上述のように、上記調湿装置のケーシング内では、機内流路と吸着素子の空気通路との間を被処理空気が行き来する。このため、被処理空気が吸着素子をバイパスしてしまうのを防ぐため、ケーシング内に機内流路を形成する仕切り等と吸着素子の隙間を確実にシールする必要がある。つまり、レールを介してケーシングに吸着素子を取り付ける上記の構成を採った場合には、吸着素子とレールの隙間をシールする必要が生じる。
ところが、吸着素子はレールに沿ってスライド自在でなければならず、吸着素子とレールの間には、ある程度の隙間を設けざるを得ない。このため、吸着素子とレールの隙間を通って被処理空気の一部が吸着素子をバイパスしてしまい、これに起因して調湿装置の調湿性能が低下するという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸着素子のメンテナンス作業を煩雑化させることなく、被処理空気が吸着素子をバイパスするのを防止して調湿装置の調湿性能を向上させることにある。
上記の目的を達成するために、この発明では、吸着素子(81,82)をケーシング(10)から着脱可能な箱体(71,72)に収納するようにした。
具体的には、第1の発明では、ケーシング(10)と、吸着材及び空気通路(85,86)を備える吸着素子(81,82)とを備え、この吸着素子(81,82)を用いて被処理空気を調湿する調湿装置調湿装置を対象とする。
そして、上記ケーシング(10)内には、該ケーシング(10)の側壁部(18)に沿って立設されて該側壁部(18)との間に被処理空気の流れる機内流路(67,68)を形成する仕切板(30)と、該仕切板(30)と直交する方向ヘスライドしてケーシング(10)に対して着脱される箱体(71,72)とが設けられ、この箱体(71,72)は、その内部に上記吸着素子(81,82)が収納され、その内部に吸着素子(81,82)の空気通路(85,86)と連通する内部流路(51,52,…)が形成されると共に、そのスライド方向の端面に上記内部流路(51,52,…)と連通する開口部(31,32,…)が形成され、上記仕切板(30)には、上記箱体(71,72)の開口部(31,32,…)に接続して機内流路(67,68)を箱体(71,72)の内部流路(51,52,…)と連通させるための窓部が開口しており、上記箱体(71,72)と仕切板(30)の間は、上記開口部(31,32,…)の形成された箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接することによってシールされる構成とする。
上記の構成によると、ケーシング(10)内に箱体(71,72)が設置されている。この箱体(71,72)は、その内部に吸着素子(81,82)が設置されている。また、箱体(71,72)の開口部(31,32,…)は、仕切板(30)の窓部に接続されている。ケーシング(10)内では、仕切板(30)により形成された機内流路(67,68)と箱体(71,72)内の内部流路(51,52,…)との間で被処理空気が行き来する。その際、被処理空気は、箱体(71,72)の開口部(31,32,…)を通過する。調湿装置では、箱体(71,72)内の吸着素子(81,82)を通過する際に被処理空気の調湿が行われる。例えば、吸着素子(81,82)の吸着材に被処理空気中の水分を吸着させれば被処理空気が除湿され、吸着素子(81,82)の吸着材から脱離した水分を被処理空気に付与すれば被処理空気が加湿される。
この発明において、箱体(71,72)は、仕切板(30)と直交する方向ヘスライドすることにより、ケーシング(10)に対して着脱可能となっている。箱体(71,72)内の吸着素子(81,82)は、この箱体(71,72)と共にケーシング(10)に対して着脱される。この箱体(71,72)をケーシング(10)内へ押し込むと、箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接して箱体(71,72)と仕切板(30)の隙間が無くなり、箱体(71,72)と仕切板(30)の間がシールされる。つまり、開口部(31,32,…)が設けられた箱体(71,72)の端面と、窓部が設けられた仕切板(30)との間は、箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接することによってシールされる。
第2の発明では、ケーシング(10)内での被処理空気の流通経路を切り換えるため切換機構(21a,22a,…)を備え、室内へ供給する被処理空気の調湿を、第1の箱体(71)に収納された第1の吸着素子(81)と、第2の箱体(72)に収納された第2の吸着素子(82)とを交互に用いて行うように構成している。
上記の構成によると、切換機構(21a,22a,…)によってケーシング(10)内での被処理空気の流通経路を切り換えることで、ケーシング(10)内の機内流路(67,68)と箱体(71,72)内の内部流路(51,52,…)との間で被処理空気が行き来する。このことで、第1の箱体(71)内の第1の吸着素子(81)と、第2の箱体(72)内の第2の吸着素子(82)とを交互に用いて被処理空気の調湿が行われる。
第3の発明では、ケーシング(10)内において、第1及び第2の箱体(71,72)が仕切板(30)の長手方向に間隔をおいて並べられると共に、両箱体(71,72)の間に中央流路(57)が形成され、この中央流路(57)には、吸着素子(81,82)を再生するために該吸着素子(81,82)へ向かう被処理空気を加熱する加熱器(102)が配置されており、各箱体(71,72)は、中央流路(57)に臨む側面にも内部流路(51,52,…)と連通する開口部(61,62)が形成される構成とする。
上記の構成によると、ケーシング(10)内の第1及び第2の箱体(71,72)間に形成された中央流路(57)には、加熱器(102)が設けられている。また、箱体(71,72)のうち中央流路(57)に臨む側面には、開口部(61,62)が形成されている。加熱器(102)で加熱された被処理空気は、開口部(61,62)を通って中央流路(57)から箱体(71,72)内の内部流路(51,52,…)へ流れ込み、吸着素子(81,82)の空気通路(85)に流入する。加熱された被処理空気を吸着素子(81,82)へ供給すると、吸着材から水分が脱離して吸着素子(81,82)が再生される。
この発明では、仕切板(30)の長手方向に第1及び第2の箱体(71,72)を並べ、その間に形成された中央流路(57)に加熱器(102)を設けている。また、各箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接し、箱体(71,72)と仕切板(30)の間がシールされている。したがって、箱体(71,72)の端面と仕切板(30)の隙間が無くなり、機内流路(67,68)と中央流路(57)の間における被処理空気の行き来が阻止される。
第4の発明では、ケーシング(10)内には、箱体(71,72)をスライド自在に案内するレール部材(77)が設けられる構成とする。
上記の構成によると、箱体(71,72)はレール部材(77)を介してケーシング(10)に取り付けられる。この箱体(71,72)は、レール部材(77)によって案内され、仕切板(30)と直交する方向へスライドしてケーシング(10)に対して着脱される。
第5の発明では、箱体(71,72)は、スライド方向の手前側から奥側へ向かって幅と高さのいずれか一方又は両方が減少するテーパ形状に形成されるものとする。
上記の構成によると、箱体(71,72)は、外周の小さいスライド方向奥側からケーシング(10)内に挿入され、レール部材(77)によって案内されながらスライドして定位置に収納される。
第6の発明では、箱体(71,72)の開口部(21,22,…)には、該開口部(21,22,…)を開閉するためのダンパ(21a,22a,…)が設けられており、ダンパ(21a,22a,…)は、開口部(21,22,…)を開閉することによって被処理空気の流通経路を切り換える切換機構を構成する。
