JP5167050B2 - 半導体装置の製造方法およびマスクの製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法およびマスクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体装置の製造技術およびマスクの製造技術に関し、特に、半導体装置の製造工程において、極端紫外線(Extreme Ultra Violet(以下、EUV光という))を用いるフォトリソグラフィ技術に適用して有効な技術に関するものである。
特開2004−96063号公報(特許文献1)には、極端紫外線を反射する場合であっても、適切な屈折率と吸収係数の組み合わせを得ることで、現実に構成することのできる極端紫外線の位相シフトマスクを提供する技術が記載されている。具体的には、極端紫外線を反射する反射多層膜基板と、その反射多層膜基板上に形成された第1領域および第2領域とを具備して位相シフトマスクを構成する。先ず、極端紫外線に対する任意の複素屈折率と膜の任意の膜厚とについて、複素屈折率および膜厚から得られる極端紫外線の反射光の位相および反射率を特定する。そして、その特定結果に基づいて、第1領域での極端紫外線の反射光と第2領域での極端紫外線の反射光とで所定の位相差が生じるように、第1領域の形成膜および第2領域の形成膜における各膜厚および各複素屈折率を設定するとしている。
特開2003−315532号公報(特許文献2)には、複数の極端紫外線の反射面を経た場合の反射率の波長依存性を、その極端紫外線の露光中心波長に一致させるようにすることで、被露光体への到達エネルギーを十分に確保できるようにする技術が記載されている。具体的には、半導体装置を製造するためのフォトリソグラフィ工程で極端紫外線による被露光体上への露光を行う際に用いられる極端紫外線の反射体を、複数の層が同一順で繰り返し積層されてなる多層膜構造を有するように構成する。そして、そのときに、所定数の反射体を経た場合の反射率の半値幅中心と反射すべき極端紫外線の中心波長とが一致するように、その多層膜構造における繰り返し積層単位の周期長を設定するとしている。
特開2006−179553号公報(特許文献3)には、基板上に、露光光の高反射部となる第1の多層膜と第1の保護膜が形成され、その上に別の高反射部となる第2の多層膜と第2の保護膜、および第1の保護膜と第2の多層膜の間に形成された中間膜よりなるパターンが形成されたEUVマスクにおいて、反射光の位相差と強度が中間膜の材料に応じて精度良く決められたEUVマスクを提供する技術が記載されている。具体的には、中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜の反射率および第2の多層膜と第2の保護膜の反射率との特性と、中間膜の厚さに対する第1の多層膜と第1の保護膜による反射光と第2の多層膜と第2の保護膜による反射光との間の位相差との特性とから、中間膜の厚さは、反射率が等しく、かつ、位相差が180度となるように設定するとしている。
特開2004−96063号公報 特開2003−315532号公報 特開2006−179553号公報
半導体デバイス(半導体装置)は、回路パターンが描かれたマスクに露光光を照射し、マスクに形成されている回路パターンを、縮小光学系を介して半導体基板(半導体ウェハ)上に転写するフォトリソグラフィ技術を繰り返し用いることによって形成される。
近年、半導体デバイスの微細化が進み、フォトリソグラフィ技術で使用する露光光の波長をより短くして解像度を向上する技術が検討されている。例えば、これまでは波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いたArFリソグラフィ技術が開発されているが、それよりもはるかに波長の短い波長13.5nmのEUV光を使用したリソグラフィ技術(EUVL(Extreme Ultra Violet Lithography)の開発が進んでいる。
通常のフォトリソグラフィ技術では、回路パターンを形成したマスクに対して露光光を透過させることにより、マスクに形成したパターンを半導体基板上に転写する構成がとられる。すなわち、マスクは露光光に対して透過する透過材料から形成し、この透過材料に遮光パターンを形成することにより、マスクに所望の回路パターンを形成しているのである。ところが、EUV光の波長域では、EUV光に対して透明な物質が存在しないのである。つまり、EUV光を使用したリソグラフィ技術では、EUV光が物質に吸収されて透過しない関係から、露光光を透過させるマスクを構成することができないのである。このため、EUV光を使用したリソグラフィ技術では、マスクに露光光を透過させるのではなく、マスクから露光光を反射する光学系が採用されている。
具体的にEUV光を使用したリソグラフィ技術では、モリブデン(Mo)層とシリコン(Si)層からなる多層膜での反射(ブラッグ反射)を利用した多層膜反射基板がマスク基板(マスクブランクス)として使用される。多層膜による反射は一種の干渉を利用した反射である。そして、EUVL用のマスクは、石英ガラスや低熱膨張ガラス基板の上にモリブデン層とシリコン層などの多層膜が被着された多層膜反射基板上に、低反射領域として、吸収体パターンすなわちEUV光の吸収膜と緩衝膜のパターンを形成している。すなわち、EUVL用マスクは、多層膜反射基板上に吸収体パターンを形成した構造をしている。このように構成されたEUVL用マスクにEUV光を入射すると、吸収体パターンに入射したEUV光は吸収されて反射しない一方、吸収体パターンが形成されていない領域では、多層膜にEUV光が入射することにより多層膜からEUV光が反射する。これにより、EUVL用マスクから反射したEUV光を半導体基板上に露光することで、EUVL用マスクに形成された回路パターンを半導体基板上のレジスト膜に転写することができるのである。
このようにEUV光を使用したリソグラフィ技術では、EUV光をマスクで反射させる構成をとることになる。したがって、EUV光をマスクの法線方向から入射させると、マスクで反射したEUV光もマスクの法線方向から射出することになる。この場合、マスクに入射するEUV光と、マスクで反射したEUV光が互いに重なりあって干渉してしまうことになる。このことから、EUV光を使用したフォトリソグラフィ技術では、マスクに入射するEUV光と、マスクで反射したEUV光が互いに干渉しないようにするために、マスクの法線方向から角度θだけ斜め方向からEUV光を入射させる必要があるのである。つまり、EUV光をマスクで反射させるEUVLでは、必然的に、マスクに斜め方向からEUV光を入射させる必要がある。このときの角度θは、マスクから反射したEUV光を半導体基板上に結像させる結像光学系の開口数(NA)や縮小倍率に応じて制約を受けるが、概ね角度θの値は5度〜6度であることが多い。
ここで、EUVL用マスクには、パターンを形成するために吸収体が形成されているが、この吸収体に斜め方向からEUV光が入射する場合を考える。例えば、吸収体がライン形状をしているとする。吸収体の厚さは、50nm〜80nm程度の厚さが存在するのに対し、EUV光の波長が10nm程度である。したがって、例えば、ライン形状の吸収体が第1方向に延在し、EUV光が第1方向と直交する第2方向の上方から斜めにEUVL用マスクへ入射する場合、吸収体の厚さによって、ライン状に延在している吸収体の長辺方向(第1方向)に沿って影ができる。一方、例えば、ライン形状の吸収体が第1方向に延在し、EUV光が第1方向の上方から斜めにEUVL用マスクへ入射する場合は、ライン状に延在している吸収体の長辺方向(第1方向)には影が生じにくくなる。
この結果、直交するライン形状の吸収体にある特定方向からEUV光を斜めに入射させると、影ができる方向と影ができにくい方向が存在することになる。影ができる領域は吸収体が存在せずに多層膜が露出している領域であることから、本来ならばEUV光の反射量が多くなる領域であるが、影ができる結果、この領域からのEUV光の反射量が少なくなる。このことは、EUVL用マスクに形成されたパターンを半導体基板に転写する際の解像度が低下することを意味する。さらに、EUVL用マスクにおいて、影ができる方向と影ができにくい方向が存在すると、それぞれの方向における解像度が異なることになり、半導体基板(レジスト膜)に転写されるパターンの寸法精度が方向によって異なることになる。このことは、半導体基板(レジスト膜)上に転写された転写パターンの寸法精度が低下することを意味する。
本発明の目的は、EUV光を使用し、かつ、パターンを形成したマスクに斜め方向からEUV光を入射した後、マスクから反射したEUV光を半導体基板(レジスト膜)上に結像させることにより、マスク上に形成されたパターンを半導体基板(レジスト膜)に転写するリソグラフィ技術において、転写パターンの寸法精度を向上することができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
代表的な実施の形態による半導体装置の製造方法は、(a)半導体基板上に下地膜を形成する工程と、(b)前記下地膜上にレジスト膜を形成する工程と、(c)前記レジスト膜をパターニングする工程と、(d)パターニングした前記レジスト膜を用いて前記下地膜をパターニングする工程とを備える。このとき、前記(c)工程は、(c1)極端紫外線を照明光学系に入射し、前記照明光学系からパターンが形成されているマスクに斜め方向から前記極端紫外線を入射する工程と、(c2)前記マスクから斜め方向に反射した前記極端紫外線を結像光学系に入射し、前記結像光学系から前記半導体基板に形成されている前記レジスト膜に前記極端紫外線を照射する工程を含む。ここで、前記マスクは、第1領域と第2領域を有するマスク基板と、前記マスク基板の前記第1領域および前記第2領域に形成され、前記極端紫外線を反射する多層膜と、前記多層膜上に形成された前記極端紫外線を吸収する吸収体とを有する。そして、前記マスクは、前記第1領域に形成されている前記多層膜と前記第2領域に形成されている前記多層膜との境界に所定方向に延在する段差部が形成されている。このとき、前記段差部と前記吸収体とからなるパターンが形成されている前記マスクに前記極端紫外線が入反射した後、前記極端紫外線が前記レジスト膜に照射することにより、前記マスクのパターンに対応して前記レジスト膜がパターニングされる。このとき、前記マスクに斜め方向から入射する前記極端紫外線の光線方向の方向余弦成分のうち、マスク面内に射影される射影成分の方向が、前記段差部が延在している方向と交差する方向になっていることを特徴とするものである。
また、代表的な実施の形態は、極端紫外線を斜め方向からパターンを形成したマスクに入射し、前記マスクで反射した前記極端紫外線を半導体基板に形成されているレジスト膜に照射することにより、前記マスクのパターンに対応して前記レジスト膜をパターニングする工程に使用されるマスクの製造方法に関するものである。このマスクの製造方法は、(a)マスク基板を用意する工程と、(b)前記マスク基板の第1領域と前記マスク基板の第2領域の境界に段差部を形成する工程と、(c)前記段差部を含む前記マスク基板上に、極端紫外線を反射するための多層膜を形成する工程と、(d)前記多層膜上に前記極端紫外線を吸収する吸収体からなる吸収体パターンを形成する工程とを備えることを特徴とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
EUV光を使用し、かつ、パターンを形成したマスクに斜め方向からEUV光を入射した後、マスクから反射したEUV光を半導体基板(レジスト膜)上に結像させることにより、マスク上に形成されたパターンを半導体基板(レジスト膜)に転写するリソグラフィ技術において、転写パターンの寸法精度を向上することができる。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
また、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。なお、図面をわかりやすくするために平面図であってもハッチングを付す場合がある。
(実施の形態1)
例えば、波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いたArFリソグラフィ技術が開発されているが、さらなるパターンの微細化に対応するため、それよりもはるかに波長の短い波長13.5nm(12nm〜15nm)のEUV光を使用したリソグラフィ技術(EUVL(Extreme Ultra Violet Lithography)の開発が進んでいる。つまり、露光光の波長が短くなるほど、より微細化されたパターンを半導体ウェハに転写することができることから、さらなる微細化されたパターンを転写するため、露光光の波長を短くすることが行なわれているのである。
