JP2006311090A - 圧電振動片および圧電デバイス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 圧電材料により形成された基部51と、前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕35,36と、前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝33,34と、前記長溝に形成した駆動用の電極とを備えており、前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした。
【選択図】 図3
Description
図12は、圧電デバイスに従来より用いられている圧電振動片の一例を示す概略平面図であり、図13は図12のA−A線切断端面図である。
図において、圧電振動片1は、水晶などの圧電材料をエッチングすることにより、図示のような音叉型圧電振動片としての外形を形成するもので、パッケージ(図示せず)等に取付けられる矩形の基部2と、基部2から図において右方に延長された一対の振動腕3,4を備えており、これら振動腕の主面(表裏面)に長溝3a,4aを形成するとともに、必要な駆動用の電極を形成したものである(特許文献1参照)。
このような圧電振動片1においては、駆動用の電極を介して駆動電圧が印加されると、各振動腕3,4の先端部を近接・離間するようにして、屈曲振動することにより、所定の周波数の信号が取り出されるようになっている。
ここで、図示のような音叉型圧電振動片である圧電振動片1の周波数fは、振動腕3,4の長さをl、腕幅をWとした場合、W/(l×l)に比例する。
このことは、一方向に長い圧電振動片1を小型化しようとして、図12における全長AL1の大きさを小さくしようとする場合、振動腕の長さlを短くすると、周波数が高くなることを意味する。また、振動腕の幅Wが小さくなると、周波数は下がる。このことから、従来の周波数を維持して、小型化を図るためには、振動腕の長さをある程度短くしつつ腕幅wを小さくしなければならない。
これに対して、腕幅Wは、これまでのものが100μmであったものを、小型化により50μm程度とする場合を考える。腕幅100μmの際に、溝幅C1が70μm程度、側壁厚みS1,S1がそれぞれ15μm程度づつあったものが、腕幅Wを50μm程度とすると、溝幅C1が40μm程度、側壁厚みS1,S1はそれぞれ5μm程度づつとしなければならない。
図14は、従来構造のまま圧電振動片を小型化した場合のドライブ特性を示すグラフであり、図の横軸に沿って、駆動電圧のレベルを徐々に増大させると、縦軸の周波数変化がマイナス方向に生じる。このことは、図13のZ方向振動の成分が多くなって、エネルギーロスの多い振動となってしまうことを示しており、CI(クリスタルインピーダンス)値の増大の原因となる。
第2の発明の構成によれば、第1の縮幅部の終端から、さらに先端側に向かって、前記振動腕の腕幅が徐々に縮幅するようにした前記第2の縮幅部を設けるとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pを設けることにより、CI値を抑制しつつ、2次の高調波における発振の防止をすることができる。
しかも、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部を有しているので、振動腕が屈曲振動する際に、最も大きな応力が作用し、歪みが大きくなる付け根部分の剛性を向上させることができる。これにより、振動腕の屈曲振動が安定し、不要な方向への振動成分が抑制されるので、一層CI値を低減させることができる。すなわち、圧電振動片を小型化する上で、安定した屈曲振動を実現し、CI値を低く抑えることができる。
第3の発明の構成によれば、音叉型振動片の振動腕が屈曲振動する際に、その振動漏れが伝えられる範囲について、振動腕の腕幅寸法と相関があることに鑑み、本発明者等は、従来の圧電振動片の切り込み部が、適切な位置に設けられていないという知見を持った。そこで、前記切り込み部が設けられる位置について、前記振動腕の付け根から、前記振動腕の腕幅寸法を超える位置としたものである。これによって、切り込み部は、振動腕からの振動漏れが、基部側に伝搬することを、より確実に抑制することができる構造とすることができる。これにより、振動腕側から基部側への振動の漏れ込みを適切に防止して、ドライブレベル特性が良好な圧電振動片を提供することができる。
特に、前記切り込み部の位置が、前記付け根の箇所から前記腕幅寸法×1.2以上離れた位置に形成することで、ドライブレベル特性を正常な圧電振動片のレベルに適合させることができることが確認されている。
