JP3669204B2 - 赤外線イメージセンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外線イメージセンサに関し、特に、多重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して赤外線の強度を検出する赤外線イメージセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は多重量子井戸層を有する多数の画素が配置された赤外線イメージセンサの従来の構成を示した断面図である。同図において、1は画素、3は下部コンタクト層、4は多重量子井戸層、5は上部コンタクト層、6は光結合構造、7、8はオーミック電極である。
【0003】
下部コンタクト層3は膜厚1,000 nm、不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成り各画素に対して共通に形成される。多重量子井戸層4は膜厚40nmのi−Al0.26Ga0.74Asから成る障壁層と膜厚5nmで不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る井戸層を交互に20周期程度積層したものであり、井戸層内の電子のエネルギー準位は局在化されてサブバンド構造を有している。
【0004】
上部コンタクト層5は膜厚50 nm 、不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る。また、光結合構造6は膜厚500nm 、不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成り、下部コンタクト層3側から垂直に入射した赤外線の方向を斜め方向に変換する機能を有するものである。
【0005】
一般に、多重量子井戸層を利用した赤外線イメージセンサは画素に対し垂直に入射する赤外線の吸収効率が低い。そのため、全ての画素に光結合構造を設けて垂直に入射した光の方向を斜め方向に変換し、これにより赤外線の吸収効率を高くするようにしており、たとえば、画素1の表面に凹凸部を設けて光結合構造6としている。
【0006】
以上の構成を有する赤外線イメージセンサにおいて、下部コンタクト層3と上部コンタクト層5の間にそれぞれAu/Ge/Niから成るオーミック電極7、8を介してバイアス電圧を印加し、この状態で下部コンタクト層3側から赤外線を入射させると、多重量子井戸層4を構成する井戸層内の電子が赤外線を吸収して障壁層より上の励起エネルギー準位まで励起され印加バイアスによって移動し外部へ信号電流として取り出される。
【0007】
しかしながら、上述した多重量子井戸型の赤外線イメージセンサでは、井戸層内の電子が熱的に励起されることによって生じる熱励起電流や井戸層内の電子が障壁層を通過することによって生じるトンネル電流が赤外線入射の有無にかかわらず存在し、赤外線が入射したときこれらの暗電流が信号電流と重なって外部へ取り出されS/N比を低下させる。
【0008】
赤外線イメージセンサの通常使用される温度領域では暗電流成分として熱励起電流が支配的となる。そこで、実用上は、赤外線イメージセンサを冷却して画素内で発生する暗電流自体の低減を図り、さらに、信号読出回路で画素の出力電流から暗電流を差し引く補正処理を行うことによりS/N比に対する暗電流の影響を低減するようにしている。このような補正処理に用いられる暗電流の大きさはあらかじめ赤外線の入射がないときの画素の出力電流を測定することによって求められる。
【0009】
しかし、多重量子井戸層で発生する暗電流は温度やバイアスに対する依存性が大きく動作環境のわずかな変化によって大きく変動する。そのため暗電流を正確に見積もることは難しく上述のような補正処理の精度を高めることは困難である。また、赤外線イメージセンサでは、多数の画素が列状あるいは面状に広がって配置されるため、作成工程で画素特性に場所的バラツキが生じることは避けられず、これによって画素ごとに暗電流の大きさにバラツキが生じる。このような暗電流のバラツキを考慮した補正処理は複雑となり補正処理の精度低下は避けられない。
【0010】
そこで、暗電流のみを発生するダミー用の画素を通常の赤外線検出用の画素と混在させて配置し、隣接するダミー用の画素と赤外線検出用の画素の電流の差を信号読出回路で検出する方法が用いられている。
【0011】
