JP5167993B2 - ディスプレイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶パネル等からなる表示部とバックライトユニットとを有するディスプレイ装置に関する。
近年、TFT型液晶パネルやSTN型液晶パネルを使用したディスプレイ装置は、例えば、OA分野でカラーノートPC(パーソナルコンピュータ)を中心に商品化されている。
このようなディスプレイ装置においては、液晶パネルの背面側に光源を配置し、この光源からの光で液晶パネルを照明する、いわゆるバックライト方式が採用されている。
この種のバックライト方式に採用されているバックライトユニットを大別すると、冷陰極管(CCFL)などの光源ランプを光透過性に優れたアクリル樹脂などからなる平板状の導光板内で多重反射させる「導光板ライトガイド方式」(いわゆるエッジライト方式)と、導光板を用いない「直下型方式」とがある。
導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載されたディスプレイ装置としては、たとえば図19に示すものが一般に知られている。
このディスプレイ装置は、偏光板71、73に挟まれた液晶パネル72を備え、その背面側に略長方形板状のPMMA(ポリメチルメタクリレート)やアクリルなどの透明な基材からなる導光板79が設置されており、該導光板79の上面(光出射側)と背面側の偏光板73との間に拡散フィルム(拡散層)78が設けられている。
この導光板79の背面側には、導光板79に導入された光を液晶パネル72方向に均一となるように散乱して反射させるための散乱反射パターン部(図示省略)が印刷されることによって設けられており、該散乱反射パターン部のさらに背面側には、反射フィルム(反射層)77が設けられている。また、導光板79の一側端部には、光源ランプ76が取り付けられており、さらに、該光源ランプ76の光を効率よく導光板79中に入射させるために光源ランプ76の背面側を覆うようにして高反射率のランプリフレクター81が設けられている。なお、上記散乱反射パターン部は、白色の二酸化チタン(TiO2)粉末を透明な接着剤などに混合した混合物を、所定パターンたとえばドットパターンにて印刷し乾燥、形成したものであり、導光板79内に入射した光に指向性を付与し、光出射面側へと導くようになっており、これによって高輝度化が図られている。
また、最近では、図20に示すように、光利用効率を向上させて高輝度化を図るために、拡散フィルム78と液晶パネル72との間に、光集光機能を備えたプリズムフィルム(プリズム層)74、75を設けることが提案されている。このプリズムフィルム74,75は導光板79の光出射面から出射され、拡散フィルム78で拡散された光を、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させるものである。
一方、直下型方式のバックライトユニットは、導光板の利用が困難な大型の液晶TVなどの表示装置が用いられており、このバックライトユニットを用いた一例として、例えば図21に示すようなディスプレイ装置が一般的に知られている。
このディスプレイ装置においては、偏光板71、73に挟まれた液晶パネル72が設けられるとともに、その背面側に蛍光管などからなる光源51が設けられている。そして、光源51から出射された光が、拡散フィルム82で拡散させられ、高効率で液晶パネル72の有効表示エリアに集光させられるようになっている。また、光源51からの光を効率よく照明光として利用するために、光源51の背面にはリフレクター52が配置されている。
また、このような直下型方式のバックライトユニットにおいては、正面輝度を増大させるために、図22に示すように拡散フィルム85上に輝度強調フィルム86(Brightness Enhancement Film:BEF、米国3M社の登録商標)を配置し、図23に示すように、その上に拡散フィルム82を配置したものも知られている(例えば特許文献1〜3参照)。
BEFは、透明部材上に断面三角形状の単位プリズムが一方向に周期的に配列されたフィルムであって、この単位プリズムとしては光の波長に比較してサイズ(ピッチ)が大きいものが採用されている。このBEFは、“軸外(off−axis)”からの光を集光し、この光を観察者に向けて“軸上(on−axis)”に方向転換(redirect)または“リサイクル(recycle)”する。「軸上」とは、観察者の視覚方向に一致する方向であり、一般的にはディスプレイ画面に対する法線方向側である。BEFは、このように軸外輝度を低下させることによって軸上輝度を増大させるようになっている。
このようなBEFを単独で用いた場合、単位プリズムの反復的アレイ構造は1方向のみに並列された状態となるため、その並列方向での方向転換またはリサイクルのみが可能となる。よって、水平及び垂直方向での表示光の輝度制御を行なうために、一般的には、2枚のシートを組み合わせ、単位プリズム群の並列方向が互いに略直交するように重ねて用いられる。
以上のようなBEFを輝度制御部材として用いた光制御シートでは、光源からの光が屈折して、制御された角度で出射されることによって、観察者の視覚方向の光の強度を高めるように制御することができ、これをバックライトユニットに採用したことによって、電力消費を低減しながら所望の軸上輝度の達成を可能としている。
また、近年、ディスプレイ装置の明所でのコントラストを向上させたり、映像のボケを低減させたりするために、表面に配置されていた防眩フィルムの拡散性を低減させる傾向が顕著である。それに伴い、レンズと液晶パネルとの周期性によって生じるモアレやギラツキが生じやすくなっている。そこで、このモアレを低減する方法としては、観察者側から見て液晶パネル、拡散シート、凹凸部が配列された光制御シート、およびバックライトユニットを配置し、光制御シートの凹凸配列ピッチと液晶パネルの画素ピッチとの比率および拡散シートのヘイズ率と光透過率との比率を適した値に規定する方法が提案されている(特許文献4参照)。
特公平1−37801号公報 特開平6−102506号公報 特表平10−506500号公報 特開2007−11292号公報
しかしながら、図19に示したディスプレイ装置においては、視野角の制御が拡散フィルム78の拡散性のみに依存するため、その制御は難しく、ディスプレイの正面方向の中心部は明るく、周辺部に行くほど暗くなるという現象が避けられない。そのため、液晶画面を横から見たときの輝度の低下が大きく、光の利用効率の低下を招くという問題があった。
また、図20に例示したプリズムフィルムを用いる装置では、プリズムフィルムが2枚必要であるため、フィルムの吸収による光量の低下が大きいだけでなく、部材の増加により生産コストが上昇する原因にもなっていた。
一方、上記のようなBEFを用いた場合であっても、観察者の視覚方向に進むことなく横方向に無駄に出射する想定外の光線が存在する。光強度分布は、理想的には、図24の実線Aのように±90°近辺での光強度ピークのない滑らかな凸型形状となるのが好ましいものの、このBEFを用いた光制御シートから出射される光強度分布は、図24の破線Bに示すように、正面より±90°近辺に小さな光強度ピークが認められる。これは、横方向から無駄に出射される光(サイドローブ)が増加していることを示しており、光制御シートの特性上好ましくない。
さらに、特許文献4のように、光制御シートの凹凸配列ピッチと液晶パネルの画素ピッチとの比率および拡散シートのヘイズ率と光透過率との比率を適した値に規定した場合でもモアレを完全に低減することはできず、より効果的に低減するためには強い散乱性を有する拡散フィルムを用いる必要がある。
また、近年のディスプレイ装置に対する市場ニーズとしては、表示品位を保ちつつも低消費電力化、低価格化、資源の使用量削減による環境負荷の低減が強く要請されており、これに対応すべく部品点数の削減が求められている。さらに、カラーディスプレイ装置の液晶パネルのパネル透過率は、モノクロのディスプレイ装置に比べ格段に低いため、装置自体の低消費電力を得るためにバックライトユニットの輝度向上を図ることが必須となっている。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、部品点数を少なくして、光の利用効率及び輝度を高くすることができるとともに、サイドローブやモアレを効果的に低減することが可能なディスプレイ装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために以下の手段を提案している。
即ち、本発明に係るディスプレイ装置は、光源の光を光制御シートを介して出射するバックライトユニットと、該バックライトユニットからの光照射によって画像表示を行う表示部とを有するディスプレイ装置において、観察者側から見て前記表示部の背面側に備えられた偏光板の光入射面に平均間隔Smの凹凸構造を有するレンズ保護層が形成され、前記光制御シートは、その光出射面に複数の凹凸からなる光制御構造を有し、該光制御構造は、前記レンズ保護層に最も近接した周期構造である最近周期構造と、前記レンズ保護層から最も離間した周期構造である最遠周期構造とを備え、前記平均間隔Smが80μm≦Sm≦250μmの範囲内にあるとともに、前記最近周期構造の最密間隔P1が10μm≦P1≦200μmの範囲内にあり、これら平均間隔Smと最密間隔P1とが0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たし、前記最近周期構造の延在方向と、前記最遠周期構造の延在方向とが前記光制御シートの出射面上で90°で交差し、前記最遠周期構造は、台形プリズム形状をなしており、前記台形プリズム形状の頂点に前記最近周期構造が形成され前記光制御シートの前記光制御構造と前記レンズ保護層とが他の部材を介さずに対向するように配置されることを特徴とする。
このような特徴のディスプレイ装置においては、光制御シートが最近周期構造と最遠周期構造とからなる周期構造を備えているため光の利用効率及び輝度を高くすることができるとともに、サイドローブを低減させることが可能となる。
