JP5167925B2 - ガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法 - Google Patents

ガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス繊維基材に重合性組成物を含浸させてアニオン重合させるガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法及びそれに用いるガラス繊維基材の処理方法に関する。
ポリアミド樹脂を強化用繊維との複合材とすることにより、ポリアミド樹脂の特性を活かしつつ、しかも機械的特性に優れた材料となることが期待されるが、熱硬化性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材と異なり、熱可塑性樹脂をマトリックスとする繊維強化複合材を製造することは必ずしも容易ではない。すなわち、例えば、ポリアミド樹脂をマトリックスとする場合に、ポリアミド樹脂を強化用繊維に含浸させることは、樹脂の溶融粘度が高いので、一般には困難である。そこで、低粘度のラクタムを単量体のまま含浸させてからポリアミドにアニオン重合させる方法が提案された(例えば、特許文献1〜3参照。)。
しかしながら、ラクタムのアニオン重合自体、必ずしも容易ではない。また、強化用繊維に含浸させてアニオン重合させるには、工程の複雑化やアニオン重合の制御の困難が伴う。従って、例えば、特許文献1では、特定範囲のpK値を有する酸のアルカリ金属塩を触媒として用いることにより、水分による影響を受けにくい重合システムを提案しており、特許文献2では、無水物を使用し、かつ、温度制御により重合速度を制御することにより、簡易かつ再現性のある重合方法を提案しており、また、特許文献3では、促進剤の種類や添加時期を工夫して高速連続製造方法を提案するなどの工夫がなされてきた。
しかしながら、これらの方法によっても、ガラス繊維基材に含浸させてラクタムのアニオン重合を良好に行うことは、必ずしも容易ではない。それは、アニオン重合がいくつもの要因により影響を受けているであろうことから、すでに提案された手法では効果が充分ではないことや、工程の管理や再現性の観点から、適用が難しい場合があるからである。従って、従来技術では必ずしも充分に効果的手法が提案されてはいない。とくに、従来技術では、ガラス繊維基材を適切に処理することが有効である点に着目されることはなかった。例えば、特許文献1においても、ガラス繊維の表面には痕跡量の水が存在することを指摘しているが、この問題を回避する方法として記載しているのは、この水を除去することは不可能であるとし、細い管の中で操作する方法や不活性ガス中で操作する方法を指摘していることに留意すべきである。
実際、ガラス繊維基材を使用してモノマーを含浸させてアニオン重合させると、ポリアミド樹脂複合材の吸水率が高く、また、曲げ強度等の機械的性能が充分でないという問題が知られており、ポリアミド樹脂中にボイドが発生し、そのために複合材の吸水率が高くなり、また、機械的強度も充分でなくなっていることが見出された。
特公昭48−185号公報 特開平9−208712号公報 国際公開第2003/53661号パンフレット
従って、本発明は、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材における、吸水率が高くなり、機械的強度も不充分である問題を回避し、マトリックス樹脂中の未重合モノマーによるボイド発生がなく、曲げ強度等の機械的強度の向上したガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法及びその製造方法に使用するガラス繊維基材の処理方法を提供することにある。
本発明者は、ポリアミド樹脂のアニオン重合における重合阻害の問題を、強化用繊維、とくに、ガラス繊維基材の処理に着目し、公知のシランカップリング剤処理では効果がないことから、さらに検討を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、(1)ガラス繊維基材を、下記一般式(I):
−NH−R−Si−(OR (I)
(式(I)中、Rは、水素原子、又は、アミノ基を含有していてもよい有機基を表し、Rは、炭化水素基を表し、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表されるアミノ基含有シラン化合物又はその塩:(C)
の酸性水性液と接触させる工程(A−1)、及び、前記工程(A−1)を経たガラス繊維基材をアルカリ液で処理する工程(A−2)、を含むガラス繊維基材の処理工程(A)、並びに、
(2)前記処理工程(A)を経たガラス繊維基材に、ε−カプロラクタムを含有する重合性組成物を含浸させ、アニオン重合させる工程(B)
