JP2004333017A - 調湿装置 - Google Patents

Abstract

【課題】第１及び第２のファン（９５，９６）により中空のケーシング（１０）内で第１及び第２の被処理空気を流通させると共に、ケーシング（１０）内での被処理空気の流通経路を切り換えることにより、第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）とを交互に用いて室内へ供給される被処理空気の除湿又は加湿を行う調湿装置において、サイズを小さくして設置自由度を高くする。
【解決手段】扁平な直方体状に形成されたケーシング（１０）内に、第１の吸着素子（８１）を第２側壁部（１２）寄りに配置して該第１の吸着素子（８１）の第１側壁部（１１）側に第１のファン（９５）を配置すると共に、第２の吸着素子（８２）の第１側壁部（１１）寄りに配置して該第２の吸着素子（８２）の第２側壁部（１２）側に第２のファン（９６）を配置する。
【選択図】 図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気の湿度調節を行う調湿装置に関する技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、吸着材を用いて空気の湿度調節を行う調湿装置が知られている。例えば、特許文献１に開示されている調湿装置では、第１及び第２のファンにより中空のケーシング内で第１及び第２の被処理空気が流通される。ケーシング内では、被処理空気の流通経路が切り換えられて各吸着素子で吸着と脱離が交互に行われる。そして、上記調湿装置は、第１の吸着素子と第２の吸着素子とを交互に用い、室内へ供給される被処理空気の除湿又は加湿を行うように構成されている。
【０００３】
特許文献１の調湿装置において、吸着素子には、吸着側の空気通路と冷却側の空気通路とが複数ずつ形成される。この調湿装置において、第１の吸着素子には第１の被処理空気が供給され、第２の吸着素子には第２の被処理空気が供給される。そして、第１の吸着素子で第１の被処理空気中の水分が吸着材に吸着される。その際、吸着側の空気通路で生じた吸着熱は、冷却側の空気通路を流れる第２の被処理空気に吸熱される。また、第２の吸着素子では、加熱されて高温となった第２の被処理空気によって吸着材が再生される。この状態が暫く続いた後に、今度は第１の吸着素子へ第２の被処理空気が供給されて第２の吸着素子へ第１の被処理空気が供給される。上記調湿装置は、この２つの動作を交互に繰り返し、除湿された第１の被処理空気を室内へ供給する運転や、加湿された第２の被処理空気を室内へ供給する運転を行う。
【０００４】
【特許文献１】
特開２００２−２２２０６号公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような調湿装置は、屋内の天井裏や廊下の床下に設けられることが多いため、そのケーシングは通常、扁平な直方体状に形成される。また、２つの吸着素子は、ケーシングの形状に合わせてそれぞれ直方体状に形成される。この２つの吸着素子は一般に各々の長手方向中心部を揃えるように、互いに平行に並んでケーシング内に配置される。ケーシング内における２つの吸着素子の間には、吸着素子を再生するために、この吸着素子へ向かう被処理空気を加熱する加熱器が設置される。
【０００６】
上記調湿装置では、例えばケーシングの長手方向に直交する一対の側壁部のうちいずれか一方に第１の被処理空気を取り入れる吸込口と第２の被処理空気を吹き出す排気口とが設けられ、他方に第２の被処理空気を取り入れる吸込口と第１の被処理空気を吹き出す排気口とが設けられる。また上記調湿装置では、ケーシング内で２種類の被処理空気の一方が他方へ混入するのを防ぐために、第１及び第２のファンをそれぞれ上記いずれかの排気口側に設け、ケーシング内の全体を陰圧に保っている。
【０００７】
このとき、上記ケーシング内では、一方の側壁部と吸着素子の間に一方のファンが配置され、反対側の側壁部を吸着素子の間に他方のファンが配置される。このため、これらのファン及び吸着素子の設置スペースを確保しようとすると、ケーシングが長細いものとなる。
【０００８】
そして、調湿装置のケーシングが長細い形状になると、その長手方向に対して大きな設置スペースを必要とし、設置場所が限られてしまうという問題があった。
【０００９】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ケーシング内の機器の配置に工夫を加えることにより、サイズが小さくて設置自由度の高い調湿装置を提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項１の発明では、第１及び第２のファン（９５，９６）により中空のケーシング（１０）内で第１及び第２の被処理空気を流通させると共に、ケーシング（１０）内での被処理空気の流通経路を切り換えることにより、第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）とを交互に用いて室内へ供給される被処理空気の除湿又は加湿を行う調湿装置を対象とする。
【００１１】
そして、上記ケーシング（１０）は、扁平な直方体状に形成されて該ケーシング（１０）の長手方向に直交する第１側壁部（１１）及び第２側壁部（１２）を備えており、上記第１及び第２の吸着素子（８１，８２）は、それぞれが直方体状に形成されてケーシング（１０）の長手方向に沿うように互いに平行に並んでケーシング（１０）内に配置され、このケーシング（１０）内における第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）との間には、吸着素子（８１，８２）を再生するために該吸着素子（８１，８２）へ向かう被処理空気を加熱する加熱器（１０２）が設置される一方、ケーシング（１０）内では、第１の吸着素子（８１）が第２側壁部（１２）寄りに配置されて第１の吸着素子（８１）の第１側壁部（１１）側に第１のファン（９５）が配置されると共に、第２の吸着素子（８２）が第１側壁部（１１）寄りに配置されて第２の吸着素子（８２）の第２側壁部（１２）側に第２のファン（９６）が配置される構成とする。
【００１２】
上記の構成によると、第１及び第２のファン（９５，９６）の作用により中空のケーシング（１０）内に第１及び第２の被処理空気が取り入れられる。そして、ケーシング（１０）内での被処理空気の流通経路を切り換えることで、室内へ供給する被処理空気を除湿し又は加湿するために、第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）とが交互に用いられる。
【００１３】
この発明の調湿装置では、第１及び第２の吸着素子（８１，８２）がそれぞれ直方体状に形成される。この第１及び第２の吸着素子（８１，８２）は、扁平な直方体状ケーシング（１０）内に、その長手方向に沿って互いに平行に並んで配置される。そして、ケーシング（１０）内では、第２側壁部（１２）寄りに配置された第１の吸着素子（８１）と第１側壁部（１１）との間の空間に第１のファン（９５）が配置され、第１側壁部（１１）寄りに配置された第２の吸着素子（８２）と第２側壁部（１２）の間の空間に第２のファン（９６）が配置される。つまり、ケーシング（１０）内において、第１及び第２の吸着素子（８１，８２）は、ケーシング（１０）の長手方向にずらされた状態で配置されている。
【００１４】
請求項２の発明では、ケーシング（１０）は、第１のファン（９５）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（２２１）と、第２のファン（９６）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（２３１）とを備えるものとする。
【００１５】
上記の構成によると、第１の点検用蓋（２２１）を開くことにより、第１のファン（９５）及び第１の吸着素子（８１）がケーシング（１０）から取り出される。また、第２の点検用蓋（２３１）を開くことにより、第２のファン（９６）及び第２の吸着素子（８２）がケーシング（１０）から取り出される。
【００１６】
また、請求項３の発明では、ケーシング（１０）は、第１のファン（９５）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（１２１）と、第２のファン（９６）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（１３１）とを備える。
【００１７】
上記の構成によると、第１の点検用蓋（１２１）を開くことにより、第１のファン（９５）及び第２の吸着素子（８２）がケーシング（１０）から取り出される。また、第２の点検用蓋（１３１）を開くことにより、第２のファン（９６）及び第１の吸着素子（８１）がケーシング（１０）から取り出される。
【００１８】
請求項４の発明では、ケーシング（１０）は、第１の被処理空気を該ケーシング（１０）内へ導入するためのダクトと、第１の被処理空気を該ケーシング（１０）内から導出するためのダクトと、第２の被処理空気を該ケーシング（１０）内へ導入するためのダクトと、第２の被処理空気を該ケーシング（１０）内から導出するためのダクトとが接続可能に構成されており、ケーシング（１０）では、４つのダクトのうち２つのダクトの接続箇所が第１側壁部（１１）に形成され、残り２つのダクトの接続箇所が第２側壁部（１２）に形成され、第１の点検用蓋（１２１）がケーシング（１０）の第１側壁部（１１）に設けられ、第２の点検用蓋（１３１）がケーシング（１０）の第２側壁部（１２）に設けられる構成とする。
