JP5167132B2 - 収縮嵌めにより工具を固定する工具ホルダー - Google Patents

Description

本発明は、収縮嵌めにより工具を固定する工具ホルダーに関する。好ましくは、請求項１の前提条件として円柱形状の工具シャフトを有する。

上述のような工具ホルダーは既に知られている。上述のような工具ホルダーは、旋削工具、穴あけ工具、拡孔工具、研削工具およびフライス工具を固定するために用いられ、収縮嵌めチャックを備える。該チャックは、軸方向に延びる内径孔をもった固定部を備える。工具シャフトは、該内径孔の中に、収縮嵌めにより取り付けられることができる。

固定部の内径孔の内径は工具シャフトの外径よりもわずかに小さく、収縮嵌めの過程において固定部は熱により膨張する。この熱は、好ましくは誘導コイルによるものであり、工具シャフトを挿入した後、再び冷却される。それによって、工具シャフトと収縮嵌めチャックとの間でねじりを生じさせない接続が確保される。

このような工具ホルダーの具体例として例えば、ドイツ国特許公報 ＤＥ １９９ ４４ ４４０ Ｃ２およびドイツ国特許公報 ＤＥ １０１ １４ １４９ Ｃ２が知られ、優れた振動減衰およびねじれ安定性を備える。しかしながら、これら従来の工具ホルダーにあっては、特に、極めて高速回転になる工具に用いられる場合に、振動の影響を受け易くなる恐れがある。つまり工具ホルダーの回転中に工具が、工具ホルダーの長手方向軸に対して歳差運動をしてしまいかねず、それにともなって、製造される工作物の精度および再現性が低下してしまう。このような理由から、高い精度および再現性を提供するためには、工具を極めて高速回転で使用してはならず、送りおよび切削深さを大きくし過ぎてはならなかった。上述のように、切削能力は次善のものであり、生産される工作物１個当たりの機械稼動時間は次善のものであった。

このような工具ホルダーは、高速回転する工具にとって不利であるばかりでない。回転しない工具にとっても、機械加工される工作物の衝撃によって、工具ホルダーの軸に対する工具の偏差および振動が引き起こされることがあり、これにより機械加工の精度が低下する。

ドイツ国特許公報 ＤＥ ２０２ ００ ２９８ Ｕ１およびドイツ国特許公報 ＤＥ １０ ２００４ ０１９ ８６９ Ａ１には、収縮嵌めチャックを有する他の工具ホルダーが記載される。これらは入れ子式の工具ホルダーまたは追加的に固定される工具ホルダーである。一方で特定の継手から離れ、他方で深く細長い開口を通じて、入れ子式の工具ホルダーによって工具が掴まれる。追加的に固定される工具ホルダーによって、多くの振動を補償することが可能になる。前者の工具ホルダーは、格別の振動減衰を奏しない。後者の工具ホルダーの振動減衰は複雑に構成され、技術的に複雑である。

本発明の目的は、低振動であって、より優れた切削能力を実現する、収縮嵌めにより工具シャフトを固定する工具ホルダーを提供することである。

この目的は請求項１の工具ホルダーによって達成され、好ましい実施形態は従属請求項になる。

本発明の工具ホルダーは、収縮嵌めチャックの輪郭に特徴がある。つまり、収縮嵌めチャックの直径が収縮嵌めチャックの頭部の第１前部直径と収縮嵌めチャックの基部の第２後部直径との間で不連続的に増大する。これにより、少なくとも２つの輪郭領域が収縮嵌めチャックに形成される。第一の輪郭領域と第二の輪郭領域との変わり目で直径が不連続的に増大変化し、収縮嵌めチャックの頭部と基部との間における輪郭の変わり目を定める。

この独特の形状を通じて、収縮嵌めチャックの頭部は、基部よりも細いばかりでなく質量がはるかに少ない。この質量は、工具ホルダーが高速で回転する時に振動を生じさせたり増大させたりしていた。このような工具ホルダーによれば、振動が減少傾向となることから、とても高い精度で工作物を加工し、再現性を得ることが可能になり、従来の工具ホルダーよりもはるかに高速で操作することができる。収縮嵌めチャックの基部の壁厚を頭部よりも大きくしたことから、工作機械と工具ホルダーとの境界における幾何学的構成の結果、工具ホルダーの構成に関する標準的な要件に適合するとともに、十分な硬さを備えた収縮嵌めチャックを提供することができる。

