JP5168868B2 - 量子井戸型光検知器 - Google Patents

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本発明は、入射光量に応じて光電流を発生させる光検知器に属し、光吸収を多重量子井戸(MQW:multiple quantum wells)層によって行う量子井戸型光検知器の改良に関する。
図16は従来の量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図であり、(A)は要部切断側面を、(B)はMQWの要部切断側面を、(C)は要部エネルギーバンドをそれぞれ示している。
図に於いて、1はn型GaAsコンタクト層、2はMQW層、2Bは障壁、2Wは量子井戸、3はn型GaAsコンタクト層、4は負側(接地側)電極、5は正側電極、Ec は伝導帯の下端をそれぞれ示している。
この検知器では、量子井戸2W内で光吸収によって基底準位から励起準位へと光励起された電子をバイアスを加えることで量子井戸2W外へ取り出し光電流を発生させている。
光応答の波長は、量子準位間のエネルギー差に依存することとなり、これはMQW層2に於ける量子井戸2Wの層厚と障壁2Bのエネルギー高さ(障壁2Bの材料組成に依存する)とに依って定まる。
従って、目標とする波長に合せて量子井戸2Wの層厚及び障壁2Bの組成を調整することになるが、製造時の誤差等の影響により必ずしも設計通りの応答波長が得られるとは限らない。
このような問題に対処する為、構造を異にするMQW層、即ち、応答波長を異にするMQW層を予め用意して積層しておき、目標とする波長に近い応答が得られるMQW層を選択して用いることが行われている(例えば、特許第3777889号明細書を参照。)。
図17は応答波長が異なるMQW層を積層した量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図であり、図に於いて、11はn型GaAsコンタクト層、12は第1のMQW層、13はn型GaAsコンタクト層、14は第2のMQW層、15はn型GaAsコンタクト層、16は負側(接地側)電極、17はバイアス電圧印加用電極、18は正側電極をそれぞれ示している。
図示の量子井戸型赤外線検知器では、第1のMQW層12及び第2のMQW層14の二つが積層された構造になっていて、第1のMQW層12の応答波長と第2のMQW層14の応答波長とは異なるように設計され、目標とする波長に近い応答が得られるMQW層を選択的に用いるようにしている(例えば、特許第3777889号明細書を参照。)。
図18は特許文献1に開示された発明の問題点を説明する為の量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図であり、(A)は要部切断側面を、(B)は第1のMQW層12の要部エネルギーバンドを、(C)は第2のMQW層14の要部エネルギーバンドをそれぞれ示している。
図に於いて、19は第1のMQW層12への電圧をオンオフするスイッチ、20は第2のMQW層14への電圧をオンオフするスイッチを示している。図では、スイッチ19が開放の状態、即ち、第1のMQW層12への印加電圧がオフの状態に在り、スイッチ20が閉成の状態、即ち、第2のMQW層14への印加電圧がオンの状態に在ることを示している。
図19は特許文献1に開示された発明の問題点を説明する為の検知光波長対感度の関係を表す線図であり、横軸に波長(μm)を、縦軸に感度をそれぞれ採ってあり、記号12は第1のMQW層12の応答特性、記号14は第2のMQW層14の応答特性、21は目標波長(破線の曲線)、22はクロストーク領域(破線の円)をそれぞれ示している。
図18に見られる検知器では、所定の目標波長に近い設定の2つのMQW層12及び14を積層した構成になっている為、2つのMQW層12及び14の光応答スペクトル間に波長クロストークを生じやすい。
即ち、図19に見られるように目標に近い応答を示す第2のMQW層14のみにバイアス電圧を与えて光電流を発生させ、第1のMQW層12についてはバイアス電圧をオフにして光電流は取り出さないとしても、第1のMQW層12のMQW層内では量子井戸の基底準位から光励起された電子が再度量子井戸内に捕獲される状態になる為、常に光吸収は起こることになる。