第4の発明の構成によれば、圧電振動片の外形形成をウエットエッチングにより行う場合に、エッチング異方性により生成される前記異形部を最小となるように形成したから、振動腕の屈曲振動を安定したものとすることができる。
第5の発明の構成によれば、前記振動腕の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、前記振動腕の腕長さに対する前記長溝の長さの割合=Nとの関係で決定された構造を持つことにより、全体を小型化をする上で、CI値を抑え、かつ振動特性を悪化させることがない圧電振動片を提供することができる。
第6の発明の構成によれば、前記Nを例えば61パ−セントとした場合に、前記Mを1.06以上とすることにより、基本波のCI値を十分に抑制して、同時に2次の高調波で発振しにくい圧電振動片を得ることができる。
第7の発明の構成によれば、第1の縮幅部の幅を11μm以上とすることで、CI値の顕著な減少を図ることができる。
第8の発明の構成によれば、第1の発明と同様の原理により、小型化をする上で、安定した屈曲振動を実現し、CI値を低く抑えることができる圧電デバイスを提供することができる。
パッケージ57は、図1および図2に示すように、例えば、矩形の箱状に形成されている。具体的には、パッケージ57は、第1の基板54と、第2の基板55と、第3の基板56とを積層して形成されており、例えば、絶縁材料として、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して図示の形状とした後で、焼結して形成されている。
パッケージ57の底部には、製造工程において、脱ガスするための貫通孔27を有している。貫通孔27は、第1の基板54に形成された第1の孔25と、第2の基板55に形成され、上記第1の孔25よりも小さな外径を有し、第1の孔25と連通した第2の孔26で形成されている。
そして、貫通孔27には、封止材28が充填されることにより、パッケージ57内が気密状態となるように孔封止されている。
なお、蓋体40は、コバールなどの金属板を用いることもでき、この場合には、外部からレーザ光LBを照射して圧電振動片32の周波数調整を行うことはできない。
各振動腕35,36の主面の表裏には、好ましくは、それぞれ長さ方向に延びる長溝33,34をそれぞれ形成し、図3および図4に示すように、この長溝内に駆動用の電極である励振電極37,38が設けられている。このような圧電振動片32の音叉状の外形と、各振動腕に設ける長溝は、それぞれ例えば水晶ウエハなどの材料をフッ酸溶液などでウエットエッチングしたり、ドライエッチングすることにより精密に形成することができる。
そして、長溝33,34内の励振電極に駆動電圧が印加されることによって、駆動時に、各振動腕の長溝が形成された領域の内部の電界効率を高めることができるようになっている。
これにより、振動腕35,36は互いに逆相振動となるように励振され、基本モード、すなわち、基本波において、各振動腕35,36の先端側を互いに接近・離間させるように屈曲振動されるようになっている。
ここで、例えば、圧電振動片32の基本波は、Q値:12000、容量比(C0/C1):260、CI値:57kΩ、周波数:32.768kHz(「キロヘルツ」、以下同じ)である。
また、2次の高調波は、例えば、Q値:28000、容量比(C0/C1):5100、CI値:77kΩ、周波数:207kHzである。
ここで、図3の長溝33,34が長い程、振動腕35,36を形成する材料について電界効率が向上し、振動腕の全長Lに対して、長溝33,34の基部51からの長さPLが、少なくともPL/L=0.7程度までは、長くするほど音叉型振動片のCI値は下がることがわかっている。この実施形態では、図3において、振動腕36の全長Lは、例えば1250μm程度である。
図5は横軸に、腕幅の変更点Pであるくびれ位置Pをとった場合において、振動腕の長さ方向のどの箇所に、該くびれ位置Pがあるかにより、縦軸に示す圧電振動片32のCI値の変化を示している。図5のグラフの横軸のパーセンテージは、振動腕の全長Lを「1」とした場合に、基部からくびれ位置Pまでの長さCLが、どのような比率であるかを示している。そして、横軸の0の位置が、図3の長さPLで示された長溝34の先端位置であり、0の位置は、長溝34の先端位置にくびれ位置(変更点)Pがあることを示している。
図5を参照すると、長溝の長さPLを上述のように適切な長さとして、十分にCI値の抑制をはかると同時に、この長溝の先端位置に対して、どのような箇所にくびれ位置Pを設けたかによってCI値が大きく変化することがわかる。しかも、くびれ位置(腕幅の変更点)Pを長溝の先端よりも、さらに振動腕の先端側に設けることで、急激にCI値を低減できる。
