JP2007286027A - 圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を用いた振動ジャイロ - Google Patents

圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を用いた振動ジャイロ Download PDF

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村上  淳
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Abstract

【課題】漏れ振動調整加工工程に要する時間を短縮することができる圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を用いた振動ジャイロを提供する。
【解決手段】振動子片の一部に対して振動方向などの特性を調整する漏れ振動調整加工を行う圧電振動子の製造方法であって、少なくとも一つの振動子片を、圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成する母圧電基板形成工程と、母圧電基板に一体に形成されている振動子片に電極を形成する電極形成工程と、電極が形成された振動子片を基台に仮固定して、振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行う漏れ振動調整加工工程と、振動子片を結合部で切断し、母圧電基板から分断することによって圧電振動子を得る切断工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電材料からなる振動子片の一部に対して振動方向などの特性を調整する漏れ振動調整加工を行う圧電振動子の製造方法及びこの圧電振動子を用いた振動ジャイロに関する。
従来から、圧電材料からなる圧電振動子を用いた製品の例として、角速度のセンサである振動ジャイロなどがあり、自動車のナビゲーションシステム、ビデオカメラやデジタルカメラの手振れ検出装置などに使用されている。
一例として、圧電材料である水晶を用いた音叉型振動ジャイロについて図面を用いて説明する。図11,図12は振動ジャイロの動作を説明するための図で、図11は2脚音叉型振動子の外観を示す斜視図、図12は2脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。
図11において、2脚の音叉型振動子J10は水晶を一体加工したものに、駆動及び検出電極を形成した構造を有している。音叉型振動子J10は、平行に配置された第1の脚J11及び第2の脚J12が、基部J15に結合した構造を持っている。第1の脚J11には、駆動電極J1、J2、J3及びJ4が形成されており、第2の脚J12には、検出電極J5、J6、J7及びJ8が形成されている。尚、図11には電極J1、J2とJ5は図示されていない。
ここで、脚の伸びた方向をY軸より角度θだけ傾けたY’軸方向とし、2本の脚の並ぶ方向をX軸方向、X軸及びY’軸方向に直交する方向をZ’軸方向とする。本願においては以後の説明にはこの方向軸を使用する。
次に図12を用いて作用について説明する。図12において、左側に記す第1の脚J11の断面には、駆動電極J1、J2、J3及びJ4の断面が記載され、右側に記す第2の脚J12の断面には脚の角部に検出電極J5、J6、J7及びJ8の断面が記載されている。
まず第1の脚J11が例えば第2の脚J12方向に向かってX軸方向に屈曲すると、電極J2近傍がY’軸方向に伸び、電極J4近傍がY’軸方向に縮むが、この時水晶内部では圧電効果により電極J2近傍ではX軸方向に、また電極J4近傍では−X軸方向に電界が発生する。この時電界の向きを考慮すると、電極J2及びJ4はその絶対値が(ほぼ)同電位で、脚の中央より例えば高い電位となる。X軸方向に見ると、脚の中央付近に配置された電極J1及びJ3は、相対的に電極J2及びJ4より低い電位となるので、電極J2及びJ4と、電極J1及びJ3の間には、電位差が発生する。
圧電効果は可逆的なので、電極J2及びJ4と、電極J1及びJ3の間に電位差を与えれば、水晶内部には、これに応じた電界が発生し、第1の脚J11はX軸方向に屈曲することになる。これらのことから、例えば電極J1及びJ3の電位を参照として発振条件を超える増幅率でアンプJGを用いて増幅し、発振条件を満足する位相に移相回路JPで整えて電極J2及びJ4に戻すことにより、第1の脚J11の屈曲に伴う機械的な戻り力と電気的な力の間でエネルギーの交換が起こり、第1の脚J11をX軸方向に自励発振させることができる。
音叉型振動子J10全体で見ると、第1の脚J11及び第2の脚J12の運動量をバラ
ンスさせる為、第1の脚J11がX軸方向に動く時、第2の脚J12は−X軸方向に動き、第1の脚J11が−X軸方向に動く時、第2の脚J12がX軸方向に動く動作となるが、これを、通常の音叉が1つの面内で振動を行うのを理想とする慣例から、面内屈曲振動と呼ぶが、第1の脚J11とアンプJG及び移相回路JPで発生させる振動は面内屈曲振動と同じ動作であり、その周波数は、音叉型振動子J10の面内屈曲振動の共振周波数とほぼ一致する。
この状態で音叉型振動子J10全体をY’軸の回りに角速度ωで回転させると、音叉型振動体J10の2つの脚には、面内屈曲振動と直交するZ’軸方向にコリオリ力Fcが働く。コリオリ力Fcは以下の式で表すことができる。
Fc=2・M・ω・V
ここで、Mは第1の脚J11又は第2の脚J12の等価質量であり、Vは第1の脚J11又は第2の脚J12の速度である。このコリオリ力Fcは、第1の脚J11及び第2の脚J12に、面内屈曲振動の動作方向であるX軸方向と直交する、Z’軸方向に変位する屈曲振動を励起する。以下これを面外屈曲振動と呼ぶ。また、コリオリ力は変位でなく、速度に比例する力なので、コリオリ力により発生する面外屈曲振動は、面内屈曲振動より90度位相が遅れて発生する。
