JPH0899373A - Frp筒体およびその製造方法 - Google Patents

Frp筒体およびその製造方法

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JPH0899373A
JPH0899373A JP6261383A JP26138394A JPH0899373A JP H0899373 A JPH0899373 A JP H0899373A JP 6261383 A JP6261383 A JP 6261383A JP 26138394 A JP26138394 A JP 26138394A JP H0899373 A JPH0899373 A JP H0899373A
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幸胤 木本
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靖之 豊田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 層間を生じさせずに目標とした強度特性を正
確にかつ効果的に発現させることができ、かつ、筒軸方
向にみた各部位にそれぞれ最適な強度特性を付与した、
FRP筒体およびその製造方法を提供する。 【構成】 連続繊維からなる強化繊維で強化された樹脂
からなり、筒軸方向両端部における強化繊維の巻角度A
が±80〜90°、中央部における巻角度Bが±5〜2
0°、それらの中間領域における巻角度が巻角度Aから
巻角度Bに徐々に変化し、肉厚が両端部でtA (大)、
中央部でtB (小)、それらの中間領域で徐々に変化す
る肉厚tC である、FRP筒体およびその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、FRP筒体およびその
製造方法に関し、とくに、両端部に他部材が接合される
FRP筒体、たとえばプロペラシャフト等に用いて好適
なFRP筒体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、各種産業分野でFRP(繊維強化
プラスチック)筒体が使われてきつつある。たとえば近
年、燃費の向上や環境保全といった観点から自動車の軽
量化が強く望まれているが、それを達成する一手段とし
てプロペラシャフトのFRP化が検討され、一部で既に
採用されるに至っている。そのようなFRP製プロペラ
シャフトは、FRP製本体と、この本体の各端部に接合
して設けた金属製継手とを有している。
【0003】ところで、自動車のプロペラシャフトは、
エンジンで発生するトルクを捩りトルクとして駆動輪に
伝達するものであるから、100〜400kgf・m程
度の捩り強度を必要とする。また、高速回転時に共振を
起こさないよう、危険回転数が5,000〜15,00
0rpm程度であることも要求される。そのため、これ
らの基本的要求が満たされるよう、FRP製プロペラシ
ャフトの本体は、強化繊維の種類、含有量や、強化繊維
の配列方向、層構成や、外径、内径、肉厚等のパラメー
タを考慮した設計がなされる。
【0004】たとえば、強化繊維の配列方向の選定に
は、次のようなことが考慮される。すなわち、主として
捩り強度に関しては、強化繊維を本体の筒軸方向に対し
て±45°の角度で配列するのが最も効果的であるが、
主として捩り座屈強度に関しては、筒軸方向に対して±
80〜90°の角度で配列するのが最も効果的である。
また、主として危険回転数に関しては、強化繊維を可能
な限り筒軸方向に配列して筒軸方向における曲げ弾性率
を大きくし、高い曲げ共振周波数が得られるようにす
る。
【0005】このように、本体においては、捩り強度と
危険回転数といった基本的要求に関して最も効果的な強
化繊維の配列方向が存在するので、通常、これらの要求
に好適な配列方向を組み合わせた層構成を採ることにし
ている。たとえば、筒軸方向に対して±80〜90°の
層と±45°および±5〜20°の層を交互に積層した
り、他の角度の層を加えて適当な積層構成としたり、さ
らに、端部の継手との接合部に±80〜90°の層を付
加したりしている。
