JP5164302B2 - 光プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体に露光を行う光プリンタに関し、特に光ヘッドからの露光用の光を検知する受光素子を有する光プリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、光シャッタを透過した光源からの光を用いて感光体上に画像形成を行う光プリンタにおいては、光源からの直接光を用いて光源の光量の補正(キャリブレーション)を行っていた。しかしながら、光源からの光は、光シャッタを透過することによって光量が変化してしまう。また、光源光量の変化と、光シャッタを透過した光の光量の変化は、必ずしも線形なものではなかった。したがって、光源光量の調整だけでは、実際に画像形成に寄与する感光体へ直接照射される光の光量を、うまく調整することができなかった。
【0003】
また、感光体上に画像形成する場合には、感光体上における露光開始位置を正確に定める必要がある。そこで、従来の光プリンタにおいては、感光体の搬送開始位置近傍に、感光体の位置検出用のセンサを設け、そのセンサからの出力信号に基づいて、感光体の搬送開始を検知し、露光開始位置までの時間等を予想して、露光の開始タイミングを計っていた。しかしながら、感光体の搬送が正確に行われない場合には、感光体の露光開始位置への到達時刻が変化し、感光体上の露光開始位置がずれてしまうという欠点があった。また、感光体の搬送開始を検知するために、特別のセンサを設けなければならないため、それだけコストがアップするという問題もあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解消し、正確な感光体の露光位置合わせと、感光体への露光量の調整を行うことを可能とした光プリンタを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係わる光プリンタは、複数の液晶シャッタ素子から構成される少なくとも1列の光シャッタ及び光源を有し、複数の液晶シャッタ素子毎の透過タイミングを制御して光源からの光を感光体上へ照射して画像形成を行う光ヘッドと、感光体を光ヘッドに対して相対的に移動させる移動手段と、光シャッタを透過した光源からの光を検出するための受光素子とを有することを特徴とする。
【0006】
また、受光素子からの検出信号に基づいて、光源の光量調整を行う光量調節手段を有することが好ましい。
さらに、光源は、少なくとも3色の光を発光し、受光素子は、3色ごとの光量を検出することが好ましい。
さらに、感光体は、移動手段による移動方向先端部分及び移動方向後端部分に非感光部を有することが好ましい。
【0007】
さらに、受光素子からの検出信号に基づいて、光シャッタを透過する光が感光体によって遮断されることによる検出信号の変化によって、感光体の先端を検知する検知手段を有することが好ましい。
さらに、移動手段による感光体の移動開始から所定時間以内に感光体の先端を検知しない場合にはエラー信号を発生するエラー信号発生手段を有することが好ましい。
【0008】
さらに、光源はLEDであり、光ヘッドはLEDからの光をライン状にして光シャッタに入射させる光学手段を有し、光シャッタは、液晶シャッタであることが好ましい。
さらに、感光体は、自己現像液を内蔵したインスタントフィルムであることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明に係わる光プリンタに用いられる感光体である、インスタントフィルム100及びインスタントフィルム100が複数枚収納されたフィルムカートリッジ120について説明する。
図1にインスタントフィルム100の外観を示す。インスタントフィルム100は、その一方の先端部に自己現像液を含む現像液パック101を有しており、暗所において、感光面102を露光後、先端部の現像液パック101を絞って、感光面102全体に自己現像液を行き渡らせ、現像が行われる構成になっている。また、図1に示すように、現像液パック101があることから、インスタントフィルム100の先端部分には、感光面102を設けることができない。
【0010】
図2にフィルムカートリッジ120の外観を示す。フィルムカートリッジ120は、大開口部121と小開口部122を有し、小開口部122からは、収納されているインスタントフィルム100の後端部に接触することができるように構成されている。また、フィルムカートリッジ120の両サイドには、エッジ部123及び124が設けられ、図中の下部には、電池127が設けられている。電池127からは電極125及び126を介して電力の供給を行うことができる。さらに、インスタントフィルム100は、小開口部122を利用してフィルムカートリッジ120から取出され、その後現像等のために後述する搬送部220によって搬送される。