この面外屈曲振動により、例えば第2の脚J12の電極J5及びJ8の近傍はY’軸方向に伸び縮みし、電極J6及びJ7の近傍は電極J5及びJ8の近傍と逆相で伸び縮みする。例えば、電極J5及びJ8の近傍がY’軸方向に伸びている時、電極J5及びJ8の近傍の第2の脚J12の内部ではX軸方向に電界が発生し、この時電極J6及びJ7の近傍はY’軸方向に縮むので、電極J6及びJ7の近傍の第2の脚J12の内部では−X軸方向に電界が発生する。
すなわち電極J5の電位が電極J8の電位より高い時、電極J7の電位は電極J6の電位より高い状態となる。また、電極J5及びJ8の近傍がY’軸方向に縮んでいる時、電極J5及びJ8の近傍の第2の脚J12の内部では−X軸方向に電界が発生し、この時電極J6及びJ7の近傍はY’軸方向に伸びるので、電極J6及びJ7の近傍の第2の脚J12の内部ではX軸方向に電界が発生する。すなわち電極J5の電位が電極J8の電位より低い時、電極J7の電位は電極J6の電位より低い状態となる。
面外屈曲振動により発生するこれら電極J5及びJ8と、電極J6及びJ7の間の電位差は、Z’軸方向に振れる第2の脚J12の方向に従って変化する。見方を変えると、例えば電極J5が高電位の時電極J7も高電位であり、この時電極J6及び電極J8は低電位であり、電極J5が低電位の時電極J7も低電位であり、この時電極J6及び電極J8は高電位である。コリオリ力は、電極J5又は電極J7と、電極J6又は電極J8の間の電位差として現れる。
コリオリ力の検出信号は、電極J5及び電極J7を一方の入力信号とし、電極J6及び電極J8を他方の入力信号とした、差動バッファJDを経て乗算回路JMに導かれ、面内屈曲振動の発振系の出力を、コリオリ力が90度遅れて発生するのを補正する目的で、アンプJGの出力を、移相回路JP2により90度移相し、コンパレータJCにより2値化した参照信号により乗算され、乗算により検波された結果は、更に積分回路JSにより平滑化され、正確な直流出力として検出できる。この直流出力はコリオリ力Fcに比例し、コリオリ力Fcは角速度ωに比例するので、この直流出力により角速度ωを知ることができる。
このように、圧電振動子は、脚の伸びた方向に直交する面内に直交する2つの方向軸を
採り、この何れかを駆動振動発生方向とし、これに直交する方向を検出振動発生方向としている。即ち脚の2つの直交する振れ方向の振動を利用するものである。この際2つの方向の共振周波数が近接していると、圧電単結晶の結晶異方性や製造時の誤差により、多くの場合は、駆動振動と検出振動に機械的結合が生じる。
駆動振動と検出振動の共振周波数が300Hz程度の接近した構成を必要とする振動子に於いては、加工精度の限界や、水晶などの結晶異方性に起因して、駆動振動と検出振動の機械的結合が発生する。この駆動振動と検出振動との機械的結合がある場合は、角速度ωが印加されていない状態でも、脚J11及びJ12の先端はX軸方向への直線的な振動とならず、Z’軸方向にも振動を発生させてしまう。このとき、電極J5、J7及びJ6、J8からはコリオリ出力と無関係な振動出力が発生しており、これがノイズやドリフトの原因となる。
このような角速度ωが印加されていない状態でのZ’軸方向の振動を矯正するために、図13に示すような振動方向の調整構造が採用されている。図13は2脚音叉型の振動子の外観を示す斜視図で、調整部を示している。調整部は矩形の脚の角部で、この調整部である角部を面取りすることにより、角速度ωが印加されていない状態でのZ’軸方向の振動を矯正することができる。図13に示すように、調整に用いることができる調整部は、2脚型の音叉型振動子J10の場合は脚J11か脚J12の2本の脚の叉部付近の角部である調整部M1からM8の8カ所から適宜選択することができる。
さて、本願では、この角速度が印加されていない状態での検出振動を漏れ振動といい、漏れ振動を矯正するための調整部の面取り加工を漏れ振動調整加工ということにする。
従来から一般にこのような振動ジャイロの振動子に対して漏れ振動調整加工が行われていた。(例えば、特許文献1または特許文献2参照)
尚、本願に示す図14は3脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。今までは全て2脚音叉型水晶ジャイロの振動子や検出回路について説明してきたが、3脚音叉型水晶ジャイロについても全く同様の構成で説明することが出来る。
図14を簡単に説明すると、脚J11と脚J12は脚の平面に駆動電極1L、1R、1D、1U及び2L、2R、2D、2Uを有し、これらの駆動電極によって面内屈曲振動をする。脚J13においては1つの脚の平面上に電極3Gを有しアースされており、2個の電極3D、3Uは角部に形成されこの電極3D、3Uが検出電極を形成する。回路系については図12の構成と同じである。
また、振動子のパッケージ(図示していない)への固定は、今まで説明した図11の振動子J10の場合では基部J15になるが、図2(b)の振動子片W20のように基部J15の他に固定部J16を設けてある場合には固定部J16がパッケージに固定される。
以後、固定する場所を明確にするため、図2(b)の振動子片W20のように基部J15の他に固定部J16を有する形状で説明するが、基部を固定する場合は基部が固定部になる。
特開2002−243451号公報(第10頁、第9、10図) 特開平11−308064号公報(第10頁、第9、10図)
しかしながら、従来の漏れ振動調整加工においては、1個づつに分離された振動子の固
定部をパッケージ等に接着剤などを介して固定してから漏れ振動調整加工を行っていた。(例えば、特許文献1または特許文献2参照)
これに起因して、漏れ振動調整加工位置に配置されたときには、個々の振動子の位置はばらついていた。そのため、パッケージ等に固定された振動子を精密に位置決めしたり、砥石等の加工工具と振動子の調整部との接触開始点などを高精度に求めたり、加工後の加工粉などを洗浄したりする作業をそれぞれ1個づつ行う必要があった。
その結果、漏れ調整加工工程は、実際に工具が加工している実加工時間の他に、パッケージ等に固定された振動子を1個づつ漏れ振動調整加工位置に配置したり、位置決めした