ここで、平均間隔Smが80μm未満の場合、非周期構造による散乱効果が強すぎるため光のロスが発生して輝度が低下し、平均間隔Smが250μm超える場合、非周期性構造による散乱効果が低下するためモアレが発生する。
また、最密間隔P1が10μm未満の場合には回折現象が発生することで色ムラが発生し、最密間隔P1が200μmを超える場合にはモアレが発生する。
さらに、Sm/P1が25を超える場合、凹凸構造の平均間隔Smと最近周期構造の最密間隔P1(最近周期構造の最も密となる間隔)の相対比が大きくなるため凹凸構造の非周期構造による散乱効果が低下し、光制御シートの光制御構造と表示部の周期構造とでモアレ干渉縞が発生してしまう。一方、Sm/P1が0.4未満の場合、光の回折による色ムラが発生し得る。
この点、本発明に係るティスプレイ装置においては、80μm≦Sm≦250μm、10μm≦P1≦200μm、0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たすため、輝度を高く維持しながらモアレ干渉を防止するとともに色ムラを抑えることが可能となる。
これにより、二方向に集光機能を発揮することができるため、より集光効果を向上させることが可能となる。
P1/P2が2.0を超える場合には、集光効果が低下するという問題が生じてしまう。一方、P1/P2が0.05未満の場合、最近周期構造の最密間隔P1が小さくなり過ぎ、最近周期構造の機能を果たし得なくなってしまう。
この点、本発明においては、0.05≦P1/P2≦2.0の関係を満たすため、モアレ干渉が生じるのを防ぎつつ、最近周期構造の機能を発揮することが可能となる。
本発明に係るディスプレイによれば、表示部に平均間隔Smの凹凸構造を有するレンズ保護層を設けるとともに、光制御シートに最近周期構造及び最遠周期構造を備えた光制御構造を形成することにより、別途部品を設けなくとも、光の利用効率及び輝度を高くすることができるとともに、サイドローブやモアレを効果的に低減することが可能とし、コストが低く光学性能に優れたディスプレイ装置を提供することが可能となる。
以下、本発明に係るディスプレイ装置の第一の実施の形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、第一の実施形態のディスプレイ装置27は、観察者側Fへ光を照射するバックライトユニット13の上に、表示部(画面表示部)21が重ねられて構成される液晶表示装置であり、表示部21から観察者側Fに向けて画像信号によって表示制御された表示光を出射することで、平面状の画像を表示するものである。なお、以下では、図1の上方向を出射面側又は観察者側Fとし、下方向を背面側と称する。
また、ディスプレイ装置27は、表示部21を備える液晶表示装置としているが、少なくともバックライトユニット13を含んだ構成であれば、投射スクリーン装置、プラズマディスプレイ、ELディスプレイ等のように、バックライトユニット13からの光を表示光として画像表示を行う画像表示部の種類は問わない。
さらに、表示部21の位相差を補償するための位相差フィルムが設けられた構成とされていてもよい。
バックライトユニット13は、背面側から順に、反射板43、光源41、拡散板25及び光制御シート1が配設されることで構成されている。
光源41は、表示部21の画像表示に用いる光の供給源であり、本実施形態における光源41としては、細径の棒状の冷陰極管等の線光源が用いられている。
なお、光源41はこのような冷陰極管に限定されず、線光源であれば他のどのようなものでもよい。即ち、冷陰極管の他に、例えば、通常の蛍光管、熱陰極管、外部電極管、水銀レス希ガス蛍光ランプ、列状に配置された発光ダイオード(以下、LEDとする)、半導体レーザ等を光源として用いることができ、特に、外部電極管や列状に配列された発光ダイオードを用いることが好ましい。
また、導光板の平行溝と同等の長さを有する円柱状または角柱状の透明な導光体を用い、その導光体の上面および底面にLEDを配置したLED光源を、光源41として用いても良い。このLED光源は、導光体の上面および底面からLEDの光を入射して導光体の側面からLEDの光を出射することができるように構成されている。
本実施形態においては、上記のような光源41としての線状光源が等しい間隔でもって平行に配列されており、隣接する線光源の中心間の距離は15mm〜150mmであることが好ましく、20mm〜60mmであることがより好ましい。これにより、直下型バックライト装置の消費電力を低減できるとともに、当該装置の組み立てが容易になり、かつ発光面の輝度ムラを抑えることができる。
また、線光源の中心同士の間隔はこのようにすべての箇所で均一となっている他、部分的に不均一に変化させたものであってもよい。この例としては、直下型バックライト装置の中央箇所などにおいて点光源間の間隔を狭めるようにしたものが挙げられる。
光源41が線光源である場合において、その本数は、特に限定されない。例えば、ディスプレイ装置27を32インチとした場合、線光源の数としては、例えば、16本、14本、12本、8本等の偶数本や、その他奇数本とすることができる。
また、光源41としては以上のような線光源に限られず、点光源であってもよく、この点光源としては、水銀を用いず発光効率が高いLEDが好ましい。
図2(a)は、携帯電話などのモバイル機器に用いられる青色に発光する青色LED素子50をLED用レンズ53で覆ったものであり、該LED用レンズ53の内球面には黄色に発光する蛍光体51が塗工されている。これにより、擬似白色に発光する方式の白色LED46とされている。
この方式では単色のLED素子に蛍光体を覆うだけで擬似白色発光が実現できる利点ある。また、LED及び蛍光体の発光色は上記のものに限定されず、一つの単色LED素子に少なくとも1種類以上の蛍光体で覆ったものであれば他の形態のものであってもよい。
図2(b)は、図2(a)のLED用レンズ53にプリズム形状54を付加した白色LED46である。該プリズム形状54を用いることにより、白色LED46から出射される光の配光分布を調整することができる。
図2(c)は、擬似白色発光するLEDの他の方式として、単色に発光するLED素子(赤色LED素子48、緑色LED素子49、青色LED素子50)を組み合わせることで擬似白色に発光する方式である。この場合、上述のような図2(a)の場合と比較して、蛍光体51がLED素子からの発熱で劣化する問題を回避でき、また各LED素子の光量を調節することで任意の色彩を得ることができる。
図3は、単色に発光する単色LED(赤色LED54、緑色LED55、青色LED56)を組み合わせて点光源ユニット52として構成したものである。この場合、図3(b)のように赤色LED54、緑色LED55、青色LED56を一個ずつ組み合わせて点光源ユニット52として構成してもよいし、図3(c)のように、光出力が弱い色(例えば、緑色LED55)を複数個配置して点光源ユニット52として構成してもよい。
この点光源ユニット52を構成することで、各色のLEDを時分割で発色させるフィールドシーケンシャル法を用いてカラー表示させることも可能である。
また、点光源ユニット52においてはLEDの数は限定されない。この点光源ユニット52を複数配置する場合、隣接する点光源ユニット52同士の発光色が同一であると色の強度が部分的に強くなり観察者側から色ムラとして認識されるため、隣接する点光源ユニット52同士では発光色が異なるものとなることが好ましい。
また点光源としては上述のLEDに限定されるものではなく、例えば図4に示すように、単色の半導体レーザー(赤色半導体レーザー57、緑色半導体レーザー58、青色半導体レーザー59)の光を、ファイバ60に通して混色し、半導体レーザー用レンズ61から出射するものであってもよい。その他、点光源は、通常の蛍光ランプ、ハロゲンランプであってもよい。
また上述の点光源としての光源41を配置箇所ごとに分割駆動してもよい。これにより、明るい画像を表示する場所に対応する配置箇所の光源41を発光させ、暗い画像を表示する場所に対応する配置箇所の高原41を消灯または発光量を小さくすることで、明暗の差が大きくなりコントラストを大きくすることが可能となる。
次に、複数の点光源の配置の態様について説明する。図5は、複数の点光源41b、あるいは点光源ユニット52の配置態様を模式的に示す平面図である。
図5(a)に示すように、複数の点光源41bあるいは点光源ユニット52を配置する第1の態様は、バックライトユニット13の縦方向および横方向に沿ってマトリックス状に所定の間隔で配置した構成としている。
また、第2の態様としては、図5(b)に示すように、図5(a)における点光源41b、あるいは点光源ユニット52のC1〜C4を取り除いたような構成、すなわち、四角形の四頂点のそれぞれに点光源41bあるいは点光源ユニット52を配置し、さらに、この矩形の対角線の交点に点光源41bあるいは点光源ユニット52を配置したような構成とされている。
さらに、第3の態様としては、図5(c)に示すように、正六角形が連続して形成されたハニカム構造の各頂点に点光源41bあるいは点光源ユニット52をそれぞれ配置したような構成とすることができる。あるいは、図5(d)に示すように点光源41bあるいは点光源ユニット52を線状に配置した構成としたものであってもよい。
以上のような態様において、点光源41bあるいは点光源ユニット52間の距離は、すべての箇所で均一となっていてもよいし、部分的に変化していてもよい。この例としては、バックライトユニット13の中央箇所などにおいて点光源間の間隔を狭めるようにしたものが挙げられる。
また、隣接する点光源としての光源41の中心間の距離は、15mm〜150mmであることが好ましく、20mm〜60mmであることがより好ましい。この範囲にすることにより、バックライトユニット13の消費電力を低減できるとともに、当該装置の組み立てが容易になり、かつ発光面の輝度ムラを抑えることができる。