【0011】
図3を用いて、本発明に係わる光プリンタ200について説明する。図3は、光プリンタ200の概略中央断面図である。光プリンタ200は、光ヘッド部210、搬送部220、収納部260、及び制御回路600等から構成されている。
光ヘッド部210は、光源である3色(略赤色、略緑色及び略青色)のLEDが並べて近接配置されたLEDユニット211、平面と円柱状のレンズ面を持つトロイドレンズ213、光源から扇状に照射してくる光線217を略平行光束にして反射する放物面鏡212、再びトロイドレンズ213を通過して感光面102上の露光ポイントPでシャープな線状に収束されることとなった光線217を90度下向きに反射する反射鏡214、光源からの光線217を選択的に透過又は遮断するための液晶光シャッタアレイ215、及びマスク部材216を有している。なお、液晶光シャッタアレイ215は、インスタントフィルム100の感光面102上に、640画素×640ラインのカラー潜像を形成することができるように構成されている。また、本実施例では、1画素の縦横の長さは、それぞれ162μmである。なお、潜像形成方法については後述する。
【0012】
搬送部220は、フィルムカートリッジ120が収納された収納部260に隣接して設けられおり、感光体であるインスタントフィルム100を搬送ローラ対221a及び221b、及び現像ローラ対222a及び222bによって矢印Zの方向に搬送し、排出する。インスタントフィルム100は、搬送される間に光ヘッド部210により露光ポイントPにおいてその感光面102が露光されて潜像が形成される。
【0013】
露光ポイントPの位置には、検出センサ500が設けられており、LEDユニット211の各LED発光素子の発光光量調整や、インスタントフィルム100の先端検出を行うことができるように構成されている。また、検出センサ500は、R光受光素子501、G光受光素子502及びB光受光素子503を有している。
【0014】
インスタントフィルム100の搬送方向下流側の先端部には前述した現像液パック101が配置され、現像ローラ対222a及び222bによって現像液パック101が絞られて、現像液パック101から自己現像液がインスタントフィルム100の露光後の感光面102上に、徐々に行き渡るように構成されている。したがって、光プリンタ200から排出されたインスタントフィルム100は、所定の時間経過後に潜像の現像が完了し、カラー画像が発色されることとなる。
【0015】
なお、自己現像液が感光面102と反応することによって、現像が開始されることから、未露光の感光面102に自己現像液が接触しないようにすることが重要である。したがって、後述するように、搬送ローラ対221a及び221bは、その中央部分の径が小さく構成され、搬送ローラ対によっては、現像液パック101が絞られないように構成されている。
【0016】
また、搬送ローラ221aの軸には、ロータリーエンコーダ250が設けられており、ロータリーエンコーダ250から発生されるエンコーダパルスを用いて、光ヘッド210による露光タイミングが取られるように構成されている。
搬送ローラ対221a及び221b、及び現像ローラ対222a及び222bは、モータMによって駆動されるように構成されている。また、モータMの駆動軸にはMロータリーエンコーダ255が設けられており、Mロータリーエンコーダ255から発生されるMエンコーダパルスを用いてモータMの回転制御がなされている。
【0017】
収納部260には、ホルダ261に保持されたフィルムカートリッジ120が収納されるように構成されている。
図4は、ロータリーエンコーダ250を用いて発生したエンコーダパルス(a)、データ転送のタイミング(b)、LEDユニット211へ供給されるLED発光パルス(c)及び液晶シャッタアレイ215へ供給される各液晶シャッタ素子の開閉制御を行うためのLCSパルス(d)〜(f)を示した図である。
【0018】
液晶シャッタアレイ215は、インスタントフィルム100の搬送方向(図3の矢印Z方向)に直行する方向に、それぞれが独立に開閉動作可能な640個の液晶シャッタ素子を1列のみ備えている。各液晶シャッタ素子は、電圧が印加されていない状態(0V)で光を透過し、所定の電圧が印加された状態で光を遮断する、いわゆるノーマリ白タイプの液晶から構成されている。
【0019】
LEDユニット211の各LEDは、RGBが時分割で発光され、各LEDによって発生された露光光束はそれぞれ液晶シャッタアレイ215の液晶シャッタ素子を通過して、感光面102上の別々の位置に所定のピッチ間隔で結像する。