り、工具との高精度接触開始点の位置出したりする等の非加工時間を含む工程であり、量産的には漏れ振動調整加工工程に要する時間が長いという課題があった。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、この漏れ振動調整加工工程に要する時間を短縮することができる圧電振動子の製造方法を提供すると共にこの圧電振動子を用いた振動ジャイロを提供することを目的とする。
前述した目的を達成するために、本発明は、振動子片の一部に対して振動方向などの特性を調整する漏れ振動調整加工を行う圧電振動子の製造方法であって、少なくとも一つの振動子片を、圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成する母圧電基板形成工程と、母圧電基板に一体に形成されている振動子片に電極を形成する電極形成工程と、電極が形成された振動子片を基台に仮固定して、振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行う漏れ振動調整加工工程と、振動子片を結合部で切断し、母圧電基板から分断することによって圧電振動子を得る切断工程とを有することを特徴とする。
また、漏れ振動調整加工工程は、基台に設けられた吸引部の上に振動子片の固定部を載置し、吸引部のエアを吸引して振動子片を基台に仮固定して、振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする。
また、漏れ振動調整加工工程は、薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された薄板状砥石を具備した振動加工工具を用いて振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする。
また、漏れ振動調整加工工程は、フェムト秒レーザーを用いて前記振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする。
また、前記振動子片は、その表面側と裏面側のそれぞれに漏れ振動調整加工を行う調整部を備え、漏れ振動調整加工工程は、表面側と裏面側の両面側から、同時にまたはそれぞれ順次に、表面側の調整部と裏面側の調整部に対して漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする。
また、圧電材料が水晶であることを特徴とする。
また、本発明における振動ジャイロは、本発明の圧電振動子の製造方法により製造された圧電振動子を用いて外部から印加された角速度を検出することを特徴とする。
(作用)
本発明における圧電振動子の製造方法によれば、振動子片を形成する母圧電基板形成工程と、その振動子片に電極を形成する電極形成工程と、漏れ振動の調整加工を行う漏れ振
動調整加工工程とを振動子片が母圧電基板に結合部を介して一体に結合している状態で実施する。
このとき、母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片は、それぞれ決められた位置に精度良く配置されており、このため、従来のようにパッケージなどに固定された振動子を漏れ振動調整加工位置に配置したり、それを精密に位置決めしたり、加工工具との接触開始点を高精度に求めたり、加工後の加工粉の洗浄作業などをそれぞれ1個づ
つ行う必要がなくなり、母圧電基板ごとに一括で処理することができる。従って、本発明によれば、従来のようにパッケージなどに固定して1個づつ漏れ振動調整加工を行う工程に比較して、漏れ振動調整加工工程に要する時間を短縮することができる。
また、本発明によれば、漏れ振動調整加工工程において、基台に設けられた吸引部の上に母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片の固定部を載置し、吸引部のエアを吸引して仮固定するので、振動子片の固定部の底面側を基台に確実に固定することができ、最終製品として分離された1個づつの圧電振動子の固定部がパッケージに接着剤
で固定されるのと同様な仮固定条件を実現できる。また、仮固定として重要な特性である脱着が容易である。そして、振動子片の固定部を基台に確実に仮固定することにより、砥石などで漏れ振動調整加工する時に生じる加工反力によって振動子片の固定部が動くことを防止することができる。
また、本発明によれば、薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された薄板状砥石を具備した振動加工工具を用いて振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行うので、回転させて加工を行う円柱状砥石の直径に比較して薄い平板状の砥石を使用することができ、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。
また、本発明によれば、漏れ振動調整加工工程において、フェムト秒レーザーを用いる。フェムト秒レーザーでは、多光子吸収の効果によって、ガラス、水晶、ダイヤモンドなどの透明材料でも加工が可能になり、また、従来のレーザー加工プロセスに比較し、熱影響が極めて少なく、高精度、高品位な微細加工が可能である。
フェムト秒レーザーを用いて漏れ振動調整加工を行う場合には、調整部にフェムト秒レーザーを集光照射するため、砥石などの工具を用いた加工とは異なり、調整部に機械的な接触がない状態で加工が行われ、漏れ振動に起因する出力をリアルタイムで測定することができるので、その出力をフィードバックして漏れ振動調整の加工量を最適に制御することができる。そのため、精密な漏れ振動調整加工ができる。
更に、調整部にフェムト秒レーザーを集光照射するため、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。
また、本発明によれば、振動子片の表面側と裏面側とから振動子片の脚の調整部に対して漏れ振動調整加工を行うので、表面側からのみの漏れ振動調整加工に比較して脚を対称的にバランス良く加工することができる。このため、Q値等の性能品質の劣化を防止することができる。
