JP5163263B2 - 耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブル - Google Patents

耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブル Download PDF

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Description

本発明は、耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルに関する。特に、本発明は、難燃性及び耐放射線性に優れ、原子力発電所等において用いられる耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルに関する。
沸騰水型原子炉(Boiling Water Reactor:BWR)、又は加圧水型原子炉(Pressurized Water Reactor:PWR)等の原子力発電所(原発)において用いられる電線及びケーブル類は、所定の運転条件で稼働される各原子炉の定常運転時に熱及び放射線に曝されると共に、冷却材の喪失事故、火災等が発生した場合にも熱及び放射線に同時に曝される。したがって、原子力発電所において用いられる電線及びケーブル類は、これらの事故を想定して高い難燃性及び耐放射線性が要求される。
従来の電線及びケーブルのシース材料として、ポリクロロプレンゴム(CR)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)等が用いられている。また、シース材料として、塩素化ポリエチレンからなるシース材料が知られている(例えば、特許文献1参照)。更に、塩素含有量が15重量%から30重量%であり、示差走査熱量測定法による結晶残が5cal/gから15cal/gである塩素化ポリエチレン100重量部に対し、安定剤として酸化鉛と二酸化ケイ素との混合物を溶融し冷却粉砕して得られるケイ酸鉛を3重量部から50重量部を配合してなる塩素化ポリエチレンを用いた組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。
CRからなるシース材料は、主としてBWR用(要求耐熱性:121℃×7日、要求耐放射線性:760kGy)に用いられ、CSMからなるシース材料は、主としてPWR用(要求耐熱性:140℃×9日、要求耐放射線性:2MGy)に用いられている。また、特許文献1に記載のシース材料は、熱的特性、機械的特性が要求される溶接用ケーブル、導電ケーブル、導電コードとして用いることができる。更に、特許文献2に記載の塩素化ポリエチレンを用いた組成物は、難燃性が要求される各種の電気機器、電子機器の配線材等に用いることができる。
また、ケーブル被覆材料の評価方法として、ケーブル被覆材料に熱及び放射線を同時に与えることは特殊な装置を要する点で困難であるので、通常、熱劣化後、放射線を照射する手法(逐次劣化法)が用いられている。また、放射線を照射した後、熱劣化させる手法(逆逐次法)も考えられている。
特開平8−64039号公報 特開平4−216843号公報
しかし、CRからなるシース材料は、CSMからなるシース材料よりも耐熱性に劣るので、PWR用のシース材料として用いることができない。また、CRからなるシース材料及びCSMからなるシース材料の耐熱性と耐放射線性とを逆逐次法で評価すると、逐次法で評価した場合に比べて、特性が劣化している評価結果になる知見を本発明者は得た。更に、特許文献1及び特許文献2に記載の塩素化ポリエチレンは、耐放射線性が要求される用途を全く認知しておらず、BWR用のシース材料、又はPWR用のシース材料としてそのまま用いることはできない。
したがって、本発明の目的は、BWR用のシース材料、及びPWR用のシース材料として用いることができると共に、逆逐次法による試験に対応することのできる耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルを提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、架橋されている塩素化ポリエチレンと、塩素化ポリエチレン中に添加される老化防止剤と、加工助剤と、難燃剤とを有する耐放射線性シース材料において、老化防止剤は、アミン系老化防止剤と硫黄系老化防止剤とを含み、塩素化ポリエチレン100重量部に対して1重量部以上含有し、加工助剤は、石油系油、又は芳香環を含む可塑剤であり、塩素化ポリエチレン100重量部に対して10重量部から50重量部含有し、難燃剤は、無機系の難燃剤又は有機系の難燃剤であり、塩素化ポリエチレン100重量部に対して2重量部から30重量部含有し、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で2MGyの照射をし、140℃×9日の熱老化試験を実施した後の伸びが50%以上であることを特徴とする耐放射線性シース材料が提供される。
