ところで、特許文献1に開示された調湿装置では、必要に応じて上記吸着熱交換器のメンテナンスを行うことがある。具体的に、例えば吸着熱交換器は、表面に吸着剤が担持されているため、この吸着剤が長期の使用に伴い劣化した場合には、吸着剤のメンテナンスを要する。ところが、この種の従来例の調湿装置では、この吸着熱交換器のメンテナンスについて充分考慮されていなかった。従って、吸着熱交換器を容易にメンテナンスできる調湿装置が望まれている。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸着熱交換器で空気の湿度調節を行う調湿装置において、吸着熱交換器のメンテナンスの簡便化を図ることである。
第1の発明は、吸着材が担持される吸着熱交換器(51,52)が接続されると共に冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路(50)と、上記吸着熱交換器(51,52)が設置される熱交換器室(37,38)が形成されるケーシング(11)とを備え、上記冷媒回路(50)の冷媒で吸着熱交換器(51,52)の吸着剤を加熱又は冷却しながら、空気を吸着熱交換器(51,52)の吸着剤と接触させて該空気の湿度調節を行う調湿装置を前提としている。そして、この調湿装置は、上記ケーシング(11)に、上記熱交換器室(37,38)の内部をケーシング(11)の外部へ露出させるためのメンテナンス開口部(14a,74a)が形成され、上記冷媒回路(50)には、上記第1と第2の吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離すための複数の継手部材(64,65,66,67)が接続され、上記第1と第2の吸着熱交換器(51,52)は、上記メンテナンス開口部(14a,74a)からケーシング(11)の外部へ引き出し可能に構成され、上記ケーシング(11)には、上記第1吸着熱交換器(51)が設置される第1熱交換器室(37)と第2吸着熱交換器(52)が設置される第2熱交換器室(38)とが、上記メンテナンス開口部(14a,74a)の手前側から奥側に向かって順に並ぶように形成され、上記冷媒回路(50)には、上記第1吸着熱交換器(51)のガス側端部に接続する第1継手部材(64)と、上記第2吸着熱交換器(52)のガス側端部に接続する第2継手部材(67)と、上記第1吸着熱交換器(51)の液側端部に接続する第3継手部材(65)と、上記第2吸着熱交換器(52)の液側端部に接続する第4継手部材(66)と、第3継手部材(65)と第4継手部材(66)との間に介設される1本の液管(62b)とが設けられ、上記第1継手部材(64)と上記第3継手部材(65)とが、上記第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口(14a,74a)寄りに配置され、上記第2継手部材(67)と第4継手部材(66)とが、上記第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口(14a,74)と反対側寄りに配置されていることを特徴とするものである。
第1の発明では、ケーシング(11)の熱交換器室(37,38)に吸着熱交換器(51,52)が設置される。冷媒回路(50)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われることで、吸着熱交換器(51,52)が蒸発器や凝縮器となる動作が行われる。例えば蒸発器となる吸着熱交換器(51,52)では、冷媒によって吸着剤が冷却される。この状態の吸着熱交換器(51,52)の吸着剤に空気が接触すると、空気中の水分が吸着剤に吸着され、この際に生じる吸着熱が冷媒の蒸発熱として利用される。このようにして水分が吸着された空気が室内へ供給されることで、室内の除湿が行われる。また、例えば凝縮器となる吸着熱交換器(52,51)では、冷媒によって吸着剤が加熱される。この状態の吸着熱交換器(52,51)の吸着剤に空気が接触すると、吸着剤から脱離(脱着)した水分が空気中へ付与される。このようにして水分が付与された空気が室内へ供給されることで、室内の加湿が行われる。
本発明では、上記吸着熱交換器(51,52)が継手部材(64,65,66,67)によって冷媒回路(50)に着脱自在に接続されている。吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行う際には、メンテナンス開口部(14a,74a)を開放させた状態として、熱交換器室(37,38)の外部へ露出させる。また、継手部材(64,65,66,67)の連結を解除して吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離す。この状態の吸着熱交換器(51,52)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ引き出すことで、吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスが可能となる。
吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスが終了した後には、吸着熱交換器(51,52)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じて熱交換器室(37,38)へ入れ込み、吸着熱交換器(51,52)を元の位置に設置すると共に継手部材(64,65,66,67)を介して冷媒回路(50)に接続する。これにより、調湿装置では、上述した除湿運転や加湿運転の再開が可能となる。
第1の発明では、冷媒回路(50)に第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)とが接続され、第1吸着熱交換器(51)が第1熱交換器室(37)に、第2吸着熱交換器(52)が第2熱交換器室(38)にそれぞれ設置される。これにより、本発明では、一方の吸着熱交換器(51,52)を蒸発器として空気の水分を吸着する一方、他方の吸着熱交換器(52,51)を凝縮器として吸着剤の再生を行う動作が可能となる。
本発明では、上記第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)との双方が同じメンテナンス開口部(14a,74a)から出し入れ可能となる。具体的に、各吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行う際には、継手部材(64,65,66,67)による各吸着熱交換器(51,52)の連結を解除し、両吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離す。そして、第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)とをケーシング(11)の外部へ引き出す。これにより、両方の吸着熱交換器(51,52)をケーシング(11)の同一の側面側に引き出してメンテナンスを行うことができる。
本発明では、各継手部材(64,67,65)の連結を解除することで、各吸着熱交換器(51,52)を個別に引き出すことが可能となる。具体的に、第1継手部材(64)及び第3継手部材(65)の連結をそれぞれ解除すると、第1吸着熱交換器(51)は冷媒回路(50)のガス側配管(61)及び液側配管(62)と切り離される。これにより、第1吸着熱交換器(51)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ個別に引き出すことができる。また、第2継手部材(67)及び第3継手部材(65)の連結をそれぞれ解除すると、第2吸着熱交換器(52)は冷媒回路(50)のガス側配管(63)及び液側配管(62)と切り離される。これにより、第2吸着熱交換器(52)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ個別に引き出すことができる。
第1の発明では、冷媒回路(50)における両吸着熱交換器(51,52)の間の液側配管(62)に第3継手部材(65)と第4継手部材(66)とが設けられる。第3継手部材(65)は、第1吸着熱交換器(51)に近い側の配管に接続され、且つ第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口部(14a,74a)寄りに配置される。従って、メンテナンス時には、第3継手部材(65)の連結及び連結の解除を容易に行うことができる。
一方、第4継手部材(66)は、第2吸着熱交換器(52)に近い側の配管に接続され、且つ第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口部(14a,74a)と反対側寄りに配置される。従って、メンテナンス時には、第1熱交換器室(37)側から第4継手部材(66)の連結及び連結の解除を行うことができる。また、第3継手部材(65)と第4継手部材(66)との双方の連結を解除すると、第3継手部材(65)と第4継手部材(66)との間の配管(液側配管)を冷媒回路(50)から切り離すことができる。
ここで、第3継手部材(65)と第4継手部材(66)との間の液側配管は、第1熱交換器室(37)においてメンテナンス開口部(14a,74a)側から反対側に亘って配設されるので、その配管長さは比較的大きくなる。従って、仮にこの配管を第1吸着熱交換器(51)や第2吸着熱交換器(52)から切り離すことができない場合、吸着熱交換器(51,52)を引き出すためのスペースに加えてこの配管の引き出しスペースもケーシング(11)の外部で確保する必要がある。その結果、この調湿装置を設置する位置に制限がかかってしまう。
これに対し、本発明では、液側配管(62)に第3継手部材(65)と第4継手部材(66)とを設けることで、これらの継手部材(65,66)の間の配管を冷媒回路(50)から切り離すことができ、この配管を各吸着熱交換器(51,52)とは別にケーシング(11)の外部へ引き出すことができる。従って、各吸着熱交換器(51,52)の引き出しスペースを最小限に抑えることができる。
第1の発明では、各吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離すための継手部材(64,65,66,67)が、全て第1熱交換器室(37)に集約して設けられる。ここで、第1熱交換器室(37)は、メンテナンス開口部(14a,74a)に対して手前側に位置しているので、メンテナンス開口部(14a,74a)側から全ての継手部材(64,65,66,67)の連結や連結の解除を容易に行うことができる。