従って、クロストーク領域22の波長領域では、第1のMQW層12側に於ける光吸収の影響で第2のMQW層14への光入射が減衰することになり、この部分に於ける感度は低下する旨の問題が発生する。
特許第3777889号明細書
本発明では、積層された複数のMQW層を選択的に動作させる量子井戸型光検知器の構造に簡単な改変を加えるのみで、選択したMQW層への光入射が非選択のMQW層に於ける光吸収が影響を与えないようにする。
本発明に依る量子井戸型光検知器に於いては、上下を一導電型コンタクト層で挟まれ所要波長の光を吸収する多重量子井戸からなる第1の多重量子井戸層、及び、上下を一導電型コンタクト層で挟まれ第1の多重量子井戸層が吸収する光の波長と異なる波長の光を吸収する多重量子井戸からなる第2の多重量子井戸層を前記コンタクト層と反対導電型の半導体層を介して積層した構成を含んでなることを特徴とする。
前記手段を採ることに依り、積層した複数の感度波長を異にするMQW層のうち、検知する波長に適応するMQW層を簡単な構成で選択的に動作状態に設定することができ、また、積層されたMQW層に於ける波長間のクロストークによる感度低下を充分に抑止することができ、更にまた、そのように優れた特性をもつ光検知器でありながら、製造容易な構造であることから、その生産性は良好である。
図1は本発明に依る基本的な量子井戸型光検知器を表す要部切断側面説明図であり、図に於いて、32はn型GaAsコンタクト層、33は第1のMQW層、34はn型GaAsコンタクト層、35はp型GaAs中間層、36はn型GaAsコンタクト層、37は第2のMQW層、38はn型GaAsコンタクト層、39は正側電極、40及び41は負側(接地側)電極、42は正側電極、43及び44はスイッチをそれぞれ示している。
図示の量子井戸型光検知器では、2つのMQW層33及び37を積層させる場合、各々のMQW層33及び37の上下にコンタクト層32と34、コンタクト層36と38をそれぞれ設けるように、そして、コンタクト層34とコンタクト層36との間に各コンタクト層とは逆導電型、即ち、p型にしたGaAs中間層35を設けた構造にしてある。ここで、p型GaAs中間層35は、n型GaAsコンタクト層34とn型GaAsコンタクト層36との間でnpn接合を生成し、そのnpn接合を逆バイアスすることで電流が流れるのを抑止する働きをさせる為のものであり、本発明に於ける重要な要素の一つになっている。
また、外部からバイアス電圧を印加するための電極は、2つのMQW層33及び37のそれぞれに於ける上下のコンタクト層32及び34とコンタクト層36及び38のそれぞれに、従って、計4箇所に形成されていて、中央部に於ける2箇所の電極40及び41はスイッチ43及び44の何れか一方を選択的に閉成することに依り、二つのMQW層33及び37の何れか一方を選択的に電源に接続できるようにしている。
図2は図1に見られる量子井戸型光検知器の動作を説明する為のエネルギーバンドダイヤグラムであり、(A)は第2のMQW層に関するもの、(B)は第1のMQW層に関するものをそれぞれ表し、図1に於いて用いた記号と同じ記号で指示した部分は同一或いは同効の部分を表すものとする。尚、図に於いて、33W及び37Wは量子井戸、白丸は電子をそれぞれ示している。
本発明に依る量子井戸型光検知器に於いては、図1について説明したように、2つのMQW層33及び37が積層され、その両端の電極39及び42にバイアス電圧Vを印加してあり、電極40及び41では、片側のMQW層、図ではMQW層37に接するコンタクト層36の電極41が導通するようにスイッチ44がオン状態とされ、MQW層33のスイッチ43はオフ状態になっている。
MQW層37の光応答スペクトル特性が目標に近いものである場合、上記の接続状態でMQW層37が通常の動作状態となって、図2(A)に見られるように量子井戸37W内の電子が光励起されてコンタクト層38に流れ込むので光電流OCが発生する。
また、MQW層33に於いては、MQW層37の下部に在るコンタクト層36と最下部のコンタクト層32間でバイアス電圧が加わることになる為、図示したようにnpn接合とMQW層33とが直列に接続され、バイアス電圧が印加された状態となる。
この場合、図2(B)に見られるように、MQW層33の量子井戸33Wから光励起された電子が電界によって放出されるのであるが、その後、コンタクト層36からの電子の流入は、逆バイアス状態に在るnpn接合に依って阻止される為、光電流は生じないことになる。
