JP5165399B2 - 内視鏡洗浄消毒装置 - Google Patents

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Description

本発明は、使用後の内視鏡の表面及び内視鏡管路を自動で洗浄、及び消毒する内視鏡洗浄消毒装置に関する。
内視鏡は、検査や治療の目的で体腔内に挿入される。体腔内に挿入された内視鏡は、挿入部の外表面に体液や汚物等が付着するだけでなく、挿入部に設けられている処置具チャンネルを兼ねる吸引管路等の内視鏡管路内にも体液、汚物等が付着する。そのため、使用後の内視鏡においては、外表面、及び内視鏡管路を洗浄、消毒する必要がある。
一般に、洗浄消毒装置を用いて内視鏡の洗浄、及び消毒を行う場合、ユーザは、装置本体の洗浄槽に使用済みの内視鏡をセットする。次いで、内視鏡管路内を洗浄、消毒するため、内視鏡に備えられている各管路の口金と、洗浄槽に設けられた内視鏡管路内へ液体、気体等の流体を供給する各種供給用ノズルとをチューブ等を介して接続する。
次に、ユーザは、洗浄消毒装置に設けられているトップカバーを閉じ、洗浄消毒装置に備えられている処理開始スイッチをON操作する。すると、洗浄工程、消毒工程が自動で開始される。
洗浄工程において、洗浄槽内に所定水位の洗浄液が供給されると、洗浄が開始される。洗浄工程中、洗浄液は循環され、その水流にて内視鏡の外表面が洗浄される。一方、各供給用ノズルから供給される洗浄液によって各内視鏡管路内が洗浄される。
洗浄工程が終了すると、濯ぎ工程が行われ、その後、消毒工程が行われる。この消毒工程においても、洗浄液の場合と同様に、洗浄槽に、所定の濃度に調整された消毒液が所定水位まで供給されて、内視鏡の外表面及び各内視鏡管路内が消毒される。
その後、内視鏡の外表面及び各内視鏡管路内に、エアまたはアルコールが供給され、内視鏡の外表面及び各内視鏡管路内の乾燥を行って一連の工程を終了する。
例えば、特許文献1には内視鏡の設置位置を自動的に認識・確認し、内視鏡の設置位置が予め設定された設置位置から外れた場合にはその状況を報知することができるとともに、内視鏡各部位に合わせた洗浄を自動的に行うことができる内視鏡洗浄装置と洗浄情報付き内視鏡が示されている。
しかし、特許文献1の内視鏡洗浄消毒装置でも、洗浄、濯ぎ、消毒、乾燥等の各工程は自動で行われるが、ユーザは内視鏡管路を洗浄消毒するために、洗浄槽内の内視鏡に専用チューブを繋ぐ作業を行わなければならない。
このチューブを内視鏡に接続する煩雑な作業を解消する目的で、例えば内視鏡の操作部の所定位置に各内視鏡管路に連通する口金を設ける一方、内視鏡洗浄消毒装置本体の洗浄槽に前記口金に自動で装着される管路洗浄用ノズルを設けて、管路洗浄用ノズルの内視鏡口金への接続から内視鏡管路の洗浄、消毒までを自動で行う内視鏡洗浄消毒装置も提案されている。
この内視鏡洗浄消毒装置では、図16に示すように内視鏡洗浄消毒装置本体101に備えられた管路内自動洗浄消毒流路を構成する供給路102に接続されているポンプ103、切替弁104の制御を制御部110で行う。そして、制御部110には流量センサ105から出力される検知信号が入力される。
また、制御部110は、洗浄槽106に配設された内視鏡120の操作部121に備える複数の内視鏡管路の口金122、123にそれぞれ接続される内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を構成する洗浄ノズル111a、111bを進退させる駆動装置112a、112bの制御を行う。そして、制御部110には検知センサ113a、113bから出力される検知信号が入力される。この検知信号は、洗浄ノズル111aが口金122に接続されているとき及び洗浄ノズル111bが口金123に接続さているとき制御部110に入力される。
具体的に、制御部110は、内視鏡120が洗浄槽106内に所定状態に配設されている状態で、図示しないトップカバーが閉じられ、内視鏡洗浄消毒装置本体101に備えられている図示しない処理開始スイッチがON操作されると、駆動装置112a、112bを動作させる。
駆動装置112a、112bの駆動に伴い、ノズル111a、ノズル111bが内視鏡120の口金122、123に向かって移動される。その後、制御部110は、ノズル111aの口金122への接続を検知センサ113aからの検知信号で確認し、且つノズル111aの口金123への接続を検知センサ113bからの検知信号で確認すると、前記ポンプ103、切替弁103等を制御して、規定のプログラムにしたがって洗浄工程、濯ぎ工程を開始する。
すると、例えば洗浄液が供給路102に供給され、その後、洗浄液は分岐した供給路を介してノズル111a、111bに供給される。なお、図16は内視鏡洗浄消毒装置本体に備えられた内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を説明する図である。
特開2002−272684号公報
しかしながら、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備えた内視鏡洗浄消毒装置では、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡以外の内視鏡を洗浄消毒することができないという不具合が生じる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡に加えて、口金の位置或いは操作部の形状等が異なる内視鏡の洗浄消毒も可能な内視鏡洗浄消毒装置を提供することを目的にしている。
本発明の内視鏡洗浄消毒装置は、挿入部及び操作部により主要部が構成され、該操作部に複数の内視鏡管路用の口金を備える第1の内視鏡を収容して洗浄槽に予め定めた状態で配設される第1のトレーと、前記洗浄槽に配設された前記第1のトレーに収容された第1の内視鏡の内視鏡管路の口金に自動で接続される複数のノズルを備える流体供給ユニットを有する内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備える内視鏡洗浄消毒装置本体と、前記第1のトレーの外形形状と同形状であって、前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な、挿入部、操作部及びユニバーサルコードにより主要部が構成された第2の内視鏡を収容して、前記洗浄槽に予め定めた状態で配設される第2のトレーと、前記洗浄槽に配設された内視鏡が、前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する第1の内視鏡であるか前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な第2の内視鏡であるかを判別する判別手段と、前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な第2の内視鏡の内視鏡管路を当該内視鏡管路自動洗浄消毒機構で洗浄可能にする洗浄アダプタとを具備している。