第2の発明は、第1の発明の調湿装置において、上記第1熱交換器室(37)と第2熱交換器室(38)との間には、両熱交換器室(37,38)を区画する仕切板(73)が形成されており、上記仕切板(73)には、上記両熱交換器室(37,38)に亘る第2吸着熱交換器(52)の移動を許容するように該第2吸着熱交換器(52)が通過可能な仕切板開口部(73a)が形成されていることを特徴とするものである。
第2の発明では、第1熱交換器室(37)と第2熱交換器室(38)との間に仕切板(73)が設けられる。この仕切板(73)には、第2吸着熱交換器(52)が通過可能な仕切板開口部(73a)が形成される。従って、本発明では、この仕切板(73)をケーシング(11)に取り付けたまま、第2吸着熱交換器(52)をメンテナンス開口部(14a,74a)からケーシング(11)の外部へ引き出すことができる。
具体的に、各吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行う際には、各吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離す。この状態で、第1吸着熱交換器(51)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ引き出す。また、第2熱交換器室(38)の第2吸着熱交換器(52)を仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を通じて第1熱交換器室(37)へ引き出し、更にメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ引き出す。これにより、仕切板(73)をケーシング(11)から取り外すことなく、第2吸着熱交換器(52)のメンテナンスを行うことができる。
第3の発明は、第2の発明の調湿装置において、上記第2吸着熱交換器(52)には、上記2つの熱交換器室(37,38)の配列方向に延びる複数の伝熱管(58)と、該複数の伝熱管(58)における上記仕切板(73)側の端部を支持する管板(60a)とが設けられており、上記第2吸着熱交換器(52)の仕切板(73)側の管板(60a)は、該第2吸着熱交換器(52)が第2熱交換器室(38)に設置される状態で、上記仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を閉塞する閉塞部材を兼ねるように構成されていることを特徴とするものである。
第3の発明では、第2吸着熱交換器(52)が第2熱交換器室(38)の所定の位置に設置された状態で、第2吸着熱交換器(52)の管板(60a)が仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を閉塞する。つまり、第2吸着熱交換器(52)の管板(60a)は、伝熱管(58)を支持するための部材だけでなく、通常の設置位置において、仕切板開口部(73a)を閉塞するための閉塞部材を兼ねている。これにより、第1熱交換器室(37)と第2熱交換器室(38)との間での空気の漏れが上記管板(60a)によって抑制されるので、各熱交換器室(37,38)で所望とする空気の調湿効果を得ることができる。
第4の発明は、第1の発明の調湿装置において、上記熱交換器室(37)では、上記吸着熱交換器(51)を挟んで上流側と下流側とにそれぞれ空間(37a,37b)が区画され、上記上流側の空間(37a)と上記下流側の空間(37b)とでは、いずれか一方の空間(37b)の空気流れ方向の幅寸法が他方の空間(37a)の空気流れ方向の幅寸法よりも大きくなっており、上記継手部材(64,65,66,67)は、上記熱交換器室(37)において上記幅寸法が大きい方の空間(37b)に配設されていることを特徴とするものである。
第4の発明では、熱交換器室(37)における吸着熱交換器(51)の上流側と下流側とに空間が区画される。そして、両者の空間では、その一方の空間の幅寸法(空気流れ方向の間隔)が他方の空間の幅寸法よりも大きくなっている。ここで、本発明では、これらの空間のうち、幅寸法が大きい方の空間に上記継手部材(64,65,66,67)が設けられる。従って、継手部材(64,65,66,67)の周囲のスペースが大きくなるので、継手部材(64,65,66,67)の連結や連結の解除作業がやり易くなる。
第5の発明は、第1の発明の調湿装置において、上記熱交換器室(37)では、上記吸着熱交換器(51)の下流側の空間(37b)の方が該吸着熱交換器(51)の上流側の空間(37a)よりも上記幅寸法が大きくなっていることを特徴とするものである。
第9の発明では、熱交換器室(37)における吸着熱交換器(51)の下流側の空間(37b)が上流側の空間(37a)よりも幅広となっている。そして、継手部材(64,65,66,67)は、上記下流側の空間(37b)に配設される。従って、吸着熱交換器(51)の下流側の空間(37b)において、継手部材(64,65,66,67)の周囲のスペースが大きくなるので、継手部材(64,65,66,67)の連結や連結の解除作業がやり易くなる。
第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明の調湿装置において、上記熱交換器室(37,38)には、上記吸着熱交換器(51,52)の引き出し方向に延びて該吸着熱交換器(51,52)を上記メンテナンス開口部(14a,74a)側に案内するためのレール部材(102,102)が設けられていることを特徴とするものである。
第6の発明では、熱交換器室(37,38)にレール部材(102,102)が設けられる。吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行う際には、吸着熱交換器(51,52)をレール部材(102,102)に沿うようにメンテナンス開口部(14a,74a)側へ引き出す。これにより、ケーシング(11)に対する吸着熱交換器(51,52)の出し入れが容易となる。
本発明では、吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離し可能に構成すると共に、熱交換器室(37,38)の吸着熱交換器(51,52)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ引き出し可能としている。従って、吸着熱交換器(51,52)をケーシング(11)の外部へ容易に取り出してメンテナンスを行うことができる。
また、第1の発明によれば、2つの吸着熱交換器(51,52)をメンテナンス開口部(14a,74a)を通じてケーシング(11)の外部へ取り出して、各吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行うことができる。ここで、各吸着熱交換器(51,52)は、同一のメンテナンス開口部(14a,74a)から取り出せるので、ケーシング(11)の周りでのメンテナンススペースを最小限に抑えることができ、且つ装置構造の簡素化を図ることができる。
第1の発明では、第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)との間の液側配管(62)に第3継手部材(65)と第4継手部材(66)とを接続している。そして、第1吸着熱交換器(51)側に近い第3継手部材(65)を第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口部(14a,74a)寄りに配置し、第2吸着熱交換器(52)側に近い第4継手部材(66)を第1熱交換器室(37)におけるメンテナンス開口部(14a,74a)と反対側寄りに配置している。これにより、本発明によれば、第3継手部材(65)の連結及び連結解除の作業をメンテナンス開口部(14a,74a)側から容易に行うことができる。また、第4継手部材(66)の連結及び連結解除の作業も第1熱交換器室(37)側から行うことができる。
加えて第1の発明では、第3継手部材(65)と第4継手部材(66)との間の配管を冷媒回路(50)から切り離すことができるので、この配管を各吸着熱交換器(51,52)と別にメンテナンス開口部(14a,74a)から引き出すことができる。従って、ケーシング(11)の周りでのメンテナンススペースを更に削減することができる。
第1の発明によれば、全ての継手部材(64,65,66,67)を第1熱交換器室(37)側に配設するようにしたので、各継手部材(64,65,66,67)の連結及び連結解除作業をメンテナンス開口部(14a,74a)側から容易に行うことができる。
更に、第2の発明では、2つの熱交換器室(37,38)を区画する仕切板(73)に第2吸着熱交換器(52)が通過可能な仕切板開口部(73a)を構成している。これにより、本発明によれば、仕切板(73)をケーシング(11)から取り外すことなく、第2熱交換器室(38)の第2吸着熱交換器(52)を仕切板開口部(73a)を通じて第1熱交換器室(37)へ移動させ、更に第1熱交換器室(37)から仕切板開口部(73a)を通じてケーシング(11)の外部へ引き出すことができる。従って、比較的単純な構造により、第2吸着熱交換器(52)のメンテナンスを行うことができる。
特に第3の発明では、第2吸着熱交換器(52)の通常の設置状態において、第2吸着熱交換器(52)の管板(60a)が仕切板開口部(73a)の閉塞部材を兼ねるようにしている。これにより、本発明によれば、部品点数の増大を招くことなく、仕切板開口部(73a)における空気の漏れを抑制でき、この調湿装置で所望とする調湿能力を得ることができる。
更に、第4及び第5の発明では、熱交換器室(37,38)における吸着熱交換器(51)の上流側と下流側の空間(37a,37b)のうち幅広となる空間(37b)に継手部材(64,65,66,67)を配設するようにしている。これにより、本発明によれば、継手部材(64,65,66,67)の連結及び連結の解除作業を行うためのスペースを充分確保することができ、メンテナンス性が更に向上する。