即ち、MQW層33側では多重量子井戸33Wへの電子の補給は杜絶し、量子井戸33W内の電子は欠乏することになるから、MQW層33に於いて光吸収は起こらない。
前記説明した動作からすれば、MQW層33側のクロストークに起因するMQW層37の感度低下は抑止されることが理解できよう。
図3は本発明に依る量子井戸型光検知器を作製するための半導体層積層構成を表す要部側面説明図であり、基本的には、面方位(100)であるGaAs基板31上に第1のMQW層51、npn接合を生成させる為の中間層52、第2のMQW層52を成長させてある。
第1のMQW層51は、不純物濃度が1×1018cm-3であるn型GaAs層上にi−AlGaAs(Al組成=0.255)障壁層、n型GaAs井戸層を20回繰り返し形成したものである。
中間層52は、第1のMQW層51上にn型GaAs層/p型GaAs層(不純物濃度は5×1017cm-3)/n型GaAs層を順に形成したものである。
第2のMQW層53は、第1のMQW層51と比較してi−AlGaAs(Al組成=0.245)の組成が異なっている。
第2のMQW層53上には、n型GaAs層などを成長してウェーハを完成する。ここで、半導体層を結晶成長させる技術としては、MBE(molecular beam epitaxy)法、或いは、MOVPE(metalorganic vapor phase epitaxy)法を適用して良い。
図4乃至図11は前記結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図であり、以下の説明では、上記各図を参照すると共に量子井戸型光検知器の構成については図1を、そして、第1のMQW層51、中間層52、第2のMQW層53については図3を随時参照することで理解が容易になる。
図4参照
量子井戸型光検知器に必要な光結合器を作製するため、図3を用いて説明した第1のMQW層51、中間層52、第2のMQW層53を含むウェーハの表面に回折構造(凹凸)を形成する。
即ち、ウェーハの表面にAlGaAs層(極薄いので図示を省略。以下、同様。)を介してGaAs層を成膜し、前記AlGaAs層をエッチングストッパとして前記GaAs層を選択ドライエッチング法を適用して加工することで回折構造54を形成する。
図5参照
各n型GaAsコンタクト層36、34、32に対し電極を接触させる為のコンタクト穴A、B、Cを形成する。この場合、InGaP層(図3参照)をエッチングストッパとし、ドライエッチング法を適用してGaAs層/AlGaAs層を加工する。
コンタクト穴B、Cを形成する場合、エッチングストッパであるInGaP層でドライエッチングが停止するので、HClをエッチャントにしてウェットエッチングを行い、再度、ドライエッチングを行うようにする。
図6参照
コンタクト穴A〜C内壁も含めて全面にSiON保護膜55を形成し、次いで、ドライエッチング法を適用してオーミック電極形成予定領域のSiON保護膜55を除去し、次いで、リフトオフ法を適用してAuGe/Auからなる電極42、41、40、39を形成する。
図7参照
ドライエッチング法を適用し、回折構造54を覆っているSiON保護膜55を除去してから、リフトオフ法を適用し、TiW/Auからなるミラー電極56を形成する。
図8参照
表面全体をSiON保護膜57で覆い、ドライエッチング法を適用して電極42〜39と導通をとるのに必要な箇所に在るSiON保護膜57を除去してコンタクト穴を表出させる。
図9参照
スパッタリング法を適用することに依り、全面にTi/Pt膜を形成してから配線パターンのマスクを形成し、イオンミリング法を適用して不要な部分を除去することに依って電極42〜39から各コンタクト穴を介して表面に至る配線62、61、60、59を形成する。尚、配線62と配線59とは、図に現れていない箇所で共通接続されている。
図10参照
ドライエッチング法を適用することに依り、多数の画素を分離する為の分離溝を形成する予定領域に於けるSiON保護膜55を除去し、次いで、下地になっていた第2のMQW層53、中間層52、第1のMQW層51などの諸半導体層のエッチングを行って最下層のn型GaAsコンタクト層32を分断する素子分離溝63を形成する。尚、この際、エッチングストッパであるInGaP層でドライエッチングが停止した場合には、図5の工程で説明した方法と同じ方法を採って、HClをエッチャントにするウェットエッチング法を併用しつつドライエッチングを行うようにする。