図11は赤外線検出用画素とダミー画素を混在させて配置した赤外線イメージセンサの構成を示した断面図であり、図10と同一のものには同一番号を付してある。同図に見られるように、赤外線が入射する側の下部コンタクト層3に遮光膜9を設けた画素をダミー用の画素とし、赤外線検出用の画素とダミー用の画素を隣接して配置しその出力電流の差を取り出すことにより暗電流を相殺するものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成によれば、暗電流の動作環境による変動や場所的バラツキを自動的に補正することが可能となる。しかし、遮光膜を形成するための工程が新たに必要となり、しかも、図11に見られるように、遮光膜9は下部コンタクト層3に対して画素1が形成される面と反対側の面に形成される。そのため、遮光膜を形成する工程は画素の形成工程とは整合がとれずこのような工程の追加は赤外線イメージセンサを高コストにするという問題がある。
【0013】
そこで、本発明は、簡単な構成で暗電流の高精度な補正が可能な赤外線イメージセンサを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明に係る赤外線イメージセンサの構成を模式的に示した断面図である。同図を参照すると、上記課題の解決は、多重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して赤外線の強度を検出する複数の画素が列状あるいは面状に配置された赤外線イメージセンサにおいて、垂直に入射した赤外線を斜め方向に変換する光結合構造6が形成されている第1の画素1と、光結合構造6が形成されていない第2の画素2が混在して配置され、第1の画素1と第2の画素2に流れる電流の差を検出することを特徴とする赤外線イメージセンサ。
【0015】
あるいは、第1の画素1と第2の画素2は下部コンタクト層3上で互いに分離して形成された多重量子井戸層4及び上部コンタクト層5から成り、第1の画素1の上部コンタクト層5上には光結合構造6が形成され、第2の画素2の上部コンタクト層5上には光結合構造6が形成されていないことを特徴とする上記赤外線イメージセンサによって達成される。
【0016】
前述したように、多重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して赤外線の強度を検出する画素は光結合構造の有無によって赤外線の吸収効率に大きな相違があり、その結果、赤外線が入射したときに画素に発生する信号電流の大きさは光結合構造の有無によって大きく異なる。一方、暗電流の大きさは光結合構造の有無に依存しない。
【0017】
本発明では、光結合構造の有無に応じた第1の画素と第2の画素の出力電流の差を検出するようにしている。従って、暗電流は相殺される一方、光結合構造の形成されている第1の画素の信号電流のみが検出されることになる。また、第1の画素と第2の画素を混在して配置しているので暗電流の動作環境による変動や場所的バラツキをも高程度で補正することが可能となる。
【0018】
また、上述の赤外線イメージセンサにおいて、光結合構造を形成するか否かを各画素の上部コンタクト層上に光結合構造を形成するためのマスクパターンの変更のみで対応することができ、従来の作成工程を大きく変更する必要がないため赤外線イメージセンサの低コスト化を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図2(a) 〜(d) は本発明に係る赤外線イメージセンサの作成工程を説明する工程断面図である。図2(a) はデバイス作成の出発物質となるエピタキシャルウェーハの断面図を示したものであり、10は半絶縁性GaAs基板、11は膜厚1,000nm で不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る下部コンタクト層、12は膜厚40nmのi−Al0.24Ga0.76Asから成る障壁層と膜厚 5nmで不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る井戸層を交互に20周期程度積層した多重量子井戸層、13は膜厚50nmで不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る上部コンタクト層、14は膜厚500nm で不純物濃度5×1017cm-3のn−GaAsから成る光結合層である。上記各層はいずれもMOCVD 法を用いて半絶縁性GaAs基板10上に順にエピタキシャル成長させることによって得られる。
【0020】
赤外線イメージセンサの作成に際しては、エピタキシャルウェーハ上に形成された各エピタキシャル層を選択的にエッチングするためのエッチング停止層や各エピタキシャル層の特性劣化を防ぐためのバッファ層が必要であり、従って、実際の作成工程では、半絶縁性GaAs基板10上にこれらの層が各エピタキシャル層の間に形成されたエピタキシャルウェーハが用いられるが、簡単のため、図2ではこれらの層を省略している。
【0021】