第6の発明によれば、熱交換器室(37,38)に吸着熱交換器(51,52)を案内するためのレール部材(102,102)を設けるようにしたので、吸着熱交換器(51,52)の出し入れの作業が容易となり、メンテナンス性が更に向上する。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。本実施形態の調湿装置(10)は、室内の湿度調節と共に室内の換気を行うものであり、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節して室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を室外に排出する。
〈調湿装置の全体構成〉
調湿装置(10)について、図1〜図5を適宜参照しながら説明する。なお、ここでの説明で用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「手前」「奥」は、特にことわらない限り、調湿装置(10)を前面側から見た場合の方向を意味している。
調湿装置(10)は、ケーシング(11)を備えている。また、ケーシング(11)内には、冷媒回路(50)が収容されている。この冷媒回路(50)には、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が接続されている。冷媒回路(50)の詳細は後述する。
ケーシング(11)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体状に形成されている。このケーシング(11)は、その左右方向の幅が奥行きよりも幾分長くなっている(図3を参照)。ケーシング(11)では、図1における左手前の側面(即ち、前面)を形成する部分が前面パネル部(12)となり、同図における右奥の側面(即ち、背面)を形成する部分が背面パネル部(13)となっている。また、このケーシング(11)では、同図における右手前の側面を形成する部分が第1側面パネル部(14)となり、同図における左奥の側面を形成する部分が第2側面パネル部(15)となっている。ケーシング(11)では、前面パネル部(12)と背面パネル部(13)とが互いに対向し、第1側面パネル部(14)と第2側面パネル部(15)とが互いに対向している。
ケーシング(11)には、外気吸込口(24)と、内気吸込口(23)と、給気口(22)と、排気口(21)とが形成されている。
外気吸込口(24)及び内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)に開口している(図3,図4を参照)。外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の下側部分に配置されている。また、外気吸込口(24)は、背面パネル部(13)の左右幅方向の中央から第2側面パネル部(15)側へオフセットした位置に設けられている。内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の上側部分に配置されている。また、内気吸込口(23)は、背面パネル部(13)の左右幅方向の中央から第1側面パネル部(14)側へオフセットした位置に設けられている。
給気口(22)は、第1側面パネル部(14)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。排気口(21)は、第2側面パネル部(15)における前面パネル部(12)側の端部付近に配置されている。
ケーシング(11)の内部空間には、上流側仕切板(71)と、下流側仕切板(72)と、中央仕切板(73)と、第1仕切板(74)と、第2仕切板(75)とが設けられている。これらの仕切板(71〜75)は、何れもケーシング(11)の底板に立設されており、ケーシング(11)の内部空間をケーシング(11)の底板から天板に亘って区画している。
上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)は、前面パネル部(12)及び背面パネル部(13)と平行に配置されている。ケーシング(11)の内部空間において、上流側仕切板(71)は背面パネル部(13)寄りに配置され、下流側仕切板(72)は前面パネル部(12)寄りに配置されている。
上流側仕切板(71)の左右方向の幅は、ケーシング(11)の左右方向の幅よりも短くなっている。上流側仕切板(71)の右端部は、第1側面パネル部(14)に接合されている。一方、上流側仕切板(71)の左端部と第2側面パネル部(15)との間には、隙間が形成されている。
下流側仕切板(72)の左右方向の幅は、上流側仕切板(71)の左右方向の幅よりも短くなっている。下流側仕切板(72)の右端部と第1側面パネル部(14)との間には、隙間が形成されている。また、下流側仕切板(72)の左端部と第2側面パネル部(15)との間にも、隙間が形成されている。
第1仕切板(74)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を右側から塞ぐように配置されている。具体的に、第1仕切板(74)は、第1側面パネル部(14)と平行となり、且つ上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で配置されている。第1仕切板(74)の前端部は、下流側仕切板(72)の右端部に接合されている。第1仕切板(74)の後端部は、下流側仕切板(72)に接合されている。
第2仕切板(75)は、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左側から塞ぐように配置されている。具体的に、第2仕切板(75)は、第2側面パネル部(15)と平行となり、且つ上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で配置されている。第2仕切板(75)の前端部は、下流側仕切板(72)の左端部に接合されている。第2仕切板(75)の後端部は、背面パネル部(13)に接合されている。また、この第2仕切板(75)には、上流側仕切板(71)の左端部が接合されている。
中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)と直交する姿勢で、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間に配置されている。中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)から下流側仕切板(72)に亘って設けられ、上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間を左右に区画している。また、中央仕切板(73)は、上流側仕切板(71)及び下流側仕切板(72)の左右幅方向の中央よりも第2側面パネル部(15)側へ幾分寄った位置に設けられている。
ケーシング(11)の内部空間には、内外通路仕切板(70)も形成されている(図2,図4,図5を参照)。内外通路仕切板(70)は、上流側仕切板(71)及び背面パネル部(13)と直交するような水平な姿勢で、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間に配置されている。そして、内外通路仕切板(70)は、上流側仕切板(71)と背面パネル部(13)の間の空間を上下2つの空間に仕切っている。上下に仕切られたこの空間は、上側の空間が内気側通路(32)を構成し、下側の空間が外気側通路(34)を構成している。つまり、内外通路仕切板(70)は、内気側通路(32)と外気側通路(34)とを区画形成するように両通路(32,34)に介設する仕切板を構成している。
外気側通路(34)は、外気吸込口(24)に接続するダクトを介して室外空間と連通している。つまり、外気側通路(34)は、ケーシング(11)内に取り込まれる室外空気が流れる第1空気通路を構成している。外気側通路(34)には、空気から塵埃等を除去するための外気側フィルタ(28)が設けられている。外気側フィルタ(28)は、長辺が左右幅方向へ延びる長方形板状に形成され、外気側通路(34)を横断する姿勢で立設されている。外気側通路(34)は、この外気側フィルタ(28)によって前後に区画されている。外気側通路(34)における外気側フィルタ(28)の前側(下流側)の部分には、外気側通路(34)を流れる室外空気の湿度を検知する外気湿度センサ(97)が収容されている(図2を参照)。
内気側通路(32)は、内気吸込口(23)に接続するダクトを介して室内と連通している。つまり、内気側通路(32)は、ケーシング(11)内に取り込まれる室内空気が流れる第2空気通路を構成している。内気側通路(32)には、空気から塵埃等を除去するための内気側フィルタ(27)が設けられている。内気側フィルタ(27)は、長辺が左右幅方向へ延びる長方形板状に形成され、内気側通路(32)を横断する姿勢で立設されている。内気側通路(32)は、この内気側フィルタ(27)によって前後に区画されている。内気側通路(32)における内気側フィルタ(27)の前側(下流側)の部分には、内気側通路(32)を流れる室内空気の湿度を検知する内気湿度センサ(96)が収容されている(図3、図4を参照)。
上述したように、ケーシング(11)内における上流側仕切板(71)と下流側仕切板(72)の間の空間は、中央仕切板(73)によって左右に区画されている。左右に仕切られたこの空間は、中央仕切板(73)の右側の空間が第1熱交換器室(37)を構成し、中央仕切板(73)の左側の空間が第2熱交換器室(38)を構成している(図1,図3を参照)。
第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)が収容されている。第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)が収容されている。各吸着熱交換器(51,52)は、全体として長方形の厚板状あるいは扁平な直方体状に形成されている。吸着熱交換器(51,52)の詳細は後述する。
ケーシング(11)の内部空間では、下流側仕切板(72)の前面に沿った部分が上下に仕切られている(図2,図3,図5を参照)。上下に仕切られたこの空間は、上側の空間が給気側通路(31)を構成し、下側の空間が排気側通路(33)を構成している。