図11参照
再度、全面をSiON保護膜58で覆ってから、読出し回路と接続する為に必要となるInバンプ電極59を形成する。その為には、Inバンプ電極形成予定部分に在るSiON保護膜58を除去してから、リフトオフ法を適用して作製すれば良い。
図12は本発明に依る量子井戸型光検知器と読み出し回路との接続関係を表す要部説明図であり、図1、図11に於いて用いた記号と同じ記号で指示した部分は同一或いは同効の部分を表すものとする。
図に於いて、71は読み出し回路、72及び73はスイッチ用トランジスタ、74はバイアス電源印加用入力ゲート・トランジスタ、75は積分容量、76は電源リセット用トランジスタをそれぞれ示している。尚、スイッチ用トランジスタ72及び73は図1に見られるスイッチ43及び44に相当する。
第2のMQW層53と第1のMQW層51とは図3について説明した量子井戸の構造に依り、それぞれ光応答ピーク波長が8.9μmと8.4μmとを標準にして得られるように設計されている。光検知器として使用する際の所望のピーク波長が8.6±0.2μm範囲であるとし、製造時の誤差でAl組成が大きくなった場合、第2のMQW層53側を活性化、即ち、スイッチ44(トランジスタ73)をオンにし、逆に、Al組成が小さくなった場合、第1のMQW層51側を活性化、即ち、スイッチ43(トランジスタ72)をオンにする。
図13はMQW層に於けるAl組成と光吸収波長との関係を表す線図であり、(A)は二つのMQW層をもつ本発明の場合、(B)は一つのMQW層をもつ従来例の場合をそれぞれ示している。
図の(A)に於いて、左側の数値は光の波長、その数値の右側に在る棒グラフの(1)で表示した範囲が第1のMQW層に於ける光応答ピーク波長の変化範囲、棒グラフの右側に在る数値が対応するAl組成の数値(0を0.245とし、それぞれの数値を0.01倍した値を0.245に加えた値がAl組成値)、その数値の右側に在る棒グラフの(2)で表示した範囲が第2のMQW層に於ける光応答ピーク波長の変化範囲、棒グラフの右側に在る数値が対応するAl組成の数値(0を0.255とし、それぞれの数値を0.01倍した値を0.245に加えた値がAl組成値)、その数値の右側に在る二つの曲線は第1のMQW層及び第2のMQW層の光吸収特性を表す線図である。尚、図の(B)については、MQW層が一つである場合の図で点を除き、図の(A)と同様な見方をすることができる。
本発明の場合、第1のMQW層及び第2のMQW層を選択使用することに依り、図13(A)から看取できるように、標準のAl組成設定値=0として、Al組成のずれが−4〜+5の範囲に於いて、第1及び第2の何れかのMQW層が所望のピーク波長をもつ光検知器として機能させることができる。
通常の量子井戸型光検知器、即ち、図16について説明したものでは、図13(B)から看取できるように、中心ピーク波長を8.6μmに設定して量子井戸構造を作製した場合、Al組成が−2〜+2の範囲でピーク波長=8.6±0.2μmを満足させることができるのみである。従って、本発明に依れば、ウェハの製造誤差、即ち、Al組成の誤差に対する許容範囲が大きく拡大されたことを理解できよう。
図14は本発明に依る量子井戸型光検知器の他の例を表す要部平面図であり、図4乃至図11に於いて用いた記号と同じ記号で指示した部分は同一或いは同効の部分を表すものとする。
図に於いて、81は図10に見られる素子分離溝63で電気的に個別に分断されている量子井戸型光検知器の1個分、即ち、1画素を表していて、それぞれの画素81は前記説明したように積層された二つのMQW層を備えているものとする。
各画素81に於いては、図5について説明したコンタクト穴A、B、Cを備えていて、コンタクト穴Aから引き出された配線は素子分離溝63の底を這う配線82で共通接続され、その配線82は検知器周辺に於ける一方の側に全て導出されてInバンプ65Aに接続され、そして、コンタクト穴Bから引き出された配線は同じく分離溝63の底を這う配線83で共通接続され、同じく周辺に於ける他方の側に全て導出されてInバンプ65Bに接続されている。