このような光源41から発光した光の一部は、光源41を背面側から覆うように設置された反射板43に入射し反射される。反射板43は、光源41からの光を反射することができるものであれば、どのような材料で形成してもよく、例えばPETやPP(ポリプロピレン)等にフィラーや空気を混練後延伸することによりボイドを形成して反射率を高めた樹脂シート、透明もしくは白色の樹脂シート表面にアルミ蒸着などで鏡面を形成したシート、アルミ等の金属箔もしくは金属箔を担持した樹脂シート、あるいは表面に十分な反射性を有する金属薄板により形成することができる。
そして、上記のような光源41から発光した光の一部及び反射板43で反射された光は、拡散板25の入射面に入射する。
なお、光源41として線光源を採用した場合、拡散板25の入射面と線光源の中心位置との最短距離の寸法が、2 mm〜30mm以下となるように設置され、5mm〜25mmであることがさらに好ましい。
また、光源41として点光源41bあるいは点光源ユニット52を採用した場合には、これらと拡散板の入射面との最短距離の寸法は、直下型バックライト装置の厚みと輝度の均一度を考慮して設計すればよいが、1mm〜30mmであることが好ましく、3mm〜25mmであることがより好ましい。これにより、輝度ムラを低減することができるとともに、点光源の発光効率の低下を防ぐことができ、さらに、バックライト13全体の厚さを薄くできる。
拡散板25は、透明樹脂に光拡散領域が分散されて形成された略板状をなす部材であって、光源41からの光を、該拡散板25の入射面の凹凸構造、および拡散板25内部の拡散領域と透明樹脂との屈折率差、拡散板25の出射面の凹凸構造により拡散する。
この拡散板25を構成する透明樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを用いることができ、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系アクリル樹脂、シリコーン系アクリル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィンポリマー、メチルスチレン樹脂、フルオレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン、アクリロニトリルポリスチレン共重合体などを用いられる。
また、この透明樹脂に分散される光拡散領域は、好適な拡散性能を容易に得ることができる光拡散粒子からなることが好ましい。
この光拡散粒子としては、無機酸化物または樹脂からなる透明粒子を用いることができる。無機酸化物からなる透明粒子としては、例えば、シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、樹脂からなる透明粒子としては、アクリル粒子、スチレン粒子、スチレンアクリル粒子及びその架橋体、メラミン−ホルマリン縮合物の粒子、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(ペルフルオロアルコキシ樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、PVDF(ポリフルオロビニリデン)、及びETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体)等のフッ素ポリマー粒子、シリコーン樹脂粒子などを用いることができる。
また、先に記載した透明粒子から2種類以上の透明粒子を組み合わせて使用してもよい。さらにまた、透明粒子の大きさ、形状は、特に規定されない。
前記光拡散領域として前記光拡散粒子を用いた場合には、拡散板25の厚さが0.1〜5mmであることが好ましい。
拡散板25の厚みが0.1〜5mmである場合には、最適な拡散性能と輝度を得ることができる。一方、0.1mm未満の場合には、拡散性能が足りず、5mmを超える場合には、樹脂量が多いため吸収による輝度低下が生じる。
なお、透明樹脂として熱可塑性樹脂を用いた場合には、該熱可塑性樹脂内に形成される気泡を光拡散領域として用いてもよい。この気泡の内部表面が光の乱反射を生じさせ、光拡散粒子を分散させた場合と同等以上の光拡散機能を発現させることができる。これによって、拡散板25の膜厚をより薄くすることが可能となる。
また、光拡散性領域として、白色PETや白色PPなどを採用することもできる。白色PETは、PETと相溶性のない樹脂や酸化チタン(TiO2 )、硫酸化バリウム(BaSO4 )のようなフィラーをPETに分散させた後、該PETを2軸延伸法で延伸することにより、該フィラーの周りに気泡を発生させて形成する。
なお、拡散板25は、少なくとも1軸方向に延伸されてなればよい。少なくとも1軸方向に延伸されれば、フィラーの周りに気泡を発生させることができるためである。
この熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、シクロヘキサンジメタノール共重合ポリエステル樹脂、イソフタル酸共重合ポリエステル樹脂、スピログリコール共重合ポリエステル樹脂、フルオレン共重合ポリエステル樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、脂環式オレフィン共重合樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、シクロオレフィンポリマー,アクリロニトリルポリスチレン共重合体およびこれらを成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物などを用いることができ、特に制限されることはない。
ここで、拡散板25の厚さが25μm未満の場合には、拡散板25自体のこしが不足し、製造工程やディスプレイ内でしわを発生しやすくなるので好ましくない。また、拡散板25の厚さが500μmを超える場合には、光学性能に格別問題はないが、剛性が増すためロール状に加工しにくい、スリットが容易にできないなどの問題が生じるので好ましくない。よって、拡散板25の厚さは25〜500μmの範囲内に形成することが好ましい。あることが好ましい。
さらに、拡散板25の表面には凹凸形状(図示せず)を形成してもよい。この凹凸形状により拡散板25から出射する光を拡散して、光の均一性をより向上させることができる。この場合、凹凸形状は中心線平均粗さRaが3μm〜1,000μmであるプリズム形状、またはレンズ形状が好ましい。プリズム形状の場合、プリズム形状は多角形が好ましく、そのプリズム頂角を40度〜170度、プリズムのピッチを20μm〜700μmとするのがより好ましい。またプリズム形状は角錐形状、角錐台形状でもよい。また上述の凹凸形状は、凹凸形状に入射する光の照度または輝度に対応して形状を変化させてもよく、例えば、凹凸形状に入射する光の照度または輝度が大きい領域では、上述のプリズム頂角を小さくしてもよい。
また凹凸形状は、梨地状などのマット面に形成してもよい。
さらに、この場合の拡散板25の全光線透過率は40%以上98%以下、ヘイズは20%〜100%、吸水率は0.25%以下とすることが好ましい。
このような構成の拡散部材25は、公知の技術である共押出成型法、射出成形法、熱プレス法、注形重合法等を用いて製造することができる。
また、拡散板25に凹凸形状をつける方法としては、上述の共押出形成法、射出成形法で拡散板25を形成中に、凹凸形状を賦型するための金型に圧力をかけて密着させ、凹凸形状を転写することができる。あるいは、拡散板25の入射面、あるいは射出面に、UV硬化樹脂などのような放射線硬化樹脂を用いて凹凸形状を成形することもでき、例えば、共押出法により拡散板25を板状部材として成形した後に、拡散板25の入射面、あるいは射出面に凹凸形状をUV成形して形成することができる。
また、凹凸形状を有するフィルムを別体として形成して、接着材又は粘着材からなる接合層を介して、該フィルムを拡散板25に張り合わせて凹凸形状を形成してもよい。
この凹凸形状を有するフィルム製造方法としては、透光性フィルム上にUVや放射線硬化樹脂(UVや放射線で硬化する材料を含む樹脂であれば特に種類は限定しない)を用いた成形方法が挙げられる。ここで透光性フィルムとしては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)PMMA(ポリメチルメタクリレート)、ベンジルメタクリレートやMS樹脂、その他のアクリル系樹脂、あるいはCOP(シクロオレフィンポリマー)等の光学的に透明な部材を使用するのが好ましい。
またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成してもよい。
このような拡散板25から出射された光は、光制御シート1の入射面に入射する。この光制御シート1は、入射した光を出射面から出射する際に、光の出射方向、範囲、色、輝度分布の何れか1つを少なくとも制御可能なように構成されている。
図6(a)は、本実施形態の光制御シート1の概略構成を示す断面図、また図6(b)は、光制御シート1の構成例を示す斜視図である。
光制御シート1は、透光性基材17の観察者側Fの面17bに、複合プリズムレンズである略かまぼこ形状の単位レンズ14が同一方向にアレイ状に配列されて構成され、透光性基材の他方の面は略平坦をなす平面部(入射面)17aとされている。
単位レンズ14は、図6(a)に示すように、断面視略凸レンズの略半分の形状をなす二つのプリズムレンズ15、15が一部重なって且つ単位レンズ14の配列方向にシフト量Δだけズレて複合化(一体化)された例えば略花びら形状をなしている。二つのプリズムレンズ15、15は本実施形態ではそれぞれ左右対称をなす同一形状とするが、必ずしも同一である必要はない。また、プリズムレンズ15、15のシフトする方向は配列方向のみならず、この配列方向に直交する鉛直方向にシフトしたものであってもよい。
また、単位レンズ14は各プリズムレンズ15の両側に湾曲側面15a,15bを有している。単位レンズ14,14間の谷部18aは例えば逆円弧状等の凹曲面を形成している。同様に、単位レンズ14における二つのプリズムレンズ15,15間の谷部18bも例えば逆円弧状等の凹曲面を形成している。隣り合う単位レンズ14、14同士の谷部18aや1つの単位レンズ14の二つのプリズムレンズ15,15同士の谷部18bをそれぞれ凹曲面で形成することで、集光効果を高めて視覚方向の輝度を向上させると共に光制御シート7の視野範囲が拡大する。しかも、凹曲面によって谷部18a、18bの谷線が見えづらくなるためモアレコントラスト低減の効果が得られる。