また、本発明は、上記目的を達成するため、絶縁材料が被覆された導体、又は絶縁材料が被覆された導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に、エチレン単位を主成分として分子鎖に含み、ランダムに側鎖基が分布すると共に架橋している高分子材料と、高分子材料中に添加される老化防止剤と、加工助剤と、難燃剤とを有する耐放射線性シース材料を備える耐放射線性ケーブルが提供される。
また、上記耐放射線性ケーブルは、耐放射線性シース材料を構成する高分子材料が、側鎖基にクロロ基を含む塩素化ポリエチレンであってよく、老化防止剤が、塩素化ポリエチレン100重量部に対して1重量部以上であり、加工助剤が、塩素化ポリエチレン100重量部に対して10重量部から50重量部であり、難燃剤が、塩素化ポリエチレン100重量部に対して2重量部から30重量部であってよい。
また、上記耐放射線性ケーブルは、石油系油、アロマチック系油であってもよい。更に、耐放射線性シース材料は、絶縁材料の酸素指数よりも大きな酸素指数を有していてもよい。
本発明に係る耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルによれば、BWR用のシース材料、及びPWR用のシース材料として用いることができると共に、逆逐次法による試験に対応することのできる耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルを提供できる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態に係る耐放射線性シース材料は、基本骨格としてのエチレン単位を主鎖として分子鎖に含み、基本骨格にランダムに側鎖基が結合すると共に架橋している高分子材料と、当該高分子材料中に添加される老化防止剤と、加工助剤と、難燃剤とを有して形成される。具体的に、第1の実施の形態に係る放射線環境下で使用される耐放射線性シース材料は、高分子材料としての塩素化ポリエチレンに、所定量の老化防止剤と、所定量の加工助剤と、所定量の難燃剤とをそれぞれ添加して形成される。また、第1の実施の形態に係る耐放射線性シース材料は、所定の配合剤を更に添加して形成することができる。
(塩素化ポリエチレン)
第1の実施の形態に係る塩素化ポリエチレンは、以下のようにして形成される。まず、粉末の線状ポリエチレンを準備する。線状ポリエチレンは、低密度のポリエチレン(例えば、910kg/m3から930kg/m3程度)から高密度のポリエチレン(例えば、930kg/m3から970kg/m3程度)を含む。続いて、粉末の線状ポリエチレンを水に懸濁分散させて水性懸濁とする。次に、原料としてのポリエチレンの結晶の融点近傍の温度において、この水性懸濁に塩素ガスを吹き込む。これにより、第1の実施の形態に係る塩素化ポリエチレンが形成される。
形成される塩素化ポリエチレンは、水性懸濁に塩素ガスを吹き込んで塩素ガスとポリエチレンとを反応させる化学反応が不均一系の化学反応であるので、非晶性のゴム状の塩素化ポリエチレンと、半結晶性及び結晶性のプラスチック状の塩素化ポリエチレンとを含む熱可塑性エラストマーとして形成される。第1の実施の形態に係る塩素化ポリエチレンの塩素化度は、25%から45%の塩素化度の塩素化ポリエチレンを用いることができる。ここで、ゴム弾性を有する塩素化ポリエチレンを用いる場合、塩素化度が30%から40%の塩素化ポリエチレンを用いることが好ましい。
塩素化ポリエチレンは、他の塩素系ポリマーとしてのCR及びCSMと比較して、分子鎖中に二重結合が存在せず、分子鎖中の塩素原子、すなわち側鎖基としてのクロロ基の分布がランダムであり、更に分子量が高分子量であることに起因して、熱的に安定であり、耐候性に優れると共に、難燃性が高いという特性を有する。