次に、上記エピタキシャルウェーハに対して、図2(b) に示すように、光結合層14をドライエッチングすることにより凹凸部15を形成し、残りの光結合層14を除去する。これによりエピタキシャルウェーハ上に凹凸部15の形成の有無に応じた2種類の画素16、17が配置される。凹凸部15の形成された画素16は通常の赤外線検出用の画素として動作し、凹凸部15の形成されていない画素17は赤外線に対する感度の低いダミー用の画素として動作する。エピタキシャルウェーハ上における赤外線検出用の画素とダミー用の画素の配置方法には、後述するように様々なバリエーションがあるが、本実施例では簡単のため、図2(b) に示したように、赤外線検出用の画素とダミー用の画素を各1個隣接して配置した例を示している。
【0022】
なお、凹凸部15を形成する工程において、光結合層14をエッチングする際、上部コンタクト層13の表面でエッチングを停止させるため光結合層14と上部コンタクト層13の間に、例えば、膜厚 5nmのn−AlGaAsから成るエッチング停止層が必要であるが、前述のようにこれらの処理についての説明は省略する。
【0023】
ついで、上部コンタクト層13及び多重量子井戸層12をウェットエッチングして下部コンタクト層11の表面を露出させ溝18を形成する。後の工程で溝18の斜面に形成される引き出し配線の断線を防ぐため、溝18の斜面はテーパー形状に加工される。
【0024】
次に、図2(c) に示したように、溝18の底面に露出している下部コンタクト層11にAu/Ge/Niからなるオーミック電極19をリフトオフ法により形成する。同様にして、画素16、17の上部コンタクト層13に対してもAu/Ge/Niからなるオーミック電極20をリフトオフ法により形成する。そして、画素16、17の表面にAu/Ti から成る反射膜21をリフトオフ法により形成する。反射膜21は下部コンタクト層11側から入射した赤外線を反射させる機能を有するものであり、多層量子井戸層12内における電子の赤外線吸収効率をより向上させるために形成される。同図には、凹凸部15の形成されていない画素17の表面にも反射膜21を形成しているが、これは省略することができる。
【0025】
また、反射膜21の形成工程と同じ工程で、溝18の底面に設けたオーミック電極19から図示しない電極端子までの引き出し配線22を形成する。そして、反射膜21及び引き出し配線22上にはTi/Au を蒸着しリフトオフ法により図示しないバンプ下地電極を形成する。
【0026】
ついで、図2(d) に示したように、上部コンタクト層13及び多重量子井戸層12をドライエッチングすることにより画素16、17を分離するための画素分離溝23を形成する。そして、反射膜21及び引き出し配線22上のバンプ下地電極にInバンプ24、25を形成して電極端子とする。最後に、半絶縁性GaAs基板10を研磨により除去しチップに分割してバッケージに実装する。
【0027】
以上の工程で作成された赤外線イメージセンサに対して、赤外線が下部コンタクト層11側から入射したとき、凹凸部15の形成された画素16では、垂直に入射した赤外線が斜め方向に反射されて多重量子井戸層12内で電子を励起して信号電流を発生させる。これに対し、凹凸部15の形成されていない画素17では、垂直に入射した赤外線が斜め方向に反射されることがないため多重量子井戸層内の電子は励起されず信号電流が発生しない。
【0028】
図3は赤外線イメージセンサの画素配置を示す平面図であり、マトリクス状に6×6画素を配置した例を示している。各画素は第1〜第6のライン番号及びA〜Fの列記号によって区別され、奇数ラインに凹凸部を有する通常の赤外線検出用の画素、偶数ラインに凹凸部の形成されていないダミー用の画素が配置されている。図中斜線で示した画素がダミー用の画素を表している。
【0029】
図4は図3に示した画素配置を持つ赤外線イメージセンサの駆動回路を示すブロック図であり、図3のA列に配置されている第1ラインから第6ラインまでの画素1A〜6Aに対する駆動方法を説明するものである。同図において、60はセンサチップ、61、62はチップ60上に形成されている電極端子、63はバイアス回路、64は信号読出回路、65は信号読出回路64内に設けられた差動増幅器である。
【0030】
図4と図2(d) を対応させると、図4に示した電極端子61、62はそれぞれ図2(d) に示したInバンプ25、24を表しており、画素1A〜6Aの下部コンタクト層11はオーミック電極19と引き出し配線22を介して電極端子61へ共通に接続されバイアス回路63へ導かれる。また、上部コンタクト層13は各画素ごとに電極端子62へ接続され信号読出回路64へ導かれる。
【0031】
上記構成において、バイアス回路63からバイアスが印加されると、センサチップ60上の奇数ラインに配置されている赤外線検出用の画素1A、3A、5Aの出力電流はそれぞれ隣接した偶数ラインに配置されているダミー用の画素2A、4A、6Aの出力電流と対になって信号読出回路64内の差動増幅器65へ入力される。これによって赤外線検出用の画素1A、3A、5Aの暗電流はダミー用の画素2A、4A、6Aの暗電流と相殺され、赤外線検出用の画素1A、3A、5Aの信号電流のみが差動増幅器65から出力されることになる。