シフト量Δは、プリズムレンズ15の配列ピッチをP0とした場合、下記の(1)式のの範囲に設定される。
(1/5)P0≦Δ≦(2/3)P0 …(1)
ここで、シフト量Δが下限値(1/5)P0より小さいと集光効果が小さく、上限値(2
/3)P0を越えるとサイドローブが生じ易いため望ましくない。
このようにしてプリズムレンズ15、15がΔ1だけシフトして複合化されることにより、この複合化されたプリズムレンズ15、15の間隔を最密間隔P1とした周期構造である最近周期構造5が形成されるとともに、単位レンズ14のピッチP2の周期構造である最遠周期構造3が形成される。
即ち、この光制御シート1における光制御構造は、表示部21側に最も近接した周期構造である最近周期構造5と表示部21から最も離間した周期構造である最遠周期構造との2つの周期構造からなる複合周期構造とされている。
また、本実施形態の光制御シートにおいては、単位レンズが複合プリズムレンズである略かまぼこ形状をなしていることから、最近周期構造5と最遠周期構造3との延在方向が略同一方向に形成されている。
これにより、最近周期構造5と、最遠周期構造3によるそれぞれの光の屈折作用、反射作用が最も顕著に機能する方向(それぞれの長手方向に直交した方向)を略一致させることができるため、観察者側Fからディスプレイ装置を平面視したとき、任意の位置方向に対して集光効果を大きくすることができる。
また、最近周期構造5の最密間隔P1(最近周期構造5の最も密となる間隔)と、最遠周期構造3のピッチP2は、0.05≦P1/P2≦1.0を満たすことが好ましく、特に0.15≦P1/P2≦0.8を満たすことがより好ましい。
P1/P2が0.05未満の場合、例えば最近周期構造5の最密間隔P1が20μmであると最遠周期構造3のピッチP2は400μmを超えてしまう。最遠周期構造3のピッチP2が大きくなりすぎると、後述する表示部21の周期構造と最遠周期構造3との間でモアレ干渉縞が生じやすくなるため好ましくない。また、最遠周期構造3のピッチP2を小さくすると、最近周期構造5の最密間隔P1が小さくなり過ぎてしまい、該最近周期構造5の機能を果たし得なくなってしまう。よって、P1/P2が0.05以上であることが望ましい。
一方、P1/P2が1.0を超える場合、湾曲プリズムレンズをシフトするだけでは作成することが出来ない。また図7のように湾曲プリズムレンズを観察者側Fあるいは背面側にもシフトすることで、P1/P2が1.0を超えるものを製作することもできるが、集光効果が低下するという問題が生じてしまう。従って、P1/P2が1.0以下であることが望ましい。
さらに、P1/P2は、1/6≦P1/P2≦2/5を満たすことが最もが好ましい。シフト量Δとの関係から集光効果を最も大きくすることができ、サイドローブを低減させることが可能となるからである。
ここで単位レンズ14の湾曲側面15a、15bは次のように定義される。
図8は単位レンズ14を形成する一のプリズムレンズ15を上下反転して示すものである。図中、プリズムレンズ15の頂部R0を境界とする一方のレンズ曲面に着目して基材13と重なるレンズ一端部をR1とする。そして、湾曲側面15aがレンズ一端部R1から始まるとして、レンズ一端部R1から頂部R0までの間で、基材13の面に対するレンズ曲面の任意の点での接線Lの傾斜角度θが25°以上45°以下となる点を湾曲側面15a、15bの他端部R2とする。この場合、レンズ一端部R1から他端部R2までの間では任意の点での接線Lの基材13に対する傾斜角度θは45°を超えた大きさの凸曲面に設定され、レンズ一端部R1から他端部R2に向けて漸次接線Lの傾斜角度θが小さくなり、レンズ他端部R2において初めて接線Lの傾斜角度θが25°以上45°以下の範囲となるものとする。ここで、他端部R2における傾斜角度θが25°未満では視野範囲は広くなるが集光効果が低く、逆に45°を越えると視野範囲が狭く且つサイドローブが生じ易くなる。このレンズ一端部R1から他端部R2までの間の外側へ凸形状をなすレンズ曲面を湾曲側面15a、15bと定義するものとし、そのレンズ形状は下記(2)式で示す非球面レンズ形状の一般式が適用される。但し、単位レンズ14において湾曲側面15bは湾曲側面15b、15b同士が交差する谷部18bから他端部R2までの比較的短い長さに規定される。
Figure 0005167993
上記(2)式について更に説明する。図8において、zは、単位レンズ14の幅方向位置変数であるrの関数であり、その値は単位レンズ14の高さ方向を表す。(2)式において、k=0で球面、−1<k<0で楕円、k=−1で放物面、k<−1で双曲面となり、1/Rはrにかかる係数であり、A、B、Cは補正項係数である。
また上記(2)式における各係数1/R,A,B,Cが規定範囲(−10<1/R<10,−5<A<5,−10<B<10,−30<C<30)から外れた場合、集光効果が得られないか、サイドローブが生じ易い欠点がある。すなわち(2)式で示す湾曲形状と傾斜角度θとがマッチした範囲でのみ、集光効果と視野範囲とのバランスが取れたレンズシートが提供される。単位レンズ14を構成するプリズムレンズ15,15は、定義された湾曲側面15a、15bを有し、その形状は谷部18bから頂部R0までの短い長さの湾曲側面15bの範囲で左右対称であることが望ましい。この場合、単位レンズ14も左右対称となるため、視野範囲の偏りのない光制御シート7が形成される。
また、プリズムレンズ15の頂部R0は丸みを帯びたものであっても良い。丸みを帯びることで視野範囲が広がり、また先端のカケを防ぐことが出来る。しかしながら、プリズムレンズ15の先端の曲率半径が大きすぎると輝度低下につながるため、その半径Rはプリズムレンズ15のピッチをP0としたとき、R≦P0/5 であることが望ましい。
さらに、湾曲側面15b、15b同士が交差する谷部18bが丸みを帯びたものであってもよい。この場合、視野範囲が拡大するとともに、谷部の線が見えづらくなることでモアレ干渉縞のコントラストを低減させる効果が得られる。
本実施形態における光制御シート1は、上記の形状に限定されるものではない。例えば、単位レンズ15の湾曲側面が左右非対称である場合や、異なる形状の単位レンズ15が複数配列されてなる光制御シート1であってもよい。更には図9(a)に示されるように凸レンズ頂点にV溝が形成されたレンズや、図9(b)に示されるように、凸球面(非球面)シリンドリカルレンズ、図9(c)に示されるように三角プリズム等を用いたものであってもよい。
本実施形態の光制御シート1の光学的作用について図10を用いて説明する。
光拡散板25から出射した光線J1、J2は、空気と光透過基材17との屈折率差により偏向されて光制御シート1内へ入射する。そして単位レンズ15によって、該単位レンズ15と空気層との屈折率差により屈折(光線J1)又は反射(光線J2)させられて偏向させられる。これにより、正面方向への光量が増加して正面輝度が向上する。
ここで画面正面方向へと集光するために重要となるのは、空気と光制御シート1との屈折率差により入射光が偏向される点である。これにより、例えば、光制御シート1の屈折率が一般的な樹脂材料値として1.5としたときに180度方向に広がる拡散光が約90度の範囲内に偏向されるされることになる。この90度範囲に偏向された光が単位レンズ15により更に偏向され、正面方向へと集光し、正面輝度が向上する。
上記のような単位レンズ15は、透光性基材17上にUVや放射線硬化樹脂を用いて成形される。また、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成してもよい。
光制御シート1から射出された光は、図1に示すように当該光制御シート1の出射面側に配置された表示部21に入射する。本実施形態に係るディスプレイ装置27は、表示部21から観察者側Fに向けて画像信号によって表示制御された表示光を出射することで、平面状の画像が表示される。
この表示部21は、図1に示すように液晶パネル32の出射面側及び背面側に偏光板31、33を備えており、該液晶パネル32の背面側の偏光板33には、その入射面にレンズ保護フィルム330が敷設されている。
詳しくは11に示すように、レンズ保護フィルム330は、偏光板33に接する透明基材331と該透明基材331の入射面側に積層された保護層332とから構成されており、レンズ保護層332は、平均間隔Smの凹凸構造が形成されている。
透明基材331は偏光板33の透明基材を兼ねたものであってもよく、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等から構成されている。この透明基材331としてTACフィルムを用いた場合、ケン化処理によって親水化することにより、レンズ保護層332が設けられる面の反対側の面、即ち出射面側に偏光層を設けることができる。偏光層としては、ヨウ素を加えた延伸ポリビニルアルコール(PVA)からなるものを用いることができる。
レンズ保護層332は光制御シート1と対向するように配置され、3以上の官能基を有する(メタ)アクリレート系化合物またはウレタン(メタ)アクリレート系化合物を含むバインダマトリックス33Bと、球形ポリマー粒子またはシリカ粒子33Pと、パーフルオロアルキル基を備える化合物とを含み、パーフルオロアルキル基はレンズ保護層332の表面に露出している。
レンズ保護層332表面では、単独または凝集した複数の粒子33Pが表面から突出することによって凹凸が形成される。こうして形成される凹凸は非周期性のものであり、光制御シート1の光制御構造と、表示部21の周期構造とで発生するモアレを防止するのに有効である。レンズ保護層332中における粒子の分散状態を制御すれば、モアレ抑制効果の制御にもつながる。
ところが、光制御シート1の最近周期構造5が密着した状態が発生すると、単純に非周期性の凹凸形状を形成しただけでは、モアレを防止することはできず、観察者側Fからモアレを目視にて観察される問題が生じる。