また、表面側および裏面側とから同時に漏れ振動調整加工を行うことができるため、加工時間を低減することができ、更に、大きな漏れ量の振動子片までバランスを崩さずに漏れ振動調整加工を実施することが可能になる。このため、振動子の性能品質と生産能力と
を向上させることができる。
本発明における圧電振動子の製造方法によれば、振動子片が母圧電基板に結合部を介して一体に結合している状態で加工が行われるため、各工程における作業が母圧電基板ごとに一括で処理することができ、各工程における加工時間を短縮することができる。特に、漏れ振動調整加工工程に要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本発明における圧電振動子の製造方法により製造された圧電振動子を用いて外部から印加された角速度を検出することにより、高精度の振動ジャイロを低コストで提供することができる。
前述の背景技術の説明においては、図11に示す振動子J10のように、漏れ振動調整加工が施されていないが、1個づつに分離され、振動子形状と電極が形成されている状態
の振動子に対して、振動子または圧電振動子として説明した。
ここで、以後の説明のために本願では、図2(b)に示すような母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している状態で形成されている振動子形状の部位を振動子片W20といい、図1に示す母圧電基板形成工程K1、電極形成工程K2、漏れ振動調整加工工程K3、切断工程K4を経て振動子片W20が母圧電基板W10から結合部W11を切り離されたとき圧電振動子ということにする。
従って、振動子片W20が母圧電基板形成工程K1、電極形成工程K2、漏れ振動調整加工工程K3を経ていても切断工程K4を経ていないときは、振動子片W20は母圧電基板W10から結合部W11を切り離されておらず、振動子片W20ということになる。
以下、本発明による圧電振動子の製造方法の好適な実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。主に2脚または3脚音叉型の圧電振動子の製造方法を例に取り説明する。
図1は、本発明の実施例1にかかる製造方法の工程の流れを示す図である。
図2は、本発明の実施例1にかかる母圧電基板形成工程K1を説明する図である。
図3は、本発明の実施例1にかかる電極形成工程K2を説明する図である。
図4は、本発明の実施例1にかかる漏れ振動調整加工工程K3において母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片が基台に固定された状態を示す図である。
図5は、本発明の実施例1にかかる漏れ振動調整加工工程K3における漏れ調整加工状態を示す図である。これらの図を参照しながら、本発明の実施例1にかかる圧電振動子の製造方法を説明する。
本発明の実施例1にかかる圧電振動子の製造方法は、図1、図2に示すように、母圧電基板形成工程K1と、電極形成工程K2と、漏れ振動調整加工工程K3と切断工程K4とを上記の順序で有しており、K1,K2、K3の全ての工程は、振動子片W20が結合部W11を介して母圧電基板W10に一体に結合した状態で行われる。最後に、切断工程K4で母圧電基板W10上の結合部W11を切断し、母圧電基板W10から振動子片W20を分断して、漏れ振動の調整が完了した圧電振動子を得ることができる。
まず、2脚音叉型の圧電振動子の製造方法を例に取り、母圧電基板形成工程K1について説明する。図2(a)は、母圧電基板W10の平面図である。図2(b)は、図2(a)のA部を拡大した平面図で、少なくとも1個以上の振動子片W20が先に説明したよう
な所定の形状にエッチング加工技術等を用いて形成された状態を示している。
振動子片W20の第1の脚J11、第2の脚J12が基部J15で結合しており、基部J15と結合している固定部J16は結合部W11を介して母圧電基板W10に一体に結合している。尚、この説明の振動子片W20では固定部J16を設けているが、固定部J16を設けずに基部J15が直接に結合部W11を介して母圧電基板W10に一体に結合していても良い。
次に、2脚音叉型の圧電振動子の製造方法を例に取り、電極形成工程K2について説明する。図3は、電極形成工程K2を説明する振動子片W20の脚J11およびJ12の模式断面図である。図3(a)は、Auなどの導電性を有する金属からなる導電膜K20をスパッタリング技術などにより全面に成膜したところを示している。
この時、例えば圧電材料が水晶である場合には水晶と密着性の良いCr膜(図示していない)を介してAuなどの金属を成膜することが推奨される。そして次に、エッチング技術などを用いて、図3(b)に示すように所定の電極パターンを形成する。
次に、漏れ振動調整加工工程K3について説明する。図4は、母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片が基台に固定された状態を示す図で、図4(a)は斜視図、図4(b)は、図4(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図で、振動子片W20の中央(図2の第2脚J12の長手方向)の断面を示す。
まず、漏れ振動調整加工工程K3においては、図4(a)に示すように、振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10を基台K30の上に位置決めして載置する。尚、母圧電基板W10が載置される基台K30の面は平面度が高精度に仕上げられた面である。
そして母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している振動子片W20を基台K30に仮固定するときは、最終製品として図示していないパッケージなどに対して個々に分離された圧電振動子の固定部J16が接着等で固定される状態と可能な限り同様の仮固定条件にすることが推奨される。例えば、図4(b)では、振動子片W20の固定部J16を上から図示していない押圧部材などにより矢印Pの方向に押圧して基台K30の上に仮固定している。また、母圧電基板W10を基台K30の平面度の良い面に倣わせるように、母圧電基板W10の振動子片W20以外の部分も仮固定することが推奨される。