【００１９】
このような室内及び室外とケーシング（１０）内とを接続する４つのダクトは、そのうちのいずれか２つが第１側壁部（１１）に接続され、残りの２つが第２側壁部（１２）に接続される。さらに、点検用蓋（１２１，１３１）は、ダクトの接続される第１側壁部（１１）及び第２側壁部（１２）に設けられる。
【００２０】
請求項５の発明では、第１のファン（９５）が第１の点検用蓋の内側面に取り付けられ、第２のファン（９６）が第２の点検用蓋の内側面に取り付けられるものとする。
【００２１】
この構成によると、第１の点検用蓋を開く際には、この第１の点検用蓋の移動に伴って第１のファン（９５）がケーシング（１０）から取り出される。また第２の点検用蓋を開く際には、この第２の点検用蓋の移動に伴って第２のファン（９６）がケーシング（１０）から取り出される。
【００２２】
請求項６の発明では、ケーシング（１０）内には、被処理空気の流通経路を切り換えるためのダンパ（２１ａ，２２ａ，…）が設けられる一方、ダンパ（２１ａ，２２ａ，…）は点検用蓋を開いた状態で吸着素子（８１，８２）と共にケーシング（１０）から取り出し可能となるように、吸着素子（８１，８２）と一体に取り付けられるものとする。
【００２３】
上記の構成によると、ケーシング（１０）内に設けられたダンパ（２１ａ，２２ａ，…）により、ケーシング（１０）内での被処理空気の流通経路が切り換えられる。このダンパ（２１ａ，２２ａ，…）は、吸着素子（８１，８２）と一体に取り付けられている。点検時に点検用蓋を開いて吸着素子（８１，８２）を取り出す際には、この吸着素子（８１，８２）と共にダンパ（２１ａ，２２ａ，…）もケーシング（１０）から取り出される。
【００２４】
請求項７の発明では、加熱器（１０２）が凝縮器として接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える一方、冷媒回路の圧縮機（１０１）は、点検用蓋を開いた状態でケーシング（１０）から取り出し可能となるように、ケーシング（１０）内における第１又は第２のファン（９５，９６）の近傍に配置される構成とする。
【００２５】
上記の構成によると、凝縮器としての加熱器（１０２）と圧縮機（１０１）とが接続された冷媒回路で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この圧縮機（１０１）は、ケーシング（１０）内における第１又は第２のファン（９５，９６）の近傍に配置される。ファンを取り出し可能とするための点検用蓋を開くと、その近傍に配置された圧縮機（１０１）もケーシング（１０）から取り出し可能となる。
【００２６】
請求項８の発明では、冷媒回路には、冷凍サイクル中に蒸発器として機能し得る２つの熱交換器（１０３，１０４）が設けられ、第１及び第２のファン（９５，９６）は、それぞれの吹出側がケーシング（１０）に開口する被処理空気の排気口（１４，１６）に接続され、ケーシング（１０）内では、冷媒回路の２つの熱交換器（１０３，１０４）のうち一方が第１のファン（９５）の吸気側近傍に、他方が第２のファン（９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置される構成とする。
【００２７】
上記の構成によると、冷媒回路に設けられた２つの熱交換器（１０３，１０４）が、調湿装置の運転に応じて適宜蒸発器として機能する。第１及び第２のファン（９５，９６）は、それぞれの吹出側がケーシング（１０）に開口する被処理空気の排気口（１４，１６）に接続される。熱交換器（１０３，１０４）のうち一方が第１のファン（９５）の吸気側近傍に、他方が第２のファン（９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置される。つまり、各熱交換器（１０３，１０４）は各ファン（９５，９６）の上流側に配置される。
【００２８】
【発明の実施の形態】
（実施形態１）
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示に過ぎず、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものでは全くない。
【００２９】
実施形態１に係る調湿装置は、減湿された空気を室内へ供給する除湿運転と、加湿された空気を室内へ供給する加湿運転とを切り換えて行うように構成されていて、例えば屋内の天井面（Ｒ）に取り付けられる。また、この調湿装置は、冷媒回路と２つの吸着素子（８１，８２）とを備え、いわゆるバッチ式の動作を行うように構成されている。
【００３０】
ここでは、本実施形態に係る調湿装置の構成について、図１，図６を参照しながら説明する。なお、本実施形態の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図１に示す調湿装置を正面側から見た場合のものを意味している。
【００３１】
なお、図１〜図４において、理解しやすくするために、右側面図及び左側面図はそれぞれ右側から見た後述する右側仕切板（２０）及び左側から見た左側仕切板（３０）を表している。
【００３２】
図１に示すように、上記調湿装置は、やや扁平な直方体状のケーシング（１０）を備えている。このケーシング（１０）には、２つの吸着素子（８１，８２）と、冷媒回路とが収納されている。
【００３３】
冷媒回路には、加熱器としての再生熱交換器（１０２）、第１熱交換器（１０３）、第２熱交換器（１０４）、圧縮機（１０１）、及び膨張弁（図示せず）が設けられている。この冷媒回路では、充填された冷媒を循環させることによって冷凍サイクルが行われる。また、冷媒回路は、第１熱交換器（１０３）が蒸発器となる運転と、第２熱交換器（１０４）が蒸発器となる運転とを切り換え可能に構成されている。
【００３４】
図６に示すように、上記吸着素子（８１，８２）は、平板状の平板部材（８３）と波形状の波板部材（８４）とを交互に積層して構成されている。波板部材（８４）は、隣接する波板部材（８４）の稜線方向が互いに９０°ずれる姿勢で積層されている。そして、吸着素子（８１，８２）は、全体として直方体状ないし四角柱状に形成されている。
【００３５】
上記吸着素子（８１，８２）には、平板部材（８３）及び波板部材（８４）の積層方向において、調湿側通路（８５）と冷却側通路（８６）とが平板部材（８３）を挟んで交互に区画形成されている。この吸着素子（８１，８２）において、平板部材（８３）の長辺側の側面に調湿側通路（８５）が開口し、平板部材（８３）の短辺側の側面に冷却側通路（８６）が開口している。
【００３６】
上記吸着素子（８１，８２）において、調湿側通路（８５）に臨む平板部材（８３）の表面や、調湿側通路（８５）に設けられた波板部材（８４）の表面には、水蒸気を吸着するための吸着材が塗布されている。この種の吸着材としては、例えばシリカゲル、ゼオライト、イオン交換樹脂等が挙げられる。
【００３７】
また、図１に示すように、第１，第２吸着素子（８１，８２）は、それぞれ長手方向中央部で２分割されていて、メンテナンス時にはその分割された部分の一方のみを取り外すことも可能となっている。
【００３８】
図７にも示すように、上記ケーシング（１０）は、その長手方向に直交する第１側壁部としての第１パネル（１１）と、第２側壁部としての第２パネル（１２）と、ケーシング（１０）の長手方向に沿う前後の側壁部としての第３パネル（１７）と、第４パネル（１８）とを備えている。第１パネル（１１）は、ケーシング（１０）の左側壁を構成しており、その奥側の下部に室外側吸込口（１３）が、その手前側の上部に室外側排気口（１６）がそれぞれ形成されている。一方、第２パネル（１２）は、ケーシング（１０）の右側壁を構成しており、その奥側の上部に室内側排気口（１４）が、その手前側の下部に室内側吸込口（１５）がそれぞれ形成されている。
【００３９】
上記第１パネル（１１）において、室外側吸込口（１３）には室外側吸込用ダクト（１１３）が接続され、室外側排気口（１６）には室外側排出用ダクト（１１６）が接続されている。一方、第２パネル（１２）の室内側排気口（１４）には室内側排気用ダクト（１１４）が接続され、室内側吸込口（１５）には室内側排気用ダクト（１１５）が接続されている。なお、これらのダクト（１１３，１１４，…）は点検時に取り外しができるように板金製のものではなく、蛇腹状のフレキシブルなものにするのが望ましい。
【００４０】
そして、図９に示すように、上記第１パネル（１１）には、その一部がケーシング（１０）から取り外し可能な第１の点検用蓋（１２１）が設けられている。同様に第２パネル（１２）には第２の点検用蓋（１３１）が設けられている。
【００４１】
図１に示すように、ケーシング（１０）には、右側仕切板（２０）と左側仕切板（３０）が立設されている。そして、上記ケーシング（１０）の内部は、左側仕切板（３０）と右側仕切板（２０）とによって左右に３つの空間に仕切られている。
【００４２】
上記右側仕切板（２０）と左側仕切板（３０）の間には、２つの吸着素子（８１，８２）が設置されている。これら吸着素子（８１，８２）は、所定の間隔をおいて前後に並んだ状態に配置されている。具体的には、吸着素子（８１，８２）は、手前側の第１吸着素子（８１）が右側の第２パネル（１２）寄りに、また奥側の第２吸着素子（８２）が左側の第１パネル（１１）寄りに、それぞれケーシング（１０）の長手方向に沿って互いに平行に並んで設けられている。これら吸着素子（８１，８２）の配置に合わせて、上記右側仕切板（２０）と左側仕切板（３０）は、平面視で段差状に折れ曲がった形状となっている。
【００４３】