このとき、例えば、波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザ光を用いた通常のフォトリソグラフィ技術では、回路パターンを形成したマスクに対して露光光を透過させることにより、マスクに形成したパターンを半導体基板上に転写する構成がとられる。すなわち、マスクは露光光に対して透過する透過材料から形成し、この透過材料に遮光パターンを形成することにより、マスクに所望の回路パターンを形成しているのである。ところが、EUV光の波長域では、EUV光に対して透明な物質が存在しないのである。つまり、EUV光を使用したリソグラフィ技術では、EUV光が物質に吸収されて透過しない関係から、露光光を透過させるマスクを構成することができないのである。このため、EUV光を使用したリソグラフィ技術では、マスクに露光光を透過させるのではなく、マスクから露光光を反射する光学系が採用されている。
図1は、EUV光を使用した露光光学系を示す構成図である。図1に示すように、EUV光を使用した露光光学系は、光源LS、照明光学系LOS1、マスクM、結像光学系LOS2およびステージSTを有している。光源LSは、波長が12nm〜15nmのEUV光(極端紫外線)を照射する光源である。照明光学系LOS1は、光源LSからEUV光を入射し、入射したEUV光を加工してマスクMに照射するように構成されている。通常、照明光学系LOS1はレンズを用いて構成されるが、EUV光に対して透明な材料は存在しないため、EUV光を使用する照明光学系LOS1では、EUV光を反射する反射鏡(例えば、凹面鏡や凸面鏡)から構成されている。すなわち、照明光学系LOS1は、反射鏡を使用してEUV光の形状を加工するようになっている。マスクMには、半導体基板1Sに転写するパターン(例えば、回路パターン)が形成されており、照明光学系LOS1から入射したEUV光がマスクMに形成されているパターンを反映して反射するようになっている。結像光学系LOS2は、マスクMで反射したEUV光を入射して半導体基板1S上にEUV光を結像させるように構成されている。通常、結像光学系LOS2はレンズを用いて構成されるが、EUV光に対して透明な材料は存在しないため、EUV光を使用する結像光学系LOS2では、EUV光を反射する反射鏡(例えば、凹面鏡や凸面鏡)から構成されている。すなわち、結像光学系LOS2は、反射鏡を使用してEUV光を集光しマスクパターンの像を半導体基板1S上に結像させるように構成されている。ステージSTは、半導体基板1Sを載置するためのものであり、結像光学系LOS2によってEUV光が結像される位置に半導体基板1Sを配置するように構成されている。図1に示す露光光学系では、EUV光を使用しており、EUV光を減衰させないために、光源LS、照明光学系LOS1、マスクM、結像光学系LOS2およびステージSTを有する露光光学系は、真空中に配置される。
本実施の形態1における露光光学系は上記のように構成されており、以下に、その動作について図1を参照しながら説明する。まず、光源LSよりEUV光を照射する。光源LSから射出されたEUV光は、照明光学系LOS1に入射する。照明光学系LOS1に入射したEUV光は、照明光学系LOS1を構成する反射鏡で反射されることにより加工された後、照明光学系LOS1から射出される。続いて、照明光学系LOS1から射出されたEUV光は、マスクMに入射される。マスクMに入射したEUV光は、マスクMに形成されているパターンを反映して反射される。そして、マスクMで反射したEUV光は、結像光学系LOS2に入射する。結像光学系LOS2に入射したEUV光は、結像光学系LOS2を構成する反射鏡によって加工され、ステージST上に搭載されている半導体基板1S(詳細には、半導体基板1S上に形成されているレジスト膜)にパターンが結像する。つまり、マスクMに形成されている回路パターンが結像光学系LOS2によって、半導体基板1S上に縮小投影される。このようにして、マスクMに形成されている回路パターンを半導体基板1Sのレジスト膜に転写することができる。
上述したようにマスクMにはパターンが形成されており、このパターンにEUV光を入射することにより、パターンに対応した反射光を射出することができるようになっている。以下では、マスクMに形成されているパターンの構造について説明する。
図2は、マスクMの平面構成を示す図である。図2に示すように、マスクMは矩形形状をしており、矩形形状をしているマスクMの四隅にアライメントマークMAが形成されている。このアライメントマークMAは、マスクMの位置合わせを行なう機能を有するものである。そして、マスクMの中央部には、デバイスパターンエリアMDEが形成されている。このデバイスパターンエリアMDEには、半導体装置を構成する回路パターンが形成されている。したがって、マスクMに入反射するEUV光はこのデバイスパターンエリアMDEに照射されることになる。
図3は、図2に示すマスクMのデバイスパターンエリアMDEでの一断面を示す断面図である。図3に示すように、マスクMには、マスク基板MS上に多層膜MLFが形成されている。マスク基板MSは、例えば、石英ガラスや低熱膨張材から構成されており、多層膜MLFは、例えば、シリコン層とモリブデン層とを多層にわたって積層した構造をしている。多層膜MLFは、マスクMに入射したEUV光を反射するために設けられている膜である。つまり、例えば、シリコン層とモリブデン層からなる多層膜MLFでは、シリコン層の屈折率とモリブデン層の屈折率が異なることで生じる多層膜反射を利用してEUV光を反射している。この多層膜反射は、一種の干渉を利用した反射である。具体的には、多層膜MLFの表面で反射した光と、多層膜MLFの内部で反射した光とが干渉して強め合うことにより、ある一定強度以上のEUV光を反射できるようになっている。
多層膜MLF上には、キャッピング層CAPが形成されている。このキャッピング層CAPは、多層膜MLFを保護するために設けられている膜であり、例えば、シリコン層やルテニウム層から形成されている。このキャッピング層CAP上には、バッファ層BUFを介して吸収体ABSがパターン状に形成されている。吸収体ABSはマスクMに入射してきたEUV光を吸収して反射しないようにするものである。この吸収体ABSは、例えば、窒化タンタル(TaN)などのタンタル系材料から形成されている。吸収体ABSは、EUV光を充分に吸収する観点から、その厚さは、例えば、50nm〜100nmとなっている。バッファ層BUFは、吸収体ABSを加工する際に行なわれるエッチングに対するストッパとして機能する膜であり、バッファ層BUFの下層に形成されている多層膜MLFをエッチングダメージから保護する機能を有している。なお、マスク基板MSの裏面には、導体膜CFが形成されているが、この導体膜CFはマスクMをステージに静電チャックするために設けられる膜である。
以上のように構成されているマスクMでは、多層膜MLFが露出している領域と、吸収体ABSが形成されている領域とを設けることにより、EUV光に対するパターニングが行なわれている。すなわち、マスクMにEUV光が入射する場合、多層膜MLFが露出している領域では、EUV光が反射して反射光が射出される。これに対し、吸収体ABSが形成されている領域ではEUV光が吸収され反射光が生じない。このため、多層膜MLFが露出する領域と、吸収体ABSが形成されている領域とで、回路パターンを形成することにより、回路パターンを反映した反射光を得ることができるのである。
EUV光を使用したリソグラフィ技術では、EUV光をマスクMで反射させる構成をとることになる。したがって、EUV光をマスクMの法線方向から入射させると、マスクMで反射したEUV光もマスクMの法線方向から射出することになる。この場合、マスクMに入射するEUV光と、マスクMで反射したEUV光が互いに重なりあって干渉してしまうことになる。このことから、EUV光を使用したリソグラフィ技術では、マスクMに入射するEUV光と、マスクMで反射したEUV光が互いに干渉しないようにするために、マスクMの法線方向から角度θだけ斜め方向からEUV光を入射させる必要があるのである。つまり、EUV光をマスクMで反射させるEUVLでは、必然的に、マスクに斜め方向からEUV光を入射させる必要がある。
上述したようにマスクMには、パターンを形成するために吸収体ABSが形成されているが、この吸収体ABSに斜め方向からEUV光が入射する場合を考える。まず、図4は、紙面の垂直方向にライン形状の吸収体ABSが形成され、かつ、図4に示す方向から入射光IL1がマスクMに入射し、反射光RL1が反射する場合を示す図である。図4に示すように、入射光IL1のうち吸収体ABSに照射されるEUV光は、吸収体ABSによって吸収され反射光は生じない。一方、入射光IL1のうち露出している多層膜MLFに照射されるEUV光は、多層膜MLFによって反射され反射光RL1が生じる。
このとき、吸収体ABSで覆われている領域と多層膜MLFが露出している領域の境界に着目してみる。この境界領域では、入射光IL1が斜め方向から照射されるため、図4に示すような影領域SHWが形成される。影領域SHWは、吸収体ABSで覆われていない領域であるので、影領域SHWから反射光RL1が生じることが望ましい。しかし、斜め方向から入射光IL1を入射させると、影領域SHWには入射光IL1が照射されないので、影領域SHWから反射する反射光RL1の強度が大きく低下することになる。
特に、吸収体ABSの厚さは、50nm〜100nm程度の厚さが存在するのに対し、EUV光の波長が10nm程度である。したがって、例えば、ライン形状の吸収体が紙面の垂直方向(第1方向)に延在し、EUV光が第1方向と直交する第2方向の上方から斜めにマスクMへ入射する場合(図4に示す場合)、吸収体の厚さによって、ライン状に延在している吸収体ABSの長辺方向(第1方向)に沿って影領域SHWが顕著に形成されることになる。影領域SHWは吸収体ABSが存在せずに多層膜MLFが露出している領域であることから、本来ならばEUV光の反射量が多くなる領域であるが、影ができる結果、この影領域SHWからのEUV光の反射量が少なくなる。このことは、マスクMに形成されたパターンを半導体基板に転写する際の解像度が低下することを意味する。
つまり、反射光RL1が生じる領域はパターンの明部を構成し、反射光RL1が吸収される領域はパターンの暗部を構成する。したがって、明部と暗部のコントラスト差が大きくなればなるほど解像度が向上する。しかし、上述したように、パターンの明部とパターンの暗部の境界領域に、反射光RL1の反射量が少ない影領域SHWが形成されると、パターンの明部とパターンの暗部のコントラストが低下することになる。これは、パターンの解像度が低下することを示している。
一方、図5は、例えば、ライン形状の吸収体ABSが第1方向に延在し、EUV光が第1方向の上方から斜めにマスクMへ入射する場合を示している。図5に示すような場合でも、入射光IL2のうち吸収体ABSに照射されるEUV光は、吸収体ABSによって吸収され反射光は生じない。一方、入射光IL2のうち露出している多層膜MLFに照射されるEUV光は、多層膜MLFによって反射され反射光RL2が生じる。
このとき、吸収体ABSで覆われている領域と多層膜MLFが露出している領域の境界に着目してみる。図5に示すように、この境界領域でも段差領域が生じている。しかし、段差の延在方向(第1方向)と、入射光IL2および反射光RL2の進行方向(第1方向)が並行しているため、段差領域には影領域ができにくくなっている。したがって、パターンの明部とパターンの暗部の境界領域(段差領域)に、反射光RL2の反射量が少ない影領域が形成されないので、図5の構成では図4の構成に比べて、パターンの明部とパターンの暗部のコントラストは低下しない。
このことから、図4および図5に示すように、ライン形状の吸収体ABSに入射する入射光の方向によって影ができる方向と影ができにくい方向が存在することがわかる。すなわち、互いに直交するライン形状の吸収体からなるパターンを考える場合、互いに直交する吸収体からなるパターンに特定方向からEUV光を斜めに入射させると、影ができる方向と影ができにくい方向が存在することになる。このようにマスクMにおいて、影ができる方向と影ができにくい方向が存在すると、それぞれの方向における解像度が異なることになり、半導体基板(レジスト膜)に転写されるパターンの寸法精度が方向によって異なることになる。このことは、半導体基板(レジスト膜)上に転写された転写パターンの寸法精度が低下することを意味する。