ここで、CRからなるシース材料、及びCSMからなるシース材料を逆逐次法により評価した場合に、逐次法による評価よりも顕著に劣化していることを示す評価になる理由は、本発明者の検討の結果、以下の理由であるとの知見が得られた。すなわち、CRからなるシース材料、及びCSMからなるシース材料を逆逐次法により評価すると、逆逐次法においては放射線(γ線)をシース材料に照射した後に熱劣化を実施することとなる。その結果、放射線照射によってシース材料中に発生したラジカルが、その後の熱劣化においてシース材料に加えられる熱により活発に動いてラジカルによる脱塩化水素作用が促進される結果となる。
CR及びCSMは、比較的に規則的な分子構造を有しており、分子鎖中の塩素原子(クロロ基)の分布も規則的であるので、ラジカルの脱塩素作用の影響を受けやすい。したがって、CRからなるシース材料、及びCSMからなるシース材料を逆逐次法により評価した場合に、逐次法による評価よりも顕著に劣化する評価になるとの知見を得た。
一方、第1の実施の形態に係る耐放射線性シース材料は、塩素化ポリエチレンを用いている。これは、本発明者が検討した結果、塩素化ポリエチレンが逆逐次法試験における劣化メカニズムに対して有効であり、耐放射線性に極めて優れていることを見出したことによる。
すなわち、塩素化ポリエチレンは、分子鎖中のクロロ基の分布がランダムである。本発明者は、クロロ基のランダムな分布が、塩素化ポリエチレンからなるシース材料に放射線を照射したときに発生するラジカルのシース材料中における移動を抑制することを見出した。これにより、本発明者は、塩素化ポリエチレンを耐放射線性シース材料に採用することにより、逆逐次法による試験に対応すると共に、耐放射線性に極めて優れたシース材料を形成することができるとの知見を得たものである。なお、以下に述べる各種の配合剤により、耐放射線性が更に向上することを、本発明者は確認した。
(老化防止剤)
第1の実施の形態に係る老化防止剤は、耐熱性を保持する機能と耐放射線性を発揮する機能とを耐放射線性シース材料に付与する。老化防止剤は、フェノール系の一次老化防止剤、又はアミン系の一次浄化防止剤とを用いることができる。また、老化防止剤は、硫黄系の二次老化防止剤、又はリン系の二次老化防止剤を用いることもできる。具体的に、第1の実施の形態に係る老化防止剤は、一次老化防止剤と二次老化防止剤とを併用する。より具体的には、第1の実施の形態に係る老化防止剤は、耐熱性及び耐放射線性を向上させることを目的として、アミン系の老化防止剤と硫黄系の老化防止剤とを併用する。
老化防止剤は、塩素化ポリエチレン100重量部に対して、一次老化防止剤と二次老化防止剤との合計を1重量部以上とする。耐放射線性シース材料の製造工程において塩素化ポリエチレンを適切に架橋反応させる共にコストを低減させることを目的として、一次老化防止剤と二次老化防止剤との合計は、塩素化ポリエチレン100重量部に対して、1重量部から15重量部の範囲に設定することが望ましい。
フェノール系の一次老化防止剤には、モノフェノール系、ビスフェノール系、及びポリフェノール系のそれぞれに分類される一次老化防止剤が存在する。モノフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、又はモノ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。また、ビスフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、p−クレゾールとジシクロペンタジエンとのブチル化反応生成物、又はジ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。更に、ポリフェノール系の一次老化防止剤は、例えば、2,5’−ジ−t−ブチルハイドロキノン、2,5’−ジ−t−アミルハイドロキノン、トリ(α−メチルベンジル)等を用いることができる。
アミン系の老化防止剤としては、キノリン系の老化防止剤と、芳香族第二級アミン系の老化防止剤を用いることができる。キノリン系の老化防止剤は、例えば、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、又は6−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチルキノリン等を用いることができる。芳香族第二級アミン系の老化防止剤は、例えば、フェニル−1−ナフチルアミン、アルキル化ジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)ジエニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン、又はN−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン等を用いることができる。
