JPWO2021005774A1 - ロータおよびモータ - Google Patents

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Abstract

ロータ(20)は、鉄心(21)と、鉄心(21)の中心軸(C)に平行な側面(21a)に接着層(23)によって接着される複数の永久磁石(22)と、鉄心(21)の側面(21a)に接着された複数の永久磁石(22)の外表面に配置される筒状形状の補強部材(24)と、を備える。補強部材(24)は、一部の繊維が筒状形状の周方向に配向した繊維強化プラスチックである。接着層(23)の破断伸びに対する筒状形状を有する繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びの比が、ロータ(20)の外径(D)に対する接着層(23)の厚さ(t)の2倍以下であることを特徴とする。

Description

本発明は、鉄心に接着された永久磁石の表面を繊維強化プラスチックで覆うロータ、モータおよびロータの製造方法に関する。
表面に永久磁石が配置されたロータを有するSPM(Surface Permanent Magnet)モータは、永久磁石が有する強い磁気を効率的に利用でき、モータトルクの直線性がよく、制御性に優れるという特徴を有する。一方で、ロータを高速回転させると遠心力によって永久磁石が飛散してしまう。そのため、永久磁石のロータへの強固な固定方法が求められている。
特許文献1には、永久磁石が外表面に接着剤で固定された鉄心を、永久磁石を締め付けるための円筒状の繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)に、圧入または冷やし嵌めによって挿入することによって製造されたロータが開示されている。
特開2005−312250号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ロータの回転時に円筒状の繊維強化プラスチックが破壊に達する前に接着剤が破断してしまう虞がある。この場合には、永久磁石が鉄心から剥がれ、ロータの回転がバランスを失うことによって、ロータが破壊されてしまうという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転時に永久磁石を鉄心に接着する接着剤が破断する前に永久磁石の表面を覆う補強部材を破壊の起点とすることができるロータを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のロータは、鉄心と、鉄心の中心軸に平行な側面に接着層によって接着される複数の永久磁石と、鉄心の側面に接着された複数の永久磁石の外表面に配置される筒状形状の補強部材と、を備える。補強部材は、一部の繊維が筒状形状の周方向に配向した繊維強化プラスチックである。接着層の破断伸びに対する筒状形状を有する繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びの比が、ロータの外径に対する接着層の厚さの2倍以下であることを特徴とする。
本発明によれば、回転時に永久磁石を鉄心に接着する接着剤が破断する前に永久磁石の表面を覆う補強部材を破壊の起点とすることができるという効果を奏する。
実施の形態にかかるモータの構成の一例を示す断面図 実施の形態にかかるロータの構成の一例を示す断面図 図2の鉄心と永久磁石と補強部材とを含む領域の拡大図 実施の形態にかかるロータの製造方法の手順の一例を示すフローチャート
以下に、本発明の実施の形態にかかるロータ、モータおよびロータの製造方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態.
図1は、実施の形態にかかるモータの構成の一例を示す断面図である。モータ1は、筒状形状を有するステータ10と、ステータ10の内側に設けられてステータ10の中心軸Cを中心に回転するロータ20と、を備える。つまり、ステータ10の中心軸とロータ20の中心軸とは一致しており、ステータ10およびロータ20の中心軸を以下ではCと表記する。
ステータ10は、内側に向けて突出された複数のティース10aと、ティース10aに巻き付けられた巻線12と、を有する。ロータ20は、中心軸Cに沿って延びる円柱形状を有している。ロータ20は、ステータ10との間に隙間を設けて配置される。
図2は、実施の形態にかかるロータの構成の一例を示す断面図であり、図3は、図2の鉄心と永久磁石と補強部材とを含む領域の拡大図である。図3では、図2の領域Aの部分を拡大して示している。ロータ20は、多角柱状の鉄心21と、中心軸Cに平行な鉄心21の各側面21aに配置される永久磁石22と、永久磁石22を鉄心21の各側面21aに接着させる接着層23と、鉄心21に接着された永久磁石22の外表面を覆う補強部材24と、を有する。なお、鉄心21の中心軸は、ロータ20の中心軸Cと一致する。以下では、鉄心21の中心軸もCと表記する。