を含む、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法である。
本発明の他の態様は、ガラス繊維基材を上記一般式(I)で表されるアミノ基含有シラン化合物又はその塩(本発明において、上記一般式(I)で表されるアミノ基含有シラン化合物又はその塩を併せて単に「(C)」と略称することがある。)の酸性水性液(以下、単に「(C)の酸性水性液」ともいう。)と接触させる工程(A−1)、及び、前記工程(A−1)を経たガラス繊維基材をアルカリ液で処理する工程(A−2)、を含むガラス繊維基材の処理方法である。
本発明は、上述の構成により、以下の効果を発揮する。
(1)本発明のガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法によれば、アミノ基含有シラン化合物又はその塩の酸性水性液によるガラス繊維基材の処理により、ガラス繊維表面に存在する水酸基をマスクするとともに、その後に、アルカリ液で処理することにより、ポリアミド樹脂のアニオン重合における重合反応を良好に行うことができる。従って、ガラス繊維基材の前処理を行うだけで、簡便かつ良好に、従来困難であった、吸水率が低く、曲げ強度等の機械的特性に優れたガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材を製造することができる。
(2)発明のガラス繊維基材の処理方法によれば、簡便かつ比較的短時間の工程でガラス繊維基材を処理するだけで、吸水率が低く、曲げ強度等の機械的特性に優れたガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材用ガラス繊維基材を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)上記(C)の酸性水性液と接触させる工程(A−1)
工程(A−1)においては、ガラス繊維基材を上記(C)の酸性水性液と、浸漬等の方法で接触させ、ガラス繊維基材にアミノ基含有シラン化合物又はその塩を付着又は被覆させる。
本発明の製造方法において、ガラス繊維基材としてはとくに限定されないが、好ましくはシート状基材であり、例えば、織物、編み物、織編物(織物か編み物かの区別が明瞭でない場合に、便宜上、織編物と称する。)、一方向繊維基材(すなわち、繊維束を一方向に並行に引き揃えた基材)、及びステッチ基材(すなわち、複数層の繊維基材を縫合した形態の基材)、等のシート状基材を好ましくあげることができる。これらのうち、織物、編み物、織編物が、多用途に用いることができるので、より好ましい。
また、上記ガラス繊維基材は、シランカップリング剤処理されていてもよい。この場合、工程(A−1)は、改めて行うことなく、次の工程(A−2)にいくことも可能であるが、通常は、工程(A−1)を行うことが好ましい。従って、本発明において、ガラス繊維基材をアミノ基含有シラン化合物又はその塩の酸性水性液と接触させる工程を経ているかぎり、工程(A−1)を経たものとみなすことができる。
本発明の製造方法において、アミノ基含有シラン化合物又はその塩としては、下記一般式(I):
−NH−R−Si−(OR (I)
で表される化合物又はその塩を用いる。式(I)中、Rは、水素原子、又は、アミノ基を含有していてもよい有機基(例えば、アミノ基含有炭化水素基、カルボニル基含有炭化水素基等)を表し、Rは、炭化水素基を表し、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基を表す。なお、本明細書中、アミノ基は、アンモニア、1級アミン又は2級アミンから水素を除去した基を意味し、例えば、−NH、−NHR−等を表す。一般式(I)で表される化合物の塩としては、無機酸(塩酸、硫酸、硝酸等)との塩、有機酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸等)との塩が挙げられる。
上記アミノ基含有シラン化合物の具体例としては、例えば、NH−C−Si−(OCH、NH−C−NH−C−Si−(OC、CH=CH−C−CH−NH−C−Si−(OC、及び、CH−C−CO−NH−C−Si−(OC等を好ましく挙げることができ、本発明において使用するアミノ基含有シラン化合物の塩としては、例えば、CH=CH−C−CH−NH−C−Si−(OC・HCl、及び、CH−C−CO−NH−C−Si−(OC・HClを好ましく挙げることができる。これらは1種又は2種以上を使用することができる。
