JP2000323742A - 赤外線検出装置 - Google Patents

赤外線検出装置

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JP2000323742A
JP2000323742A JP11126019A JP12601999A JP2000323742A JP 2000323742 A JP2000323742 A JP 2000323742A JP 11126019 A JP11126019 A JP 11126019A JP 12601999 A JP12601999 A JP 12601999A JP 2000323742 A JP2000323742 A JP 2000323742A
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Hiroshi Nishino
弘師 西野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 赤外線検出装置に関し、信号電流の大きさに
影響を与えることなく暗電流を低減することを目的とす
る。 【解決手段】 障壁層と井戸層を交互に複数積層した多
重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して
赤外線の強度を検出する赤外線検出装置において、下部
コンタクト層1と、下部コンタクト層1上に形成された
下部多重量子井戸層2と、下部多重量子井戸層2上に形
成された中間コンタクト層3と、中間コンタクト層3上
に形成された上部多重量子井戸層4と、上部多重量子井
戸層4上に形成された上部コンタクト層5を備え、下部
多重量子井戸層2は上部多重量子井戸層4に比べて障壁
層のエネルギーバリヤが大きく且つ井戸層の不純物濃度
が高くなるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は赤外線検出装置に関
し、特に、障壁層と井戸層を交互に複数積層した多重量
子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して赤外
線の強度を検出する赤外線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図8は多重量子井戸型赤外線センサの従
来の構成を示した断面図である。同図において、40は膜
厚1,000 nm、不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから
成る下部コンタクト層、41は膜厚40nmのi−AlGaAsから
成る障壁層と膜厚5nmで不純物濃度5×1017cm-3のn
−GaAsから成る井戸層を交互に40周期程度積層したも
のから成る多重量子井戸層である。多重量子井戸層41に
おける井戸層内の電子のエネルギー準位は局在化されて
サブバンド構造を成している。42は膜厚500 nm、不純物
濃度4×1016cm-3のn−GaAsから成る上部コンタクト
層、43、44はそれぞれ下部コンタクト層40及び上部コン
タクト層42に設けられたAu/Ge/Niから成るオーミック電
極である。
【0003】上記多重量子井戸型赤外線センサにおい
て、下部コンタクト層40と上部コンタクト層42の間にオ
ーミック電極43、44を介してバイアス電圧を印加し、こ
の状態で下部コンタクト層40側から赤外線を入射させる
と、多重量子井戸層41を構成する井戸層内の電子が赤外
線を吸収して障壁層より上の励起エネルギー準位まで励
起され印加バイアスによって移動し外部へ信号電流とし
て取り出される。
【0004】なお、上述の多重量子井戸型赤外線センサ
は素子に垂直に入射する赤外線に対する感度が低い。そ
のため、通常は垂直に入射した光の方向を斜め方向に変
換するための光結合構造が設けられる。たとえば、素子
表面に凹凸構造を形成したものを光結合構造として用
い、下部コンタクト層40側から垂直に入射した赤外線を
この凹凸構造によって乱反射し斜め方向に変換するが、
図8では光結合構造は省略してある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した多重量子井戸
型赤外線センサでは、井戸層内の電子が熱的に励起され
ることによって生じる熱励起電流や井戸層内の電子が障
壁層を通過することによって生じるトンネル電流が赤外
線入射の有無にかかわらず存在し、赤外線が入射したと
きこれらの暗電流が信号電流と重なって外部へ取り出さ
れ赤外線センサのS/N比を低下させる原因となる。
【0006】周囲温度が低いときには暗電流成分として
トンネル電流が支配的であるが、周囲温度が高くなると
熱励起電流が支配的となる。従って、赤外線センサが使
用される温度領域で暗電流を低減するためには熱励起電
流を低減することが必要であり、たとえば、障壁層のエ
ネルギーバリアを大きくして熱的に励起される電子数を