上記の構成によると、箱体(71,72)にダンパ(21a,22a,…)が設けられる。箱体(71,72)をケーシング(10)から取り出すとそれに伴ってダンパ(21a,22a,…)も同時にケーシング(10)から取り出される。このダンパ(21a,22a,…)の動作によって開口部(21,22,…)が開閉され、ケーシング(10)内における被処理空気の流通経路が切り換えられる。
第7の発明では、ダンパ(21a,22a,…)は、扉部材(91)と該扉部材(91)を駆動するための駆動モータ(92)とを備え、扉部材(91)を移動させて開口部(21,22,…)を開閉するように構成され、1つの箱体(71,72)に設けられた全てのダンパ(21a,22a,…)は、各ダンパ(21a,22a,…)の駆動モータ(92)に接続するリード線(73)の一端が1つの集合コネクタ(75)に接続される構成とする。
上記の構成によると、ダンパ(21a,22a,…)に扉部材(91)と駆動モータ(92)とが設けられている。駆動モータ(92)によって扉部材(91)を例えば回動させると、開口部(21,22,…)が開いた状態となるダンパ(21a,22a,…)の開状態と、開口部(21,22,…)が閉じた状態となるダンパ(21a,22a,…)の閉状態とが切り換わる。1つの箱体(71,72)に設けられた全てのダンパ(21a,22a,…)について、それぞれの駆動モータ(92)に接続するリード線(73)の一端は、1つの集合コネクタ(75)に接続される。そして、1つの箱体において、そこに設けられた全てのダンパ(21a,22a,…)の駆動モータ(92)には、各駆動モータ(92)に接続されたリード線(73)と1つの集合コネクタ(75)とを介して電力が供給される。
第8の発明では、リード線(73)は、集合コネクタ(75)と反対側の他端が接続コネクタ(93)を介して駆動モータ(92)に接続され、ダンパ(21a,22a,…)は、箱体(71,72)に対して着脱可能に取り付けられるものとする。
上記の構成によると、リード線(73)は、集合コネクタ(75)側の端部とその反対側の接続コネクタ(93)とで接続される。ダンパ(21a,22a,…)を箱体(71,72)に対して着脱する際には、接続コネクタ(93)だけを操作することによって、ダンパ(21a,22a,…)の駆動モータ(92)はリード線(73)に接続され、又はリード線(73)から切り離される。
上記第1の発明では、仕切板(30)と直交する方向ヘスライド可能な箱体(71,72)に吸着素子(81,82)を収納し、開口部(31,32,…)の設けられた箱体(71,72)の端面と窓部の設けられた仕切板(30)とを当接させることによって箱体(71,72)と仕切板(30)の間をシールしている。このため、吸着素子(81,82)をケーシング(10)に対して着脱自在とした上で、機内流路(67,68)を形成する仕切板(30)と、ケーシング(10)に対して着脱可能な箱体(71,72)との隙間を無くすことができる。そして、機内流路(67,68)と箱体(71,72)内の内部流路(51,52,…)との間を被処理空気が行き来する際において、仕切板(30)と箱体(71,72)の隙間へ被処理空気が漏れ込んで吸着素子(81,82)をバイパスしてしまうのを防止できる。したがって、この発明によれば、吸着素子(81,82)の交換等の作業を煩雑化させることなく、吸着素子(81,82)をバイパスする被処理空気の流れを阻止し、調湿装置の調湿性能を向上させることができる。
上記第2の発明では、切換機構(21a,22a,…)によってケーシング(10)内での被処理空気の流通経路を切り換え、第1の箱体(71)内の第1の吸着素子(81)と、第2の箱体(72)内の第2の吸着素子(82)とを交互に用いて室内へ供給する被処理空気の調湿を行っている。そして、いわゆるバッチ式の運転動作を行う調湿装置において、吸着素子(81,82)のメンテナンス作業を煩雑化させずに調湿能力を向上させることができる。
上記第3の発明では、それぞれの端面が仕切板(30)に当接する各箱体(71,72)の間に中央流路(57)を形成し、この中央流路(57)に加熱器(102)を配置している。そして、仕切板(30)と箱体(71,72)の端面とが当接しているため、仕切板(30)と箱体(71,72)の隙間を通って機内流路(67,68)と中央流路(57)の間で被処理空気が流れることはない。このため、加熱器(102)で加熱された被処理空気が中央流路(57)から機内流路(67,68)へ漏れ出したり、機内流路(67,68)から中央流路(57)へ漏れ込んだ空気が加熱器(102)で加熱された補処理空気に混入するのを防止できる。したがって、この発明によれば、加熱器(102)で加熱された被処理空気を吸着素子(81,82)へ確実に供給することができ、吸着素子(81,82)を効率的に再生することができる。
上記第4の発明では、ケーシング(10)内に箱体(71,72)をスライド自在に案内するレール部材(77)を設けている。そして、レール部材(77)に沿って箱体(71,72)が滑らかにスライドするため、箱体(71,72)の着脱が非常に容易となる。また、着脱の際には箱体(71,72)がレール部材(77)によってガイドされるため、ケーシング(10)内の所定の位置に箱体(71,72)を確実に設置することができる。
上記第5の発明では、箱体(71,72)をスライド方向の手前側から奥側へ向かって幅と高さのいずれか一方又は両方が減少するテーパ形状に形成している。このため、箱体(71,72)をケーシング(10)へ挿入しやすくなり、調湿装置に対して吸着素子(81,82)を着脱する際の作業工数を一層低減できる。
上記第6の発明では、切換機構を構成するダンパ(21a,22a,…)を箱体(71,72)に設けている。このため、ダンパ(21a,22a,…)の修理等を行う際には、箱体(71,72)と共にダンパ(21a,22a,…)をケーシング(10)から取り出すことが可能となる。したがって、この発明によれば、ダンパ(21a,22a,…)をケーシング(10)から容易に取り出してケーシング(10)外部でダンパ(21a,22a,…)の修理等を行うことができ、ダンパ(21a,22a,…)のメンテナンスが非常に容易となる。
上記第7の発明では、1つの箱体(71,72)に設けた全てのダンパ(21a,22a,…)の各駆動モータ(92)に接続するリード線(73)の一端を1つの集合コネクタ(75)に接続している。このため、1つの箱体(71,72)をケーシング(10)に対して着脱する際には、1つの集合コネクタ(75)を操作するだけで、その箱体(71,72)に設けられた全てのダンパ(21a,22a,…)の駆動モータ(92)を、電源等に対して一度に接続したり切り離したりすることができる。したがって、ダンパ(21a,22a,…)を箱体(71,72)に設けていても、箱体(71,72)の着脱作業が非常に容易となり、ダンパ(21a,22a,…)のメンテナンス作業の効率もよくなる。
上記第8の発明では、リード線(73)の集合コネクタ(75)と反対側の他端を接続コネクタ(93)を介して駆動モータ(92)に接続している。つまり、接続コネクタ(93)がない場合には、リード線(73)ごとダンパ(21a,22a,…)を着脱しなければならないが、本発明では、接続コネクタ(93)のみを操作するだけで各ダンパ(21a,22a,…)のみを箱体(71,72)に対して着脱することができる。したがって、ダンパ(21a,22a,…)の修理作業の効率を向上することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものでは全くない。
実施形態に係る調湿装置は、減湿された空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿された空気を室内へ供給する加湿運転とを切り換えて行うように構成されていて、例えば屋内の天井面に取り付けられる。また、この調湿装置は、冷媒回路と2つの吸着素子(81,82)とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。
ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図1〜図11を参照しながら説明する。なお、本実施形態の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図3に示す調湿装置を正面側(同図で下側)から見た場合のものを意味している。