硫黄系の二次老化防止剤には、ベンツイミダゾール系、ジチオカルバミン酸塩系、チオウレア系、及び有機チオ酸系のそれぞれに分類される二次老化防止剤が存在する。ベンツイミダゾール系の二次老化防止剤は、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール、又は2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩等を用いることができる。また、ジチオカルバミン酸塩系の二次老化防止剤は、例えば、ジエチルジチオカルバミン酸ニッケル、又はジブチルジチオカルバミン酸ニッケル等を用いることができる。更に、チオウレア系の二次老化防止剤は、例えば、1,3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−チオ尿素、又はトリブチルチオ尿素等を用いることができる。更に、有機チオ酸系の二次老化防止剤は、チオジプロピオン酸ジラウリル等を用いることができる。
リン系の二次老化防止剤は、亜リン酸系として、例えば、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト等を用いることができる。
なお、アミン系の老化防止剤、フェノール系の老化防止剤、硫黄系の老化防止剤、及び/又はリン系の老化防止剤の中から複数の老化防止剤を選択して混合した老化防止剤の混合品を、第1の実施の形態に係る老化防止剤として用いることもできる。
(加工助剤)
第1の実施の形態に係る加工助剤は、耐放射線性シース材料の混練又は押出時の加工性を安定させる配合剤としての機能と、耐放射線性を有する放射線防御剤(アンチラッド)としての機能とを耐放射線性シース材料に付与する。加工助剤は、例えば、石油系油(すなわち、プロセス油)、又は芳香環(ベンゼン環)を含むエステル系可塑剤を用いることができる。
プロセス油は、例えば、ゴム材料等に添加されるパラフィン系油、アロマチック系油、又はナフテン系油等を用いることができる。エステル系可塑剤は、例えば、ポリ塩化ビニル等に添加されるフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(Dioctyl phthalate:DOP)、フタル酸ジイソノニル(Diisononyl phthalate:DINP)、フタル酸ジイソデシル(Diisodecyl phthalate:DIDP)、又はトリメリット酸トリ−2−エチルヘキシル(Trioctyl trimellitate):TOTM)等の芳香環を分子中に有した可塑剤を用いることができる。
ここで、ベンゼン環化合物を多く含む化合物は耐放射線性に優れているので、第1の実施の形態に係る加工助剤として用いるのが好ましく、例えば、アロマチック系油を加工助剤として用いることができる。なお、加工助剤は、プロセス油又はエステル系可塑剤のいずれかを単独で用いるか、若しくは、プロセス油及び/又はエステル系可塑剤の中から複数の化合物を選択して混合した混合物を用いることができる。
なお、加工性の確保、及びアンチラッドとしての効果を耐放射線性シース材料に付与することを目的として、加工助剤の添加量は、塩素化ポリエチレン100重量部に対して10重量部以上とする。また、加工助剤の添加量を、塩素化ポリエチレン100重量部に対して50重量部を超える添加量とすると、ブリードが発生し易くなり、機械的特性が低下すると共に、アンチラッドとしての効果が飽和する。よって、加工助剤は、塩素化ポリエチレン100重量部に対して、10重量部から50重量部の範囲で耐放射線性シース材料に添加する。
(難燃剤)
難燃剤は、無機系の難燃剤又は有機系の難燃剤を用いることができる。無機系の難燃剤は、三酸化アンチモン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸亜鉛、又はリン系化合物等を用いることができる。また、有機系の難燃剤は、塩素系、臭素系等のハロゲン系有機難燃剤を用いることができる。