低減する方法が提案されているが、この方法は信号電流
の大きさ自体をも減少させるという問題がある。
【0007】信号電流に影響を与えることなく熱励起電
流を低減するためには赤外線センサを出来るだけ低い温
度領域で動作させる必要があるが、冷却装置が大がかり
なものとなりセンサの構成が複雑且つ高コストになると
いう問題がある。
【0008】そこで本発明は、信号電流の大きさに影響
を与えることなく暗電流を低減し以て赤外線センサの感
度を向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】図1は本発明に係る赤外
線検出装置の構成を模式的に示した断面図である。同図
を参照すると、上記課題の解決は、障壁層と井戸層を交
互に複数積層した多重量子井戸層内での電子のサブバン
ド間遷移を利用して赤外線の強度を検出する赤外線検出
装置において、下部コンタクト層1と、下部コンタクト
層1上に形成された下部多重量子井戸層2と、下部多重
量子井戸層2上に形成された中間コンタクト層3と、中
間コンタクト層3上に形成された上部多重量子井戸層4
と、上部多重量子井戸層4上に形成された上部コンタク
ト層5を備え、下部多重量子井戸層2は上部多重量子井
戸層4に比べて障壁層のエネルギーバリアが大きく且つ
井戸層の不純物濃度が高いことを特徴とする赤外線検出
装置、あるいは、下部コンタクト層1と上部コンタクト
層5に中間コンタクト層3を共通電極とする逆極性のバ
イアスを印加し、下部多重量子井戸層2と上部多重量子
井戸層4を流れる電流の差を中間コンタクト層3から取
り出すようにしたことを特徴とする上記赤外線検出装置
によって達成される。
【0010】一般に、多重量子井戸層における障壁層の
エネルギーバリアを大きくした場合、井戸層内で熱的に
励起される電子数は指数関数的に減少するが、光吸収に
よって励起される電子数は障壁層のエネルギーバリアが
励起準位を越えるような大きさにならない限り変化しな
い。また、井戸層の不純物濃度を高くした場合には、熱
的に励起される電子数及び光吸収によって励起される電
子数はいずれも不純物濃度に比例して増加する。
【0011】従って、下部多重量子井戸層2における障
壁層のエネルギーバリアを上部多重量子井戸層4のそれ
に比べて大きくした場合、井戸層の不純物濃度が同一で
あれば、下部多重量子井戸層2は上部多重量子井戸層4
に比べて熱的に励起される電子数が少なく且つ光吸収に
よって励起される電子数はほぼ同じレベルとなる。この
状態で下部多重量子井戸層2における井戸層の不純物濃
度を上部多重量子井戸層4のそれに比べて高くすると、
下部多重量子井戸層2は上部多重量子井戸層4に比べて
熱的に励起される電子数がほぼ等しく且つ光吸収によっ
て励起される電子数を大幅に大きくすることができる。
即ち、上記構成によれば、下部多重量子井戸層2は上部
多重量子井戸層4に比べて暗電流の大きさがほぼ同一で
信号電流が大幅に大きくなる。
【0012】そこで、下部多重量子井戸層2と上部多重
量子井戸層4を流れる電流の差を取り出すようにすれ
ば、暗電流は互いに相殺される一方、下部多重量子井戸
層2の信号電流を実質的にそのままの大きさで外部へ取
り出すことができ赤外線検出装置のS/N比は大幅に改
善されることになる。
【0013】図1に示したように、下部コンタクト層
1、中間コンタクト層3及び上部コンタクト層5にそれ
ぞれオーミック電極6、7、8を設け、中間コンタクト
層3を共通電極として上部コンタクト層5と下部コンタ
クト層1に逆極性のバイアスを印加すると、中間コンタ
クト層3から上部多重量子井戸層4と下部多重量子井戸
層2を流れる電流の差を取り出すことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図2(a) 、(b) 、(c) 及び図3
(a) 、(b) は本発明に係る赤外線センサ素子の製作工程
を説明する工程断面図であり、簡単のため、画素1個分
に該当する部分のみを示している。図2(a) は素子製作
の出発物質となるエピタキシャルウェーハの断面図を示
したものであり、10は半絶縁性GaAs基板、11は膜厚1,00
0nm で不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る下
部コンタクト層、12は膜厚40nmのi−Al0.26Ga0.74Asか
ら成る障壁層と膜厚 5nmで不純物濃度5×1017cm-3
n−GaAsから成る井戸層を交互に20周期積層した下部
多重量子井戸層、13は厚み500nm で不純物濃度5×10
17cm-3のn−GaAsから成る中間コンタクト層、14は膜厚
40nmのi−Al0.22Ga0.78Asから成る障壁層と膜厚6.5nm
で不純物濃度4×1016cm-3のn−GaAsから成る井戸層
を交互に20周期積層した上部多重量子井戸層、15は膜
厚500nm で不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成
