JP5162914B2 - 電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータ - Google Patents

電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータ Download PDF

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本発明は、整流子モータの電機子コイルを固定するための電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータに関する。
図1は一般的な整流子モータの外観側面図である。この整流子モータ1は、図1に示すように、シャフト2と、シャフト2に圧入固定される電機子鉄心3と、シャフト2に圧入固定される整流子4と、複数のコイル片からなり、電機子鉄心3のスロットに巻装される電機子コイル5と、により構成される。ここで、整流子4は、端部にフック部8が形成された複数の整流子子片6からなる。そして、電機子コイル5がフック部8に係合することにより、電機子コイル5と整流子4とが電気的に接続されている。なお、より詳細には、コイル5とフック部8とは、コイル5がフック部8に溶接されることにより係合している。
このような構成の整流子モータの課題として、毎分数万回転(掃除機の場合は毎分3万〜4.5万回転)で利用される場合には、電機子コイル5に大きな遠心力が働き、電機子コイルの形状が崩れる恐れがある。このため、特許文献1に記載の発明のように、電機子コイルにワニスを塗布した後熱処理を行い、電機子コイルを固定する方法が提案されている。この特許文献1に記載の発明は、不飽和ポリエステル系のワニスに対して、低い温度で活性化する有機過酸化物を添加併用するとともに、電機子コイルの予備過熱温度を加熱硬化温度よりも低く設定してワニス処理を行うものである。このような構成から、特許文献1に記載の発明は、ワニスの硬化反応を緩慢にするとともにゲル化を促進することができ、ワニスの付着量の増加、厚肉塗膜化によるクラックの発生の抑制を図ることができる。
また、特許文献2に記載の発明のように、粉体状態の樹脂を電機子コイルに塗布した後熱処理を行い、電機子コイルを固定する方法も提案されている。この特許文献2に記載の発明は、鉄心のコイル挿入溝およびコイルの端部の少なくとも一部に、テトラフェノールエタンのテトラグリシジルエタール、ノボラックフェノール樹脂、無機質充填剤を含む樹脂塑性物の粉体を、回転子を100℃以上に加熱しつつ付着させた後150℃以上の温度下で樹脂組成物を硬化させるものである。このような構成から、特許文献2に記載の発明は、400℃〜450℃の高温下でも絶縁樹脂の発煙、クラックあるいはふくれ等を生じず、その絶縁性、機械的強度を低下させることもなく、もって高負荷、高回転にも耐え得る小型の回転子を提供することができる。
特開平6−14503号公報 特開平2−164246号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明のように、電機子コイルにワニスを塗布した後熱処理を行う場合は、ワニスを内でゲル化させるために、整流子モータ1を予熱する必要があり、また塗布に際しても、ワニス塗布のバランスを保つために、電機子を回転させながらワニスを塗布する必要がある。また、ワニスにはスチレン,アクリル,ヒドロキシメチルメタクリレート(HEMA)等が含有されており、ワニス処理工程において、多量のVOC(揮発性有機化合物)が発生し、発生したVOCを排気するために排気設備も必要となる。このため、特許文献1に記載の発明では、ワニス塗布専用の大きな設備が必要となっていた。そして、塗布時にはワニスが液状であるため、塗布量管理が困難であり製品バラツキが多くなるという問題や、電機子鉄心3の外周にワニスが付着して、固定子鉄心とのクリアランスが無くなりモータがロックするという問題も生じていた。更に、塗布したワニスが整流子子片の間に付着し、整流子子片間で絶線不良を引き起こすという問題が生じることもあった。
一方、特許文献2に記載の発明のように、粉体状態の樹脂を電機子コイルに塗布した後熱処理を行う場合には、粉体の塗布量管理が困難となっていた。また、塗布した粉体樹脂が近辺に飛散して周囲を汚染したり、整流子子片の間に付着して整流子子片間で絶線不良を引き起こすという問題も生じていた。
