故障であると誤認することが防止され、また、調理容器Aをガスバーナ11上に載置させてガスバーナ11を点火操作する必要があることを使用者に促すことができる。さらに、電磁安全弁25における電磁石25bへの電流印加が停止されることにより(S11)、電磁安全弁25が開弁保持されるのを防止する。
一方、ステップS7で調理容器有りが検知された場合は(S7で「Yes」)、マイクロスイッチ5により2段目の器具栓手動操作位置が検出されると(S13で「Yes」)、ガス量調整弁6の開閉弁61に開弁信号を一定時間(例えば、0.1秒)出力する開弁制御を行って(S14)、ガス量調整弁6の開閉弁61を開いた状態にする。これもガス量調整弁6の開閉弁61がラッチ式電磁弁であるから最終的に開弁状態であるのか閉弁状態であるのか分からないため、開閉弁61の開閉状態にかかわらず点火制御手段81から開閉弁61に対して開弁信号を出力して確実に開弁状態にさせるようにしている。
続いて、イグナイタへ電圧を印加して(S15)点火電極より火花放電させ、点消火ボタン3のさらなる押込みにより電磁安全弁25が開弁される(S16)。また、マイクロスイッチ5により2段目の器具栓手動操作位置を検出してから所定時間(例えば、0.5秒)が経過した後(S17)、ガス遮断弁7に開弁信号を一定時間(例えば、0.1秒)出力する開弁制御を行って(S18)、ガス遮断弁7を開いた状態にする。なお、これもガス遮断弁7の開閉状態にかかわらず点火制御手段81からガス遮断弁7に対して開弁信号を出力して確実に開弁状態にさせるようにしている。
これにより、使用者の点火操作によりマイクロスイッチ5が器具栓2の2段目の器具栓手動操作位置を検出してから電磁安全弁25が開弁されるまでに要する上記所定時間を経過した後(S17)にガス遮断弁7の開弁動作が開始される。従って、電磁安全弁25からガス遮断弁7の間のガス通路内のガス圧力が高圧状態となっていても、ガス遮断弁7を開弁制御するときには電磁安全弁25が既に開かれて上記ガス通路内のガス圧力が電磁安全弁25より上流のガス配管内の圧力と同等な正常圧まで低下されている。よって、ガス遮断弁7を開弁制御するときに強いガス圧力がガス遮断弁7の閉弁方向に作用することがなく円滑に開弁される。そして、器具栓2からガスバーナ11に向けてガスが流通され、ガス量調整弁6及びガス遮断弁7を通過しガスバーナ11へガスが供給され、ガスバーナ11が確実に点火される。
また、ガス量調整弁6の開閉弁61の開弁制御(S14)は、ガス遮断弁7を開弁制御するまでの間(S17,S18)に行われるので、ガス遮断弁7を開弁動作させるまでの待ち時間内に点火に必要なガス量を流通させるためガス量調整弁6の開閉弁61を開弁作動させることができる。従って、手動で器具栓2の手動開閉弁(元ガス弁24及び電磁安全弁25)が操作されてガスバーナ11の点火操作が行われてからガスバーナ11が点火されるまでの点火時間が必要以上に遅くなることはない。
そして、図示しない熱電対(TC)がガスバーナ11の炎を検知して着火レベル以上になった場合には(S19で「Yes」)、イグナイタへの電圧の印加を停止する(S20)。その後、点消火ボタン3の押込みを解除すると、点消火ボタン3が保持位置で保持され、器具栓2の元ガス弁24及び電磁安全弁25が開弁保持されるとともに、ガス量調整弁6の開閉弁61とガス遮断弁7が開弁保持され、ガスバーナ11は燃焼を続ける(S21)。
一方、解除キー9のオンにより調理容器検知動作が解除されている場合(解除信号が出力されている場合)は、動作をステップS5からステップS13へ移行させ、調理容器Aの有無にかかわらず、ガスバーナ11への点火が行われる(S13〜S21)。これにより、例えば、使用者が直火で海苔をあぶる等の使用目的のため、ガスバーナ11上に調理容器Aを配置しない状態でも、点火操作を行うことによりガスバーナ11を点火させることができる。従って、使用者の使い勝手がよくなる。
なお、上記点消火ボタン3による点火操作が開始されても、点消火ボタン3の押込みが途中で中断されマイクロスイッチ5の各接点がオンされなかった場合は、点火操作が終了される(S22)。
次に、ガスバーナ11の燃焼中は、火力制御手段82により以下の動作制御を行う。
図8のフローチャートを参照して、ガスバーナ11燃焼中は、炎検知具(図示せず)で着火検知されたガスバーナ11の燃焼の間は調理容器検知手段15により調理容器Aの有無が監視される(S31)。そして、調理容器Aがガスバーナ11上から退けられて調理容器無しが検知されると(S32で「No」)、ガス量調整弁6の開閉弁61が閉弁される(S33)。すると、ガス量調整弁6においてガスがオリフィス通路62のみに流通されてガス供給量が絞られる結果、火力調節レバー4の火力設定にかかわらず、ガスバーナ11の火力が小火になる(S34)。これにより、ガスバーナ11の燃焼中においても調理容器無しの状態での大火の直火に起因する危険事象を回避することができ、安全性を向上することができる。また、ガスバーナ燃焼中の鍋振り等で一時的に調理容器Aを持ち上げた場合に小火になるだけで消火されないため、消火により再点火させる煩わしさ等がなく調理使用時の使い勝手がよい。