そこで、本実施の形態1は、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術において、半導体基板(レジスト膜)に転写される転写パターンの寸法精度を向上させる技術を提供するものである。この目的を実現するために、本実施の形態1では、マスクに工夫を施している。以下に、このマスクを用いたリソグラフィ技術について説明する。
図6は、本実施の形態1におけるマスクMの構成を示す図である。図6において、本実施の形態1におけるマスクMは、マスク基板MS上に多層膜MLFが形成されている。マスク基板MSは、例えば、石英ガラスや低熱膨張材から構成されており、多層膜MLFは、例えば、シリコン層とモリブデン層とを多層にわたって積層した構造をしている。多層膜MLFは、マスクMに入射したEUV光を反射するために設けられている膜である。つまり、例えば、シリコン層とモリブデン層からなる多層膜では、シリコン層の屈折率とモリブデン層の屈折率が異なることで生じる多層膜反射を利用してEUV光を反射している。この多層膜反射は、一種の干渉を利用した反射である。具体的には、多層膜MLFの表面で反射した光と、多層膜MLFの内部で反射した光とが干渉して強め合うことにより、ある一定強度以上のEUV光を反射できるようになっている。
本実施の形態1におけるマスクMでは、マスク基板MSに段差部DLが形成されている。つまり、マスク基板MSの第1領域R1と第2領域R2の間に段差部DLが形成されている。マスク基板MSの第1領域R1をマスク基板MSの第2領域R2よりも低くなるように形成することにより、第1領域R1と第2領域R2の境界に段差部DLを形成することができる。この段差部DLは、図6のy方向に延在するように形成されている。
段差部DLを有するマスク基板MS上には多層膜MLFが形成されている。この多層膜MLFは、第1領域R1と第2領域R2で均一な膜厚を有している。したがって、マスク基板MSに形成された段差部DLは、マスク基板MS上に多層膜MLFを形成した状態でも、第1領域R1と第2領域R2の境界に段差部DLが形成されていることになる。
続いて、段差部DLが形成されている多層膜MLF上に吸収体ABSがパターン状に形成されている。吸収体ABSはマスクMに入射してきたEUV光を吸収して反射しないようにするものである。この吸収体ABSは、例えば、窒化タンタル(TaN)などのタンタル系材料から形成されている。吸収体ABSは、EUV光を充分に吸収する観点から、その厚さは、例えば、50nm〜100nmとなっている。
本実施の形態1におけるマスクMでは、複数の吸収体ABSを含んでおり、個々の吸収体ABSはライン形状をしており、例えば、x軸方向に延在するように形成されている。すなわち、本実施の形態1では、段差部DLと吸収体ABSが互いに直交するように形成されている。具体的に、吸収体ABSはx軸方向に延在し、段差部DLはy軸方向に延在するように形成されている。
なお、図6では図示していないが、本実施の形態1におけるマスクMでも、図3と同様に、キャッピング層CAP、バッファ層BUFおよび導体膜CFが形成されている。
このように構成されたマスクMによれば、任意の回路パターンを形成できることについて説明する。図6に示すマスクMに入射光IL2を照射すると、吸収体ABSが形成されている領域ではEUV光が吸収され、吸収体ABSが形成されておらず多層膜MLFが露出している領域ではEUV光が反射される。この結果、多層膜MLFでの反射による明部と吸収体ABSでの吸収による暗部が形成される。図7は、吸収体ABSによる吸収と多層膜MLFによる反射で生じるパターンを示す図である。図7に示すように、吸収体ABSと多層膜MLFのパターンにしたがって(図7の左側)、明部と暗部からなるパターンが形成されていることがわかる(図7の右側)。つまり、図7の左側に示すように、吸収体ABSを横方向に並べることにより(ラインパターン)、図7の右側に示すような横縞状の暗部を形成することができる。
一方、図6に示す段差部DLによって、段差部DLが延在する方向に沿って暗部が形成される。このことについて説明する。図8は、段差部DLによるパターンを示す図である。図8の左側に示すように、高さの異なる第1領域R1と第2領域R2の境界線に沿って段差部DLが形成され、この段差部DLにしたがって、図8の右側に示すように、明部と暗部からなるパターンが形成されていることがわかる。つまり、図8の左側に示す段差部DLの延在方向に沿って、図8の右側に示す暗部(暗線)が形成されていることがわかる。段差部DLに沿って暗部が形成されるのは、以下に示すメカニズムによるものである。
図8の左側に示す第1領域R1と第2領域R2に入射光IL2が入射するとする。すると、第1領域R1と第2領域R2の両方とも多層膜MLFが露出しているので、入射光IL2が反射する。したがって、第1領域R1と第2領域R2の間に段差部DLが形成されていない場合には、第1領域R1と第2領域R2の全面からEUV光が反射され、暗部が形成されずにすべての領域が明部からなるパターンとなると考えられる。
しかし、実際には第1領域R1の高さと第2領域R2の高さが異なっており、第1領域R1と第2領域R2との境界線に段差部DLが形成されている。この段差部DLが存在することから、第1領域R1で反射するEUV光と、第2領域R2で反射するEUV光との間には光路差が生じる。この光路差が波長の1/2となると第1領域R1で反射するEUV光と、第2領域R2で反射するEUV光が干渉して弱めあうことになる。すなわち、第1領域R1と第2領域R2の境界領域では、第1領域R1で反射したEUV光と、第2領域R2で反射したEUV光が重なり合い干渉を引き起こす。このとき、光路差が波長の1/2となると、第1領域R1で反射したEUV光と、第2領域R2で反射したEUV光との位相差が180度となり、互いに弱めあうことになる。この結果、第1領域R1と第2領域R2の境界ではEUV光が互いに弱めあうことにより、反射光の光強度が弱まり暗部が形成されるのである。以上のメカニズムによって、高さの異なる第1領域R1と第2領域R2の境界に形成されている段差部DLに沿って暗部が形成されるのである。
この干渉による暗部を形成するには、第1領域R1で反射したEUV光と、第2領域R2で反射したEUV光との位相差を180度にする必要がある。つまり、光路差を1/2λとする必要がある。この位相差は、段差部DLの高さによって規定されるため、段差部DLの高さをλ(EUV光の波長)×1/4とすることが望ましい。これにより、光の往復経路分(段差部DLでの高さの2倍)だけ光路差が生じるので、第1領域R1で反射したEUV光と、第2領域R2で反射したEUV光との位相差を180度にすることができるのである。このことから、EUV光の波長が12nm〜15nmであることを考慮すると、段差部DLの高さを3nm〜4nm程度にすることが望ましいことがわかる。以上より、段差部DLに起因する暗部は、段差部DLによる位相シフト効果により説明することができる。
図7および図8に示すように、ラインパターンの吸収体ABSにより横縞状の暗部を形成することができ、かつ、吸収体ABSに直交するように段差部DLを設けることにより、縦状の暗部を形成することができる。したがって、ライン状の吸収体ABSと、これに直交する段差部DLを設けることにより、縦横自在の暗部を形成することができる。このことは、図6に示すマスクMによれば、縦方向の暗部と横方向の暗部により、任意の暗部を形成することができることを意味しており、図6に示すマスクMによれば、任意の回路パターンを形成することができることがわかる。
次に、本実施の形態1における特徴は、マスクMにおいて、多層膜MLFに段差部DLを設け、かつ、マスクMへ入射光IL2(EUV光)を特定方向から入射する点にある。この本実施の形態1の特徴について説明する。まず、図6に示す構成をしているマスクMに入射光IL2を入射する。このとき、マスクMに斜め方向から入射するEUV光(入射光IL2)の光線方向の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分の方向は、段差部DLが延在している方向と交差する方向となっている。具体的には、入射光IL2の光線方向を、x成分、y成分、z成分に分解すると、図6において、入射光IL2のx成分がkとなり、入射光IL2のy成分がlとなり、入射光IL2のz成分がmとなる。つまり、入射光IL2の光線方向は(k、l、m)で表すことができる。このとき、入射光IL2の光線方向の方向余弦成分はk、l、mであり、この方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分はk、lである。図6の場合、l=0であるので、入射光IL2の光線方向は(k、0、m)となる。したがって、入射光IL2の光線方向の方向余弦成分はkとなる。ここで、入射光IL2の光線方向(k、0、m)は、図6に示す光線方向とz軸のなす角をθとすると、(sinθ、0、−cosθ)と表すことができる。
このような入射光IL2の射影成分はk=sinθであり、x軸方向と平行な方向となる。このため、図6に示すように、マスクMに形成されている段差部DLはy軸方向に延在していることから、入射光IL2の射影成分と段差部DLの延在方向は互いに直交することになる。したがって、図6に示す方向から入射光IL2を入射する場合、段差部DLによって影領域が形成されると考えられる。しかし、段差部DLの高さは、上述したように、λ×1/4(λはEUV光の波長)程度であり、λは12nm〜15nm程度である。したがって、段差部DLの高さは、3nm〜4nm程度である。このとき、例えば、EUV光の波長λ(12nm〜15nm)に比べて、段差部DLの高さは非常に小さくなることから、段差部DLにより形成される影領域の影響はほとんど無視できる程度となる。
例えば、段差部DLによる暗部を形成する代わりに吸収体ABSでy方向に延在するラインパターンを形成する場合、吸収体ABSの高さが50nm〜100nmとなることから、吸収体ABSにより形成される影領域の影響は大きくなる。したがって、図6に示す本実施の形態1のように、マスクMにおいて、y方向に延在する段差部DLを形成し、かつ、入射光IL2の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(k)を段差部DLの延在方向と直交させるように構成することで、入射光IL2をマスクMの斜め方向から入射する場合であっても、影領域の影響を充分に低減することができるのである。
一方、図6に示すように、吸収体ABSはx軸方向に延在することから、吸収体ABSの延在方向(x方向)と、入射光IL2の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(k)とは互いに平行する関係となっている。このことから、吸収体ABSによる影領域はほとんど生じないのである。
以上のことから、本実施の形態1によれば、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術において、半導体基板(レジスト膜)に転写される転写パターンの寸法精度を向上させることができる顕著な効果を奏するのである。
本実施の形態1では、図6に示すマスクMにおいて、y方向に延在する段差部DLを形成し、かつ、入射光IL2の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(k)を段差部DLの延在方向と直交させるように構成することに特徴がある。このことを別の言い方をすれば、図6に示すマスクMにおいて、x方向に延在する吸収体ABSを形成し、かつ、入射光IL2の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(k)を吸収体ABSの延在方向と平行させるように構成するということもできる。
上述したように、本実施の形態1では、入射光IL2の光線方向を(k、0、m)と設定しているが、この設定条件はマスクMの全体で成立しているわけではない。つまり、マスクMの領域によっては、入射光IL2の光線方向が(k、0、m)からずれるのである。このことについて説明する。
図9はマスクMを示す図である。図9に示すように、実際のマスクMは、例えば、x軸方向に沿った矢印の示す方向に走査されて、マスクMの全面に形成されているパターンが半導体基板上に転写される。すなわち、マスクMの全面に形成されているパターンは一括して露光されるのではなく、マスクMの部分領域を走査しながら露光されるのである。このとき、反射型投影露光装置を使用する関係上、マスクMにおいて、y座標値が異なる領域では、入射光IL2の光線方向(k、l、m)の値が異なるのである。例えば、図9において、y座標値が異なる領域MR1、領域MR2および領域MR3では、入射光IL2の光線方向(k、l、m)が異なる。