本発明は、以上のような課題を解決するものであり、大きな専用設備を必要とせず、安定して電気子コイルを固定することができる整流子モータの電気子コイル処理方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、シャフトと、前記シャフトに圧入固定される電機子鉄心と、前記シャフトに圧入固定される整流子と、複数のコイル片からなり、前記電機子鉄心のスロットに巻装される電機子コイルと、により構成される整流子モータの電機子コイル処理方法において、長繊維束に樹脂を塗布、含浸させてシート状に形成したプリプレグシートを、前記電機子コイルにおける前記電機子鉄心からの突出部上に配置するプリプレグシート配置工程と、前記プリプレグシート配置工程において前記電機子コイル上に配置された前記プリプレグシートを加熱して焼成する加熱処理工程と、を備えることを特徴とする整流子モータの電機子コイル処理方法において、
さらに、前記プリプレグシート配置工程の後、前記プリプレグシートを電機子コイルの形状に沿わせるために前記プリプレグシート上に押え部材を配置する押え部材配置工程を備える整流子モータの電機子コイル処理方法である。
第2の発明は、第1の発明において、前記押え部材の前記プリプレグシートとの当接面がフッ素加工される整流子モータの電機子コイル処理方法である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明において、前記プリプレグシートの樹脂は熱硬化性樹脂であり、前記長繊維束は、絶縁材料からなる電機子コイル処理方法である。
第4の発明は第3の発明において、前記プリプレグシートの焼成温度と前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、前記整流子モータの前記高速回転時の温度よりも高いことを特徴とする電機子コイル処理方法である。
第5の発明は第4の発明において、前記プリプレグシートの焼成温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、前記電機子コイル、前記整流子の樹脂部品及び前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低いことを特徴とする電機子コイル処理方法である。
の発明は、第1の発明から第の発明の整流子モータの電機子コイル処理方法により処理して製造される整流子モータである。
本発明によれば、プリプレグシートを電機子コイルにおける鉄心からの突出部上に配置するプリプレグシート配置工程と、プリプレグシート配置工程において電機子コイル上に配置されたプリプレグシートを加熱して焼成する加熱処理工程とを備えることから、ワニスを塗布するための大型専用設備や発生するVOCを除去するための排気装置を必要とすることなく、大きな専用設備を必要とせず、安定して電気子コイルを固定することができる。
また、本発明によれば、プリプレグシートの樹脂は熱硬化性樹脂であることから、溶解して脱落することがなく、長繊維束は、絶縁材料からなることから、電機子コイルの絶縁を維持しつつ、クラックの発生を防止することができる。
また、本発明によれば、プリプレグシートの焼成温度と熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、整流子モータの高速回転時の温度よりも高いため、整流子モータの高回転時であっても、プリプレグシートの樹脂が軟化することがなく、安定して電機子コイルを固定することができる。
また、本発明によれば、プリプレグシートの焼成温度は、熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、整流子の樹脂部品および前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低いことから、プリプレグシートを十分に熱硬化させることができるとともに、整流子や電機子鉄心の部品を熱劣化させることもない。このため、整流子モータの品質を向上させることができる。
また、本発明によれば、プリプレグシートを、整流子側の前記電機子コイルにおける鉄心からの突出部上に配置することから、回転時に特に温度が上昇する部分のみを固定することができるため、材料コストを低減することができる。すなわち、高温により皮膜が剥がれやすくなっており、さらに回転による遠心力を受けるために、断線のおそれがある整流子側のみを固定して、断線を防止することができる。
また、本発明によれば、プリプレグシート配置工程の後、プリプレグシートを電機子コイルの形状に沿わせるためにプリプレグシート上に押え部材を配置する押え部材配置工程を、さらに備えることから、プリプレグシートと電機子コイルとが密接した状態で、プリプレグシートを焼成することができる。そのため、安定して電機子コイルを固定することができる。