図4(b)に示すように、1つ前のエンコーダパルスに対応して、各液晶シャッタ素子を駆動するための画像データを、液晶シャッアレイ215へ転送しておく。そして、エンコーダパルス(a)に同期して、図4(c)に示すように、LED発光パルスを発生し、R、G、Bの順番を繰り返しながら、予め決められた時間間隔で、LEDユニット211の各LEDを発光させる。さらに、エンコーダパルス(a)に同期して、予め転送されている画像データに基づいたLSCパルスを発生して各液晶シャッタ素子の開閉動作を制御する。
【0020】
ロータリーエンコーダ255は、搬送ローラ211aと同軸上に設けられているため、エンコーダパルスは、インスタントフィルム100の搬送と同期している。したがって、エンコーダパルスと同期してLED発光パルス及びLCSパルスを発生させることによって、搬送ムラによる画質の劣化を防止することができる。
【0021】
図4(d)のLCSパルスは、各色LEDの発光時の全期間中、所定の電圧を印加して、液晶シャッタ素子を閉じる信号である。この場合、インスタントフィルム100の感光面102では現像後、黒色が発色する。図4(e)のLCSパルスは、各色LEDの発光時の半分の期間中、所定の電圧を印加して、液晶シャッタ素子を閉じる信号である。この場合、インスタントフィルム100の感光面102では現像後、灰色が発色する。図4(f)のLCSパルスは、各色LEDの発光時の全期間中、電圧を印加せず、液晶シャッタ素子を開く信号である。この場合、インスタントフィルム100の感光面102では現像後、白色が発色する。このように、液晶光シャッタアレイ215の各液晶シャッタ素子に印加される電圧の印加時間を制御することで、本実施形態では、各色について、64階調を表現することを可能としている。
【0022】
また、各色の露光の終わりには、正負一対のパルスを液晶光シャッタアレイ215の全液晶シャッタ素子に印加して、各液晶シャッタ素子の直前の画像履歴に影響されないような配慮がなされている。さらに、液晶の劣化を防止するために、液晶光シャッタアレイ215に印加される電圧の極性を一回毎に反転させている。なお、液晶光シャッタアレイ215に印加される電圧の極性が変化しても、各液晶シャッタ素子の開閉動作に変化はないもとする。
【0023】
図5は、インスタントフィルム100への潜像形成プロセスを説明するための図である。ここで、インスタントフィルム100は、矢印Zの方向に搬送部220によって所定の搬送速度で搬送されているものとする。また、インスタントフィルム100は、R光に反応して潜像を形成するR層、G光に反応して潜像を形成するG層、及びB光に反応して潜像を形成するB層を有しているものとする。光ヘッド部210によって照射されるR、G、及びBの各光は、図5(a)に示すように、インスタントフィルム100の感光面102上の露光ポイントPに各々幅Wの像を、所定ピッチ間隔で結像する。
【0024】
図5(a)は、R光による露光が開始された時点を示している。
図5(b)は、G光の露光が開始された時点を示している。なお、所定の時間のR光の点灯と、インスタントフィルム100の移動によって、R光によるR層中の区間イの露光が完了している。
図5(c)は、B光の露光が開始された時点を示している。なお、所定の時間のG光の点灯と、インスタントフィルム100の移動によって、G光によるG層中の区間ロの露光が完了している。
【0025】
図5(d)は、再度R光の露光が開始された時点を示している。なお、所定の時間のB光の点灯と、インスタントフィルム100の移動によって、B光によるB層中の区間ハの露光が完了している。
同様に、図5(e)ではR光による区間ニの露光が完了し、図5(f)ではG光による区間ホの露光が完了している。同様の手順を繰り返すことによって、インスタントフィルム100上に潜像が形成される。
【0026】
次に、図6及び7を用いて、本発明に係わる光プリンタ200の詳細構造について説明する。図6は、光プリンタ200の斜視図を示し、図7は、図6の図中上方からみた平面図を示している。
Mは、制御回路600によって、正逆回転されるモータである。モータMは、ギアボックス234を介してギア232を正逆回転させる。230は、搬送ローラ221bと同軸に設けられているギア、231は現像ローラ222aと同軸に設けられているギアである。図に示される様に、ギア232はギア231と、ギア231はギア230と噛み合わされている。モータMの正逆回転により、ギア232及びギア231を介して現像ローラ対222a及び222bが駆動され、さらにギア230を介して搬送ローラ対221a及び221bが駆動されるように構成されている。