鉄心21は、ロータ20の中心軸Cに沿って延びる多角柱状を有する。ロータ20の回転時にアンバランスが発生せずに安定して回転できるように、中心軸Cに垂直な鉄心21の断面は、正多角形を有していることが望ましい。図2の例では、中心軸Cに垂直な鉄心21の断面は、正六角形を有しているが、任意の多角形とすることができる。なお、これは一例であり、鉄心21の形状は、ロータ20として必要な磁気を得て、強度を保つことができる形状に適宜設定される。
永久磁石22は、鉄心21側に配置される平坦面22aと、鉄心21の径方向の外側に向かって凸な頂面22bと、平坦面22aおよび頂面22bを結ぶ側面22cと、を有する。永久磁石22は、鉄心21の側面21aに、ロータ20の周方向に沿って等間隔に配置される。図2の例では、鉄心21の各側面21aに接着される永久磁石22の外側表面を結ぶ輪郭は真円形状となっている。つまり、永久磁石22の頂面22bは、径方向の外側に向かって凸な円弧状を有し、中心軸Cに垂直な永久磁石22の断面はD型を有する。これによって、ロータ20の回転時に、ロータ20の永久磁石22の頂面22bとステータ10との間の距離が変化しない構成となる。なお、永久磁石22の形状は、図2に示される形状に限定されるものではなく、モータ1を動作させる上で必要な磁気が得られる形状であればよく、適宜設定可能である。
接着層23は、永久磁石22の平坦面22aと鉄心21の側面21aとの間を接着し、永久磁石22を鉄心21に固定する。接着層23は、補強部材24に比して大きい破断伸びを有し、かつ補強部材24に比して低い弾性率を有する材料が選択される。
補強部材24は、鉄心21の側面21aに接着された永久磁石22の外表面を覆い、筒状形状を有する。補強部材24は、接着層23に比して小さい破断伸びを有し、かつ高い弾性率を有する材料によって構成される。図2の例では、補強部材24は、永久磁石22の頂面22bに接して設けられているが、補強部材24を永久磁石22の頂面22bに対して間隔を設けて配置してもよい。ただし、より大きな補強効果を発現させるためには、静止状態において、補強部材24が永久磁石22の頂面22bと接触するように設けられることが望ましい。
補強部材24の一例は、円筒形に成形され、少なくとも繊維の一部が円筒形の周方向に配向された繊維強化プラスチックである。繊維強化プラスチックは、繊維および樹脂で構成されており、適宜、フィラーまたは添加剤が配合されていてもよい。繊維の少なくとも一部を円筒形の周方向に配向させた繊維強化プラスチックの周方向の弾性率は、円筒形のプラスチックの周方向の弾性率に比べて高くなる。このため、ロータ20の回転時に、径方向の外側に向かって永久磁石22に遠心力が働いても、繊維強化プラスチックの周方向に発生する引張応力によって、径方向の内側に永久磁石22を抑え込む力が発生し、永久磁石22を鉄心21に固定することができる。
本実施の形態のロータ20では、永久磁石22が平坦面22aで鉄心21と接着されており、永久磁石22の外側を繊維の一部が円筒形の周方向に配向された繊維強化プラスチックからなる補強部材24が覆う構成となっている。そのため、ロータ20の回転が加速または減速したときに発生する慣性モーメントに対して、接着力を必要としなくても永久磁石22をロータ20に固定することができる。
つぎに、本実施の形態で使用される接着層23および繊維強化プラスチックの材料について説明する。
上記したように、補強部材24は、繊維の少なくとも一部を円筒形の周方向に配向させた繊維強化プラスチックによって構成される。具体的には、繊維として、ステンレス鋼に比して引張弾性率が大きく、使用される接着層23に比して破断伸びが小さい繊維が使用される。ステンレス鋼の引張弾性率は180GPaから220GPaである。接着層23として用いられる材料の破断伸びの最小値は、10%程度であることから、破断伸びが10%未満である繊維を使用することが望ましい。このような繊維の一例は、ガラス繊維、炭素繊維、SiC繊維、アラミド繊維、ボロン繊維である。この中でもより高弾性を実現できる炭素繊維を繊維として用いることが望ましく、炭素繊維の中でも、弾性率がより高く、破断伸びがより小さいものが望ましい。例えば、引張弾性率が620GPaであり、破断伸びが0.6%であり、引張強度が3430MPaである異方性ピッチ系炭素繊維を繊維として用いることができる。さらに、繊維強化プラスチックの繊維の少なくとも半分以上が異方性ピッチ系炭素繊維であると、高強度および低破断伸びを実現することができる。このような異方性ピッチ系炭素繊維を繊維とした繊維強化プラスチックは、引張弾性率が400GPa以上であり、破断伸びが0.6%であり、引張強度が1800MPa以上であり、高弾性率を有するので、ロータ20の回転時に永久磁石22を径方向の内側に押さえつけるのに適している。また、円筒形の周方向に繊維を配向させることで、円筒形の周方向において高い機械特性、特に高い弾性率を有する繊維強化プラスチックを実現することができる。