また、図3〜図6において、(B)は正面図を表し、(A)及び(C)は、理解しやすくするために、それぞれ左側から見た左側仕切板(30)及び右側から見た右側仕切板(20)(箱体(71,72))を表している。
図1及び図2に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)には、2つの箱体(71,72)と、冷媒回路とが収納されている。同図において、理解しやすくするために、上側パネル(119)を一部破断して調湿装置の要部を示している。
図3に示すように、冷媒回路では、加熱器としての再生熱交換器(102)、第1熱交換器(103)、第2熱交換器(104)、圧縮機(101)、及び膨張弁が配管によって接続されている。なお、膨張弁及び配管の図示は省略する。この冷媒回路では、充填された冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。また、冷媒回路は、第1熱交換器(103)が蒸発器となる運転と、第2熱交換器(104)が蒸発器となる運転とを切換可能に構成されている。
上記ケーシング(10)において、最も手前側には第1パネル(11)が設けられ、該第1パネル(11)に対向する最も奥側の位置には第2パネル(12)が設けられている。また、上記ケーシング(10)において、第1パネル(11)に直交する右側の第3パネル(17)と、左側の第4パネル(18)が設けられている。また、上下の側面がケーシング(10)の下側パネル(19)及び上側パネル(119)によって覆われている。
上記第1パネル(11)には、その左端寄りの下部に第1吹出口(14)が形成され、その右端寄りの下部に第2吹出口(16)が形成されている。一方、第2パネル(12)には、その左端寄りに第2吸込口(15)が形成され、その右端寄りに第1吸込口(13)が形成されている。
図3に示すように、ケーシング(10)の内部は、手前側の第1パネル(11)から奥側の第2パネル(12)へ向かう方向において3つの空間に仕切られている。手前側の空間が上記第1吹出口(14)及び第2吹出口(16)に連通し、奥側の空間が第2吸込口(15)及び第1吸込口(13)に連通している。
ケーシング(10)の手前側(第1パネル(11)寄り)に形成された空間は、左右に2つの空間に仕切られている。この2つの空間のうち、右側の空間は第2吹出側流路(41)を構成し、左側の空間は第1吹出側流路(42)を構成している。第2吹出側流路(41)は、第1吹出側流路(42)よりも容積が大きい。
第2吹出側流路(41)は、第2吹出口(16)に連通している。この第2吹出側流路(41)には、第2吹出ファン(96)と圧縮機(101)と第2熱交換器(104)とが設置されている。第2吹出ファン(96)は、その吹出側を第2吹出口(16)に接続させるように上記第1パネル(11)の第2ファン点検用蓋(122)の内側面に取り付けられている。第2熱交換器(104)は、第2吹出ファン(96)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
一方、第1吹出側流路(42)は、第1吹出口(14)に連通している。この第1吹出側流路(42)には、第1吹出ファン(95)と第1熱交換器(103)とが設置されている。第1熱交換器(103)は、第1吹出ファン(95)へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
ケーシング(10)の奥側(第2パネル(12)寄り)に形成された空間は、吸込側仕切板(48)によって左右に仕切られている。吸込側仕切板(48)の右側の空間は吸込側右側流路(45)を構成している。吸込側右側流路(45)は、第1吸込口(13)に連通している。一方、吸込側仕切板(48)の左側の空間は吸込側左側流路(47)を構成している。吸込側左側流路(47)は、第2吸込口(15)に連通している。
ケーシング(10)の奥行き方向の中央に形成された空間には、左側仕切板(30)がケーシング(10)の第4パネル(18)に沿って立設されている。
左側仕切板(30)の左側の空間は、左側上下仕切板(38)によって上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が左上部流路(67)を構成し、下側の空間が左下部流路(68)を構成している。左上部流路(67)及び左下部流路(68)が機内流路を構成している。左上部流路(67)は、第1吹出側流路(42)と連通する一方、吸込側左側流路(47)から仕切られている。左下部流路(68)は、吸込側左側流路(47)と連通する一方、第1吹出側流路(42)から仕切られている。
図1及び図2に示すように、上記第1及び第2箱体(71,72)は、直方体状に形成されており、上記左側仕切板(30)にその長手方向を直交させる姿勢で、互いに所定の間隔をおいてケーシング(10)内に配置されている。また、第1箱体(71)は、手前側の第1パネル(11)寄りに、第2箱体(72)は奥側の第2パネル(12)寄りにそれぞれ設けられている。
上記第1,第2箱体(71,72)は、例えば板厚0.8mmの金属板に板金加工を施して構成されたものである。図11に示すように、第1,第2箱体(71,72)は、それぞれケーシング(10)の下側パネル(19)及び上側パネル(119)のそれぞれの内面に一対ずつ設けられたレール部材(77)に囲まれるようにして載置されている。この各レール部材(77)の内面における第1,第2箱体(71,72)との接触部分には、摩擦抵抗の小さい樹脂材料よりなる皮膜(78)が設けられている。なお、下側パネル(19)又は上側パネル(119)のいずれか一方にのみ一対のレール部材(77)を設けてもよい。
図3に示すように、第1及び第2箱体(71,72)の右側の空間は、右側上下仕切板(28)によって上下に仕切られている。そして、この空間は、上側の空間が右上部流路(65)を構成し、下側の空間が右下部流路(66)を構成している。右上部流路(65)は、第2吹出側流路(41)と連通する一方、吸込側右側流路(45)から仕切られている。右下部流路(66)は、吸込側右側流路(45)と連通する一方、第2吹出側流路(41)から仕切られている。
図3に示すように、上記各箱体(71,72)には、全体として直方体状ないし四角柱状に形成された吸着素子(81,82)がそれぞれ1つずつ収納されている。すなわち、第1の箱体(71)には、その奥側の側面の長手方向に沿って第1吸着素子(81)が収納され、第2の箱体(72)には、その手前側の側面の長手方向に沿って第2の吸着素子(82)が収納されている。
図8に示すように、上記吸着素子(81,82)は、平板状の平板部材(83)と波形状の波板部材(84)とを交互に積層して構成されている。波板部材(84)は、隣接する波板部材(84)の稜線方向が互いに90°ずれる姿勢で積層されている。
上記吸着素子(81,82)には、平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向において、空気通路としての調湿側通路(85)と冷却側通路(86)とが平板部材(83)を挟んで交互に区画形成されている。この吸着素子(81,82)において、平板部材(83)の長辺側の側面に調湿側通路(85)が開口し、平板部材(83)の短辺側の側面に冷却側通路(86)が開口している。
上記吸着素子(81,82)において、調湿側通路(85)に臨む平板部材(83)の表面や、調湿側通路(85)に設けられた波板部材(84)の表面には、水蒸気を吸着するための吸着材が塗布されている。この種の吸着材としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
図3に示すように、第1,第2吸着素子(81,82)は、それぞれにおける平板部材(83)及び波板部材(84)の積層方向が各箱体(71,72)の長手方向と一致する姿勢で各箱体(71,72)内に設置されている。この姿勢の各吸着素子(81,82)では、その上下の側面に調湿側通路(85)が開口し、その前後の側面に冷却側通路(86)が開口する一方、その左右の端面にはいずれの通路(85,86)も開口していない。