【0027】
250は搬送ローラ221aと同軸に設けられたロータリーエンコーダ、251はエンコーダパルス発生手段である。エンコーダパルス発生手段251は、ロータリーエンコーダ250が搬送ローラ221aの回転と同期して回転するのに応じて、エンコーダパルス(図4(a)参照)を発生するように構成されている。なお、インスタントフィルム100の搬送と同期した正確なパルスが発生できれば、他の構成を採用することも可能である。
【0028】
120は前述したフィルムカートリッジであり、125及び126はフィルムカートリッジ120に設けられた電池127の電極である。電極125及び126は、接点607と接続して電力を制御回路600等に供給する。
ホルダ261は、フィルムカートリッジ120を保持しており、筐体201に設けられた軸206a及び206bを中心にして回動することができるように構成されている。ホルダ261の上面には、係止部材262が設けられており、係止部材262の先端部264及び265が筐体201に設けられた突部203a及びbと係合して、ホルダ261を筐体201に係止している。
【0029】
係止部材262は、軸263を中心にして、図7中で半時計回り方向に回転することができ、回転することによって、係止部材262の先端部264及び265と突部203a及びbとの係合が解除されて、ホルダ261が軸206a及びbを中心して回動することができるようになる。また、筐体201には、突部204a及び204bが設けられており、ホルダ261に設けられた係合部材271a及び271bと係合して、ホルダ261が所定の範囲以上に回動しないように構成されている。また、ホルダ261が回動することによって、フィルムカートリッジ120の着脱が容易に行えるように構成されている。
【0030】
突起266は、係止部材262に固定されており、ホルダ261に設けられた板バネ267の先端部と係合している。したがって、係止部材262は、突起266を介して板バネ267から図7中で時計回りの付勢力を受けている。なお、係止部材262は、ホルダ262に設けられたストッパ268によって、図7に示される位置よりも時計回りに回転することができない。ここで、係止部材262が、図7中で、半時計回りに回転すると、板バネ267によって付勢力が働き、係止部材262を時計回りに回転させるような力が働く。したがって、係止部材262の先端部264及び265と突部203a及びbとの係合を解除するために、係止部材262を半時計回り方向に回転させても、板バネ267によって、係止部材262を図7の位置に自動的に復帰させる。
【0031】
300は、取出部材であって、一方の端部に設けられたピックアップ部材400によって、フィルムカートリッジ120からインスタントフィルム100を取出す。取出部材300の他端には、後述するクラッチ機構が設けられている。クラッチ機構は、ギア230の表面に設けられた突部235と協働して、ギア230の正逆回転に応じて、取出部材300を矢印Yの方向に往復移動させる。
【0032】
取出部材300には、開口部320が設けられおり、筐体201の突部202と協働して、取出部材の往復移動を規制している。また取出部材300には、旋回部材350が軸340を中心に回転自在に設けられている。また、取出部材300には、突起330が設けられており、突起330と旋回部材350との間には、バネ340が取付されている。さらに、旋回部材350は、筐体201に設けられた円形の突部205によって規制されながら、旋回できるように構成されている。
【0033】
図8及び図9を用いて、検出センサ500による、インスタントフィルム100の先端部検出等について説明する。図8は、ちょうど取出部材300の爪400が、インスタントフィルム100の後端部に接触した状態を示している。
インスタントフィルム100がセンサ500の位置に到達する充分前から、LEDユニット211の各色LEDを順次発光させ、RGB毎に線状の露光光束217を発生させる。RGB毎の露光光束217をセンサ500の各受光素子501〜503で受光し、受光光量に対応した出力電圧と基準電圧とを比較して、各LEDへの印加電圧を調整し、所望の露光光量が露光ポイントPにおいて得られるように調整する。センサ500のR光受光素子501、G光受光素子502及びB光受光素子503は、図5に示す各色の露光光束の結像位置のずれに合わせて配置されている。なお、結像位置のずれによる影響が少ない場合には、1つの受光素子を用いて各色の露光光束を受光するようにしても良い。
【0034】