この構成によれば、内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に内視鏡が配設されたとき、判別手段によって、内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを判別する。そして、判別手段によって内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応すると判定されたとき、洗浄ノズルが内視鏡管路の口金に自動で接続されて、内視鏡管路内の洗浄が自動で実行される。一方、判別手段によって内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応であると判定されたときには、洗浄ノズルと内視鏡管路の口金とを洗浄アダプタを用いて接続し、その後、内視鏡管路内の洗浄が自動で実行される。
本発明によれば、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡に加えて、口金の位置或いは操作部の形状等が異なる内視鏡の洗浄消毒も可能な内視鏡洗浄消毒装置を実現できる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図8は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備える内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に内視鏡を配設した状態の内視鏡洗浄消毒システムを説明する図、図2は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡と、この内視鏡が収容される内視鏡収容部を備えるトレーとを説明する図、図3は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に非対応な内視鏡と、この内視鏡が収容される内視鏡収容部を備えるトレーとを説明する図、図4は洗浄アダプタの構成を説明する図、図5は内視鏡に設けられるRFIDと、内視鏡洗浄消毒装置本体に設けられるRFIDリーダとの関係を説明する図、図6は内視鏡洗浄消毒装置本体に備えられた内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を説明する図、図7は図3に示した内視鏡を図3に示すトレーの内視鏡収容部に収容した状態を示す図、図8は内視鏡洗浄消毒装置本体の洗浄槽に図3に示した内視鏡を収容したトレーを配設した状態を説明する図である。
図1に示す内視鏡洗浄消毒装置1は、使用済みの内視鏡20等を洗浄、消毒するための装置であり、内視鏡洗浄消毒装置本体(以下、装置本体と略記する)2とトップカバー3とを備えて構成されている。装置本体2は、内視鏡20を洗浄するための洗浄槽4を備えている。トップカバー3は、例えば図示しない蝶番を介して装置本体2に開閉自在に設けられている。洗浄槽4の開口は、トップカバー3によって閉塞される構成である。装置本体2の洗浄槽4内には内視鏡20等を収容したトレー10が着脱自在に配設される。内視鏡洗浄消毒装置1、トレー10、及び内視鏡20で内視鏡洗浄消毒システムが構成されている。
図1に示すように、装置本体2の洗浄槽4内の周壁には、内視鏡20が備える各内視鏡管路内に洗浄液、消毒液、すすぎ水、アルコール等の液体またはエア等の気体(以下、流体と称す)を、供給する内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を構成する流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bが設けられている。
本実施形態において流体供給ユニット9aは、内視鏡20が具備する内視鏡管路のうち、送気管路、送水管路、及び前方送水管路の基端に設けられた口金(図2等の符号29参照)にそれぞれ接続される複数のノズル9cを備えている。一方、流体供給ノズル9bは、内視鏡管路のうち、吸引管路を兼ねた処置具挿通管路の基端に設けられた処置具用口金(図2等の符号28参照)に接続される。
本実施形態の流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bは、制御部(図5、図6の符号62参照)から出力される指示信号に基づいて駆動されるアクチュエータ等の駆動装置(図6の符号68、69参照)によってそれぞれ進退移動される。流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bは、前進されたとき、所定の位置に配置されているそれぞれの口金28、29に接続される。流体供給ユニット9aは、前進されたとき、図1に示すように洗浄槽4の周壁から突出してトレー10内に配置される構成である。
図1、図2に示すように内視鏡洗浄消毒装置1で洗浄される内視鏡20は、内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であり、細長な挿入部21と、操作部22とにより主要部が構成されている。操作部22は、挿入部21の基端側に連設され、操作部側部には流体供給ノズル9bが自動で接続される処置具挿通管路用の処置具用口金28が設けられ、操作部基端側部には流体供給ユニット9aの複数のノズル9cがそれぞれ自動で接続される送気管路、送水管路、及び前方送水管路用の口金29が設けられている。
なお、内視鏡検査中において、送気管路の口金、送水管路の口金、前方送水管路の口金には内視鏡20に空気等の気体、或いは水等の液体を供給する送気チューブ(不図示)、送水チューブ(不図示)がそれぞれ接続され、処置具挿通管路の処置具用口金28には吸引チューブ(不図示)が接続されるようになっている。
内視鏡20は、口腔から挿入されるタイプ、鼻腔から挿入されるタイプ、或いは肛門から挿入されるタイプなど、タイプ毎に、挿入部21の長さ寸法、外形寸法、又は操作部22の外形形状等、形態が異なっている。即ち、内視鏡20は、挿入部の長さの違い、操作部の形状の違い等によって内視鏡20A、20B、20C…のように複数種類になる。なお、操作部の外形形状は、術者の手の大きさの違い、或いは内視鏡管路の数量等によって変化する。
内視鏡20が収容されるトレー10は、内視鏡20を収容するための内視鏡収容部を備えている。トレー10の外形形状は、トレー10が洗浄槽4に対して所定の位置に配設されるように、洗浄槽4の周壁に倣って形成されている。加えて、洗浄槽4の底面には、配置位置を位置決めする図示しない溝が形成されている。この溝には、トレー10の図示しない底面側から突出して設けられた位置決め突起が係入配置されるようになっている。
トレー10は、底面11と壁面12a、12b、12cとを備えて構成されている。壁面12a、12b、12cは、底面11から所定寸法、立設している。壁面12aは、底面11の外側に設けられた外形壁面であり、壁面12bは挿入部収容部13を構成する挿入部収容壁面であり、壁面12cは操作部収容部14を構成する操作部収容壁面である。