上記ケーシング（１０）内部の左側仕切板（３０）と第１パネル（１１）の間の空間は、上記吸着素子（８１，８２）の配置に合わせて手前側（第１吸着素子（８１）の第１パネル（１１）側）が奥側に比べて広く形成されると共に、第１上下仕切板（４６）によって全体に上下に２段の空間に仕切られている。この上下２つの空間のうち、上側の空間は第１排気側流路（４１）を構成し、下側の空間は第１吸込側流路（４２）を構成している。
【００４４】
上記第１排気側流路（４１）は、手前側の室外側排気口（１６）に接続された室外側排出用ダクト（１１６）を介して室外に連通している。一方、第１吸込側流路（４２）は、室外側吸込口（１３）に接続された室外側吸込用ダクト（１１３）を介して室外に連通している。
【００４５】
第１排気側流路（４１）における手前側の広い空間には、第１のファンとしての第１排気ファン（９５）と第１熱交換器（１０３）と冷媒回路の圧縮機（１０１）とが設置されている。第１排気ファン（９５）は、その吹出側が第１パネル（１１）の室外側排気口（１６）に接続されている。また、第１排気ファン（９５）は第１の点検用蓋（１２１）に固定されている。この第１の点検用蓋（１２１）をケーシング（１０）から取り外すと、同時に第１排気ファン（９５）がケーシング（１０）から取り出される。第１熱交換器（１０３）は、第１排気ファン（９５）の吸気側近傍に配置されており、この第１排気ファン（９５）へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。上記冷媒回路の圧縮機（１０１）は、第１パネル（１１）の第１の点検用蓋（１２１）を開いた状態でケーシング（１０）から取り出し可能となるように、第１排気側流路（４１）の手前側（第３パネル（１７）側）に設置されている。
【００４６】
上記ケーシング（１０）内部の右側仕切板（２０）と第２パネル（１２）の間の空間は、上記吸着素子（８１，８２）の配置に合わせて上記第１パネル（１１）とは逆に奥側（第２吸着素子（８２）の第２パネル（１２）側）が手前側に比べて広く形成されると共に、第２上下仕切板（４７）によって全体に上下に２段の空間に仕切られている。この上下２つの空間のうち、上側の空間は第２排気側流路（４３）を構成し、下側の空間は第２吸込側流路（４４）を構成している。
【００４７】
第２排気側流路（４３）は、室内側排気口（１４）に接続された室内側排気用ダクト（１１４）を介して室内に連通している。一方、第２吸込側流路（４４）は室内側吸込口（１５）及び室内側吸込用ダクト（１１５）を介して室内に連通している。
【００４８】
第２排気側流路（４３）における奥側の広い空間には、第２ファンとしての第２排気ファン（９６）と第２熱交換器（１０４）とが設置されている。第２排気ファン（９６）は、その吹出側が第２パネル（１２）の室内側排気口（１４）に接続されている。また、第２排気ファン（９６）は第２の点検用蓋（１３１）に固定されている。この第２の点検用蓋（１３１）をケーシング（１０）から取り外すと、同時に第２排気ファン（９６）がケーシング（１０）から取り出される。第２熱交換器（１０４）は、第２排気ファン（９６）の吸気側近傍に配置されており、この第２排気ファン（９６）へ向かって流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。
【００４９】
上記第１及び第２吸着素子（８１，８２）は、それぞれにおける平板部材（８３）及び波板部材（８４）の積層方向がケーシング（１０）の左右方向（すなわち長手方向）と一致する姿勢で設置されている。この姿勢の各吸着素子（８１，８２）では、その上下の側面に調湿側通路（８５）が開口し、その前後の側面に冷却側通路（８６）が開口する一方、その左右の端面にはいずれの通路（８５，８６）も開口していない。
【００５０】
図５にも示すように、右側仕切板（２０）と左側仕切板（３０）の間の空間は、第１流路（５１）、第２流路（５２）、第１上部流路（５３）、第１下部流路（５４）、第２上部流路（５５）、第２下部流路（５６）、及び中央流路（５７）に区画されている。
【００５１】
第１流路（５１）は、手前側の第３パネル（１７）と第１吸着素子（８１）との間に形成され、第１吸着素子（８１）の冷却側通路（８６）に連通している。第２流路（５２）は、奥側の第４パネル（１８）と第２吸着素子（８２）との間に形成され、第２吸着素子（８２）の冷却側通路（８６）に連通している。
【００５２】
第１上部流路（５３）は、第１吸着素子（８１）の上側に形成され、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）に連通している。第１下部流路（５４）は、第１吸着素子（８１）の下側に形成され、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）に連通している。第２上部流路（５５）は、第２吸着素子（８２）の上側に形成され、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）に連通している。第２下部流路（５６）は、第２吸着素子（８２）の下側に形成され、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）に連通している。
【００５３】
中央流路（５７）は、第１吸着素子（８１）と第２吸着素子（８２）の間に形成され、両吸着素子（８１，８２）の冷却側通路（８６）に連通している。この中央流路（５７）には、再生熱交換器（１０２）がほぼ垂直に立った状態で設置されている。この再生熱交換器（１０２）は、中央流路（５７）を流れる空気を冷媒回路の冷媒と熱交換させる。そして、再生熱交換器（１０２）は、凝縮器として機能し、空気を加熱する。
【００５４】
中央流路（５７）と第１下部流路（５４）の間の仕切りは、第１吸着素子（８１）の長手方向中央部の分割面に合わせて左右方向に２分割されていて、分割された仕切に１つずつ第１シャッタ（６１）が設けられている。一方、中央流路（５７）と第２下部流路（５６）の間の仕切りも、第２吸着素子（８２）の長手方向中央部の分割面に合わせて左右に分割されていて、分割された仕切に１つずつ第２シャッタ（６２）が設けられている。第１シャッタ（６１）と第２シャッタ（６２）は、いずれもが開閉自在なダンパとして各吸着素子（８１，８２）と一体に設けられていて、メンテナンス時には、それぞれの吸着素子（８１，８２）と共に一体に取り出し可能となっている。
【００５５】
右側仕切板（２０）は、手前側から奥側に向かって３分割されていて、その分割された手前側に第１右側開口（２１）、第１右上開口（２３）及び第１右下開口（２４）が、また奥側に第２右側開口（２２）、第２右上開口（２５）及び第２右下開口（２６）がそれぞれ形成されている。これらの開口（２１，２２，…）には、それぞれダンパとしての開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）が開閉自在に各吸着素子（８１，８２）と一体に設けられていて、メンテナンス時には、分割された右側仕切板（２０）の一部及び吸着素子（８１，８２）と共に取り出し可能になっている。
【００５６】
第１右側開口（２１）は、右側仕切板（２０）における手前側の下部に設けられている。第１右側開口（２１）の開閉シャッタ（２１ａ）が開いた状態では、第１流路（５１）と第２吸込側流路（４４）が互いに連通する。第２右側開口（２２）は、右側仕切板（２０）における奥側の下部に設けられている。第２右側開口（２２）の開閉シャッタ（２２ａ）が開いた状態では、第２流路（５２）と第２吸込側流路（４４）が互いに連通する。
【００５７】
第１右上開口（２３）は、右側仕切板（２０）のうち第１吸着素子（８１）に隣接する部分の上部に設けられている。第１右上開口（２３）の開閉シャッタ（２３ａ）が開いた状態では、第１上部流路（５３）と第２排気側流路（４３）が互いに連通する。第１右下開口（２４）は、右側仕切板（２０）のうち第１吸着素子（８１）に隣接する部分の下部に設けられている。第１右下開口（２４）の開閉シャッタ（２４ａ）が開いた状態では、第１下部流路（５４）と第２吸込側流路（４４）が互いに連通する。
【００５８】
第２右上開口（２５）は、右側仕切板（２０）のうち第２吸着素子（８２）に隣接する部分の上部に設けられている。第２右上開口（２５）の開閉シャッタ（２５ａ）が開いた状態では、第２上部流路（５５）と第２排気側流路（４３）が互いに連通する。第２右下開口（２６）は、右側仕切板（２０）のうち第２吸着素子（８２）に隣接する部分の下部に設けられている。第２右下開口（２６）の開閉シャッタ（２６ａ）が開いた状態では、第２下部流路（５６）と第２吸込側流路（４４）が互いに連通する。
【００５９】
左側仕切板（３０）も、手前側から奥側に向かって３分割されていて、その分割された手前側には、第１左側開口（３１）、第１左上開口（３３）及び第１左下開口（３４）が、また奥側には第２左側開口（３２）、第２左上開口（３５）及び第２左下開口（３６）がそれぞれ形成されている。これらの開口（３１，３２，…）は、それぞれがダンパとしての開閉シャッタ（３１ａ，３２ａ，…）を備えて開閉自在に各吸着素子（８１，８２）と一体に設けられていて、メンテナンス時には、分割された左側仕切板（３０）の一部及び吸着素子（８１，８２）と共に取り出し可能になっている。
【００６０】
第１左側開口（３１）は、左側仕切板（３０）における手前側の下部に設けられている。第１左側開口（３１）の開閉シャッタ（３１ａ）が開いた状態では、第１流路（５１）と第１吸込側流路（４２）が互いに連通する。第２左側開口（３２）は、左側仕切板（３０）における奥側の下部に設けられている。第２左側開口（３２）の開閉シャッタ（３２ａ）が開いた状態では、第２流路（５２）と第１吸込側流路（４２）が互いに連通する。