繊維の形態に関しては、繊維長が1mm以上である繊維を用いることが望ましい。繊維長が1mm以上30mm以下である、いわゆるチョップド繊維を用いる場合には、繊維強化プラスチックの破壊は、樹脂に依存せず、繊維の強度によって支配される。繊維が周方向に長く繋がっている、いわゆる連続繊維を用いる場合には、繊維強化プラスチックの強度および弾性率を高くすることができるので望ましい。一例として、繊維の長さは、中心軸Cに垂直な断面における鉄心21に接着された永久磁石22の外表面の輪郭の長さ以上であることが望ましい。なお、繊維長が1mm未満である繊維は、円筒形の繊維強化プラスチックの周方向での引張弾性率をステンレス鋼に比して大きくできなかったり、接着層23に比して破断伸びを小さくできなかったりするので、望ましくない。
繊維の配向方向に関しては、繊維は、円筒形の周方向に配向していることが望ましい。一般的に、「周方向」は、ロータ20の中心軸Cに対して90度または−90度の方向をいう。しかし、本実施の形態では、中心軸Cに対して90度または−90度の方向の場合のみではなく、中心軸Cに対して90度または−90度の方向から生産性を害さない範囲で繊維が傾いていても周方向に配向しているものとして扱う。一例では、中心軸Cに対して80度から90度の範囲または−80度から−90度の範囲で繊維が配向されている場合にも、周方向に配置されているものとして扱う。これは、ロータ20の製造にあたって、繊維が中心軸Cに対して80度から90度の範囲または−80度から−90度の範囲で交差するように配置される場合が多いからである。また、ロータ20の中心軸Cに対して80度から90度の範囲または−80度から−90度の範囲で交差するように永久磁石22の外表面に繊維を配置しても、中心軸Cに対して90度または−90度の方向に繊維を配置した場合と同様に、周方向の弾性率を高めることができるからである。例えば、フィラメントワインディング法などの一定の送りピッチで連続繊維を巻き付ける製造方法では、中心軸Cに対して80度から90度の範囲または−80度から−90度の範囲で交差するように繊維が配置される。
また、円筒形の周方向に配向する繊維と、周方向に交差する他の方向に配向する繊維と、を有するように、複数の方向に繊維が配向されていてもよい。周方向に交差する方向の一例は、中心軸Cの方向、または中心軸Cに対して45度傾いた方向である。ただし、複数の方向に繊維を配向させる場合には、繊維強化プラスチックの周方向の引張弾性率がステンレス鋼の引張弾性率よりも大きくなるように、繊維の配向方向が設定される。一例では、全体の繊維の半分以上を円筒形の周方向に配向させることによって、繊維強化プラスチックの周方向の引張弾性率がステンレス鋼の引張弾性率よりも大きくなり、補強部材24がステンレス鋼製である場合には実現できない永久磁石22の補強効果が得られる。また、繊維が周方向以外にも配向しているので、周方向以外の応力に対しても機械特性に優れた繊維強化プラスチックが得られる。
本実施の形態では、ロータ20の回転時に永久磁石22を保持することが可能な周方向の機械特性が求められる。そこで、繊維がすべて異方性ピッチ系炭素繊維で、ロータ20の中心軸Cに対して+88度または−88度の方向に繊維が配向された繊維強化プラスチックで補強部材24を構成する場合を例に挙げる。このように、高弾性を有しかつ破断伸びが小さい繊維のすべてを意図的に周方向に向けているので、周方向の弾性率および強度がより高くなり、永久磁石22の移動量がより少ない場合でも、補強部材24によって永久磁石22を鉄心21に保持させることができる。
また、上記した説明では、1種類の繊維を用いた繊維強化プラスチックが例示されたが、複数の繊維、例えば炭素繊維およびガラス繊維、を組合せて繊維強化プラスチックとしてもよい。
繊維強化プラスチックの樹脂については、所定の性能が付与されるように材質が選択される。樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、フラン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネイト、アクリロニトリルスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンおよび変性ポリフェニレンエーテルの群から選択される。補強部材24に求められる強度および剛性の観点から、樹脂は、エポキシ樹脂であることが望ましい。また、所定の性能が補強部材24に付与されるように、樹脂に添加剤またはフィラーが混ぜられてもよい。