y=0を含む領域MR2では、上述したように、入射光IL2の光線方向(k、l、m)は(sinθ、0、−cosθ)となる。ところが、マスクMの周辺部に形成され、y座標値が大きい領域MR1や領域MR3では、図10に示すように、光線方向(k、l、m)が領域MR2の光線方向(sinθ、0、−cosθ)と異なるのである。図10は、例えば、図9に示す領域MR3に入射する入射光IL2の光線方向を示す図である。図10に示すように、領域MR3での入射光IL2の光線方向は、露光装置のフィールドを決定するときに定義される角度φを用いて、(k、l、m)=(sinθcosφ、sinθsinφ、−cosθ)と表すことができる。同様に、領域MR1での入射光IL2の光線方向は、(k、l、m)=(sinθcosφ、−sinθsinφ、−cosθ)と表すことができる。
したがって、領域MR1および領域MR3においては、入射光IL2の方向余弦成分k、l、mのうちマスク面内に射影される射影成分は、k、lである。このため、射影方向は(x、y)=(k、l)で示される方向を向いていることになる。つまり、領域MR2において、入射光IL2の射影方向は(x、y)=(k、0)であり、x軸方向と平行する方向であるが、領域MR1や領域MR3においては、入射光IL2の射影方向は、(x、y)=(k、l)であり、射影方向はx軸方向と平行する方向にはなっていない。すなわち、領域MR1や領域MR3においては、入射光IL2の射影方向はx軸方向と交差する方向を向いているということができる。このことから、図6に示す構成をしているマスクMの領域MR1や領域MR3に入射光IL2を入射する場合、x軸方向に延在する吸収体ABSに対して、入射光IL2の射影方向(k、l)が平行となっていない結果、吸収体ABSの長手方向の側面に沿って影領域ができると考えられる。
しかし、角度φは、図10では説明をわかりやすくするために大きく描いているが、実際は非常に小さい値であるので、sinφ≒φ≒0と考えることができる。つまり、領域MR1や領域MR3における入射光IL2の射影方向(x、y)=(k、l(≒0))と考えることができる。したがって、領域MR1や領域MR3においても、x軸方向に延在する吸収体ABSに対して、入射光IL2の射影方向(k、l(≒0))がほぼ平行となっていると考えることができるので、吸収体ABSの長手方向の側面に沿って形成される影領域はほとんど無視できるのである。
このように、図6に示すマスクMにおいて、x方向に延在する吸収体ABSとy方向に延在する段差部DLを形成し、かつ、入射光IL2の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(k)を段差部DLの延在方向とほぼ直交させるように構成することにより、マスクMの全体領域で吸収体ABSに起因した影領域の発生を抑制することができることがわかる。つまり、本実施の形態1における技術的思想の特徴は、入射光IL2の射影方向と交差する方向に延在する暗部を吸収体ABSではなく段差部DLにより形成することにある。高さの高い吸収体ABSではなく、高さをほとんど無視できる段差部DLで置き換えることにより、影領域の発生を抑制することができるのである。この結果、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術において、半導体基板(レジスト膜)に転写される転写パターンの寸法精度を向上させることができるのである。
本実施の形態1では、図6に示すマスクMを用いて所定のパターンを半導体基板(レジスト膜)上に転写している。具体的には、多層膜MLFの表面に形成される吸収体ABSからなる第1転写パターンと、多層膜MLFを形成した第1領域R1と第2領域R2の境界領域に形成される段差部DLによる第2転写パターンとを合成して所望の回路パターンを半導体基板(レジスト膜)上に転写している。したがって、マスクMにおいては、EUV光を吸収する吸収体ABSを多層膜MLF上に形成するにあたり、マスク基板MSに形成されている段差部DLと所定の位置関係を保つように位置合わせする必要がある。すなわち、多層膜MLF上に形成する吸収体ABSのアライメントが必須である。そこで、本実施の形態1では、マスクMの所定領域にアライメントマークMAを形成している。図11は、本実施の形態1におけるマスクMの平面構成を示す図である。図11に示すように、マスクMにおいて、矩形形状をしたマスク基板MSの角部にアライメントマークMAを形成している。
このアライメントマークMAは、例えば、マスク基板MSに段差部DLを形成する際、同時に形成することができる。図12は、アライメントマークMAを拡大して示す図である。図12に示すように、アライメントマークMAは、マスク基板MSに形成された溝MGから形成されている。図13は、図12のA−A線で切断した断面図である。図13に示すように、マスク基板MSに溝MGが形成され、この溝MGを含むマスク基板MS上に多層膜MLFが形成されていることがわかる。このようにアライメントマークMAを溝MGで形成することで、溝MGに入射したEUV光と、溝MG以外の場所に入射したEUV光との間の位相シフト効果によるパターンとしてアライメントマークMAを認識することができる。
ただし、アライメントマークMAとなる溝MGを、段差部DLと同じ工程で形成する場合、段差部DLの高さが3nm〜4nmであるので、溝MGの深さも3nm〜4nm程度となる。したがって、単純に、マスク基板MSを掘り込んで溝MGを形成した後、この溝MGに多層膜MLFを形成した構造では、アライメントマークMAを観察することが困難な場合がある。そこで、以下に、観察しやすいアライメントマークを形成する別の方法について説明する。
まず、マスクMを製造する始めの段階で、平坦なマスク基板MS上に微細幅の凹部をFIB(Focused Ion Beam)などの方法により予め形成する。この凹部は上述した溝MGに比べて充分な深さを有している。そして、形成した凹部を覆うように多層膜MLFを堆積することにより、凹部からなるアライメントマークMAを形成することができる。このアライメントマークMAは充分に深い凹部から形成されているので、アライメントマークMAを光、電子線あるいはEUV光で観察した場合、大きな位相変化を伴ったパターンとして認識される。このようにして視認性に優れたアライメントマークMAを形成することができる。
なお、本実施の形態1では、図11に示すように、矩形形状をしたマスク基板MSの角部の2つのアライメントマークMAを形成している。特に、限定されないが、例えば、このアライメントマークMAの平面寸法は、200nm〜2000nm程度である。
本実施の形態1におけるマスクMは上記のように構成されており、以下に、図面を参照しながら、マスクMの製造方法について説明する。
まず、図14に示すように、石英ガラスや低熱膨張材からなるマスク基板MSを用意する。このマスク基板MSは矩形形状をしており、その表面は平坦化されている。続いて、図15に示すように、マスク基板MSの表面に段差部DLを形成する。この段差部DLは、マスク基板MSの表面に、高さの低い第1領域R1と高さの高い第2領域R2とを形成することにより、第1領域R1と第2領域R2の境界領域に段差部DLを形成する。この段差部DLの高さは、マスクを露光照明するEUV光の波長の約1/4にすることが望ましく、例えば、本実施の形態1では、3.4nmに設定している。
その後、図16に示すように、段差部DLを形成したマスク基板MS上に多層膜MLFを形成する。多層膜MLFは、例えば、蒸着法を使用することにより、シリコン層とモリブデン層とを交互に積層して形成する。本実施の形態1では、1層のシリコン層と1層のモリブデン層とからなる積層膜を単位として、この積層膜を40対ほど形成している。このとき、多層膜MLFは、段差部DLを有するマスク基板MSの全面に均一の膜厚で形成しており、例えば、多層膜MLFの膜厚は、280nmである。したがって、マスク基板MSの第1領域R1上に形成される多層膜MLFの膜厚と、マスク基板MSの第2領域R2上に形成される多層膜MLFの膜厚はほぼ同じであり、マスク基板MS上に多層膜MLFを形成しても、第1領域R1と第2領域R2の境界領域に形成される段差部DLの段差が保持される。このように本実施の形態1では、多層膜MLFの材料や周期長を領域ごとに変化させることなく、第1領域R1からの反射光と、第2領域R2からの反射光との間で、ほぼ180度の位相差を与えることができる。
次に、図示はしないが、多層膜MLF上に多層膜MLFを保護するキャッピング層を形成した後、このキャッピング層上にバッファ層を形成する。そして、図17に示すように、バッファ層上に吸収体ABSを形成する。吸収体ABSは、例えば、窒化タンタル(TaN)などのタンタル系材料から形成される。その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、吸収体ABSをパターニングする。吸収体ABSのパターニングは、吸収体ABSをラインパターン状に加工し、かつ、吸収体ABSからなるラインパターンが段差部DLの延在方向と交差するように形成される。この吸収体ABSをパターニングする際のエッチングは、吸収体ABSの下層に形成されているバッファ層がエッチングストッパの役割を果たす。このため、吸収体ABSのパターニングの際、多層膜MLFに与えるエッチングダメージを緩和することができる。そして、吸収体ABSをパターニングした後、露出しているバッファ層を除去する。以上のようにして、本実施の形態1におけるマスクを製造することができる。
上述したマスクの製造工程をフローチャートで示すと図18のようになる。図18は、本実施の形態1におけるマスクの製造工程の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、まず、マスク基板を準備した後(S101)、マスク基板に段差部(段差パターン)を形成する(S102)。そして、形成した段差部(段差パターン)を検査し(S103)、その後、段差部(段差パターン)を形成したマスク基板の全体に多層膜を均一に成膜する(S104)。次に、形成した多層膜の表面を検査した後(S105)、多層膜上に吸収体パターンを形成する(S106)。そして最後に、形成されたパターンを検査する(S107)。
ここで、段差パターンの検査工程(S103)、多層膜の表面の検査工程(S105)およびパターン検査工程(S107)で、欠陥が見つかった場合には、その都度、修正の可能性を検討する。修正の可能性がある場合には、欠陥修正を行なった後、次工程に流す。一方、修正が不可能であると判断した場合は、マスクの製造を中止し、新たなマスク基板を準備してマスクの製造を行なう。以上のようにしてマスクを製造することができる。
本実施の形態1では、図14〜図17に示すように、マスク基板MSに段差部DLを形成し、その後、マスク基板MSの全体に均一な膜厚の多層膜MLFを形成している。このように本実施の形態1では、段差部DLを有するマスク基板MS上に均一な多層膜MLFを形成しているが、このとき多層膜MLFがマスク基板MSの全体にわたって均一に形成されるので、マスク基板MSに形成された段差部DLの形状が多層膜MLFを形成した表面にも反映される。これにより、本実施の形態1では、多層膜MLFの材料や周期長を領域ごとに変化させることなく、多層膜MLFの表面に形成された段差部DLで、ほぼ180度の位相差を与えることができる。
例えば、背景技術で説明した位相差を与える従来技術は、互いに隣接する2箇所の領域に形成されている多層膜から反射するEUV光に位相差を与えるために、隣接する2箇所の領域で、多層膜の材料や膜の周期長などを変化させている。さらには、多層膜の表面に設ける薄膜層の有無によって隣接する2箇所の領域で反射するEUV光に位相差を与えている。つまり、背景技術では、多層膜の構成や多層膜上に追加する薄膜によって位相差を確保している技術ということができる。