操作部収容部14を構成する外形壁面12aの一部にはユニット挿通部15及びノズル挿通部16が形成されている。このことによって、トレー10が洗浄槽4内に所定の状態で配設されたとき、流体供給ユニット9aがユニット挿通部15を介してトレー10の操作部収容部14内への移動が可能になるとともに、流体供給ノズル9bもノズル挿通部16を介してトレー10の操作部収容部14内への移動が可能になる。
トレー10の内視鏡収容部は、前記挿入部収容部13と前記操作部収容部14とで構成されている。挿入部収容部13は、外形壁面12aと挿入部収容壁面12bとによって略円形に形作られている。操作部収容部14は、外形壁面12aと操作部収容壁面12cとによって構成されている。
なお、符号17はその他収容室であり、内視鏡検査で使用されたリユース部品が収容される。また、挿入部収容部13の略中央には、洗浄液、消毒液、すすぎ水、アルコール等の液体が排出される排液口18が設けられている。
図2に示すようにトレー10の挿入部収容部13の底面には複数の挿入部位置決め突起5が設けられ、操作部収容部14の底面11には複数の操作部位置決め突起6及び1つの係入凸部7が設けられている。
挿入部収容部13の底面に設けられる複数の挿入部位置決め突起5は、挿入部21の配置位置を位置決めするためのものであり、挿入部21の径寸法を考慮して配設されている。そして、径寸法が同じ寸法の挿入部21であれば、トレー10の挿入部収容部13に設けられている複数の挿入部位置決め突起5に沿わせて挿入部21を長さ寸法に関わらず、図1に示すように巻回して収容することが可能である。このとき、挿入部21の長さ寸法の違いによって、巻回数と、挿入部先端の配置位置とが変化する。
一方、トレー10の操作部収容部14の底面11には複数の操作部位置決め突起6が設けられている。複数の操作部位置決め突起6は、操作部22の外形形状及び配置位置を考量して配設されている。また、操作部収容部14の底面に設けられる係入凸部7は、操作部22に設けられている切り欠き孔24の位置を考慮して形成されている。操作部22は、操作部22の切り欠き孔24を係入凸部7に係入させた状態で、操作部位置決め突起6内に収容されるようになっている。
なお、トレー10は、収容する内視鏡20A、20B、20C…の種類により内視鏡収容部の突起5、6、係入凸部7の位置等が異なる。したがって、トレー10も、内視鏡20A、20B、20C…の種類の違いによってトレー10A、10B、10C…のように複数の種類になる。
図3に示す内視鏡30は、主要部が挿入部21及び操作部22で構成された内視鏡20とは異なり、挿入部31、操作部32及びユニバーサルコード33により主要部が構成されている。この内視鏡30は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に非対応な内視鏡30である。内視鏡30と前記内視鏡20との違いを明確にするため、内視鏡30をコード付き内視鏡30と記載する。
図2の内視鏡20の挿入部21と図3のコード付き内視鏡30の挿入部31とは例えば径寸法及び長さ寸法が同寸法である。しかし、操作部22の外形形状と操作部32の外形形状とは全く異なっている。加えて、コード付き内視鏡30は、ユニバーサルコード33を備えている。
コード付き内視鏡30の操作部32には湾曲操作ノブ34が設けられ、その湾曲操作ノブ34の近傍には送気送水シリンダ35、吸引シリンダ36が設けられている。また、操作部32の挿入部側には処置具用口金37が設けられている。
送気送水シリンダ35には、操作部32内において、挿入部31内を挿通する挿入部側送気管路及び挿入部側送水管路と、ユニバーサルコード33内を挿通するコード側送気管路及びコード側送水管路とがそれぞれ連通している。
一方、吸引シリンダ36には、操作部32内において、挿入部31内を挿通する処置具挿通管路を兼ねる挿入部側吸引管路と、ユニバーサルコード33内を挿通するユニバーサルコード側吸引管路とがそれぞれ連通している。
そして、挿入部側吸引管路の中途部には処置具用口金37から延出された処置具チャンネル管路が連通している。
符号38は内視鏡コネクタであり、ユニバーサルコード33の基端に設けられている。
コード付き内視鏡30も内視鏡20と同様に、口腔から挿入されるタイプ、鼻腔から挿入されるタイプ、或いは肛門から挿入されるタイプなど、タイプ毎に、挿入部31の長さ寸法、外形寸法、又は操作部32の外形形状等、形態が異なっている。即ち、コード付き内視鏡30も、挿入部の径寸法、長さの違い、操作部の形状の違い等によってコード付き内視鏡30A、30B、30C…のように複数種類になる。
コード付き内視鏡30が収容されるコード付き内視鏡用トレー(以下、コード付き用トレーと略記する)40は、コード付き内視鏡30を収容するための内視鏡収容部を備えている。コード付き用トレー40の外形形状は、トレー10と同形状であって、洗浄槽4に対して所定の位置に配設されるように形成されている。
コード付き用トレー40は、底面11と、外形壁面12a、挿入部収容壁面12b及び操作部収容壁面12cとを備えて構成されている。操作部収容部41を構成する外形壁面12aの一部には後述する洗浄アダプタ50を配設するためのアダプタ配設凹部42が形成されている。
コード付き用トレー40の内視鏡収容部は、前記挿入部収容部13と操作部収容部41と内視鏡コネクタ収容部43とで構成されている。操作部収容部41は、外形壁面12aと操作部収容壁面12cとによって構成されている。
なお、内視鏡コネクタ収容部43には、内視鏡検査で使用され、シリンダ35、36から取り外された送気送水ボタン、吸引ボタンも収容される。
図3に示すようにコード付き用トレー40の挿入部収容部13の底面には複数の挿入部位置決め突起5が設けられ、操作部収容部41の底面11には操作部32の配置位置を略設定する複数の操作部配置用突起8が設けられている。
挿入部収容部13の底面に設けられる複数の挿入部位置決め突起5は、挿入部31の配置位置を位置決めするためのものであり、挿入部31の径寸法を考慮して配設されている。そして、径寸法が同じ寸法の挿入部であれば長さ寸法に関わらず、コード付き用トレー40の挿入部収容部13に設けられている複数の挿入部位置決め突起5に沿わせて挿入部31を図7に示すように巻回して収容することが可能である。このとき、挿入部31の長さ寸法の違いによって、巻回数と、挿入部先端の配置位置とが変化する。
なお、符号44はユニバーサルコード用切り欠きであり、符号42aは接続チューブ用切り欠きである。また、コード付き用トレー40は、収容されるコード付き内視鏡30A、30B、30C…の種類により挿入部収容部13が変化する。したがって、コード付き用トレー40は、コード付き内視鏡30A、30B、30C…の種類の違いによってコード付き用トレー40A、40B、40Cのように複数種類になる。
図3、図4に示すように洗浄アダプタ50は、アダプタ本体51と、複数の接続チューブ52とによって主に構成されている。アダプタ本体51の一側面には口金53が複数設けられている。これら複数の口金53は、内視鏡20の操作部22の基端側端部に設けられた送気管路、送水管路、及び前方送水管路用の口金29と同形状で同位置に設けられている。接続チューブ52は、アダプタ本体51の他面側に設けられている図示しない口金に連通して固定されている。