図2及び図7に示すように、箱体(71,72)の互いに向かい合う中央側の側面には、開口が設けられており、その開口から各吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)が露出している。
図7にも示すように、第1箱体(71)内の空間は、内部流路としての第1流路(51)、第1上部流路(53)、第1下部流路(54)に区画されている。同様に第2箱体(72)内の空間は、内部流路としての第2流路(52)、第2上部流路(55)、第2下部流路(56)に区画されている。
第1箱体(71)内の第1流路(51)は、第1吸着素子(81)の手前側に形成され、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)に連通している。第1上部流路(53)は、第1吸着素子(81)の上側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。第1下部流路(54)は、第1吸着素子(81)の下側に形成され、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。
第2箱体(72)内の第2流路(52)は、第2吸着素子(82)の奥側に形成され、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)に連通している。第2上部流路(55)は、第2吸着素子(82)の上側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。第2下部流路(56)は、第2吸着素子(82)の下側に形成され、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。
図1に示すように、第1箱体(71)と第2箱体(72)の間がケーシング(10)に立設された矩形板状の右側仕切板(20)と上記左側仕切板(30)によって中央流路(57)に区画されている。この右側仕切板(20)は、下側パネル(19)側又は上側パネル(119)側のいずれに設けてもよい。
上記中央流路(57)は、両吸着素子(81,82)の冷却側通路(86)に連通している。この中央流路(57)は、その内部に再生熱交換器(102)がほぼ垂直に立った状態で設置されており、この再生熱交換器(102)と該再生熱交換器(102)の周囲に設けられた枠体(39)とによって前後に仕切られている。この再生熱交換器(102)は、中央流路(57)を流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。そして、再生熱交換器(102)は、凝縮器として機能し、空気を加熱するための加熱器を構成している。なお、再生熱交換器(102)は、ほぼ水平に寝かせた状態で設置してもよい。
第1箱体(71)の中央流路(57)に臨む側面には左右方向に並ぶように1つずつ開口部(61)が設けられている。この各開口部(61)は、上記露出した第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)の下側に位置し、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)に連通している。各開口部(61)のそれぞれに1つずつ第1シャッタ(61a)が設けられている。一方、第2箱体(72)にも左右方向に並ぶように1つずつ開口部(62)が設けられている。この各開口部(62)は、上記露出した第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)の下側に位置し、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)に連通している。各開口部(62)のそれぞれに1つずつ第2シャッタ(62a)が設けられている。第1及び第2シャッタ(61a,62a)は、いずれもが開閉自在なダンパとして各箱体(71,72)に取り付けられている。
第1箱体(71)の左側仕切板(30)側の端面には、開口部としての第1左側開口(31)、第1左上開口(33)及び第1左下開口(34)が形成されている。これらの開口部(31,33,34)に対応して、左側仕切板(30)の手前側の部分には、窓部がそれぞれ設けられている。
第2箱体(72)の左側仕切板(30)側の端面には、開口部としての第2左側開口(32)、第2左上開口(35)及び第2左下開口(36)がそれぞれ形成されている。これらの開口部(32,35,36)に合わせて、左側仕切板(30)の奥側の部分には、窓部がそれぞれ設けられている。
そして、第1及び第2箱体(71,72)の各開口部(31,32,…)にはそれぞれダンパとしての開閉シャッタ(31a,32a,…)が取り付けられている。
第1左側開口(31)は、第1箱体(71)における手前側の下部に設けられている。第1左側開口(31)の開閉シャッタ(31a)が開いた状態では、第1流路(51)と左下部流路(68)が互いに連通する。第1左上開口(33)は、第1箱体(71)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1左上開口(33)の開閉シャッタ(33a)が開いた状態では、第1上部流路(53)と左上部流路(67)が互いに連通する。第1左下開口(34)は、第1箱体(71)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1左下開口(34)の開閉シャッタ(34a)が開いた状態では、第1下部流路(54)と左下部流路(68)が互いに連通する。
第2左側開口(32)は、第2箱体(72)における奥側の下部に設けられている。第2左側開口(32)の開閉シャッタ(32a)が開いた状態では、第2流路(52)と吸込側左側流路(47)が互いに連通する。第2左上開口(35)は、第2箱体(72)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2左上開口(35)の開閉シャッタ(35a)が開いた状態では、第2上部流路(55)と左上部流路(67)が互いに連通する。第2左下開口(36)は、第2箱体(72)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2左下開口(36)の開閉シャッタ(36a)が開いた状態では、第2下部流路(56)と左下部流路(68)が互いに連通する。
このとき、各箱体(71,72)と左側仕切板(30)の間は、上記開口部(31,32,…)の形成された箱体(71,72)の端面が左側仕切板(30)に当接することによってシールされている。つまり、この箱体(71,72)の端面と左側仕切板(30)とが面同士で接触している。なお、上記左側仕切板(30)の開口部(31,32,…)の周縁部にウレタン製のシール材(図示せず)を貼付すると、さらに上記シールの効果を向上させることができる。
第1箱体(71)の右端面には、第1右側開口(21)、第1右上開口(23)及び第1右下開口(24)が形成されている。第2箱体(72)の右端面には、第2右側開口(22)、第2右上開口(25)及び第2右下開口(26)が形成されている。そして、第1及び第2箱体(71,72)の各開口部(21,22,…)にはそれぞれダンパとしての開閉シャッタ(21a,22a,…)が取り付けられている。
なお、箱体(71,72)に取り付けられた上記第1及び第2シャッタ(61a,62a)と開閉シャッタ(21a,22a,…)には、それぞれが、扉部材(91)と該扉部材(91)を駆動するための駆動モータ(92)とを備え、該扉部材(91)を移動させて開口部(61,62,…)を開閉するように構成されている。