上流側仕切板(71)は、上記各熱交換器室(37,38)と上記内気側通路(32)及び外気側通路(34)とをそれぞれ区画すると共に、複数のダンパ(41〜44)を有するダンパ側仕切板を構成している。具体的に、上流側仕切板(71)には、各熱交換器室(37,38)と内気側通路(32)及び外気側通路(34)とを断続するための開閉式のダンパ(41〜44)が4つ設けられている(図3,図5を参照)。各ダンパ(41〜44)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、上流側仕切板(71)のうち内気側通路(32)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1内気側ダンパ(41)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2内気側ダンパ(42)が取り付けられる。また、上流側仕切板(71)のうち外気側通路(34)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1外気側ダンパ(43)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2外気側ダンパ(44)が取り付けられる。
第1内気側ダンパ(41)を開閉すると、内気側通路(32)と第1熱交換器室(37)の間が断続される。第2内気側ダンパ(42)を開閉すると、内気側通路(32)と第2熱交換器室(38)の間が断続される。第1外気側ダンパ(43)を開閉すると、外気側通路(34)と第1熱交換器室(37)の間が断続される。第2外気側ダンパ(44)を開閉すると、外気側通路(34)と第2熱交換器室(38)の間が断続される。
上流側仕切板(71)において、第1外気側ダンパ(43)は、第1内気側ダンパ(41)の真下に配置されている。第1内気側ダンパ(41)及び第1外気側ダンパ(43)は、それぞれの左右幅方向の中央が第1熱交換器室(37)の左右幅方向の中央よりも中央仕切板(73)寄り(即ち、第2側面パネル部(15)寄り)となる位置に設置されている(図3を参照)。
また、上流側仕切板(71)において、第2外気側ダンパ(44)は、第2内気側ダンパ(42)の真下に配置されている。第2内気側ダンパ(42)及び第2外気側ダンパ(44)は、それぞれの左右幅方向の中央が第2熱交換器室(38)の左右幅方向の中央よりも中央仕切板(73)寄り(即ち、第1側面パネル部(14)寄り)となる位置に設置されている(図3を参照)。
下流側仕切板(72)には、開閉式のダンパ(45〜48)が4つ設けられている(図3,図5を参照)。各ダンパ(45〜48)は、概ね横長の長方形状に形成されている。具体的に、下流側仕切板(72)のうち給気側通路(31)に面する部分(上側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1給気側ダンパ(45)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2給気側ダンパ(46)が取り付けられる。また、下流側仕切板(72)のうち排気側通路(33)に面する部分(下側部分)では、中央仕切板(73)よりも右側に第1排気側ダンパ(47)が取り付けられ、中央仕切板(73)よりも左側に第2排気側ダンパ(48)が取り付けられる。
第1給気側ダンパ(45)を開閉すると、給気側通路(31)と第1熱交換器室(37)の間が断続される。第2給気側ダンパ(46)を開閉すると、給気側通路(31)と第2熱交換器室(38)の間が断続される。第1排気側ダンパ(47)を開閉すると、排気側通路(33)と第1熱交換器室(37)の間が断続される。第2排気側ダンパ(48)を開閉すると、排気側通路(33)と第2熱交換器室(38)の間が断続される。
下流側仕切板(72)において、第1排気側ダンパ(47)は、第1給気側ダンパ(45)の真下に配置されている。第1給気側ダンパ(45)及び第1排気側ダンパ(47)は、それぞれの左右幅方向の中央が第1熱交換器室(37)の左右幅方向の中央よりも中央仕切板(73)寄り(即ち、第2側面パネル部(15)寄り)となる位置に設置されている(図3を参照)。
また、下流側仕切板(72)において、第2排気側ダンパ(48)は、第2給気側ダンパ(46)の真下に配置されている。第2排気側ダンパ(48)及び第2給気側ダンパ(46)は、それぞれの左右幅方向の中央が第2熱交換器室(38)の左右幅方向の中央よりも中央仕切板(73)寄り(即ち、第1側面パネル部(14)寄り)となる位置に設置されている(図3を参照)。
ケーシング(11)内では、給気側通路(31)及び排気側通路(33)と前面パネル部(12)との間の空間が、給排気仕切板(77)によって左右に仕切られている。この左右に仕切られた空間は、給排気仕切板(77)の右側の空間が給気ファン室(36)を構成し、給排気仕切板(77)の左側の空間が排気ファン室(35)を構成している。この給排気仕切板(77)は、中央仕切板(73)よりも更に第2側面パネル部(15)寄りに立設されている。給気ファン室(36)及び排気ファン室(35)は、何れもケーシング(11)の底板から天板に亘る空間である。
給気ファン室(36)には、給気ファン(26)が収容されている。また、排気ファン室(35)には排気ファン(25)が収容されている。給気ファン(26)及び排気ファン(25)は、何れも遠心型の多翼ファン(いわゆるシロッコファン)である。
具体的に、これらのファン(25,26)は、ファンロータと、ファンケーシング(86)と、ファンモータ(89)とを備えている。図示しないが、ファンロータは、その軸方向の長さが直径に比べて短い円筒状に形成され、その周側面に多数の翼が形成されている。ファンロータは、ファンケーシング(86)に収容されている。ファンケーシング(86)では、その側面(ファンロータの軸方向と直交する側面)の一方に吸入口(87)が開口している。また、ファンケーシング(86)には、その周側面から外側へ突出する部分が形成されており、その部分の突端に吹出口(88)が開口している。ファンモータ(89)は、ファンケーシング(86)における吸入口(87)と反対側の側面に取り付けられている。ファンモータ(89)は、ファンロータに連結されてファンロータを回転駆動する。
給気ファン(26)及び排気ファン(25)において、ファンロータがファンモータ(89)によって回転駆動されると、吸入口(87)を通ってファンケーシング(86)内へ空気が吸い込まれ、ファンケーシング(86)内の空気が吹出口(88)から吹き出される。
給気ファン室(36)において、給気ファン(26)は、ファンケーシング(86)の吸入口(87)が下流側仕切板(72)と対面する姿勢で設置されている。また、この給気ファン(26)のファンケーシング(86)の吹出口(88)は、給気口(22)に連通する状態で第1側面パネル部(14)に取り付けられている。
排気ファン室(35)において、排気ファン(25)は、ファンケーシング(86)の吸入口(87)が下流側仕切板(72)と対面する姿勢で設置されている。また、この排気ファン(25)のファンケーシング(86)の吹出口(88)は、排気口(21)に連通する状態で第2側面パネル部(15)に取り付けられている。
給気ファン室(36)には、冷媒回路(50)の圧縮機(53)と四方切換弁(54)とが収容されている。圧縮機(53)及び四方切換弁(54)は、給気ファン室(36)における給気ファン(26)と給排気仕切板(77)との間に配置されている。
ケーシング(11)内において、第1仕切板(74)と第1側面パネル部(14)の間の空間は、第1バイパス通路(81)を構成している(図2,図3を参照)。また、ケーシング(11)内において、第2仕切板(75)と第2側面パネル部(15)の間の空間は、第2バイパス通路(82)を構成している(図3,図4を参照)。第1バイパス通路(81)及び第2バイパス通路(82)は、ケーシング(11)の底板から天板に亘る空間である。第1バイパス通路(81)の通路幅は、第2バイパス通路(82)の通路幅よりも長くなっている。
第1バイパス通路(81)の始端(背面パネル部(13)側の端部)は、外気側通路(34)だけに連通しており、内気側通路(32)からは遮断されている。この第1バイパス通路(81)は、外気側通路(34)における外気側フィルタ(28)の下流側部分と連通している。第1バイパス通路(81)の終端(前面パネル部(12)側の端部)は、仕切板(78)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び給気ファン室(36)から区画されている。仕切板(78)のうち給気ファン室(36)に臨む部分には、第1バイパス用ダンパ(83)が設けられている。第1バイパス用ダンパ(83)は、概ね縦長の長方形状に形成されている。第1バイパス用ダンパ(83)を開閉すると、第1バイパス通路(81)と給気ファン室(36)との間が断続される。
第2バイパス通路(82)の始端(背面パネル部(13)側の端部)は、内気側通路(32)だけに連通しており、外気側通路(34)からは遮断されている。この第2バイパス通路(82)は、第2仕切板(75)に形成された連通口(76)を介して、内気側通路(32)における内気側フィルタ(27)の下流側部分と連通している。第2バイパス通路(82)の終端(前面パネル部(12)側の端部)は、仕切板(79)によって、給気側通路(31)、排気側通路(33)、及び排気ファン室(35)から区画されている。仕切板(79)のうち排気ファン室(35)に臨む部分には、第2バイパス用ダンパ(84)が設けられている。第2バイパス用ダンパ(84)は、概ね縦長の長方形状に形成されている。第2バイパス用ダンパ(84)を開閉すると、第2バイパス通路(82)と排気ファン室(35)との間が断続される。
なお、図5の右側面図及び左側面図では、第1バイパス通路(81)、第2バイパス通路(82)、第1バイパス用ダンパ(83)、及び第2バイパス用ダンパ(84)の図示を省略している。
ケーシング(11)の前面パネル部(12)では、その右寄りの部分に電装品箱(90)が取り付けられている。なお、図2及び図5において、電装品箱(90)は省略されている。電装品箱(90)は、直方体状の箱であって、その内部に制御用基板(91)と電源用基板(92)とが収容されている。制御用基板(91)及び電源用基板(92)は、電装品箱(90)の側板のうち前面パネル部(12)に隣接するもの(即ち、背面板)の内側面に取り付けられている。電源用基板(92)のインバータ部には、放熱フィン(93)が設けられている。この放熱フィン(93)は、電源用基板(92)の背面に突設されており、電装品箱(90)の背面板とケーシング(11)の前面パネル部(12)とを貫通して給気ファン室(36)に露出している(図3,図4を参照)。