【0006】ところが、このような強化繊維の配列角度
の異なる層を複数層積層した構成においては、各層間
に、強化繊維の配列角度が急激に変わるため機械的特性
が急激に変わる境界部分が生じる。このような層間部位
では、過度の曲げ荷重や捩り荷重が加わった際、層間剥
離や層間破壊を生じやすく、他の部位、つまり層中の部
位に比べ強度が低い。したがって、FRP筒体の設計
上、このような層間剥離や層間破壊を生じさせる荷重が
強度上の律則となり、所定の強化繊維の配列や積層構成
による、目標とした強度特性を満たすことができないこ
とがある。
【0007】一方、別の問題として、大部分のFRP筒
体はその端部に他部材が接合され、他部材を介して捩り
荷重や曲げ荷重がFRP筒体の本体に伝達される方法で
使用されるが、本体の筒軸方向にみて、本体中央部と、
他部材との接合部とに要求される機械的特性は必ずしも
同じではない。たとえば、本体端部内に圧入や接着によ
り他部材が接合される場合には、本体端部には、接合強
度や端部自身の強度を確保するために、中央部に比べよ
り高い拡径方向強度や捩り強度が要求され、本体中央部
には、端部に比べより高い曲げ強度が要求される。前述
のような、単に配列角度の異なる強化繊維層を順に重ね
ていく積層構成では、このような要求を十分に満たせる
とは言い難い。
【0008】このような要求に関して、実公平3−76
06号公報には、FRP製本体の強化繊維配列角度を、
筒軸方向に対して、中央部で0〜15°、継手が接合さ
れる両端部に向けて漸増させ該両端部で40°〜50°
に設定した動力伝達軸が開示されているが、筒軸方向各
部位の強度特性、とくに端部における強度特性が十分に
最適化されているとは言い難い。またこの動力伝達軸
は、筒軸方向に全長にわたって均一な肉厚に形成されて
いるので、上記強化繊維の配列角度を変化させたことに
よる筒軸方向強度特性変更効果以上の効果はなく、得ら
れる効果には限界がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のFRP筒体の上述した問題点を解決し、基本的に層間
を生じさせずに目標とした強度特性を正確にかつ効果的
に発現させることができ、かつ、筒軸方向にみた各部位
にそれぞれ、最も高い効果が得られる最適な強度特性を
効率よく付与した、FRP筒体およびその製造方法を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
FRP筒体は、筒軸方向にヘリカル巻された、連続繊維
からなる強化繊維で強化された樹脂からなるFRP筒体
において、FRP筒体の筒軸方向両端部における強化繊
維の巻角度Aが±80〜90°、FRP筒体の筒軸方向
中央部における強化繊維の巻角度Bが±5〜20°、両
端部と中央部との間における巻角度が巻角度Aから巻角
度Bに徐々に変化する巻角度Cであることを特徴とする
ものからなる。
【0011】また、本発明に係るFRP筒体は、筒軸方
向にヘリカル巻された、連続繊維からなる強化繊維で強
化された樹脂からなるFRP筒体において、FRP筒体
の筒軸方向両端部における肉厚tA が中央部における肉
厚tB よりも大きく、両端部と中央部との間における肉
厚が肉厚tA から肉厚tB に徐々に変化する肉厚tC
あることを特徴とするものからなる。
【0012】さらに、本発明に係るFRP筒体は、筒軸
方向にヘリカル巻された、連続繊維からなる強化繊維で
強化された樹脂からなるFRP筒体において、FRP筒
体の筒軸方向両端部における強化繊維の巻角度Aが±8
0〜90°、FRP筒体の筒軸方向中央部における強化
繊維の巻角度Bが±5〜20°、両端部と中央部との間
における巻角度が巻角度Aから巻角度Bに徐々に変化す
る巻角度Cであり、かつ、FRP筒体の筒軸方向両端部
における肉厚tA が中央部における肉厚tB よりも大き
く、両端部と中央部との間における肉厚が肉厚tA から
肉厚tB に徐々に変化する肉厚tC であることを特徴と
するものからなる。
【0013】上記のような本発明に係るFRP筒体は、
とくにFRP製プロペラシャフトに適用して有効である
が、プロペラシャフト以外にも、両端部に他部材が接合
される、FRP製の配管パイプ、トラス等に適用可能で