【００６１】
第１左上開口（３３）は、左側仕切板（３０）のうち第１吸着素子（８１）に隣接する部分の上部に設けられている。第１左上開口（３３）の開閉シャッタ（３３ａ）が開いた状態では、第１上部流路（５３）と第２排気側流路（４３）が互いに連通する。第１左下開口（３４）は、左側仕切板（３０）のうち第１吸着素子（８１）に隣接する部分の下部に設けられている。第１左下開口（３４）の開閉シャッタ（３４ａ）が開いた状態では、第１下部流路（５４）と第１吸込側流路（４２）が互いに連通する。
【００６２】
第２左上開口（３５）は、左側仕切板（３０）のうち第２吸着素子（８２）に隣接する部分の上部に設けられている。第２左上開口（３５）の開閉シャッタ（３５ａ）が開いた状態では、第２上部流路（５５）と第２排気側流路（４３）が互いに連通する。第２左下開口（３６）は、左側仕切板（３０）のうち第２吸着素子（８２）に隣接する部分の下部に設けられている。第２左下開口（３６）の開閉シャッタ（３６ａ）が開いた状態では、第２下部流路（５６）と第１吸込側流路（４２）が互いに連通する。
【００６３】
そして、図７，図８に示すように、天井面（Ｒ）におけるケーシング（１０）の第１パネル（１１）近傍には、メンテナンス時に作業員により開閉される第１の点検用マンホール（Ｈ１）が設けられている。一方、天井面（Ｒ）におけるケーシング（１０）の第２パネル（１２）近傍には、メンテナンス時に作業員により開閉される第２の点検用マンホール（Ｈ２）が設けられている。
【００６４】
−運転動作−
上記調湿装置の運転動作について説明する。この調湿装置は、除湿運転と加湿運転とを切り換えて行う。また、この調湿装置は、第１動作と第２動作とを交互に繰り返すことによって除湿運転や加湿運転を行う。
【００６５】
《除湿運転》
図１，図２に示すように、除湿運転時において、第２排気ファン（９６）を駆動すると、室外空気（ＯＡ）が室外側吸込用ダクト（１１３）及び室外側吸込口（１３）を通じてケーシング（１０）内に取り込まれる。この室外空気は、第１の被処理空気として第１吸込側流路（４２）へ流入する。一方、第１排気ファン（９５）を駆動すると、室内空気（ＲＡ）が室内側吸込用ダクト（１１５）及び室内側吸込口（１５）を通じてケーシング（１０）内に取り込まれる。この室内空気は、第２の被処理空気として第２吸込側通路（４４）へ流入する。
【００６６】
また、除湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器（１０２）が凝縮器となり、第２熱交換器（１０４）が蒸発器となる一方、第１熱交換器（１０３）が休止している。
【００６７】
除湿運転の第１動作について、図１，図５を参照しながら説明する。この第１動作では、第１吸着素子（８１）についての吸着動作と、第２吸着素子（８２）についての再生動作とが行われる。つまり、第１動作では、第１吸着素子（８１）で空気が減湿されると同時に、第２吸着素子（８２）の吸着材が再生される。
【００６８】
図１に示すように、右側仕切板（２０）では、第１右側開口（２１）と第１右上開口（２３）とが連通状態となり、残りの開口（２２，２４，２５，２６）が遮断状態となる。左側仕切板（３０）では、第１左下開口（３４）と第２左上開口（３５）とが連通状態となり、残りの開口（３１，３２，３３，３６）が遮断状態となる。また、第１シャッタ（６１）は閉鎖状態となり、第２シャッタ（６２）は開口状態となる。
【００６９】
第１の被処理空気は、第１吸込側流路（４２）から第１左下開口（３４）を通って第１下部流路（５４）へ流入する。一方、第２の被処理空気は、第２吸込側流路（４４）から第１右側開口（２１）を通って第１流路（５１）へ流入する。
【００７０】
図５（ａ）にも示すように、第１下部流路（５４）の第１の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）へ流入する。この調湿側通路（８５）を流れる間に、第１の被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第１吸着素子（８１）で減湿された第１の被処理空気は、第１上部流路（５３）へ流入する。
【００７１】
一方、第１流路（５１）の第２の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の冷却側通路（８６）へ流入する。この冷却側通路（８６）を流れる間に、第２の被処理空気は、調湿側通路（８５）で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第２の被処理空気は、中央流路（５７）へ流入して再生熱交換器（１０２）を通過する。その際、再生熱交換器（１０２）では、第２の被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第２の被処理空気は、中央流路（５７）から第２下部流路（５６）へ流入する。
【００７２】
第１吸着素子（８１）及び再生熱交換器（１０２）で加熱された第２の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）へ導入される。この調湿側通路（８５）では、第２の被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第２吸着素子（８２）の再生が行われる。吸着材から脱離した水蒸気は、第２の被処理空気と共に第２上部流路（５５）へ流入する。
【００７３】
図１に示すように、第１上部流路（５３）へ流入した減湿後の第１の被処理空気は、第１右上開口（２３）を通って第２排気側流路（４３）へ流入する。この第１の被処理空気は、第２排気側流路（４３）を流れる間に第２熱交換器（１０４）を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第１の被処理空気は、室内側排気口（１４）及び室内側排気用ダクト（１１４）を通って室内へ供給される。
【００７４】
一方、第２上部流路（５５）へ流入した第２の被処理空気は、第２左上開口（３５）を通って第１排気側流路（４１）へ流入する。この第２の被処理空気は、第１排気側流路（４１）を流れる間に第１熱交換器（１０３）を通過する。その際、第１熱交換器（１０３）は休止しており、第２の被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、第１吸着素子（８１）の冷却と第２吸着素子（８２）の再生に利用された第２の被処理空気は、室外側排気口（１６）及び室外側排気用ダクト（１１６）を通って室外へ排出される。
【００７５】
除湿運転の第２動作について、図２，図５を参照しながら説明する。この第２動作では、第１動作時とは逆に、第２吸着素子（８２）についての吸着動作と、第１吸着素子（８１）についての再生動作とが行われる。つまり、第２動作では、第２吸着素子（８２）で空気が減湿されると同時に、第１吸着素子（８１）の吸着材が再生される。
【００７６】
図２に示すように、右側仕切板（２０）では、第２右側開口（２２）と第２右上開口（２５）とが連通状態となり、残りの開口（２１，２３，２４，２６）が遮断状態となる。左側仕切板（３０）では、第２左下開口（３６）と第１左上開口（３３）とが連通状態となり、残りの開口（３１，３２，３４，３５）が遮断状態となる。第１シャッタ（６１）は開口状態となり、第２シャッタ（６２）は閉鎖状態となる。この状態では、中央流路（５７）と第１下部流路（５４）とが、第１シャッタ（６１）を介して連通される。
【００７７】
第２の被処理空気は、第２吸込側流路（４４）から第２右側開口（２２）を通って第２流路（５２）へ流入する。一方、第１の被処理空気は、第１吸込側流路（４２）から第２左下開口（３６）を通って第２下部流路（５６）へ流入する。
【００７８】
図５（ｂ）にも示すように、第２下部流路（５６）の第１の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）へ流入する。この調湿側通路（８５）を流れる間に、第１の被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第２吸着素子（８２）で減湿された第１の被処理空気は、第２上部流路（５５）へ流入する。
【００７９】
一方、第２流路（５２）の第２の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の冷却側通路（８６）へ流入する。この冷却側通路（８６）を流れる間に、第２の被処理空気は、調湿側通路（８５）で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第２の被処理空気は、中央流路（５７）へ流入して再生熱交換器（１０２）を通過する。その際、再生熱交換器（１０２）では、第２の被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第２の被処理空気は、中央流路（５７）から第１下部流路（５４）へ流入する。
【００８０】
第２吸着素子（８２）及び再生熱交換器（１０２）で加熱された第２の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）へ導入される。この調湿側通路（８５）では、第２の被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第１吸着素子（８１）の再生が行われる。吸着材から脱離した水蒸気は、第２の被処理空気と共に第１上部流路（５３）へ流入する。