図6を参照すると、長溝の長さPLを上述のように適切な長さとして、十分にCI値の抑制をはかれば、くびれ位置Pがある程度変位しても、圧電振動片32のCI値比(高調波のCI値/基本波のCI値)は1よりも大きい値を維持することができ、くびれ位置Pが先端にいくほどCI値比は大きくなり、高調波で発振しにくい。
このように、図3の振動腕36に関して、長溝34を長くするほどCI値は低くなり、
くびれ位置(変更点)Pも振動腕の先端よりに設けることで、CI値を低減しつつ、さらにCI値比を大きくすることができる。このことから、好ましくはくびれ位置Pを長溝の先端部よりも、振動腕の先端側に設けることで、ほぼ確実にCI値比を大きくして、高調波による発振を防止できる。
図示するように、腕幅縮幅率Mを大きくする程、CI値比が大きくなり、好ましい。この実施形態では、振動腕36の腕幅縮幅率Mを1.06よりも大きくすることにより、CI値比を1より大きくすることができ、高調波による発振を防止することができる。
かくして、圧電振動片32において、振動腕の腕幅の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、振動腕の腕長さに対する長溝の長さの割合=Nとの関係で決定されることにより、圧電振動片32やこれを搭載した圧電デバイス30を小型化しつつ、CI値を低減し、しかも高調波で発振しにくくして、良好な振動特性を実現することができる。
この場合、第1の縮幅部の高さ寸法THは50μm程度として、幅TWを横軸にとり、縦軸に示すCI値の変化を記録している。
図示されているように、TWが小さいとCI値が高く、TWが大きくなると歪みが小さくなって、図13で説明したZ方向の振動成分が減少し、振動が安定することで、CI値が小さくなる。図示されているように、この場合には、TWが0つまり、全く第1の縮幅部を形成しない状態から、この第1の縮幅部を設けてTWを10μm程度、特に11μm付近まで形成する場合に、CI値の顕著な減少が見られる。さらにTWの寸法が大きくされて、基部51の幅一杯まで増加させる間もCI値は徐々に減少する。
しかも、第2の縮幅部を設けたことで、振動腕36は、その付け根付近から、先端側に向かって、くびれ位置Pまで、徐々に剛性が低下し、くびれ位置Pからさらに先端側では、長溝34が無く、腕幅が徐々に拡大していることから、剛性は先端側にいくに従って高くされている。
このため、2次の高調波における振動の際の振動の「節」を、振動腕36のより先端側に位置させることができると考えられ、このことにより、長溝34を長くして圧電材料の電界効率を上げ、CI値を上昇させても、基本波のCI値を抑制しながら、2次の高調波のCI値の低下を招くことがないようにすることができる。かくして、小型化しても、基本波のCI値を低く抑えることができ、ドライブ特性が悪化することがない圧電振動片を提供することができる。
図3に示す圧電振動片32の各振動腕35,36は同じ形状であるから、振動腕35と振動腕36のいずれかについて説明する事項は、両振動腕に共通する事項である。
図4の寸法xで示すウエハ厚み、すなわち、圧電振動片を形成する水晶ウエハの厚みは、70μmないし130μmが好ましい。
図3の寸法aで示す圧電振動片32の全長は、1300μmないし1600μm程度である。
振動腕の全長である寸法bは、1100ないし1400μmとし、1250μm程度が上述した理由により最も好ましい。
圧電デバイス30の基部幅である全幅dは、400μmないし600μm程度とすることが、圧電デバイスの小型化の上で好ましく、この実施形態では500μm程度である。このため、音叉部分の小型化のためには、基部51の先端側の幅寸法eは200ないし400μm程度である。
さらに、図4の振動腕35(振動腕36も同じ)における長溝33の外縁と振動腕の外縁との寸法m1,m2は、ともに3ないし15μmとするとよい。寸法m1,m2は15μm以下とすることで、電界効率が向上し、3μm以上とすることで、電極の分極が確実に行われるのに有利である。
特に、切り込み部71,71を、振動腕35,36の付け根の箇所Tから腕幅寸法c×1.2以上の寸法iだけ離して形成することで、ドライブレベル特性を正常な圧電振動片32のレベルに適合させることができることが確認されている。
また、長溝33,34の基部51側端部の位置は、図3において振動腕35,36の付け根、すなわちTの位置と同じか、それより僅かに振動腕先端側であって、第1の縮幅部TLが存在する範囲内であることが好ましく、特にTの位置よりも基部51の基端側に入り込まないようにすることが好ましい。
発振回路91は、増幅回路92と帰還回路93を含んでいる。
増幅回路92は、増幅器95と帰還抵抗94を含んで構成されている。帰還回路93は、ドレイン抵抗96と、コンデンサ97,98と、圧電振動片32とを含んで構成されている。