露光光束217は、LEDから出射された後、各種光学素子、特に液晶シャッタアレイ215を通過してからインスタントフィルム100上へ照射される。各種光学素子、特に液晶シャッタアレイ215の透明度はゼロではないので、露光光束の光量はある程度減衰し、且つ減衰の仕方は線形なものではない。したがって、LEDのから出射された直後の光の光量を検出してLEDの発光量を調整したのでは、実際の露光光束の光量を正確に定めることができない。そこで、インスタントフィルム100を露光する露光光束の光量を各色のLED毎に調整することとしたものである。なお、光量調整は、インスタントフィルム毎に行っても良いし、フィルムカートリッジが交換される毎に行うようにしても良い。また、光量補正は、後述するプリンタCPU601によって実行される。
【0035】
図8では、ギア231と同軸にギア241が設けられ、現像ローラ222aと同軸に設けられたギア242と噛み合わされている。また、搬送ローラ221aと同軸にギア243が設けられ搬送ローラ221bと同軸に設けられたギア244と噛み合わされている。したがって、モータMによってギア231が回転されると、ギア241及び242を介して搬送ローラ222aが駆動され、合様にギア230、243および244を介して搬送ローラ221bが駆動される。この状態からモータMが正回転すると、ギア232、ギア231及びギア232が矢印の方向に回転し、ギア230に設けられた突部235が回転する。取出部材300に設けられた第2カム320は、ストッパ323によって、回転することができないので、取出部材300は突部235の回転に応じて、インスタントフィルム100の後端部を押し出すように移動する。
【0036】
取出部材300がインスタントフィルム100を押し出し、ちょうどインスタントフィルム100の先端がセンサ500の位置になった状態を図9に示す。各LEDの光量調整後、所定の一色の露光光束217(ここでは、最もインスタントフィルムの搬送方向上流側に収束されるR光による)を発生させ続けておき、インスタントフィルム100の先端によって、露光光束217が遮られたことをR光受光素子501で検知する。インスタントフィルムの先端部には、現像液パック102が備えられているので、その部分には感光面102を設けることができない。したがって、インスタントフィルム100の先端部に露光光束を照射しても画像に大きな影響を及ぼす恐れは少ない。
【0037】
このように、インスタントフィルム100の先端がR光受光素子の位置に到達し、R色のLEDによる露光光束を遮ると、後述するプリンタCPU601は、インスタントフィルム100の先端が、R受光素子501の位置に到達したことを検出することができる。R光受光素子501の位置のインスタントフィルム100の先端が到達してから、インスタントフィルム100の感光面102が露光ポイントPに到達するまでのエンコーダパルスのカウント数等を予め定めておけば、正確な露光タイミングで露光を開始することが可能となる。
【0038】
図10は、光プリンタの制御回路600の概略を示すブロック図である。図10において、601はプリンタCPU、602は第1のDC/DCコンバータ、603は第2のDC/DCコンバータ、604は取出部材300のホームポジションを検出するためのホームセンサ、605はフィルムカートリッジ120の近傍に設けられた温度センサ、606はフィルムカートリッジ120の電池127の電圧を検出するための電圧センサである。また、211はLEDユニット、215は液晶光シャッタアレイ、Mはモータ、256はモータMの駆動軸に設けられているエンコーダ255からMエンコーダパルスを発生するMエンコーダパルス発生手段、251はロータリーエンコーダ250からローラリーエンコーダパルスを発生するエンコーダパルス発生手段である。さらに、検出センサ500のR光受光素子501、G光受光素子502及びB光受光素子503からの出力も、プリンタCPU601へ入力されている。
【0039】
第1のDC/DCコンバータ602は、フィルムカートリッジ120の電池127の電圧をプリンタCPU601の駆動電圧(3V)に変換してプリンタCPU601に印加している。第2のDC/DCコンバータ603は、フィルムカートリッジ120の電池127の電圧を、LEDユニット211、液晶光シャッタアレイ215及びモータMの駆動電圧にそれぞれ変換して、各装置に印加している。なお、第2のDC/DCコンバータ603から各装置への電圧の印加は、プリンタCPU601からの制御信号630によって、制御される。
【0040】
プリンタCPU601は、Mエンコーダパルス発生手段256からのMエンコーダパルスに基づいて、モータMを所定の回転数で回転させるように制御している。また、プリンタCPU601は、ロータリーエンコーダパルス発生手段251からのエンコーダパルスに基づいて、LEDユニット211及び液晶光シャッタアレイ215の制御を行っている(図4参照)。