ある。接合される他部材(プロペラシャフトの場合には
継手)の接合方法は特に限定されず、圧入や接着による
接合、その他の方法のいずれであってもよい。
【0014】また、上記のようなFRP筒体は、次のよ
うな方法で製造できる。すなわち、本発明に係るFRP
筒体の製造方法は、マンドレル上に、樹脂を含浸した強
化繊維束をヘリカル巻してFRP筒体を成形するに際
し、前記強化繊維束の巻角度を、両端部においては±8
0〜90°、中央部においては±5〜20°、両端部と
中央部との間においては±80〜90°から±5〜20
°に徐々に変化させることを特徴とする方法からなる。
【0015】
【作用】このようなFRP筒体は、連続繊維からなる強
化繊維で強化された樹脂から構成され、まず、筒軸方向
両端部における強化繊維の巻角度Aが±80〜90°、
筒軸方向中央部における強化繊維の巻角度Bが±5〜2
0°、両端部と中央部との間における巻角度が巻角度A
から巻角度Bに徐々に変化する巻角度Cに設定される。
筒軸方向両端部における上記巻角度Aは、いわゆるフー
プ巻と呼ばれるもので、高い捩り強度、拡径方向に高い
強度を発揮するのに最適な巻角度である。また中央部に
おける巻角度Bは、主として高い曲げ強度や曲げ弾性率
を発揮するのに最適な巻角度である。したがって、筒軸
方向にみて、両端部が高い捩り強度や他部材との高い接
合強度および接合部強度を発揮するのに最も適した強化
繊維の配列とされ、中央部が高い危険回転数等を得るの
に最も適した強化繊維の配列とされ、両者間でこれらの
特性が徐々に変化するように設定される。
【0016】その結果、FRP筒体は、その筒軸方向に
みて各部位に要求される機能に最も適した強度特性をそ
れぞれ有することになり、FRP筒体全体として、使用
上最も都合のよい特性を、バランスよくかつ効率よく発
揮することが可能となる。
【0017】また、上記各部位に最適な強化繊維の巻角
度は、連続繊維からなる強化繊維によって達成され、か
つ、積層構成とする場合にあっても、個々の部位におい
ては、積層される各層は、上記最適な角度範囲内におい
て同じ巻角度を有するから、本発明に係るFRP筒体に
は巻角度の異なった層間が存在しない。したがって、巻
角度の異なった層の積層構成における層間剥離や層間破
壊の発生を防止でき、それらに起因する強度特性の低下
を防止できる。つまり、強化繊維の配列等による、目標
とした強度特性を正確にかつ効率よく得ることができ、
従来の積層構成品に比べ、強度を向上できる。
【0018】また、FRP筒体の筒軸方向両端部におけ
る肉厚tA が中央部における肉厚tB よりも大きく、両
端部と中央部との間おける肉厚がtA からtB に徐々に
変化する肉厚tC である場合、中央部に所望の曲げ強度
や曲げ弾性率をもたせつつ、両端部においては、より高
い捩り強度や他部材との接合強度および接合部強度を発
揮することが可能となる。したがって、筒軸方向にみ
て、FRP筒体の各部位に、より最適な強度特性をもた
せることができる。
【0019】上記のようなFRP筒体は、単一の成形工
程で製造することが可能である。すなわち、マンドレル
軸方向に往復動させながら、樹脂を含浸した強化繊維束
をマンドレル上にヘリカル巻していくことによりFRP
筒体が成形されるが、強化繊維束をマンドレル上に案内
するガイド、たとえばキャリッジの移動速度を変化さ
せ、FRP筒体の筒軸方向両端部では遅く、中央部では
速く、その中間位置では両速度間を徐々に変化するよう
に移動速度を制御することにより、前述の如き巻角度
A、巻角度B、巻角度Cを達成できる。
【0020】またこのとき、巻角度Aの両端部において
は、筒軸方向と略直交する方向に、送られてきた強化繊
維束が略そのままの状態で巻き付けられ、巻角度Bの中
央部においては、上記筒軸方向と直交する方向から大き
く傾けられて斜めに強化繊維束が巻き付けられることに
なる。その結果、両端部における巻き付け層数が中央部
における巻き付け層数よりも多くなり、形成される筒体
の厚みは、両端部においては相対的に厚く、中央部にお
いては相対的に薄く、その中間部位においては厚みが徐
々に変化することになる。その結果、前述の両端部肉厚