ここで、図9の帰還抵抗94は、例えば10MΩ(メガオーム)程度、増幅器95はCMOSインバータを用いることができる。ドレイン抵抗96は、例えば200ないし900kΩ(キロオーム)、コンデンサ97(ドレイン容量)と、コンデンサ98(ゲート容量)は、それぞれ10ないし22pF(ピコファラド)とすることができる。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、上述の圧電デバイスの製造方法の一例を説明する。
圧電デバイス30の圧電振動片32と、パッケージ57と、蓋体40は、それぞれ別々に製造される。
(蓋体およびパッケージの製造方法)
蓋体40は、例えば、所定の大きさのガラス板(例えば、硼珪酸ガラス)を切断し、パッケージ57を封止するのに適合する大きさの蓋体として用意される。
パッケージ57は、上述したように、酸化アルミニウム質のセラミックグリーンシートを成形して形成される複数の基板を積層した後、焼結して形成されている。成形の際には、複数の各基板は、その内側に所定の孔を形成することで、積層した場合に内側に所定の内部空間Sを形成する。
先ず、圧電基板を用意し、ひとつの圧電基板から所定数の圧電振動片について、同時にその外形をエッチングにより形成する(外形エッチング)。
ここで、圧電基板は、圧電材料のうち、例えば、圧電振動片32を複数もしくは多数分離することができる大きさの水晶ウエハが使用される。この圧電基板は工程の進行により図3の圧電振動片32を形成するので、図3に示すX軸が電気軸、Y軸が機械軸及びZ軸が光軸となるように、圧電材料、例えば水晶の単結晶から切り出されることになる。また、水晶の単結晶から切り出す際、上述のX軸、Y軸及びZ軸からなる直交座標系において、Z軸を中心に時計回りに0度ないし5度(図11のθ)の範囲で回転して切り出した水晶Z板を所定の厚みに切断研磨して得られる。
ここで、外形エッチング工程でのウエットエッチングでは、図3に示した機械軸X、電気軸Y、光学軸Zに関して、エッチングの進行上、次のようなエッチング異方性を示す。
すなわち、圧電振動片32に関して、そのX−Y平面内におけるエッチングレートについては、プラスX方向で、このX軸に対して120度の方向、およびマイナス120度の方向の面内においてエッチングの進行が速く、マイナスX方向でX軸に対してプラス30度の方向、およびマイナス30度の方向の内面のエッチングの進行が遅くなる。
同様に、Y方向のエッチングの進行は、プラス30度方向およびマイナス30度方向が速くなり、プラスY方向で、Y軸に対してプラス120度方向、およびマイナス120度方向が遅くなる。
しかしながら、この実施形態では、エッチング液として、フッ酸および、フッ化アンモニウムを用いて、十分な時間、すなわち、9時間ないし11時間という十分な時間をかけて、エッチングを行うことにより、図4で説明した異形部81をきわめて小さくすることができる(ST11)。
この工程において、圧電振動片32の切り込み部71,71を含む外形が形成され、終了時には、水晶ウエハに対して、それぞれ細い連結部で基部51付近を接続された多数の圧電振動片32の外形完成状態のものが得られる。
次に、図示しない溝形成用レジストにより、図4で示した形態となるように、各長溝を挟む両側の壁部を残す様にして、溝を形成しない部分に耐蝕膜を残し、外形エッチングと同じエッチング条件で、各振動腕35,36の表面と裏面を、それぞれウエットエッチングすることにより長溝に対応した底部を形成する(ST12)。
ここで、図4を参照すると、符号tで示す溝深さは、全体厚みxに対して、30ないし45パーセント程度とされる。tに関して、全体厚みxの30パーセント以下だと、電界効率を十分向上させることができない場合がある。45パーセント以上だと、剛性が不足して、屈曲振動に悪影響を与えたり、強度が不足する場合がある。
真空チャンバー内が、所定の真空度に真空排気され、フレオンガスと、酸素ガスが送られ、その混合ガスが所定の気圧になるまで充填された状態にて、直流電圧が印加されると、プラズマが発生する。そして、イオン化された粒子を含む混合ガスは、メタルマスクから露出した圧電材料に当たる。この衝撃により、物理的に削り取られて飛散し、エッチングが進行する。
次に、蒸着もしくはスパッタリングなどによって、電極となる金属、例えば、金を全面に被覆し、次いで、電極を形成しない箇所を露出したレジストを用いて、フォトリソグラフィの手法により、図1および図4で説明した駆動用の電極を形成する(ST13)。
その後、各振動腕35,36の先端部には、スパッタリングや蒸着により、錘付け電極(金属被膜)21,21が形成される(図3参照)(ST14)。錘付け電極21,21は通電されて圧電振動片32の駆動に用いられるのではなく、後述する周波数調整に利用される。
続いて、上記したウエハに対する細い連結部を折り取り、圧電振動片32を個々に形成する個片にする(ST16)。