アミノ基含有シラン化合物又はその塩の酸性水性液としては、水、又は、水とメタノール、エタノール、若しくはテトラヒドロフラン等の水混和性溶媒との混合溶媒中に、アミノ基含有シラン化合物又はその塩を溶解又は分散させた酸性の液を挙げることができる。pHの調節は、必要に応じて、酸(塩酸、酢酸、蟻酸等)を添加するなどして行うことができ、好ましくはpH3〜6程度である。
アミノ基含有シラン化合物又はその塩の酸性水性液中のアミノ基含有シラン化合物又はその塩の配合量としては、とくに限定されないが、通常、0.1〜2.0重量%程度である。
また、ガラス繊維基材への付着又は被覆量としては、ガラス繊維基材100重量部に対しては、0.04〜0.30重量部が好ましく、0.07〜0.20重量部がより好ましい。
上記工程(A−1)において、上記(C)の酸性水性液中に浸漬する場合の条件としては、とくに限定されないが、例えば、数秒〜数十秒程度、例えば、1〜20秒であり、温度条件としてはとくに限定されず、例えば、室温程度でよい。浸漬は、上記(C)の酸性水性液を入れた槽等にガラス繊維基材を上記条件にてディップすればよい。本発明の製造方法においては、一つながりのガラス繊維基材を浸漬槽に引き込み引き上げつつ連続的にディップすることも可能である。浸漬後、絞液し、好ましくは熱風乾燥(例えば、90〜130℃、3〜20分、より好ましくは100〜120℃、5〜15分)する。
前記工程(A−1)を経たガラス繊維基材をアルカリ液で処理する工程(A−2)
工程(A−2)においては、工程(A−1)で酸性水性液で処理されたガラス繊維基材をアルカリ液で処理することによりその酸性を中和する。上記処理方法としては、とくに限定されないが、例えば、浸漬等の方法が好ましく挙げられる。
本発明の製造方法において、アルカリ液としては、例えば、アルカリ金属水酸化物溶液を好ましく挙げられる。アルカリ金属水酸化物としては、アルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム又はフランシウム)の水酸化物であればとくに限定されず、好ましくはナトリウム、カリウムの水酸化物である。ただし、アルカリ土類金属水酸化物、アミン、アンモニア等のアルカリ性化合物は本発明においては使用しない。
アルカリ金属水酸化物溶液としては、アルカリ金属水酸化物を溶解することができる溶媒溶液であればよく、例えば、水、メタノール、エタノール及びテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1種を溶媒として使用することができる。これらのうち、乾燥が容易であることからメタノール、エタノールが好ましく、メタノールがより好ましい。
上記アルカリ金属水酸化物溶液は、アルカリ金属水酸化物の濃度の上限が0.5重量%であることが好ましい。濃度の上限が0.5重量%を超えると、複合材としたときに強度等の特性が低下する虞がある。より好ましくは上限が0.3重量%であり、さらに好ましくは0.1重量%である。
上記アルカリ金属水酸化物溶液は、アルカリ金属水酸化物の濃度の下限が0.001重量%であることが好ましい。濃度の下限が0.001重量%未満であると、アルカリ処理の効果が充分発揮されない虞がある。より好ましくは下限が0.005重量%であり、さらに好ましくは0.01重量%である。
なお、アルカリ金属水酸化物溶液の濃度が高い場合には、必要に応じて、溶媒(水、メタノール、エタノール)又は低濃度のアルカリ金属水酸化物溶液で、浸漬後の基材を洗浄してもよい。
上記工程(A−2)において、ガラス繊維基材をアルカリ金属水酸化物溶液等のアルカリ液で処理する場合、例えば、浸漬により処理する条件としてはとくに限定されず、例えば、数十秒〜数十分程度、好ましくは数分〜数十分、例えば、30秒〜40分、より好ましくは1〜20分、さらに好ましくは3〜15分であり、温度条件としてはとくに限定されず、例えば、室温程度でよい。浸漬は、アルカリ金属水酸化物溶液を入れた槽等にガラス繊維基材を上記条件にてディップすればよい。
(2)前記処理工程(A)を経たガラス繊維基材に、ε−カプロラクタムを含有する重合性組成物を含浸させ、アニオン重合させる工程(B)
上記重合性組成物は、ε−カプロラクタムを主成分とし、必要に応じて、重合触媒、及び/又は、重合助触媒、を含有する。
上記重合触媒としては、公知の化合物を使用することができ、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの金属の水素化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、アルキル化物、アルコキシド、及び、グリニャール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を挙げることができる。
上記重合触媒において、アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb及びCsからなる群から選択される少なくとも1種であり、なかでもNa又はKが反応性、経済性の面から好ましい。