これらの背景技術では、石英ガラスや低熱膨張材からなるマスク基板上に多層膜を形成する際、隣接する2箇所の領域で位相差を与えるために、領域ごとに多層膜の材料や膜の周期長を変化させなければならず、マスクの製造工程が極めて複雑になる。これに対し、本実施の形態1では、図14〜図17に示すように、マスク基板MSに段差部DLを形成し、この段差部DLを形成したマスク基板MSの全面に均一な膜厚の多層膜MLFを形成している。すなわち、本実施の形態1では、段差部DLを構成する第1領域R1と第2領域R2で同一の組成で同一の膜厚からなる多層膜MLFを形成している。このため、本実施の形態1におけるマスクの製造方法では、多層膜MLFの製造工程が簡素化され歩留まりが向上する利点を有しながら、段差部DLにより充分な位相差を与えることができる。
本実施の形態1では、図15に示すように、マスク基板MSに段差部DLを形成しているが、以下に、マスク基板MSに段差部DLを形成する第1方法と第2方法について図面を参照しながら説明する。
まず、第1方法について説明する。図19に示すように、石英ガラスや低熱膨張材からなるマスク基板MSを用意する。続いて、図20に示すように、マスク基板MSの表面上に薄膜TFを形成する。薄膜TFは、例えば、酸化シリコン膜から形成することができる。その後、図21に示すように、薄膜TF上にレジスト膜FR1を塗布する。そして、図22に示すように、通常のフォトリソグラフィ技術を使用することにより、レジスト膜FR1をパターニングする。レジスト膜FR1のパターニングは、第2領域R2を覆い、かつ、第1領域R1を露出するように行なわれる。次に、図23に示すように、パターニングしたレジスト膜FR1から露出する薄膜TFをエッチングにより除去し、その後、パターニングしたレジスト膜FR1を除去する。このようにして、第1領域R1と第2領域R2との境界領域に段差部DLを形成することができる。つまり、第2領域R2ではマスク基板MS上に薄膜TFが形成され、第1領域R1ではマスク基板MS上に薄膜TFが形成されていない。このため、第2領域R2の高さは、第1領域R1の高さよりも薄膜TFの膜厚の分だけ高くなり、この結果、第1領域R1と第2領域R2との境界領域に段差部DLを形成することができるのである。この段差部DLの高さは薄膜TFの膜厚を制御することで調整することができ、薄膜TFの厚さは、例えば、EUV光の波長の1/4の大きさになるように形成されている。
次に、マスク基板MSに段差部DLを形成する第2方法について説明する。図24に示すように、石英ガラスや低熱膨張材からなるマスク基板MSを用意する。そして、このマスク基板MS上にレジスト膜FR2を塗布する。続いて、図25に示すように、通常のフォトリソグラフィ技術を使用することにより、レジスト膜FR2をパターニングする。レジスト膜FR2のパターニングは、第2領域R2を覆い、かつ、第1領域R1を露出するように行なわれる。その後、図26に示すように、パターニングしたレジスト膜FR2から露出するマスク基板MSをエッチングすることにより、マスク基板MSの第2領域R2に溝を形成する。このようにして、第1領域R1と第2領域R2との境界領域に段差部DLを形成することができる。つまり、第2領域R2ではマスク基板MS上に溝が形成されておらず、、第1領域R1ではマスク基板MS上に溝が形成されている。このため、第2領域R2の高さは、第1領域R1の高さよりも溝の深さの分だけ高くなり、この結果、第1領域R1と第2領域R2との境界領域に段差部DLを形成することができるのである。この段差部DLの高さは溝の深さを制御することで調整することができ、溝の深さは、例えば、EUV光の波長の1/4の大きさになるように形成されている。
以上のようにして、第1方法や第2方法を使用することにより、マスク基板MSに段差部DLを形成することができる。このとき、第2方法は、第1方法に比べて工程数が少ないように見えるが、マスク基板MSに溝を形成する際のエッチング制御がやや難しくなる。ただし、溝を形成するエッチング量の時間制御が精度良くできる場合には第2方法も採用することができる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、前記実施の形態1で製造したマスクを用いて高密度のホールパターンを形成する例について説明する。本実施の形態2で説明する技術は、前記実施の形態1と同様に、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術を前提とする技術である。
図27は、高密度のホールパターンを形成するために使用されるマスクの一部(ホール4個分に対応)と、露光光(入射光)のマスク面内の入射方向とを示す図である。図27(a)は、比較例1のマスク構造であって、吸収体ABSの中に4箇所のホールパターンが形成されており、この4箇所のホールパターンでは多層膜MLFが反射領域として露出するように構成されている。露光光(入射光IL0)のマスク面内の入射方向は、図27(a)に示す通りである。図27(b)は、前記実施の形態1で示したマスク構造をして、4個のホールパターンが形成されている。具体的に、第1領域R1と第2領域R2の境界領域に段差部DLが形成され、この段差部DLが延在する方向と直交する方向に延在するように吸収体ABSが形成されている。露光光(入射光IL1)のマスク面内の入射方向は図27(b)に示す通りであり、吸収体ABSの長手方向と直交している。この図27(b)に示す例を比較例2とする。図27(c)は、前記実施の形態1で示したマスク構造をして、4個のホールパターンが形成されている。具体的に、第1領域R1と第2領域R2の境界領域に段差部DLが形成され、この段差部DLが延在する方向と直交する方向に延在するように吸収体ABSが形成されている。露光光(入射光IL2)のマスク面内の入射方向は図27(c)に示す通りであり、吸収体ABSの長手方向と並行し、かつ、段差部DLと直交している。この図27(c)に示す例を本発明例とする。
本実施の形態2では、マスクパターンを開口数NA=0.25の投影露光装置を用いて半導体基板(レジスト膜)上に転写するにあたり、吸収体ABSによるパターンと段差部DLによるパターン(位相シフトパターン)の両方から最大の解像性能を引き出せるように変形照明を採用している。
図28は有効光源の形状を示す図である。図28(a)は、4個の光源LS1〜LS4を照明σ=1の輪郭線の近傍に軸対象で配置した4極照明であり、図27(a)に示す比較例1に採用している。光源部が4つあるので、それぞれの光源部からのマスクへの入射方向は厳密には異なるが、それらの平均的な照明方向は、図27(a)に示す入射光ILで表される。一方、図28(b)は、2個の光源LS1、LS2をy方向に離れた位置に配置した2極照明であり、それらの平均的な照明方向は、入射光IL1として図27(b)に示す比較例2に、また、平均的な照明方向を入射光IL2として図27(c)に示す本発明例に採用している。図28(b)に示す有効光源の形状は、吸収体ABSによるパターン(ラインパターン)に対しては2極照明という強い変形照明であり、段差部DLによるパターン(位相シフトパターン)に対しては小さな照明σを与えるものである。したがって、図28(b)に示す有効光源は、吸収体ABSによるパターンと段差部DLによるパターン(位相シフトパターン)の両方から最大の解像性能を引き出せるような変形照明となっている。本発明例を例にとると、EUV光を照射する本発明例の照明光源は、段差部DLが延在する第2方向(y方向)に所定間隔だけ離れて並んだ一対の光源から構成されているということができる。
以上のような条件のもとで、高密度のホールパターンの投影像における光強度分布を計算した。図29(a)〜(c)は、それぞれ図27(a)〜(c)に示すマスクパターンと図28(a)、(b)に示す照明光源を用いて得られた高密度のホールパターンの投影像における光強度分布を示す図である。本実施の形態2では、高密度のホールパターンとして、ピッチが40nm、サイズが20nmのパターンを採用している。図29(a)〜図29(c)に示すように、図29(a)に示すホールパターンの光強度分布LI1に比べて、図29(b)や図29(c)に示すホールパターンの光強度分布LI2、LI3が大きくなっていることがわかる。このことは、吸収体ABSだけでホールパターンを形成した比較例1よりも、吸収体ABSと段差部DLによってホールパターンを形成する比較例2や本発明例の方が投影像のコントラストが向上し解像性能を向上できることがわかる。
さらに、図29(b)に示す比較例2の光強度分布と、図29(c)に示す本発明例の光強度分布を比較すると、比較例2の光強度分布LI2よりも本発明例の光強度分布LI3の方が大きく、本発明例によれば投影像のコントラストを最大限に向上できることがわかる。つまり、本発明例で規定するように、吸収体ABSと、位相シフトパターンを与える段差部DLと、露光光(入射光IL2)のマスク面内の入射方向とを組み合わせると、最大の解像性能を得られることがわかる。
高密度のホールパターンのようにx軸方向およびy軸方向に繰り返されるパターンは、吸収体ABSを形成せずに、段差部DLによる位相シフトパターンだけでも形成することができる。ただし、ホールパターンのピッチが狭くなると、180度の位相差が入射光全体を打ち消すように作用し、投影像のコントラストが低下する。また、実際のパターンを形成する際にホールパターンのサイズを制御したい場合、段差部DLによる位相シフトパターンだけでは制御することが困難であるが、吸収体ABSによるパターンを採用すれば、吸収体ABSの幅を制御することにより、容易にホールパターンのサイズを制御することができる。さらに、微細パターンを形成する領域は、位相シフトパターンだけで形成できたとしても、パターン群の周辺部からマスクの実効的な端部までは大サイズの吸収体ABSで覆われることになる。これらのことを考慮すると、本発明例のように、段差部DLによる位相シフトパターンと、吸収体ABSによる吸収体パターンとを組み合わせ、かつ、吸収体パターンの長手方向を入射光のマスク面内の入射方向とを一致させ、さらに、段差部DLの延在方向と入射光のマスク面内の入射方向と直交させる露光方法が解像性能を向上する観点から最適であることがわかる。
本実施の形態2によれば、吸収体ABSと段差部DLを形成し、かつ、入射光の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分を段差部DLの延在方向とほぼ直交させるように構成することにより、マスクの全体領域で吸収体ABSに起因した影領域の発生を抑制することができることがわかる。つまり、本実施の形態2における技術的思想の特徴は、入射光の射影方向と交差する方向に延在する暗部を吸収体ABSではなく段差部DLにより形成することにある。高さの高い吸収体ABSではなく、高さをほとんど無視できる段差部DLで置き換えることにより、影領域の発生を抑制することができるのである。この結果、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術において、投影像のコントラストを向上できる結果、最大の解像性能を得ることができる。したがって、半導体基板(レジスト膜)に転写される転写パターンの寸法精度を向上させることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態3では、前記実施の形態1で製造したマスクを用いて高密度のホールパターンを形成する工程を含む半導体装置の製造工程について図面を参照しながら説明する。高密度のホールパターンを形成する技術は、前記実施の形態1と同様に、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術を前提とするものである。
図30は本実施の形態3における半導体チップCHPの全体の概略レイアウト構成を示す図である。図30において、入出力回路1は、半導体チップCHPの内部領域に形成されている内部回路(コア回路)を含む内部回路領域2と半導体チップCHPの外部に形成されている外部回路とのインターフェイスをとるための回路である。内部回路領域2には、例えばリード・オンリ・メモリ(ROM)3、クロック・パルス・ジェネレータ(CPG)4、中央演算処理装置(CPU)5、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)6などが形成され、その他の領域にはランダムロジックやバスなどが形成されている。ボンディングパッド・入出力回路領域7には、例えばボンディングパッド8や入出力回路1が設けられる。
例えば、CPU(回路)5は、中央演算処理部とも呼ばれ、コンピュータなどの心臓部にあたる。このCPU5は、記憶装置から命令を読み出して解読し、それに基づいて多種多様な演算や制御を行なうものであり、処理の高速性が要求される。