接着層23は、鉄心21と永久磁石22との間に塗布される接着剤を硬化させたものである。接着層23は、破断伸びが繊維強化プラスチックよりも大きく、弾性率が繊維強化プラスチックよりも低い材料が選択される。このような接着層23として、アクリル樹脂を主成分とする接着層23またはエラストマー系の接着層23が望ましい。アクリル樹脂を主成分とする接着層23は、10%以上50%以下の破断伸びを実現することができる。エラストマー系の接着層23は、アクリル樹脂を主成分とする接着層23よりもさらに破断伸びを大きくすることができる。これらより、接着層23は、10%以上の破断伸びを有するので、繊維強化プラスチックの破断伸びは、10%未満であることが望ましい。なお、エラストマー系の接着層23の中でも、熱硬化性樹脂系エラストマーは、永久磁石22および鉄心21との接着力を強くすることができる。
熱硬化性樹脂系エラストマーとして、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、変性シリコーン樹脂またはシリコーン樹脂を主成分とするものが例示される。シリコーン樹脂は、良好な耐熱性および耐薬品性を有し、100%から690%の破断伸びを実現することができる。シリコーン樹脂は、その他の樹脂と比較して、耐薬品性および酸化劣化の観点で優れるとともに、破断伸びを大きくすることができる材料である。
なお、破断伸びが10%未満のエポキシ樹脂を主成分とする接着層23は、繊維強化プラスチックが破壊に達する前に接着層23が破断してしまう。例えば図2のロータ20が回転中に、6個の永久磁石22の内の1個の永久磁石22の接着層23が破断すると、アンバランスを起こしてしまい、ロータ20が破壊されてしまう。そのため、破断伸びが10%以上ある接着層23を使用することが望ましい。
なお、上記の主成分を有し、かつ破断伸びを大きく、具体的には繊維強化プラスチックよりも大きい破断伸びの値を保っていれば、その他の成分を混ぜたり、分散させたりした接着層23が使用されてもよい。一例として、変性シリコーン樹脂にエポキシ樹脂を分散させた接着剤を用いることによって、界面の接着強度が上昇した接着層23を得ることができる。また、接着層23をポーラス状にすることによっても、破断伸びを大きくすることができる。
このような材料の接着層23を用いて永久磁石22を鉄心21に接着し、永久磁石22の外表面を繊維強化プラスチックで覆う構造とすると、破断伸びが小さい繊維強化プラスチックが破壊するまで接着層23は破断しない。つまり、ロータ20の破壊は、接着層23の強度が弱い部分に依存することがなくなり、繊維強化プラスチックの周方向の高い強度を活かして、永久磁石22を鉄心21に固定することができる。ロータ20の回転時には、ロータ20の径方向の外側に向かって永久磁石22に働く遠心力によって、永久磁石22が円筒形の径方向に均等に微小変位する。このとき、繊維強化プラスチックよりも大きい破断伸びを有する接着層23が破壊することはなく、永久磁石22は繊維強化プラスチックに押し付けられる。そして、繊維強化プラスチックの周方向に発生する引張応力によって、径方向の内側に抑え込む力が発生し、永久磁石22が繊維強化プラスチックによって固定される。そのため、永久磁石22は、接着層23の強度で保持されるよりも、繊維強化プラスチックの高い強度で保持されることになる。つまり、接着層23による永久磁石22の保持が、繊維強化プラスチックによって補強される。
つぎに、接着層23の厚さについて説明する。接着層23の厚さが厚いほど、繊維強化プラスチックが破壊するまで接着層23が破壊しなくなる。遠心力を受けて永久磁石22が円筒形の径方向の外側に移動しても、接着層23の径方向に発生する引張歪は低く抑えられ、接着層23の破壊が回避される。また、接着層23の厚さを予め定められた厚さ以上にすることで、耐衝撃性が接着層23に付加される。具体的には、接着層23の厚さを0.05mm以上にすると、接着層23は耐衝撃性を有するようになる。
一方で、接着層23の厚さを薄くすると、接着面のせん断強度が向上する。具体的には、接着層23の厚さを0.5mm以下にすると、せん断強度が向上することが知られている。
ロータ20の外径は、目的のモータ1または発電機に応じて設定される。例えば、直径10mm程度の外径を有するロータ20を備える掃除機または玩具に使用される小型のモータ1から、直径4.6m程度の外径を有するロータ20を備える発電プラントに使用される大型の発電機までの間で様々な大きさのロータ20が使用される。これらの間の外径のものには、例えば、自動車のスタータモータに使用される25mm以上160mm以下のロータ20、電気自動車の駆動モータに使用される80mm以上400mm以下のロータ20、NC(Numerical Control)加工機の主軸モータに使用される80mm以上200mm以下のロータ20、風力発電用発電機に使用される120mm以上3m以下のロータ20などがある。
本実施の形態では、接着層23の破断伸びに対する筒状形状を有する繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びの比が、ロータ20の外径に対する接着層23の厚さの2倍以下となる。つまり、接着層23の破断伸びεaと、繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びεfとの関係が、ロータ20の外径Dおよび接着層23の厚さtを用いて次式(1)を満たすことが求められる。