そのため従来は、光制御シート1とレンズ保護フィルムとの間に光拡散フィルムを設置する構成であったが、部材の増加によるコストアップ、光拡散フィルムのシワ、光制御シート1で得られた所望の配光分布の変化などの問題が生じる。
そこで、本発明のディスプレイ装置27では、レンズ保護層332の凹凸構造の平均間隔Smと、最近周期構造5の最密間隔P1が0.4≦Sm/P1≦25 の関係を満たすことで、光制御シート1の光制御構造と、表示部21の周期構造とで発生するモアレ干渉縞を防ぐことが可能となる。
Sm/P1が25を超える場合、凹凸構造の平均間隔Smと最近周期構造5の最密間隔P1の相対比が小さくなってしまうため、凹凸構造の非周期構造による散乱効果が低下してしまうため、光制御シート1の光制御構造と、表示部21の周期構造とでモアレ干渉縞が発生する。
Sm/P1が0.4未満の場合、最近周期構造5の最密間隔P1が200μmの際に凹凸構造のSmが0.05μm未満となるため光の回折による色ムラが発生してしまう。
また、平均間隔Smと最近周期構造5の最密間隔P1とは、特に1.6≦Sm/P1≦13.9の関係を満たすことが好ましい。
Sm/P1が1.6以上の場合、モアレ低減効果がより大きくなり、表示部の観察者側Fにアンチグレア層を設けず、透明層にすることが可能となる。アンチグレア層を設けた場合、モアレ低減効果を高めることが可能となるが、表示画像が白くなってしまうため、黒画像の表示性能が低下してしまいコントラストが低下する問題が生じる。そのため、Sm/P1が1.6以上の場合、表示部の観察者側Fにアンチグレア層を設けず、透明層にすることで、ディスプレイ装置の黒画像の表示性能を低下することなく、高コントラストを維持しつつ、モアレを低減することが可能となる。
一方、Sm/P1が13.9以内の場合、最密間隔P1のSmに対する相対比が十分大きくなるため、最近周期構造5とレンズ保護層332との摩擦に対する、最近周期構造5の耐久性がより大きくなり、その結果、レンズ保護層332の機能がより大きくなる。
ここで、平均間隔Smが80μm未満の場合、非周期構造による散乱効果が強すぎるため光のロスが発生して輝度が低下し、平均間隔Smが250μm超える場合、非周期性構造による散乱効果が低下するためモアレが発生する。よって、平均間隔Smが80μm≦Sm≦250μmの範囲内にあることが必要となる。
また、最密間隔P1が10μm未満の場合には回折現象が発生することで色ムラが発生し、最密間隔P1が200μmを超える場合にはモアレが発生する。よって、最密間隔P1は10μm≦P1≦200μmの範囲内にある必要がある。
このようなレンズ保護層332を用いることで、光制御シート1の最遠周期構造3のピッチP2、あるいは最近周期構造5の最密間隔P1を不均一にしたり、光制御シート1の最遠周期構造3の延在方向、あるいは最近周期構造5の延在方向を蛇行形状にする必要がなくなる。よって、コストダウン、光制御シート1のスジムラの防止及び視野角度制御の自由度向上を図ることが可能となる。
レンズ保護層332の凹凸構造の算術平均粗さRaは、0.1μm以上0.4μm以下が好ましい。また十点平均粗さRzは、0.3μm以上1.2μm以下が好ましい。
また、粒子33Pとしてアクリルスチレン粒子を用い、バインダマトリックス中にペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を20重量部以上含有させると、粒子の分散性の制御が容易になる。具体的には、アクリルスチレン粒子のアクリル部位に存在するカルボニル基とPETA中に存在する水酸基の相互作用により粒子33Pの分散状態が変化する。バインダマトリックス中のPETAが20重量部未満の場合、PETA由来の水酸基が少なく、アクリルスチレン粒子のアクリル部位に存在するカルボニル基との相互作用が減少し、粒子の凝集が著しくなり、表面凹凸が過剰になって、輝度低下が大きくなりすぎる。これに対して、バインダマトリックス中のPETAが20重量部以上の場合、アクリルスチレン粒子のアクリル部位の割合を適切に設定することで容易に粒子33Pの分散性を制御できる。このため、表示品質を重視する場合、レンズ保護層332にバインダマトリックスと1種類のアクリルスチレン粒子を含有させ、バインダマトリックス中にPETAを20重量部以上含有させることが好ましい。
アクリルスチレン粒子の平均粒径(RA)をレンズ保護層332の平均膜厚(H)で除した値(RA/H)が0.80を超える場合、レンズ保護層表面に大きな凸部が形成され、表面凹凸が過剰となり輝度低下を起こしやすい。このため、(RA/H)の値は0.80以下であることが好ましい。このアクリルスチレン粒子の平均粒径は、光散乱式粒子径分布測定装置により求められる。
レンズ保護層332の平均膜厚とは、表面凹凸のあるレンズ保護層332の膜厚の平均値を意味する。平均膜厚は電子マイクロメーターや全自動微細形状測定機により求めることができる。
ここで、レンズ保護層332の平均膜厚が3μm未満の場合、十分な保護機能が得られず、レンズからの傷が透明基材(たとえばTAC)にまで達して傷が残る。一方、レンズ保護層の平均膜厚が30μmを超える場合、コスト高になるうえに、得られるフィルムのカールの度合いが大きくなって偏光板に設けるための加工工程に適さないことがある。
よって、レンズ保護層332の平均膜厚(H)は、3μm〜30μmが好ましく、4μm〜20μmがより好ましい。
バインダマトリックスに対する粒子の割合が大きいほど、レンズ保護層332を形成する際に粒子33Pどうしの凝集が著しくなり、凹凸間のピッチが大きくなるため、いわゆるユズ肌外観を生じる。一方、バインダマトリックスに対する粒子33Pの割合が小さいと、レンズ保護層332が十分な散乱性を示さず、拡散性が低下し、モアレを十分に防ぐことができなくなる。
アクリルスチレン粒子のアクリル部位の割合を変化させることによって、レンズ保護層332中での複数の粒子の凝集状態、したがって粒子分散を制御できる。
アクリルスチレン粒子のアクリル部位の割合の変化は、粒子の屈折率の変化と連動する。すなわち、アクリルスチレン粒子のアクリル部位の割合が少ないと屈折率が高くなり、アクリル部位の割合が多いと屈折率が低くなる。粒子の屈折率とバインダマトリックスの屈折率の差が大きいほど凝集する傾向は大きくなる。
ここで、バインダマトリックスの屈折率(nM)とはバインダマトリックス形成材料からなる膜の屈折率を意味する。電離放射線によって硬化する電離放射線硬化型のバインダマトリックス形成材料を用いた場合には、バインダマトリックスの屈折率(nM)は電離放射線を照射して硬化させた後の屈折率となる。すなわち、レンズ保護層においてアクリルスチレン粒子を除いた箇所での屈折率がバインダマトリックスの屈折率となる。なお、バインダマトリックスの屈折率(nM)およびアクリルスチレン粒子の屈折率(nA)はベッケ線検出法(液浸法)により求めることができる。
ここで、粒子33Pの凝集性を制御すれば、輝度低下が少なく、モアレの抑制効果が高いレンズ保護フィルム330とすることができる。
この具体例として、図12に粒子33Pの分散状態がよいレンズ保護層の顕微鏡写真を、図13に粒子33Pが比較的凝集しているレンズ保護層332の顕微鏡写真を示す。なお、図12および図13に示した2つのレンズ保護層332は同等のヘイズを示す。
これら2つを対比するに、図12のレンズ保護層ではモアレが認識され易かったが、図13のレンズ保護層ではモアレが認識されにくかった。ただし、単純に凝集状態を強くすると、凝集に起因する欠陥が多数できて品質低下を招くおそれがある。このため、上記のように各種のパラメータを調製して、粒子33Pの凝集状態(分散状態)を適度に制御することが好ましい。
パーフルオロアルキル基を有した化合物としては、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロアルキル基と極性基、結合基からなるものなどが挙げられる。パーフルオロアルキル基における炭素鎖が長いほどすべり性などの性能が上がることが知られている。パーフルオロアルキル基としては炭素数が6程度のものがよく用いられ、これらをグラフト重合したものも用いられる。
また、レンズ保護フィルム330は、必要に応じて、反射防止性能、帯電防止性能、防汚性能、電磁波シールド性能、赤外線吸収性能、紫外線吸収性能などを有する機能層が設けらたものであってもよい。これらの機能層としては、反射防止層、帯電防止層、防汚層、電磁波遮蔽層、赤外線吸収層、紫外線吸収層、色補正層などが挙げられる。これらの機能層は単層であってもよいし、複数層であってもよい。機能層は、防汚性能を有する反射防止層というように、1層で複数の機能を有していてもよい。これらの機能層は、透明基材とレンズ保護層332の間に設けてもよいし、レンズ保護層332上に設けてもよい。これらの層の接着性を向上させるために、各層間にプライマー層や接着層などを設けてもよい。
次に、レンズ保護フィルム330の形成方法を説明する。
本実施形態のレンズ保護フィルム330は、たとえば電離放射線によって硬化するバインダマトリックス形成材料と、球状ポリマー粒子またはシリカ粒子と、パーフルオロアルキル基を有する化合物とを含むレンズ保護層形成用塗布液を透明基材上に塗布して塗膜を形成する工程と、バインダマトリックス形成材料を電離放射線により硬化させる工程により形成することができる。
バインダマトリックス形成材料として、電離放射線硬化型材料である多官能ウレタン(メタ)アクリレート化合物、(メタ)アクリレート化合物を用いることができるが、この中でも3官能アクリレートモノマーまたは4官能アクリレートモノマーを用いることが好ましい。3官能アクリレートモノマーまたは4官能アクリレートモノマーを用いることにより十分な耐擦傷性を備えるレンズ保護フィルムを形成することができる。3官能アクリレートモノマーおよび4官能アクリレートモノマーの具体例としては、多価アルコールのアクリル酸またはメタクリル酸エステルのような多官能性のアクリレートモノマー、またはジイソシアネートと多価アルコールおよびアクリル酸またはメタクリル酸のヒドロキシエステルなどから合成される多官能のウレタンアクリレートモノマーのうち、3官能および4官能のものが挙げられる。また、5官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物または(メタ)アクリレート化合物をバインダマトリックス形成材料に用いることが好ましい。