RAM(回路)6は、記憶情報をランダムに、すなわち随時記憶されている記憶情報を読み出したり、記憶情報を新たに書き込んだりすることができるメモリであり、随時書き込み読み出しができるメモリとも呼ばれる。ICメモリとしてのRAMには、ダイナミック回路を用いたDRAM(Dynamic RAM)とスタティック回路を用いたSRAM(Static RAM)の2種類がある。DRAMは、記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリであり、SRAMは、記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリである。
以下に、本実施の形態3におけるRAMを構成するメモリモジュールの構成について説明する。図31は、本実施の形態3におけるメモリモジュールの構成を示す図である。図31において、本実施の形態3におけるメモリモジュールは、メモリセルアレイ10、アドレスデコーダ11、ワードドライバ12、カラム選択部13、制御回路14、ライトアンプ15、リードアンプ16を有している。
メモリセルアレイ10は、複数のメモリセルから構成されており、複数のメモリセルが行列状に配置した構成をしている。メモリセルアレイ10を構成する個々のメモリセルが情報を記憶する記憶素子であり、複数のメモリセルに情報を記憶させることにより大容量の情報を記憶できるようになっている。メモリセルアレイ10を構成するメモリセルは、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)のメモリセルとなっている。メモリセルアレイ10には、図31に示すように行方向に複数のワード線が配列され、列方向に複数のデータ線が配列されている。そして、ワード線とデータ線の交差領域にメモリセルが配置されている。
アドレスデコーダ11は、アドレスを入力して選択するアドレスを解析し、解析したアドレスの行成分(行アドレス)をワードドライバ12に出力し、解析したアドレスの列成分(列アドレス)をカラム選択部13に出力するように構成されている。
ワードドライバ12は、アドレスデコーダ11から行アドレスを入力し、特定のワード線を選択するように構成されており、カラム選択部13は、アドレスデコーダ11から列アドレスを入力し、特定のデータ線を選択するように構成されている。
制御回路14は、メモリセルアレイ10を構成するメモリセルへの書き込み動作および読み出し動作を制御するように構成されており、ライトアンプ15は入力データをカラム選択部13に出力する機能を有している。一方、リードアンプ16はカラム選択部13から読み出したデータを入力して増幅した後に出力するように構成されている。
本実施の形態3におけるメモリモジュールは上記のように構成されており以下にその動作について説明する。まず、書き込み動作について説明する。アドレスデコーダ11によってアドレスの解析が実施され、解析した結果得られる行アドレスをワードドライバ12に出力し、列アドレスをカラム選択部13に出力する。ワードドライバ12では、入力した行アドレスに基づいて、特定のワード線を選択する。一方、カラム選択部13では、入力した列アドレスに基づいて、特定のデータ線を選択する。これにより、特定のワード線と特定のデータ線の交差する領域に配置されているメモリセルが選択される。このとき、制御回路14からの信号によりライトアンプ15が活性化し、活性化したライトアンプ15では、入力データを入力した後、この入力データをカラム選択部13に出力する。カラム選択部13では、特定のデータ線に対して入力データを出力することにより、選択されているメモリセルに入力データが出力され書き込み動作が行なわれる。
続いて、読み出し動作について説明する。アドレスデコーダ11によってアドレスの解析が実施され、解析した結果得られる行アドレスをワードドライバ12に出力し、列アドレスをカラム選択部13に出力する。ワードドライバ12では、入力した行アドレスに基づいて、特定のワード線を選択する。一方、カラム選択部13では、入力した列アドレスに基づいて、特定のデータ線を選択する。これにより、特定のワード線と特定のデータ線の交差する領域に配置されているメモリセルが選択される。このとき、制御回路14からの信号によりリードアンプ16が活性化する。カラム選択部13では、特定のデータ線から読み出した出力データを活性化したリードアンプ16に出力する。リードアンプ16では、入力した出力データを増幅した後、この増幅した出力データを外部に出力する。このようにして、読み出し動作が実施される。
このように構成されている半導体チップCHPのうち、CPU5を構成する論理回路のレイアウト、SRAMのメモリセルアレイ10を構成するレイアウト、および、SRAMの周辺回路(アドレスデコーダ11、ワードドライバ12、カラム選択部13、制御回路14、ライトアンプ15、リードアンプ16など)を構成するレイアウトについて説明する。
図32は、CPU5を構成する論理回路のレイアウトの一例を示す図である。図32に示すように、x軸方向に延在するようにアクティブ領域Actが形成され、このアクティブ領域Actと交差するようにゲート電極Gがy軸方向に延在している。このアクティブ領域Actとゲート電極Gが平面的に重なる領域にMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されていることになる。アクティブ領域ActはMISFETのソース領域やドレイン領域となる領域であり、コンタクトホールCNT(詳細にはコンタクトホールCNTに導電材料を埋め込んだプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。同様に、ゲート電極GもコンタクトホールCNT(詳細にはプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。
続いて、図33は、RAM6(SRAM)のメモリセルアレイ10を構成するレイアウトの一例を示す図である。図33に示すように、y軸方向に延在するようにアクティブ領域Actが形成され、このアクティブ領域Actと交差するようにゲート電極Gがx軸方向に延在している。このアクティブ領域Actとゲート電極Gが平面的に重なる領域にMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されていることになる。アクティブ領域ActはMISFETのソース領域やドレイン領域となる領域であり、コンタクトホールCNT(詳細にはコンタクトホールCNTに導電材料を埋め込んだプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。同様に、ゲート電極GもコンタクトホールCNT(詳細にはプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。さらに、配線のための長方形孔(プラグ)OBHが設けられている。
次に、図34は、RAM6(SRAM)の周辺回路を構成するレイアウトの一例を示す図である。図34に示すように、y軸方向あるいはx軸方向に延在するものが混在するようにアクティブ領域Actが形成され、このアクティブ領域Act上にゲート電極Gが形成されている。このアクティブ領域Actとゲート電極Gが平面的に重なる領域にMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)が形成されていることになる。アクティブ領域ActはMISFETのソース領域やドレイン領域となる領域であり、コンタクトホールCNT(詳細にはコンタクトホールCNTに導電材料を埋め込んだプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。同様に、ゲート電極GもコンタクトホールCNT(詳細にはプラグ)を介して配線と電気的に接続されている。
論理回路のレイアウトを示す図32、SRAMのメモリセルアレイのレイアウトを示す図33、SRAMの周辺回路のレイアウトを示す図34を見ると、SRAMの周辺回路のレイアウトに形成されているコンタクトホールが最も密集していることがわかる。そこで、コンタクトホールが密集しているSRAMの周辺回路を形成する場合に本発明を適用する。すなわち、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術を前提として、図34に示すコンタクトホールパターンの形成に本発明を適用する場合について説明する。
以下に、本実施の形態3における半導体装置の製造工程を説明するが、使用する図面は基本的に図34のA−A線で切断した断面図を使用する。まず、図35に示すように、ホウ素(B)などのp型不純物を導入したシリコン単結晶よりなる半導体基板1Sを用意する。このとき、半導体基板1Sは、略円盤形状をした半導体ウェハの状態になっている。そして、半導体基板1SのMISFET形成領域に素子間を分離する素子分離領域STIを形成する。素子分離領域STIは、素子が互いに干渉しないようにするために設けられる。この素子分離領域STIは、例えばLOCOS(local Oxidation of silicon)法やSTI(shallow trench isolation)法を用いて形成することができる。例えば、STI法では、以下のようにして素子分離領域STIを形成している。すなわち、半導体基板1Sにフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用して素子分離溝を形成する。そして、素子分離溝を埋め込むように半導体基板上に酸化シリコン膜を形成し、その後、化学的機械的研磨法(CMP;chemical mechanical polishing)により、半導体基板上に形成された不要な酸化シリコン膜を除去する。これにより、素子分離溝内にだけ酸化シリコン膜を埋め込んだ素子分離領域STIを形成することができる。
次に、素子分離領域STIで分離された活性領域に不純物を導入してウェルを形成する。例えば、活性領域のうちnチャネル型MISFET形成領域には、p型ウェルPWLを形成する。p型ウェルPWLは、例えばホウ素などのp型不純物をイオン注入法により半導体基板に導入することで形成される。
続いて、p型ウェルPWLの表面領域にチャネル形成用の半導体領域(図示せず)を形成する。このチャネル形成用の半導体領域は、チャネルを形成するしきい値電圧を調整するために形成される。
次に、図36に示すように、半導体基板1S上にゲート絶縁膜GOXを形成する。ゲート絶縁膜GOXは、例えば、酸化シリコン膜から形成され、例えば熱酸化法を使用して形成することができる。ただし、ゲート絶縁膜GOXは、酸化シリコン膜に限定されるものではなく種々変更可能であり、例えば、ゲート絶縁膜GOXを酸窒化シリコン膜(SiON)としてもよい。さらに、ゲート絶縁膜GOXは、例えば酸化シリコン膜より誘電率の高い高誘電率膜から形成してもよい。酸化シリコン膜より誘電率の高い材料を使用することにより、容量が同じでも物理的膜厚を増加させることができる。このように高誘電率膜によれば、容量を同じにしても物理的膜厚を増加させることができるので、リーク電流を低減することができる。
続いて、ゲート絶縁膜GOX上にポリシリコン膜PFを形成する。ポリシリコン膜PFは、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用して、nチャネル型MISFET形成領域に形成されているポリシリコン膜PF中にリンや砒素などのn型不純物を導入する。
次に、図37に示すように、パターニングしたレジスト膜をマスクにしたエッチングによりポリシリコン膜PFを加工して、nチャネル型MISFET形成領域にゲート電極Gを形成する。
ここで、nチャネル型MISFET形成領域のゲート電極Gには、ポリシリコン膜PF中にn型不純物が導入されている。このため、ゲート電極Gの仕事関数値をシリコンの伝導帯近傍(4.15eV)の値にすることができるので、nチャネル型MISFETのしきい値電圧を低減することができる。
続いて、図38に示すように、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFETのゲート電極Gに整合した浅いn型不純物拡散領域EXを形成する。浅いn型不純物拡散領域EXは、半導体領域である。