上記重合触媒の配合量としては、通常、ε−カプロラクタムと重合触媒との合計100モル%に対して0.02〜2.0モル%である。
上記重合助触媒としては、イソシアネート、アシルラクタム、カルバミドラクタム、イソシアヌレート誘導体、酸ハライド、尿素誘導体等を挙げることができる。具体的には、例えば、n−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、オクチルイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の公知の有機イソシアネート類、N−アセチル−ε−カプロラクタム、1,6−ヘキサメチレンビスカルバミドラクタム、トリアリルイソシアヌレート、テレフタロイルクロリド、1,3−ジフェニル尿素等を挙げることができる。
上記重合助触媒の配合量としては、通常、ε−カプロラクタムとの合計100モル%に対して0.02〜2.0モル%である。
上記重合性組成物は、予め、ε−カプロラクタムと重合触媒との溶融混合物と、別に、ε−カプロラクタムと重合助触媒との溶融混合物とを調製しておき、含浸させる直前に混合して使用することができる。この際の加熱温度としては、ε−カプロラクタムの溶融温度を考慮して、100〜110℃程度が挙げられる。
工程(A−2)においては、上記重合性組成物をガラス繊維基材に含浸させる際、重合性組成物は低粘度であることが好ましく、必要に応じて、加熱又は加熱溶融させて含浸させる。この加熱条件としては、含浸に充分な低粘度及びアニオン重合条件を考慮して設定することができ、例えば、110〜180℃で行う。重合時間としては、ガラス繊維基材の種類や形状等にもよるが、一般的には、10〜50分、好ましくは15〜40分である。
上記ガラス繊維基材の配合量は特に限定されず、通常FRPで使用される配合量とすることができるが、例えば、複合材料中に10〜70体積%程度とすることができ、30〜60体積%がより好ましい。ガラス繊維基材の配合量が10体積%未満であると、成形品の表面が凹凸になったり、反りやうねりが大きくなる傾向にあり、70体積%を超すと、繊維に樹脂が未含浸となる傾向にある。
工程(A−2)は、金型内で行うことができ、例えば、まず、予め調製したε−カプロラクタムと重合触媒との溶融混合物と、ε−カプロラクタムと重合助触媒との溶融混合物とを、金型内に注入する直前に混合し、加熱保持した金型内にガラス繊維基材をセットした金型に、注入することで行うことができる。
本発明の製造方法においては、本発明の効果が損われない範囲で、更に、従来公知の各種の無機充填剤を配合してもよい。無機充填剤の種類や配合量は、用途や組成物の粘度に応じて適宜選択することができる。上記無機充填剤としては、例えば、ガラスバルーン、ガラスビーズ、溶融シリカ粉末、石英ガラス粉末、結晶性シリカ粉末、ガラス微小繊維、タルク、アルミナ粉末、珪酸カルシウム粉末、炭酸カルシウム粉末、酸化アンチモン粉末、硫酸バリウム粉末、酸化チタン粉末、水酸化アルミニウム粉末等が挙げられる。
上記工程(A−2)の後、必要に応じて、例えば、190℃、20〜30分程度、熱処理してもよい。
本発明の製造方法で得られたガラス繊維強化複合材は、ε−カプロラクタムが重合しポリマーとなった、架橋構造を有さず可溶性であるナイロン6をマトリックスとし、強化繊維との界面におけるボイドの発生を充分なレベルまで抑制することが可能で、かつ高温・高圧力を必要とせず、非常に低エネルギーで成形が可能なことから、大型或いは複雑な形状の成形物を含む種々の形状の成形物の製造に適用可能であり、例えば、車両部材(例えば、アンダーフロアやドアパネルに晒される部材、ボディー等)、建築部材等に適用可能であり、特に、従来の複合材料では生産性が充分でなく適用が困難であった大型構造部材に適用することができる。また、経済性、強度に優れた特性を生かして各種FRP部材に使用することができる。
以下に、本発明を実施例及び比較例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1〜4、比較例1〜2
(1)ガラス繊維基材の処理方法
表1に示した各シラン化合物(a)〜(d)を用いて、0.5重量%のシラン化合物水溶液(酢酸でpH4に調整)に、熱脱油処理したガラス繊維織物(平織り組織、日東紡積株式会社製7628、厚さ:0.18mm、重量:208g/m)を浸漬し、絞液後110℃、10分間乾燥し、シラン化合物0.1重量%をガラス繊維織物に付着させた。
シラン化合物処理したガラス繊維織物を水酸化ナトリウム0.2重量%メタノール液に5分間浸漬し、110℃で1時間乾燥した。
なお、表1中のシラン化合物の略号の意味は以下のとおり。