【００８１】
図２に示すように、第２上部流路（５５）へ流入した減湿後の第１の被処理空気は、第２右上開口（２５）を通って第２排気側流路（４３）へ流入する。この第１の被処理空気は、第２排気側流路（４３）を流れる間に第２熱交換器（１０４）を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、減湿されて冷却された第１の被処理空気は、室内側排気口（１４）及び室内側排気用ダクト（１１４）を通って室内へ供給される。
【００８２】
一方、第１上部流路（５３）へ流入した第２の被処理空気は、第１左上開口（３３）を通って第１排気側流路（４１）へ流入する。この第２の被処理空気は、第１排気側流路（４１）を流れる間に第１熱交換器（１０３）を通過する。その際、第１熱交換器（１０３）は休止しており、第２の被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、第１吸着素子（８１）の冷却と第２吸着素子（８２）の再生に利用された第２の被処理空気は、室外側排気口（１６）及び室外側排気用ダクト（１１６）を通って室外へ排出される。
【００８３】
《加湿運転》
図３，図４に示すように、加湿運転時において、第２排気ファン（９６）を駆動すると、室外空気（ＯＡ）が室外側吸込用ダクト（１１３）及び室外側吸込口（１３）を通じてケーシング（１０）内に取り込まれる。この室外空気は、第２の被処理空気として第１吸込側流路（４２）へ流入する。一方、第１排気ファン（９５）を駆動すると、室内空気（ＲＡ）が室内側吸込用ダクト（１１５）及び室内側吸込口（１５）を通じてケーシング（１０）内に取り込まれる。この室内空気は、第１の被処理空気として第２吸込側流路（４４）へ流入する。
【００８４】
また、加湿運転時において、冷媒回路では、再生熱交換器（１０２）が凝縮器となり、第１熱交換器（１０３）が蒸発器となる一方、第２熱交換器（１０４）が休止している。
【００８５】
加湿運転の第１動作について、図３，図５を参照しながら説明する。この第１動作では、第１吸着素子（８１）についての吸着動作と、第２吸着素子（８２）についての再生動作とが行われる。つまり、第１動作では、第２吸着素子（８２）で空気が加湿され、第１吸着素子（８１）の吸着材が水蒸気を吸着する。
【００８６】
図３に示すように、右側仕切板（２０）では、第２右上開口（２５）と第１右下開口（２４）とが連通状態となり、残りの開口（２１，２２，２３，２６）が遮断状態となる。左側仕切板（３０）では、第１左側開口（３１）と第１左上開口（３３）とが連通状態となり、残りの開口（３２，３４，３５，３６）が遮断状態となる。また、第１シャッタ（６１）は閉鎖状態となり、第２シャッタ（６２）は開口状態となる。
【００８７】
第１の被処理空気は、第２吸込側流路（４４）から第１右下開口（２４）を通って第１下部流路（５４）へ流入する。一方、第２の被処理空気は、第１吸込側流路（４２）から第１左側開口（３１）を通って第１流路（５１）へ流入する。
【００８８】
図５（ａ）にも示すように、第１下部流路（５４）の第１の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）へ流入する。この調湿側通路（８５）を流れる間に、第１の被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第１吸着素子（８１）で水分を奪われた第１の被処理空気は、第１上部流路（５３）へ流入する。
【００８９】
一方、第１流路（５１）の第２の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の冷却側通路（８６）へ流入する。この冷却側通路（８６）を流れる間に、第２の被処理空気は、調湿側通路（８５）で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第２の被処理空気は、中央流路（５７）へ流入して再生熱交換器（１０２）を通過する。その際、再生熱交換器（１０２）では、第２の被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第２の被処理空気は、中央流路（５７）から第２下部流路（５６）へ流入する。
【００９０】
第１吸着素子（８１）及び再生熱交換器（１０２）で加熱された第２の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）へ導入される。この調湿側通路（８５）では、第２の被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第２吸着素子（８２）の再生が行われる。そして、吸着材から脱離した水蒸気が第２の被処理空気に付与され、第２の被処理空気が加湿される。第２吸着素子（８２）で加湿された第２の被処理空気は、その後に第２上部流路（５５）へ流入する。
【００９１】
図３に示すように、第２上部流路（５５）へ流入した第２の被処理空気は、第２右上開口（２５）を通って第２排気側流路（４３）へ流入する。この第２の被処理空気は、第２排気側流路（４３）を流れる間に第２熱交換器（１０４）を通過する。その際、第２熱交換器（１０４）は休止しており、第２の被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第２の被処理空気は、室内側排気口（１４）及び室内側排気用ダクト（１１４）を通って室内へ供給される。
【００９２】
一方、第１上部流路（５３）へ流入した第１の被処理空気は、第１左上開口（３３）を通って第１排気側流路（４１）へ流入する。この第１の被処理空気は、第１排気側流路（４１）を流れる間に第１熱交換器（１０３）を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第１の被処理空気は、室外側排気口（１６）及び室外側排気用ダクト（１１６）を通って室外へ排出される。
【００９３】
加湿運転の第２動作について、図４，図５を参照しながら説明する。この第２動作では、第１動作時とは逆に、第２吸着素子（８２）についての吸着動作と、第１吸着素子（８１）についての再生動作とが行われる。つまり、この第２動作では、第１吸着素子（８１）で空気が加湿され、第２吸着素子（８２）の吸着材が水蒸気を吸着する。
【００９４】
図４に示すように、右側仕切板（２０）では、第２右下開口（２６）と第１右上開口（２３）とが連通状態となり、残りの開口（２１，２２，２４，２５）が遮断状態となる。左側仕切板（３０）では、第２左側開口（３２）と第２左上開口（３５）とが連通状態となり、残りの開口（３１，３３，３４，３６）が遮断状態となる。第２シャッタ（６２）は閉鎖状態となり、第１シャッタ（６１）は開口状態となる。
【００９５】
第１の被処理空気は、第２吸込側流路（４４）へ流入し、第２右下開口（２６）を通って第２下部流路（５６）へ流入する。一方、第２の被処理空気は、第１吸込側流路（４２）から第２左側開口（３２）を通って第２流路（５２）へ流入する。
【００９６】
図５（ｂ）にも示すように、第２下部流路（５６）の第１の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の調湿側通路（８５）へ流入する。この調湿側通路（８５）を流れる間に、第１の被処理空気に含まれる水蒸気が吸着材に吸着される。第２吸着素子（８２）で水分を奪われた第１の被処理空気は、第２上部流路（５５）へ流入する。
【００９７】
一方、第２流路（５２）の第２の被処理空気は、第２吸着素子（８２）の冷却側通路（８６）へ流入する。この冷却側通路（８６）を流れる間に、第２の被処理空気は、調湿側通路（８５）で水蒸気が吸着材に吸着される際に生じた吸着熱を吸熱する。吸着熱を奪った第２の被処理空気は、中央流路（５７）へ流入して再生熱交換器（１０２）を通過する。その際、再生熱交換器（１０２）では、第２の被処理空気が冷媒との熱交換によって加熱される。その後、第２の被処理空気は、中央流路（５７）から第１下部流路（５４）へ流入する。
【００９８】
第２吸着素子（８２）及び再生熱交換器（１０２）で加熱された第２の被処理空気は、第１吸着素子（８１）の調湿側通路（８５）へ導入される。この調湿側通路（８５）では、第２の被処理空気によって吸着材が加熱され、吸着材から水蒸気が脱離する。つまり、第１吸着素子（８１）の再生が行われる。そして、吸着材から脱離した水蒸気が第２の被処理空気に付与され、第２の被処理空気が加湿される。第１吸着素子（８１）で加湿された第２の被処理空気は、その後に第１上部流路（５３）へ流入する。
【００９９】
図４に示すように、第１上部流路（５３）へ流入した第２の被処理空気は、第１右上開口（２３）を通って第２排気側流路（４３）へ流入する。この第２の被処理空気は、第２排気側流路（４３）を流れる間に第２熱交換器（１０４）を通過する。その際、第２熱交換器（１０４）は休止しており、第２の被処理空気は加熱も冷却もされない。そして、加湿された第２の被処理空気は、室内側排気口（１４）及び室内側排気用ダクト（１１４）を通って室内へ供給される。
【０１００】
一方、第２上部流路（５５）へ流入した第１の被処理空気は、第２左上開口（３５）を通って第１排気側流路（４１）へ流入する。この第１の被処理空気は、第１排気側流路（４１）を流れる間に第１熱交換器（１０３）を通過し、冷媒との熱交換によって冷却される。その後、水分と熱を奪われた第１の被処理空気は、室外側排気口（１６）及び室外側排気用ダクト（１１６）を通って室外へ排出される。