A が大きく、中央部肉厚tB が小さく、中間部肉厚t
C がtA からtB に徐々に変化するFRP筒体が、強化
繊維束の筒軸方向の移動速度の変更制御により、実質的
に自然に得られることになる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明のFRP筒体およびその製造
方法の望ましい実施例を、図面を参照して説明する。図
1は、本発明の一実施例に係るFRP筒体を示してお
り、本発明をFRP製プロペラシャフトに適用したもの
を示している。図において、1はFRP筒体としてのF
RP製本体筒を示している。本体筒1の両端部には、金
属製継手2が圧入接合されている。本体筒1は、炭素繊
維、ガラス繊維、ポリアラミド繊維等の高強度、高弾性
率強化繊維でエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、
フェノール樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂
等の熱硬化性樹脂や、ポリアラミド樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等の熱可塑性樹脂を
強化してなるものである。このプロペラシャフトは、長
さ方向中心からみて対称形である。
【0022】FRP製本体筒1は、ヘリカル巻された、
連続繊維からなる強化繊維3で強化された樹脂からなっ
ている。強化繊維3の巻角度は、本体筒1の筒軸方向両
端部、つまり継手2との接合部を主として構成している
両端部領域RA では、筒軸方向に対して±80〜90°
の巻角度A、筒軸方向中央部領域RB では、筒軸方向に
対して±5〜20°の巻角度B、それらの中間の領域R
C では、巻角度Aから巻角度Bに徐々に変化する巻角度
Cになっている。
【0023】また、本体筒1の肉厚は、両端部領域RA
では最も大きい肉厚tA 、中央部領域RB では最も小さ
い肉厚tB 、それらの中間領域RC では肉厚tA から肉
厚tB に徐々に変化する肉厚tC になっている。中間領
域RC における肉厚tC は、筒軸方向に直線状に変化し
てもよく、曲線状に変化してもよい。
【0024】これら本体筒1の筒軸方向における強化繊
維3の巻角度および本体筒1の肉厚を模式的に示すと、
図2に示すようになる。このような巻角度および肉厚の
変更は、次のような方法で制御できる。
【0025】すなわち、図3に示すように、マンドレル
4上に樹脂を含浸した強化繊維束5をらせん状に(ヘリ
カル巻しながら)、かつガイド手段6による案内によっ
てマンドレル4の軸方向(筒軸方向)に往復させながら
巻き付けていく。このとき、ガイド手段6を停止する
と、強化繊維束5はマンドレル4の軸方向と直交する方
向にそのまま巻き付けられ、ガイド手段6を移動させる
と、強化繊維束5はヘリカル巻されていく。そして、移
動速度が大きいと、巻き付けられる強化繊維束5のマン
ドレル4の軸方向(つまり筒軸方向)に対する巻角度が
小さくなり、移動速度が小さいと、強化繊維束の巻角度
は大きくなる。したがって、ガイド手段6の往復移動速
度を変更し、強化繊維束5のマンドレル4の軸方向の往
復移動速度を変化させることにより、成形される本体筒
1の筒軸方向各位置における強化繊維の巻角度を変化さ
せることができる。
【0026】本体筒1の筒軸方向両端部領域RA では、
ガイド手段6の移動速度を低く制御して、強化繊維束5
をマンドレルの周方向あるいはそれに近い方向に巻き付
けることにより、筒軸方向に対して±80〜90°の巻
角度Aを得る。中間領域RCでは、端部領域RA から中
央部領域RB に向かうにしたがって徐々にガイド手段6
の移動速度を速め、筒軸方向に対する巻角度Cを徐々に
小さくしていく。中央部領域RB においては、ガイド手
段6の移動速度を最高速度まで速め、強化繊維束5を筒
軸方向に対して±5〜20°の最小巻角度Bで巻き付け
ていく。強化繊維は連続繊維からなっているので、本体
筒1の端縁位置まで移動されてきた強化繊維束5は、同
じ速度にて折り返すことにより、自然に同一角度でかつ
正負逆転した巻角度となる。端部領域RA では、強化繊
維束5の移動速度は極めて遅いので、方向転換(折り返