電離放射線として紫外線を用いる場合、レンズ保護層形成用塗布液に光重合開始剤を加えられる。光重合開始剤はバインダマトリックス形成材料に適合するものを用いることが好ましい。光重合開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルメチルケタールなどのベンゾインとそのアルキルエーテル類などが用いられる。光重合開始剤の使用量は、バインダマトリックス形成材料に対して0.5〜20wt%が好ましく、1〜5wt%がより好ましい。
レンズ保護層形成用塗布液は溶媒を用いて調製する。溶媒を加えることにより、粒子やバインダマトリックスを均一に分散させ、レンズ保護層形成用塗布液を透明基材上に塗布する際に粘度を適切な範囲に調整することができる。
透明基材331としてトリアセチルセルロースを用い、トリアセチルセルロースフィルム上に他の機能層を介さず直接的にレンズ保護層332を設ける場合には、レンズ保護層形成用塗布液の溶媒として、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒とトリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒の混合溶媒を用いることが好ましい。このような混合溶媒を用いることにより、トリアセチルセルロースフィルムとレンズ保護層が界面において十分な密着性を有するレンズ保護フィルム330とすることができる。
また、すべり性を付与する際に用いるパーフルオロアルキル基を有するフッ素系添加剤の溶解を容易にするため、ハイドロフルオロエーテル、テトラヒドロフラン、オキセタンなどのエーテル類を用いてもよい。エーテル類は、トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒およびトリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒のいずれかと兼ねることもできる。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させる溶媒としては、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ハイドロフルオロエーテル、テトラヒドロフラン、オキセタンおよびフェネトールなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、およびエチルシクロヘキサノンなどの一部のケトン類、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、およびγ−プチロラクトンなどのエステル類、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテートなどのセロソルブ類が挙げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。このうちエーテル類は、パーフルオロアルキル基を有する化合物からなる添加剤を溶解する作用を有していてもよい。
トリアセチルセルロースフィルムを溶解または膨潤させない溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトンなどの一部のケトン類などが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
レンズ保護層形成用塗布液を塗布してレンズ保護層332の塗膜を形成する際には、ハジキやムラといった塗膜欠陥の発生を防止するために、表面調整剤と呼ばれる添加剤を加えてもよい。表面調整剤は、その働きに応じて、レベリング剤、消泡剤、界面張力調整剤、表面張力調整剤とも呼ばれる。これらはいずれも、形成されるレンズ保護層332の塗膜の表面張力を低下させる作用を有する。表面調整剤としては、シリコーン系添加剤、フッ素系添加剤、アクリル系添加剤などが挙げられる。
輸送途中などに擦れることによって、単位レンズ1やレンズ保護層332自体が傷つかないように、レンズ保護層332の表面が高いすべり性を有することが好ましい。すべり性を有する化合物としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表されるようなフッ素樹脂がよく知られている。ただし、このような樹脂は、そのままではTACフィルムへ密着せずTAC表面へのコート剤として使用することができない。
これに対して、PTFEと同様の官能基であるパーフルオロアルキル基を有するいわゆる変性化合物を用いることにより、PTFEと同様のすべり性を有し、レンズ表面を傷つけにくくできることを見出した。パーフルオロアルキル基を有する変性化合物の添加量は、0.1〜3wt%の範囲であることが好ましい。0.1wt%未満であると、すべり性が十分でなく、レンズを傷つけやすい。3%wtを超えると、ミセルを形成しやすくなり、欠陥を発生させてしまう。
レンズ保護層形成用塗布液には、表面調整剤のほかに他の添加剤を加えてもよい。ただし、これらの添加剤は形成されるレンズ保護層332のすべり性、透明性、光拡散性などに影響を与えないことが好ましい。機能性添加剤としては、帯電防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、防汚剤、撥水剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤などが挙げられる。これらの機能性添加剤により、レンズ保護層に帯電防止機能、紫外線吸収機能、赤外線吸収機能、防汚機能、撥水機能といった機能を持たせることができる。
レンズ保護層形成用塗布液を透明基材上に塗布するには、ロールコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ナイフコーター、バーコーター、ダイコーターを用いることができる。特に、ロール・ツー・ロール方式で高速で塗工することが可能なダイコーターを用いることが好ましい。塗布液の固形分濃度は、塗工方法により異なるが、おおよそ30〜70重量%であればよい。
また、レンズ保護層332は、塗布液を透明基材上に塗布することにより得られる塗膜に対し、電離放射線を照射することにより形成される。電離放射線としては、紫外線、電子線を用いることができる。紫外線硬化の場合には、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、カーボンアーク、キセノンアークなどの光源を利用できる。電子線硬化の場合には、コックロフトワルト型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器から放出される電子線を利用できる。電子線のエネルギーは、50〜1000keVが好ましく、100〜300keVがより好ましい。
上記のような硬化によりレンズ保護層332を形成する工程の前後に乾燥工程を設けてもよい。また、硬化と乾燥を同時に行ってもよい。乾燥手段としては加熱、送風、熱風などが挙げられる。
以上のような構成からなるディスプレイ装置27においては、光制御シート1が最近周期構造5と最遠周期構造3とからなる周期構造を備えていることから、光の利用効率及び輝度を高くすることができるとともに、サイドローブを低減させることが可能となる。
また、レンズ保護層332の凹凸構造の平均間隔Smと最近周期構造5の最密間隔P1とが、80μm≦Sm≦250μm、10μm≦P1≦200μm、0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たすため、輝度を高く維持しながらモアレ干渉を防止するとともに色ムラを抑えることが可能となる。
また、最近周期構造5の延在方向と、最遠周期構造3の延在方向が略同一方向となるように構成されているため、最近周期構造5及び最遠周期構造3によるそれぞれの光の屈折作用、反射作用が最も大きく働く方向が略一致することになるから、観察者側からディスプレイ装置27を平面視したとき、任意の位置方向に対して集光効果を大きくすることが可能となる。
さらに、最近周期構造5の最密間隔P1と最遠周期構造3のピッチP2とが、0.05≦P1/P2≦1.0の関係を満たすことから、モアレ干渉が生じるのを防ぎつつ、最近周期構造5の機能を発揮することが可能となる。
以上のようにして第一の実施形態のディスプレイ装置27によれば、表示部21に平均間隔Smの凹凸構造を有するレンズ保護層332を形成するとともに、光制御シート1に最近周期構造5及び最遠周期構造3を備えた光制御構造を形成することにより、別途部品を設けなくとも、光の利用効率及び輝度を高くすることができるとともに、サイドローブやモアレを効果的に低減することが可能とし、コストが低く光学性能に優れたディスプレイ装置27を提供することが可能となる。
次に、第二の実施形態のディスプレイ装置60について説明する。このディスプレイ装置60は、光制御シート61の形状が第一実施形態のディスプレイ装置27と異なる点で、第一実施形態とは相違する。
図14(a)は第二実施形態のディスプレイ装置の縦断面図、図14(b)は図14(a)のA方向矢視図、図15(a)は第二実施形態の光制御シートの斜視図、図15(b)は図15(a)のB方向矢視図、図15(c)は図15(a)のC方向矢視、図15(d)は光制御シートの平面図である。
光透過基材62の観察者側Fの面62bには一方向に延在するアレイ状の最遠周期構造63が形成されている。また、図14(b)に示すように、該最遠周期構造63の頂部63aには、最遠周期構造63の延在方向と交差する方向に最近周期構造64が形成されている。即ち、本実施形態の光制御シート61は、最遠周期構造63と最近周期構造64とからなるクロスレンズ形状をなしている。