アダプタ本体51には、他面側に設けられている図示しない口金と口金53とをそれぞれ連通する流体孔を備えている。第1接続チューブ52aの端部には連結部54aが設けられ、この連結部54aは例えば処置具用口金37に配設される。第2接続チューブ52bの端部には連結部54bが設けられ、この連結部54bは例えば送気送水シリンダ35に配設される。第3接続チューブ52cの端部には連結部54cが設けられ、この連結部54cは例えば吸引シリンダ36に配設される。第4接続チューブ52dの端部には連結部54dが設けられ、この連結部54dは例えば漏水検知用口金(不図示)に接続される。
図5に示すようにトレー10及びコード付き用トレー40に収容される内視鏡20、30には、それぞれ判別手段の送信デバイスとして、例えばRFID19、RFID39が備えられている。
内視鏡20に備えられたRFID19には、内視鏡20が流体供給ノズル9bに対応する口金28及び流体供給ユニット9aの複数のノズル9cに対応する複数の口金29を備えていること、及び挿入部21の径寸法、長さ寸法の情報等が記憶されている。一方、コード付き内視鏡30に備えられたRFID39には、コード付き内視鏡30が流体供給ノズル9b及び流体供給ユニット9aに対応していないこと、及び挿入部21の径寸法、長さ寸法の情報等が記憶されている。
装置本体2の洗浄槽4の底部所定位置には、判別手段の受信デバイスとして、例えばRFIDリーダ61が備えられている。RFIDリーダ61は、RFID19、39が所定距離に近接されると、このRFID19、39に記憶されている情報を読み取り、読み取った情報を装置本体2に設けられた制御部62に出力する。
図6に示すように装置本体2には管路内自動洗浄消毒流路を構成するポンプ63、第1切替弁64、流体供給路65、この流体供給路65の中途に設けられた供給ノズル切替弁(以下、第2切替弁と記載する)66が設けられている。第2切替弁66は、制御部62から出力される制御信号によって、流体供給路65に供給された流体を流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9b側に供給する状態と、流体供給ユニット9a側のみに供給する状態とに切り替えられる構成になっている。制御部62は、ポンプ63の出力制御、切替弁64、66の切替制御を行う。そして、制御部62には流量センサ67から出力される検知信号が入力される。
また、制御部62は、洗浄槽4に配設された例えば内視鏡20の操作部22に設けられている口金29、28に流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bを着脱するに進退させる第1駆動装置68、第2駆動装置69の制御を行う。そして、制御部62には第1検知センサ70a、第2検知センサ70bから出力される検知信号が入力される。
具体的に、第1検知センサ70aからの検知信号は、流体供給ユニット9aの複数のノズル9cが複数の口金29に接続されたとき、又は流体供給ユニット9aの複数のノズル9cが洗浄アダプタ50の複数の口金53に接続されたとき制御部62に出力される。第2検知センサ70bからの検知信号は、流体供給ノズル9bが口金28に接続されたとき、制御部62に出力される。
そして、制御部62にRFID19からの情報が入力されると、制御部62は制御信号を出力して、第2切替弁66においては流体供給路65に供給された流体を流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9b側に供給可能な状態にする制御、ポンプ63を内視鏡20の内視鏡管路を洗浄するのに最適な出力に切り替える制御、流体供給ユニット9aを移動させるアクチュエータの制御及び流体供給ノズル9bを移動させるアクチュエータの制御を行う。
一方、制御部62にRFID39からの情報が入力されると、制御部62は制御信号を出力して、第2切替弁66においては流体供給路65に供給された流体を流体供給ユニット9a側に供給可能な状態に切り替える制御、ポンプ63をコード付き内視鏡30の内視鏡管路を洗浄するのに最適な出力に切り替える制御、流体供給ユニット9aを移動させるアクチュエータの制御及び流体供給ノズル9bを停止状態で保持する制御を行う。
上述のように構成した内視鏡洗浄消毒システムの作用を説明する。
内視鏡洗浄消毒装置1で内視鏡20を洗浄消毒する場合と、コード付き内視鏡30を洗浄消毒する場合とについて説明する。
まず、内視鏡20をトレー10に収容して、内視鏡洗浄消毒装置1で内視鏡20を洗浄消毒する場合について説明する。
ユーザは、使用済みの内視鏡20をトレー10に収容する。このとき、ユーザは、内視鏡20の挿入部21を、挿入部位置決め突起5に沿わせて挿入部収容部13内に所定の巻回状態で収容する。また、内視鏡20の操作部22の切り欠き孔24を係入凸部7に係入させて、操作部22を操作部収容部14に設けられた操作部位置決め突起6内に配置する。
次に、ユーザは、内視鏡20が内視鏡収容部に収容されたトレー10を、図1に示すように装置本体2の洗浄槽4内に配設し、トップカバー3を閉状態にする。
トレー10が洗浄槽4内に配設されると、上述したようにRFIDリーダ61近傍に内視鏡20の備えるRFID19が配置されて、RFID19に記憶されている情報がRFIDリーダ61によって読み取られ、その情報がRFIDリーダ61から制御部62に出力される。
次いで、ユーザは、装置本体2に備えられている図示しない操作パネルにあるスタートスイッチを操作する。すると、装置本体2は、規定のプログラムにしたがって、洗浄工程、濯ぎ工程を開始する。
具体的に、スタートスイッチが押されると、装置本体2の制御部62は、流体供給ユニット9aの複数のノズル9cを複数の口金29に装着するために図示しないソレノイドを駆動させると共に、流体供給ノズル9bを口金28に装着するために図示しないソレノイドを駆動させる。また、制御部62は、第2切替弁66を切り替えてタンクから流体供給路65に供給される洗浄液等が流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9b側に供給されるようにするとともに、ポンプ63の出力を内視鏡20用に調整する。
そして、流体供給ユニット9aのノズル9cが口金29に接続され、流体供給ノズル9bが口金28に接続される。すると、検知センサ70a、70bから検知信号が出力され、その検知信号が制御部62に入力される。ここで、制御部62は、流体供給ユニット9aのノズル9cが口金29に装着されたこと、及び流体供給ノズル9bが口金28に装着されたことを確認して、洗浄を開始する。
すなわち、洗浄槽4内に洗浄液が送液されるとともに、洗浄液が流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bに送液される。
洗浄槽4に送液される洗浄液によって、内視鏡20の外表面が洗浄され、流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bから送液された洗浄液によって、内視鏡20の各種管路内が洗浄される。