第1右側開口(21)は、第1箱体(71)における手前側の下部に設けられている。第1右側開口(21)の開閉シャッタ(21a)が開いた状態では、第1流路(51)と右下部流路(66)が互いに連通する。第1右上開口(23)は、第1箱体(71)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の上部に設けられている。第1右上開口(23)の開閉シャッタ(23a)が開いた状態では、第1上部流路(53)と右上部流路(65)が互いに連通する。第1右下開口(24)は、第1箱体(71)のうち第1吸着素子(81)に隣接する部分の下部に設けられている。第1右下開口(24)の開閉シャッタ(24a)が開いた状態では、第1下部流路(54)と右下部流路(66)が互いに連通する。
第2右側開口(22)は、第2箱体(72)における奥側の下部に設けられている。第2右側開口(22)の開閉シャッタ(22a)が開いた状態では、第2流路(52)と吸込側右側流路(45)が互いに連通する。第2右上開口(25)は、第2箱体(72)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の上部に設けられている。第2右上開口(25)の開閉シャッタ(25a)が開いた状態では、第2上部流路(55)と右上部流路(65)が互いに連通する。第2右下開口(26)は、第2箱体(72)のうち第2吸着素子(82)に隣接する部分の下部に設けられている。第2右下開口(26)の開閉シャッタ(26a)が開いた状態では、第2下部流路(56)と右下部流路(66)が互いに連通する。
図1及び図2にも示すように、各箱体(71,72)の上面には、右側仕切板(20)(第3パネル(17))寄りに配線用孔(74)がそれぞれ開口されている。各箱体(71,72)に設けられた全てのシャッタ(21a,22a,…)における各駆動モータ(92)のリード線(73)は、一旦全て各箱体(71,72)内に収納される。そして、各リード線(73)は、配線用孔(74)から箱体(71,72)外に延び、その端部は集合コネクタ(75)によって一箇所にまとめられている。この集合コネクタ(75)に制御板(図示せず)からの配線をつなぐようになっている。
この配線用孔(74)が各箱体(71,72)の上面に設けられていることで、箱体(71,72)内に水が浸入するのを防ぐことができる。
また、各箱体(71,72)に設けられた全てのシャッタ(21a,22a,…)の各駆動モータ(92)のリード線(73)は、集合コネクタ(75)と反対側の他端が接続コネクタ(93)を介して駆動モータに接続されている。
また、図2に示すように、各箱体(71,72)の右側(第3パネル(17)側)側面には、コ字状のハンドル(76)が設けられている。なお、その他の図面では、このハンドル(76)は省略されている。
図9に示すように、天井面(R)におけるケーシング(10)の第1パネル(11)近傍には、メンテナンス時に作業員により開閉される第1の点検用マンホール(H1)が設けられている。一方、天井面(R)におけるケーシング(10)の第3パネル(17)近傍には、メンテナンス時に作業員により開閉される第2の点検用マンホール(H2)が設けられている。
上記調湿装置は、第1吸込口(13)及び第2吹出口(16)が室外に連通して第2吸込口(15)及び第1吹出口(14)が室内に連通する状態で設置されている。このとき、第1パネル(11)において、第1吹出口(14)には室内側吹出用ダクト(114)が接続され、第2吹出口(16)には室外側吹出用ダクト(116)が接続されている。一方、第2パネル(12)の第1吸込口(13)には室外側吸込用ダクト(113)が接続され、第2吸込口(15)には室内側吸込用ダクト(115)が接続されている。なお、これらのダクト(113,114,…)は点検時に取り外しができるように板金製のものではなく、蛇腹状のフレキシブルなものにするのが望ましい。
図10に示すように、上記第1パネル(11)には、その一部がケーシング(10)から取り外し可能な第1ファン点検用蓋(121)と第2ファン点検用蓋(122)が設けられている。同様に第3パネル(17)には素子点検用蓋(131)が設けられている。なお、第1吹出ファン(95)は、その吹出側を第1吹出口(14)に接続させるように上記第1パネル(11)の第1ファン点検用蓋(121)の内側面に取り付けられている。また、右側上下仕切板(28)は右側パネルを構成する素子点検用蓋(131)の内側面に取り付けられており、メンテナンス時には素子点検用蓋(131)と共にケーシング(10)外に取り出される。
−運転動作−
上記調湿装置では、除湿運転と加湿運転とが切り換えて行われる。また、除湿運転中や加湿運転中において、調湿装置では、第1動作と第2動作とが交互に繰り返される。
《除湿運転》
図3,図4に示すように、除湿運転時において、第1吹出ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が第1吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、第1被処理空気として吸込側右側流路(45)へ流入する。一方、第2吹出ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が第2吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、第2空気として吸込側左側流路(47)へ流入する。
また、除湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第1熱交換器(103)が蒸発器となる一方、第2熱交換器(104)が休止している。
除湿運転の第1動作について、図3,図7を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第1吸着素子(81)で空気が減湿されると同時に、第2吸着素子(82)の吸着材が再生される。
図3に示すように、右側仕切板(20)側では、第1右下開口(24)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,23,26)が遮断状態となる。左側仕切板(30)側では、第1左側開口(31)と第1左上開口(33)とが連通状態となり、残りの開口(32,34,35,36)が遮断状態となる。また、第1シャッタ(61a)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62a)は開口状態となっている。
第1被処理空気は、吸込側右側流路(45)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右下開口(24)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、第2空気は、吸込側左側流路(47)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左側開口(31)を通って第1流路(51)へ流入する。
図7(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1被処理空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第1吸着素子(81)で減湿された第1被処理空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
一方、第1流路(51)の第2被処理空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2被処理空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2被処理空気は、中央流路(57)へ流入して再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2被処理空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
第1吸着素子(81)及び再生熱交換器(102)で加熱された第2被処理空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。吸着材から脱離した水蒸気は、第2被処理空気と共に第2上部流路(55)へ流入する。