例えば、塩素系の難燃剤は、塩素化パラフィン、又はパークロロシクロペンタデカン(商品名:デクロランプラス)を用いることができる。一方、臭素系の難燃剤は、例えば、ペンタブロモエチルベンゼン、ヘキサブロモベンゼン、テトラブロモ無水フタル酸、エチレンビステトラブロモフタルイミド、エチレン−(5,6−ジブロモノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド)、ジブロモエチルジブロモシクロヘキサン、エチレンビス(ペンタブロモベンゼン)等を用いることができる。
難燃剤は、無機系の難燃剤又は有機系の難燃剤のいずれかを単独で用いるか、若しくは、無機系の難燃剤及び/又は有機系の難燃剤の中から複数の難燃剤を選択して混合した混合物を用いることができる。難燃剤は、難燃性の効果を発揮すると共に難燃性の効果が飽和せず、機械的特性の低下を来さない範囲で耐放射線性シース材料に添加される。具体的に、難燃剤は、塩素化ポリエチレン100重量部に対して、2重量部から30重量部の範囲で耐放射線性シース材料に添加する。
また、耐放射線性シース材料に更に添加することのできる所定の配合剤は、架橋助剤及び安定剤等である。以下、詳細を説明する。
(架橋助剤)
塩素化ポリエチレンの架橋方法は、チオ尿素類による架橋、アミン類による架橋、又はパーオキサイドによる架橋等を採用することができる。ここで、第1の実施の形態においては、貯蔵性、引張強さ、及び耐熱性等の観点からジクミルパーオキサイド(Di−Cumyl peroxide:DCP)等のパーオキサイドによる架橋が好ましい。そして、パーオキサイドによる架橋反応を実施するときに、架橋反応時において発生する重合体のラジカル切断を抑制して架橋効率を向上させる作用を有する架橋助剤を併用することが望ましい。
架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート(Triallyl cyanurate:TAC)、トリアリルイソシアヌレート(Triallyl isocyanurate:TAIC)、又はトリメチロールプロパントリメタクリレート(Trimethylolpropane triacrylate:TMPT)等の多官能モノマーを用いることができる。
(安定剤)
安定剤は、シース材料の成形加工時における熱履歴による分解反応を抑制すると共に、耐放射線性シース材料を使用する際における熱劣化及び放射線劣化を抑制する。安定剤は、金属石鹸、鉛系化合物、有機スズ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、又はハイドロタルサイト系化合物及び金属石鹸を含む非鉛安定剤としての複合安定剤を用いることができる。なお、環境に配慮する場合、安定剤は、金属石鹸、有機スズ系化合物、ハイドロタルサイト系化合物、又はハイドロタルサイト系化合物及び金属石鹸を含む非鉛安定剤としての複合安定剤を用いることが好ましい。
金属石鹸は、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、又はラウリン酸亜鉛等を用いることができる。
鉛系化合物は、三塩基性硫酸鉛、三塩基性亜硫酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、又は、二塩基性マレイン酸鉛等を用いることができる。有機スズ系化合物は、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレート、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズマレート、又はジオクチルスズジマレート等を用いることができる。
ハイドロタルサイト系化合物は、マグネシウム、アルミニウム等の金属イオンを含む天然に産出するハイドロタルサイト、又は2価の金属塩及び3価の金属塩を含む水溶液とアルカリ性溶液との混合による共沈法等により合成される合成品としてのハイドロタルサイトを用いることができる。更に、亜鉛等の金属イオンを添加して合成されるハイドロタルサイトを用いることができる。
(その他の配合剤等)
例えば、ゴム材料の合成等において用いられる滑剤、充填剤、着色剤等を更に配合剤として用いることができる。なお、塩素化ポリエチレンの架橋方法、塩素化ポリエチレンに所定の配合剤を物理的に混合する混練技術、及びシース材料を所定形状に形成する押出技術等は通常の方法を採用することができる。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態に係る耐放射線性シース材料は、塩素化ポリエチレンを基本骨格に有したポリマーからシース材料を形成したので、BWR用及びPWR用のケーブルのシース材料として適用することができると共に、逆逐次法試験にも対応させることができる。更に、CRからなるシース材料と同等以上の特性を有すると共に、CSMからなるシース材料より安価なシース材料を提供することができる。