次に、図39に示すように、半導体基板1S上に酸化シリコン膜を形成する。酸化シリコン膜は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜を異方性エッチングすることにより、サイドウォールSWをゲート電極Gの側壁に形成する。サイドウォールSWは、酸化シリコン膜の単層膜から形成するようにしたが、これに限らず、例えば、窒化シリコン膜と酸化シリコン膜の積層膜からなるサイドウォールSWを形成してもよい。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、nチャネル型MISFET形成領域にサイドウォールSWに整合した深いn型不純物拡散領域NRを形成する。深いn型不純物拡散領域NRは、半導体領域である。この深いn型不純物拡散領域NRと浅いn型不純物拡散領域EXによってソース領域が形成される。同様に、深いn型不純物拡散領域NRと浅いn型不純物拡散領域EXによってドレイン領域が形成される。このようにソース領域とドレイン領域を浅いn型不純物拡散領域EXと深いn型不純物拡散領域NRで形成することにより、ソース領域およびドレイン領域をLDD(Lightly Doped Drain)構造とすることができる。
このようにして、深いn型不純物拡散領域NRを形成した後、1000℃程度の熱処理を行なう。これにより、導入した不純物の活性化が行なわれる。
その後、半導体基板1S上にコバルト膜を形成する。このとき、ゲート電極Gに直接接するようにコバルト膜が形成される。同様に、深いn型不純物拡散領域NRにもコバルト膜が直接接する。
コバルト膜は、例えば、スパッタリング法を使用して形成することができる。そして、コバルト膜を形成した後、熱処理を施すことにより、ゲート電極Gを構成するポリシリコン膜PFとコバルト膜を反応させて、コバルトシリサイド膜CSを形成する。これにより、ゲート電極Gはポリシリコン膜PFとコバルトシリサイド膜CSの積層構造となる。コバルトシリサイド膜CSは、ゲート電極Gの低抵抗化のために形成される。同様に、上述した熱処理により、深いn型不純物拡散領域NRの表面においてもシリコンとコバルト膜が反応してコバルトシリサイド膜CSが形成される。このため、深いn型不純物拡散領域NRにおいても低抵抗化を図ることができる。
そして、未反応のコバルト膜は、半導体基板1S上から除去される。なお、本実施の形態3では、コバルトシリサイド膜CSを形成するように構成しているが、例えば、コバルトシリサイド膜CSに代えてニッケルシリサイド膜やチタンシリサイド膜を形成するようにしてもよい。
次に、図40に示すように、半導体基板1Sの主面上に層間絶縁膜ILとなる窒化シリコン膜20および酸化シリコン膜21を形成する。この窒化シリコン膜20は、例えば、CVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜21は、例えばTEOS(tetra ethyl ortho silicate)を原料としたCVD法を使用して形成することができる。その後、酸化シリコン膜21の表面を、例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)法を使用して平坦化する。
続いて、図41に示すように、層間絶縁膜(下地膜)IL上にレジスト膜FRを形成する。その後、本実施の形態3におけるリソグラフィ技術を適用する。すなわち、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術を前提として、図34に示すコンタクトホールパターンの形成に本発明を適用する。
図42は、図34に示すコンタクトホールを形成するための従来のマスクM1を示す図である。図42に示すように、従来のマスクM1は、多層膜MLF上に形成した吸収体ABSに多数のコンタクトホールパターンが形成されている。これらのコンタクトホールパターンは、場所や方向によって様々な密度で分布している。このマスクM1は、前記実施の形態2の図27(a)に示す比較例1に対応したマスクである。したがって、前記実施の形態2でも説明したように、高密度なコンタクトホールパターンに対する投影像のコントラストが低下し、解像性能が低下する。この結果、半導体基板1S(レジスト膜FR)に転写される転写パターンの寸法精度が低下することになる。
そこで、本実施の形態3では、図43に示す本発明のマスクM2に置き換える。すなわち、図43は、本実施の形態3におけるマスクM2を示す図である。図43に示すように、このマスクM2は、隣接するコンタクトホール間の距離が短い高密度のコンタクトホールパターンの形成に、段差部DLによる位相シフトパターンを設けている。具体的には、吸収体ABSの中にコンタクトホールパターンを設けるとともに、コンタクトホールが密集する領域については、位相差を与えるための段差部DLを設けている。この段差部DLの輪郭線に沿って暗部が投影されるので、隣接するコンタクトホールパターン間に必ずしも吸収体ABSを配置する必要はない。この結果、例えば、8個のコンタクトホールパターンを密に並べる箇所を1個の開口パターンで置き換えることができる。同様に、例えば、2個のコンタクトホールパターンを1個の開口パターンで置き換えることができる。このように、本実施の形態3によれば、吸収体ABSに形成した開口部が一方向に長い開口部であっても、段差部DLによる位相シフトパターンを設けることにより、密に隣接する多数のコンタクトホールパターンを形成することができる。
段差部DLの輪郭線は閉じた図形であり、本来その閉じた輪郭線の全体に沿って暗部が投影される。しかし、本実施の形態3では、図43に示すように、コンタクトホールパターンを形成する段差以外の段差は、吸収体ABSに被覆されているので、被覆されている不要な段差からは暗部が投影されない。さらに、本実施の形態3では、転写すべきコンタクトホールの配列や密度に応じて、位相差を与えるための段差部DLの配置や輪郭を設計し、適宜配置している。
このようなマスクM2において、吸収体ABSと段差部DLを形成し、かつ、入射光の方向余弦成分のうちマスク面内に射影される射影成分(図43の矢印の方向)を段差部DLの延在方向とほぼ直交させるように構成することにより、マスクの全体領域で吸収体ABSに起因した影領域の発生を抑制することができる。つまり、本実施の形態3における技術的思想の特徴は、入射光の射影方向と交差する方向に延在する暗部を吸収体ABSではなく段差部DLにより形成することにある。高さの高い吸収体ABSではなく、高さをほとんど無視できる段差部DLで置き換えることにより、影領域の発生を抑制することができるのである。この結果、EUV光を使用し、かつ、マスクにEUV光を斜入射する露光光学系を使用するリソグラフィ技術において、投影像のコントラストを向上できる結果、最大の解像性能を得ることができる(前記実施の形態2の図29(c)参照)。したがって、半導体基板(レジスト膜)に転写される転写パターンの寸法精度を向上させることができる。
このような露光方法を実施した後、現像処理を施す。これにより、図44に示すように、レジスト膜FRがパターニングされる。そして、図45に示すように、パターニングしたレジスト膜FRをマスクにしたエッチングにより、コンタクトホールCNTを形成する。具体的には、パターニングしたレジスト膜FRをマスクにして下地膜となる層間絶縁膜ILをエッチングすることにより、層間絶縁膜ILを貫通し、かつ、ソース領域およびドレイン領域に達するコンタクトホールCNTを形成する。
続いて、図46に示すように、パターニングしたレジスト膜FRを除去する。そして、図47に示すように、コンタクトホールCNTの底面および内壁を含む酸化シリコン膜21上にチタン/窒化チタン膜を形成する。チタン/窒化チタン膜は、チタン膜と窒化チタン膜の積層膜から構成され、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。このチタン/窒化チタン膜は、例えば、後の工程で埋め込む膜の材料であるタングステンがシリコン中へ拡散するのを防止する、いわゆるバリア性を有する。
続いて、コンタクトホールCNTを埋め込むように、半導体基板1Sの主面の全面にタングステン膜を形成する。このタングステン膜は、例えばCVD法を使用して形成することができる。そして、酸化シリコン膜21上に形成された不要なチタン/窒化チタン膜およびタングステン膜を例えばCMP法を使用して除去することにより、プラグPLGを形成することができる。
その後、層間絶縁膜ILおよびプラグPLG上にチタン/窒化チタン膜、銅を含有するアルミニウム膜、チタン/窒化チタン膜を順次、形成する。これらの膜は、例えばスパッタリング法を使用することにより形成することができる。続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を使用することにより、これらの膜のパターニングを行い、配線L1を形成する。さらに、配線L1の上層に多層配線を形成するが、ここでの説明は省略する。このようにして、最終的に本実施の形態3における半導体装置を形成することができる。
以上のように、本実施の形態3におけるパターン形成方法を採用すれば、配置や密度の異なる多数のホールパターンを同時に、かつ、精度良く転写することができる。すなわち、信頼性の高いマスクを用いたパターン転写を行なうことができるので、製造した半導体装置の性能や信頼性および歩留まりを向上させることが可能となる。この結果、半導体装置のコスト低減にも寄与することになる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、半導体装置を製造する製造業に幅広く利用することができる。
EUV光を使用した露光光学系を示す構成図である。 マスクの平面構成を示す図である。 図2に示すマスクのデバイスパターンエリアでの一断面を示す断面図である。 紙面の垂直方向にライン形状の吸収体が形成され、かつ、特定方向から入射光がマスクに入射し、反射光が反射する場合を示す図である。 ライン形状の吸収体が第1方向に延在し、EUV光が第1方向の上方から斜めにマスクへ入射する場合を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるマスクの構成を示す図である。 吸収体による吸収と多層膜による反射で生じるパターンを示す図である。 段差部によるパターンを示す図である。 マスクの平面を示す図である。 マスクに入射する入射光の方向を示す図である。 実施の形態1におけるマスクの平面構成を示す図である。 アライメントマークを拡大して示す図である。 図12のA−A線で切断した断面図である。 実施の形態1におけるマスクの製造工程を示す斜視図である。 図14に続くマスクの製造工程を示す斜視図である。 図15に続くマスクの製造工程を示す斜視図である。 図16に続くマスクの製造工程を示す斜視図である。 実施の形態1におけるマスクの製造工程の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1におけるマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図19に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図20に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図21に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図22に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 実施の形態1におけるマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図24に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 図25に続くマスクに段差部を形成する工程を示す断面図である。 実施の形態2において、高密度のホールパターンを形成するために使用されるマスクの一部と、露光光のマスク面内の入射方向とを示す図であり、(a)は比較例1のマスク構造、(b)は比較例2のマスク構造、(c)は本発明例のマスク構造を示す図である。 有効光源の形状を示す図であり、(a)は4極照明、(b)は2極照明を示す図である。 (a)〜(c)は、それぞれ図27(a)〜(c)に示すマスクパターンと図28(a)、(b)に示す照明光源を用いて得られた高密度のホールパターンの投影像における光強度分布を示す図である。 実施の形態3における半導体チップの全体の概略レイアウト構成を示す図である。 実施の形態3におけるメモリモジュールの構成を示す図である。 CPUを構成する論理回路のレイアウトの一例を示す図である。 RAMのメモリセルアレイを構成するレイアウトの一例を示す図である。 RAMの周辺回路を構成するレイアウトの一例を示す図である。 実施の形態3における半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図35に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図36に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図37に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図38に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図39に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図40に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 コンタクトホールを形成するための従来のマスクを示す図である。 実施の形態3におけるマスクを示す図である。 図41に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図44に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図45に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。 図46に続く半導体装置の製造工程を示す断面図である。