前記の配線82或いは83を形成することは容易であり、図9について説明した工程と図10について説明した工程の順序を入れ替える、即ち、素子分離溝63を形成してから配線の形成工程を実施することで簡単に実現することができる。
このようにすると、コンタクト穴A、Bからの引出し配線は周辺部で一括して読み出し回路と接続するよう共通化でき、各個別の画素内に形成するInバンプは1 個のみになって簡略化を図ることができる。
図15は図14について説明した光検知器を読み出し回路と接続する場合について説明する為の要部平面図であり、(A)は読み出し回路の周辺部に在るバンプ群を、(B)は光検知器の周辺部に在るバンプ群をそれぞれ示している。
図15の(A)に見られる読み出し回路の一方の側に在るバンプ89A及び対向する他方の側に在るバンプ89Bの間隔は、図15の(B)に見られる光検知器が備えるバンプ65Aとバンプ65Bとの間隔に比較して、少なくともバンプ1個分ずらせてある。従って、読み出し回路と光検知器との各バンプ側を対向させ、例えば、バンプ89Aとバンプ65Aとを接続した場合、バンプ89Bとバンプ65Bとは接続されないので回路オープンの状態になる。尚、図示例では、バンプ65B側が接続されている。
このように、実施例2では、読み出し回路と光検知器との貼り合わせ位置をずらせるだけで、第1のMQW層と第二のMQW層の何れを動作可能状態にするかを選択することができるので、図1について説明したスイッチ43及び44を別設する必要がなくなる。
共通配線82及び83の何れを読み出し回路と接続するかは、画素を多数並べたチップと読出し回路チップをフリップチップ接続する前の状態で、予め第1のMQW層と第二のMQW層との素子特性を調べておき、所望の波長特性に近いMQW層側が通常通りに駆動できるような接続を選べば良い。
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができるので、以下、それを付記として例示する。
(付記1)
上下一導電型コンタクト層で挟まれ所要波長の光を吸収する多重量子井戸からなる第1の多重量子井戸層、及び、上下を一導電型コンタクト層で挟まれ第1の多重量子井戸層が吸収する光の波長と異なる波長の光を吸収する多重量子井戸からなる第2の多重量子井戸層を前記コンタクト層と反対導電型の半導体層を介して積層した構成を含んでなること
を特徴とする量子井戸型光検知器。
(付記2)
第1の多重量子井戸層に於ける基板側一導電型コンタクト層及び第2の多重量子井戸層に於ける表面側一導電型コンタクト層に形成され同じバイアス電源に接続される電極と、 第1の多重量子井戸層に於ける表面側一導電型コンタクト層及び第2の多重量子井戸層に於ける基板側一導電型コンタクト層に形成され何れか一方が前記バイアス電源と異なる電位に接続され、且つ、他方が前記電位から開放されている電極と
を備えてなることを特徴とする(付記1)記載の量子井戸型光検知器。
(付記3)
積層された第1の多重量子井戸層及び第2の量子井戸層を含む画素が多数配列されたアレイ、及び、画素からの光電流信号を読み出す読み出し回路の接続構成に於いて、
アレイに於ける第1の多重量子井戸層の表面側コンタクト層に於ける各電極を共通に結ぶ配線、及び、アレイに於ける第2の多重量子井戸層の基板側コンタクト層に於ける各電極を共通に結ぶ配線が設けられ、前記各配線の何れか一方の配線が読み出し回路に接続されてなること
を特徴とする(付記1)或いは(付記2)記載の量子井戸型光検知器。
(付記4)
各共通配線と読み出し回路との間に介在して前記共通配線の何れかを読み出し回路に接続するスイッチ
を備えてなることを特徴とする(付記1)乃至(付記3)の何れか1記載の量子井戸型光検知器。
(付記5)
多重量子井戸層に於ける量子井戸及び障壁がGaAs、InAs、AlAs、InP、GaP、AlP及びこれ等の混晶から選択された材料からなること
を特徴とする(付記1)乃至(付記4)の何れか1記載の量子井戸型光検知器。
(付記6)
(付記1)乃至(付記5)の量子井戸型光検知器を製造する場合に於いて、
第1の多重量子井戸層及び第2多重量子井戸層の何れかを読み出し回路に接続する際、予め各多重量子井戸層の分光応答特性を測定して適切な多重量子井戸層を選択する工程
が含まれてなることを特徴とする量子井戸型光検知器の製造方法。