Figure 2021005774
εf/εaが上限を超えると、永久磁石22に働く遠心力によって永久磁石22が径方向の外側に移動しようとするが、補強部材24である繊維強化プラスチックが破壊するまでは、接着層23は破壊しない。そのため、繊維強化プラスチックが回転時の破壊を支配することになる。次式(2)の範囲で繊維強化プラスチックによる永久磁石22を保持する際の補強効果が得られる。
Figure 2021005774
より好ましくは、εf/εaが次式(3)を満たすときに、繊維強化プラスチックによる補強効果が得られる。
Figure 2021005774
一方、εf/εaが下限を下回る場合には、フィラメントワインディング法によって、本実施の形態によるロータ20を生産することができない。破断伸びεfが0.3%以上で2.4%以下である炭素繊維が産業用途で実用化されている(例えば、FRP構造設計便覧、植村益次ら、社団法人強化プラスチック協会、1994、p.6−12)。中でも、繊維強化プラスチックの円筒形の周方向に配向された繊維の破断伸びεfを0.3%以上1.1%以下の範囲で実現することができる異方性ピッチ系炭素繊維が望ましい。ここでは、破断伸びεfが0.3%である異方性ピッチ系炭素繊維を用いる場合を例に挙げる。
接着剤の破断伸びは様々であるので、種々の接着剤を用いて、εf/εaの下限値を調べる。下記のA,B,C,D,E,F,Gの接着剤で永久磁石22を鉄心21に接着し、樹脂に含侵した異方性ピッチ系炭素繊維をフィラメントワインディング法によって、鉄心21に接着された永久磁石22の外表面に巻き付ける成形試験を実施する。
A:破断伸びεaが5%であるエポキシ樹脂接着剤
B:破断伸びεaが10%であるアクリル樹脂接着剤
C:破断伸びεaが50%であるアクリル樹脂接着剤
D:破断伸びεaが100%であるシリコーン樹脂接着剤
E:破断伸びεaが350%である変性シリコーン樹脂接着剤
F:破断伸びεaが690%である気泡を含ませたポーラス状の変性シリコーン樹脂接着剤
G:破断伸びεaが750%である気泡を含ませたポーラス状の変性シリコーン樹脂接着剤
成形試験の結果、A,B,C,D,E,Fの接着剤で永久磁石22を接着した場合には、フィラメントワインディング法でロータ20を良好に成形することができる。これに対して、Gの接着剤で永久磁石22を接着した場合には、繊維を巻き付けるときの力で、永久磁石22が鉄心21から脱落してしまい、フィラメントワインディング法でロータ20を成形することができない。以上のことからεfが0.3%で、εaが690%のときに臨界値となる。つまり、次式(4)のεf/εaを満たすときに、フィラメントワインディング法で本実施の形態によるロータ20を成形することが可能となる。そして、(2)式および(4)式によって、(1)式が導かれる。
Figure 2021005774
接着層23の厚さtが厚過ぎると、ロータ20の回転速度の加減速時に発生する軸振れが大きくなり、ステータ10との接触を招く可能性がある。具体的には、ロータ20における接着層23の厚さtとロータ20の外径Dとの比を1/150以下としておくことで、これ以上の軸振れが起こらない。なお、径方向に延在する直線は、ロータ20の外周と2か所で交わるので、接着層23もこの直線と2か所で交わる。つまり、ロータ20の外径の中には、2つの接着層23の厚さが含まれることになる。そのため、次式(5)のような関係が導かれる。これによって、モータ1におけるロータ20とステータ10とのギャップを狭くすることができる。
Figure 2021005774
(1)式および(5)式によって、次式(6)が得られる。すなわち、接着層23の破断伸びεa、繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びεf、接着層23の厚さtおよびロータ20の外径Dが(6)式の関係を満たす場合に、上記の繊維強化プラスチックおよび接着層23の構成で、繊維強化プラスチックの破壊の前に接着層23が破断されることを回避することができる。
Figure 2021005774
なお、接着層23の厚さtとロータ20の外径Dとの関係が(6)式を満たすようにするには、接着層23の中に、ロータ20の外径Dの1/4600以上で1/150以下となる平均粒径を有するフィラーを分散させればよい。これによって、接着層23の厚さtがロータ20の外径Dの1/4600以上で1/150以下となるようにすることができる。
