JP2007177811A - プロペラシャフトおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い共振周波数仕様のFRP筒体で構成されたプロペラシャフトにおいて、毛羽発生や糸切れ発生を防止し、設計通りの共振周波数、捩り強度を発現する層構成としたプロペラシャフトおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層とを有し、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素が結合されてなることを特徴とするプロペラシャフト。
【選択図】図1
【解決手段】内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層とを有し、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素が結合されてなることを特徴とするプロペラシャフト。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動車等の駆動力伝達軸として使用されるFRP製のプロペラシャフト(推進軸)およびその製造方法に関する。
最近、各種産業分野でFRP(繊維強化プラスチック)筒体の実用化が進んでいる。
例えば近年、燃費の向上や環境保全といった観点から自動車の軽量化が強く望まれているが、それを達成する一手段としてプロペラシャフトのFRP化が検討され、一部で既に採用されるに至っている。その際、使用する強化繊維にも種々あり、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等が検討されているが、この中で特に、強度、弾性率、軽量化の面からプロペラシャフトの筒体を炭素繊維を強化繊維とするCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製筒体が有力とされ、主にフィラメントワインディング法によって形成されている。
自動車のプロペラシャフトは、軸方向の弾性率とともに、エンジンから発生する大きなトルクを伝達する必要があることから、1000〜4000Nm程度の捩り強度を必要とする。また高速回転時に共振を起こさないよう、危険回転数が5000〜15000rpm程度であることも要求される。これまでのCFRP製プロペラシャフト、特にその本体筒部は、必要なトルクを伝達し、高い共振周波数を得るためのヘリカル層の積層角度とその積層構成、シャフトのサイズ(内径、外径、肉厚)、使用する強化繊維の種類、繊維の含有率等をパラメータとして設計されている(例えば、特許文献1参照)。
FRP筒体において、高い共振周波数特性、曲げ剛性を得るためには炭素繊維の中でも高弾性率グレード炭素繊維を使用してヘリカル層の積層角度を0〜20°のような低角度にしなければならないが、低角度に積層すると捩り強度が低くなってしまう。共振周波数、曲げ剛性と捩り強度の関係は積層設計上、相反する特性とならざるを得ず、使用する強化繊維の種類や積層構成を決定することは極めて重要である。
端部に金属製継手等を圧入接合して使用されるプロペラシャフト用FRP筒体は、通常図1に示すように、例えば、樹脂含浸強化繊維をマンドレル11上に巻いていくフィラメントワインディング法によって形成され、FRP本体筒12を形成する部分が主として強化繊維の螺旋巻き層(例えば、筒軸方向に対して強化繊維を5°〜60°の角度で配列した層(なお、角度表示は請求項部分も含め筒軸方向に対する絶対値で表すものとする。)とフープ巻層で構成されるが。このFRP筒体には次のような問題があった。
近年、エンジンの高回転化に伴い高共振周波数特性が要求され、かつシャフトの小径化のニーズも高まっている。この場合、小径のシャフトで高共振周波数を達成するには、FRP筒体の曲げ剛性を極力強くし、さらに所定の捩り強度を確保することが必要であるが、使用する強化繊維に高弾性率グレード炭素繊維(例えば引張弾性率281〜900Gpa)を選定しなければパイプの曲げ剛性を強くすることは困難である。また、設計上パイプの曲げ剛性を最大限まで強くするためには筒軸方向に対して0°の角度で配列した層を積層する必要があるが、成形法にフィラメントワインディング成形を選択した時、積層角度に0〜4°のような筒軸方向に対して低角度を選択することは、強化繊維に対して半径方向に張力を負荷させることが困難であり、ボイド、捩り強度等のFRP筒体の品質を考慮して避けることが多く、巻き角度は少なくとも10°程度にしなければならない。