(a)NH−C−Si−(OCH
(b)NH−C−NH−C−Si−(OC
(c)CH=CH−C−CH−NH−C−Si−(OC・HCl
(d)CH−C−CO−NH−C−Si−(OC・HCl
(2)重合性組成物の調製
十分に乾燥させたε−カプロラクタム100重量部を100℃に加温溶融し、金属ナトリウム0.4重量部を溶解させてA液を調製した。更に、別に、十分に乾燥したε−カプロラクタム100重量部に1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート1.6重量部を配合して110℃に加熱溶融させて、B液を調製した。A液とB液を金型内部に注型する直前に混合した。
(3)含浸させ、アニオン重合させる工程
160℃に加熱保持した凹金型の内部(雄雌型のクリアランスt=1.8mm)に、強化用繊維である夫々の処理ガラス繊維織物を10枚セットし、型締めを行なった。上記で得られた重合性組成物を金型内部に注入した。注入は約1分で完了した。注入終了後、金型温度を160℃に保ったまま、30分間保持した後に脱型し、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形体を得た。
次に、得られたガラス繊維強化ポリアミド樹脂成形体の平坦部から幅15mm×長さ80mm平板にカットし、常温下0.1MPa以下で24時間減圧乾燥し試験片(イ)とした。また、平板にカット後、1時間煮沸し、上述と同様に減圧乾燥し、試験片(ロ)とした。
試験片(イ)、(ロ)について、JIS K 7055に準じて3点曲げ試験により曲げ強度を測定した。
また、それぞれの重量を測定し、以下の式で吸水率を求めた。
吸水率=[試験片(ロ)の重量−試験片(イ)の重量]/試験片(イ)の重量×100(%)
結果を表1に示した。
Figure 0005167925
本発明により、アルカリ洗浄しない場合に比べて、吸水率を低く抑えることができ、曲げ強さが充分高く、しかも、煮沸後の曲げ強さの低下が有意に抑えられることが判った。

Claims (7)

  1. (1)ガラス繊維基材を、下記一般式(I):
    −NH−R−Si−(OR (I)
    (式(I)中、Rは、水素原子、又は、アミノ基を含有していてもよい有機基を表し、Rは、炭化水素基を表し、Rは、同一又は異なって、炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表されるアミノ基含有シラン化合物又はその塩:(C)
    の酸性水性液と接触させる工程(A−1)、及び、前記工程(A−1)を経たガラス繊維基材をアルカリ液で処理する工程(A−2)、を含むガラス繊維基材の処理工程(A)、並びに、
    (2)前記処理工程(A)を経たガラス繊維基材に、ε−カプロラクタムを含有する重合性組成物を含浸させ、アニオン重合させる工程(B)
    を含む、ガラス繊維強化ポリアミド樹脂複合材の製造方法。
  2. 前記(C)が、NH−C−Si−(OCH、NH−C−NH−C−Si−(OC、CH=CH−C−CH−NH−C−Si−(OC、及び、CH−C−CO−NH−C−Si−(OCからなる群から選択される少なくとも1種又はその塩である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記(C)が、CH=CH−C−CH−NH−C−Si−(OC・HCl、及び、CH−C−CO−NH−C−Si−(OC・HClからなる群から選択される少なくとも1種である請求項2記載の製造方法。
  4. アルカリ液は、濃度が0.001〜0.5重量%のアルカリ金属水酸化物溶液である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. アルカリ金属水酸化物溶液は、水、メタノール、エタノール及びテトラヒドロフランからなる群から選択される少なくとも1種を溶媒とする請求項4記載の製造方法。
  6. アニオン重合の重合触媒として、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらの金属の水素化物、酸化物、水酸化物、炭酸塩、カルボン酸塩、アルキル化物、アルコキシド、及び、グリニャール化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いる請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. ガラス繊維基材は、ガラス繊維の織物、編み物又は編織物である請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
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