[第2の実施の形態]
図1は、本発明の第2の実施の形態に係る耐放射線性ケーブルの断面の概要を示す。
第2の実施の形態に係る耐放射線性ケーブル1は、銅又は銅合金等の導電性材料から形成される導体10と、導体10を被覆する絶縁材料としての絶縁体15と、絶縁体15の外側から導体10を被覆するシース20とを備える。耐放射線性ケーブル1は、導体10を1本又は複数本備える。耐放射線性ケーブル1が複数本の導体10を備える場合、複数本の導体10は撚り合わされて撚合わせ絶縁電線(コア)を構成して、この撚合わせ絶縁電線(コア)の外周に沿って(外周を被覆して)、シース20が形成される。
絶縁体15を形成するベースポリマは、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・メチルアクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、天然ゴム、エチレン・プロピレンゴム、ブチルゴム、クロロスルフォン化ポリエチレン、又は塩素化ポリエチレン等を用いることができる。また、絶縁体15は、これらのポリマーから選択される2種類以上のポリマーからなるポリマブレンドから形成することもできる。
第2の実施の形態に係る耐放射線性ケーブル1の製造方法は、例えば、以下の通りである。すなわち、まず、絶縁体15が被覆された導体10(絶縁電線)を複数本準備する。次に、準備した複数本の絶縁電線を撚り合わせて撚合わせ絶縁電線(コア)とする。続いて、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に耐放射線性シース材料用のコンパウンドを押し出して被覆する。その後、撚合わせ絶縁電線(コア)を被覆したコンパウンドに架橋処理(例えば、所定温度の高圧蒸気による処理)を施すことにより、コンパウンドをシース材料としてのシース20とする。これにより、第2の実施の形態に係る耐放射線性ケーブル1が得られる。なお、絶縁電線を1本だけ用いる場合、1本の絶縁電線の周囲にコンパウンドを押し出し被覆して、その後の工程は第2の実施の形態に係る耐放射線性ケーブル1と同様の工程を経ることにより、被覆導体が1本の耐放射線性絶縁電線が得られる。
表1は、本発明の実施例に係るシース材料を形成する化合物の配合と、比較例に係るシース材料を形成する化合物の配合とを示す。
Figure 0005163263
なお、実施例1から実施例6及び比較例3から比較例7においては、高分子材料として塩素化ポリエチレンを用い、塩素化ポリエチレンは、タイリン(登録商標)CM566(Dow Chemical社製、塩素化度:36%)を用いた。一方、比較例1においては、高分子材料としてポリクロロプレン(ショウプレンW(登録商標)、昭和電工社製)を用い、比較例2においては、高分子材料としてクロロスルフォン化ポリエチレン(ハイパロン40(登録商標)、デュポンエラストマー社製)を用いた。
また、架橋剤としてはDCP及びTAICを用いた。また、比較例1においては、加硫促進剤として、テトラメチルチラウムモノスルフィド(促進剤TS)を用い、比較例2においては、加硫促進剤として、ジペンタメチレンチラウムテトラスルフィド(促進剤TRA)及びジベンゾチアゾリルジスルフィド(促進剤DM)を用いた。
また、加工助剤としてのアロマチック系油は、ダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産製)を用いた。更に、老化防止剤として、アミン系の老化防止剤であるVulkanox(登録商標) DDA(Bayer製)と、硫黄系の老化防止剤であるノクラックNBC(大内新興製)とを用いた。また、難燃剤の1つとして、炭酸カルシウム(ソフトン1200(登録商標)、備北粉化工業製)を用いた。
また、表2は、本発明の実施例及び比較例に係る導体を被覆する絶縁体を構成する化合物の配合比を示す。
Figure 0005163263