つぎに、上記したロータ20の製造方法について説明する。図4は、実施の形態にかかるロータの製造方法の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、中心軸Cに平行な鉄心21の側面21aに接着層23を介して永久磁石22を接着する(ステップS11)。具体的には、中心軸Cに平行な鉄心21の側面21aと永久磁石22の平坦面22aとが接着剤で接着され、接着剤を硬化させて接着層23が形成される。これによって、永久磁石22が中心軸Cに平行な鉄心21の側面21aに接着される。また、ロータ20の周方向に沿って、鉄心21の側面21aに等間隔に永久磁石22が配置される。図2に示されるように、永久磁石22の頂面22bは円弧状を有しているので、中心軸Cに垂直な断面において、鉄心21に接着されたすべての永久磁石22によって構成される外表面の輪郭は、真円形状を有している。このとき接着層23の厚さが目的の厚さとなるように、平均粒径が目的の厚さとなるフィラーが分残された接着剤を使用することが望ましい。目的の厚さは、(6)式に示されるように、ロータ20の外径Dの1/4600以上で1/150以下の範囲である。
一例では、接着剤として、アクリル樹脂を主成分とするものまたは、エラストマー系のものが使用される。エラストマー系の接着剤として、ウレタン樹脂、フッ素樹脂、変性シリコーン樹脂またはシリコーン樹脂を主成分とするものが使用される。
ついで、繊維に未硬化の樹脂を含侵させる(ステップS12)。この繊維は、束で構成されていてもよい。一例では、繊維として、ガラス繊維、炭素繊維、SiC繊維、アラミド繊維、ボロン繊維が使用される。また、一例では、樹脂は、エポキシ樹脂、ビニルエステル、不飽和ポリエステル、フラン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネイト、アクリロニトリルスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレンおよび変性ポリフェニレンエーテルの群から選択される。
その後、未硬化の樹脂を含侵させた繊維を、鉄心21に接着された永久磁石22の外表面の全体にわたって直接巻き付ける(ステップS13)。ついで、永久磁石22に巻き付けられた繊維に含侵させた樹脂を硬化させる(ステップS14)。一例では、永久磁石22が接着され、さらに永久磁石22の外表面に繊維が巻き付けられた鉄心21を、オーブンなどの加熱装置で加熱し、樹脂を硬化させる。これによって、図2に示されるように、繊維強化プラスチックからなる円筒状の補強部材24が永久磁石22の外表面を覆うように形成される。以上によって、ロータ20が製造される。
なお、上記の工程において、目的の形状に応じて、永久磁石22が接着された鉄心21の外形を加工する工程を設けてもよい。また、特許文献1に記載の技術では、永久磁石22が接着された鉄心21を、筒状形状の繊維強化プラスチックに圧入または冷やし嵌めによって嵌めこんでいる。圧入では圧入力でロータ20が損傷する虞があり、冷やし嵌めではヒートショックでロータ20が損傷する虞がある。しかし、上記した本実施の形態の製造方法によれば、ロータ20が損傷する可能性を低減することができる。つまり、生産性に優れるロータ20の製造方法を提供することができる。
(実施例)
つぎに実施例について説明する。ロータ20の外径Dは40mmである。破断伸びεaが160%であり、引張弾性率が45.8MPaであるシリコーン樹脂によって構成される接着剤が用いられる。接着剤には、平均粒径が100μmであり、標準偏差が5μmであるガラス製のビーズがフィラーとして分散されている。フィラーは、2wt.%の割合で接着剤に分散されている。この接着剤を使用することによって、接着層23の厚さtは100μmにコントロールされる。この接着剤を用いて、鉄心21の中心軸Cに平行な側面21aに永久磁石22を接着する。永久磁石22が接着された鉄心21は、円柱形状を有する。
補強部材24となる繊維強化プラスチックの繊維は1種類で、異方性ピッチ系炭素繊維の連続繊維である。繊維の破断伸びεfは0.6%であり、引張弾性率は600GPaである。この繊維を1束3000本にする。また、この束にした繊維に、ビスフェノールA型エポキシと酸無水物とを所定の配合で混合した未硬化の樹脂を含侵させる。そして、フィラメントワインディング法を用いて、この繊維を、鉄心21に接着層23で接着された永久磁石22の外表面に直接巻き付ける。ワインディングの送りピッチは1周の巻き付け当たり3mmとする。その後、オーブンで加熱し、樹脂を硬化させ、円筒形状の繊維強化プラスチックからなる補強部材24が成形される。繊維の配向角度は、ロータ20の中心軸Cに対して+89度または−89度となる。繊維強化プラスチックの厚さは1mmである。
この場合、接着層23の破断伸びεaと、円筒形状の繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びεfとの関係は、次式(7)によって示される。
Figure 2021005774
また、ロータ20の外径Dと接着層23の厚さtとの比は、次式(8)で示される。なお、ロータ20の中心軸Cに垂直な断面における径方向の直線は、2つの接着層23と交わるため、(8)式は次式(9)のようになる。