し)は円滑に行われる。ガイド手段6を所定回数往復動
させることにより、強化繊維の所定の積層構成を有す
る、所定肉厚の本体筒1を得る。マンドレル4上に形成
された本体筒1のマトリクス樹脂を硬化させることによ
り本体筒1が成形され、それをマンドレル4から引き抜
くことにより所定の本体筒1が得られる。
【0027】上記成形においては、強化繊維束5の移動
速度に応じて成形される筒体の厚みが変化する。すなわ
ち、移動速度が遅いときには、巻き付けられる強化繊維
束5の巻き付け層数が多くなり、巻角度が筒軸方向に対
して小さくなり移動速度が速くなると、巻き付け層数が
少なくなる。その結果、マンドレル4の回転数が一定で
あっても、強化繊維束5が積層巻き付けされて形成され
る本体筒1の肉厚は、マンドレル4の軸方向(つまり筒
軸方向)に、強化繊維束5の移動速度に応じて変化する
ことになる。つまり、移動速度の遅い両端部領域RA
おいてはより厚く、中央部領域RB においてはより薄
く、中間領域RC においては徐々に変化する肉厚とな
り、前述の肉厚tA 、tB 、tC を有する本体筒1が自
然に成形される。
【0028】このように形成されたプロペラシャフトで
は、継手2との高い接合強度や接合部自身の強度、継手
2からのトルクを良好に伝達するために高い捩り強度が
要求される本体筒1の端部領域RA においては、±80
〜90°の巻角度A、つまり周方向に近い角度で強化繊
維が巻かれているので、目標とする強度特性が容易に得
られる。また、この端部領域RA では、本体筒1の肉厚
A も大きく設定されているので、一層高い強度が得ら
れる。
【0029】中央部領域RB においては、±5〜20°
の巻角度B、つまり比較的筒軸方向に近い角度で強化繊
維が巻かれているので、この部位に要求される、筒軸方
向における高い曲げ強度や曲げ弾性率が効率よく得られ
る。また、この領域RB では、肉厚tB が不必要に厚く
なることが防止され、本体筒1全体の軽量化がはかられ
る。中間部領域RC においては、巻角度が徐々に変化し
ているので、強度特性は、上記端部領域RA における特
性から中央部領域RB における特性まで徐々に変化す
る。このように、筒軸方向にみて、各領域RA 、RB
C にそれぞれ最も適した強度特性が現出される。
【0030】また、図3に示したように強化繊維束5が
複数回筒軸方向に往復する際、その移動速度は、各往復
毎に、各領域RA 、RB 、RC においてそれぞれ同一速
度になるように制御される。したがって、個々の領域に
おいては、強化繊維束5は実質的に同じ巻角度で順に積
層されていくことになる。その結果、強化繊維の巻角度
の異なる層が積層されることがなくなり、巻角度の異な
った層間部位が生じなくなる。層間が存在しないと、基
本的に層間剥離や層間破壊は生じないので、それらによ
る強度低下が防止され、目標とする設計通りの強度特性
が正確に効率よく発揮されることになる。
【0031】さらに、マンドレル4上の強化繊維束5の
巻き付けにおいては、端部領域RAにおいて、殆ど周方
向巻き付けに近い状態で強化繊維束5の移動方向を反転
させることになるので、強化繊維束5を積層していく際
にも、その折り返し部を精度よく揃えることが可能とな
る。折り返し端が精度よく揃えられると、そのままの状
態で、あるいは若干加工を加えることにより、折り返し
端を実質的にそのまま本体筒1の端縁として使用するこ
とが可能になる。従来、折り返し端を揃えることが難し
かったので、本体筒を長目に成形しており、余分な部分
を後で切り取っていたが、本発明ではこのような切り取
り工程の不要化が可能となり、使用する強化繊維の収率
も100%に近づけることが可能となる。
【0032】なお、以上の実施例はFRP製プロペラシ
ャフトについて説明したが、本発明は、プロペラシャフ
トに限らず、両端部に他部材が接合される他のFRP筒
体、例えばFRP製トラスやFRP製配管パイプ等にも
好適に適用できる。
【0033】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のFRP筒
体およびその製造方法によるときは、筒軸方向にみた各
部位にそれぞれ最適な強度特性を効率よく発揮させるこ