図3に示すように、第1上部流路(53)へ流入した減湿後の第1被処理空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第1吹出側流路(42)へ流入する。この第1被処理空気は、第1吹出側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1被処理空気は、第1吹出口(14)に接続された室内側吹出用ダクト(114)を通って室内へ供給される。
一方、第2上部流路(55)へ流入した第2被処理空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第2吹出側流路(41)へ流入する。この第2被処理空気は、第2吹出側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2被処理空気は、第2吹出口(16)に接続された室外側吹出用ダクト(116)を通って室外へ排出される。
除湿運転の第2動作について、図4,図7を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、第2動作では、第2吸着素子(82)で空気が減湿されると同時に、第1吸着素子(81)の吸着材が再生される。
図4に示すように、右側仕切板(20)側では、第1右上開口(23)と第2右下開口(26)とが連通状態となり、残りの開口(21,22,24,25)が遮断状態となる。左側仕切板(30)側では、第2左側開口(32)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,33,34,36)が遮断状態となる。また、第2シャッタ(62a)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61a)は開口状態となっている。
第1被処理空気は、吸込側右側流路(45)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第2右下開口(26)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、第2被処理空気は、吸込側左側流路(47)から第2左側開口(32)を通って第2流路(52)へ流入する。
図7(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1被処理空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第2吸着素子(82)で減湿された第1被処理空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
一方、第2流路(52)の第2被処理空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2被処理空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2被処理空気は、中央流路(57)へ流入して再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2被処理空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
第2吸着素子(82)及び再生熱交換器(102)で加熱された第2被処理空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。吸着材から脱離した水蒸気は、第2被処理空気と共に第1上部流路(53)へ流入する。
図4に示すように、第2上部流路(55)へ流入した減湿後の第1被処理空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第1吹出側流路(42)へ流入する。この第1被処理空気は、第1吹出側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第1被処理空気は、第1吹出口(14)に接続された室内側吹出用ダクト(114)を通って室内へ供給される。
一方、第1上部流路(53)へ流入した第2被処理空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第2吹出側流路(41)へ流入する。この第2被処理空気は、第2吹出側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過する。その際、第2熱交換器(104)は休止しており、第2被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、第1吸着素子(81)の冷却と第2吸着素子(82)の再生に利用された第2被処理空気は、第2吹出口(16)に接続された室外側吹出用ダクト(116)を通って室外へ排出される。
《加湿運転》
図5,図6に示すように、加湿運転時において、第1吹出ファン(95)を駆動すると、室外空気(OA)が第1吸込口(13)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室外空気は、第2被処理空気として吸込側右側流路(45)へ流入する。一方、第2吹出ファン(96)を駆動すると、室内空気(RA)が第2吸込口(15)を通じてケーシング(10)内に取り込まれる。この室内空気は、第1被処理空気として吸込側左側流路(47)へ流入する。
また、加湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器(102)が凝縮器となり、第2熱交換器(104)が蒸発器となる一方、第1熱交換器(103)が休止している。
加湿運転の第1動作について、図5,図7を参照しながら説明する。この第1動作では、第1吸着素子(81)についての吸着動作と、第2吸着素子(82)についての再生動作とが行われる。つまり、第1動作では、第2吸着素子(82)で空気が加湿され、第1吸着素子(81)の吸着材が水蒸気を吸着する。
図5に示すように、右側仕切板(20)側では、第1右側開口(21)と第1右上開口(23)とが連通状態となり、残りの開口(22,24,25,26)が遮断状態となる。左側仕切板(30)側では、第1左下開口(34)と第2左上開口(35)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,33,36)が遮断状態となる。また、第1シャッタ(61a)は閉鎖状態となり、第2シャッタ(62a)は開口状態となっている。
第1被処理空気は、吸込側左側流路(47)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第1左下開口(34)を通って第1下部流路(54)へ流入する。一方、第2被処理空気は、吸込側右側流路(45)から右下部流路(66)へ流入し、その後に第1右側開口(21)を通って第1流路(51)へ流入する。
図7(a)にも示すように、第1下部流路(54)の第1被処理空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第1吸着素子(81)で水分を奪われた第1被処理空気は、第1上部流路(53)へ流入する。
一方、第1流路(51)の第2被処理空気は、第1吸着素子(81)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2被処理空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2被処理空気は、中央流路(57)へ流入して再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2被処理空気は、中央流路(57)から第2下部流路(56)へ流入する。
第1吸着素子(81)及び再生熱交換器(102)で加熱された第2被処理空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第2吸着素子(82)の再生が行われる。そして、吸着材から脱離した水蒸気が第2被処理空気に付与され、第2被処理空気が加湿される。第2吸着素子(82)で加湿された第2被処理空気は、その後に第2上部流路(55)へ流入する。