このように、基台K30の上に位置決めして仮固定された母圧電基板W10上の少なくとも1個以上の振動子片W20に対して、漏れ振動調整加工を行う。図5は、回転する円柱状砥石K40を用いて調整部M1からM8までのいずれか1箇所以上を面取り加工することにより漏れ振動調整加工を行う場合の模式図である。図5は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。
図5において、回転する円柱状砥石K40を脚J11の調整部M1に適度の切り込みを行いながら脚J11に平行に設定された調整部長さMLになるように往復移動させることで漏れ振動調整加工を行う。他の調整部についても同様に漏れ振動調整加工を行うことができる。
ここで、図5において、回転する円柱状砥石K40は、図示していないX−Y−Zステージに回転自在に固定保持され、調整部M1からM8のいずれかへの移動や円柱状砥石K40の切り込み量の調節ができる構成になっている。
次に調整作業について、図9と図10を参照しながら説明する。漏れ振動調整加工作業は、図14に示した回路構成を持つ検査装置で検出電極3D、3Uから観測される、駆動振動との結合により生じた検出振動方向への漏れ振動に起因する出力の大きさをモニターしながら、これが小さくなる様に、調整部M1〜M8の少なくとも1箇所以上を面取り加工して漏れ振動を調整する作業である。ここで、電気的な接続は、母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している振動子片W20の固定部W16に配線された必要な電極にプローブピン(図示していない)などでコンタクトする。
検出方向への漏れ振動は、調整部M1、M3、M5及びM7の面取り(図9参照)加工では同じ方向に変化し、また調整部の方向がこれらと直交するM2、M4、M6及びM8の面取り(図10参照)加工では逆方向に変化する。
このようにして、漏れ振動調整加工を行い、漏れ振動に起因する出力の大きさが所定の規格値以下になれば加工を終了し、洗浄等の作業を行う。
次に切断工程K4では、母圧電基板W10上の結合部W11(図2参照)をレーザー加工技術などを用いて切断し、母圧電基板W10から振動子片W20を分断する。そして、この切断工程K4を完了すると、漏れ振動の調整が完了した圧電振動子を得ることができる。
本実施例によれば、振動子片を形成する母圧電基板形成工程と、その振動子片に電極を形成する電極形成工程と、漏れ振動の調整加工を行う漏れ振動調整加工工程までを振動子片が母圧電基板に結合部を介して一体に結合している状態で実施する。
このとき、母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片は、それぞれ決められた位置に精度良く位置しており、このため、従来のようにパッケージなどに固定された振動子を漏れ振動調整加工位置に配置したり、それを精密に位置決めしたり、加工工具との接触開始点を高精度に求めたり、加工後の加工粉の洗浄作業などをそれぞれ1個づつ
行う必要がなくなり、母圧電基板ごとに一括で処理することができる。従って、本発明によれば、従来のようにパッケージなどに固定して1個づつ漏れ振動調整加工を行う工程に比較して、漏れ振動調整加工工程に要する時間を短縮することができる。
次に、本発明の実施例2における圧電振動子の製造方法について図6を参照しながら説明する。なお、図6は、本発明の実施例2にかかる母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図6(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図6(b)は図6(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図であり、振動子片W20の中央(図2の第2の脚J12の長手方向)断面で仮固定方法を説明するための図である。
本実施例は母圧電基板を基台に仮固定する方法が第1の実施例と異なっており、その他は、実施例1と同様である。したがって、実施例1と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
図6(a)に示すように、振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10を基台K30の上に位置決めして載置する。尚、母圧電基板W10が載置される基台K30の面は平面度を高精度に仕上げられた面である。
図6(b)に示すように、基台K30には、吸引部K31が設けてあり、吸引部K31
は図示していないエアポンプによってエアを吸引できるように接続されている。基台K30に位置決めして載置されている母圧電基板W10は、基台K30に設けてある吸引部K31によって母圧電基板W10に結合部W11を介して一体に結合している振動子片W20の固定部J16を吸引することができる位置にある。
そして、図示していないエアポンプによって吸引部K31のエアを吸引することより母圧電基板W10に結合部K11を介して一体に結合している振動子片W20の固定部J16を仮固定する。このとき、母圧電基板W10を基台K30の平面度の良い面に倣わせるように、母圧電基板W10の振動子片W20以外の部分も仮固定することが推奨される。
このように振動子片W20を基台K30に仮固定して、漏れ振動調整加工工程を実施する。
本実施例によれば、漏れ振動調整加工工程において、基台に設けられた吸引部の上に母圧電基板に結合部を介して一体に結合している振動子片の固定部を載置し、吸引部のエアを吸引して仮固定するので、振動子片の固定部の底面側を基台に確実に固定することができ、最終製品として分離された1個づつの圧電振動子の固定部がパッケージに接着剤で固
定されるのと同様な仮固定条件を実現できる。
また、仮固定として重要な特性である脱着が容易である。そして、振動子片の固定部を基台に確実に仮固定することにより、砥石などで漏れ振動調整加工する時に生じる加工反力によって振動子片の固定部が動くことを防止することができる。