そして、ガスバーナ11の火力を小火にしてから調理容器無し状態が所定時間(例えば、1分)継続されると(S35で「Yes」)、器具栓2の電磁安全弁25への開弁保持電流の印加を停止して(S36)電磁安全弁25を閉弁し、ガスバーナ11を消火する(S37)。これにより、調理容器無しの状態でガスバーナ11の燃焼状態が放置されることが防止される。従って、調理容器無し時の直火に起因した危険事象を回避して安全性を向上することができ、また、燃料ガスを無駄に消費することが防止される。一方、上記所定時間内にガスバーナ11上に調理容器Aが配置され調理容器有りが検出されると(S35で「No」)、ガス量調整弁6を開弁して絞り制御を解除する(S38)。
このように、ガスバーナ11の燃焼中にガスバーナ11上から調理容器Aが退けられると火力を小火にするので、ガスバーナ11の燃焼中においても調理容器Aが無いときの直火に起因した危険事象を回避することができ、安全性を向上することができる。また、この場合、消火することなく小火にするので、再点火の煩わしさもなく調理使用時の使い勝手がよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものでなく本発明の範囲内で種々の変更を施すことができる。
例えば、上記実施形態では、調理容器有りが検知されている場合、マイクロスイッチ5が2段目の器具栓手動操作位置を検出してから所定時間経過後にガス遮断弁7を開弁制御するが(図7のS17、S18)、器具栓2の手動開閉弁(電磁安全弁25)からガス遮断弁7の間に圧力センサを設け、この圧力センサの検出圧力が一定圧(例えば、上記正常圧)まで低下されていると、ガス遮断弁7を開弁制御するようにしてもよい。これにより、ガス遮断弁7を開弁制御するときには電磁安全弁25からガス遮断弁7の間のガス通路内のガス圧力が確実に上記正常圧となった状態でガス遮断弁7が開弁制御される。従って、ガス遮断弁7が円滑に開弁されてガスバーナ11の点火を確実に行うことができる。
また、電磁安全弁25が開弁した後にマイクロスイッチ5の2段目がオンするように設定して、このマイクロスイッチ5の2段目がオンすると、ガス遮断弁7を開弁制御するようにしてもよい。
また、ガス調整弁6は、器具栓2の下流位置に設けるが、器具栓2内における元ガス弁24の下流位置に設けてもよい。
また、ガス遮断弁7やガス量調整弁6の開閉弁61は、ラッチ式電磁弁に代えて、モータ駆動により開閉されるモータ弁としてもよい。このモータ弁でもラッチ式電磁弁と同様に閉弁保持又は開弁保持のための保持電力を必要としないので、電源電力の消費を抑制することができる。
また、手動開閉弁として、電磁安全弁25を廃止して元ガス弁24のみで構成してもよい。この場合、ガスバーナ11の失火時にはガス遮断弁7を閉弁させればよい。
また、点消火ボタン3は、押し込み式に限らず、回転式でもよい。
1 ガスコンロ
2 器具栓
3 点消火ボタン
5 マイクロスイッチ(位置検出手段)
6 ガス量調整弁
7 ガス遮断弁
11 ガスバーナ
15 調理容器検知手段
24 元ガス弁
25 電磁安全弁
61 開閉弁
62 オリフィス通路
81 点火制御手段
A 調理容器


Claims (3)

  1. ガスバーナの点火操作時に手動で開弁される手動開閉弁を備えた器具栓をガスバーナへガス供給するガス通路に設置するガスコンロにおいて、
    ガスバーナ上における調理容器の有無を検知する調理容器検知手段と、
    ガス通路における手動開閉弁よりも下流側に設けてガスバーナへのガス供給を遮断するガス遮断弁と、
    点火操作時の動作を制御する点火制御手段とを設け、
    上記点火制御手段は、手動で器具栓の手動開閉弁を開弁させる点火操作が行われるとき、調理容器無しが検知されている場合はガスバーナへのガス供給路を遮断して点火させないようにガス遮断弁を閉弁制御し、調理容器有りが検知されている場合は手動で手動開閉弁が開弁された後にガス遮断弁を開弁制御する構成としたガスコンロ。
  2. 請求項1に記載のガスコンロにおいて、
    上記器具栓の手動操作位置を検出する位置検出手段を設け、
    上記位置検出手段は、手動操作されている器具栓の手動開閉弁が開弁位置となる前の手動操作位置を検出するように設定され、
    上記点火制御手段は、調理容器有りが検知されている場合は位置検出手段が上記手動操作位置を検出してから所定時間経過後にガス遮断弁の開弁制御を開始する構成としたガスコンロ。
  3. 請求項1又は2に記載のガスコンロにおいて、
    上記手動開閉弁と上記ガス遮断弁との間にガス量調整弁が設けられ、
    上記点火制御手段は、調理容器有りが検知されている場合はガス遮断弁を開弁制御するまでの間に上記ガス量調整弁を点火に必要な開度に開弁制御する構成としたガスコンロ。
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