次に、コード付き内視鏡30をコード付き用トレー40に収容して、内視鏡洗浄消毒装置1でコード付き内視鏡30を洗浄消毒する場合について説明する。
ユーザは、図7に示すように使用済みのコード付き内視鏡30をコード付き用トレー40に収容する。このとき、ユーザは、コード付き内視鏡30の挿入部31を、挿入部位置決め突起5に沿わせて挿入部収容部13内に所定の巻回状態で収容する。また、コード付き内視鏡30の操作部32を操作部収容部41に設けられた操作部位置決め突起6内に配置する。さらに、ユニバーサルコード33を挿入部31が巻回されている挿入部収容部13内に所定の巻回状態で収納した後、ユニバーサルコード33の基端部をユニバーサルコード付き用切り欠き44に挿入して内視鏡コネクタ38を内視鏡コネクタ収容部43に収容する。
次に、ユーザは、洗浄アダプタ50をアダプタ配設凹部42に配設する。このとき、ユーザは、手作業で洗浄アダプタ50に設けられている第1接続チューブ52aの連結部54aを処置具用口金37に接続し、第2接続チューブ52bの連結部54bを送気送水シリンダ35に接続し、第3接続チューブ52cの連結部54cを吸引シリンダ36に接続し、第4接続チューブ52dの連結部54dを漏水検知用口金に接続する。
次いで、ユーザは、コード付き内視鏡30が内視鏡収容部に収容され、洗浄アダプタ50がアダプタ配設凹部42に配設されたコード付き用トレー40を、図8に示すように装置本体2の洗浄槽4内に配設し、トップカバー3を閉状態にする。
コード付き用トレー40が洗浄槽4内に配設されると、上述したように、RFIDリーダ61近傍にコード付き内視鏡30が備えるRFID39が配置されて、RFID39に記憶されている情報がRFIDリーダ61によって読み取られ、その情報がRFIDリーダ61から制御部62に出力される。
次いで、ユーザは、装置本体2に備えられている図示しない操作パネルにあるスタートスイッチを操作する。すると、装置本体2は、規定のプログラムにしたがって、洗浄工程、濯ぎ工程を開始する。
具体的に、スタートスイッチが押されると、装置本体2の制御部62は、流体供給ユニット9aの複数のノズル9cを洗浄アダプタ50が備える複数の口金53に装着するために図示しないソレノイドを駆動させる一方、流体供給ノズル9bを停止状態に保持する制御を行う。また、制御部62は、第2切替弁66を切り替えて流体供給路65に供給された流体が流体供給ユニット9a側にだけ供給されるようにするとともに、ポンプ63の出力をコード付き内視鏡30用に調整する。
そして、流体供給ノズル9bが移動することなく、流体供給ユニット9aだけが移動してノズル9cがそれぞれの口金53に接続される。すると、検知センサ70aから検知信号が出力され、その検知信号が制御部62に入力される。ここで、制御部62は、流体供給ユニット9aのノズル9cが口金53に装着されたことを確認すると、洗浄を開始する。
すなわち、洗浄槽4に洗浄液が送液されるとともに、洗浄液が流体供給ユニット9aに送液される。
このことによって、コード付き内視鏡30の外表面及び流体供給ユニット9aから送液された洗浄液によって、コード付き内視鏡30の各種管路内が洗浄される。
なお、内視鏡洗浄消毒装置1によるコード付き内視鏡30の洗浄消毒を終了した後、洗浄アダプタ50は廃棄される。
このように、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡を収容するトレーの他に、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に非対応のコード付き内視鏡を洗浄消毒の際に収容するコード付き用トレーと洗浄アダプタとを用意する。
そして、使用済みのコード付き内視鏡を洗浄消毒する際、コード付き内視鏡をコード付き用トレーの内視鏡収容部に収容すると共に、内視鏡収容部に収容された内視鏡の送気送水シリンダ、吸引シリンダ、処置具用口金等に洗浄アダプタに設けられている接続チューブの連結部を連結する。加えて、洗浄アダプタのアダプタ本体をアダプタ配設部に配設する。
次に、コード付き内視鏡を内視鏡収容部に収容したコード付き用トレーを内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に配設する。
このことにより、流体供給ユニットのノズルが洗浄アダプタの口金に自動で接続させてコード付き内視鏡の内視鏡管路内の洗浄消毒を内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備えた内視鏡洗浄消毒装置で行うことができる。
また、内視鏡とコード付き内視鏡にRFIDを設け、装置本体の洗浄槽の底部にRFIDを設けたことによって、洗浄槽にトレーが配設されたとき、トレーに収容されている内視鏡を識別して、内視鏡の内視鏡管路、又はコード付き内視鏡の内視鏡管路に供給する流体圧を適宜制御して内視鏡管路内の洗浄消毒を最適な条件で行うことができる。
なお、コード付き内視鏡においては、コード付き内視鏡に新たにRFIDを設ける代わりに、コード付き内視鏡を収容するコード付き用トレーにRFIDを設けるようにしてもよい。
図9乃至図12は本発明の第2実施形態に係り、図9は内視鏡及びコード付き内視鏡を洗浄消毒する内視鏡洗浄消毒装置を説明する図、図10は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構と複数の管路洗浄ポートとを備えた内視鏡洗浄消毒装置本体を説明する図、図11はコード付き内視鏡を内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に配置した状態を説明する図、図12は管路内洗浄ポートと接続チューブと、接続チューブ検知手段との関係を説明する図である。
図9、図10に示すように本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置1Aは、内視鏡20とコード付き内視鏡30とを洗浄消毒可能にするため、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を構成する流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bに加えて、複数の管路内洗浄ポート71〜73と、漏水検知用ポート74とを備えている。各ポート71〜74はコード付き内視鏡供給路65aに連通している。
内視鏡洗浄消毒装置1Aは洗浄槽4を備え、この洗浄槽4に前記トレー10が配設可能である。内視鏡洗浄消毒装置1Aを構成する装置本体2は、洗浄槽4近傍の平坦部4aに例えば3つの管路内洗浄ポート71、72、73と漏水検知用ポート74とを備えている。
本実施形態の装置本体2にはノズル/ポート切替弁64aが備えられている。ノズル/ポート切替弁64aは、制御部62から出力される制御信号によって、タンクから供給される洗浄液或いは消毒液等の流体を流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9bを備える流体供給路65側に供給する状態と、ポート71〜74を備えるコード付き内視鏡供給路65a側に供給する状態とに切り替えられる構成になっている