【０１０１】
−メンテナンス−
次に、本実施形態の調湿装置のメンテナンス方法について説明する。図８に示すように、調湿装置のメンテナンスを行う際に、まず左側の機器を取り出すには、作業員は第１点検用マンホール（Ｈ１）を開ける。このことにより調湿装置の第１パネル（１１）側での作業が可能となる。
【０１０２】
そして、図７，図９に示すように、まず第１パネル（１１）の第１の点検口（１２１）を、第１パネル（１１）に接続された室外側ダクト（１１３，１１６）ごと、又は該ダクト（１１３，１１６）を外してから取り外す。このことで、図８に矢印で示すように、まず第１排気ファン（９５）が第１の点検口（１２１）と共にケーシング（１０）外に取り出される。さらに、圧縮機（１０１）及び第２吸着素子（８２）がケーシング（１０）の開口から取り出せるようになる。
【０１０３】
第２吸着素子（８２）を取り出すときには、まず中央部で分割された左側（第１パネル（１１）側）を第２左側開口（３２）、第２左上開口（３５）及び第２左下開口（３６）の開閉シャッタ（３２ａ，３５ａ，３６ａ）と第２シャッタ（６２）と共に左側に引き出して取り出す。次に、第２吸着素子（８２）の右側（第２パネル（１２）側）を一体に取り付けられた各開口（２２，２５，２６）の開閉シャッタ（２２ａ，２５ａ，２６ａ）と第２シャッタ（６２）と共に左側に引き出して取り出す。なお、このとき、第１上下仕切板（４６）は第２吸着素子（８２）に対応するように手前側と奥側とで分割されていて、その分割された奥側の部分を第２吸着素子（８２）と共に、又は第２吸着素子（８２）と別々に左側に引き出して第２吸着素子（８２）がケーシング（１０）外に取り出される。
【０１０４】
また、圧縮機（１０１）も左側に遮るものがないので、容易にケーシング（１０）外に取り出される。
【０１０５】
一方、第２パネル（１２）側でも同様の点検が行える。すなわち、作業員は第２点検用マンホール（Ｈ２）を開けることにより調湿装置の第２パネル（１２）側での作業が可能となる。そして、まず第２パネル（１２）の第２の点検用蓋（１３１）を第２パネル（１２）に接続された室内側ダクト（１１４，１１５）ごと、又は該ダクト（１１４，１１５）を外してから取り外す。このことで、まず、第２排気ファン（９６）が第２の点検用蓋（１３１）と共にケーシング（１０）外に取り出される。
【０１０６】
次に、第１吸着素子（８１）を取り出すときには、まず中央部で分割された右側（第２パネル（１２）側）を第１右側開口（２１）、第１右上開口（２３）及び第１右下開口（２４）の開閉シャッタ（２１ａ，２３ａ，２４ａ）と第１シャッタ（６１）と共に右側に引き出して取り出す。次に、第１吸着素子（８１）の左側（第１パネル（１１）側）を一体に取り付けられた各開口（３１，３３，３４）の開閉シャッタ（３１ａ，３３ａ，３４ａ）と第１シャッタ（６１）と共に右側に引き出して取り出す。なお、このとき、第２上下仕切板（４７）も第１吸着素子（８１）に対応するように手前側と奥側とで分割されていて、その分割された手前側の部分を第１吸着素子（８１）と共に、又は第１吸着素子（８１）と別々に右側に引き出して第１吸着素子（８１）がケーシング（１０）外に取り出される。
【０１０７】
−実施形態１の効果−
本実施形態では、ケーシング（１０）内で、第１の吸着素子（８１）を第２パネル（１２）寄りに配置して第１の吸着素子（８１）の第１パネル（１１）側に第１のファン（９５）を配置すると共に、第２の吸着素子（８２）を第１パネル（１１）寄りに配置して第２の吸着素子（８２）の第２パネル（１２）側に第２のファン（９６）を配置している。このため、ケーシング（１０）内のスペースが有効に利用されて調湿装置全体の長手方向のサイズが小さくなり、その設置自由度を大きくすることができる。
【０１０８】
また、本実施形態では、ケーシング（１０）に、第１のファン（９５）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（１２１）と、第２のファン（９６）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（１３１）とを設けている。このため、点検の頻度の高いファン（９５，９６）及び吸着素子（８１，８２）をそれぞれ適切な点検用蓋から取り出すことができるので、ファン（９５，９６）及び吸着素子（８１，８２）のメンテナンスの作業性が向上される。
【０１０９】
また、本実施形態では、室外とつながるダクト（１１３，１１６）が第１パネル（１１）に接続される一方、室内とつながるダクト（１１４，１１５）が第２パネル（１２）に接続されている。このため、ダクトの延びる方向とケーシング（１０）の長手方向が一致し、ダクトを含めた調湿装置のケーシング（１０）の長手方向に直交する方向の設置スペースが小さくなる。
【０１１０】
さらに、本実施形態では、ダクトの接続される第１パネル（１１）及び第２パネル（１２）に、点検用蓋（１２１，１３１）を設けている。このため、ケーシング（１０）の第３パネル（１７）や第４パネル（１８）が壁や柱などに近接する状態で調湿装置を設置しても、メンテナンスの際にケーシング内の吸着素子（８１，８２）やファン（９５，９６）などを取り出すことができる。したがって、本実施形態によれば、調湿装置の設置重度を高めることができる。
【０１１１】
また、本実施形態では、第１のファン（９５）を第１の点検用蓋（１２１）の内側面に取り付け、第２のファン（９６）を第２の点検用蓋（１３１）の内側面に取り付けている。このため、各点検用蓋（１２１，１３１）を開けると、その内側面に設けられたファン（９５，９６）が同時に引き出されることとなり、ファン（９５，９６）をメンテナンスする際の作業工数を削減できる。
【０１１２】
また、本実施形態では、ケーシング（１０）内に、被処理空気の流通経路を切り換えるための開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）を吸着素子（８１，８２）と一体に取り付け、点検用蓋（１２１，１３１）を開いた状態で開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）を吸着素子（８１，８２）と共にケーシング（１０）から取り出し可能としている。このため、開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）を別途取り外さなくても、吸着素子（８１，８２）を取り出してメンテナンスすることができ、メンテナンス時の作業性がさらに向上される。
【０１１３】
また、本実施形態では、冷媒回路の圧縮機（１０１）を第１のファン（９５）の近傍に配置し、点検用蓋（１２１）を開いた状態でケーシング（１０）から圧縮機（１０１）を取り出し可能としている。このため、点検用蓋（１２１）を開いた状態でケーシング（１０）から圧縮機（１０１）を容易に取り出すことができ、圧縮機（１０１）が万一故障した場合でも、その修理作業や交換作業を確実に行うことができる。
【０１１４】
また、本実施形態では、第１及び第２のファン（９５，９６）の吹出側をケーシング（１０）に開口する被処理空気の排気口（１４，１６）に接続すると共に、第１熱交換器（１０３）を第１のファン（９５）の吸気側近傍に、第２熱交換器（１０４）を第２のファン（９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置している。つまり、各熱交換器（１０３，１０４）は、吹出側をケーシング（１０）の排気口（１４，１６）に接続したファン（９５，９６）の上流側に設けられている。このため、各熱交換器（１０３，１０４）を取り外すことなく、点検用蓋（１２１，１３１）を開ければファン（９５，９６）のメンテナンスが行える。
【０１１５】
（実施形態２）
図１０，図１１に示すように、本発明の実施形態２は、第３及び第４パネル（１７，１８）に点検用蓋（２２１，２３１）が設けられている点で上記実施形態１と異なる。なお、本実施形態では、図１〜図９と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。また、本実施形態の説明において、「上」 「下」 「左」 「右」 「前」 「後」 「手前」 「奥」 は、特にことわらない限り、図１０に示す調湿装置を正面側から見た場合のものを意味している。
【０１１６】
本実施形態では、第３パネル（１７）に第１の点検用蓋（２２１）が、また第４パネル（１８）に第２の点検用蓋（２３１）がそれぞれ設けられている。第１及び第２の点検用蓋（２２１，２３１）は、いずれもケーシングから取り外し可能となっている。天井面（Ｒ）におけるケーシング（１０）の第３パネル（１７）近傍には、メンテナンス時に作業員が開くことができる第３点検用マンホール（Ｈ３）が設けられている。一方、天井面（Ｒ）におけるケーシング（１０）の第４パネル（１８）近傍には、メンテナンス時に作業員が開くことができる第４点検用マンホール（Ｈ４）が設けられている。なお、本実施形態において、第１のファン（９５）は第１パネル（１１）の内側面に、また第２のファン（９６）は第２パネル（１２）の内側面にそれぞれ取り付けられている。
【０１１７】
本実施形態に係る調湿装置のメンテナンスにおいて、まず手前側の機器を取り出すときには、作業員は第３点検用マンホール（Ｈ３）を開ける。このことにより、調湿装置の第３パネル（１７）側での作業が可能となる。
【０１１８】
そして、まず第３パネル（１７）の第１点検用蓋（２２１）をケーシング（１０）から取り外す。
【０１１９】