次に、本発明の実施例3における圧電振動子の製造方法について図7を参照しながら説明する。なお、図7は、本発明の実施例3にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整する漏れ振動調整加工方法を説明する斜視図である。本実施例は、漏れ振動調整加工方法に特徴があり、その他は実施例1または実施例2と同様である。したがって、実施例1または実施例2と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
本実施例では、弾性を有する砥石保持部材K42に固着されている薄板状砥石K41を、振動加工工具を用いて振動させながら加工を行う漏れ振動調整加工方法を説明する。少なくとも1個以上の振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10の基台K30への仮固定や調整部M1〜M8のいずれか1箇所以上を漏れ振動調整加工することなどについては先に説明した実施例1または実施例2と同様である。図7は漏れ振動調整加工方法を説明するための模式図である。図7は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。
図7において、弾性を有する砥石保持部材K42に固着されている薄板状砥石K41を図示していない振動加工工具で振動させ、薄板状砥石K41を脚J11の調整部M1に適度の圧力で押し付けながら図示していない振動加工工具を脚J11に平行に設定された調整部長さMLになるように往復移動させることで漏れ振動調整加工を行う。他の調整部についても同様に漏れ振動調整加工を行うことができる。
ここで、図7において、薄板状砥石K41が固着されている弾性を有する砥石保持部材K42を固定保持している振動加工工具は、図示していないX−Y−Zステージに固定保持され、調整部M1からM8へのいずれかへの移動や薄板状砥石K41の押し付け圧の調節ができる構成になっている。
尚、弾性を有する砥石保持部材K42に薄板状砥石K41が固着されている場合について説明したが、弾性を有する薄板状砥石K41が振動加工工具に直接保持されていても良
い。
以降の漏れ振動に起因する出力のモニターや漏れ振動調整加工作業方法等は前述の実施例1と同様である。
本実施例によれば、回転させて加工を行う円柱状砥石の直径に比較して薄い平板状の砥石を使用することができ、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。また、弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材に固着した薄板状砥石を用いて加工を行うので、調整部を加工するときに急激な加工力の変動がなく、安定した漏れ調整加工作業を行うことができる。特に、脚が細い場合には、より有効である。
次に、本発明の実施例4における圧電振動子の製造方法について図8を参照しながら説明する。なお、図8は、本発明の実施例4にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整するためのフェムト秒レーザーを用いた漏れ振動調整加工方法を示す斜視図である。また、図8は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。
本実施例は振動調整加工方法としてフェムト秒レーザーを用いた点に特徴があり、その他は、実施例1又は実施例2と同様である。したがって、実施例1又は実施例2と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
少なくとも1個以上の振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10の基台K30への仮固定や調整部M1〜M8のいずれか1箇所以上を漏れ振動調整加工することなどについては前述の実施例1又は実施例2と同様である。
ここでフェムト秒レーザーについて簡単に説明する。フェムト秒レーザーでは、超短パルスレーザーを集光照射して加工を行うため、通常は光子が1個しか吸収されない部分に2個以上の光子が吸収される多光子吸収が発生し、この効果によって、本来ならば、発振波長を透過してしまうガラス、水晶、ダイヤモンドなどの透明材料でも吸収係数が上昇して加工が可能になることが知られている。
また、従来のレーザー加工プロセスでは格子振動によって熱が伝播され、溶融・蒸発現象により除去が進行するが、フェムト秒レーザー加工では熱が伝わる前に照射が終了するため、熱影響が極めて少なく、高精度、高品位な微細加工が可能であることが知られている。
次に、フェムト秒レーザーK43を用いた漏れ振動調整加工方法について説明する。
図8において図示していない固定保持部に固定保持されているフェムト秒レーザー発生部K44から発せられたフェムト秒レーザーK43を、脚J11の調整部M1に適度のパワーで集光照射しながら、脚J11に平行に加工が必要とされる調整部長さMLにわたり、振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10を載置した基台K30を移動させることで漏れ振動調整加工を行う。他の調整部についても同様に漏れ振動調整加工を行うことができる。
ここで、図8において、振動子片W20が結合部W11を介して一体に結合している母圧電基板W10を載置した基台K30は、図示していないX−Y−Zステージに固定保持され、調整部M1からM8へのいずれかへの移動や調整部長さMLおよび焦点距離等の移
動距離の調節ができる構成になっている。
漏れ振動に起因する出力のモニター方法およびその出力をモニターしながら、これが小さくなる様に、調整部M1〜M8の少なくとも1箇所以上を面取り加工して漏れ振動を調整加工する作業も前述の実施例1と同様である。
ただし、このとき、調整部にフェムト秒レーザーを集光照射するため、機械的な接触がない状態で加工が行われるので、漏れ振動に起因する出力をリアルタイムで測定することができ、その出力をフィードバックすることにより、漏れ振動調整の加工量をパワー、焦点深度、照射位置、調整部長さML等、をパラメータとして最適に制御することができる。