また、本発明によれば、押え部材のプリプレグシートとの当接面がフッ素加工されることから、プリプレグシートの焼成後にプリプレグシートと押え部材とが接着されることを防止することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る整流子モータ1の側面図である。
この整流子モータ1は、シャフト2と、シャフト2に圧入固定される電機子鉄心3と、シャフト2に圧入固定される整流子4と、複数のコイル片からなり、電機子鉄心3のスロットに巻装される電機子コイル5と、により構成される。整流子4は端部にフック部8が形成された複数の整流子片6により構成される。電機子コイル5がフック部8に溶接されることにより係合する。これにより、電機子コイル5と整流子4とが電気的に接続される。また、この整流子モータ1における電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部上には、プリプレグシート7が配置されている。そして、電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部は、プリプレグシート9の樹脂成分により安定して固定されている。
図2は、本発明の実施形態に係る整流子モータ1の電機子コイル5の固定手段としてのプリプレグシート7を示す説明図である。なお、図2(a)は成形する前のプリプレグシート7を平面視した図であり、図2(b)は成形した後のプリプレグシート7を平面視した図である。
プリプレグシート7は、長繊維束に樹脂を塗布、含浸させてシート状に形成されたものであり、この厚さは1mmに形成されている。
このプリプレグシート7を構成する長繊維は、ガラス繊維である。この繊維は、平均繊維径が5μm乃至10μmであることが好ましく、平均繊維径が5μmであることがさらに好ましい。これは、平均繊維径が5μm以下であるような細繊維である場合には、プリプレグシート7の強度が弱くなり、平均繊維径が100μm以上であるような太繊維である場合には、電機子コイル5の形状に合わせる程度のしなやかさを出すことが困難となるためである。また、繊維の平均繊維径は、電機子コイル5のコイル線径の1/10未満であることが好ましい。これは、平均繊維径がコイル線径の1/10以上である場合には、プリプレグシート5の繊維が電機子コイル5における隣接するコイル同士の間に入り込むことが困難となり、電機子コイル5を安定して固定することが困難となるためである。
また、このプリプレグシート7を構成する樹脂は、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂である。ここで、ガラス転移温度とは、低温では結晶なみに堅く流動性がなかった固体が、急速に剛性と粘度が低下し流動性を増す温度のことをいう。この樹脂のガラス転移温度は120℃であり、整流子モータ1の使用時の温度は約100℃であることから、整流子モータ1の使用時に樹脂が軟化することを防止することができる。このため、樹脂の軟化と整流子モータ1の回転による遠心力とにより、樹脂が剥がれ落ち、電機子コイル5が移動したり磨耗劣化されたりすることを防止することができ、整流子モータの特性を維持することができる。
整流子モータ1の電機子コイル5上に配置されるプリプレグシート7は、図2(b)のように、打抜型により扇状に打抜成形される。このプリプレグシート7は、ドーナツ形状を3分割した形状に成形される。このように分割した形状に成形することにより、プリプレグシート7の電機子コイル5上への配置を容易にすることができる。また、このプリプレグシート7は薄膜状であるので、成形する際に樹脂金型のような大型金型を用いる必要もない。このため、成形コストを低減することができる。
このプリプレグシート7を用いて電機子コイル5を固定することから、VOCの発生を抑えることができる。このため、VOCを除去するための排気装置を必要としない。また、ワニスを塗布する必要もない。従って、VOC排気装置やワニス塗布装置などの大型専用設備を必要としないので、製造コストを低減することができる。
図3は、整流子モータ1を上方から示す上面図である。
図3に示すように、プリプレグシート7は、隣合うプリプレグシート7とほぼ隙間のない状態で電機子コイル5上に配置される。これにより、整流子モータ1における電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部上の全面をプリプレグシート7で被覆することができる。このため、電機子コイル5が安定して固定される。