最遠周期構造63のレンズ形状は、台形プリズム形状をなしており、この台形プリズムの頂部63aには最近周期構造64が形成されている。台形プリズムにおいては、台形状の斜辺を構成する傾斜面63bは略直線となるため、三角プリズムと同等の効果が得られる。そのため、観察者側Fへの集光効果が高いため、高輝度なディスプレイ装置60を得ることができる。この際、該台形プリズムの頂角θ1は60度〜110度、更には80度〜100度の範囲であることが望ましい。
最近周期構造64のレンズ形状は、観察者側Fへの集光効果が高い三角プリズム形状に形成され、上記最遠周期構造63と直交する方向に沿って最遠周期構造を構成する複数の台形プリズムに跨って延びている。なお。三角プリズムの頂角θ2は60度〜110度、更には80度〜100度の範囲であることが望ましい。
図15(d)に示されるように、最遠周期構造63の延在方向と最近周期構造63の延在方向とのなす角は略90°であることが望ましい。これにより、観察者側Fからディスプレイ装置60を平面視したとき、最遠周期構造63の延在方向と最近周期構造63との延在方向との二方向に集光効果を得ることができる。
このような第二実施形態の光制御シート61は二方向に集光機能が存在するため、より集光効果が高くすることができる。
例えば、二方向以上に集光機能が存在する光学フィルムとして、四角錘に代表される多角錘レンズが挙げられるが、二方向の集光割合を調節するには、多角錘の頂角を変える必要がある。四角錘レンズの場合、最も輝度が高くするには頂角を90°にする必要があるが、二方向の集光機能のうち、どちらか一方向の視野範囲を拡げたい又は狭めたいといった場合、頂角を大きくする、又は小さくする必要がある。しかしながら、この頂角を変えてしまうと輝度が低下してしまうという問題が生じる。
この点、本実施形態の光制御シート61は、最遠周期構造63が台形プリズム形状であり、最近周期構造64が三角プリズム形状であって、かつ、最遠周期構造63である台形プリズムの頂部63aと最近周期構造64の頂部64aとが一致しているため、最遠周期構造63の頂部63aの幅Lを調整することで、二方向の集光割合を輝度を大きく変えずに調節することができる。即ち、最遠周期構造63の延在方向の視野を広く設定したり、該最遠周期構造63の延在方向及び最近周期構造64の延在方向の二方向の視野を同程度に設定したり等、本発明の光制御シート61の適用条件によって視野の範囲を任意に設定することが可能となる。
また、本実施形態の光制御シート61は、最遠周期構造63が台形プリズム形状であり、最近周期構造64が三角プリズム形状である複合形状であるため、三角プリズムで発生するサイドローブがほとんど生じないという特性を有する。
図16(a)に比較対象としての90度三角プリズムの視野角分布を示す。三角プリズムは正面方向に集光するため0度に最大ピークを有するが、サイドローブが生じて45度付近に谷間Vaが生じる。このサイドローブはディスプレイ装置40として不要な方向への射出光であるが、サイドローブ自体がディスプレイ装置40を観察する上で問題となるのではなく、0度のメインピークとサイドローブとの谷間Vaの輝度が低いことが問題となる。従って、サイドローブを低減させてもこの谷間Vaの輝度が低すぎる場合、ディスプレイ装置41として望ましくない。
一方、光制御シート61は、最遠周期構造63が台形プリズム形状であり、最近周期構造64が三角プリズム形状である複合レンズ形状であるため、最遠周期構造63の延在方向と最近周期構造64の延在方向との視野分布が構成された視野分布特性を得られるため、図16(b)に示されるように、上記谷間Vaに光を射出することが可能となる。
また、最遠周期構造63の頂部63aの幅Lを調節することで、最遠周期構造63の延在方向、または最近周期構造64の延在方向の視野を調節することが可能となる。
図17(a)は最遠周期構造63の頂部63aの幅Lを変化させたときの光制御シート61の輝度の測定結果を示した図である。図17(b)は最遠周期構造63の延在方向及び最近周期構造62の延在方向の半値角の測定結果を示した図である。なお、輝度は90度三角プリズムを1.0として規格化した値である。また、図17(a)(b)におけるx軸は、最遠周期構造63の頂部63aの幅Lと最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2との比である。そして、当該測定に際しては、ディスプレイ装置60の表示部21を鉛直方向に沿って配置するとともに、最遠周期構造63の延在方向が水平方向Hoに沿うように、かつ最近周期構造64の延在方向が鉛直方向Veに沿うように設置した。
最遠周期構造63の頂部63aの幅Lが狭くなると、最近周期構造64の集光効果が弱まり、最遠周期構造63の集光効果が強まるため、上記Ve方向の半値角が狭くなり、上記Ho方向の半値角が広くなる。
一方、最遠周期構造63の頂部63aの幅が広くなると、最遠周期構造63の集光効果が弱まり、最近周期構造64の集光効果が強まるため、上記Ve方向の半値角が広くなり、上記Ho方向の半値角が狭くなる。
本実施形態のディスプレイ装置60をテレビ用途として使用する場合、上記Ho方向の半値角が広いことが望ましい。テレビを観察する際、Ho方向の様々な位置から観察者がテレビを観察するためである。しかしながら本発明のディスプレイ装置27を広告看板用途等として使用する場合、Ve方向の半値角が広いことが望ましい場合もある。
また、光制御シート61は最遠周期構造63の延在方向を鉛直方向Veに配列しても良く、水平方向Hoに配列しても良い。最遠周期構造63の頂部63aの幅Lを変化させることで、水平方向Hoと鉛直方向Veとの双方の半値角を制御できるためである。従って、最遠周期構造63の頂部63aの幅Lと、最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2との比は任意に選択することが可能である。
ここで、最遠周期構造63を頂角が60度の台形プリズムとし、最近周期構造64を頂角が110度の三角プリズムとしたとき、最近周期構造64を構成する単位レンズの最密間隔P1が最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2の2倍を超えると、最遠周期構造63を構成する単位レンズの高さより最近周期構造64を構成する単位レンズの高さの方が高くなってしまうため、最遠周期構造63の効果は消滅する。従って、P1/P2は2以下であることが望ましい。
また、最近周期構造64を構成する単位レンズの最密間隔P1が、最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2より小さい分には、光学特性上問題ないが、例えば、最近周期構造64を構成する単位レンズの最密間隔P1を20μmとしたとき、P1/P2が0.05であるとき、最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチPは400μmとなる。最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2が大きくなりすぎると、表示部21の周期構造と最遠周期構造63の周期構造との間でモアレ干渉縞が生じやすくなるため望ましくない。一方、最遠周期構造63を構成する単位レンズのピッチP2を小さくすると、最近周期構造64を構成する単位レンズの最密間隔P1が小さくなり過ぎてしまうため、望ましくない。従って、P1/P2は0.05以上であることが望ましい。
以上を踏まえ、上記最密間隔P1とピッチP2との間には、0.05≦P1/P2≦2.0の関係が成り立つことが望ましい。
この第二実施形態の光制御シート61の製法としては、図18に示されるような光制御シート61を作製する型65を用意し、この型65の逆版をおこして型とすることで作製することができる。最遠周期構造型部66により最遠周期構造63が形成され、最近周期構造型部67により最近周期構造64が形成される。
また製法としてこの他、光透過基材62上に最遠周期構造63を形成して後、最近周期構造64を形成することもできる。
ここまで、最遠周期構造63が台形プリズムであり、最近周期構造64が三角プリズムである場合について説明してきたが、最遠周期構造63のレンズ形状と最近周期構造64とのレンズ形状は任意に選択することが可能である。
ここで例えば、最遠周期構造63として凸レンチキュラーが挙げることができる。凸レンチキュラーは、一方向にのみ形成された場合、視野範囲の広いディスプレイ装置60が得られるが、一方で観察者側Fへの集光効果は弱いため高輝度は得難い。しかしながら、凸レンチキュラーの頂部に最近周期構造63として凸レンチキュラーを形成した場合、水平方向Xoと垂直方向Veとの2方向の集光効果が得られるため、視野範囲が広く且つ高輝度なディスプレイ装置60を得ることができる。
上述のような最遠周期構造63、最近周期構造64は、透光性基材62上にUVや放射線硬化樹脂を用いて成形されるか、またはPET(ポリエチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、COP(シクロオレフィンポリマー)、PAN(ポリアクリロニトリル共重合体)、AS(アクリロニトリルスチレン共重合体)等を用いて、当該技術分野では良く知られている押し出し成形法、射出成型法、あるいは熱プレス成型法によって形成される
また、本実施形態のディスプレイ装置60においても、レンズ保護層332の凹凸構造の平均間隔Smと最近周期構造5の最密間隔P1とが、80μm≦Sm≦250μm、10μm≦P1≦200μm、0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たすため、輝度を高く維持しながらモアレ干渉を防止するとともに色ムラを抑えることが可能となる。
なお、本実施形態においても第一実施形態と同様に、1.6≦Sm/P1≦13.9が好ましい。
以上、本発明であるディスプレイ装置27、60の実施形態について詳細に説明したが、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、これらに限定されることはなく、多少の設計変更等も可能である。