Figure 2021005774
Figure 2021005774
(7)式で得られたεf/εaと、(9)式で得られた2t/Dは、ともに上記した(6)式の関係を満たす。つまり、繊維強化プラスチックがロータ20の回転時の破壊の起点となるため、繊維強化プラスチックによって永久磁石22を鉄心21の外周に保持させる補強効果が得られる。同時に、ロータ20をフィラメントワインディング法で製造する場合に永久磁石22が脱落することがなく、図2に示される構造を実現することができる。また、所望の平均粒径を有するフィラーを接着層23に分散させたので、接着層23の厚さを容易にコントロールすることができる。フィラメントワインディング法で製造することで、圧入または冷やし嵌めの工程が不要となり、生産性に優れる製造方法によってロータ20を製造することができる。
このようにして製造されたロータ20を、大気圧中、23℃で回転させて、1000rpm/minで回転数を掃引したところ、92000rpmまで損傷無く回転し、93000rpmに達したところで繊維強化プラスチックが破壊した。
この製造方法によって製造されたロータ20は、静止状態においては成形時の熱応力を受けているが、圧入または冷やし嵌めで製造される場合のように意図的な圧力で繊維強化プラスチックが引っ張られていない。そのため、円筒形状の繊維強化プラスチックの表面の周方向の引張ひずみの絶対値が300με以下となる。なお、円筒形状の繊維強化プラスチックの表面の周方向の引張ひずみの絶対値が300μεよりも大きい場合には、圧入または冷やし嵌めで製造される場合のように、成形時に熱応力を受けていると考えられる。つまり、周方向の引張ひずみの絶対値が300με以下となる円筒形状の繊維強化プラスチックは、圧入または冷やし嵌めでは製造することができない。
本実施の形態において、接着層23の破断伸びεaは、JIS(Japanese Industrial Standards) K7161−1994(ISO(International Organization for Standardization) 527−1)またはJIS K7127−1999に準拠して求めたものである。試験片である接着層23を上記規格に準拠した寸法で作製することができない場合には、相似形の試験片を用いて測定しても、これと同等と考えてよい。
また、本実施の形態において、繊維の破断伸びεfは、JIS R 7606−2000の方法に準拠して求めたものである。繊維強化プラスチックから繊維を取り出す必要がある場合であっても、JIS K 7075―1991の「7.炭素繊維の質量の測定」に記載のある燃焼法、硝酸分解法、硫酸分解法のうち、繊維を損傷しないいずれかの方法の原理で繊維が抽出されればよい。繊維の長さが上記規格に準拠した寸法で作製できない場合であっても、相似形の試験片を用いて測定してもよい。
ここでいう接着層23の破断伸びεaおよび繊維の破断伸びεfは、ロータ20が運転するときの環境温度あるいはそれを知り得ない場合には23℃の温度で測定されたものをいう。
実施の形態によれば、ロータ20は、破断伸びがεaとなる接着層23で鉄心21と永久磁石22との間が接着され、また、鉄心21に接着された永久磁石22の外表面に破断伸びがεfとなる繊維を有する円筒形の繊維強化プラスチックが巻き付けられた構成を有する。繊維強化プラスチックは、円筒形の周方向に少なくとも一部の繊維が配向される。ロータ20の外径をDとし、接着層23の厚さをtとしたときに、(2)式を満たす接着層23および繊維強化プラスチックが用いられる。これによって、ロータ20の回転時に接着層23が破断する前に繊維強化プラスチックが破壊される。すなわち、破壊の起点が繊維強化プラスチックとなる。そのため、繊維強化プラスチックが破壊されるまでの間は、繊維強化プラスチックで永久磁石22を強固に鉄心21に保持させる補強効果を得ることができる。
また、(4)式を満たす接着層23および繊維強化プラスチックを用いることで、ロータ20の製造中に、フィラメントワインディング法で、永久磁石22が脱落することなく、永久磁石22の周囲に繊維を巻き付けることができる。
さらに、繊維強化プラスチックの破断伸びεfよりも大きい、10%以上の破断伸びεaを実現することができるエラストマーの接着層23が用いられてもよい。また、破断伸びεaが100%以上690%以下である接着層23が用いられてもよい。これらの構成とすることによって、ロータ20の回転中に、繊維強化プラスチックで強固に永久磁石22を鉄心21に固定させることができ、また繊維強化プラスチックを破壊の起点とすることができる。同時に、ロータ20の製造中に永久磁石22が脱落することなく、繊維を永久磁石22の外表面に巻き付けることができる。
また、平均粒径がロータ20の外径Dの1/4600以上で1/150以下のフィラーを分散させた接着剤を用いることで、接着層23の厚さtを所望の厚さに制御することができる。