内視鏡洗浄消毒装置1Aは、各ポート71〜74に接続される接続チューブ75、76と、コード付き内視鏡30が載置される保持網80とを備えている。第1接続チューブ75は、管路内洗浄ポート71、72、73用であり、第2接続チューブ76は漏水検知用である。
保持網80は、例えば、細長な針金部材で形成されている。保持網80には、環状載置部81と、環状載置部81の一部から突出した突出載置部82とで主に構成されている。
図9、図11に示すように保持網80の突出載置部82は、ポート71〜74側に配置される。環状載置部81には、コード付き内視鏡30の操作部32が載置されるとともに、挿入部31及びユニバーサルコード33が巻回されて載置される。ユニバーサルコード33の基端に設けられた内視鏡コネクタ38は突出載置部82に載置される。
保持網80を洗浄槽4の所定位置に配置することにより、保持網80に載置されたコード付き内視鏡30が消毒槽4内の適切な位置にセッティングされる。
なお、突出載置部82には、シリンダ35、36から取り外された送気送水ボタン、吸引ボタンが載置される。
図9に示すように第1接続チューブ75の一端部には前記連結部54a〜54cと同様の連結部78a、78b、78cが設けられている。第2接続チューブ76の端部には前記連結部54dと同様の連結部78dが設けられている。
接続チューブ75、76の他端部にはポート接続部79a、79bが設けられている。第1接続チューブ75のポート接続部79aが接続される管路内洗浄ポート71〜73及び第2接続チューブ76のポート接続部79bが接続される漏水検知用ポート74には図12に示すように接続チューブ検知手段として、リミットスイッチ77を備えている。
例えば、第1管路内洗浄ポート71に第1接続チューブ75のポート接続部79aが所定の状態で接続されると、リミットスイッチ77に備えられている進退スイッチ77aが押し込まれた状態になる。すると、リミットスイッチ77から制御部62に検知信号が出力される。制御部62は、リミットスイッチ77から出力された検知信号が入力されると、ポンプ63、ノズル/ポート切替弁64aを制御する。
具体的に、制御部62は、第1管路内洗浄ポート71のリミットスイッチ77からの検知信号が制御部62に入力されると、コード付き内視鏡30の洗浄を行うと判定して、ノズル/ポート切替弁64aをポート71〜74を備えるコード付き内視鏡供給路65a側に流体が供給される状態に切り替えるとともに、ポンプ63の出力をコード付き内視鏡30用に調整する。また、流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bを停止状態に保持する制御を行う。
なお、制御部62は、第2管路内洗浄ポート72のリミットスイッチ77からの検知信号、或いは第3管路内洗浄ポート73のリミットスイッチ77からの検知信号、或いは漏水検知用ポート74のリミットスイッチ77からの検知信号の何れか1つが制御部62に入力されると、上述した制御を行う。つまり、本実施形態の接続チューブ検知手段は、内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを判別する判別手段を兼ねている。
その他の構成は、前記第1実施形態と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省略する。
本実施形態の内視鏡洗浄消毒装置1Aの作用を説明する。
内視鏡洗浄消毒装置1Aで内視鏡20を洗浄消毒する場合と、コード付き内視鏡30を洗浄消毒する場合とについて説明する。
まず、内視鏡20をトレー10に収容して、内視鏡洗浄消毒装置1Aで内視鏡20を洗浄消毒する場合について説明する。
本実施形態においても、内視鏡20の洗浄消毒は上述した実施形態と同様に自動で行われる。すなわち、使用済みの内視鏡20は、上述の実施形態と同様にユーザによってトレー10に収容される。その後、ユーザは、内視鏡20が収容されたトレー10を装置本体2の洗浄槽4内に配設し、トップカバー3を閉状態にする。
トレー10が洗浄槽4内に配設されると、RFID19に記憶されている情報がRFIDリーダ61によって読み取られ、その情報がRFIDリーダ61から制御部62に出力される。
次に、ユーザは、装置本体2に備えられている図示しない操作パネルにあるスタートスイッチを操作する。すると、装置本体2の制御部62は、流体供給ユニット9aの複数のノズル9cを複数の口金29に装着するために図示しないソレノイドを駆動させると共に、流体供給ノズル9bを口金28に装着するために図示しないソレノイドを駆動させる。また、制御部62は、ノズル/ポート切替弁64aを切り替えてタンクから供給される洗浄液等が流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9b側に供給されるよう切り替えるとともに、ポンプ63の出力を内視鏡20用に調整する。
そして、流体供給ユニット9aのノズル9cが口金29に接続され、流体供給ノズル9bが口金28に接続される。すると、検知センサ70a、70bから検知信号が出力され、その検知信号が制御部62に入力される。ここで、制御部62が、流体供給ユニット9aのノズル9cが口金29に装着されたこと、及び流体供給ノズル9bが口金28に装着されたことを確認すると、洗浄を開始する。
すなわち、洗浄槽4内に洗浄液が送液されるとともに、洗浄液が流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bに送液されて、内視鏡20の外表面及び各種管路内が洗浄される。
次に、コード付き内視鏡30を内視鏡洗浄消毒装置1Aで洗浄消毒する場合について説明する。
ユーザは、図11に示すように使用済みのコード付き内視鏡30を保持網80に載置する。このとき、ユーザは、コード付き内視鏡30の操作部32を環状載置部81に載置し、挿入部31及びユニバーサルコード33を環状載置部81に巻回状態で載置し、内視鏡コネクタ38を突出載置部82に載置する。そして、コード付き内視鏡30が載置された保持網80を装置本体2の洗浄槽4内に配設する。
次に、ユーザは、接続チューブ75、76のポート71〜74への取り付け、及び送気送水シリンダ35、吸引シリンダ36、処置具用口金37、図示しない漏水検知用口金への接続を手作業で行う。
本実施形態においては、図10、図11に示すように例えば、第1接続チューブ75の連結部78aを処置具用口金37に接続してポート接続部79aを第3管路内洗浄ポート73に接続し、第1接続チューブ75の連結部78bを送気送水シリンダ35に接続してポート接続部79aを第2管路内洗浄ポート72に接続し、第1接続チューブ75の連結部78cを吸引シリンダ36に接続してポート接続部79aを第1管路内洗浄ポート71に接続し、第2接続チューブ76の連結部78dを漏水検知用口金に接続してポート接続部79bを漏水検知用ポート74に接続する。
ユーザは、接続チューブ75、76のポート71〜74への取り付け、及びシリンダ35、36、処置具用口金37、漏水検知用口金への接続を完了したならトップカバー3を閉状態にする。
