JP5166168B2 - 水晶片の外形調整方法 - Google Patents
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例えば、平板型の水晶片としては、平面視四角形状のものと、平面視円形状のものが知られており、平板型以外の水晶片としては、例えば、音叉形状のものやH型形状のものが知られている。
例えば、特許文献1で提案されている水晶片の場合、水晶片は、以下の手順で設けられる。1枚の水晶ウェハ内に複数の水晶片となる領域を確保する。その後、例えば、水晶片の輪郭の一部となる部分をウェットエッチング等で除去して複数の水晶片が連なる状態にする。なお、エッチングで水晶片の輪郭の一部を除去する場合は、予め、水晶の異方性により生成されるエッチング残りを考慮して、このエッチング残りが生じても水晶ウェハを貫通するようにウェットエッチングで除去する領域をエッチング残りの大きさよりも大きくしておく。次に、電極等を設けた後に水晶片が連なる部分をダイシング等により切断することで平面視四角形状の水晶片を形成することができる。
この場合は、予め、水晶ウェハに電極となる金属膜を設けておき、フォトリソグラフィ技術により、電極の形状を水晶ウェハに設ける。その後、水晶片の形状をフォトリソグラフィ技術により形成して、個々の水晶片に電極が設けられた状態とする。
このような音叉形状の水晶片は、水晶ウェハに複数の音叉形状をフォトリソグラフィ技術によって形成し、水晶片を形成した後に電極を設けた状態となっている。
水晶ウェハに設けられた複数の音叉形状の水晶片は、隣り合う水晶片の間が、エッチング残りで塞がらないように、エッチング残りの大きさよりも大きな間隔をあけて設けられている(特許文献3参照)。
このようなH型形状の水晶片は、音叉形状の水晶片と同様に、水晶ウェハに複数のH型形状をフォトリソグラフィ技術によって形成し、水晶片を形成した後に電極を設けた状態となっている。
水晶ウェハに設けられた複数のH型形状の水晶片は、隣り合う水晶片の間が、エッチング残りで塞がらないように、エッチング残りの大きさよりも大きな間隔をあけて設けられている。
また、特許文献4のように、単にフェムト秒レーザを水晶片に照射しても切断まで至っていない。
より形成される水晶片の設計上の外形形状の外側に生じたエッチング残りを、前記外形形状に沿って、パルス幅が10 −10 〜10 −12 秒の範囲であり、波長が266nm〜1064nmであり、パルスエネルギーが1μJ〜300μJであるピコ秒レーザを照射することにより除去することを特徴とする。
これにより、水晶振動子や水晶発振器に用いられる水晶片に対して、主振動にエネルギーを集中してQ値を高くし、高安定にすることができる。
これにより、水晶振動子や水晶発振器に用いられる水晶片に対して、Q値を高くし、高安定にすることができる。
また、前記ピコ秒レーザが、パルス幅が10−10〜10−15秒の範囲であり、波長が266nm〜1064nmであり、パルスエネルギーが1μJ〜300μJであることにより、水晶振動子や水晶発振器に用いられる水晶片の外形形状の調整を容易に行うことができる。
また、前記水晶片の外形形状が、四角形状、音叉形状、H形形状のいずれかから選択される形状に対しても適用することができ、適宜、形状が用いられる水晶振動子や水晶発振器において、安定した振動をすることとなり、信頼性の高い水晶振動子や水晶発振器とすることができる。
図2(a)に示すように、この水晶片10は、オリフラが設けられた円板又は四角板からなる水晶ウェハWからフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて形成される。
例えば、水晶の結構軸(X軸、Y軸、Z軸)を所定の角度で回転してATカットの水晶片を形成した場合、新にできた軸を(X1軸、Y1軸、Z1軸)として、X1軸方向が水晶片の長手方向、水晶片のZ1軸が短手方向、水晶片のY1軸が厚み方向となる。この短手方向となる水晶片10の一片が水晶ウェハWと一体で接続した状態となっている。
言い換えると、水晶片10の外形形状10Aをフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とを用いて形成すると、エッチング残り20により、長手方向の2辺の中間を通る仮想線を中心軸CLとした場合、この中心軸CLに対して非対称な外形形状が形成される。
このとき、X1Z1平面と垂直な方向の厚み方向Y1軸と平行となる設計上の外形形状10Aと比較すると、形成される水晶片の側面は、X1Z1平面と垂直にならずに傾斜していることになる(図1(a)参照)。
このエッチング残り20を本発明の実施形態に係る水晶片の外形調整方法により除去して、中心軸CLに対して対称となる水晶片10を得る。