【0041】
ここで、プリンタCPU601は、前述したように、インスタントフィルム100が露光ポイントPに到達しない段階で、LEDユニット211を制御して各LEDを発光させ、R光受光素子501、G光受光素子502及びB光受光素子503からの出力信号を基準値等と比較することによって、各LEDへの印加電圧を調整して、各色毎に露光光束の光量調整を行う。また、プリンタCPU601は、LEDユニット211を制御して、所定のLEDを発光させ(例えばR)、発光させたLEDに対応した受光素子(例えばR受光素子501)の出力信号を検出して、インスタントフィルム100の先端が、受光素子の配置位置に到達したことを検知して、その後の画像形成の為の露光タイミングを決定する。露光タイミングは、先端が検知されてから、予め定められたエンコーダパルス数を計測して、適切な露光開始のタイミングを得ることが可能となる。
【0042】
上記の説明では、感光体として、インスタントフィルム100を用いたが、これらに限られることなく、コンベンショナルな感光材料(ネガ又はポジフィルム、ネガ又はポジペーパ)等の、様々な感光体を用いることができる。その場合、感光体に応じて、露光プロセスを適宜変更することが望ましい。
【0043】
【発明の効果】
本発明に従えば、感光体に直接露光される露光光束を検出して光源の光量調整を行うことから、より正確に露光光束の光量を調整することが可能となる。
また、感光体の先端を露光光束によって検知して、露光開始タイミングを決定することから、正確に画像形成を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インスタントフィルムの外観を示す図である。
【図2】フィルムカートリッジの外観を示す図である。
【図3】本発明に係わる記録媒体搬送装置の概略断面図である。
【図4】(a)はエンコーダパルスを、(b)はデータ転送のタイミングを、(c)はLED発光パルスを、(d)〜(f)はLSCパルスを示す図である。
【図5】画像プロセスの概要を示す図である。
【図6】本発明に従った、記録媒体搬送装置の斜視図である。
【図7】本発明に従った、記録媒体搬送装置の平面図である。
【図8】インスタントフィルムと検出センサとの関係を説明するための図である。
【図9】インスタントフィルムと検出センサとの関係を説明するための図である。
【図10】制御回路の概略を示すブロック図である。
【符号の説明】
100…インスタントフィルム
120…フィルムカートリッジ
200…記録媒体搬送装置
210…光ヘッド部
211…LED光源
215…液晶光シャッタアレイ
220…搬送部
221a、221b…搬送ローラ
222a、222b…現像ローラ
251…ロータリーエンコーダパルス発生手段
256…Mエンコーダパルス発生手段
260…収納部
261…ホルダ
300…取出部材
400…爪
500…検出センサ
M…モータ

Claims (5)

  1. 複数の液晶シャッタ素子から構成される少なくとも1列の光シャッタ、少なくとも3色の光を発光するLED光源、及び前記LED光源からの光をライン状にして前記光シャッタに入射させる光学手段を有し、前記複数の液晶シャッタ素子毎の透過タイミングを制御して前記LED光源からの光を感光体上へ照射して画像形成を行う光ヘッドと、
    前記感光体を前記光ヘッドに対して相対的に移動させる移動手段と、
    前記光シャッタを透過した前記LED光源からの前記3色ごとの光量を検出するための受光素子と、
    前記受光素子からの検出信号に基づいて、前記LED光源の光量調整を行う光量調節手段と、
    前記受光素子からの検出信号に基づいて、前記光シャッタを透過する光が前記感光体によって遮断されることによる前記検出信号の変化によって、前記感光体の先端を検知する検知手段と、
    を有することを特徴とする光プリンタ。
  2. 前記感光体は、前記移動手段による移動方向先端部分及び移動方向後端部分に非感光部を有する請求項1に記載の光プリンタ。
  3. さらに、前記移動手段による前記感光体の移動開始から所定時間以内に前記感光体の先端を検知しない場合にはエラー信号を発生するエラー信号発生手段を有する請求項1に記載の光プリンタ。
  4. 前記光シャッタは、液晶シャッタである請求項1〜3の何れか一項に記載の光プリンタ。
  5. 前記感光体は、自己現像液を内蔵したインスタントフィルムである請求項1〜4の何れか一項に記載の光プリンタ。
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