【0032】
図3に示した画素配置を有する赤外線イメージセンサは、赤外線検出用の画素の配置されているラインを順次走査方式で駆動する場合に用いられる。
【0033】
図5は赤外線イメージセンサの他の画素配置を示す平面図であり、凹凸部の形成されていないダミー用の画素を第2ラインと第5ラインに配置した例を示している。
【0034】
図6は図5に示した画素配置を有する赤外線イメージセンサの駆動回路を示すブロック図であり、図4と同一のものには同一番号を付してある。信号読出回路64には、第2ラインと第5ラインに配置されたダミー用の画素の電極端子62を隣接する左右の差動増幅器65の間で切り換えるスイッチ66が設けられている。そして、スイッチ66の切換えによってダミー用の画素の出力は左隣と右隣に配置されている赤外線検出用の画素の一方と対になって差動増幅器65に入力される。即ち、スイッチ66の切替えにより第1ライン、第4ラインの赤外線検出用の画素と第3ライン、第6ラインの赤外線検出用の画素が交互にダミー用の画素と対になって差動増幅器へ入力されることになる。
【0035】
上記構成によれば、ダミー用の画素を両隣りの赤外線検出用の画素で共用しているので、図3の画素配置に比べてダミー用の画素数は半分となる。この構成は1ラインおきに画素を駆動する飛越走査方式で駆動する場合に用いられる。
【0036】
図7(a) 〜(c) 及び図8(a) 〜(c) は本発明の他の実施例に係る赤外線イメージセンサの作成工程を説明する工程断面図である。図7(a) はデバイス作成の出発物質となるエピタキシャルウェーハの断面図を示したものであり、30は半絶縁性GaAs基板、31、33は下部コンタクト層、32は分離層、34は多重量子井戸層、35は上部コンタクト層、36は光結合層である。上記エピタキシャルウェーハは、図2(a) に示したエピタキシャルウェーハにおける下部コンタクト層11を2層構成にして下部コンタクト層31、33を設けるとともにその間を分離する分離層32を設けた点でのみ異なっている。
【0037】
次に、上記エピタキシャルウェーハに対して、図7(b) に示すように、光結合層36をドライエッチングすることにより凹凸部37を形成し、残りの光結合層36を除去する。これによって凹凸部37の形成の有無に応じた2種類の画素38、39をエピタキシャルウェーハ上に配置する。図2で説明したように、凹凸部37の形成された画素38は通常の赤外線検出用の画素として動作し、凹凸部37の形成されていない画素39は赤外線に対する感度の低いダミー用の画素として動作する。
【0038】
なお、凹凸部37を形成する工程において光結合層36をエッチングする際、上部コンタクト層35の表面でエッチングを停止させるため光結合層36と上部コンタクト層35の間にエッチング停止層を設ける必要がある、前述のようにこれらの処理についての説明は省略する。
【0039】
ついで、上部コンタクト層35、多重量子井戸層34をウェットエッチングして溝40、41を形成し下部コンタクト層33の表面を露出させる。さらに、一方の溝41の底面の下部コンタクト層33と分離層32をウェットエッチングして下部コンタクト層31の表面を露出させる。
【0040】
次に、図7(c) に示したように、溝40の底面に露出している下部コンタクト層33にAu/Ge/Niからなるオーミック電極42をリフトオフ法により形成する。同様にして、溝41の底面に露出している下部コンタクト層31に対してAu/Ge/Niからなるオーミック電極43をリフトオフ法により形成する。さらに、画素38、39の上部コンタクト層35に対してもAu/Ge/Niからなるオーミック電極44、45をリフトオフ法により形成する。そして、画素38、39の表面には、Au/Ti から成る反射膜46をリフトオフ法により形成する。
【0041】
また、反射膜46の形成と同工程で溝40、41の底面に設けたオーミック電極42、43から図示しない電極端子までの引き出し配線47を形成する。そして、反射膜46及び引き出し配線47上にTi/Au を蒸着しリフトオフ法により図示しないバンプ下地電極を形成する。
【0042】
ついで、図8(a) に示したように、上部コンタクト層35、多重量子井戸層34を選択エッチングして赤外線検出用の画素38を分離するための画素分離溝48、49を形成する。そして、画素分離溝48、49の底面に酸素イオンを注入することにより、この領域の下部コンタクト層33を絶縁層50、51に変換する。
ついで、図8(b) に示したように、一部の画素分離溝48の底面に対して選択的にシリコンイオンの注入を行い、上記底面に形成されている絶縁層50及び画素分離層32の一部をn+ 化し導通層52に変換する。