第1接続チューブ75のポート接続部79aを第3管路内洗浄ポート73に接続したこと、第1接続チューブ75のポート接続部79aを第2管路内洗浄ポート72に接続したこと、第1接続チューブ75のポート接続部79aを第1管路内洗浄ポート71に接続したこと、及び第2接続チューブ76のポート接続部79bを漏水検知用ポート74に接続したことによって、各ポート71〜74に設けられているリミットスイッチ77から制御部62に検知信号が出力される。
次いで、ユーザは、装置本体2に備えられている図示しない操作パネルにあるスタートスイッチを操作する。すると、装置本体2の制御部62は、ノズル/ポート切替弁64aを切り替えてタンクから供給される洗浄液等が、ポート71〜74を備えるコード付き内視鏡供給路65a側に供給されるよう切り替えるとともに、ポンプ63の出力をコード付き内視鏡30用に調整して洗浄を開始する。すると、洗浄槽4に洗浄液が送液されるとともに、洗浄液がポート71〜74側に送液されて、コード付き内視鏡30の外表面及び各種管路内が洗浄される。このとき、流体供給ユニット9a及び流体供給ノズル9bは、制御部62によって停止状態に保持される。
なお、内視鏡洗浄消毒装置1Aによるコード付き内視鏡30の洗浄消毒を終了した後、接続チューブ75、76は廃棄される。
このように、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備える装置本体に、内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に非対応のコード付き内視鏡が備える内視鏡管路を洗浄消毒するための各種ポートを設ける。そして、使用済みのコード付き内視鏡を洗浄消毒する際、コード付き内視鏡を保持網に載置して洗浄槽内に配設すると共に、洗浄槽に配設された内視鏡の送気送水シリンダ、吸引シリンダ、処置具用口金等と各種ポートとを接続チューブで連結する。
このことにより、コード付き内視鏡の外表面及び内視鏡管路内の洗浄消毒を内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備えた内視鏡洗浄消毒装置で行うことができる。
なお、前記実施形態においては、接続チューブ検知手段を、リミットスイッチ77としている。しかし、接続チューブ検知手段はリミットスイッチ77に限定されるものではなく、図13に示す光センサ、又は磁気センサ、或いは図14に示すRFIDとRFIDリーダとであってもよい。
図13は接続チューブ検知手段の他の構成を説明する図であり、本実施形態の接続チューブ検知手段は、磁気センサ77Bであり、ポート接続部79aに設けられた例えば磁石77cの磁力を磁気センサ77Dが検知したとき、制御部62に検知信号を出力する。なお、ポート接続部79aに磁石77cの代わりにコイルを設けるようにしてもよい。
本実施形態においては、平坦部4aに貫通孔を開けることなく、ポートにポート接続部が接続されたか否かを検出することができる。
なお、磁気センサの代わりに光センサを設ける場合には、平坦部4aの所定位置に貫通孔を開け、検出光を貫通孔から出射させる。この構成において、光センサは、貫通孔から出射された検出光の反射光を検知したとき、制御部62に検知信号を出力する。
図14は接続チューブ検知手段の別の構成を説明する図であり、本実施形態の接続チューブ検知手段は、ポート接続部79aに設けられた送信デバイスであるRFID77dと、平坦部4aに設けられた受信デバイスであるRFIDリーダ77eである。
RFIDリーダ77eは、ポート接続部79aのRFID77dが近接配置されたとき、制御部62に検知信号を出力する。本実施形態においても、平坦部4aに貫通孔を開けることなく、ポートにポート接続部が接続されたか否かを検出することができる。
ところで、内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを判別する判別手段を接続チューブ検知手段で兼用する上記第2実施形態においては、ポートの数だけ例えばリミットスイッチを設けなければならない。そのため、装置本体の構成が複雑になると共に、内視鏡洗浄消毒装置が高価になる。
その不具合を解消するため、洗浄槽に配設された内視鏡が、内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを以下に示すように判断するようにしても良い。
内視鏡洗浄消毒装置1Aで内視鏡20を洗浄消毒する場合と、コード付き内視鏡30を洗浄消毒する場合とにおいて、制御部62は流量センサ67が検出する流量から洗浄槽に配設された内視鏡が、内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを判定し、その後、洗浄を行う。
具体的に、ユーザが、装置本体2の洗浄槽4内に内視鏡20又はコード付き内視鏡30を配設した後、トップカバー3を閉状態にして、スタートスイッチを操作する。すると、制御部62は、規定のプログラムを実行する以前に、内視鏡判定プログラムを実行する。図15は内視鏡判定プログラムによって内視鏡を判定するフローチャートである。
内視鏡判定プログラムが実行されると、制御部62は、図15のステップS1に示すようにノズル/ポート切替弁64aに制御信号を出力して、タンクから供給される洗浄液等の流体が、流体供給ユニット9a側及び流体供給ノズル9bを備える流体供給路65側に供給される状態にする。その後、ステップS2に移行してポンプ63の出力を内視鏡20用に調整して洗浄液の送液を行う。
洗浄液の送液が開始されると、ステップS3に示すように流量センサ67によって流量の計測が行われる。そして、流量センサ67から制御部62に計測結果が出力される。
制御部62は、ステップS4に示すように流量センサ67から出力された計測結果と、予め、登録されている設定値とを比較する。設定値は、流体供給路65に供給された洗浄液が流体供給ユニット9aの複数のノズル9c及び流体供給ノズル9bから内視鏡管路内に供給される流量である。
制御部62は、ステップS4において、計測結果と設定値とが近似していた場合にはステップS5に移行して、洗浄槽4に配設された内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であると判定して、内視鏡判定プログラムを終了させて、規定のプログラムによる洗浄を開始する。
一方、ステップS4において、計測結果が設定値に比べて大きい場合には、ステップS6に移行して、洗浄槽4に配設された内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な内視鏡であると判定して、内視鏡判定プログラムを終了させる。その後、制御部62は、ノズル/ポート切替弁64aに制御信号を出力して、タンクから供給される洗浄液等が、ポート71〜74を備えるコード付き内視鏡供給路65a側に供給されるよう切り替えるとともに、ポンプ63の出力をコード付き内視鏡30用に調整し、規定のプログラムによる洗浄を開始する。