また、高弾性率グレード炭素繊維(例えば、引張弾性率281〜900Gpa)はPAN系にしてもピッチ系にしてもフィラメントワインディング法のような炭素繊維に樹脂を含浸させる連続成形ではその工程に多くの回転ガイドを使用しなければならず、その結果、大量に毛羽が発生し、その影響で捩り強度の発現率(設計値に対する実力値の割合)を大幅に低下させてしまう。
さらに、高弾性率グレード炭素繊維は価格が高価であり、引張弾性率に比例してその価格も高くなるので曲げ剛性を確保する層と捩り強度を確保する層で使用する炭素繊維を選定していかないとFRP筒体自体の価格も高くなってしまう。
特開平2−236014号公報
本発明の課題は、上記のような従来の問題点に着目し、小径のシャフトであっても共振周波数特性が高く(曲げ剛性の高い)、所定の捩り強度を確保し、かつ要求される性能に応じて最適な積層構成と強化繊維を選定することにより価格の高騰を抑えたFRP筒体を用いたプロペラシャフトおよびその製造方法を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため以下の構成を採用する。すなわち、
(1)内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層とを有し、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素が結合されてなることを特徴とするプロペラシャフト。
(1)内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層とを有し、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素が結合されてなることを特徴とするプロペラシャフト。
(2)前記FRP筒体の筒軸方向に対して45°、90°の層が引張弾性率230〜280Gpaの強化繊維を含み、0°の層が引張弾性率280〜900Gpaでかつ45°、90°の層で使用した強化繊維の引張弾性率より少なくとも50Gpa高い強化繊維を含んでいることを特徴とする前記(1)に記載のプロペラシャフト
(3)前記FRP筒体の少なくとも一方の筒軸方向端部の表層側および/または内層側に筒軸方向に対しで90°の周方向巻補強層が設けられていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のプロペラシャフト。
(3)前記FRP筒体の少なくとも一方の筒軸方向端部の表層側および/または内層側に筒軸方向に対しで90°の周方向巻補強層が設けられていることを特徴とする前記(1)または(2)に記載のプロペラシャフト。
(4)内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層で構成され、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素を結合させたプロペラシャフトの製造方法であって、前記FRP筒体をシートワインディング法で成形することを特徴とするプロペラシャフトの製造方法。
本発明に係るプロペラシャフトおよびその製造方法によれば、小径のシャフトであっても所定の捩り強度を確保し、かつ共振周波数特性の高い(曲げ剛性の高い)FRP筒体よりなるプロペラシャフトを得ることができる。また、かかるプロペラシャフトを価格の高騰を抑えて生産することができる。
本発明者らは前記した課題に対し、使用強化繊維と積層角度の最適な組み合わせ、および成形法の選定について検討したところ、本発明にいたったものである。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。
前記したように、本発明のプロペラシャフトは、FRP筒体を用いるものである。このFRP筒体は、捩り強度、車体設置スペースを考慮して、内径は50〜100mmに規定される。内径が50mmより小さくなると捩り強度の確保が困難となり、また100mmを越えると近年の居室ワイド化に伴うプロペラシャフト設置スペースの縮小傾向の影響でプロペラシャフト用FRP筒体が周辺に存在する部品に干渉する可能性がある。
また、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層を有しており、さらに、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmのものである。さらに、上記のFRP筒体には継手要素が結合されている。