次に、図1で説明したように、パッケージ57の各電極部31,31に導電性接着剤43,43を塗布し、その上に圧電振動片32の基部51の引出し電極37a,38aの部分を載置して、接着剤を加熱・硬化させることにより、パッケージ57に対して、圧電振動片32を接合する(ST17)。
なお、この導電性接着剤43としては、例えば、合成樹脂などを利用したバインダー成分に、銀粒子などの導電粒子を混入したもので、機械的接合と電気的接続とを同時に行うことができるものである。
次いで、シーム溶接などにより蓋体40をパッケージ57に接合し(ST19−1)、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
この場合、例えば、低融点ガラスなどを加熱して、蓋体40をパッケージ57に接合する加熱工程が行われるが、この際に、低融点ガラスや導電性接着剤などからガスが生成される。そこで、加熱により、このようなガスを図2で説明した貫通孔27から排出し(脱ガス)、その後、段部29に金錫、より好ましくは、金ゲルマニウムなどでなる金属球体やペレットを配置し、レーザ光などを照射することにより、溶融する。これにより図2の金属充填材28が貫通孔27を気密に封止する(ST19−2)。
次いで、図2で示すように、硼珪酸ガラスなどでなる透明な蓋体40を透過させるように外部からレーザ光を圧電振動片32の振動腕35および/または振動腕36の錘付け電極21の先端側に照射し、質量削減方式により微調整としての周波数調整を行う(ST20−2)。次いで、必要な検査を経て、圧電デバイス30が完成する。
また、この発明は、箱状のパッケージに圧電振動片を収容したものに限らず、シリンダー状の容器に圧電振動片を収容したもの、圧電振動片をジャイロセンサとして機能するようにしたもの、さらには、圧電振動子、圧電発振器等の名称にかかわらず、圧電振動片を利用したあらゆる圧電デバイスに適用することができる。
Claims (8)
- 圧電材料により形成された基部と、
前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
前記長溝に形成した駆動用の電極と
を備えており、
前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、
前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした
ことを特徴とする圧電振動片。 - 前記各振動腕の幅寸法が、前記振動腕の前記基部に対する付け根の箇所で、先端側に向かって急激に縮幅する第1の縮幅部と、この第1の縮幅部の終端から、前記縮幅部として、さらに先端側に向かって、徐々に縮幅する第2の縮幅部とを有することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動片。
- 前記基部には、その圧電材料を幅方向に縮幅して形成した切り込み部を有しており、該切り込み部が、前記各振動腕の付け根から前記腕幅の寸法の1.2倍以上の距離を離して前記基部に形成されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の圧電振動片。
- 前記各振動腕の側面に、プラスX軸(機械軸)方向に突出する異形部が最小となるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の圧電振動片。
- 前記振動腕の幅縮幅率としての最大幅/最小幅=Mの値が、前記振動腕の腕長さに対する前記長溝の長さの割合=Nとの関係で決定されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の圧電振動片。
- 前記Nを61パーセント程度とした場合に、前記Mを1.06以上としたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の圧電振動片。
- 前記第1の縮幅部の幅が11μm以上であることを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の圧電振動片。
- パッケージまたはケース内に圧電振動片を収容した圧電デバイスであって、
前記圧電振動片が、
圧電材料により形成された基部と、
前記基部と一体に形成され、互いに平行に延びる複数の振動腕と、
前記各振動腕の長手方向に沿って形成された長溝と、
前記長溝に形成した駆動用の電極と
を備えており、
前記各振動腕の幅寸法が、前記基部側から先端側に向かって、徐々に縮幅するとともに、前記先端側には前記幅寸法が増加に転じる幅変化の変更点Pがあり、
前記変更点Pを、前記長溝の先端部よりもさらに腕先端側に位置させるようにした
ことを特徴とする圧電デバイス。
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