ケーシング(11)内において、圧縮機(53)、ファン(25,26)、ダンパ(41〜48)、湿度センサ(96,97)等に接続するリード線は、電装品箱(90)の内部へと延びている。そのうち、上流側仕切板(71)に取り付けられたダンパ(41〜44)の駆動モータに接続するリード線や、湿度センサ(96,97)に接続するリード線は、第1バイパス通路(81)を通って電装品箱(90)へと延びている。
ケーシング(11)の第1側面パネル部(14)には、ケーシング(11)に対して着脱自在な第1開閉パネル(14a)が形成されている。第1開閉パネル(14a)は、第1バイパス通路(81)に臨むようにして第1側面パネル部(14)の長手方向の中間部位に形成されている。第1開閉パネル(14a)を取り外した状態では、ケーシング(11)の外部に対して上記第1仕切板(74)が露出される状態となる(図2を参照)。第1仕切板(74)には、ケーシング(11)に対して着脱自在な第2開閉パネル(74a)が形成されている。第2開閉パネル(74a)は、第1熱交換器室(37)に臨むようにして第1仕切板(74)の後方寄りに形成されている。第2開閉パネル(74a)を取り外した状態では、第1バイパス通路(81)側に向かって第1熱交換器室(37)が露出される状態となる。以上のように、第1開閉パネル(14a)及び第2開閉パネル(74a)は、ケーシング(11)の外部に対して第1熱交換器室(37)を露出させるためのメンテナンス開放部を構成している。
〈冷媒回路の構成〉
上記冷媒回路(50)について、図6を参照しながら説明する。
上記冷媒回路(50)は、第1吸着熱交換器(51)、第2吸着熱交換器(52)、圧縮機(53)、四方切換弁(54)、及び電動膨張弁(55)が設けられた閉回路である。この冷媒回路(50)は、充填された冷媒を循環させることによって、蒸気圧縮冷凍サイクルを行う。
上記冷媒回路(50)において、圧縮機(53)は、その吐出側が四方切換弁(54)の第1のポートに、その吸入側が四方切換弁(54)の第2のポートにそれぞれ接続されている。第1吸着熱交換器(51)の一端は、第1連絡配管(61)を介して四方切換弁(54)の第3のポートに接続されている。第1吸着熱交換器(51)の他端は、中間配管(62)を介して第2吸着熱交換器(52)の一端に接続されている。第2吸着熱交換器(52)の他端は、第2連絡配管(63)を介して四方切換弁(54)の第4のポートに接続されている。
第1連絡配管(61)は、第1吸着熱交換器(51)のガス側配管を構成している。第1連絡配管(61)には、第1継手部材(64)が設けられている。第2連絡配管(63)は、第2吸着熱交換器(52)のガス側配管を構成している。第2連絡配管(63)には、第2継手部材(67)が設けられている。中間配管(62)は、第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)との間の液側配管を構成している。中間配管(62)には、第1吸着熱交換器(51)側から第2吸着熱交換器(52)側に向かって順に、上記電動膨張弁(55)、第3継手部材(65)、及び第4継手部材(66)が接続されている。各継手部材(64,65,66,67)は、雄ネジ部及び該雄ネジ部の先端に形成されるテーパ状の外周面を有する継手本体(64a,65a,66a,67a)と、継手本体に螺合する雌ネジ及び上記テーパ外周面と密着するテーパ状の内周面を有するフレアナット(64b,65b,66b,67b)とから成る、いわゆるフレア継手により構成されている(詳細は後述する)。
上記四方切換弁(54)は、第1のポートと第3のポートが連通して第2のポートと第4のポートが連通する第1状態(図6(A)に示す状態)と、第1のポートと第4のポートが連通して第2のポートと第3のポートが連通する第2状態(図6(B)に示す状態)とに切り換え可能となっている。
図7に示すように、第1吸着熱交換器(51)及び第2吸着熱交換器(52)は、何れもクロスフィン型のフィン・アンド・チューブ熱交換器によって構成されている。各吸着熱交換器(51,52)は、室外空気(OA)や室内空気(RA)の調湿を行う調湿手段を構成している。これら吸着熱交換器(51,52)は、銅製の伝熱管(58)とアルミニウム製のフィン(57)とを備えている。吸着熱交換器(51,52)に設けられた複数のフィン(57)は、それぞれが長方形板状に形成され、一定の間隔で並べられている。また、伝熱管(58)は、フィン(57)の配列方向に蛇行する形状となっている。つまり、この伝熱管(58)では、各フィン(57)を貫通する直管部と、隣り合った直管部同士を接続するU字管部(59)とが交互に形成されている。また、各吸着熱交換器(51,52)では、各伝熱管(58)の長手方向の両端部に詳細は後述する管板(60)が設けられている。なお、図7では、管板(60)の図示を省略している。
上記各吸着熱交換器(51,52)では、各フィン(57)の表面に吸着剤が担持されており、フィン(57)の間を通過する空気がフィン(57)に担持された吸着剤と接触する。この吸着剤としては、ゼオライト、シリカゲル、活性炭、親水性の官能基を有する有機高分子材料など、空気中の水蒸気を吸着できるものが用いられる。
本実施形態の調湿装置(10)では、冷媒回路(50)が熱媒回路を構成する。この冷媒回路(50)では、2つの吸着熱交換器(51,52)のうち凝縮器として動作する方に高圧のガス冷媒が加熱用の熱媒流体として供給され、蒸発器として動作する方に低圧の気液二相冷媒が冷却用の熱媒流体として供給される。
〈吸着熱交換器の取付構造〉
次に、熱交換器室(37,38)における吸着熱交換器(51,52)の取付構造の詳細について説明する。
上記各吸着熱交換器(51,52)は、その伝熱管(58)が各熱交換器室(37,38)の配列方向(左右方向)に延びるように各熱交換器室(37,38)に立設されている。各吸着熱交換器(51,52)は、左右幅方向に概ね一直線上に並んで配置されている。
図8に示すように、各熱交換器室(37,38)の底板には、これらの熱交換器室(37,38)に跨るように台座(101)が敷設されている。即ち、台座(101)は、第1仕切板(74)から第2仕切板(75)に亘って左右方向に延びて形成されている。そして、台座(101)の上端面(101a)に第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)とが設置されている。また、台座(101)の上端面には、その前端部と後端部とにそれぞれレール部材(102)が形成されている。一対のレール部材(102,102)は、互いに平行な姿勢で第1仕切板(74)から第2仕切板(75)に亘って延びている。そして、両レール部材(102,102)の間に各吸着熱交換器(51,52)が嵌り込んでいる。即ち、台座(101)のレール部材(102)は、各吸着熱交換器(51,52)をスライド自在に案内する案内部材を構成している。
更に、上記台座(101)の上端面(101a)の表面には、ナイロン単繊維から成る、いわゆる植毛材が形成されている。この植毛材により、各吸着熱交換器(51,52)のスライド動作が円滑となり、且つ台座(101)の表面が摩耗してしまうことが抑制されている。
第1熱交換器室(37)には、第1吸着熱交換器(51)の上流側(後側)の上端部に第1フレーム部材(103)が設けられている(例えば図1及び図4を参照)。第1フレーム部材(103)は、その縦断面がL字状であって、第1仕切板(74)から中央仕切板(73)に亘って延びて形成されている。第1フレーム部材(103)は、その一方の側面がケーシング(11)の天板に固定され、他方の側面が第1内気側ダンパ(41)側を向くようにケーシング(11)に支持されている。
また、第1吸着熱交換器(51)の上流端近傍には、第1枠部材(104)が設けられている(例えば図1及び図9を参照)。第1枠部材(104)は、第1吸着熱交換器(51)の上流側の面に沿うような略板状で、且つ前後に空気が通過可能な開口を有する枠状に形成されている。第1枠部材(104)では、第1吸着熱交換器(51)の上流側の面のほぼ全域を露出させるように開口(図示省略)が形成されている。第1枠部材(104)の上端部は、第1フレーム部材(103)の下端とほぼ当接し、第1枠部材(104)の下端部はケーシング(11)の底面に設置されている。また、第1枠部材(104)の右端部は、第1仕切板(74)と当接しており、第1枠部材(104)と第1仕切板(74)とは、2本のビス(104a,104a)によって締結される。一方、第1枠部材(104)の左端部は、中央仕切板(73)よりもやや右側寄りに位置している。
第1枠部材(104)の外周縁部には、シール部材が形成されている。これにより、第1枠部材(104)の上流側の空気がその外周側を流れることが抑制される一方、この空気は第1枠部材(104)の内部の開口を通って第1吸着熱交換器(51)を通過する。また、第1枠部材(104)は、第1吸着熱交換器(51)と一体的に固定されている。つまり、第1枠部材(104)は、第1吸着熱交換器(51)と共にスライド自在に構成されている。
第2熱交換器室(38)には、第2吸着熱交換器(52)の上流側(後側)の上端部に第2フレーム部材(105)が設けられている(例えば図1及び図4を参照)。第2フレーム部材(105)は、その縦断面が下側に開放するコ字状であって、中央仕切板(73)から第2仕切板(75)に亘って延びて形成されている。第2フレーム部材(105)は、その上端面がケーシング(11)の天板に固定され、その内部に第2吸着熱交換器(52)の上端部が位置するようにケーシング(11)に支持されている。
また、第2吸着熱交換器(52)の上流端近傍には、第2枠部材(106)が設けられている(例えば図1及び図9を参照)。第2枠部材(106)は、第2吸着熱交換器(52)の上流側の面に沿うような略板状で、且つ前後に空気が通過可能な開口を有する枠状に形成されている。第2枠部材(106)では、第2吸着熱交換器(52)の上流側の面のほぼ全域を露出させるように開口(図示省略)が形成されている。第2枠部材(106)の上端部は、上記第2フレーム部材(105)の上端面と当接する一方、第2枠部材(106)の下端部はケーシング(11)の底面に設置されている。また、第2枠部材(106)の右端部は、詳細は後述する仕切板開口部(73a)を通過して上記第1枠部材(104)の左端部と当接している(図9を参照)。なお、第2枠部材(106)の右端部には、当接状態の第1枠部材(104)の端部を挟み込んで保持する止め金部材(107)が設けられている(例えば図15を参照)。