る上部コンタクト層である。上記各層はいずれもMOCVD
法を用いて半絶縁性GaAs基板1上に順にエピタキシャル
成長させることによって得られる。
【0015】次に、上記エピタキシャルウェーハに対し
て、図2(b) に示すように、上部コンタクト層15と上部
多重量子井戸層14を選択エッチングにより穴開けし画素
16の領域内に中間コンタクト穴18を設け、中間コンタク
ト層13の表面を露出させる。このとき、同時に、隣接す
る画素を分離するための画素分離溝17に沿って上部コン
タクト層15と上部多重量子井戸層14を選択エッチングし
中間コンタクト層13を露出させる。選択エッチングはウ
ェットエッチ法によって行い、中間コンタクト穴18及び
画素分離溝17の側面をテーパー状に加工する。
【0016】ついで、図2(c) に示したように、画素分
離溝17の底面の中間コンタクト層13及び下部多重量子井
戸層12を選択エッチングし下部コンタクト層11を露出さ
せる。そして、画素分離溝17の底面と側面に酸素イオン
を注入し図中斜線で示した部分を絶縁層化する。これに
よって画素分離溝17が完成する。
【0017】ついで、図3(a) に示したように、画素16
内における上部コンタクト層15及び中間コンタクト穴18
の底面に露出された中間コンタクト層13にAu/Ge/Niから
なるオーミック電極19、20をそれぞれリフトオフ法によ
って形成する。下部コンタクト層11に対しても同様にオ
ーミック電極が形成されるが同図には示していない。続
いて、全面にSiON膜21を形成しパターニングにより必要
部位のみを残して選択的に除去した後、Au/Ti を蒸着し
リフトオフ法により画素16の表面に反射膜22を形成す
る。
【0018】また、各画素の上部コンタクト層15に形成
されたオーミック電極19を共通に接続して外部への取り
出し電極端子に導くために、画素分離溝17の底面に共通
配線23を形成するとともに、各画素のオーミック電極19
を上記共通配線23に接続するための引き出し配線24を形
成する。これらの共通配線23及び引き出し配線24は上述
した反射膜22の形成工程と同じ工程でAu/Ti を用いたリ
フトオフ法によって形成される。
【0019】ついで、中間コンタクト穴18の底面に被着
されているSiON膜21を選択的に除去してオーミック電極
20を露出させた後、図3(b) に示したように、Au/Ti を
蒸着しリフトオフ法によってInバンプ下地電極25を設け
る。そして、この上にInバンプ26を形成する。Inバンプ
26は中間コンタクト層13から外部への取り出し電極端子
として用いられる。
【0020】なお、赤外線センサ素子の製作に用いられ
るエピタキシャルウェーハに対しては、図2(a) に示し
たエピタキシャル層以外にも上部コンタクト層等の各エ
ピタキシャル層を選択的にエッチングするために用いら
れるエッチング停止層や各エピタキシャル層の特性劣化
を防ぐためのバッファ層が必要であり、これらのエピタ
キシャル層が上記各エピタキシャル層の間に必要に応じ
て形成されるが、これらのエピタキシャル層は簡単のた
め図2(a) では省略してあり、且つその処理についても
以上の説明では省略した。
【0021】また、前述したように、素子の表面に垂直
に入射した赤外線の方向を変換するため素子表面には光
結合構造を設ける必要があり、そのため、エピタキシャ
ルウェーハに対しては、図2(a) に示したエピタキシャ
ル層に加えて凹凸構造等の光結合構造を設けるためのエ
ピタキシャル層が形成されるが、これらのエピタキシャ
ル層の構造やその加工処理についての説明も省略してい
る。
【0022】図4は以上の工程によって製作された赤外
線センサの結線図を模式的に示したものである。同図に
おいて、各画素は上部多重量子井戸層Aと下部多重量子
井戸層Bのペアで表されており、チップ36上でアレイ状
あるいは2次元状に多数配置される。各画素の上部多重
量子井戸層Aはそれぞれ上部コンタクト層とその上に形
成されたオーミック電極を介して共通配線により取り出
し電極端子30へ接続されバイアス回路31へと導かれる。
同様にして、各画素の下部多重量子井戸層Bもそれぞれ
下部コンタクト層とその上に形成されたオーミック電極
を介して共通配線により取り出し電極端子32へ接続され
バイアス回路31へ導かれる。そして、各画素の上部多重
量子井戸層Aと下部多重量子井戸層Bにはバイアス回路
31によって逆極性のバイアス電圧が印加される。
【0023】また、各画素の上部多重量子井戸層Aと下
部多重量子井戸層Bに挟まれた中間コンタクト層はオー
ミック電極(とInバンプ)を介して個別に取り出し電極
端子34へ接続され信号読出回路35へ導かれる。これによ
り、各画素における上部多重量子井戸層Aと下部多重量
子井戸層Bを流れる電流の差が信号読出回路35に入力さ
れることになる。
【0024】上記赤外線センサにおいて、上部多重量子