なお、流体供給ユニット9aの複数のノズル9c及び流体供給ノズル9bが内視鏡管路の口金に接続されていない場合、内視鏡管路による管路抵抗が無くなるので洗浄液の流量の計測結果が設定値に比べて大きくなる。
また、上述した実施形態においては、ステップS1においてノズル/ポート切替弁64aを流体供給路65側に供給される状態に切り替えるとしているが、ノズル/ポート切替弁64aをコード付き内視鏡供給路65a側にして判定を行うようにしてもよい。この場合、コード付き内視鏡30の管路抵抗が内視鏡20の管路抵抗よりも大きいので、より確実に、洗浄槽4に配設された内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な内視鏡であるか否かの判定を行うことができる。
このように、内視鏡判定プログラムに基づいて、制御部が所定の制御を行うことによって、洗浄槽に配設された内視鏡が内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡であるか否かを判定することができる。
このことによって、装置本体の構成を単純にして、安価な内視鏡洗浄消毒装置を提供することが可能になる。
尚、本発明は、以上述べた実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施可能である。
図1乃至図8は本発明の第1実施形態に係り、図1は内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備える内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に内視鏡を配設した状態の内視鏡洗浄消毒システムを説明する図 内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に対応する内視鏡と、この内視鏡が収容される内視鏡収容部を備えるトレーとを説明する図 内視鏡管路内自動洗浄消毒機構に非対応な内視鏡と、この内視鏡が収容される内視鏡収容部を備えるトレーとを説明する図 洗浄アダプタの構成を説明する図 内視鏡に設けられるRFIDと、内視鏡洗浄消毒装置本体に設けられるRFIDリーダとの関係を説明する図 内視鏡洗浄消毒装置本体に備えられた内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を説明する図 図3に示した内視鏡を図3に示すトレーの内視鏡収容部に収容した状態を示す図 内視鏡洗浄消毒装置本体の洗浄槽に図3に示した内視鏡を収容したトレーを配設した状態を説明する図 図9乃至図12は本発明の第2実施形態に係り、図9は内視鏡及びコード付き内視鏡を洗浄消毒する内視鏡洗浄消毒装置を説明する図 内視鏡管路内自動洗浄消毒機構と複数の管路洗浄ポートとを備えた内視鏡洗浄消毒装置本体を説明する図 コード付き内視鏡を内視鏡洗浄消毒装置の洗浄槽に配置した状態を説明する図 管路内洗浄ポートと接続チューブと、接続チューブ検知手段との関係を説明する図 接続チューブ検知手段の他の構成を説明する図 接続チューブ検知手段の別の構成を説明する図 内視鏡判定プログラムによって内視鏡を判定するフローチャート 内視鏡洗浄消毒装置本体に備えられた内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を説明する図
符号の説明
1…内視鏡洗浄消毒装置 2…装置本体 4…洗浄槽 9a…流体供給ユニット
9b…流体供給ノズル 9c…ノズル 10…トレー 19…RFID
20…内視鏡 21…挿入部 22…操作部 28…処置具用口金 29…口金
30…コード付き内視鏡 31…挿入部 32…操作部
33…ユニバーサルコード 35…送気送水シリンダ 36…吸引シリンダ
37…処置具用口金 38…内視鏡コネクタ 39…RFID
40…コード付き用トレー 42…アダプタ配設凹部 50…洗浄アダプタ
51…アダプタ本体 52…接続チューブ 53…口金
54a、54b、54c、54d…連結部 61…RFIDリーダ 62…制御部

Claims (6)

  1. 挿入部及び操作部により主要部が構成され、該操作部に複数の内視鏡管路用の口金を備える第1の内視鏡を収容して洗浄槽に予め定めた状態で配設される第1のトレーと、
    前記洗浄槽に配設された前記第1のトレーに収容された第1の内視鏡の内視鏡管路の口金に自動で接続される複数のノズルを備える流体供給ユニットを有する内視鏡管路内自動洗浄消毒機構を備える内視鏡洗浄消毒装置本体と、
    前記第1のトレーの外形形状と同形状であって、前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な、挿入部、操作部及びユニバーサルコードにより主要部が構成された第2の内視鏡を収容して、前記洗浄槽に予め定めた状態で配設される第2のトレーと、
    前記洗浄槽に配設された内視鏡が、前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に対応する第1の内視鏡であるか前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な第2の内視鏡であるかを判別する判別手段と、
    前記内視鏡管路自動洗浄消毒機構に非対応な第2の内視鏡の内視鏡管路を当該内視鏡管路自動洗浄消毒機構で洗浄可能にする洗浄アダプタと、
    を具備することを特徴とする内視鏡洗浄消毒装置。
  2. 前記洗浄アダプタは、
    アダプタ本体と、
    前記アダプタ本体の一側面に設けられた複数の第1の口金と、
    前記アダプタ本体の他側面に設けられた複数の第2の口金にそれぞれ連通固定され、前記第2の内視鏡が備える複数の内視鏡管路のそれぞれに対応して配設される連結部を設けた複数の接続チューブと、
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
  3. 前記洗浄アダプタの複数の第1の口金は、前記第1の内視鏡が備える複数の内視鏡管路の口金と同形状で同位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
  4. 前記第2のトレーは、操作部収容部を構成する外形壁面の一部に前記洗浄アダプタを配設するアダプタ配設部を備えることを特徴とする請求項3に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
  5. 前記判別手段は、
    前記第1の内視鏡及び前記第2の内視鏡にそれぞれ設けられ識別情報を記憶した送信デバイスと、
    前記内視鏡洗浄消毒装置本体に設けられ前記送信デバイスにそれぞれ記憶されている情報を読み取る受信デバイスと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
  6. 前記判別手段の前記送信デバイスを、前記第1の内視鏡及び前記第2の内視鏡を収容する第2のトレーにそれぞれ設けたことを特徴とする請求項に記載の内視鏡洗浄消毒装置。
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