絶縁体15を形成する高分子絶縁材料として、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM、EPT3045、三井化学製)を用い、アミン系の老化防止剤として、Vulkanox(登録商標) DDA(Bayer製)を用いた。また、加工助剤としてのアロマチック系油は、ダイアナプロセスオイルAH−16(出光興産製)を用いた。更に、タルクとして、ハイフィラー#16(土屋カオリン製)を用いると共に、臭素系の難燃剤として、サイテックス8010(アルベマール浅野製)を用いた。
(耐放射線性シース材料及び耐放射線性ケーブルの製造)
本実施例及び比較例に係る耐放射線性シース材料用のコンパウンドは、以下のようにして製造した。まず、表1に示す各化合物を実施例及び比較例毎に秤量した。次に、実施例及び比較例毎に、架橋剤としてのDCPを除く各化合物を、No.3バンバリーミキサーを用いて混練してペレット状のコンパウンドを得た(例えば、実施例1に係るコンパウンド、実施例2に係るコンパウンド等)。続いて、約60℃に保持したブレンダ中において、得られたペレット状のコンパウンドにDCPを含浸させた(比較例1及び比較例2を除く)。これにより、実施例及び比較例に係る耐放射線性シース材料用のコンパウンドをそれぞれ製造した(例えば、実施例1に係る耐放射線性シース材料用のコンパウンド、実施例2に係る耐放射線性シース材料用のコンパウンド等)。
また、難燃EPゴム絶縁線心を用意した。難燃EPゴム絶縁線心は、断面積が3.5mm2の導体の表面に、表2に示す配合比で配合して得られた絶縁材料を押し出し被覆した後、約190℃の高圧蒸気で被覆した絶縁材料を架橋して製造した。難燃EPゴム絶縁線心の絶縁体15の酸素指数は26.0であった。なお、実施例及び比較例の全てにおいて、用いた難燃EPゴム絶縁線心は同一である。
そして、3本の難燃EPゴム絶縁線心を撚り合わせて撚合わせ絶縁電線(コア)を製造した。続いて、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に、90mm押出機を用いて、製造した耐放射線性シース材料用のコンパウンドを押し出し被覆した。すなわち、実施例及び比較例のそれぞれ毎に、撚合わせ絶縁電線(コア)の表面にコンパウンドを被覆した(例えば、実施例1に係る耐放射線性シース材料用のコンパウンドを撚合わせ絶縁電線(コア)の表面に被覆した。)。
続いて、耐放射線性シース材料用のコンパウンドを押し出し被覆した撚合わせ絶縁電線(コア)の表面に、約190℃の加圧蒸気を接触させることによりコンパウンドを架橋させた。これにより、撚合わせ絶縁電線(コア)の周囲に耐放射線性シース材料からなるシースが形成され、実施例及び比較例のそれぞれ毎に、外径17.5mmの耐放射線性ケーブルが得られた。
(耐放射線性ケーブルの特性試験)
次に、得られた耐放射線性ケーブルに対して、以下に示す各項目についての試験を実施して評価した。
試験(A)外観:目視にてブルーム(シース表面に配合剤が粉体として析出すること)、ブリード(シース表面に配合剤が液体として漏出すること)の有無を確認した。試験(B)シース材料の引張試験:シース材を耐放射線性ケーブルから剥離した後、厚さを約2mmに調整して、ダンベル4号形状に打ち抜き、ショッパー型引張試験機において、速度500mm/minで測定した。試験(C)酸素指数:シースの同一ロットのコンパウンド(例えば、実施例1においては、実施例1に係る耐放射線性ケーブルのシースの原材料である耐放射線性シース材料用のコンパウンド)を用い、180℃×10分のプレス架橋により3mmtのシートを作製して、酸素指数を測定した。試験(D)新VTFT試験:IEEE Std. 383−2003(IEEE Std.1202−1991による)に従って実施した。
試験(E−1)耐放射線性(1)(逆逐次法試験(1)):耐放射線性ケーブルを約600mmφの束に丸め、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で760kGyの照射をした後、121℃×7日の熱老化試験を実施した。その後、試験(B)と同様に引張試験を実施した。ここで、伸びが50%以上の場合を合格とした。試験(E−2)耐放射線性(2)(逆逐次法試験(2)):耐放射線性ケーブルを約60
0mmφの束に丸め、60Coγ線にて4kGy/hの線量率で2MGyの照射をした後、140℃×9日の熱老化試験を実施した。その後、試験(B)と同様に引張試験を実施した。ここで、伸びが50%以上の場合を合格とした。