第2枠部材(106)の外周縁部には、シール部材が形成されている。これにより、第2枠部材(106)の上流側の空気がその外周側を流れることが抑制される一方、この空気は第2枠部材(106)の内部の開口を通って第2吸着熱交換器(52)を通過する。また、第2枠部材(106)は、第2吸着熱交換器(52)と一体的に固定されている。つまり、第2枠部材(106)は、第2吸着熱交換器(52)と共にスライド自在に構成されている。
上記第1熱交換器室(37)では、上記第1枠部材(104)及び第1吸着熱交換器(51)によって前後に2つの空間が区画されている。つまり、第1熱交換器室(37)では、第1吸着熱交換器(51)の上流側に第1上流側空間(37a)が形成され、第1吸着熱交換器(51)の下流側に第1下流側空間(37b)が形成されている。同様に、第2熱交換器室(38)では、上記第2枠部材(106)及び第2吸着熱交換器(52)によって前後に2つの空間が区画されている。つまり、第2熱交換器室(38)では、第2吸着熱交換器(52)の上流側に第2上流側空間(38a)が形成され、第2吸着熱交換器(52)の下流側に第2下流側空間(38b)が形成されている。
各吸着熱交換器室(37,38)では、各々の下流側空間(37b,38b)における空気流れ方向(前後方向)の幅寸法W1の長さが、対応する上流側空間(37a,38a)における空気流れ方向(前後方向)の幅寸法W2の長さよりも大きくなっている(図3を参照)。即ち、各吸着熱交換器室(37,38)では、各吸着熱交換器(51,52)が該吸着熱交換器室(37,38)の幅方向の中間位置よりも後方寄りに配置されている。
上述のように中央仕切板(73)には、仕切板開口部(73a)が形成されている。仕切板開口部(73a)は、中央仕切板(73)において2つの吸着熱交換器(51,52)と左右方向に連なる部位に形成されている。仕切板開口部(73a)は、第2吸着熱交換器(52)及び第2枠部材(106)を第1側面パネル部(14)側から視た場合において、これらの第2吸着熱交換器(52)及び第2枠部材(106)の外形の輪郭に沿うような形状をしている。つまり、仕切板開口部(73a)は、第2枠部材(106)及び第2吸着熱交換器(52)の通過を許容するような縦長の長方形状に形成されている。これにより、第2枠部材(106)及び第2吸着熱交換器(52)は、仕切板開口部(73a)を通じて、第2熱交換器室(38)と第1熱交換器室(37)との間を移動可能に構成されている。
また、各吸着熱交換器(51,52)における伝熱管(58)の両端部には、該伝熱管(58)を支持するための管板(60)が設けられている。これらの管板(60)のうち第2吸着熱交換器(52)における第1側面パネル部(14)側の管板(60a)は、中央仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を閉塞する閉塞部材を構成している。即ち、第2吸着熱交換器(52)は、例えば図3に示すような通常の設置状態において、中央仕切板(73)と近接して配置されている。この状態の第2吸着熱交換器(52)では、その管板(60a)が中央仕切板(73)に一致するように仕切板開口部(73a)に嵌合する。その結果、第1熱交換器室(37)と第2熱交換器室(38)とは、第2吸着熱交換器(52)の管板(60a)と中央仕切板(73)とによって仕切られるので、両熱交換器室(37,38)の間での空気の漏れが抑制される。
更に、第2吸着熱交換器(52)の管板(60a)の外縁部には、枠状仕切部材(108)が設けられている。枠状仕切部材(108)は、管板(60a)の上端部に形成される上側鍔部(108a)と、管板(60a)の前側端部に亘って形成される側方鍔部(108b)とを有している。上側鍔部(108a)は、その縦断面が略L字状に形成されて前後に延びている。上側鍔部(108a)は、その側方(左側)の端面が上記管板(60a)に固定されている。一方、上記側方鍔部(108b)は、その上端が側方に屈曲しており、この屈曲した上端面が上記上側鍔部(108a)の下端面にビスを介して締結されている。一方、側方鍔部(108b)の本体は上下に延びる板状に形成され、その後側寄りの部位が上記管板(60a)の前端部に固定されている。枠状仕切部材(108)は、その外縁部が管板(60a)の外縁よりも外側に位置している。つまり、枠状仕切部材(108)は、管板(60a)の上端部及び前端部を拡大させるように外側に延出するような形状をしている。また、枠状仕切部材(108)の内部には、管板(60a)を貫通する伝熱管(58)やU字管部(59)が位置している(図9では伝熱管やU字管部の図示を省略している)。
枠状仕切部材(108)は、第1熱交換器室(37)に面するように管板(60a)に取り付けられている。つまり、枠状仕切部材(108)は、仕切板開口部(73a)に挿通された状態の管板(60a)に第1熱交換器室(37)側から固定されている。そして、第2吸着熱交換器(52)の通常の設置状態では、上記枠状仕切部材(108)が中央仕切板(73)の右側の面における仕切板開口部(73a)の外縁部に当接する。その結果、この当接部が、仕切板開口部(73a)と管板(60a)との間の隙間をシールするシール部を構成する。また、このように枠状仕切部材(108)が中央仕切板(73)と当接することで、枠状仕切部材(108)と一体となる第2吸着熱交換器(52)が、図3の通常の設置位置よりも更に奥側(第2側面パネル部(15)側)へ移動してしまうことがない。つまり、枠状仕切部材(108)は、第2吸着熱交換器(52)の位置決め部材も兼ねている。なお、枠状仕切部材(108)と中央仕切板(73)との間の当接部には、所定のシール部材を介設するのが好ましい。これにより、両熱交換器室(37,38)の間における空気の漏れを一層効果的に抑制することができる。
〈吸着熱交換器の周囲の取付構造〉
次に、2つの吸着熱交換器(51,52)の周囲の冷媒配管、及び該冷媒配管に取り付けられる構成機器の取付構造について図3、図6、及び図9を参照しながら説明する。本実施形態では、吸着熱交換器(51,52)の周囲の冷媒配管、及び該冷媒配管に取り付けられる構成機器が全て第1熱交換器室(37)に集約するように配設されている。
第1吸着熱交換器(51)には、ガス側配管としての上記第1連絡配管(61)の一端が繋がっている。第1連絡配管(61)は、第1ガス側ヘッダ(61a)と第1内側配管(61b)と第1外側配管(61c)とを有している。
第1ガス側ヘッダ(61a)は、その分流管が第1吸着熱交換器(51)の右側(第1側面パネル部側)の端部に接続されている。第1ガス側ヘッダ(61a)の合流管側は、第1吸着熱交換器(51)の上部前面に沿うように屈曲し、更に下方に屈曲している。そして、第1ガス側ヘッダ(61a)の合流管の下端部に上記第1内側配管(61b)の一端が接続されている。第1内側配管(61b)の他端側は、右側方、上方、前方の順に屈曲している。そして、第1内側配管(61b)の他端部には、上記第1継手部材(64)のフレアナット(64b)が取り付けられている。これに対し、第1熱交換器室(37)には、上記下流側仕切板(72)を貫通するようにして第1継手部材(64)の継手本体(64a)が臨んでいる(図3を参照)。このようにして、第1継手部材(64)は、第1熱交換器室(37)における第1側面パネル部(14)側寄りに配置され、フレアナット(64b)と継手本体(64a)とが連結可能となっている。
一方、給気ファン室(36)には、第1継手部材(64)の継手本体(64a)と繋がる上記第1外側配管(61c)が配設されている(図3を参照)。第1外側配管(61c)の終端は、四方切換弁(54)に接続されている。
第2吸着熱交換器(52)には、ガス側配管としての上記第2連絡配管(63)の一端が繋がっている。第2連絡配管(63)は、第2ガス側ヘッダ(63a)と第2内側配管(63b)と第2外側配管(63c)とを有している。
第2ガス側ヘッダ(63a)は、その分流管が第2吸着熱交換器(52)の右側(第1側面パネル部側)の端部に接続されている。即ち、第2吸着熱交換器(52)では、その右側の管板(60a)が上述した仕切板開口部(73a)を通じて第1熱交換器室(37)側に露出されている。従って、第2ガス側ヘッダ(63a)の分流管は、仕切板開口部(73a)を貫通するようにして第2吸着熱交換器(52)に接続される。第2ガス側ヘッダ(63a)の合流管側は、第2吸着熱交換器(52)の上部寄りの位置から下方に延びている。そして、第2ガス側ヘッダ(63a)の合流管の下端部に上記第2内側配管(63b)の一端が接続されている。第2内側配管(63b)の他端側は、右側方、上方、前方の順に屈曲している。そして、第2内側配管(63b)の他端部には、上記第2継手部材(67)のフレアナット(67b)が取り付けられている。これに対し、第1熱交換器室(37)には、上記下流側仕切板(72)を貫通するようにして第2継手部材(67)の継手本体(67a)が臨んでいる(図3を参照)。このようにして、第2継手部材(67)は、第1熱交換器室(37)における中央仕切板(73)側(第1側面パネル部と反対側)寄りに配置され、フレアナット(67b)と継手本体(67a)とが連結可能となっている。
一方、給気ファン室(36)には、第2継手部材(67)の継手本体(67a)と繋がる上記第2外側配管(63c)が配設されている(図3を参照)。第2外側配管(63c)の終端は、四方切換弁(54)に接続されている。
また、第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)とは、上記中間配管(62)によって互いに接続されている。中間配管(62)は、第1液側分流器(62a)とストレート配管(62b)と第2液側分流器(62c)とを有している。
第1液側分流器(62a)は、その分流管が第1吸着熱交換器(51)の右側の端部に接続されている。第1液側分流器(62a)の合流管側には、上記電動膨張弁(55)が接続されている。また、電動膨張弁(55)の上流近傍及び下流近傍の冷媒配管には、冷媒中の不純物を除去するためのフィルタ(68,68)がそれぞれ設けられている。第1液側分流器(62a)の合流管は、下方に延びており、その下端部に上記第3継手部材(65)のフレアナット(65b)が取り付けられている。
第2液側分流器(62c)は、その分流管が第2吸着熱交換器(52)の右側の端部に接続されている。上述した第2ガス側ヘッダ(63a)と同様、第2液側分流器(62c)は、中央仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を貫通するようにして第2吸着熱交換器(52)に接続される。第2液側分流器(62c)の合流管側は、下方に延びてから右側方へ屈曲している。そして、この屈曲した部位には、第4継手部材(66)の継手本体(66a)が取り付けられている。