本実施例によれば、フェムト秒レーザーを漏れ振動調整加工に用いるので、水晶などの透明材料を加工することができ、熱影響が極めて少なく、高精度、高品位な微細加工が可能である。また、フェムト秒レーザーを用いて漏れ振動調整加工を行う場合には、調整部にフェムト秒レーザーを集光照射するため、砥石などの工具を用いた加工とは異なり、機械的な接触がない状態で加工が行われるので、漏れ振動に起因する出力をリアルタイムで測定することができ、その出力をフィードバックして漏れ振動調整の加工量を最適に制御することができるため、精密な漏れ振動調整加工ができる。
更に、調整部にフェムト秒レーザーを集光照射するため、母圧電基板上に小型の振動子片が高密度に配置されている場合にも、振動子片の狭い脚間および隣り合う狭い振動子片の間の漏れ振動調整加工を容易に行うことができる。
次に、本発明の実施例5における圧電振動子の製造方法について主に図15を参照しながら説明する。なお、図15は、本発明の実施例5にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を振動子片の脚の調整部に対して表面側と裏面側とから砥石などの加工工具を用いて調整加工する漏れ振動調整加工方法を説明する模式図で、砥石などの加工工具の位置での脚J11,J12,J13の長手方向に垂直な断面の模式図である。
また、図15は3脚構成で図示してあるが、2脚構成でも方法は全く同じである。本実施例は漏れ振動調整加工方法として振動子片W20の表面側と裏面側とから砥石などの加工工具を用いて漏れ振動調整加工する点に特徴があり、その他は、実施例1から実施例4と同様である。したがって、実施例1から実施例4と同一の部位、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明は省略する。
また、漏れ振動に起因する出力のモニターや漏れ振動調整加工作業方法等は先に説明した実施例1から4と同様であり、本実施例では、砥石等の加工工具としては実施例3で説明した薄板状の弾性を有する薄板状砥石K41を用いた場合を例にとり説明する。
先に説明したが、漏れ振動調整加工を行う時には、図4(b)および図6(b)に示すように、母圧電基板W10に結合部K11を介して一体に結合している振動子片W20を仮固定するために固定部J16を基台K30に対して圧接している。しかし、基台K30は基部J15および脚J11、J12、J13の直下近辺の部分においては貫通穴になっている。
図15は、表面側と裏面側とから脚J11に対して漏れ振動調整加工行っている様子を示しており、脚J11およびJ12の調整部M1、M4、M5、M8は表面側から砥石などの加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行い、調整部M2、M3、M6,M7は裏面側で
ある基台K30の貫通穴側から砥石などの加工工具を挿入して漏れ振動調整加工を行うことができることを示している。
また、先に説明したように検出方向への漏れ振動は、調整部M1、M3、M5およびM7の面取り加工の漏れ振動調整加工(図9参照)では同じ方向に変化し、またの調整部M2、M4,M6およびM8の面取り加工の漏れ振動調整加工(図10参照)では図9の場合に対して逆方向に変化する。
図15は検出方向の漏れ振動の調整加工が図9に示すような方向の場合で、表面側から調整部M1を、裏面側から調整部M3を同時に漏れ振動調整加工を行っているところを示しており、次に、表面側から調整部M5を、裏面側から調整部M7を同時に漏れ振動調整加工する加工方法を示している。
本実施例によれば、例えば、検出方向の漏れ振動の調整加工が図9に示すような方向の場合には脚J11の調整部M1とその対角にある調整部M3、また脚J12の調整部M5とその対角にある調整部M7とを対称的にバランス良く漏れ調整加工することができるので、Q値等の性能品質の劣化を防止することができる。
また、表面側および裏面側とから同時に漏れ振動調整加工を行うことができるため、加工時間を低減することができ、更に、大きな漏れ量の振動子片までバランスを崩さずに漏れ振動調整加工を実施することが可能になる。このため、振動子の性能品質と生産能力とを向上させることができる。
これに対して、従来のパッケージに接着等で固定された圧電振動子の場合には、一般にはパッケージの底面(図示していない)が存在し、パッケージの底面側である裏面側から砥石などの加工工具を用いて漏れ振動調整加工を行うことは困難であり、表面側の調整部M1、M5(検出方向の漏れ振動の調整加工が図9に示すような方向の場合)またはM4、M8(検出方向の漏れ振動の調整加工が図10に示すような場合)のみで漏れ振動調整加工を行っていた。
更に、表面側および裏面側とから加工工具をそれぞれ2つ(計4つ)用いて、図9の調整部M1,M3,M5,M7または図10に示す調整部M2,M4,M6,M8の4箇所の調整部について同時に漏れ振動調整加工を行うこともできる。
この場合、生産効率は非常に良くなる。例えば、検出方向の漏れ振動の調整加工が図9に示すような方向の場合、表面側から加工工具を2つ用いて調整部M1とM3とを、同様に裏面側から加工工具を2つ用いて調整部M3とM7の調整部4箇所について同時に漏れ振動調整加工を行うものである。
尚、本発明の好適な実施例について説明してきたが、本発明は上記の説明により何ら限定されるものではない。例えば、上記実施例においては、水晶2脚音叉の圧電振動子または水晶3脚音叉の圧電振動子を例に説明したが、本発明は、脚の数は例えば1,2,3,4,5本等、脚の数に限定されるものでは無く、また材質も水晶に限らず全ての圧電材料の振動体に適用できるものである。また、本実施例においては振動ジャイロ用の圧電振動子として説明したが、振動ジャイロ用に限るものでもない。