次に、図１０に矢印で示すように、第１吸着素子（８１）を取り出すときには、例えば、まず中央部で分割された右側（第２パネル（１２）側）を第１右側開口（２１）、第１右上開口（２３）及び第１右下開口（２４）の開閉シャッタ（２１ａ，２３ａ，２４ａ）と第１シャッタ（６１）と共に手前側に引き出して取り出す。次に、第１吸着素子（８１）の左側（第１パネル（１１）側）を一体に取り付けられた各開口（３１，３３，３４）の開閉シャッタ（３１ａ，３３ａ，３４ａ）と第１シャッタ（６１）と共に手前側に引き出して取り出す。
【０１２０】
また、圧縮機（１０１）についても、手前側に遮るものがないので、容易にケーシング（１０）外に取り出される。その後、第１排気ファン（９５）がケーシング（１０）外に取り出される。
【０１２１】
一方、第４パネル（１８）側でも同様の点検が行える。すなわち、作業員は第４点検用マンホール（Ｈ４）を開けることにより調湿装置の第４パネル（１８）側での作業が可能となる。そして、まず第４パネル（１８）の第２点検用蓋（２３１）をケーシング（１０）から取り外す。
【０１２２】
次に、第２吸着素子（８２）を取り出すときには、例えば、まず中央部で分割された左側（第１パネル（１１）側）を第２左側開口（３２）、第２左上開口（３５）及び第２左下開口（３６）の開閉シャッタ（３２ａ，３５ａ，３６ａ）と第２シャッタ（６２）と共に奥側に引き出して取り出す。次に、第２吸着素子（８２）の右側（第２パネル（１２）側）を一体に取り付けられた各開口（２２，２５，２６）の開閉シャッタ（２２ａ，２５ａ，２６ａ）と第２シャッタ（６２）と共に奥側に引き出して取り出す。
【０１２３】
次に、第２排気ファン（９６）がケーシング（１０）外に取り出される。なお、本実施形態では、第１及び第２吸着素子（８１，８２）は必ずしも２分割されている必要はなく、その場合には一度に各吸着素子（８１，８２）を手前側に引き出して取り出せばよい。
【０１２４】
また、第２排気ファン（９６）は第２熱交換器（１０４）よりも奥側にあるので、第２熱交換器（１０４）を取り外さなくてもケーシング（１０）外に取り出される。
【０１２５】
（その他の実施形態）
上記実施形態１及び２では、再生熱交換器（１０２）を冷媒回路に接続し、再生熱交換器（１０２）で冷媒と第２の被処理空気を熱交換させ、冷媒の凝縮熱によって第２の被処理空気を加熱しているが、これに代えて、次のような構成を採ってもよい。
【０１２６】
つまり、再生熱交換器（１０２）へ温水を供給し、再生熱交換器（１０２）で温水と第２の被処理空気を熱交換させることによって第２の被処理空気を加熱するようにしてもよい。図１２に示すように、この変形例の調湿装置では、第２熱交換器（１０４）や第１熱交換器（１０３）、圧縮機（１０１）等を備える冷媒回路は省略され、温水の循環路に接続された再生熱交換器（１０２）だけが設けられている。
【０１２７】
また、上記実施形態１では、第１排気ファン（９５）及び第２排気ファン（９６）を、第１及び第２点検用蓋（１２１，１３１）の内側面に取り付けるようにしたが、必ずしも第１及び第２点検用蓋（１２１，１３１）の内側面に取り付けなくてもよい。
【０１２８】
また、上記実施形態１及び２では、第１及び第２吸着素子（８１，８２）に一体に開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）を取り付けたが、別体に設けてもよい。このときは、開閉シャッタ（２１ａ，２２ａ，…）を吸着素子（８１，８２）と別々に取り外せばよい。
【０１２９】
また、上記実施形態１及び２では、第１及び第２点検用蓋（１２１，１３１）は一枚物としたが、メンテナンスする機器に合わせて分割してもよい。例えば、上記実施形態１では、第１点検用蓋（１２１）を圧縮機（１０１）、第１排気ファン（９５）及び第２吸着素子（８２）の配置に合わせて前後に３分割してもよい。また上記実施形態２では、第１点検用蓋（２２１）を圧縮機（１０１）（第１排気ファン（９５））及び第２吸着素子（８２）の配置に合わせて左右に２分割してもよい。そうすることで、点検を要する機器の手前の点検用蓋のみを開ければ、その機器をメンテナンスできるので、作業性が向上する。
【０１３０】
さらに、上記実施形態１及び２では、室内側吸込口（１５）を第２パネル（１２）の手前側の下部に設けたが、図１３に示すように、調湿装置の下側パネル（１９）に設けてもよい。このときには、調湿装置の下側パネル（１９）が天井面（Ｒ）の開口から室内に露出するように調湿装置を配置すればよい。このことで、室外側吸込口（１３）に接続される室内側吸込用ダクト（１１３）を省くことができて天井裏のスペースが有効に利用できる。また、調湿装置内での圧力損失やダクト（１１３）内での圧力損失が低減され、ファン（９５，９６）の消費電力を削減できる。さらに、調湿装置の下側パネル（１９）からメンテナンスが容易に行える。
【０１３１】
また、上記実施形態１及び２では、圧縮機（１０１）を第１排気側流路（４１）の手前側（第３パネル（１７）側）に設置し、第１，第２熱交換器（１０３，１０４）を第１，第２排気ファン（９５，９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置したが、図１４に示すように、圧縮機（１０１）をケーシング（１０）の外側に設け、熱交換器（１０３，１０４）をファン（９５，９６）の下流側に設けてもよい。この場合には、点検用蓋（１２１，１３１）を第１及び第２パネル（１１，１２）に設ければ、メンテナンスがしやすい。
【０１３２】
また、図１５に示すように、圧縮機（１０１）を熱交換器（１０３）の奥側（上流側）に設けてもよい。この場合にも、点検用蓋（１２１，１３１）を第１及び第２パネル（１１，１２）に設ければメンテナンスが容易である。
【０１３３】
また、上記実施形態１及び２では、第１パネル（１１）に室外側吸込口（１３）及び室外側排気口（１６）を形成する一方、第２パネル（１２）に室内側排気口（１４）及び室内側吸込口（１５）を形成したが、図１６に示すように、第３パネル（１７）の左側上部に室外側排気口（１６）を形成して右側下部に室内側吸込口（１５）を形成すると共に、第４パネル（１８）の左側下部に室外側吸込口（１３）を形成して右側上部に室内側排気口（１４）をそれぞれ形成してもよい。図示しないが、ダクト（１１３，１１４，…）は、ケーシングの長手方向に直交する方向に延びるように配置される。この場合には、点検用蓋（２２１，２３１）を第３及び第４パネル（１７，１８）に設ければメンテナンスが容易であり、第１及び第２パネル（１１，１２）側を壁際に近接して調湿装置を設置することができる。
【０１３４】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１の発明の調湿装置では、扁平な直方体状に形成されたケーシング（１０）内で、第１の吸着素子（８１）を第２側壁部（１２）寄りに配置して第１の吸着素子（８１）の第１側壁部（１１）側に第１のファン（９５）を配置すると共に、第２の吸着素子（８２）を第１側壁部（１１）寄りに配置して第２の吸着素子（８２）の第２側壁部（１２）側に第２のファン（９６）を配置した。このため、ケーシング（１０）内のスペースが有効に利用されて調湿装置全体の長手方向のサイズが小さくなり、設置自由度を大きくすることができる。
【０１３５】
請求項２の発明では、ケーシング（１０）に、第１のファン（９５）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（１２１）と、第２のファン（９６）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（２３１）とを設けた。また、請求項３の発明では、ケーシング（１０）に、第１のファン（９５）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（１２１）と、第２のファン（９６）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（１３１）とを設けた。このため、点検の頻度の高いファン（９５，９６）及び吸着素子（８１，８２）をそれぞれ適切な点検用蓋から取り出すことができるので、ファン（９５，９６）及び吸着素子（８１，８２）のメンテナンス時の作業性が向上される。
【０１３６】
請求項４の発明では、ケーシング（１０）では、４つのダクトのうち２つのダクトの接続箇所を第１側壁部（１１）に形成し、残り２つのダクトの接続箇所を第２側壁部（１２）に形成した。このため、ダクトの延びる方向とケーシング（１０）の長手方向が一致し、ダクトを含めた調湿装置のケーシング（１０）の長手方向に直交する設置スペースが小さくなる。また、第１の点検用蓋（１２１）をケーシング（１０）の第１側壁部（１１）に設け、第２の点検用蓋（１３１）をケーシング（１０）の第２側壁部（１２）に設けた。このため、ケーシング（１０）の第１側壁部（１１）及び第２側壁部（１２）以外の側壁部を壁や柱などに近接する状態で調湿装置を設置しても、メンテナンスの際にケーシング内の吸着素子（８１，８２）やファン（９５，９６）を取り出すことができる。したがって、調湿装置の設置重度を高めることができる。
【０１３７】
請求項５の発明では、第１のファン（９５）を第１の点検用蓋の内側面に取り付け、第２のファン（９６）を第２の点検用蓋の内側面に取り付けた。このため、各点検用蓋を開けると、その内側面に設けられたファン（９５，９６）が同時に引き出されることとなり、ファン（９５，９６）をメンテナンスをする際の作業工数を削減できる。
【０１３８】