筒軸方向に対して0°、45°、90°の角度の層を有することにより、捩り強度、曲げ剛性、円環強度を積層設計上それぞれ最大限に発現することができ、また、シートワインディング成形において0°と90°の角度成形が可能となる。これらの角度からずれるに従って捩り強度、曲げ剛性、円環強度の最適な実現ができなくなってしまう。筒体中央部におけるそれぞれの厚み比は0°が50〜70%、45°が25〜40%、90°が8〜15%が好ましく、この範囲内であればプロペラシャフトに要求される仕様に対して高い捩り強度、曲げ剛性、円環強度を効果的に発現することができる。中央部の厚みは1.5〜5mmとする。中央部の厚みが1.5mmより小さくなると飛び石衝撃のような外からの衝撃に対して厚み方向の層間剥離が発生しやすくなり強度低下の原因となる。また、中央部の厚みが5mmより大きくなると強度仕様に対して過剰な性能を有するだけで材料投入増加に伴う軽量化のメリットが小さくなるとともにコストアップの要因となってしまう。
また、このFRP筒体の繊維体積含有率は軽量化、含浸性及び物性発現率を考慮して50〜70%が好ましい。
このような構成とした本発明のプロペラシャフトは、適正な引張弾性率を有する強化繊維と筒軸方向に対して最適な巻き角度を有する層を配置しているので、FRP円筒体の共振周波数を高くするとともに、十分な捩り強度を有するFRP筒体を提供することができるのである。
また、本発明のプロペラシャフトは、前記FRP円筒体の筒軸方向に対して45°、90°の層が引張弾性率230〜280Gpaの強化繊維を含み、0°の層が280〜900Gpaでかつ45°、90°の層で使用した強化繊維の引張弾性率より少なくとも50Gpa高い強化繊維を含んでいるものであることが好ましい。
このような構成としたプロペラシャフトは、強化繊維の引張弾性率の特徴を考慮して筒軸方向に対する巻き角度と使用する強化繊維を最適に組み合わせているので、FRP筒体に要求される共振周波数、捩り強度、剛性等の性能を設計上最大限に発揮させるとともに、価格の高騰を抑えることができるのである。また、本発明は、0°の層が280〜900Gpaでかつ45°、90°の層で使用した強化繊維の引張弾性率より少なくとも50Gpa高い強化繊維を含んでいるものであるが、その差が50Gpaより低いと捩り強度、円環強度は高いがプロペラシャフトに必要な曲げ剛性を確保できなくなる可能性がある。
また、本発明のプロペラシャフトは、前記FRP円筒体の少なくとも一方の筒軸方向端部の表層側および/または内層側に筒軸方向に対しで90°の周方向巻補強層が設けられているものであることが好ましい。
この構成としたプロペラシャフトは、FRP筒体端部に金属製継手要素を圧入接合する場合、FRP筒体端部の強度と金属継ぎ手要素の接合強度(スリップトルク)を積層設計上最大限に発現できる角度が90°であり、シートワインディング成形においてこの角度成形が可能となる。角度が90°よりも小さくなると例えば金属継ぎ手要素の接合強度(スリップトルク)が低下する方向になると共に材料使用量が増加する方向になり、最適な効果を実現できない。
また、本発明のプロペラシャフトの製造方法は、内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層で構成され、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素を結合させたプロペラシャフトの製造方法であって、前記FRP筒体をシートワインディング法で成形することを特徴とするプロペラシャフトの製造方法である。
この構成としたプロペラシャフトの製造方法は、強化繊維の引張弾性率の特徴を考慮して筒軸方向に対する巻き角度と使用する強化繊維を最適に組み合わせるとともにシートワインディング法での成形を選択しているので、FRP筒体に要求される共振周波数、捩り強度、剛性等の性能を設計上最大限に発揮させ、さらに成形上、毛羽・糸切れの発生を防ぐことにより発現率(設計値に対する実力値の割合)も高くすることができる。また、これらのことよりFRP筒体の価格の高騰を抑えることができるのである。
以下さらに、本発明に係るプロペラシャフトおよびその製造方法の望ましい実施形態を、主として車両用のプロペラシャフトに本発明を適用した場合について、図面を参照しながら説明する。
図2は本発明の一実施態様に係るプロペラシャフトを構成するFRP筒体を示しており、図1に示したようなマンドレル11上にFRP筒体を製造するに際し、本発明を適用したもので、特にFRP製プロペラシャフトを製造する場合を示したものであり、図2において、図1に示したようなマンドレル11上にFRP製の筒状体を形成していく際に、FRP筒体の層構成を示したものである。FRP筒体は周方向巻補強層:21、0°層:23,26、45°層:24、90°層:22,25を有するように成形され、周方向巻補強層、±45°層、90°層は引張弾性率230〜280Gpaの炭素繊維、0°層は引張弾性率281〜900Gpaの炭素繊維が配されている。