上記ストレート配管(62b)は、第1熱交換器室(37)の底面に沿うように左右方向に延びている。つまり、ストレート配管(62b)は、第1仕切板(74)から中央仕切板(73)に亘って直線状に延びている。また、ストレート配管(62b)の周囲には、断熱材等が巻かれている。ストレート配管(62b)の右側の一端部には、第3継手部材(65)の継手本体(65a)が取り付けられている。このようにして、第3継手部材(65)は、第1熱交換器室(37)における第1側面パネル部(14)側寄りに配置され、フレアナット(65b)と継手本体(65a)とが連結可能となっている。一方、ストレート配管(62b)の左側の他端部には、第4継手部材(66)のフレアナット(66b)が取り付けられている。このようにして、第4継手部材(66)は、第1熱交換器室(37)における中央仕切板(73)側(第1側面パネル部と反対側)寄りに配置され、フレアナット(66b)と継手本体(66a)とが連結可能となっている。
以上のような構成により、第1吸着熱交換器(51)と第2吸着熱交換器(52)とが冷媒回路(50)から個別に切り離し可能となっている。即ち、第1吸着熱交換器(51)は、第1継手部材(64)及び第3継手部材(65)の連結をそれぞれ解除することで、冷媒回路(50)から切り離し可能に構成されている。また、第2吸着熱交換器(52)は、第2継手部材(67)及び第4継手部材(66)の連結をそれぞれ解除することで、冷媒回路(50)から切り離し可能に構成されている。更に、冷媒回路(50)では、第3継手部材(65)及び第4継手部材(66)の連結をそれぞれ解除することで、両継手部材(65,66)の間のストレート配管(62b)も切り離し可能に構成されている。
−運転動作−
本実施形態の調湿装置(10)は、除湿換気運転と、加湿換気運転と、単純換気運転とを選択的に行う。除湿換気運転中や加湿換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)を湿度調節してから供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)を排出空気(EA)として室外へ排出する。一方、単純換気運転中の調湿装置(10)は、取り込んだ室外空気(OA)をそのまま供給空気(SA)として室内へ供給すると同時に、取り込んだ室内空気(RA)をそのまま排出空気(EA)として室外へ排出する。
〈除湿換気運転〉
除湿換気運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。この除湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
除湿換気運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(26)を運転すると、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。また、排気ファン(25)を運転すると、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。
先ず、除湿換気運転の第1動作について説明する。図10に示すように、この第1動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。
この第1動作中の冷媒回路(50)では、図6(A)に示すように、四方切換弁(54)が第1状態に設定される。この状態の冷媒回路(50)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)から吐出された冷媒が第1吸着熱交換器(51)、電動膨張弁(55)、第2吸着熱交換器(52)の順に通過し、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で除湿された第1空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で水分を付与された第2空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
次に、除湿換気運転の第2動作について説明する。図11に示すように、この第2動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。
この第2動作中の冷媒回路(50)では、図6(B)に示すように、四方切換弁(54)が第2状態に設定される。この状態の冷媒回路(50)では、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。その際、冷媒回路(50)では、圧縮機(53)から吐出された冷媒が第2吸着熱交換器(52)、電動膨張弁(55)、第1吸着熱交換器(51)の順に通過し、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第1空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で除湿された第1空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
一方、内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第2空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で水分を付与された第2空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
〈加湿換気運転〉
加湿換気運転中の調湿装置(10)では、後述する第1動作と第2動作が所定の時間間隔(例えば3分間隔)で交互に繰り返される。この加湿換気運転中において、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)は、常に閉状態となる。
加湿換気運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(26)を運転すると、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ第2空気として取り込まれる。また、排気ファン(25)を運転すると、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ第1空気として取り込まれる。
先ず、加湿換気運転の第1動作について説明する。図12に示すように、この第1動作中には、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が閉状態となる。
この第1動作中の冷媒回路(50)では、図6(A)に示すように、四方切換弁(54)が第1状態に設定される。そして、この冷媒回路(50)では、除湿換気運転の第1動作中と同様に、第1吸着熱交換器(51)が凝縮器となって第2吸着熱交換器(52)が蒸発器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第2内気側ダンパ(42)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第2吸着熱交換器(52)で水分を奪われた第1空気は、第2排気側ダンパ(48)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第1外気側ダンパ(43)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第1吸着熱交換器(51)で加湿された第2空気は、第1給気側ダンパ(45)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
次に、加湿換気運転の第2動作について説明する。図13に示すように、この第2動作中には、第1内気側ダンパ(41)、第2外気側ダンパ(44)、第2給気側ダンパ(46)、及び第1排気側ダンパ(47)が開状態となり、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第1給気側ダンパ(45)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。
この第2動作中の冷媒回路(50)では、図6(B)に示すように、四方切換弁(54)が第2状態に設定される。そして、この冷媒回路(50)では、除湿換気運転の第2動作中と同様に、第1吸着熱交換器(51)が蒸発器となって第2吸着熱交換器(52)が凝縮器となる。
内気側通路(32)へ流入して内気側フィルタ(27)を通過した第1空気は、第1内気側ダンパ(41)を通って第1熱交換器室(37)へ流入し、その後に第1吸着熱交換器(51)を通過する。第1吸着熱交換器(51)では、第1空気中の水分が吸着剤に吸着され、その際に生じた吸着熱が冷媒に吸熱される。第1吸着熱交換器(51)で水分を奪われた第1空気は、第1排気側ダンパ(47)を通って排気側通路(33)へ流入し、排気ファン室(35)を通過後に排気口(21)を通って室外へ排出される。
一方、外気側通路(34)へ流入して外気側フィルタ(28)を通過した第2空気は、第2外気側ダンパ(44)を通って第2熱交換器室(38)へ流入し、その後に第2吸着熱交換器(52)を通過する。第2吸着熱交換器(52)では、冷媒で加熱された吸着剤から水分が脱離し、この脱離した水分が第2空気に付与される。第2吸着熱交換器(52)で加湿された第2空気は、第2給気側ダンパ(46)を通って給気側通路(31)へ流入し、給気ファン室(36)を通過後に給気口(22)を通って室内へ供給される。
〈単純換気運転〉
単純換気運転中における調湿装置(10)の動作について、図14を参照しながら説明する。この単純換気運転は、外気をそのまま室内へ供給しても室内の快適性が損なわれない時期(例えば、春季や秋季などの中間期)に行われる。つまり、この単純換気運転は、室内へ供給される空気の湿度調節は不要であるが、室内の換気は行う必要がある場合に実行される。