例えば、光制御シート1、61においては、最遠周期構造3、63のピッチP2及び最近周期構造64の最密間隔P1が略均一であることが望ましいが、不均一なものであってもよい。これにより、表示部21の周期構造と、最遠周期構造3、63または最近周期構造5、64とのモアレ干渉縞の発生をより低減することが可能とある。
また、光制御シート1、61は、最遠周期構造3、63の長手方向形状あるいは、最近周期構造5、64の長手方向形状は直線形状であることが望ましいが、蛇行形状であってもよい。蛇行形状にすることで、表示部21の周期構造と、最遠周期構造3、63または最近周期構造5、64とのモアレ干渉縞の発生をより低減することが可能である。
さらに、光制御シート1、61においては、最遠周期構造3、63の長手方向または最近周期構造5、64の長手方向を、水平方向Ho又は鉛直方向Veに対して0度から45度の傾斜して設置してもよい。この場合、特に3度〜20度が好ましい。これにより、表示部21の周期構造と、最遠周期構造3、63あるいは、最近周期構造5、64とのモアレ干渉縞の発生をより低減することが可能である。
なお、最遠周期構造3、63のピッチP2は、30μm以上200μm以下が好ましいが、特に50μm以上150μm以下が好ましい。ピッチP2が200μmを超えた場合、表示部21の周期構造と、最遠周期構造3、63とのモアレ干渉縞が発生するため、望ましくない。ピッチP2が30μm未満の場合、光制御シート1、61の製造する際に使用する型の製造において、ピッチP2が小さくなるにつれて、製造時間がより必要になり、かつキズによる形状変化の影響が大きくなるので、製造効率が下がってしまい、コストアップの要因となってしまうので好ましくない。
また、光制御シート1、61の背面側の面に凹凸構造を形成することが好ましい。凹凸構造を形成することで、光制御シート1、61と拡散板25との間による密着有無による明るさのムラを防止することができる。
また、最近周期構造5、64の最密間隔P1は、10μm以上200μm以下が好ましいが、特に15μm以上50μm以下が好ましい。ピッチP1が200μmを超えた場合、表示部21の周期構造と、最近周期構造5、64とのモアレ干渉縞が発生するため、望ましくない。ピッチP1が10μm未満の場合、光制御シート1の製造する際に使用する型の製造において、ピッチP2が小さくなるにつれて、製造時間がより必要になり、かつキズによる形状変化の影響が大きくなるので、製造効率が下がってしまい、コストアップの要因となってしまうので望ましくない。
光制御シート1、61の厚みに関しては光学特性への影響よりはむしろ製造プロセス或は要求される光制御シート1、61の物理特性等により決められる。例えば、UV成形により光制御構造を形成した場合、その光透過基材17、62の厚さは、50um以下だとシワが出てしまうため、50μmを超える必要がある。また、使用するバックライト・ユニットやディスプレイ装置のサイズによりその基材厚みは変化する。例えば、対角32インチサイズ以上のディスプレイ装置では基材厚さは0.05mmから3mmが望ましい。
また、光制御シート1、61と拡散板25とを固定要素を介して積層一体化してもよい。これにより、光制御シート1のシワやタワミなどを防ぐことが可能となる。また、固定要素は、光の吸収が少なく、光反射率が高い光マスクであることが好ましい。さらに、光マスクは、光制御シート1、61が光制御構造を有する側から平行光を入射した場合に、光制御構造を有しない面での前記平行光によって露光されない位置にあることが好ましい。上述の位置に光マスクがあることにより、光源41の光が光制御シート1、61背面側から入射する位置を適切に調整することが可能となり、光制御シート1、61の集光効果をより大きくすることが可能となる。」
上記説明したディスプレイ装置において、レンズ保護層の凹凸構造の平均間隔Sm、最近周期構造の最密間隔P1及びこれらの比Sm/P1がモアレ、色ムラ、耐磨性及び輝度に与える影響について調査するため、以下の測定試験を行った。
表1に測定試験で使用した光制御シートの構成を示す。本試験においては計12個の光制御シートを使用した。なお、光制御シートは押出法で作製し、その厚みは300μmとした。
Figure 0005167993
表2に測定試験で使用した光制御シートの構成を示す。本試験においては凹凸構造の平均間隔Smが異なる計7個のレンズ保護層を使用した。なお、平均間隔Smの測定は、JIS−B−0601−1994に準拠して、小坂研究所製の測定器ET4000Aを使用して行った。
Figure 0005167993
そして、上記12個の光制御シートと7個のレンズ保護層を組み合わせて、計12×7のディスプレイ装置を作製し、モアレ、色ムラ、耐磨性及び輝度、画像ムラ及び輝度の評価を行った。表3から表9にその結果を示す。
なお、モアレの評価については、表示部観察者側を透明層にしてもモアレ発生しないものを◎と、モアレが発生しないものを○と、モアレが発生したものを×とした。また、耐磨性については、粉塵が発生しないものを◎と、少量の粉塵のみが発生したもの(ディスプレイ装置の使用上問題のないレベル)を○とした。
Figure 0005167993
Figure 0005167993
Figure 0005167993
Figure 0005167993
Figure 0005167993
Figure 0005167993
Figure 0005167993
これらの表から、レンズ保護層Noが2〜6、即ち平均間隔Smが80〜250μmにあり、かつ、最近周期構造の最密間隔P1が10〜200μmにあり、かつ、0.4≦Sm/P1≦25を満たすもののみが、モアレ、色ムラ、耐磨性及び輝度が良好であることがわかる。
このことから、レンズ保護層の凹凸構造の平均間隔Smと最近周期構造の最密間隔P1とが、80μm≦Sm≦250μm、10μm≦P1≦200μm、0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たすようにディスプレイ装置を設計することで、輝度を高く維持しながらモアレ干渉を防止するとともに色ムラを抑え、さらに耐磨性を向上させることが可能であることがわかった。
第一実施形態びディスプレイ装置の縦断面図である。 点光源を説明する図である。 点光源ユニットを説明する図である。 半導体レーザーを用いた点光源を説明する図である。 点光源の配置を説明する図である。 (a)は第一実施形態の光制御シートの概略構成を示す断面図、(b)は第一実施形態の光制御シートの構成例を示す斜視図である。 湾曲プリズムレンズを観察者側あるいは背面側にシフトさせた光制御シートを説明する図である。。 単位レンズを形成する一のプリズムレンズを上下反転して示した図である。 レンズ形状の例を示す図である。 光制御シートの光学的作用を説明する図である。 レンズ保護シートを説明する図である。 粒子の分散状態がよいレンズ保護層の顕微鏡写真である。 粒子が比較的凝集しているレンズ保護層332の顕微鏡写真である。 (a)は第二実施形態のディスプレイ装置の縦断面図、(b)は(a)のA方向矢視図である。 (a)は第二実施形態の光制御シートの斜視図、(b)は(a)のB方向矢視図、(c)は(a)のC方向矢視、(d)は第二実施形態の光制御シートの平面図である。 (a)は比較対象としての90度三角プリズムの視野角分布、(b)は第二実施形態の光制御シートの視野各分布である。 (a)は最遠周期構造の頂部の幅を変化させたときの光制御シートの輝度の測定結果を示した図、(b)は最遠周期構造の延在方向及び最近周期構造の延在方向の半値角の測定結果を示した図である。 第二実施形態の光制御シートを作製する際に用いられる型である。 導光板ライトガイド方式のバックライトユニットが搭載されたディスプレイ装置の縦断面図である。 拡散フィルムと液晶パネルとの間にプリズムフィルムを設けたディスプレイ装置の縦断面図である。 直下型方式のバックライトユニットを備えたディスプレイ装置の縦断面図である。 輝度強調フィルムを備えた光制御シートの斜視図である。 輝度強調フィルムを備えた光制御シートが配置されたディスプレイ装置の要部の縦断面図である。 輝度強調フィルムを備えた光制御シートの光強度分布を示す図である。
符号の説明
1 光制御シート
3 最遠周期構造
5 最近周期構造
13 バックライトユニット
21 表示部
27 ディスプレイ装置
33 偏光板
41 光源
60 ディスプレイ装置
61 光制御シート
63 最遠周期構造
64 最近周期構造
P1 最密間隔
P2 ピッチ
Sm 凹凸構造の平均間隔
330 レンズ保護層

Claims (2)

  1. 光源の光を光制御シートを介して出射するバックライトユニットと、該バックライトユニットからの光照射によって画像表示を行う表示部とを有するディスプレイ装置において、
    観察者側から見て前記表示部の背面側に備えられた偏光板の光入射面に平均間隔Smの凹凸構造を有するレンズ保護層が形成され、
    前記光制御シートは、その光出射面に複数の凹凸からなる光制御構造を有し、
    該光制御構造は、前記レンズ保護層に最も近接した周期構造である最近周期構造と、前記レンズ保護層から最も離間した周期構造である最遠周期構造とを備え、
    前記平均間隔Smが80μm≦Sm≦250μmの範囲内にあるとともに、
    前記最近周期構造の最密間隔P1が10μm≦P1≦200μmの範囲内にあり、
    これら平均間隔Smと最密間隔P1とが0.4≦Sm/P1≦25の関係を満たし、
    前記最近周期構造の延在方向と、前記最遠周期構造の延在方向とが前記光制御シートの出射面上で90°で交差し、
    前記最遠周期構造は、台形プリズム形状をなしており、前記台形プリズム形状の頂部に前記最近周期構造が形成され
    前記光制御シートの前記光制御構造と前記レンズ保護層とが他の部材を介さずに対向するように配置されることを特徴とするディスプレイ装置。
  2. 前記最近周期構造の前記最密間隔P1と前記最遠周期構造のピッチP2とが、
    0.05≦P1/P2≦2.0を満たすことを特徴とする請求項1に記載のディスプレイ装置。
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