有利な実施形態として、工具シャフトを受容する工具シャフト受け入れ穴が、当該工具シャフト受け入れ穴の中にある工具シャフトの軸方向位置を規定する軸方向止めを備える。これにより、工具シャフトが収縮嵌めチャックに挿入される深さを規定する。変わり目に対して軸方向止めを配置するため、工具シャフトが収縮嵌めチャックの頭部に完全に受容され、収縮嵌めチャックの基部へ工具シャフトが部分的にはみ出ることがない。換言すれば、軸方向止めは、変わり目の高さ、または変わり目と収縮嵌めチャックの前端との間に配置されてもよい。ただし、変わり目と収縮嵌めチャックの後端との間の部分には配置されない。変わり目に対する軸方向止めのこのような特定の軸方向配置によって、一方では、質量が減少した収縮嵌めチャックの頭部と、硬さ剛性が増大した収縮嵌めチャックの基部との比率を、著しく有利なものにすることができる。他方では、誘導コイルによって何ら問題なく収縮嵌めチャックを加熱することができ、誘導コイルは複雑な幾何学的配列を必要としない。さらに、固定部のすべての部分において壁厚がほぼ同じであることから、加熱をなるべく均一にすることにより収縮嵌めチャックの頭部の膨張を容易にし、不均一な加熱および固定部の膨張を回避する。

好ましくは、第一の輪郭領域は、収縮嵌めチャックの頭部の前端と変わり目との間を連続的に延びる円錐形の輪郭を備える。そしてその直径が、工具ホルダーの長手方向軸に対して１°から２０°までの角度範囲、特に４．５°で、変わり目に向かうにつれて広がる。収縮嵌めチャックの頭部のこのような幾何学的構成を通じて、工具ホルダーはすべての収縮嵌め装置に適合する。

変わり目部分における収縮嵌めチャックの輪郭の直径の広がりは、工具ホルダーの長手方向軸に対して０°から５０°の範囲で、急に変化する構成であってもよい。好ましくは、変わり目は、１０°から４０°の範囲で広がり、さらに好ましくは、変わり目は、３０°で広がる。

好ましくは、第二の輪郭領域の後に第三の輪郭領域が従い、この第三の輪郭領域は、工具ホルダーの中央フランジ部分に隣接する収縮嵌めチャックの基部の下端に向かう。第三の輪郭領域は、ほぼ円筒形状の輪郭を備える。第二の輪郭領域は、第三の輪郭領域に向かって広がり、長手方向軸に対する角度で、１°から２０°の範囲のほぼ円錐形状の輪郭を備える。特に、中空の工作機械連結部をもった工具ホルダーでは６°であり、急勾配の円錐形状の工作機械連結部をもった工具ホルダーでは８°である。これにより、第二の輪郭領域と第三の輪郭領域との間の輪郭の変わり目は、ほぼ連続したものとなる。または、不連続な変わり目であってもよい。これにより、工具ホルダーの中央フランジ部分に隣接する基部は、規格によって定まる輪郭を備える。これに対し、第三の輪郭領域と変わり目との間の部分は、円錐形状の輪郭のため、壁厚が追加的に減少し、収縮嵌めチャック自身の質量が一層減少する。したがって、工具ホルダーの振動傾向がさらに減少する。

特に、長い収縮嵌めチャックを備えた工具ホルダーは、収縮嵌めチャックの部分が４つの部分で構成される輪郭を備えることで有利なものとなる。これは、第一の輪郭領域と、変わり目に隣接したほぼ円筒形状の第二の輪郭領域と、これに続いて円錐状に広がる第三の輪郭領域と、これに続いて中央フランジ部と接続し、基準要求に適合するほぼ円筒形状の第四の輪郭領域である。そして、第三の輪郭領域の円錐状の輪郭は、工具ホルダーの長手方向軸に対し、１°から２０°の角度範囲で広がる。特に、中空の工作機械連結部を有する工具ホルダーにあっては６°であり、急勾配の円錐形状継手を有する工具ホルダーにあっては８°である。第二の輪郭領域、第三の輪郭領域、および第四の輪郭領域との間の輪郭の変化は、実質的に連続して延びる。なお、不連続的な変わり目としてもよい。このような４つの部分の輪郭によって、３つの輪郭の構成要素に関し収縮嵌めチャック基部の質量をさらに減少させる。