【0043】
上記工程により下部コンタクト層31、33はそれぞれ赤外線検出用の画素38とダミー用の画素39の下部コンタクト層として機能することになる。
【0044】
ついで、図8(c) に示したように、上部コンタクト層35、多重量子井戸層34を選択エッチングしてダミー用の画素39を分離するための画素分離溝53を形成する。
【0045】
ついで、ポリイミド膜56を塗布して表面を平坦化した後必要部位を穴開けしAu/Ti で埋め込んで導通穴54を形成し、この上にバンプ下地電極55を形成する。隣接する赤外線検出用の画素38とダミー用の画素39のバンプ下地電極55は共通に設けられる。そして、この上に、同図に示したようにInバンプ57、58、59を形成して電極端子とする。
【0046】
上記工程によれば、赤外線検出用の画素38は下部コンタクト層31で共通に接続されオーミック電極43を介してInバンプ58へ接続されることになり、また、ダミー用の画素39は下部コンタクト層33で共通に接続されオーミック電極42を介してInバンプ59へ接続されることになる。そして、赤外線検出用の画素38とダミー用の画素39の上部コンタクト層35はオーミック電極44、45を介して共通のInバンプ57へ接続される。これによって電極端子数は図2で説明した赤外線イメージセンサの構成に比べて半分にすることができる。
【0047】
図9は上記工程によって作成された赤外線イメージセンサの駆動方法を説明するブロック図であり、図4と同一のものには同一番号を付してある。同図において、電極端子61-1、61-2、62はそれぞれ図8(c) におけるInバンプ59、58、57を表している。即ち、赤外線検出用の画素1A、3A、5Aは共通の下部コンタクト層31を介して電極端子61-2へ接続され、ダミー用の画素2A、4A、6Aは共通の下部コンタクト層33を介して電極端子61-1へ接続され、バイアス回路63によってそれぞれ逆バイアスが印加される。また、赤外線検出用の画素1Aとダミー用の画素2Aは共通の上部コンタクト層35を介して電極端子62へ接続され信号読出回路64へ導かれる。
【0048】
上記構成によれば、電極端子62から赤外線検出用の画素とダミー用の画素を流れる電流の差が出力されることになり、これによって図4で説明した構成に比べて電極端子数が半分に低減されるとともに、信号読出回路64には差動増幅器が不要となる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば光結合構造の形成の有無によって容易にダミー用の画素を得ることができるので、従来の工程に大幅な変更を加えることなくS/N比の高い赤外線イメージセンサを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る赤外線イメージセンサの構成を示す断面図
【図2】 本発明の実施例を示す工程断面図
【図3】 赤外線イメージセンサの画素配置を示す平面図(その1)
【図4】 赤外線イメージセンサの駆動回路を示すブロック図(その1)
【図5】 赤外線イメージセンサの画素配置を示す平面図(その2)
【図6】 赤外線イメージセンサの駆動回路を示すブロック図(その2)
【図7】 本発明の他の実施例を示す工程断面図(その1)
【図8】 本発明の他の実施例を示す工程断面図(その2)
【図9】 赤外線イメージセンサの駆動回路を示すブロック図(その3)
【図10】 従来の赤外線イメージセンサの構成を示す断面図(その1)
【図11】 従来の赤外線イメージセンサの構成を示す断面図(その2)
【符号の説明】
1、2、16、17、38、39 画素
3、11、31、33 下部コンタクト層
4、12、34 多重量子井戸層
5、13、35 上部コンタクト層
6 光結合構造
7、8、19、20、42、43、44、45 オーミック電極
9 遮光膜
10 半絶縁性GaAs基板
14、36 光結合層
21、46 反射膜
37 凹凸部
Claims (2)
- 多重量子井戸層内での電子のサブバンド間遷移を利用して赤外線の強度を検出する複数の画素が列状あるいは面状に配置された赤外線イメージセンサにおいて、
垂直に入射した赤外線を斜め方向に変換する光結合構造が形成されている第1の画素と、該光結合構造が形成されていない第2の画素が混在して配置され、該第1の画素と該第2の画素に流れる電流の差を検出することを特徴とする赤外線イメージセンサ。 - 該第1の画素と該第2の画素は下部コンタクト層上で互いに分離して形成された多重量子井戸層及び上部コンタクト層から成り、該第1の画素の上部コンタクト層には光結合構造が形成され、該第2の画素の上部コンタクト層には光結合構造が形成されていないことを特徴とする請求項1記載の赤外線イメージセンサ。
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