とができ、かつ、層間破壊を生じさせることなく目標と
した強度特性を正確にしかも最も効果的に発現させるこ
とができ、全体にわたって所望の特性をバランスよく有
するFRP筒体を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るFRP筒体(プロペラ
シャフト)の部分縦断面図である。
【図2】図1のプロペラシャフトのFRP製本体筒の特
性を表わした模式図である。
【図3】図2の本体筒成形の様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 FRP製本体筒(FRP筒体) 2 継手 3 強化繊維 4 マンドレル 5 樹脂含浸強化繊維束 6 ガイド手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 23:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒軸方向にヘリカル巻された、連続繊維
    からなる強化繊維で強化された樹脂からなるFRP筒体
    において、FRP筒体の筒軸方向両端部における強化繊
    維の巻角度Aが±80〜90°、FRP筒体の筒軸方向
    中央部における強化繊維の巻角度Bが±5〜20°、両
    端部と中央部との間における巻角度が巻角度Aから巻角
    度Bに徐々に変化する巻角度Cであることを特徴とする
    FRP筒体。
  2. 【請求項2】 筒軸方向にヘリカル巻された、連続繊維
    からなる強化繊維で強化された樹脂からなるFRP筒体
    において、FRP筒体の筒軸方向両端部における肉厚t
    A が中央部における肉厚tB よりも大きく、両端部と中
    央部との間における肉厚が肉厚tA から肉厚tB に徐々
    に変化する肉厚tC であることを特徴とするFRP筒
    体。
  3. 【請求項3】 筒軸方向にヘリカル巻された、連続繊維
    からなる強化繊維で強化された樹脂からなるFRP筒体
    において、FRP筒体の筒軸方向両端部における強化繊
    維の巻角度Aが±80〜90°、FRP筒体の筒軸方向
    中央部における強化繊維の巻角度Bが±5〜20°、両
    端部と中央部との間における巻角度が巻角度Aから巻角
    度Bに徐々に変化する巻角度Cであり、かつ、FRP筒
    体の筒軸方向両端部における肉厚tA が中央部における
    肉厚tB よりも大きく、両端部と中央部との間における
    肉厚が肉厚tA から肉厚tB に徐々に変化する肉厚tC
    であることを特徴とするFRP筒体。
  4. 【請求項4】 FRP筒体がプロペラシャフトであり、
    FRP筒体の両端部に継手が接合されている、請求項1
    ないし3のいずれかに記載のFRP筒体。
  5. 【請求項5】 マンドレル上に、樹脂を含浸した強化繊
    維束をヘリカル巻してFRP筒体を成形するに際し、前
    記強化繊維束の巻角度を、両端部においては±80〜9
    0°、中央部においては±5〜20°、両端部と中央部
    との間においては±80〜90°から±5〜20°に徐
    々に変化させることを特徴とする、FRP筒体の製造方
    法。
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GB2598094A (en) * 2020-08-10 2022-02-23 Lentus Composites Ltd Drive shaft
CN115107262A (zh) * 2022-08-30 2022-09-27 浙江大学 一种可变刚度的无金属内衬碳纤维增强液压缸
DE102015224388B4 (de) 2015-07-01 2023-07-20 Hyundai Motor Company Faserverstärktes Kunststoffelement für Fahrzeuge, Verfahren zum Herstellen von diesem und Fahrzeug

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