好ましい実施形態では、第二の輪郭領域が中空孔を備え、該中空孔へバランサー要素、特にバランサーボルト、を挿入することができる。これは、工具ホルダーのアンバランスをなくして滑らかな稼動を達成するのに使用される。

工作物を機械加工する間に工具を冷却するために、工具ホルダーは、その内部に軸方向に延び、工具または工具が工作物に当たる位置に冷却液を供給する内径孔を備える。有利な方法として、この供給チャネルは、収縮嵌めチャックの外径と比較して、相対的に小さな直径を備え、特にその範囲は３ｍｍから６ｍｍである。相対的に小さな直径によって、内径孔も振動属性および工具ホルダーの安定性において有利なものとなり、工具ホルダーの十分な剛性を維持する。

軸方向の供給チャネルを通じて供給される冷却液は、一方で、軸方向の内径孔を通り、工具を通って工具が工作物に当たる位置へ直接に供給されることができる。これにより同時に工具の内部を冷却することができる。および／または、供給チャネルから冷却液を受けとり工具ホルダー壁内において工具シャフト近傍にこの冷却液を送る１以上の内径孔が、収縮嵌めチャックの壁内に設けられる。これにより、冷却液は、収縮嵌めチャック頭部から工具の側方に出る。他方で、剛性を大きくするため、冷却液の通路を設けない構成であってもよい。

本発明のさらなる特質、特徴および利点は、図と共に示す好ましい実施形態の記載を参照することにより明らかになる。

図１は、工具ホルダー１の縦断面図である。工具ホルダーは、一体形状であって、中空の工作機械連結部２と、中央フランジ部３と、収縮嵌めチャック４とを備える。収縮嵌めチャック４は、その下部で中央フランジ部３に隣接するチャック基部５と、チャック頭部６とを備える。収縮嵌めチャック４は、第１円錐輪郭領域７と、第２円筒輪郭領域８と、第３円錐輪郭領域９と、第４円筒輪郭領域１０とを備え、これら４つの部分の輪郭が、容易に認識される。これら輪郭領域７，８，９，１０は、収縮嵌めチャック４の実質的に回転対称な輪郭を接続して、チャック頭部６の前端直径Ｄ１から始まり、チャック基部５の後端直径Ｄ４に至る。

工具ホルダーの直径の輪郭は、特定の輪郭領域７，８，９，１０内でほぼ滑らかに延び、輪郭領域８，９，１０間で緩やかに変化して延びる。ここで、収縮嵌めチャック４の直径は、連続的に広がり、前端直径Ｄ１で始まり、後端直径Ｄ４に向かい、第２円筒輪郭領域８および第４円筒輪郭領域１０で、ほぼ一定となる。第１円錐輪郭領域７と第２円筒輪郭領域８との間の変わり目の部分１１で、直径が不連続的に増大する。この意味は、第１輪郭領域７から第２輪郭領域８への変わり目において、輪郭の直径の変化が緩やかではないということである。

変わり目１１の結果として、チャック基部５は、チャック頭部６よりもはるかに大きな壁厚を有する。チャック頭部６は、細長く見えるばかりでなく、質量が小さい。変わり目１１がなければ、チャック基部５から始まる輪郭が、チャック頭部６まで一様なものとなる。

これらの手段を通じて、工具ホルダー１の振動性が実質的に減少する。これは、工作機械における工具ホルダー１の取付点から離れた位置に、より小さい質量が配置され、この取付点に近い位置で、より大きな質量が配置されることとなるからである。同時に、図１に示す工具ホルダーは、十分な安定性を備え、例えば第４輪郭領域１０の最大直径を決める基準要求に適合する。