井戸層と下部多重量子井戸層における障壁層の組成の違
い及び井戸層の不純物濃度の違いにより下部多重量子井
戸層は下部多重量子井戸層に比べて障壁層のエネルギー
バリヤが大きく且つ井戸層の電子数が多くなっている。
そのため、赤外線が入射したとき下部多重量子井戸層は
上部量子井戸層に比べて熱的に励起される電子数はほぼ
同じレベルとなる一方、光吸収によって励起される電子
数は大幅に大きくなっている。
【0025】従って、上部多重量子井戸層は下部多重量
子井戸層に比べて、暗電流の大きさはほぼ同一で信号電
流は大幅に小さくなっているので、図4に示した接続図
において各画素から信号読出回路35に入力される電流の
うち、上部多重量子井戸層Aと下部多重量子井戸層Bで
発生する暗電流は相殺されて大幅に低減され、下部多重
量子井戸層Bで発生した信号電流が実質的にそのまま信
号読出回路35へ入力されることになる。これによって暗
電流が実質的に低減されS/N比が大幅に改善される。
【0026】上記実施例では、図3(a) で説明したよう
に、画素表面の反射膜22、画素分離溝17の底面の共通配
線23及び上部コンタクト層15に形成されたオーミック電
極19から共通配線23までの引き出し配線24はいずれも同
じ工程で形成される。そのため工程が簡略化されるとい
う利点があるものの膜厚は同一値に制限されることにな
り、また、反射膜22の表面は外気に曝されることにな
る。
【0027】そこで、図3(a) に示した工程を図5に示
した工程で置き換えるようにしてもよい。図5では、画
素16の領域内における上部コンタクト層15と中間コンタ
クト層13にAu/Ge/Niからなるオーミック電極19、20をリ
フトオフ法によって形成した後、画素16の表面にAu/Ti
からなる反射膜22をリフトオフ法によって形成する。そ
の後、全面にSiON膜21を被着し反射膜22上のSiON膜21を
選択エッチングによって穴開けする。そして、画素分離
溝17の底面に共通配線23及びこの共通配線23と上部コン
タクト層15のオーミック電極19との間の引き出し配線24
を形成する。この工程によれば反射膜22の表面をSiON膜
21で保護することができ、且つ反射膜22、共通配線23及
び引き出し配線24は別工程で形成されることになるので
それぞれの膜厚を最適に設定することができる。
【0028】また、図3(a) に示した工程は図6に示し
た工程で置き換えることもできる。図6では、画素16の
表面にAu/Ti からなる反射膜22をリフトオフ法によって
形成した後全面をSiON膜21で覆い、さらにその上にポリ
イミド膜26を塗布し画素分離溝17の内部を埋め込んで素
子表面を平坦化する。そして、ポリイミド膜26に穴開け
した後、共通配線23及び上部コンタクト層15のオーミッ
ク電極19から共通配線23までの引き出し配線24を形成す
る。この工程によれば、共通配線23と引き出し配線24を
平坦な面上で形成することができるので断線等の障害が
発生する恐れの少ない安定した赤外線センサを得ること
ができる。
【0029】また、図3(b) に示した工程では、中間コ
ンタクト層13に設けたオーミック電極20上にInバンプ26
を直接形成しているのに対し、オーミック電極20とInバ
ンプ26の形成位置を画素上でずらすこともできる。この
場合には、画素16の表面上で中間コンタクト穴18からず
れた位置に取り出し電極を設け、中間コンタクト穴18の
底面からこの取り出し電極端子まで引き出し配線を形成
し、Inバンプをこの取り出し電極に設けるようにする。
【0030】上記構成を得るためには、上部コンタクト
層15と中間コンタクト層13に設けたオーミック電極19、
20を画素16の表面上で絶縁する必要がある。そのため、
図2(a) に示したエピタキシャルウェーハの上部コンタ
クト層15の上にさらにもう一層i-GaAs層を形成したエピ
タキシャルウェーハを用い、このi-GaAs層の上に外部へ
の取り出し電極端子及び中間コンタクト層13からこの取
り出し電極端子までの引き出し配線、さらには反射膜を
形成する。この際、引き出し配線とその直下の中間コン
タクト穴の斜面との間に絶縁膜を形成するか、あるいは
酸素イオンを注入してその表面を絶縁層化しておく。そ
して、上部コンタクト層15に対するオーミック電極19
は、上記i-GaAs層を選択エッチングにより穴開けし上部
コンタクト層15の必要部位を露出させ、しかる後Au/Ge/
Niを蒸着しリフトオフ法によって形成する。
【0031】上記いずれの実施例においても各画素の上
部コンタクト層に設けたオーミック電極は引き出し配線
を介して共通配線に接続され、取り出し電極端子へ導か
れており、これによって外部への取り出し電極端子数は
低減される。しかし、この構成では、共通配線とこの共
通配線への引き出し配線がチップ上で大きな面積を占め
ることになり、また、共通配線を形成する工程が複雑と
なって赤外線センサの特性劣化をもたらす場合が生じ
る。