また、前記周方向巻補強層:21、0°層:23,26、45°層:24、90°層:22,25はシートワインディング法により成形されている。
さらに、そのFRP筒体端部に図3に示すように金属製継手が圧入され、図4に示すようなプロペラシャフトとされる。
本発明において、FRP層は、補強繊維とマトリックス樹脂からなる。補強繊維としては、炭素繊維、ボロン繊維などを例示できるが、成形品となした場合に、特に優れた機械的特性を示すポリアクリロニトリル系やピッチ系などの炭素繊維を用いることが好ましい。なお、これらの補強繊維は、異なる種類のものを併用することができる。また、同じ種類のものであっても、特性の異なるものを併用することができる。
また、マトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、その他の熱硬化性樹脂を使用することができる。なかでも、耐熱性、耐水性、接着性に優れたエポキシ樹脂を用いることが好ましい。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂などを使用することができる。これらのエポキシ樹脂は、単独または2種類以上を併用して使用することができ、さらには液状のものから固体状のものまで使用することができる。通常、エポキシ樹脂には硬化剤を加えて用いられる。
実施例1
次に、上記実施形態の項で説明した本発明の構成要件を満足するFRP筒体における効果を確認するために成形性、共振周波数の評価を実施した。以下にこれらについて詳細に説明する。
次に、上記実施形態の項で説明した本発明の構成要件を満足するFRP筒体における効果を確認するために成形性、共振周波数の評価を実施した。以下にこれらについて詳細に説明する。
なお、本発明において、引張弾性率 は、JISR 7601−1986に従って測定されるストランドの引張弾性率であり、メーカーカタログ記載の値を使用する。
金属製継手をとりつけた状態での共振周波数仕様が280Hzと極めて高い仕様のFRP筒体を以下のように成形した。
試験評価に使用したプロペラシャフト用FRP筒体はシートワインディング法により製造した。材料として一方向プリプレグシートA(東レ(株)“トレカ(登録商標)”プリプレグP6052F 繊維目付:116g/m2、繊維含有率:67重量%、炭素繊維(CF)引張弾性率:436GPa)と一方向プリプレグシートB(東レ(株)“トレカ(登録商標)”プリプレグP3052S 繊維目付:125g/m2、繊維含有率:67重量%、CF引張弾性率:230GPa)を用いた。また、製造に使用したマンドレルは、外径(すなわち、FRP筒体の内径)がφ60mm、全長2000mmのものを用い、FRP筒体2本(製品長900mm)を1本のマンドレルから取るようにした。
マンドレル面長部全体に渡って“トレカ(登録商標)”プリプレグをシートワインディング法にて成形する。この時、まず“トレカ(登録商標)”プリプレグP3052Sを使用して90°層を1層積層する。
その後、“トレカ(登録商標)”プリプレグP6052Fを使用して0°層を8層積層し、さらに“トレカ(登録商標)”プリプレグP3052Sを使用して45°層を6層積層し、さらに“トレカ(登録商標)”プリプレグP6052Fを使用して0°層を8層積層し、さらに“トレカ(登録商標)”プリプレグP3052Sを使用して90°層を1層積層した。最後に接合部に相当する箇所に周方向巻層を所定の肉厚分を積層した。
次に、所定の温度条件にて加熱炉でエポキシ樹脂の硬化を行い、その後、マンドレルから成形品を脱芯した。脱芯後、所定のプロペラシャフト用FRP筒体2本を得るために、切断部で切断した。
このようにして得られたFRP筒体は、シートワインディング法での成形を選択しているので、成形上、毛羽・糸切れの発生を防ぐことにより発現率(設計値に対する実力値の割合)も高くすることができ、その結果FRP筒体に要求される共振周波数、捩り強度、剛性等の性能を満足することが出来ことができ、捩り強度3000Nmで、端部に金属製継手を取り付けた状態で両端固定支持した場合の共振周波数が250Hzというほぼ設計値通りの高い値を発現することができた。
また、強化繊維の引張弾性率の特徴を考慮して筒軸方向に対する巻き角度と使用する強化繊維を最適に組み合わせているのでFRP筒体の価格の高騰を抑えることができた。
比較例1