収縮嵌めチャック頭部６は、その前端に固定部を備える。この固定部は、工具シャフトを受容するため軸方向に延在する内径孔１２を特徴とする。工具シャフトが軸方向内径孔１２に挿入される軸方向の挿入深さは、内径孔１２の径方向に収縮する形状になる軸方向止め１３によって規定される。固定された状態の工具シャフトは、軸方向止め１３によって、チャック基部７ではなく、チャック頭部６に唯一配置される。これにより、収縮嵌めの処置が実質的に簡便かつ容易になる。

軸方向止め１３に続いて、供給チャネル１４が配置される、供給チャネル１４も軸方向に延びる内径孔を備え、工具シャフト受け入れ穴１２の中へ焼き嵌められる工具シャフトに冷却液を送る。供給チャネル１４は、このように、収縮嵌めチャック４の外径と比較してかなり小さい直径を備え、その範囲は３ｍｍから６ｍｍである。この比較的小さな内径孔も、振動特性を有利なものとし、工具ホルダーの高い安定性を促進する。

冷却液は、工具内部に軸方向に配置された冷却液チャネルを通じて工具の頭部および工作物へ送られることができるものであってもよく、および／またはチャック頭部は、６つの内径孔（図示せず）を備えていてもよい。これら６つの内径孔は、チャック頭部６の壁の中で、供給チャネル１４から工具シャフトを通過し、チャック頭部６の前端へと冷却液を供給する。これは、例えば、工具ホルダー１の長手方向軸に関し鏡像対称に配置される２つの内径孔によって達成される。これら内径孔は、第１輪郭領域７において、工具シャフトの壁に隣接して延びる。

図１の工具ホルダーは、図２の縦断面図に再び示すように、詳細な寸法がより精密に規定されている。次の表は、詳細な寸法の模範的な数値を示す。これらすべての数値は、[ｍｍ]、または角度α、βおよびγについては[°]で示され、工具ホルダーの工作機械連結部２のタイプに従って、および収縮嵌めチャックの長さＬ４に従って記載される。

すべての寸法は、５０ｍｍまたは５３ｍｍになるチャック基部５の下端直径Ｄ４に関連する。この下端直径Ｄ４は、選択された工作機械インターフェースの基準に基づく所定値である。このようにして、表１，２，３および４においては、工具シャフト直径Ｄ１が１６ｍｍとなるまでの範囲にて示されている。これは、工具シャフト直径Ｄ１がより大きいと、標準的な材料を用いて不連続の変わり目１１を設けることができなくなるためである。より大きな工具シャフト直径Ｄ１を有する場合においても、回転が安定した本発明に係る工具ホルダーを供給するために、高速回転領域での適用に際して、上記した輪郭とともに、より大きなインターフェースを用いる必要がある。これにより、第４輪郭領域１０の直径Ｄ４を、より大きくとることができる。

寸法α、βおよびγの角度値は、収縮嵌めチャックの全体長さＬ４および収縮嵌めチャック基部５の直径Ｄ４の選択に基づく。それ故に、これら数値は、表１，２，３および４毎にそれぞれ一定である。

表１は、第１収縮嵌めチャック長さＬ４を備え、中空の工作機械連結部２を有する工具ホルダー１の寸法値を記載する。

表２は、第２収縮嵌めチャック長さＬ４を備え、中空の工作機械連結部２を有する工具ホルダー１の寸法値を記載する。

表３は、第１収縮嵌めチャック長さＬ４を備え、急勾配の円錐状工作機械連結部（図示せず）を有する工具ホルダー１の寸法値を記載する。ここで急勾配の円錐状工作機械連結部を有する工具ホルダー１の形状は、中空の工作機械連結部２を有する工具ホルダー１の形状と、工作機械連結部の部分および中央フランジ部の部分のみ異なる。

表４は、第２収縮嵌めチャック長さＬ４を備え、急勾配の円錐状工作機械連結部（図示せず）を有する工具ホルダー１の寸法値を記載する。

本発明では、図３および詳細に示す図４に示すように、工具シャフト受け入れ穴１２の内径を部分的に拡大する刻み目状の溝１５を、工具ホルダー１の工具シャフト受け入れ穴１２に設けてもよい。１つの溝に代えて、複数の溝を設けてもよい。工具シャフト受け入れ穴１２への工具シャフトの収縮嵌めが完了すると、これにより工具シャフト受け入れ穴１２は、これら溝において工具シャフトと物理的に接触しない。これによりこれら溝にあっては空隙が形成され、水分、潤滑剤および工具シャフトにくっつく同様のものを受け入れることができるという利点がある。そして、工具シャフト受け入れ穴１２と工具シャフトとの間に、トルクの完全な伝達を妨げるような流体による支持が形成されることがない。軸に関し平行または径方向に延びる複数の溝などに代えて、好ましくは螺旋状溝１５を設ける。