請求項６の発明では、被処理空気の流通経路を切り換えるダンパ（２１ａ，２２ａ，…）を吸着素子（８１，８２）と一体に取り付け、点検用蓋を開いた状態で吸着素子（８１，８２）と共にケーシング（１０）から取り出し可能とした。このため、ダンパ（２１ａ，２２ａ，…）を別途取り外さなくても、吸着素子（８１，８２）を取り出してメンテナンスすることができ、メンテナンス時の作業性がさらに向上される。
【０１３９】
請求項７の発明では、冷媒回路の圧縮機（１０１）を第１又は第２のファン（９５，９６）の近傍に配置し、点検用蓋を開いた状態でケーシング（１０）から取り出し可能とした。このため、点検用蓋（１２１）を開いた状態でケーシング（１０）から圧縮機（１０１）を容易に取り出すことができ、圧縮機（１０１）が万一故障した場合でも、その修理作業や交換作業を確実に行うことができる。
【０１４０】
請求項８の発明では、第１及び第２のファン（９５，９６）の吹出側をケーシング（１０）に開口する被処理空気の排気口（１４，１６）に接続すると共に、冷媒回路の２つの熱交換器（１０３，１０４）のうち一方を第１のファン（９５）の吸気側近傍に、他方を第２のファン（９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置した。つまり、各熱交換器（１０３，１０４）は、吹出側をケーシング（１０）の排気口（１４，１６）に接続したファン（９５，９６）の上流側に設けられている。このため、各熱交換器（１０３，１０４）を取り外すことなく、点検用蓋を開ければファン（９５，９６）のメンテナンスが行える。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態１に係る調湿装置の構成及び除湿運転時の第１動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図２】実施形態１に係る調湿装置の構成及び除湿運転時の第２動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図３】実施形態１に係る調湿装置の構成及び加湿運転時の第１動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図４】実施形態１に係る調湿装置の構成及び加湿運転時の第２動作における空気の流れを示す概略構成図である。
【図５】実施形態１に係る調湿装置の要部拡大図である。
【図６】実施形態１に係る調湿装置の吸着素子の構成を示す概略斜視図である。
【図７】実施形態１に係る調湿装置の設置状態を示す概略平面図である。
【図８】実施形態１に係る調湿装置におけるメンテナンス時の機器の取り出し方向を矢印で示す概略平面図である。
【図９】実施形態１に係る調湿装置の点検用蓋の位置を示す概略斜視図である。
【図１０】実施形態２に係る調湿装置におけるメンテナンス時の機器の取り出し方向を矢印で示す概略平面図である。
【図１１】実施形態２に係る調湿装置の点検用蓋の位置を示す概略斜視図である。
【図１２】冷媒回路を省略したその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略構成図である。
【図１３】室内側吸込口が下側パネルにあるその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略斜視図である。
【図１４】熱交換器がファンの下流側にあるその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略構成図である。
【図１５】圧縮機がファンの近傍にないその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略構成図である。
【図１６】ダクトの接続位置が異なるその他の実施形態に係る調湿装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
（１０） ケーシング
（１１） 第１側壁部（第１パネル）
（１２） 第２側壁部（第２パネル）
（１４） 室内側排気口
（１６） 室外側排気口
（２１ａ〜３６ａ） 開閉シャッタ（ダンパ）
（６１） 第１シャッタ（ダンパ）
（６２） 第２シャッタ（ダンパ）
（８１） 第１吸着素子
（８２） 第２吸着素子
（９５） 第１のファン（第１排気ファン）
（９６） 第２のファン（第２排気ファン）
（１０１） 圧縮器
（１０２） 再生熱交換器（加熱器）
（１０３） 第１熱交換器
（１０４） 第２熱交換器
（１１６） 室外側排気用ダクト
（１１３） 室外側吸込用ダクト
（１１４） 室内側排気用ダクト
（１１５） 室内側吸込用ダクト
（１２１，２２１） 第１の点検用蓋
（１３１，２３１） 第２の点検用蓋

Claims (8)

1. 第１及び第２のファン（９５，９６）により中空のケーシング（１０）内で第１及び第２の被処理空気を流通させると共に、上記ケーシング（１０）内での被処理空気の流通経路を切り換えることにより、第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）とを交互に用いて室内へ供給される被処理空気の除湿又は加湿を行う調湿装置であって、
   上記ケーシング（１０）は、扁平な直方体状に形成されて該ケーシング（１０）の長手方向に直交する第１側壁部（１１）及び第２側壁部（１２）を備えており、
   上記第１及び第２の吸着素子（８１，８２）は、それぞれが直方体状に形成されて上記ケーシング（１０）の長手方向に沿うように互いに平行に並んでケーシング（１０）内に配置され、
   上記ケーシング（１０）内における第１の吸着素子（８１）と第２の吸着素子（８２）との間には、吸着素子（８１，８２）を再生するために該吸着素子（８１，８２）へ向かう被処理空気を加熱する加熱器（１０２）が設置される一方、
   上記ケーシング（１０）内では、第１の吸着素子（８１）が第２側壁部（１２）寄りに配置されて該第１の吸着素子（８１）の第１側壁部（１１）側に第１のファン（９５）が配置されると共に、第２の吸着素子（８２）が第１側壁部（１１）寄りに配置されて該第２の吸着素子（８２）の第２側壁部（１２）側に第２のファン（９６）が配置されていることを特徴とする調湿装置。
2. 請求項１に記載の調湿装置において、
   ケーシング（１０）は、第１のファン（９５）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（２２１）と、第２のファン（９６）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（２３１）とを備えていることを特徴とする調湿装置。
3. 請求項１に記載の調湿装置において、
   ケーシング（１０）は、第１のファン（９５）及び第２の吸着素子（８２）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第１の点検用蓋（１２１）と、第２のファン（９６）及び第１の吸着素子（８１）をケーシング（１０）から取り出し可能とするための第２の点検用蓋（１３１）とを備えていることを特徴とする調湿装置。
4. 請求項３に記載の調湿装置において、
   ケーシング（１０）は、第１の被処理空気を該ケーシング（１０）内へ導入するためのダクトと、第１の被処理空気を該ケーシング（１０）内から導出するためのダクトと、第２の被処理空気を該ケーシング（１０）内へ導入するためのダクトと、第２の被処理空気を該ケーシング（１０）内から導出するためのダクトとが接続可能に構成されており、
   上記ケーシング（１０）では、上記４つのダクトのうち２つのダクトの接続箇所が第１側壁部（１１）に形成され、残り２つのダクトの接続箇所が第２側壁部（１２）に形成され、
   第１の点検用蓋（１２１）が上記ケーシング（１０）の第１側壁部（１１）に設けられ、第２の点検用蓋（１３１）が上記ケーシング（１０）の第２側壁部（１２）に設けられていることを特徴とする調湿装置。
5. 請求項２又は３に記載の調湿装置において、
   第１のファン（９５）が第１の点検用蓋の内側面に取り付けられ、第２のファン（９６）が第２の点検用蓋の内側面に取り付けられていることを特徴とする調湿装置。
6. 請求項２又は３に記載の調湿装置において、
   ケーシング（１０）内には、被処理空気の流通経路を切り換えるためのダンパ（２１ａ，２２ａ，…）が設けられる一方、
   上記ダンパ（２１ａ，２２ａ，…）は点検用蓋を開いた状態で吸着素子（８１，８２）と共に上記ケーシング（１０）から取り出し可能となるように、上記吸着素子（８１，８２）と一体に取り付けられていることを特徴とする調湿装置。
7. 請求項２又は３に記載の調湿装置において、
   加熱器（１０２）が凝縮器として接続されて冷凍サイクルを行う冷媒回路を備える一方、
   上記冷媒回路の圧縮機（１０１）は、点検用蓋を開いた状態でケーシング（１０）から取り出し可能となるように、上記ケーシング（１０）内における第１又は第２のファン（９５，９６）の近傍に配置されていることを特徴とする調湿装置。
8. 請求項７に記載の調湿装置において、
   冷媒回路には、冷凍サイクル中に蒸発器として機能し得る２つの熱交換器（１０３，１０４）が設けられ、
   第１及び第２のファン（９５，９６）は、それぞれの吹出側がケーシング（１０）に開口する被処理空気の排気口（１４，１６）に接続され、
   上記ケーシング（１０）内では、上記冷媒回路の２つの熱交換器（１０３，１０４）のうち一方が第１のファン（９５）の吸気側近傍に、他方が第２のファン（９６）の吸気側近傍にそれぞれ配置されていることを特徴とする調湿装置。

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