図4は、整流子モータ1の電機子コイル5を固定する工程を整流子モータ1を側面視した説明図である。また、図5はプリプレグシート7上に押え部材9を配置する前の上面図であり、図6はプリプレグシート7上に押え部材9を配置したときの上面図である。なお、図4(a)はプリプレグシート7を配置する前の側面図、図4(b)はプリプレグシート7を配置したときの側面図、図4(c)は電機子コイル5上に配置されたプリプレグシート7上に押え部材9を配置したときの側面図である。
この整流子モータ1における電機子コイル5を固定する場合には、まず、電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部にプリプレグシート7を配置する。そして、電機子コイル5上に配置されたプリプレグシート7上に押え部材9を配置する。
ここで、押え部材9は、プリプレグシート7を電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部の外周面形状に沿った形状を有している。このため、押え部材9をプリプレグシート7上に配置することにより、プリプレグシート7を電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部の外周面形状に沿った形状に沿わせることができる。
この押え部材9は、図5および図6に示すように、水平方向に2分割されている。そして、この2分割された押え部材9が水平方向に離隔した状態(図5参照)から、水平方向に近接した状態(図6参照)に移動して、プリプレグシート7上に配置される。このように、押え部材9が2分割されていることから、押え部材9を水平移動させるのみで、プリプレグシート7上に配置させることができる。
また、押え部材9のプリプレグシート7との当接面がフッ素加工される。これにより、プリプレグシート7の焼成後にプリプレグシート7と押え部材9とが接着されることを防止することができる。
プリプレグシート7上に押え部材9を配置すると、整流子モータ1をバッチ炉において焼成する。このとき、バッチ炉内部は160℃に設定される。このように、バッチ炉内が160℃に設定され、整流子モータの高速回転時の温度よりも高いことから、整流子モータの高回転時であっても、樹脂が後収縮する等の物性変化がなく、安定して電機子コイルを固定することができる。また、バッチ炉内の温度がプリプレグシート7を構成する樹脂の最低硬化温度よりも高いことから、プリプレグシート7を十分に熱硬化させることができる。なお、この物性変化のおそれを防止するためには、焼成温度は使用時の最高温度よりも20℃程度高く設定されることが好ましい。そして、熱硬化性樹脂のガラス転移温度が整流子モータ1の使用時の最高温度(100℃程度)よりも高いことから、使用時に樹脂が軟化して保持強度が低下することはない。さらに、整流子の樹脂部品や電機子鉄心3の樹脂部品の耐熱温度が180℃の場合には、バッチ炉内の温度がこの耐熱温度よりも低いことから、整流子4や電機子鉄心3の部品を熱劣化することもない。
以上の実施形態のような整流子モータ1の電機子コイル処理方法を利用する場合には、ワニス塗布の場合に生じるような塗布バラツキの問題や電機子鉄心3への樹脂の付着によるアンバランス不良や整流子子片6間に樹脂が入り込むことによる絶線不良の問題を防止することができる。
なお、上述した実施形態において、プリプレグシート7を電機子コイル5の整流子4側の電機子鉄心3からの突出部のみに配置しているが、さらにプリプレグシート7を電機子コイル5の整流子4と逆側の電機子鉄心3の突出部に配置してもよい。このように、プリプレグシート7を電機子コイル5の整流子4側およびその逆側の電機子鉄心3の突出部に配置することにより、電機子コイル5をさらに安定して配置することができる。
また、上述した実施形態において、プリプレグシート7を構成する繊維としてガラス繊維を採用しているが、ガラス繊維には限定されず、アラミド繊維などの絶縁材料であれば良い。
また、上述した実施形態において、プリプレグシート7を構成する樹脂として、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂を採用しているが、ガラス転移温度が120℃のエポキシ樹脂であることには限定されず、ガラス転移温度は本発明に係る整流子モータの使用時の温度よりも高ければ良く、また、ポリエステル樹脂やアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂であれば良い。このように、熱硬化性樹脂とすることにより、一時的なモータロックなどによる電機子コイル5の一時的な表面温度上昇(170℃程度)が生じても、溶融することがないため、電機子コイル5の表面から樹脂が剥がれ落ちることを防止することができる。