この溝１５は工具シャフト受け入れ穴１２のすべての部分に延在するのみならず、嵌合前端から距離Ａの位置で終了し、後端から距離Ｂの位置で終了する。このようにして、嵌合の締め付けを確実にする。あるいは、冷却液を内部に供給する場合、冷却液が１つまたは複数の溝を通って流出することができる。これにより圧力損失を生じさせることができる。

表５は、工具シャフト受け入れ穴１２の寸法Ｄ１が様々であるときの、図３および図４に示される工具シャフト受け入れ穴１２の嵌合端からの距離ＡおよびＢと、溝１５の間隔Ｐ、深さｔ、幅ｘおよび径Ｒとの寸法値を記載する。

上述した本発明の工具ホルダー１は、発明完成時の技術水準にある工具ホルダーよりも、はるかに振動しない傾向にあることが明らかになった。これにより従来よりも高速化することが可能になり、工具の速度と、工具の送りと、工具の切削深さによって決定される切削能力を高めることができる。そして、１工作物の製造に要する工作機械の操作時間を減少させることができる。その結果、本発明の工具ホルダーによれば、極めて効果的で経済的な工作物の製造および機械加工が可能になる。

工具ホルダーの好ましい実施例を示す縦断面図である。 図１に示す工具ホルダーの直径に関する説明図である。 図１に示す好ましい実施例の工具シャフト受け入れ穴の内部構成を示す図である。 図３の詳細を示す図である。

Claims (11)