上記実施例のような共振周波数仕様が高い場合、従来、例えば高弾性率炭素繊維M46Jを使用してプロペラシャフト用FRP筒体をフィラメントワインディング法で成形していたが、その成形中、毛羽が大量に発生し、糸切れも頻繁に発生する。また、曲げ剛性に寄与する積層角度は、マンドレル径方向に対して張力が負荷されないことに起因するボイド等品質面を考慮して筒軸方向に対して0°のような低角度を選択することが困難であり、積層角度は少なくとも10°程度を選択しなければならなかった。
上記実施例のような共振周波数仕様が高い場合、従来、例えば高弾性率炭素繊維M46Jを使用してプロペラシャフト用FRP筒体をフィラメントワインディング法で成形していたが、その成形中、毛羽が大量に発生し、糸切れも頻繁に発生する。また、曲げ剛性に寄与する積層角度は、マンドレル径方向に対して張力が負荷されないことに起因するボイド等品質面を考慮して筒軸方向に対して0°のような低角度を選択することが困難であり、積層角度は少なくとも10°程度を選択しなければならなかった。
以上のことから、成形上の発現率の低さの面からも、設計上の面からも250Hz以上の共振周波数の高いFRP筒体を提供することは極めて困難であった。
以上の結果から、共振周波数仕様が高いプロペラシャフト用FRP筒体を得る場合、そのFRP筒体を引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層で構成し、シートワインディング法で成形することで実現することを確認できた。
11:マンドレル
12:FRP本体筒
13:所定長に切断するための切断部
21:周方向巻補強層
22、25:90°層
23、26:0°層
24:45°層
31、41:金属製継手
32、43:周方向巻補強層
33、42:FRP筒体
12:FRP本体筒
13:所定長に切断するための切断部
21:周方向巻補強層
22、25:90°層
23、26:0°層
24:45°層
31、41:金属製継手
32、43:周方向巻補強層
33、42:FRP筒体
Claims (4)
- 内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層とを有し、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素が結合されてなることを特徴とするプロペラシャフト。
- 前記FRP筒体の筒軸方向に対して45°、90°の層が引張弾性率230〜280Gpaの強化繊維を含み、0°の層が引張弾性率280〜900Gpaでかつ45°、90°の層で使用した強化繊維の引張弾性率より少なくとも50Gpa高い強化繊維を含んでいることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト
- 前記FRP筒体の少なくとも一方の筒軸方向端部の表層側および/または内層側に筒軸方向に対しで90°の周方向巻補強層が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプロペラシャフト。
- 内径が50〜100mmで、筒軸方向に対して0°、45°、90°の層で構成され、少なくとも引張弾性率230〜900Gpaの強化繊維を含み、中央部の厚みが1.5〜5mmであるFRP筒体に継手要素を結合させたプロペラシャフトの製造方法であって、前記FRP筒体をシートワインディング法で成形することを特徴とするプロペラシャフトの製造方法。
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Cited By (1)
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---|---|---|---|---|
WO2019181204A1 (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 動力伝達軸 |
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2005
- 2005-12-27 JP JP2005374082A patent/JP2007177811A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019181204A1 (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 動力伝達軸 |
JP2019163823A (ja) * | 2018-03-20 | 2019-09-26 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 動力伝達軸 |
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