この単純換気運転では、第1バイパス用ダンパ(83)及び第2バイパス用ダンパ(84)が開状態となり、第1内気側ダンパ(41)、第2内気側ダンパ(42)、第1外気側ダンパ(43)、第2外気側ダンパ(44)、第1給気側ダンパ(45)、第2給気側ダンパ(46)、第1排気側ダンパ(47)、及び第2排気側ダンパ(48)が閉状態となる。また、単純換気運転中において、冷媒回路(50)の圧縮機(53)は停止状態となる。つまり、単純換気運転中において、冷媒回路(50)での冷凍サイクルは行われない。
単純換気運転中の調湿装置(10)において、給気ファン(26)を運転すると、室外空気が外気吸込口(24)からケーシング(11)内へ取り込まれる。外気吸込口(24)を通って外気側通路(34)へ流入した室外空気は、外気側フィルタ(28)を通過後に第1バイパス通路(81)へ流入し、第1バイパス用ダンパ(83)を通って給気ファン室(36)へ流入する。給気ファン室(36)へ流入した室外空気は、給気ファン(26)へ吸い込まれ、給気口(22)を通って室内へ供給される。
また、単純換気運転中の調湿装置(10)において、排気ファン(25)を運転すると、室内空気が内気吸込口(23)からケーシング(11)内へ取り込まれる。内気吸込口(23)を通って内気側通路(32)へ流入した室内空気は、内気側フィルタ(27)を通過後に第2バイパス通路(82)へ流入し、第2バイパス用ダンパ(84)を通って排気ファン室(35)へ流入する。排気ファン室(35)へ流入した室内空気は、排気ファン(25)へ吸い込まれ、排気口(21)を通って室外へ排出される。
−吸着熱交換器のメンテナンス作業について−
次に、上述した2つの吸着熱交換器(51,52)や、各吸着熱交換器(51,52)の周囲に繋がる冷媒配管及び構成機器のメンテナンス作業について説明する。
各吸着熱交換器(51,52)のメンテナンスを行う際には、例えば図1に示す第1側面パネル部(14)の第1開閉パネル(14a)を開放させる。その結果、ケーシング(11)の外部に対して第1バイパス通路(81)が露出された状態となる(図2を参照)。次いで、第1仕切板(74)の第2開閉パネル(74a)を開放させる。その結果、ケーシング(11)の外部に対して第1熱交換器室(37)の内部が露出された状態となる。また、この際には、第1仕切板(74)と第1枠部材(104)とを締結する2本のビス(104a,104a)を取り外す。これにより、第1枠部材(104)は、ケーシング(11)に対する固定が完全に解除された状態となる。
次に、第1吸着熱交換器(51)を冷媒回路(50)から切り離す作業を行う。具体的には、図9に示すような状態において、第1側面パネル部(14)側に臨むように配置される第3継手部材(65)の連結を解除する。また、第1側面パネル部(14)側に臨むように配置される第1継手部材(64)の連結も解除する。その結果、第1吸着熱交換器(51)が冷媒回路(50)から切り離されて移動可能となる。
この状態の第1吸着熱交換器(51)を上述したレール部材(102,102)に沿うように第1側面パネル部(14)側へ引き出す。第1吸着熱交換器(51)をスライドさせると、第1吸着熱交換器(51)と一体となった各構成部品も第1吸着熱交換器(51)と共に移動する(図15を参照)。具体的に、第1吸着熱交換器(51)と一体的に移動する構成部品としては、第1枠部材(104)、第1ガス側ヘッダ(61a)、第1内側配管(61b)、第1継手部材(64)のフレアナット(64a)、第1液側分流器(62a)、電動膨張弁(55)、フィルタ(68,68)、第3継手部材(65)のフレアナット(65b)等が挙げられる。以上のようにして、第1吸着熱交換器(51)及びこれと一体となった他の構成部品をケーシング(11)の外部へ引き出すことで、これらのメンテナンスを行うことができる。
その後、更に第2吸着熱交換器(52)のメンテナンスを行う場合には、まず、第4継手部材(66)の連結を解除する。なお、この際には、第1熱交換器室(37)の内部には充分なスペースが確保されているので、容易に第4継手部材(66)の連結を解除することができる。以上のようにして、第4継手部材(66)と第3継手部材(65)の連結が解除された状態となると、冷媒回路(50)からストレート配管(62b)が切り離された状態となる。従って、この状態のストレート配管(62b)をケーシング(11)の外部へ個別に引き出すことができる(図16を参照)。
次いで、第2継手部材(67)の連結を解除する。その結果、冷媒回路(50)から第2吸着熱交換器(52)が切り離された状態となる。この状態の第2吸着熱交換器(52)をレール部材(102,102)に沿うように第1側面パネル部(14)側へ引き出す。その結果、第2吸着熱交換器(52)は、中央仕切板(73)の仕切板開口部(73a)を通過しながら第1熱交換器室(37)側へ移動する。このように第2吸着熱交換器(52)をスライドさせると、第2吸着熱交換器(52)と一体となった各構成部品も第2吸着熱交換器(52)と共に移動する(図17を参照)。具体的に、第2吸着熱交換器(52)と一体的に移動する構成部品としては、第2枠部材(106)、第2ガス側ヘッダ(63a)、第2内側配管(63b)、第2継手部材(67)のフレアナット(67b)、第2液側分流器(62c)、第4継手部材(66)の継手本体(66a)等が挙げられる。以上のようにして、第1熱交換器室(37)まで移動した第2吸着熱交換器(52)等を更に引き出すことで、これらのメンテナンスを行うことができる。なお、上記ストレート配管(65b)を取り出す前に第2継手部材(67)の連結を解除し、第2吸着熱交換器(52)を少しだけ引き出してから上記第4継手部材(66)の連結を解除しても良い。
以上のようにしてメンテナンスが終了した後には、上記の手順と概ね逆の手順により、各構成機器が元の位置に戻される。即ち、第2吸着熱交換器(52)をレール部材(102,102)に沿って第2熱交換器室(38)に押し入れて第2継手部材(67)を連結し、更にストレート配管(62b)を第1熱交換器室(37)に押し入れて第4継手部材(66)を連結する。次に、第1吸着熱交換器(51)をレール部材(102,102)に沿って第1熱交換器室(37)に押し入れる。この際、第1吸着熱交換器(51)と一体となる第1枠部材(104)の左端部を図15に示す止め金部材(107)に保持させる。これにより、第1枠部材(104)と第2枠部材(106)とが一体的に連結され、各枠部材(104,106)の固定状態が安定する。次いで、第1継手部材(64)及び第3継手部材(65)が連結し、第2開閉パネル(74a)を閉鎖する。同時に、第1枠部材(104)と第1仕切板(74)とをビス(104a,104a)によって締結する。その後、第1開閉パネル(14a)を閉鎖することで、調湿装置(10)が図1に示すような元の状態となる。
−実施形態の効果−
上記実施形態では、各吸着熱交換器(51,52)を冷媒回路(50)から切り離し可能に構成すると共に、各熱交換器室(37,38)の吸着熱交換器(51,52)を第1開閉パネル(14a)及び第2開閉パネル(74a)のメンテナンス開口部からケーシング(11)の外部へ引き出せるようにしている。従って、各吸着熱交換器(51,52)を容易に取り出してメンテナンスを行うことができる。
また、両者の吸着熱交換器(51,52)は、ケーシング(11)の同一方向の側面(即ち、第1側面パネル部(14))側から引き出されるので、ケーシング(11)の外部のメンテナンス用のスペースを最小限に抑えることができ、ケーシング(11)の設置箇所の自由度が向上する。
また、各吸着熱交換器(51,52)は、それぞれ個別に引き出されるので、例えば双方の吸着熱交換器(51,52)を一体的に引き出す場合と比較して、上記メンテナンス用スペースの奥行きを短くできる。
更に、4つの継手部材(64,65,66,67)を設けてストレート配管(62b)も個別に引き出すようにしたので、メンテナンス性が向上する。具体的に、例えば図9に示すような構成において、仮に第3継手部材(65)を設けない場合には、第1吸着熱交換器(51)を引き出す際に、中央仕切板(73)側寄りの第4継手部材(66)の連結を解除する必要が生じる。第1吸着熱交換器(51)が第1熱交換器室(37)に設置された状態で第4継手部材(66)の連結を解除するのは容易ではない。また、同図に示すような構成において、仮に第4継手部材(66)を設けない場合、第1吸着熱交換器(51)を取り外した後、第2吸着熱交換器(52)をストレート配管(62b)と共にケーシング(11)の外部へ引き出す必要がある。この場合、ケーシング(11)の外部のメンテナンススペースの奥行きとして第2吸着熱交換器(52)とストレート配管(62b)とを合わせた引き出し方向の全長分が必要となる。
一方、上記実施形態のようにストレート配管(62b)の両端に継手部材(65,66)を設けることで、両継手部材(65,66)の連結や連結の解除作業も容易となり、しかもストレート配管(62b)を個別に引き出すことで、上記メンテナンススペースの奥行きも最小限に抑えることができる。
更に、全ての継手部材(64,65,66,67)を第1熱交換器室(37)に集約したことで、メンテナンス開口部側から各継手部材(64,65,66,67)の連結や連結の解除作業を容易に行うことができる。また、第1熱交換器室(37)では、第1下流側空間(37b)の幅寸法W1を第1上流側空間(37a)の幅寸法W2よりも大きくし(図3参照)、幅広となる第1下流側空間(37b)に全ての継手部材(64,65,66,67)を配置したので、これらの継手部材(64,65,66,67)の連結や連結作業を更に容易に行うことができる。
また、中央仕切板(73)に仕切板開口部(73a)を形成することで、中央仕切板(73)をケーシング(11)から取り外すことなく、第2吸着熱交換器(52)を仕切板開口部(73a)を通じて第1熱交換器室(37)に引き出すことができる。ここで、通常の設置状態の第2吸着熱交換器(52)では、その管板(60a)が仕切板開口部(73a)を閉塞する閉塞部材を兼ねているので、2つの熱交換器室(37,38)の間での空気の漏れを抑制できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
また、上記実施形態では、第1熱交換器室(37)において、その下流側の空間(37b)を上流側の空間(37a)よりも幅広とし、下流側の空間(37b)に各継手部材(64,65,66,67)を配置している。しかしながら、上流側の空間(37a)を下流側の空間(37b)よりも幅広とし、上流側の空間(37a)に継手部材(64,65,66,67)を配置するようにしても良い。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。