なお、伸びは以下のように算出した。すなわち、ダンベル試験片の中央部(幅5mm、長さ20mm以上)に一定の間隔L0をおいて所定長の標線を付し(例えば、L0=20mm)、このダンベル試験片を引張試験機で引っ張り、ダンベル試験片を破断させた。そして、ダンベル試験片の破断時の標線間距離をL1とし、伸びE0をE0={(L1−L0)/L0}×100(式1)を用いて算出した。
表3は、本発明の実施例及び比較例に係る耐放射線性ケーブルの特性試験の結果を示す。
Figure 0005163263
本発明に係る実施例1から実施例6はいずれも各特性を全て満たしていた。すなわち、実施例1から実施例6に係る耐放射線性ケーブルは、総合判定として合格であった。なお、本発明に係る実施例1から実施例6の耐放射線性ケーブルのシースの酸素指数は、導体を被覆する絶縁材料としての絶縁体の酸素指数よりも大きな酸素指数を有していた。すなわち、本発明に係る実施例1から実施例6の耐放射線性ケーブルのシースは全て、導体を被覆する絶縁体よりも燃焼しにくい性質を有していた。
一方、比較例1は高分子材料としてポリクロロプレンを用いたものであり、比較例2は高分子材料としてクロロスルフォン化ポリエチレンを用いたものである。比較例1及び比較例2に係る耐放射線性ケーブルはいずれも、耐放射線性試験(試験(E−1)、試験(E−2))の後、伸びを満足していなかった。
老化防止剤を添加していない比較例3、及びアロマチック系油が規定値以下の比較例4からなるシースを用いた耐放射線性ケーブルは、試験(E−1)及び試験(E−2)における耐放射線性試験を満足していなかった。また、比較例5は、アロマチック系油を実施例1から実施例6、及び他の比較例と比べて多量に添加したシースを用いた耐放射線性ケーブルであり、初期の試料においてブリード現象が認められた。また、アロマチック系油が多い比較例5、及び三酸化アンチモンを添加していない比較例6においては、新VTFT試験が不合格であった。
更に、比較例7は、実施例1から実施例6及び他の比較例と比べて難燃剤を多量に添加したシースを用いた耐放射線性ケーブルであり、耐放射線性試験の後に、多量のブルーム現象が観察された。なお、このブルーム現象によりシース表面に析出した粉を分析した結果、難燃剤とハロゲン(塩素)とが反応した中間体と考えられる化合物であることが判明した。
以上からわかるように、本発明の実施例1から実施例6に係る耐放射線性ケーブルは、要求耐熱性が121℃×7日であり、要求放射線量が760kGyであるBWR用のケーブルに用いることができると共に、要求耐熱性が140℃×9日であり、要求放射線量が2mGyであるPWR用のケーブルに用いることが示された。更に、逆逐次法試験にも適用できることが示された。すなわち、本発明の実施例1から実施例6に係る耐放射線性ケーブルは、大量の放射線に暴露された後も組成物の劣化を抑制することができることが示された。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
第2の実施の形態に係る耐放射線ケーブルの断面図である。
1 耐放射線性ケーブル
10 導体
15 絶縁体
20 シース

Claims (4)

  1. 架橋されている塩素化ポリエチレンと、前記塩素化ポリエチレン中に添加される老化防止剤と、加工助剤と、難燃剤とを有する耐放射線性シース材料において、
    前記老化防止剤は、アミン系老化防止剤と硫黄系老化防止剤とを含み、前記塩素化ポリエチレン100重量部に対して1重量部以上含有し、
    前記加工助剤は、石油系油、又は芳香環を含む可塑剤であり、前記塩素化ポリエチレン100重量部に対して10重量部から50重量部含有し、
    前記難燃剤は、無機系の難燃剤又は有機系の難燃剤であり、前記塩素化ポリエチレン100重量部に対して2重量部から30重量部含有し、
    60Coγ線にて4kGy/hの線量率で2MGyの照射をし、140℃×9日の熱老化試験を実施した後の伸びが50%以上であることを特徴とする耐放射線性シース材料。
  2. 記石油系油は、アロマチック系油である請求項に記載の耐放射線性シース材料。
  3. 絶縁材料が被覆された導体、又は前記絶縁材料が被覆された前記導体を複数本撚り合わせて形成される撚合わせ絶縁電線の周囲に、請求項1又は2に記載の耐放射線性シース材料を備える耐放射線性ケーブル。
  4. 前記耐放射線性シース材料は、前記絶縁材料の酸素指数よりも大きな酸素指数を有する請求項に記載の耐放射線性ケーブル。
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