図5に示すように、第2上部流路(55)へ流入した第2被処理空気は、第2左上開口(35)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第1吹出側流路(42)へ流入する。この第2被処理空気は、第1吹出側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2被処理空気は、第1吹出口(14)に接続された室内側吹出用ダクト(114)を通って室内へ供給される。
一方、第1上部流路(53)へ流入した第1被処理空気は、第1右上開口(23)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第2吹出側流路(41)へ流入する。この第1被処理空気は、第2吹出側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1被処理空気は、第2吹出口(16)に接続された室外側吹出用ダクト(116)を通って室外へ排出される。
加湿運転の第2動作について、図6,図7を参照しながら説明する。この第2動作では、第1動作時とは逆に、第2吸着素子(82)についての吸着動作と、第1吸着素子(81)についての再生動作とが行われる。つまり、この第2動作では、第1吸着素子(81)で空気が加湿され、第2吸着素子(82)の吸着材が水蒸気を吸着する。
図6に示すように、右側仕切板(20)側では、第2右側開口(22)と第2右上開口(25)とが連通状態となり、残りの開口(21,23,24,26)が遮断状態となる。左側仕切板(30)側では、第1左上開口(33)と第2左下開口(36)とが連通状態となり、残りの開口(31,32,34,35)が遮断状態となる。また、第2シャッタ(62a)は閉鎖状態となり、第1シャッタ(61a)は開口状態となる。
第1被処理空気は、吸込側左側流路(47)から左下部流路(68)へ流入し、その後に第2左下開口(36)を通って第2下部流路(56)へ流入する。一方、第2被処理空気は、吸込側右側流路(45)から第2右側開口(22)を通って第2流路(52)へ流入する。
図7(b)にも示すように、第2下部流路(56)の第1被処理空気は、第2吸着素子(82)の調湿側通路(85)へ流入する。この調湿側通路(85)を流れる間に、第1被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第2吸着素子(82)で水分を奪われた第1被処理空気は、第2上部流路(55)へ流入する。
一方、第2流路(52)の第2被処理空気は、第2吸着素子(82)の冷却側通路(86)へ流入する。この冷却側通路(86)を流れる間に、第2被処理空気は、調湿側通路(85)で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第2被処理空気は、中央流路(57)へ流入して再生熱交換器(102)を通過する。その際、再生熱交換器(102)では、第2被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第2被処理空気は、中央流路(57)から第1下部流路(54)へ流入する。
第2吸着素子(82)及び再生熱交換器(102)で加熱された第2被処理空気は、第1吸着素子(81)の調湿側通路(85)へ導入される。この調湿側通路(85)では、第2被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第1吸着素子(81)の再生が行われる。そして、吸着材から脱離した水蒸気が第2被処理空気に付与され、第2被処理空気が加湿される。第1吸着素子(81)で加湿された第2被処理空気は、その後に第1上部流路(53)へ流入する。
図6に示すように、第1上部流路(53)へ流入した第2被処理空気は、第1左上開口(33)を通って左上部流路(67)へ流入し、その後に第1吹出側流路(42)へ流入する。この第2被処理空気は、第1吹出側流路(42)を流れる間に第1熱交換器(103)を通過する。その際、第1熱交換器(103)は休止しており、第2被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第2被処理空気は、第1吹出口(14)に接続された室内側吹出用ダクト(114)を通って室内へ供給される。
一方、第2上部流路(55)へ流入した第1被処理空気は、第2右上開口(25)を通って右上部流路(65)へ流入し、その後に第2吹出側流路(41)へ流入する。この第1被処理空気は、第2吹出側流路(41)を流れる間に第2熱交換器(104)を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第1被処理空気は、第2吹出口(16)に接続された室外側吹出用ダクト(116)を通って室外へ排出される。
−メンテナンス−
次に、本実施形態の調湿装置のメンテナンス方法について説明する。図9に示すように、調湿装置のメンテナンスを行う際に、第1及び2吸着素子(81,82)を取り出すときには、作業員は第2点検用マンホール(H2)を開ける。このことにより調湿装置の第3パネル(17)側での作業が可能となる。第1及び第2箱体(71,72)を取り出すには、図2に示すように、第3パネル(17)の素子点検用蓋(131)を右側上下仕切板(28)と共に右側に引き出してケーシング(10)外に取り出す。
次いで、各箱体(71,72)の集合コネクタ(75)に接続された制御板からの配線を切り離す。
続いて第1箱体(71)に設けられたハンドル(76)をつかんで右側に引き出して第1箱体(71)をケーシング(10)外に取り出す。その際には、第1箱体(71)に一体に取り付けられた各開口部(21,23,…)の開閉シャッタ(21a,23a,…)と第1シャッタ(61a)も共にケーシング(10)から取り出される。
第2箱体(72)を取り出すには、第2箱体(72)に設けられたハンドル(76)をつかんで右側に引き出してケーシング(10)外に取り出す。その際には、第2吸着素子(82)と一体に取り付けられた各開口部(22,25,…)の開閉シャッタ(22a,25a,…)と第2シャッタ(62a)も共にケーシング(10)から取り出される。
このようにして取り出された各箱体(71,72)から吸着素子(81,82)を取り出してメンテナンスする。例えば、各箱体(71,72)の上面を着脱可能とすればよい。各箱体(71,72)の上面を取り外すことで、吸着素子(81,82)を箱体(71,72)の上側から箱体(71,72)外に取り出せる。
また、各シャッタ(21a,22a,…)をメンテナンスするときには、その接続コネクタ(93)を取り外し、各箱体(71,72)から各シャッタ(21a,22a,…)をそれぞれ取り外す。このように、各シャッタ(21a,22a,…)及びその駆動モータ(92)は箱体(71,72)の外側から着脱される。
メンテナンスの終了後に各箱体(71,72)をケーシング(10)内に戻すには、上記と逆の手順を取ればよい。最後に各箱体(71,72)をケーシング(10)内へ押し込むきには、と、箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接して箱体(71,72)と仕切板(30)の隙間が無くなり、箱体(71,72)と仕切板(30)の間がシールされる。つまり、開口部(31,32,…)が設けられた箱体(71,72)の端面と、窓部が設けられた仕切板(30)との間は、箱体(71,72)の端面が仕切板(30)に当接することによってシールされる。