本発明に依る基本的な量子井戸型光検知器を表す要部切断側面説明図である。 図1に見られる量子井戸型光検知器の動作を説明する為のエネルギーバンドダイヤグラムである。 本発明に依る量子井戸型光検知器を作製するための半導体層積層構成を表す要部側面説明図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 図3について説明した結晶成長を実施して作製したウェーハを用いて量子井戸型光検知器を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける量子井戸型光検知器を表す要部切断側面図である。 本発明に依る量子井戸型光検知器と読み出し回路との接続関係を表す要部説明図である。 MQW層に於けるAl組成と光吸収波長との関係を表す線図である。 本発明に依る量子井戸型光検知器の他の例を表す要部平面図である。 図14について説明した光検知器を読み出し回路と接続する場合について説明する為の要部平面図である。 従来の量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図である。 応答波長が異なるMQW層を積層した量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図である。 特許文献1に開示された発明の問題点を説明する為の量子井戸型赤外線検知器を表す要部説明図である。 特許文献1に開示された発明の問題点を説明する為の検知光波長対感度の関係を表す線図である。
符号の説明
32 n型GaAsコンタクト層
33 第1のMQW層
34 n型GaAsコンタクト層
35 p型GaAs中間層
36 n型GaAsコンタクト層
37 第2のMQW層
38 n型GaAsコンタクト層
39 正側電極
40及び41 負側(接地側)電極
42 正側電極
43及び44 スイッチ

Claims (5)

  1. 上下を一導電型コンタクト層で挟まれ所要波長の光を吸収する多重量子井戸層を複数備えた量子井戸型光検知器に於いて、
    最下層より第1の下部コンタクト層、第1の多重量子井戸層、第1の上部コンタクト層、前記コンタクト層とは導電型が異なる反対導電型層、第2の下部コンタクト層、第1の多重量子井戸層とは吸収波長が異なる第2の多重量子井戸層、第2の上部コンタクト層が順に積層された積層構造と、
    第1の下部コンタクト層と第2の上部コンタクト層に形成され同じバイアス電源に接続される電極と、
    第1の上部コンタクト層と第2の下部コンタクト層に形成され前記バイアス電源とは異なる電位にそれぞれスイッチを介して接続される電極と
    を備えてなることを特徴とする量子井戸型光検知器。
  2. 前記スイッチは、前記第1の上部コンタクト層に形成された電極及び前記第2の下部コンタクト層に形成された電極の2つの電極のうち、何れか一方がバイアス電位に接続された際、他方の電極がバイアス電位から開放されるように切り換えられるものであること
    を特徴とする請求項1記載の量子井戸型光検知器。
  3. 積層された第1の多重量子井戸層及び第2の多重量子井戸層を含む画素が多数配列されたアレイ、及び、画素からの光電流信号を読み出す読み出し回路の接続構成に於いて、
    前記アレイに於ける第1の多重量子井戸層の第1の上部コンタクト層に於ける各電極を共通に結ぶ配線、及び、前記アレイに於ける第2の多重量子井戸層の第2の下部コンタクト層に於ける各電極を共通に結ぶ配線が設けられ、前記各配線の何れか一方の配線が前記読み出し回路に接続されてなること
    を特徴とする請求項1或いは請求項2記載の量子井戸型光検知器。
  4. 前記各共通配線と前記読み出し回路との間に介在して前記共通配線の何れかを前記読み出し回路に接続するスイッチ
    を備えてなることを特徴とする請求項3載の量子井戸型光検知器。
  5. 多重量子井戸層に於ける量子井戸及び障壁がGaAs、InAs、AlAs、InP、GaP、AlP及びこれ等の混晶から選択された材料からなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1記載の量子井戸型光検知器。
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