1. 工具シャフトを有する工具を収縮嵌めにより装着する一体形状の工具ホルダーであって、
   工作機械本体に連結される工作機械連結部と、
   前記工作機械連結部の前端部に設けられた中央フランジ部と、
   前記中央フランジ部の前端部から軸方向前方へ延びる収縮嵌めチャック部と、を備え、
   前記収縮嵌めチャック部は、
   前記中央フランジ部に連結するチャック基部と、
   前記チャック基部の前端部から軸方向前方へ延びるチャック頭部と、
   前記工具シャフトを固定するために前記チャック頭部のみに設けられ、前記チャック頭部内において軸方向に延びる工具シャフト受け入れ穴と、を有し、
   前記チャック頭部の前端と、前記チャック基部の後端とを結ぶ輪郭は、当該輪郭の直径に関して実質的に連続する領域を少なくとも２つ有し、
   前記連続する輪郭領域のうち、第一の輪郭領域は、前記チャック頭部に配置され、第二の輪郭領域は、前記チャック基部に配置され、
   前記第一の輪郭領域と前記第二の輪郭領域との間には、前記チャック頭部が前記チャック基部よりも細くなるように、前記第一の輪郭領域から前記第二の輪郭領域へ向けて、前記輪郭の直径が前記工具ホルダーの軸方向と垂直な方向に対して１０°から５０°の範囲の角度で急に広がる変わり目が形成され、
   前記工具シャフト受け入れ穴は、当該工具シャフト受け入れ穴内における前記工具シャフト後端の軸方向位置を規定するための軸方向止めを含み、
   前記軸方向止めは、軸方向から見て、前記変わり目の前端の立ち上がり位置、または前記変わり目と前記チャック頭部の前端との間の位置に配置される、工具ホルダー。
2. 前記収縮嵌めチャック部の全長Ｌ４は前記軸方向止めの位置によって規定される軸方向挿入深さＬ６の２倍よりも長い、請求項１に記載の工具ホルダー。
3. 前記第一の輪郭領域は、前記チャック頭部の前端から前記変わり目まで延びて実質的に円錐状の輪郭を形成し、
   前記円錐状の輪郭の直径は、前記工具ホルダーの軸方向に対して１°から２０°の範囲の角度で、前記変わり目に向かうにつれて広がる、請求項１または２に記載の工具ホルダー。
4. 前記収縮嵌めチャック部の輪郭の直径は、前記変わり目において、前記工具ホルダーの軸方向と垂直な方向に対して３０°の角度で、前記第一の輪郭領域から前記第二の輪郭領域へ向かって広がる、請求項１〜３のいずれかに記載の工具ホルダー。
5. 前記中央フランジ部と前記第二の輪郭領域との間には、実質的に円筒状の輪郭を有する第三の輪郭領域が、配置され、
   前記第二の輪郭領域の輪郭の直径は、前記中央フランジ部の方向に向かうにつれて、前記工具ホルダーの軸方向に対して１°から２０°の範囲の角度で、円錐状に広がる、請求項１〜４のいずれかに記載の工具ホルダー。
6. 前記中央フランジ部と前記第二の輪郭領域との間には、前記第二の輪郭領域に接続する第三の輪郭領域と、前記中央フランジ部に接続する第四の輪郭領域とが、配置され、
   前記第二の輪郭領域および前記第四の輪郭領域は、実質的に円筒状の輪郭を有し、
   前記第三の輪郭領域は、実質的に円錐状の輪郭を有し、
   前記第三の輪郭領域の輪郭の直径は、中央フランジ部の方向に向かうにつれて、前記工具ホルダーの軸方向に対して１°から２０°の範囲の角度で、円錐状に広がる、請求項１〜４のいずれかに記載の工具ホルダー。
7. バランスをとるための要素が、前記第二の輪郭領域に設けられている、請求項１〜６のいずれかに記載の工具ホルダー。
8. 冷却液を供給する供給チャネルとして、軸方向に延びる内径孔が、前記工具ホルダーの内部に設けられる、請求項１〜７のいずれかに記載の工具ホルダー。
9. 工具シャフトを有する工具を収縮嵌めにより装着する一体形状の工具ホルダーであって、
   工作機械本体に連結される工作機械連結部と、
   前記工作機械連結部の前端部に設けられた中央フランジ部と、
   前記中央フランジ部の前端部から軸方向前方へ延びる収縮嵌めチャック部と、を備え、
   前記収縮嵌めチャック部は、
   前記中央フランジ部に連結するチャック基部と、
   前記チャック基部の前端部から軸方向前方へ延びるチャック頭部と、
   前記工具シャフトを固定するために前記チャック頭部のみに設けられ、前記チャック頭部内において軸方向に延びる工具シャフト受け入れ穴と、を有し、
   前記チャック頭部の前端と、前記チャック基部の後端とを結ぶ輪郭は、当該輪郭の直径に関して実質的に連続する領域を少なくとも２つ有し、
   前記連続する輪郭領域のうち、第一の輪郭領域は、前記チャック頭部に配置され、第二の輪郭領域は、前記チャック基部に配置され、
   前記第一の輪郭領域と前記第二の輪郭領域との間には、前記チャック頭部が前記チャック基部よりも細くなるように、前記第一の輪郭領域から前記第二の輪郭領域へ向けて前記輪郭の直径が急に広がる変わり目が、形成され、
   少なくとも１つの溝が、前記工具シャフト受け入れ穴の壁面に設けられ、
   前記溝は、前記工具シャフト受け入れ穴の内径を部分的に拡大し、前記工具ホルダーの軸方向に対して、前記工具シャフト受け入れ穴における嵌合部分の前後両端から、それぞれ所定の距離だけ離隔した位置にて終了し、
   前記工具シャフト受け入れ穴は、当該工具シャフト受け入れ穴内における前記工具シャフト後端の軸方向位置を規定するための軸方向止めを含み、
   前記軸方向止めは、軸方向から見て、前記変わり目の前端の立ち上がり位置、または前記変わり目と前記チャック頭部の前端との間の位置に配置される、工具ホルダー。
10. 前記収縮嵌めチャック部の輪郭の直径は、前記変わり目において、前記工具ホルダーの軸方向と垂直な方向に対して０°〜５０°の角度で、前記第一の輪郭領域から前記第二の輪郭領域へ向かって広がる、請求項９に記載の工具ホルダー。
11. 請求項１〜８のいずれかに記載の特徴を備える、請求項９または１０に記載の工具ホルダー。

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