また、上述した実施形態において、プリプレグシート7は、電機子コイル5の電機子鉄心3からのドーナツ形状の突出部を3分割した形状に成形されているが、2分割であっても良く、さらに、4分割以上であっても良い。
また、上述した実施形態において、押え部材9が2分割されているが、押え部材9を3分割以上に分割しても良い。
また、上述した実施形態において、バッチ炉の温度を160℃として焼成しているが、バッチ炉の温度は160℃に限定されることはなく、プリプレグシートを構成する樹脂の最低硬化温度よりも高く、整流子モータ1の実際の使用時の最高温度よりも高く、さらに、電機子コイル、整流子の樹脂部品および電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低くなるようにバッチ炉の温度を設定すれば良い。これは、焼成温度が最低硬化温度よりも低い場合には、プリプレグシートを十分に硬化させることが困難となり、焼成温度が整流子モータ1の使用時の最高温度よりも低い場合には、使用時に樹脂が後収縮等の物性変化するおそれがあり、焼成温度が電機子コイル、整流子の樹脂部品または電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度より高い場合には、焼成時に電機子コイル、整流子の樹脂部品または電機子鉄心の樹脂部品が熱劣化するおそれがあるためである。また、焼成炉についても、バッチ炉に限定されること無く、連続炉でも良い。
整流子モータの電機子コイルを固定するための電機子コイル処理方法およびその方法により製造される整流子モータに関する。
本発明の実施形態に係る整流子モータ1の側面図 本発明の実施形態に係る整流子モータ1の電機子コイル5の固定手段としてのプリプレグシート7を示す説明図 整流子モータ1を上方から示す上面図 整流子モータ1の電機子コイル5を固定する工程を整流子モータ1を側面視した説明図 プリプレグシート7上に押え部材9を配置する前の上面図 プリプレグシート7上に押え部材9を配置したときの上面図
1 整流子モータ
2 シャフト
3 電機子鉄心
4 整流子
5 電機子コイル
6 整流子子片
7 プリプレグシート
8 フック部
9 押え部材

Claims (6)

  1. シャフトと、
    前記シャフトに圧入固定される電機子鉄心と、
    前記シャフトに圧入固定される整流子と、
    複数のコイル片からなり、前記電機子鉄心のスロットに巻装される電機子コイルと、
    により構成される整流子モータの電機子コイル処理方法において、
    長繊維束に樹脂を塗布、含浸させてシート状に形成したプリプレグシートを、前記電機子コイルにおける前記電機子鉄心からの突出部上に配置するプリプレグシート配置工程と、
    前記プリプレグシート配置工程において前記電機子コイル上に配置された前記プリプレグシートを加熱して焼成する加熱処理工程と、
    を備えることを特徴とする整流子モータの電機子コイル処理方法において、
    さらに、前記プリプレグシート配置工程の後、前記プリプレグシートを電機子コイルの形状に沿わせるために前記プリプレグシート上に押え部材を配置する押え部材配置工程を備える整流子モータの電機子コイル処理方法。
  2. 請求項1に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法において、前記押え部材の前記プリプレグシートとの当接面がフッ素加工される整流子モータの電機子コイル処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法において、前記プリプレグシートの樹脂は熱硬化性樹脂であり、前記長繊維束は、絶縁材料からなる整流子モータの電機子コイル処理方法。
  4. 請求項3に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法において、前記プリプレグシートの焼成温度と前記熱硬化性樹脂のガラス転移温度は、記整流子モータの前高速回転時の温度よりも高いことを特徴とする整流子モータの電機子コイル処理方法。
  5. 請求項4に記載の整流子モータの電機子コイル処理方法において、前記プリプレグシートの焼成温度は、前記熱硬化性樹脂の最低硬化温度よりも高く、
    前記電機子コイル、前記整流子の樹脂部品及び前記電機子鉄心の樹脂部品の耐熱温度よりも低いことを特徴とする整流子モータの電機子コイル処理方法。
  6. 請求項1乃至請求項のいずれかに記載の整流子モータの電機子コイル処理方法により製造される整流子モータ。
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