本発明の実施例1にかかる製造方法の工程の流れを示す図である。 本発明の実施例1にかかる母圧電基板形成工程を説明する図である。図2(a)は母圧電基板を示す平面図である。図2(b)は図2(a)のA部の拡大平面図であり、母圧電基板に振動子片の形状が形成されている状態を示している。 本発明の実施例1にかかる電極形成工程を説明する図である。図3(a)は母圧電基板に形成された振動子片の脚の断面図で、全面に導電膜が成膜された状態を示しており、図3(b)は所定の電極を形成した状態を示している。 本発明の実施例1にかかる漏れ振動調整加工工程の母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図4(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図4(b)は図4(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図である。 本発明の実施例1にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動調整加工方法を説明する斜視図である。 本発明の実施例2にかかる母圧電基板と基台との関係を説明する図である。図6(a)は母圧電基板を基台に仮固定した状態を示す斜視図である。図6(b)は図6(a)のB−B断面におけるA部を示す部分拡大断面図で、仮固定方法を説明している。 本発明の実施例3にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整する漏れ振動調整加工方法を説明する斜視図である。 本発明の実施例4にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を調整する漏れ振動調整加工方法を説明する斜視図である。 調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。 図9と反対方向に調整部を面取り加工した形状を説明するための模式図である。 振動子の動作を説明するための図で、従来の2脚音叉型振動体の外観を示す斜視図である。 振動ジャイロの動作を説明するための図で、2脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。 2脚音叉型の振動子の調整部を示す斜視図である。 3脚音叉型水晶ジャイロの駆動検出方法を説明するための断面及び配線や駆動検出回路の模式図である。 本発明の実施例5にかかる漏れ振動調整加工工程における3脚音叉型振動ジャイロの漏れ振動を振動子片の表面側と裏面側とから漏れ振動調整加工する漏れ振動調整加工方法を説明する断面の模式図である。
符号の説明
K1 母圧電基板形成工程
K2 電極形成工程
K3 漏れ振動調整加工工程
K4 切断工程
W10 母圧電基板
W11 結合部
W20 振動子片
K20 導電膜
K30 基台
K31 吸引部
K40 円柱状砥石
K41 薄板状砥石
K42 砥石保持部材
K43 フェムト秒レーザー
K44 フェムト秒レーザー発生部
J1〜J8 2脚音叉振動子の電極
1D、1R,1U,1L 3脚音叉振動子の第1の脚の電極
2D,2R,2U,2L 3脚音叉振動子の第2の脚の電極
3D、3U、3G 3脚音叉振動子の第3の脚の電極
J10 音叉型振動子
J11 第1の脚
J12 第2の脚
J13 第3の脚
J15 基部
J16 固定部
JC コンパレータ
JD 差動バッファ
JG アンプ
JM 乗算回路
JP,JP2 移相回路
JS 積分回路
M1〜M8 調整部
ML 調整部長さ

Claims (7)

  1. 振動子片の一部に対して振動方向などの特性を調整する漏れ振動調整加工を行う圧電振動子の製造方法であって、少なくとも一つの前記振動子片を、圧電材料からなる母圧電基板に結合部を介して一体に形成する母圧電基板形成工程と、
    前記母圧電基板に一体に形成されている前記振動子片に電極を形成する電極形成工程と、
    前記電極が形成された前記振動子片を基台に仮固定して、前記振動子片の一部に対して漏れ振動調整加工を行う漏れ振動調整加工工程と、
    前記振動子片を前記結合部で切断し、前記母圧電基板から分断することによって圧電振動子を得る切断工程と
    を有することを特徴とする圧電振動子の製造方法。
  2. 前記漏れ振動調整加工工程は、前記基台に設けられた吸引部の上に前記振動子片の固定部を載置し、前記吸引部のエアを吸引して前記振動子片を前記基台に仮固定して、前記振動子片の一部に対して前記漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする請求項1に記載の圧電振動子の製造方法。
  3. 前記漏れ振動調整加工工程は、薄板状の弾性を有する薄板状砥石または弾性を有する砥石保持部材で保持された前記薄板状砥石を具備した振動加工工具を用いて前記振動子片の一部に対して前記漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動子の製造方法。
  4. 前記漏れ振動調整加工工程は、フェムト秒レーザーを用いて前記振動子片の一部に対して前記漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の圧電振動子の製造方法。
  5. 前記振動子片は、その表面側と裏面側のそれぞれに前記漏れ振動調整加工を行う調整部を備え、
    前記漏れ振動調整加工工程は、前記表面側と前記裏面側の両面側から、同時にまたはそれぞれ順次に、前記表面側の調整部と前記裏面側の調整部に対して前記漏れ振動調整加工を行うことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法。
  6. 前記圧電材料が水晶であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の圧電振動子の製造方法。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の製造方法により製造された圧電振動子を用いて外部から印加された角速度を検出することを特徴とする振動ジャイロ。
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