【0032】そのため、各画素ごとに上部コンタクト層
及び中間コンタクト層に外部への取り出し電極端子を設
けるようにし、これによって共通配線を不要にすること
もできる。図7はこのような構成を有する画素の平面図
及びこの平面図中に示した一点鎖線に沿う断面図を示し
たものであり、同図中、図2、図3と同じものには同一
番号を付してある。
【0033】図7に見られるように、反射膜は画素16の
表面上で2分割してそれぞれ上部コンタクト層15のオー
ミック電極19に接続された反射膜22-1及び中間コンタク
ト層13のオーミック電極20に接続された反射膜22-2に分
ける。そして、各々の反射膜22-1、22-2にInバンプ26-1
及び26-2を形成し、これにより各画素ごとに上部コンタ
クト層15と中間コンタクト層13のオーミック電極19、20
を外部に取り出す。なお、同図において、反射膜22-2は
オーミック電極20からInバンプ26-2への引き出し配線を
兼ねている。
【0034】なお、上述した実施例では、下部多重量子
井戸層は上部多重量子井戸層に比べて障壁層のエネルギ
ーバリヤが大きく且つ井戸層の不純物濃度が高くなって
いるが、下部多重量子井戸層と上部多重量子井戸層の特
性を逆にした場合にも同様な効果を得ることができる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば素子を冷
却することなく暗電流を低減することができるので、赤
外線検出装置の感度を向上させる上で有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る赤外線センサの構成を示す断面
【図2】 本発明の実施例を示す工程断面図(その1)
【図3】 本発明の実施例を示す工程断面図(その2)
【図4】 本発明の実施例に係る赤外線センサの結線図
【図5】 本発明の他の実施例を示す断面図(その1)
【図6】 本発明の他の実施例を示す断面図(その2)
【図7】 本発明の他の実施例を示す断面図及び平面図
【図8】 従来の多重量子井戸形赤外線センサの構成を
示す断面図
【符号の説明】
1、11、40 下部コンタクト層 4、14 上部多重量
子井戸層 2、12 下部多重量子井戸層 5、15、42 上部コ
ンタクト層 3、13 中間コンタクト層 6、7、8、19、2
0、43、44 オーミック電極 10 半導体絶縁性GaAs基板 24 引き出し配線 16 画素 25 Inバンプ下地
電極 17 画素分離溝 26、26-1、26-2
Inバンブ 18 中間コンタクト穴 31 バイアス回路 21 SiON膜 30、32、34 取り
出し電極端子 22、22-1、22-2 反射膜 35 信号読出回路 23 共通配線 36 チップ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 障壁層と井戸層を交互に複数積層した多
    重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して
    赤外線の強度を検出する赤外線検出装置において、 下部コンタクト層と、 該下部コンタクト層上に形成された下部多重量子井戸層
    と、 該下部多重量子井戸層上に形成された中間コンタクト層
    と、 該中間コンタクト層上に形成された上部多重量子井戸層
    と、 該上部多重量子井戸層上に形成された上部コンタクト層
    を備え、 該下部多重量子井戸層は該上部多重量子井戸層に比べて
    障壁層のエネルギーバリヤが大きく且つ井戸層の不純物
    濃度が高いことを特徴とする赤外線検出装置。
  2. 【請求項2】 該中間コンタクト層を共通電極として該
    上部コンタクト層と該下部コンタクト層に逆極性のバイ
    アスを印加し、該上部多重量子井戸層と該下部多重量子
    井戸層を流れる電流の差を該中間コンタクト層から取り
    出すようにしたことを特徴とする請求項1記載の赤外線
    検出装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008085265A (ja) * 2006-09-29 2008-04-10 Fujitsu Ltd 量子井戸型光検知器
US7399988B2 (en) 2006-05-10 2008-07-15 Fujitsu Limited Photodetecting device and method of manufacturing the same
JP2013191799A (ja) * 2012-03-15 2013-09-26 Fujitsu Ltd 冷却型半導体素子
JP2019125645A (ja) * 2018-01-15 2019-07-25 富士通株式会社 赤外線検出器、撮像素子、撮像システム、赤外線検出器の製造方法

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