この状態で、エッチャント(図示せず)に水晶ウェハを浸すことで、露出する水晶ウェハの表面が除去されていき、やがて貫通する。
この貫通した状態で、純水で洗浄するリンスを行い、エッチングの進行を止める。
さらに、残りのレジストを剥がして、水晶片10の外形形成は完了する。
このレーザは、パルスレーザであるピコ秒レーザが用いられる。
このピコ秒レーザは、レーザ発振装置(図示せず)より発振される。レーザ発振装置は、ステージに固定される水晶ウェハに対し、レーザ発振部で発振されて光路で伝送されて集光光学系で集光されたレーザを水晶ウェハの平面の法線方向より照射する。レーザ発振部は、例えば、YAGレーザより構成されている。
ピコ秒レーザは、例えば、源振の波長が266nm〜1064nm、パルス幅が10−10〜10−15秒の範囲、走査速度が0.5mm/s、パルスエネルギーが1μJ〜300μJの条件で用いられる。
例えば、水晶片10の位置、つまり、外形形状10Aとなる各角を座標化してレーザ照射装置に記憶させておく。
この座標にレーザの焦点が位置するように、例えば、光路に設けられる複数のミラーを介してレーザを照射する。そして、次の座標にレーザの焦点を移動するようにミラーの角度を変えてレーザを照射すれば、設計上の水晶片10の外形形状10Aとなるように水晶片10の形状の調整を行うことができる。つまり、エッチング残り20を除去して設計どおりの水晶片10を得ることができる。
これにより、中心線CLに対して対称となる外形形状10Aを形成することができる。
振動に影響する水晶片10の外形形状に生じているエッチング残り20を除去することで、振動する部分は対称的な外形形状となることでQ値が高くなり、安定した振動を起こさせることができる。
例えば、音叉形状の水晶片11は、基部Bと基部Bから平行に延出する2つ一対の腕部Sとから構成されている。
この水晶片11において、振動部分は腕部Sとなり、基部Bで保持することとなる。
音叉形状の水晶片11は、基部Bを跨いで2つの腕部Sの間にエッチング残り20が生じる。
また、音叉形状の水晶片11は、前記の通り、腕部Sの側面が傾斜する場合や、側面に突起が生じる場合がある。
また、エッチング残り20は、振動する腕部Sに生じているために、振動位置が設計と異なる要因となったり、振動する周波数に違いが出る要因となっている。
以後は、前記の通り、図3(a)に示すように、レーザの焦点を設計上の水晶片の外形形状11Aに沿って移動させながらレーザを照射する。これにより、エッチング残り20は除去され、図3(b)に示すように、設計上の水晶片の外形形状11Aで水晶片11を形成することができる。
これにより、中心軸CLに対して対称な外形形状11Aとなる。これにより、正確な位置で振動を行いつつ、振動する2つの腕部Sの外形形状11Aが一致し、安定した周波数とすることができる。
例えば、基部Bと、基部から一方の方向へ平行に延出する2つ一対の励振腕部S1と、基部Bから平行に延出し、励振腕部S1とは反対方向へ基部Bから延出する2つ一対の検出腕部S2とから主に構成され、この基部Bに支持腕部Cを形成して保持できるようにしている。
このようなエッチング残り20は、音叉形状の水晶片11と同様に、振動位置が設計の位置と比べて異ならせてしまい、周波数が安定しなくなる要因となる。
この状態で、本発明の実施形態に係る水晶片の外形調整方法を用いると、同じ形状の2つの励振腕部S1と、同じ形状の検出腕部S2を形成することができ、中心軸CLに対して対称となる外形形状12Aに調整することができる。
また、水晶片が平面視四角形状の場合、水晶片の主面の内側に凹部や凸部が形成されていても良い。
また、水晶片が音叉形状やH形形状の場合、各腕部の振動周波数のズレ量に応じて、振動バランスの良い周波数に調整するように、腕部の先端側に生じているエッチング残りの一部を除去しても良い。
また、水晶片は、水晶ウェハに一体で形成されている場合でも、個片に形成されている場合でも適用可能である。
10A、11A、12A 外形形状
20 エッチング残り
W 水晶ウェハ
CL 中心軸
Claims (2)
- エッチング技術により形成される水晶片の設計上の外形形状の外側に生じたエッチング残りを、前記外形形状に沿って、パルス幅が10 −10 〜10 −12 秒の範囲であり、波長が266nm〜1064nmであり、パルスエネルギーが1μJ〜300μJであるピコ秒レーザを照射することにより除去することを特徴とする水晶片の外形調整方法。
- 前記水晶片の外形形状が、四角形状、音叉形状、H形形状のいずれかから選択される形状であることを特徴とする請求項1に記載の水晶片の外形調整方法。
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