符号の説明
1 入出力回路
1S 半導体基板
2 内部回路領域
3 リード・オンリ・メモリ
4 クロック・パルス・ジェネレータ
5 中央演算処理装置
6 ランダム・アクセス・メモリ
7 ボンディングパッド・入出力回路領域
8 ボンディングパッド
10 メモリセルアレイ
11 アドレスデコーダ
12 ワードドライバ
13 カラム選択部
14 制御回路
15 ライトアンプ
16 リードアンプ
20 窒化シリコン膜
21 酸化シリコン膜
ABS 吸収体
Act アクティブ領域
BUF バッファ層
CAP キャッピング層
CF 導体膜
CHP 半導体チップ
CNT コンタクトホール
CS コバルトシリサイド膜
DL 段差部
EX 浅いn型不純物拡散領域
FR レジスト膜
FR1 レジスト膜
FR2 レジスト膜
G ゲート電極
GOX ゲート絶縁膜
IL 層間絶縁膜
IL0 入射光
IL1 入射光
IL2 入射光
L1 配線
LI1 光強度分布
LI2 光強度分布
LI3 光強度分布
LOS1 照明光学系
LOS2 結像光学系
LS 光源
LS1 光源
LS2 光源
LS3 光源
LS4 光源
M マスク
MA アライメントマーク
MDE デバイスパターンエリア
MG 溝
MLF 多層膜
MR1 領域
MR2 領域
MR3 領域
MS マスク基板
M1 マスク
M2 マスク
NR 深いn型不純物拡散領域
OBH 長方形孔
PF ポリシリコン膜
PLG プラグ
PWL p型ウェル
RL1 反射光
RL2 反射光
R1 第1領域
R2 第2領域
SHW 影領域
ST ステージ
STI 素子分離領域
SW サイドウォール
TF 薄膜

Claims (18)

  1. (a)半導体基板上に下地膜を形成する工程と、
    (b)前記下地膜上にレジスト膜を形成する工程と、
    (c)前記レジスト膜をパターニングする工程と、
    (d)パターニングした前記レジスト膜を用いて前記下地膜をパターニングする工程とを備え、
    前記(c)工程は、
    (c1)極端紫外線を照明光学系に入射し、前記照明光学系からパターンが形成されているマスクに斜め方向から前記極端紫外線を入射する工程と、
    (c2)前記マスクから斜め方向に反射した前記極端紫外線を結像光学系に入射し、前記結像光学系から前記半導体基板に形成されている前記レジスト膜に前記極端紫外線を照射する工程を含み、
    前記マスクは、
    第1領域と第2領域を有するマスク基板と、
    前記マスク基板の前記第1領域および前記第2領域に形成され、前記極端紫外線を反射する多層膜と、
    前記多層膜上に形成された前記極端紫外線を吸収する吸収体とを有し、
    前記マスクは、前記第1領域に形成されている前記多層膜と前記第2領域に形成されている前記多層膜との境界に所定方向に延在する段差部が形成されており、
    前記段差部と前記吸収体とからなるパターンが形成されている前記マスクに前記極端紫外線が入反射した後、前記極端紫外線が前記レジスト膜に照射することにより、前記マスクのパターンに対応して前記レジスト膜がパターニングされる半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクに形成されている前記吸収体は複数存在し、複数の前記吸収体は第1方向に延在し、かつ、前記第1方向と交差する第2方向に並ぶように配置されたラインパターンを構成し、
    前記段差部は、前記ラインパターンと交差して前記第2方向に延在するように形成されており、
    前記マスクに斜め方向から入射する前記極端紫外線の光線方向の方向余弦成分のうち、マスク面内に射影される射影成分の方向が、前記段差部が延在している方向と交差する方向になっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記段差部の高さは、前記極端紫外線の波長の1/4であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記極端紫外線の波長は12nm以上15nm以下であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスク基板の前記第1領域と前記第2領域に前記段差部が形成されており、
    前記第1領域と前記第2領域には、均一な膜厚の前記多層膜が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  5. 請求項4記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスク基板の前記第2領域に前記マスク基板を掘り込む溝が形成されており、前記第2領域に形成されている前記溝によって、前記マスク基板の前記第1領域と前記第2領域との境界に前記段差部が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  6. 請求項4記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスク基板の前記第1領域にだけ前記第1領域と前記多層膜の間に薄膜が形成されており、前記第1領域と前記第2領域との境界には、前記薄膜の厚さに相当する前記段差部が形成されていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記レジスト膜は、前記マスクに形成されている前記吸収体による第1転写パターンと、前記段差部の輪郭線による第2転写パターンとを組み合わせたパターンに対応してパターニングされることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  8. 請求項記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記(a)工程で形成される前記下地膜は、前記半導体基板上に形成されたMISFETを覆うように形成される層間絶縁膜であり、
    前記(d)工程は、前記層間絶縁膜に複数のホールパターンを形成する工程であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  9. 請求項記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクに斜め方向から入射する前記極端紫外線の光線方向の方向余弦成分のうち、マスク面内に射影される射影成分の方向が、前記段差部が延在している前記第2方向と交差する方向になっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. 請求項記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクに斜め方向から入射する前記極端紫外線の光線方向の方向余弦成分のうち、マスク面内に射影される射影成分の方向が、前記吸収体が延在している前記第1方向と並行する方向になっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 請求項記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスクに斜め方向から入射する前記極端紫外線の光線方向の方向余弦成分のうち、マスク面内に射影される射影成分の方向が、前記段差部が延在している前記第2方向と直交する方向になっていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  12. 請求項記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記極端紫外線を射出する照明光源は、前記段差部が延在する前記第2方向に所定間隔だけ離れて並んだ一対の光源から構成される変形照明を実現する光源であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  13. 請求項1記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記マスク基板上に形成されている前記多層膜は、シリコン層とモリブデン層からなる積層膜を多層にわたって積層した膜であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  14. 極端紫外線を斜め方向からパターンを形成したマスクに入射し、前記マスクで反射した前記極端紫外線を半導体基板に形成されているレジスト膜に照射することにより、前記マスクのパターンに対応して前記レジスト膜をパターニングする工程に使用されるマスクの製造方法であって、
    (a)マスク基板を用意する工程と、
    (b)前記マスク基板の第1領域と前記マスク基板の第2領域の境界に段差部を形成する工程と、
    (c)前記段差部を含む前記マスク基板上に、前記極端紫外線を反射するための多層膜を形成する工程と、
    (d)前記多層膜上に前記極端紫外線を吸収する吸収体からなる吸収体パターンを形成する工程とを備え
    前記吸収体パターンは第1方向に延在し、かつ、前記段差部は前記第1方向と交差する第2方向に延在していることを特徴とするマスクの製造方法。
  15. 請求項14記載のマスクの製造方法であって、
    前記段差部の高さは、前記極端紫外線の波長の1/4であることを特徴とするマスクの製造方法。
  16. 請求項14記載のマスクの製造方法であって、
    前記(b)工程は、
    (b1)前記マスク基板上にパターニング膜を形成する工程と、
    (b2)前記パターニング膜を加工することにより、前記マスク基板の前記第1領域を前記パターニング膜で覆う一方、前記マスク基板の前記第2領域に形成されている前記パターニング膜を除去する工程と、
    (b3)加工した前記パターニング膜を使用したエッチングにより、前記マスク基板の前記第2領域に溝を形成することにより、前記溝を形成していない前記第1領域と、前記溝を形成した前記第2領域の境界に前記段差部を形成することを特徴とするマスクの製造方法。
  17. 請求項14記載のマスクの製造方法であって、
    前記(b)工程は、
    (b1)前記マスク基板上に薄膜を形成する工程と、
    (b2)前記薄膜上にパターニング膜を形成する工程と、
    (b3)前記パターニング膜を加工することにより、前記マスク基板の前記第1領域を前記パターニング膜で覆う一方、前記マスク基板の前記第2領域に形成されている前記パターニング膜を除去する工程と、
    (b4)加工した前記パターニング膜を使用したエッチングにより、前記第2領域に露出している前記薄膜を除去することにより、前記薄膜が存在する前記第1領域と、前記薄膜を除去した前記第2領域の境界に前記段差部を形成することを特徴とするマスクの製造方法。
  18. 請求項14記載のマスクの製造方法であって、
    前記マスク基板上に形成されている前記多層膜は、シリコン層とモリブデン層からなる積層膜を多層にわたって積層した膜であることを特徴とするマスクの製造方法。
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