さらに、繊維強化プラスチックとして、繊維の半分以上が異方性ピッチ系炭素繊維である炭素繊維強化プラスチックを用いてもよい。あるいは、繊維の半分以上が円筒形の周方向に配向された炭素繊維を有する炭素繊維強化プラスチックを用いてもよい。これによって、繊維強化プラスチックの周方向に配向された繊維の破断伸びεfを0.3%以上1.1%以下の範囲で実現することができる。その結果、炭素繊維強化プラスチックが回転時の破壊の起点となり、炭素繊維強化プラスチックによって鉄心21に永久磁石22が固定される補強効果が得られる。
また、本実施の形態では、破断伸びがεaとなる接着層23で永久磁石22を鉄心21に接着し、樹脂を含侵させた破断伸びがεfとなる樹脂を含侵させた繊維を永久磁石22の表面に巻き付け、樹脂を硬化させてロータ20を製造する。これによって、圧入または冷やし嵌めの方法を用いて永久磁石22が接着された鉄心21に円筒形の繊維強化プラスチックを嵌めこむ場合に比して、ロータ20の製造時における損傷を抑制することができる。その結果、圧入または冷やし嵌めによって永久磁石22が接着された鉄心21に円筒形の繊維強化プラスチックを嵌めこむ場合に比して、ロータ20を製造する生産性を向上させることができる。
なお、上記した実施の形態では、モータ1のロータ20を例に挙げたが、本実施の形態がモータ1に限定されるものではなく、発電機のロータ20に対して適用されてもよい。この場合にも、同様の構成で同様の効果を得ることができる。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1 モータ、10 ステータ、10a ティース、12 巻線、20 ロータ、21 鉄心、21a 側面、22 永久磁石、22a 平坦面、22b 頂面、22c 側面、23 接着層、24 補強部材。

Claims (11)

  1. 鉄心と、
    前記鉄心の中心軸に平行な側面に接着層によって接着される複数の永久磁石と、
    前記鉄心の側面に接着された前記複数の永久磁石の外表面に配置される筒状形状の補強部材と、
    を備え、
    前記補強部材は、一部の繊維が前記筒状形状の周方向に配向した繊維強化プラスチックであり、
    前記接着層の破断伸びに対する前記筒状形状を有する前記繊維強化プラスチックの周方向に配向された前記繊維の破断伸びの比が、当該ロータの外径に対する前記接着層の厚さの2倍以下であることを特徴とするロータ。
  2. 前記接着層の破断伸びεaと、筒状形状を有する前記繊維強化プラスチックの周方向に配向された前記繊維の破断伸びεfとの関係が、当該ロータの外径をDとし、前記接着層の厚さをtとしたときに、次式の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のロータ。
    Figure 2021005774
  3. 前記接着層は、エラストマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載のロータ。
  4. 前記接着層の破断伸びεaは、100%以上690%以下であることを特徴とする請求項3に記載のロータ。
  5. 前記接着層の厚さは、前記ロータの外径の1/4600以上1/150以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のロータ。
  6. 前記接着層は、平均粒径が前記ロータの外径の1/4600以上1/150以下であるフィラーを有することを特徴とする請求項5に記載のロータ。
  7. 前記繊維強化プラスチックは、前記繊維の半分以上が異方性ピッチ系炭素繊維である炭素繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のロータ。
  8. 前記繊維強化プラスチックの前記繊維の半分以上が前記筒状形状の周方向に配向していることを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載のロータ。
  9. 前記ロータが静置された状態で、前記筒状形状を有する前記繊維強化プラスチックの表面の周方向の歪の絶対値が300με以下であることを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のロータ。
  10. 筒状形状を有するステータと、
    前記ステータの内側に、前記ステータの中心軸を中心に回転可能に設けられる請求項1から9のいずれか1つに記載のロータと、
    を備えることを特徴とするモータ。
  11. 鉄心の中心軸に平行な側面に接着層によって複数の永久磁石を接着する工程と、
    未硬化の樹脂を含侵した繊維を、前記鉄心に接着された前記複数の永久磁石の外表面に巻き付ける工程と、
    前記樹脂を硬化させる工程と、
    を含むことを特徴とするロータの製造方法。
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