なお、ファン(95,96)や圧縮機(101)を取り出すには、作業員は第1点検用マンホール(H1)を開ける。このことにより調湿装置の第1パネル(11)側での作業が可能となる。そして、図2に示すように、ケーシング(10)から第1ファン点検用蓋(121)を取り外すと、図2に矢印で示すように、第1ファン点検用蓋(121)に取り付けられた第1吹出ファン(95)がケーシング(10)外に取り出される。また、ケーシング(10)から第2ファン点検用蓋(122)を取り外すと、第2ファン点検用蓋(122)に取り付けられた第2吹出ファン(96)がケーシング(10)外に取り出される。さらに、圧縮機(101)がケーシング(10)の開口から取り出される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、仕切板(30)と直交する方向ヘスライド可能な箱体(71,72)に吸着素子(81,82)を収納し、開口部(31,32,…)の設けられた箱体(71,72)の端面と窓部の設けられた仕切板(30)とを当接させることによって箱体(71,72)と仕切板(30)の間をシールしている。このため、吸着素子(81,82)をケーシング(10)に対して着脱自在とした上で、機内流路(67,68)を形成する仕切板(30)と、ケーシング(10)に対して着脱可能な箱体(71,72)との隙間を無くすことができる。そして、機内流路(67,68)と箱体(71,72)内の内部流路(51,52,…)との間を被処理空気が行き来する際において、仕切板(30)と箱体(71,72)の隙間へ被処理空気が漏れ込んで吸着素子(81,82)をバイパスしてしまうのを防止できる。したがって、この発明によれば、吸着素子(81,82)の交換等の作業を煩雑化させることなく、吸着素子(81,82)をバイパスする被処理空気の流れを阻止し、調湿装置の調湿性能を向上させることができる。
また、本実施形態では、切換機構(21a,22a,…)によってケーシング(10)内での被処理空気の流通経路を切り換え、第1の箱体(71)内の第1の吸着素子(81)と、第2の箱体(72)内の第2の吸着素子(82)とを交互に用いて室内へ供給する被処理空気の調湿を行っている。そして、いわゆるバッチ式の運転動作を行う調湿装置において、吸着素子(81,82)のメンテナンス作業を煩雑化させずに調湿能力を向上させることができる
また、本実施形態では、それぞれの端面が仕切板(30)に当接する各箱体(71,72)の間に中央流路(57)を形成し、この中央流路(57)に加熱器(102)を配置している。そして、仕切板(30)と箱体(71,72)の端面とが当接しているため、仕切板(30)と箱体(71,72)の隙間を通って機内流路(67,68)と中央流路(57)の間で被処理空気が流れることはない。このため、加熱器(102)で加熱された被処理空気が中央流路(57)から機内流路(67,68)へ漏れ出したり、機内流路(67,68)から中央流路(57)へ漏れ込んだ空気が加熱器(102)で加熱された補処理空気に混入するのを防止できる。したがって、この発明によれば、加熱器(102)で加熱された被処理空気を吸着素子(81,82)へ確実に供給することができ、吸着素子(81,82)を効率的に再生することができる。
することができる。このことで吸着素子(81,82)を効率的に再生することができる。
また、本実施形態では、ケーシング(10)内に箱体(71,72)をスライド自在に案内するレール部材(77)を設けている。そして、レール部材(77)に沿って箱体(71,72)が滑らかにスライドするため、箱体(71,72)の着脱が非常に容易となる。また、着脱の際には箱体(71,72)がレール部材(77)によってガイドされるため、ケーシング(10)内の所定の位置に箱体(71,72)を確実に設置することができる。
また、本実施形態では、切換機構を構成するダンパ(21a,22a,…)を箱体(71,72)に設けている。このため、ダンパ(21a,22a,…)の修理等を行う際には、箱体(71,72)と共にダンパ(21a,22a,…)をケーシング(10)から取り出すことが可能となる。したがって、この発明によれば、ダンパ(21a,22a,…)をケーシング(10)から容易に取り出してケーシング(10)外部でダンパ(21a,22a,…)の修理等を行うことができ、ダンパ(21a,22a,…)のメンテナンスが非常に容易となる。
また、本実施形態では、1つの箱体(71,72)に設けた全てのダンパ(21a,22a,…)の各駆動モータ(92)に接続するリード線(73)の一端を1つの集合コネクタ(75)に接続している。このため、1つの箱体(71,72)をケーシング(10)に対して着脱する際には、1つの集合コネクタ(75)を操作するだけで、その箱体(71,72)に設けられた全てのダンパ(21a,22a,…)の駆動モータ(92)を、電源等に対して一度に接続したり切り離したりすることができる。したがって、ダンパ(21a,22a,…)を箱体(71,72)に設けていても、箱体(71,72)の着脱作業が非常に容易となり、ダンパ(21a,22a,…)のメンテナンス作業の効率もよくなる。
また、本実施形態では、リード線(73)の集合コネクタ(75)と反対側の他端を接続コネクタ(93)を介して駆動モータ(92)に接続している。このため、接続コネクタ(93)がない場合には、リード線(73)ごとダンパ(21a,22a,…)を着脱しなければならないが、本発明では、接続コネクタ(93)のみを操作するだけで各ダンパ(21a,22a,…)のみを箱体(71,72)に対して着脱することができる。したがって、ダンパ(21a,22a,…)の修理作業の効率を向上することができる。
−実施形態の変形例−
本実施形態の変形例では、第1,第2箱体(71,72)をケーシング(10)の右側から左側へ向かってその長手方向に直交する前後の幅が徐々に減少するテーパ形状に形成してもよい。このとき、第1,第2箱体(71,72)は、ケーシング(10)の右側から左側へ向かってその高さが徐々に減少するようにしてもよい。又は、右側から左側へ向かって幅と高さの両方が減少するテーパ形状に形成してもよい。要は、この箱体(71,72)をその長手方向に直交する断面で切断した断面積がスライド方向の手前側から奥側へ向かって徐々に減少するように箱体(71,72)を形成すればよい。このようにすることで、箱体(71,72)をケーシング(10)へ挿入しやすくなり、調湿装置に対して吸着素子(81,82)を着脱する際の作業工数を一層低減できる。このとき、レール部材(77)も箱体(71,72)の形状に合わせてテーパ形状にする等により、レール部材(77)間の距離を調整するとよい。
上記実施形態では、右側仕切板(20)と、素子点検用蓋(131)及び右側上下仕切板(28)とを別体のものとしたが、本実施形態の別の変形例では、図12に示すように、素子点検用蓋(131)、右側仕切板(20)及び右側上下仕切板(28)をビス止め式の一体型のものとしてもよい。
本実施形態のまた別の変形例では、第1,第2吸着素子(81,82)を、それぞれ長手方向中央部で2分割すると共に、第1,第2箱体(71,72)を長手方向中央部で2分割してもよい。そうすることで、第1,第2吸着素子(81,82)のメンテナンス時に、その分割された箱体(71,72)ごとケーシング(10)に対して第1,第2吸着素子(81,82)が着脱される。
上記実施形態では、第3パネル(17)に素子点検用蓋(131)を設けているが、第4パネル(18)側に素子点検用蓋(131)を設けてもよい。このときは、上記実施形態の左側仕切板(30)を右側に配置し、右側仕切板(20)を左側に配置すればよい。調湿装置の設置状態に合わせてどちらからも取り出せるように構成してもよい。
本実施形態のまた別の変形例では、ケーシング(10)内に1つの箱体(71)のみを配置してその内部に1つの吸着素子(81)を設けてもよい。この場合には、吸着素子(81)の吸着材に被処理空気中の水分を吸着させる動作と吸着素子(81)の吸着材から水分を脱離させる動作とを交互に行って被処理空気の調湿が行われる。ただし、吸着素子(81)が1つしかないため、除湿や加湿が間欠的になる。
上記実施形態では、再生熱交換器(102)を冷媒回路に接続し、再生熱交換器(102)で冷媒と被処理空気を熱交換させ、冷媒の凝縮熱によって被処理空気を加熱しているが、これに代えて、次のような構成を採ってもよい。
つまり、再生熱交換器(102)へ温水を供給し、再生熱交換器(102)で温水と被処理空気を熱交換させることによって被処理空気を加熱するようにしてもよい。この場合には、第1熱交換器(103)や第2熱交換器(104)、圧縮機(101)等を備える冷媒回路は省略され、温水の循環路に接続された再生熱交換器(102)だけが設けられる。また、加熱器を電気ヒータで構成し、この電気ヒータで被処理空気を加熱するようにしてもよい。